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JP2013213961A - 映像表示装置 - Google Patents

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JP2013213961A
JP2013213961A JP2012084514A JP2012084514A JP2013213961A JP 2013213961 A JP2013213961 A JP 2013213961A JP 2012084514 A JP2012084514 A JP 2012084514A JP 2012084514 A JP2012084514 A JP 2012084514A JP 2013213961 A JP2013213961 A JP 2013213961A
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Nobumoto Nakajima
伸基 中島
Takeshi Makabe
武 間ヶ部
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JVCKenwood Corp
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Abstract

【課題】立体映像を表示する場合のクロストークと2D映像を表示する場合の動解像度劣化を低減させる映像表示装置を提供する。
【解決手段】信号変換部は入力された映像信号からステップビットパルスにより全サブフレームを構成する。サブフレームデータ作成部は、駆動階調が増加する毎に駆動状態となるサブフレーム数を増加させ、駆動状態