以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る表示装置の模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る表示装置100は、表示機構10と制御部12とを備える。表示装置100は、可視光による画像である可視光画像と赤外光による画像である赤外光画像とを表示する表示装置である。表示機構10は、第1光源101、第2光源102、蛍光体103、偏光板105R、105G、105B、表示素子106R、106G、106B、偏光板107R、107G、107B、色合成プリズム108、投射レンズ109、ダイクロイックミラー120~123、反射ミラー130~132、レンズ140~148、及び偏光変換素子150を備える。表示素子106R、106G、106Bを区別しない場合は、表示素子106と記載する。
ダイクロイックミラー120~123は、分離波長を分離境界として、入射した光を反射と透過によって分離する特性を有する。ダイクロイックミラー120~123は、ガラス板またはプリズム等の透明材料の所定の領域に例えば誘電体多層膜を形成することにより作製することができる。誘電体多層膜を構成する誘電体の材質及び膜厚に応じて光学特性を設定することができる。
第1光源101は、第1波長帯の光である第1照明光を照射する。本実施形態では、第1波長帯は、可視光の波長帯であり、第1照明光は、可視光である。より具体的には、本実施形態に係る第1光源101は、例えば青色レーザ素子で構成された青色レーザ光源である。なお、青色照明光は、例えば、450nm以上495nmの波長帯の光である。第1光源101は、第1照明光として、青色レーザ光である青色照明光を照射する。青色照明光はダイクロイックミラー120に照射される。ダイクロイックミラー120は、青色照明光を反射し、黄色照明光を透過させる特性を有する。
第1光源101から射出された青色照明光は、ダイクロイックミラー120により反射され、更にレンズ140により集光されて蛍光体103に照射される。
蛍光体103は蛍光層と反射面とを有する。蛍光層は、第1光源101から照射された青色照明光のエネルギ強度に応じた強度の赤色帯域の成分と緑色帯域の成分とを含む黄色照明光を生成する。反射面は、蛍光層を透過した青色照明光と蛍光層により生成された黄色照明光とを反射する。
蛍光体103により生成された蛍光である黄色照明光は、レンズ140を介してダイクロイックミラー120の方向に照射される。黄色照明光はダイクロイックミラー120を透過し、ダイクロイックミラー121に照射される。
蛍光体103で反射した青色照明光は、レンズ140を介してダイクロイックミラー120の方向に照射される。ダイクロイックミラー120の表面積は、第1光源101から照射される青色レーザ光の光束よりやや大きい程度の大きさに設定される。一方、蛍光体103により反射された青色照明光は反射時に拡散されているため、レンズ140からダイクロイックミラー120に照射される青色照明光の光束は、ダイクロイックミラー120の面積に対し十分大きく広がっている。すなわち、レンズ140からダイクロイックミラー120に照射される青色照明光は、一部がダイクロイックミラー120により反射されるが、大部分はダイクロイックミラー121に照射される。
第2光源102は、第1波長帯とは異なる第2波長帯の光である第2照明光を照射する。本実施形態では、第2波長帯は、赤外線の波長帯であり、第2照明光は、赤外光である。より具体的には、本実施形態に係る第2光源102は、例えば近赤外LED素子で構成された赤外LED光源である。第2光源102は赤外LED光を射出する。以下、赤外LED光を赤外照明光と称す。なお、赤外照明光は、例えば、0.7μm以上1000μmの波長帯の光である。赤外照明光は、レンズ141、142を介してダイクロイックミラー121に照射される。ダイクロイックミラー121は、赤外照明光を反射し、黄色照明光と青色照明光を透過させる特性を有する。
ダイクロイックミラー121を透過した青色照明光と黄色照明光、及びダイクロイックミラー121を反射した赤外照明光は、更に反射ミラー130を反射し、レンズ143に入射する。
レンズ143及びレンズ144は例えばフライアイレンズである。反射ミラー130を反射した青色照明光、黄色照明光、及び赤外照明光は、レンズ143及び144によって照明分布が均一化され、偏光変換素子150に入射される。
図2は、本実施形態に係る偏光変換素子の構成例を示す図である。図2に示すように、偏光変換素子150は、偏光ビームスプリッタ151と位相差板152とを有する。偏光ビームスプリッタ151は、s偏光及びp偏光のいずれか一方を反射し、他方を透過させる。図2は、偏光ビームスプリッタ151がs偏光を反射し、p偏光を透過させる状態を示している。
位相差板152は、s偏光及びp偏光のいずれか一方を他方に変換する。図2は、位相差板152がs偏光をp偏光に変換する状態を示している。位相差板152は例えばλ/2位相差板である。偏光変換素子150によって、各照明光はp偏光に揃えられる。
図1に戻り、偏光変換素子150によって、p偏光に揃えられた各照明光は、レンズ145を介してダイクロイックミラー122に照射される。レンズ145は例えば集光レンズである。
ダイクロイックミラー122は、入射した青色照明光BLと、黄色照明光YL及び赤外照明光IRLとを分離する。ダイクロイックミラー122によって分離された黄色照明光YL及び赤外照明光IRLは、反射ミラー131を反射し、ダイクロイックミラー123に入射する。
ダイクロイックミラー123は、赤色光帯域と緑色光帯域の中間の波長を分離境界とし、入射した黄色照明光YLと赤外照明光IRLとを、赤色帯域の成分を含む赤色照明光RL及び赤外照明光IRLと、緑色帯域の成分を含む緑色照明光GLとに分離する。具体的には、ダイクロイックミラー123は、入射した黄色照射光YLの、緑色帯域成分を反射して緑色照明光GLを射出し、入射した黄色照射光YLの、赤色帯域成分を透過して赤色照明光RLを射出する。また、ダイクロイックミラー123は、赤外照明光IRLを透過する。なお、赤色照明光RLは、例えば、620nm以上750nmの波長帯の光であり、緑色照明光GLは、例えば、495nm以上570nm以下の波長帯の光である。
ダイクロイックミラー123によって分離された赤色照明光RL及び赤外照明光IRLは、レンズ146を介して偏光板105Rに照射される。ダイクロイックミラー123によって分離された緑色照明光GLは、レンズ147を介して偏光板105Gに照射される。ダイクロイックミラー122によって分離された青色照明光BLは、反射ミラー132により反射し、レンズ148を介して偏光板105Bに照射される。
偏光板105R、105G、105Bは、s偏光及びp偏光のいずれか一方を反射し、他方を透過させる特性を有する。図1は、偏光板105R、105G、105Bがs偏光を反射し、p偏光を透過させる状態を示している。偏光板105R、105G、105Bを反射型偏光板とも称する。偏光板105R、105G、105Bは、例えばワイヤーグリッド偏光板である。
p偏光である赤色照明光RL及び赤外照明光IRLは、偏光板105Rを透過して表示素子106Rに照射される。p偏光である緑色照明光GLは、偏光板105Gを透過して、表示素子106Gに照射される。p偏光である青色照明光BLは、偏光板105Bを透過して、表示素子106Bに照射される。このように、第2光源102からの赤外照明光IRLは、第1光源101からの照射光に基づいた照明光(ここでは赤色照明光RL)と、同じ表示素子106Rに照射される。
表示素子106R、106G、106Bは、例えば反射型液晶表示素子である。本実施形態では表示素子106、106G、106Bが反射型液晶表示素子である場合を例に説明するが、反射型に限定されず、透過型液晶表示素子を使用する構成としても良い。また、液晶表示素子ではなく、他の表示素子を使用する構成にも種々応用可能である。
表示素子106Rは、赤色の成分の画像データに基づいてp偏光の赤色照明光RLを光変調し、s偏光の赤色画像光RMを生成する。また、表示素子106Rは、赤外光の成分の画像データに基づいてp偏光の赤外照明光IRLを光変調し、s偏光の赤外画像光IRMを生成する。赤色画像光RMと赤外画像光IRMをまとめて第1の画像光RM/IRMとも称する。
表示素子106Gは、緑色の成分の画像データに基づいてp偏光の緑色照明光GLを光変調し、s偏光の緑色画像光GMを生成する。表示素子106Bは、青色の成分の画像データに基づいてp偏光の青色照明光BLを光変調し、s偏光の青色画像光BMを生成する。即ち、表示素子106Rは赤色画像用光変調素子及び赤外光画像用光変調素子として機能し、表示素子106Gは緑色画像用光変調素子として機能し、表示素子106Bは青色画像用光変調素子として機能する。
偏光板107R、107G、107Bは、s偏光及びp偏光のいずれか一方を透過し、他方を反射又は吸収する特性を有する。図1では、偏光板107R、107G、及び、107Bがs偏光を透過し、不要なp偏光を吸収する状態を示している。偏光板107R、107G、107Bを透過型偏光板とも称する。
赤外光画像の表示では、高い照度で赤外画像光を照射することが要求される。このため、赤外照明光IRL,又は赤外画像光IRMの光路上の光学部品は、他の色の照明光や画像光の光路上にある光学部品と比較して発熱しやすい。このため、赤外画像光IRMの光路となる偏光板107Rには、耐熱性が高く広帯域で良好な特性を持つワイヤーグリッド偏光板を用いる。これにより、一般的な樹脂性偏光板を用いた場合と比較して、信頼性や性能を改善することができる。一方、ワイヤーグリッド偏光板は一般的な樹脂製偏光板と比較して価格が高いので、赤外画像光IRMの光路上にない偏光板107G,107Bについては一般的な樹脂性偏光板を用いれば良い。
表示素子106Rによって生成された、s偏光である赤色画像光RM及び赤外画像光IRMは、偏光板105Rを反射し、偏光板107Rを透過して、色合成プリズム108に照射される。表示素子106Gによって生成された、s偏光である緑色画像光GMは、偏光板105Gを反射し、偏光板107Gを透過して、色合成プリズム108に照射される。表示素子106Bによって生成された、s偏光である青色画像光BMは、偏光板105Bを反射し、偏光板107Bを透過して、色合成プリズム108に照射される。
色合成プリズム108は、赤色画像光RM、赤外画像光IRM、及び青色画像光BMを反射し、緑色画像光GMを透過させ、それぞれの画像光を投射レンズ109に照射する。
赤色画像光RM、赤外画像光IRM、緑色画像光GM、及び、青色画像光BMは、投射レンズ109を介して図示しないスクリーン等へ投射される。赤色画像光RMと、緑色画像光GMと、青色画像光BMにより可視光画像が表示される。赤外画像光IRMにより赤外光画像が表示される。
表示機構10は、以上のような構成となっている。ただし、表示機構10の構成は以上の説明に限られず、任意の構成となっていてよい。例えば、第1光源101は、第1照明光として青色照明光を照射することに限られず、可視光を照射するものでよく、第2光源102と波長帯の異なる光を照射するものでよい。また、第2光源102は、第2照射光として赤外照明光を照射することに限られない。また、本実施形態の表示機構10は、表示装置100とは別体として設けられるスクリーンに画像を投影するプロジェクタであるが、それに限られず、例えば表示装置100と一体のディスプレイに画像を表示する装置であってもよい。
図3は、本実施形態に係る制御部の模式的なブロック図である。図4は、信号の例を示す図である。制御部12は、表示機構10を制御して、可視光画像及び赤外光画像を表示させる。図3に示すように、制御部12は、信号合成部20、信号処理部22、光源制御部24、サブフレームデータ生成部26、及び画素回路28を備える。信号合成部20、信号処理部22、光源制御部24、及びサブフレームデータ生成部26は、ハードウェアである集積回路で構成されていてもよいし、コンピュータの演算装置であるCPU(Central Processing Unit)及びメモリで構成され、メモリに記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)をCPUによって実行させることにより後述の処理を行う構成としてもよい。
信号合成部20は、第1画像信号SVと、第2画像信号SIとが入力される。第1画像信号SVは、第1照明光に基づく光による画像を表示するための入力信号であり、本実施形態では、可視光画像を表示するための入力信号である。第1画像信号SVは、可視光映像用映像信号と言い換えることもできる。第2画像信号SIは、第2照明光に基づく光による画像を表示するための入力信号であり、本実施形態では、赤外光画像を表示するための入力信号である。第2画像信号SIは、赤外光映像用映像信号と言い換えることもできる。信号合成部20には、例えば外部装置に記憶されていた第1画像信号SV及び第2画像信号SIが入力されてもよいし、カメラによって撮像された画像の情報が、第1画像信号SV及び第2画像信号SIとして、リアルタイムで入力されてよい。すなわち、第1画像信号SVと第2画像信号SIとの入力の方法は任意である。
第1画像信号SV及び第2画像信号SIは、処理の長さの周期、すなわちフレームレートに区分され、フレームレート毎に強度が割り当てられている信号である。図4では、第1画像信号SV及び第2画像信号SIのフレームレートがともに60Hzの場合の例を示している。
信号合成部20は、入力された第1画像信号SVと第2画像信号SIとを合成して、混合画像信号SFを生成する。混合画像信号SFは、第1画像信号SVのフレームと第2画像信号SIのフレームとが、すなわち第1画像信号SVの1フレーム分の信号と第2画像信号SIの1フレーム分の信号とが、交互に繰り返される信号であり、フレームシーケンシャル信号ということもできる。信号合成部20は、第1画像信号SVと第2画像信号SIとのフレームレート(表示速度)を所定倍数に変換して、第1画像信号SVと第2画像信号SIとがフレーム毎に交互に並ぶように、混合画像信号SFを生成する。すなわち、混合画像信号SFは、第1画像信号SVのフレームと、第2画像信号SIのフレームとが交互に繰り返される信号である。第1画像信号SVのフレームと第2画像信号SIのフレームとで、混合画像信号SFの1周期となる。図4では、信号合成部20が、60Hzのフレームレートの第1画像信号SVと第2画像信号SIとを2倍に変換して、第1画像信号SVと第2画像信号SIとがフレーム毎に交互に並ぶように、120Hzのフレームレートの混合画像信号SFを生成する例を示している。
なお、図4では、第1画像信号SVと第2画像信号SIとが60Hzで入力される様子を示したが、第1画像信号SVと第2画像信号SIは60Hzに限定されず他の周波数(例えば50Hzや24Hzなど)でもよい。また、信号合成部20は、これらの信号を2倍の周波数の信号に変換するが、周波数の変換は2倍に限定されず、これ以上でもよい。また、1倍(等倍)でもよい。
また、可視光画像と赤外光画像の表示時間、すなわち、混合画像信号SFに含まれる第1画像信号SVのフレームの長さと第2画像信号SIのフレームの長さは、同じでなくても良い。例えば、60Hzの期間内で、可視光画像を1/3期間表示し、赤外光画像を2/3期間表示する構成としてもよい。可視光画像に対し赤外光画像の階調は高いことが想定されるので、赤外光画像の表示期間を長くすることで赤外光画像の光強度を強く保つことができる。
図3に示す信号処理部22は、混合画像信号SFに対し、周辺画素間やフレーム間の演算を行うことで、N(Nは自然数)階調の画像データを生成し、生成した画像データをサブフレームデータ生成部26に出力する。サブフレームデータ生成部26は、駆動階調テーブルに基づき、N階調の画像データを、1と0からなるサブフレームデータD1に変換する。サブフレームデータD1は、フレーム内での表示素子106への印加電圧のオンオフを示すデータである。
図5は、駆動階調テーブルの一例を示す図である。本実施形態では、信号処理部22は、1フレームをN個のサブフレームに分割し、各サブフレームのオンオフを切り換えることで階調表示を行なう。尚、時間的に前のサブフレームから順にSF1,SF2,・・・SFNとする。図5に示す駆動階調テーブルの縦の欄は階調を示し、画像データの階調に対応した駆動階調テーブルの値に基づき、サブフレームデータD1を生成する。なお、本実施形態では、N=12の場合を例として説明する。尚、Nの値は12に限定せず種々設定可能である。例えばNの値は32や64でも良い。本実施形態の駆動階調テーブルは、階調が高くなるに連れて、時間的に後のサブフレームから時間的に前のサブフレームに向けて1となるサブフレームが伸びてゆくテーブルとなっている。すなわち、サブフレームデータD1は、1つのフレームおいて、画像データの階調が高くなるに従い、時間的に最後のサブフレームから前のサブフレームに向けて1となるサブフレームが増加してゆくように生成される。
サブフレームデータ生成部26は、生成したサブフレームデータD1に基づき、画素回路28を制御する。画素回路28は、サブフレームデータD1に基づき、表示素子106を駆動する。具体的には、画素回路28は、サブフレームデータD1に基づき、表示素子106への印加電圧のオンとオフとを切り替える。例えば、サブフレームデータD1の1が、表示素子106への印加電圧をオンとすることに対応し、サブフレームデータD1の0が、表示素子106への印加電圧をオフとすることに対応する。すなわち、画素回路28は、1つのフレームにおいて、サブフレームデータD1で1が続いている期間には、表示素子106への印加電圧をオンにする。そして、画素回路28は、1つのフレームにおいて、サブフレームデータD1において0が続いている期間には、表示素子106への印加電圧をオフにする。
信号処理部22は、混合画像信号SFと同期した第1光源制御信号SLV、第2光源制御信号SLIを生成し、光源制御部24に出力する。光源制御部24は、第1光源制御信号SLV、第2光源制御信号SLIに基づき、第1光源101及び第2光源102を制御する。より詳しくは、第1光源制御信号SLVは、第1光源101を制御するための信号である。光源制御部24は、第1光源制御信号SLVに基づき、第1光源101による第1照明光の照射のオンとオフとを切り替える。また、第2光源制御信号SLIは、第2光源102を制御するための信号である。光源制御部24は、第2光源制御信号SLIに基づき、第2光源102による第2照明光の照射のオンとオフとを切り替える。図4に示すように、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの周期は、混合画像信号SFの周期と一致している。第1光源制御信号SLVは、混合画像信号SFでの第1画像信号SVのフレームの期間内において、第1照明光の照射をオンとし、第2画像信号SIのフレームの期間内において、第1照明光の照射をオフとするような周期となっている。一方、第2光源制御信号SLIは、混合画像信号SFでの第1画像信号SVのフレームの期間内において、第2照明光の照射をオフとし、第2画像信号SIのフレームの期間内において、第2照明光の照射をオンとするような周期となっている。なお、本例では、第1光源101及び第2光源102を制御するために、第1光源制御信号SLVと第2光源制御信号SLIとのそれぞれの信号を生成していたが、混合画像信号SFと同期した1つの信号で第1光源101及び第2光源102を制御してもよい。
ここで、本実施形態に係るサブフレームデータ生成部26は、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIに対し、位相が異なるように、サブフレームデータD1を生成する。以下、具体的に説明する。
図6は、位相を同期させた場合のサブフレームデータを説明する模式図である。図6は、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIと、サブフレームデータD1xの位相を同期させた場合の例を示している。すなわち、サブフレームデータD1xは、混合画像信号SFと同期している。以降では、第1照射タイミングとしての時刻t1から、第2照射タイミングとしての時刻t2までの間、第1光源制御信号SLVが0、すなわち光源制御部24が第1光源101による第1照明光(可視光)の照射をオフとし、かつ、第2光源制御信号SLIが1、すなわち光源制御部24が第2光源102による第2照明光(赤外光)の照射をオンとした場合を例として説明する。時刻t2は、時刻t1より後の時刻である。また、以降の説明では、第3照射タイミングとしての時刻t3から、第4照射タイミングとしての時刻t4までの間、第1光源制御信号SLVが1、すなわち光源制御部24が第1光源101による第1照明光(可視光)の照射をオンとし、かつ、第2光源制御信号SLIが0、すなわち光源制御部24が第2光源102による第2照明光(赤外光)の照射をオフとした場合を例として説明する。時刻t4は、時刻t3より後の時刻である。ここでは、時刻t1から時刻t2までの長さと、時刻t3から時刻t4までの長さとが同じである。そして、時刻t1から時刻t4までを1つの周期Tとして、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの0と1とが、すなわち第1照明光と第2照明光とのオンオフが、周期T毎の繰り替えされる。図6では、1つの周期T1と、周期T1の次の周期である周期T2を示している。
なお、ここでは、時刻t4と時刻t1とが同じ時刻(タイミング)であり、時刻t2と時刻t3とが同じ時刻(タイミング)としている。すなわち、時刻t1(時刻t4)において、第1光源制御信号SLVが1から0に切り替わって、第1光源101からの第1照明光の照射をオンからオフに切り替え、また、第2光源制御信号SLIが0から1に切り替わって、第2光源102からの第2照明光の照射をオフからオンに切り替える。そして、時刻t2(時刻t3)において、第1光源制御信号SLVが0から1に切り替わって、第1光源101からの第1照明光の照射をオフからオンに切り替え、また、第2光源制御信号SLIが1から0に切り替わって、第2光源102からの第2照明光の照射をオンからオフに切り替える。そして、時刻t1から時刻t2までの周波数と、時刻t2から次の周期の時刻t1までの周波数とが、例えば120Hzであり、1つの周期T、すなわち時刻t1から次の周期の時刻t1までの周波数が、例えば60Hzである。ただし、時刻t4と時刻t1とは同じ時刻に限られず、時刻t2と時刻t3とも同じ時刻に限られない。この場合、例えば、周期T1において、時刻t3は時刻t2より後の時刻となり、次の周期T2の時刻t1は、周期T1の時刻t4より後の時刻となる。そして、時刻t2から時刻t3までの間と、時刻t4から次の周期の時刻t1までの間においては、第1光源制御信号SLVと第2光源制御信号SLIとの両方が0となってよい。すなわち、第1照明光と第2照明光との照射の切り替えの際に、第1照明光と第2照明光との両方が照射されないブランク期間を設けてもよい。
上述のように、図6の例においては、サブフレームデータD1xと、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIとで、位相が同期している。すなわち、図6の例のサブフレームデータD1xは、第2光源制御信号SLIがオンとなっている時刻t1から時刻t2までが、赤外光画像を表示させるための第2画像信号SiXのフレームとして割り当てられており、第1光源制御信号SLVがオンとなっている時刻t3(時刻t2)から時刻t4(時刻t1)までが、可視光画像を表示させるための第1画像信号SVXのフレームとして割り当てられている。
図6の例では、第2画像信号SiXのフレームにおいて、時刻t1から、時刻t1と時刻t2との間の時刻t1xまでの間、サブフレームデータD1xが0となり、表示素子106への印加電圧がオフとなっている。そして、時刻t1xにおいて、サブフレームデータD1xが1に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオンに切り替わる。そして、時刻t1xから時刻t2までの間、サブフレームデータD1xが1となり、表示素子106への印加電圧がオンとなっている。そして、時刻t2において、サブフレームデータD1xが0に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオフに切り替わる。また、図6の例では、第1画像信号SVXのフレームにおいて、時刻t3(時刻t2)から、時刻t3と時刻t4(次の周期の時刻t1)との間の時刻t3xまでの間、サブフレームデータD1xが0となり、表示素子106への印加電圧がオフとなる。そして、時刻t3xにおいて、サブフレームデータD1xが1に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオンに切り替わる。そして、時刻t3xから時刻t4(時刻t1)までの間、サブフレームデータD1xが1となり、表示素子106への印加電圧がオンとなっている。そして、時刻t4において、サブフレームデータD1xが0に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオフに切り替わる。ただし、時刻t1x、t3xのタイミング、すなわち第2画像信号SiX及び第1画像信号SVXをオンにする長さは、図5に示す画像データの階調に応じて設定されるものであり、図6は一例である。
ここで、所定のサブフレームデータで表示素子106を駆動しつつ、常に光源から表示素子106に照明光を照射した場合における、表示装置100から出力される出力光の強度、すなわち可視光画像や赤外光画像の光の強度を、出力光応答度合いとする。すなわち、出力光応答度合いが高いほど、出力光の強度が高いことを意味する。ただし、出力光応答度合いは、常に表示素子106に照明光を照射したと仮定した場合の出力光の強度を指しているため、実際には照明光が照射されていない場合、出力光応答度合いがゼロより高い場合でも、実際の出力光の強度はゼロとなる。すなわち、出力光応答度合いは、サブフレームデータで表示素子106を駆動した場合の、表示素子106の液晶の配向度合いを示しているともいえる。この場合、出力光応答度合いが高いほど、表示素子106の液晶の配向が、電圧印加された状態の配向に近いことを意味する。以下、電圧印加された状態の配向を、表示配向とし、電圧が印加されていない状態の配向を、非表示配向と記載する。
表示素子106に電圧が印加されると、すなわちサブフレームデータが1に切り替わると、表示素子106の液晶の配向が非表示配向から表示配向に切り替わるため、出力光応答度合いは、上昇する。この場合、液晶は、非表示配向から表示配向へ徐々に切り替わるため、すなわち液晶の配向変化が電圧に対して遅れるため、出力光応答度合いは、サブフレームデータが1に切り替わったタイミングから徐々に上昇して、表示配向になった時点で一定の値となる。また、表示素子106への電圧印加が停止されると、すなわちサブフレームデータが0に切り替わると、表示素子106の液晶の配向が表示配向から非表示配向に切り替わるため、出力光応答度合いは、低下する。この場合、液晶は、表示配向から非表示配向へ徐々に切り替わるため、出力光応答度合いは、サブフレームデータが0に切り替わったタイミングから徐々に低下して、非表示配向になった時点で一定の値となる。
図6の例では、出力光応答度合いAxは、サブフレームデータD1xが1に切り替わった時刻t1xから、徐々に上昇した後一定となり、サブフレームデータD1xが0に切り替わった時刻t2から、徐々に低下した後、ゼロとして一定となる。ここでの出力光応答度合いAxの挙動が、第2画像信号SIxの挙動、すなわち赤外光画像の階調値に相当する。そして、出力光応答度合いAxは、サブフレームデータD1xが1に切り替わった時刻t3xから、徐々に上昇した後一定となり、サブフレームデータD1xが0に切り替わった時刻t4(次の周期T2の時刻t1)から、徐々に低下した後一定となる。ここでの出力光応答度合いAxの挙動が、第1画像信号SVxの挙動、すなわち可視光画像の階調値に相当する。ここで、第2照明光(赤外光)は、時刻t1から時刻t2において照射される。そのため、時刻t1xから時刻t2までにおいて、時刻t1xから時刻t2までの出力光応答度合いAxに応じた第2照明光(赤外光)に基づく赤外光画像が、表示される。また、第1照明光(可視光)は、時刻t3(時刻t2)から時刻t4(時刻t1)において照射される。そのため、出力光応答度合いAxが再度上昇を開始した時刻t3xから時刻t4までにおいて、時刻t3xから時刻t4までの出力光応答度合いAxに応じた第1照明光(可視光)に基づく可視光画像が、表示される。しかし、上述のように、液晶の配向変化が電圧に対して遅れることに起因して、例えば時刻t3と時刻t3xとの間の期間においても、出力光応答度合いAxが、ゼロとならずに残っている。そのため、時刻t3と時刻t3xとの間の期間においても、残っている出力光応答度合いAxに応じた可視光画像が表示されてしまう(図6の破線円の部分)。この残っている出力光応答度合いAxは、第2画像信号SIxの挙動、すなわち赤外光画像用の階調に相当するため、赤外光画像のための画像が、時刻t3と時刻t3xとの間の期間において、可視光画像として表示されてしまうことになる。そのため、時刻t3と時刻t3xとの間の期間における可視光画像は、クロストークとして、可視光画像の視認者に視認されてしまう。
図7は、第1実施形態に係るサブフレームデータを説明する模式図である。図7に示すように、第1実施形態においては、サブフレームデータD1の位相を、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの位相からずらすことにより、クロストークを抑制する。すなわち、図7に示すように、第1実施形態においては、サブフレームデータ生成部26は、時刻t1から時刻t2までよりも前の時間帯である、時刻t4aから時刻t2aまでを、赤外光画像を表示させるための第2画像信号Siのフレームとして割り当てる。また、サブフレームデータ生成部26は、時刻t2(時刻t3)から時刻t1(時刻t4)までよりも前の時間帯である、時刻t2aから時刻t4aまでを、可視光画像を表示させるための第1画像信号SVのフレームとして割り当てる。なお、時刻t4aは、時刻t1よりも前の時刻であり、時刻t2aは、時刻t2より前の時刻であり、時刻t1よりも後の時刻である。このように、サブフレームデータ生成部26は、第2画像信号SiのフレームでサブフレームデータD1を0に切り替える時刻t2aが、第2光源制御信号SLIを0に切り替える時刻t2に対して前の時刻となるように、また、第1画像信号SVのフレームでサブフレームデータD1を0に切り替える時刻t4aが、第1光源制御信号SLVを0に切り替える時刻t4に対して前の時刻となるように、位相をずらしている。
また、時刻t2aから、次の周期での時刻t2aまでの長さTa1は、時刻t2から次の周期の時刻t2までの周期TAの長さと一致する。また、時刻t4aから、次の周期での時刻t4aまでの長さTa2は、時刻t4から次の周期の時刻t4までの周期Tの長さと一致する。長さTa1と長さTa2との長さは等しく、サブフレームデータD1の周期ということもできる。また、周期T、TAの長さは等しく、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの周期ということもできる。
サブフレームデータD1においては、第2画像信号Siのフレーム(時刻t4aから時刻t2a)において、時刻t4aから時刻t1aまでの間、サブフレームデータD1が0となり、表示素子106への印加電圧がオフとなっている。そして、時刻t1aにおいて、サブフレームデータD1が1に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオンに切り替わる。また、サブフレームデータD1においては、時刻t1aから時刻t2aまでの間、サブフレームデータD1が1となり、表示素子106への印加電圧がオンとなっている。そして、時刻t2aにおいて、サブフレームデータD1が0に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオフに切り替わる。第1駆動タイミングとしての時刻t1aは、第2光源制御信号SLIをオフとする時刻t2より前の時刻である。時刻t1aは、図7の例では、第2光源制御信号SLIを1とする時刻t1より前の時刻であるが、時刻t1との前後関係は、図5に示す画像データの階調に応じて異なる。また、第2駆動タイミングとしての時刻t2aは、時刻t2より前の時刻であり、時刻t1及び時刻t1aより後の時刻である。
ここで、混合画像信号SFで指定される、表示素子106の印加電圧をオンにする期間を、指定期間とする。印加電圧をオンにする期間は、混合画像信号SFに基づき生成された画像データの階調の大きさに依存する。そのため、指定期間とは、混合画像信号SFに基づき生成された画像データにおける階調を実現するために必要な、印加電圧をオンにする期間の長さをいう。言い換えれば、表示素子106の印加電圧を、指定期間の間オンにすれば、混合画像信号SFに基づき生成された画像データにおける階調が実現される。この場合、第2画像信号SiのフレームでサブフレームデータD1を1とする時刻t1aから時刻t2aまでの長さL1aは、その第2画像信号Siに対応する混合画像信号SFの指定期間の長さと一致する。すなわち、サブフレームデータ生成部26は、長さL1aが指定期間の長さと一致するように、言い換えれば混合画像信号SFに基づき生成された画像データにおける階調と同じ階調を表示可能なように、サブフレームデータD1を生成する。
また、第1画像信号SVのフレーム(時刻t2aから時刻t4a)において、時刻t2aから時刻t2を経て時刻t3aまでの間、サブフレームデータD1が0となり、表示素子106への印加電圧がオフとなっている。そして、時刻t3aにおいて、サブフレームデータD1が1に切り替わり、表示素子106への印加電圧がオンに切り替わる。また、時刻t3aから時刻t4aまでの間、サブフレームデータD1が1となり、表示素子106への印加電圧がオンとなっている。そして、時刻t4aにおいて、サブフレームデータD1が0に切り替わり、表示素子106への印加電圧がオフに切り替わる。第3駆動タイミングとしての時刻t3aは、第1光源制御信号SLVを0とする時刻t4より前の時刻である。時刻t3aは、図7の例では、第1光源制御信号SLVを1とする時刻t3より後の時刻であるが、時刻t3との前後関係は、図5に示す画像データの階調に応じて異なる。また、第4駆動タイミングとしての時刻t4aは、時刻t4より前の時刻であり、時刻t3及び時刻t3aより後の時刻である。
また、第1画像信号SVのフレームでサブフレームデータD1を1とする時刻t3aから時刻t4aまでの長さL2aは、その第1画像信号SVに対応する混合画像信号SFの指定期間の長さと一致する。すなわち、サブフレームデータ生成部26は、長さL2aが指定期間の長さと一致するように、言い換えれば混合画像信号SFに基づき生成された画像データにおける階調と同じ階調を表示可能なように、サブフレームデータD1を生成する。なお、通常、赤外光画像の方が明るいため、すなわち階調値が高いため、長さL1aの方が、長さL2aより長くなる。
図7に示すように、第1実施形態における出力光応答度合いAは、時刻t1aから徐々に上昇した後一定となり、時刻t2aから徐々に低下した後、ゼロとして一定となる。ここでの出力光応答度合いAの挙動が、第2画像信号SIの挙動、すなわち赤外光画像の階調値に相当する。そして、出力光応答度合いAは、時刻t3aから徐々に上昇した後一定となり、時刻t4aから徐々に低下した後一定となる。ここでの出力光応答度合いAの挙動が、第1画像信号SVの挙動、すなわち可視光画像の階調値に相当する。このように、第1実施形態においては、サブフレームデータD1の位相を前の時間帯にずらしているため、赤外光画像の階調値に相当する出力光応答度合いAが、時刻t3(時刻t2)よりも前の時刻t2aから減少を始める。そのため、時刻t3で第1照明光(可視光)の照射が開始しても、赤外光画像の階調値に相当する出力光応答度合いAを低くしておくことが可能となり、赤外光画像のための画像が、時刻t3からの期間において可視光画像として表示されてしまうことを抑制する(図7の破線円)。そのため、第1実施形態によると、クロストークを抑制できる。
なお、位相のずらし量、すなわち、時刻t2aと時刻t2との差分や、時刻t4aと時刻t4との差分は、任意に設定できるが、例えば、周期TA、Tに対して、10%以上30%以下程度の長さに設定してよい。また、時刻t2aと時刻t2との差分や、時刻t4aと時刻t4との差分は、階調値によらず、すなわち長さL1aや長さL2aによらず、全ての周期Tにおいて一定の値となっている。すなわち、時刻t2に対する時刻t2aや、時刻t4に対する時刻t2aは、固定されている。一方、時刻t1aや時刻t3aは、階調値によって変化する。
なお、本実施形態では、サブフレームデータD1の位相を、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの位相よりも、前の時間側にずらしていたが、それに限られない。例えば、サブフレームデータD1の位相を混合画像信号SFに同期させたままにしておき、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの位相を、サブフレームデータD1の位相より後の時間側にずらしてもよい。また、サブフレームデータD1の位相と、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの位相との両方を、混合画像信号SFの位相からずらして、サブフレームデータD1の位相を、第1光源制御信号SLV及び第2光源制御信号SLIの位相の前の時間側にしてもよい。
以上説明したように、第1実施形態に係る表示装置100は、表示素子106と、第1光源101と、第2光源102と、サブフレームデータ生成部26と、画素回路28と、光源制御部24とを備える。第1光源101は、第1波長帯の光である第1照明光を照射し、第2光源102は、第2波長帯の光である第2照明光を照射する。サブフレームデータ生成部26は、混合画像信号SFに基づき、フレーム内での表示素子106の印加電圧のオンオフを示すサブフレームデータD1を生成する。混合画像信号SFは、第1照明光に基づく画像(ここでは可視光画像)を表示するための第1画像信号SVのフレームと、第2照明光に基づく画像(ここでは赤外光画像)を表示するための第2画像信号SIのフレームとが、交互に繰り返される信号である。画素回路28は、サブフレームデータ生成部26で生成したサブフレームデータD1に基づき表示素子106を駆動し、光源制御部24は、第1光源101及び第2光源102を制御する。光源制御部24は、時刻t1(第1照射タイミング)から時刻t2(第2照射タイミング)までの間、第1光源101からの第1照明光の照射をオフとしつつ、第2光源102からの第2照明光の照射をオンとする。サブフレームデータ生成部26は、時刻t1a(第1駆動タイミング)から時刻t2a(第2駆動タイミング)までの間、表示素子106の印加電圧をオンとし、時刻t2aにおいて表示素子106の印加電圧をオフとするように、サブフレームデータD1を生成する。時刻t1aは、時刻t2より前のタイミングであり、時刻t2aは、時刻t2より前であって時刻t1、t1aより後のタイミングである。第1実施形態に係る表示装置100は、時刻t2より前の時刻t2aに、表示素子106の印加電圧をオフとするため、第1光源101が光を照射する時刻t2以降のタイミングにおいて、第2光源102からの光のための出力光応答度合いAを低くする(液晶の配向を非表示配向にする)ことが可能となる。そのため、第1光源101の光の照射開始時に、出力光応答度合いAが残っていることを抑制して、クロストークを抑制できる。特に、第2光源102が赤外光を照射する場合には、第2光源102からの光の強度が大きくなり、結果として、時刻t2に残存する出力光応答度合いAが高くなる傾向にある。このような場合に、時刻t2より前の時刻t2aに表示素子106の印加電圧をオフとすることで、可視光画像の表示の際のクロストークを特に好適に抑制できる。また、赤外光画像の黒表示の期間が長くなる可能性があるが、赤外光の強度は元々高い傾向にあるため、視認性の低下を抑えることもできる。
また、サブフレームデータ生成部26は、1つの周期T1における時刻t2a(第2駆動タイミング)から次の周期T2における時刻t2aまでの長さTa1が、1つの周期T1における時刻t2(第2照射タイミング)から次の周期T2における時刻t2までの長さ(周期TA)と長さが一致するように、サブフレームデータD1を生成する。第1実施形態に係る表示装置100は、サブフレームデータD1の周期の長さと光源の光照射の周期の長さを一致させつつ、位相をずらす。そのため、表示装置100によると、画像の表示タイミングのずれを抑制しつつ、クロストークを抑制できる。
また、サブフレームデータ生成部26は、混合画像信号SFで指定される表示素子106の印加電圧をオンにする指定期間と、時刻t1aから時刻t2aまでの長さL1aとが一致するように、サブフレームデータD1を生成する。そのため、表示装置100によると、階調の低下を抑制しつつ、クロストークを抑制できる。
また、光源制御部24は、時刻t3(第3照射タイミング)から時刻t4(第4照射タイミング)までの間、第2光源102からの第2照明光の照射をオフとしつつ、第1光源101からの第1照明光の照射をオンとする。そして、サブフレームデータ生成部26は、時刻t4より前の時刻t3a(第3駆動タイミング)から、時刻t4より前であって時刻t3及び時刻t3aより後の時刻t4a(第4駆動タイミング)までの間、表示素子106の印加電圧をオンとし、時刻t4aにおいて表示素子106の印加電圧をオフとするように、サブフレームデータD1を生成する。第1実施形態に係る表示装置100によると、第1光源101の光の照射開始時に、出力光応答度合いAが残っていることを抑制して、クロストークを抑制できる。
また、サブフレームデータ生成部26は、1つの周期T1における時刻t4a(第4駆動タイミング)から次の周期T2における時刻t4aまでの長さTa2が、周期T1における時刻t4(第4照射タイミング)から次の周期T2における時刻t4までの長さ(周期T)と一致するように、サブフレームデータD1を生成する。そのため、表示装置100によると、画像の表示タイミングのずれを抑制しつつ、クロストークを抑制できる。
また、第1照明光は、可視光であり、第2照射光は、赤外光である。本実施形態に係る表示装置100は、可視光画像と赤外光画像を時分割で表示する際に、クロストークを適切に抑制できる。
また、本実施形態に係る表示装置100の制御方法は、サブフレームデータ生成ステップと、駆動ステップと、光源制御ステップとを含む。サブフレームデータ生成ステップでは、混合画像信号SFに基づき、フレーム内での表示素子106の印加電圧のオンオフを示すサブフレームデータD1を生成する。駆動ステップでは、サブフレームデータD1に基づき表示素子106を駆動し、光源制御ステップでは、第1光源101及び第2光源102を制御する。光源制御ステップにおいては、時刻t1から時刻t2までの間、第1光源101からの第1照明光の照射をオフとしつつ、第2光源102からの第2照明光の照射をオンとする。サブフレームデータ生成ステップにおいては、時刻t1aから時刻t2aまでの間、表示素子106の印加電圧をオンとし、時刻t2aにおいて表示素子106の印加電圧をオフとするように、サブフレームデータD1を生成する。本実施形態に係る表示装置100の制御方法によると、クロストークを適切に抑制できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、時刻t1aから時刻t2aまでの長さL1aを、混合画像信号SFで指定される印加電圧をオンにする指定期間に一致させていたが、第2実施形態では、混合画像信号SFで指定される印加電圧をオンにする指定期間よりも短くする。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図8は、第2実施形態に係るサブフレームデータを説明する模式図である。図8に示すように、第2実施形態においては、第2画像信号Siのフレーム(時刻t4aから時刻t2a)において、時刻t4aから時刻t1bまでの間、サブフレームデータD1が0となり、表示素子106への印加電圧がオフとなっている。そして、時刻t1bにおいて、サブフレームデータD1が1に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオンに切り替わる。時刻t1bは、第1駆動タイミングに相当する。第2実施形態に係るサブフレームデータ生成部26は、第1実施形態と同じ階調を表示する場合においても、第2実施形態における時刻t1bを、第1実施形態の時刻t1aよりも後の時刻とする。すなわち、第2画像信号SiのフレームでサブフレームデータD1を1とする時刻t1bから時刻t2aまでの長さL1bは、その第2画像信号Siに対応する混合画像信号SFの指定期間の長さよりも、短くなる。すなわち、第2実施形態に係るサブフレームデータ生成部26は、時刻t1bから時刻t2aまでの長さL1bが、その第2画像信号Siに対応する混合画像信号SFの指定期間の長さよりも短くなるように、サブフレームデータD1を生成する。なお、ここでの指定期間に対する長さL1bの減少率は、任意であるが、例えば10%以上30%以下程度である。
例えば、第2実施形態に係るサブフレームデータ生成部26は、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値に対し、実際に表示する階調値が小さくなるように、時刻t1bから時刻t2aまでの長さL1b、すなわち表示素子106への印加電圧をオンとする時間を、設定する。例えば、サブフレームデータ生成部26は、全ての周期Tにおいて、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値に対し、1より小さい所定の係数を乗じることで、実際に表示する階調値を算出し、その算出した階調値となるように、時刻t1bから時刻t2aまでの長さL1bを、すなわち表示素子106への印加電圧をオンとする時間を設定してよい。言い換えれば、サブフレームデータ生成部26は、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値に対する、実際に表示する階調値の減少比率を、全ての周期Tに一致させてよい。これにより、周期毎の階調を一定に保つことができる。ただし、階調の減少のさせ方はこれに限られない。例えば、サブフレームデータ生成部26は、階調値の上限閾値を予め設定しておき、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値が、上限閾値より大きくなる場合にのみ、実際に表示する階調値を減少させてもよい。この場合においては、実際に表示する階調値を、上限閾値に設定することが好ましい。
このように、第2実施形態に係るサブフレームデータ生成部26は、混合画像信号FSで指定される表示素子106の印加電圧をオンにする期間である指定期間よりも、時刻t1b(第1駆動タイミング)から時刻t2a(第2駆動タイミング)までの長さL1bが短くなるように、サブフレームデータD1を生成する。ここで、図7の第1実施形態が示すように、長さL1aを指定期間から短くしない場合、第1照明光(可視光)を照射している時刻t1aから時刻t4(時刻t1)までにおいて、出力光応答度合いAが上昇し始めてしまい、クロストークとして視認されるおそれがある。それに対し、第2実施形態においては、図8に示すように、長さL1bを短くしているため、すなわち時刻t1bを遅らせているため、出力光応答度合いAの上昇が遅れて、第1照明光(可視光)を照射している時刻t3から時刻t4(時刻t1)において出力光応答度合いAが高くなることを抑制できる(図8の右側の破線円)。そのため、第2実施形態によると、クロストークをより好適に抑制できる。
(変形例)
第2実施形態においては、第2画像信号Siのフレームにおいて、第2照明光(赤外光)に対応する表示素子106の印加電圧の印加時間を短くしていたが、以降の変形例に示すように、第1画像信号SVのフレームにおいて、第1照明光(可視光)に対応する表示素子106の印加電圧の印加時間を短くしてもよい。なお、変形例においても、第2実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図9は、変形例に係るサブフレームデータを説明する模式図である。図9に示すように、変形例においては、第1画像信号SVのフレーム(時刻t2aから時刻t4a)において、時刻t2aから時刻t3bまでの間、サブフレームデータD1が0となり、表示素子106への印加電圧がオフとなっている。そして、時刻t3bにおいて、サブフレームデータD1が1に切り替わって、表示素子106への印加電圧がオンに切り替わる。時刻t3bは、第3駆動タイミングに相当する。変形例に係るサブフレームデータ生成部26は、第2実施形態と同じ階調を表示する場合においても、変形例における時刻t3bを、第2実施形態の時刻t3aよりも後の時刻とする。すなわち、第1画像信号SVのフレームでサブフレームデータD1を1とする時刻t3bから時刻t4aまでの長さL2bは、その第1画像信号SVに対応する混合画像信号SFの指定期間の長さよりも、短くなる。すなわち、変形例に係るサブフレームデータ生成部26は、時刻t3bから時刻t4aまでの長さL2bが、その第1画像信号SVに対応する混合画像信号SFの指定期間の長さよりも短くなるように、サブフレームデータD1を生成する。なお、ここでの指定期間に対する長さL2bの減少率は、任意であるが、例えば10%以上30%以下程度である。
例えば、変形例に係るサブフレームデータ生成部26は、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値に対し、実際に表示する階調値が小さくなるように、時刻t3bから時刻t4aまでの長さL3b、すなわち表示素子106への印加電圧をオンとする時間を、設定する。例えば、サブフレームデータ生成部26は、全ての周期Tにおいて、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値に対し、1より小さい所定の係数を乗じることで、実際に表示する階調値を算出し、その算出した階調値となるように、時刻t3bから時刻t4aまでの長さL2bを、すなわち表示素子106への印加電圧をオンとする時間を設定してよい。言い換えれば、サブフレームデータ生成部26は、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値に対する、実際に表示する階調値の減少比率を、全ての周期Tに一致させてよい。これにより、周期毎の階調を一定に保つことができる。ただし、階調の減少のさせ方はこれに限られない。例えば、サブフレームデータ生成部26は、階調値の上限閾値を予め設定しておき、混合画像信号SFに基づいて生成された画像データの階調値が、上限閾値より大きくなる場合にのみ、実際に表示する階調値を減少させてもよい。この場合においては、実際に表示する階調値を、上限閾値に設定することが好ましい。
また、変形例に係るサブフレームデータ生成部26は、時刻t1bから時刻t2aまでの長さL1bの指定期間に対する減少率と、時刻t3bから時刻t4aまでの長さL2bの指定期間に対する減少率とを、同じにしてもよいし、異ならせてもよい。異ならせる場合は、例えば、時刻t3bから時刻t4aまでの長さL2bの指定期間に対する減少率を、時刻t1bから時刻t2aまでの長さL1bの指定期間に対する減少率よりも小さくしてよい。これにより、可視光画像の明るさの低減を抑制することができる。
このように、変形例に係るサブフレームデータ生成部26は、混合画像信号FSで指定される表示素子106の印加電圧をオンにする期間である指定期間よりも、時刻t3b(第3駆動タイミング)から時刻t4a(第4駆動タイミング)までの長さL2bが短くなるように、サブフレームデータD1を生成する。変形例によると、クロストークをより好適に抑制できる。
なお、本変形例は、第2実施形態の変形例であるが、第1実施形態の変形例であってもよい。すなわち、第2画像信号Siのフレームにおいて、第2照明光(赤外光)に対応する表示素子106の印加電圧の印加時間を短くせず、第1画像信号SVのフレームにおいて、第1照明光(可視光)に対応する表示素子106の印加電圧の印加時間を短くしてもよい。
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これら実施形態及び変形例の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、各実施形態及び変形例の構成を組み合わせることも可能である。さらに、前述した実施形態及び変形例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。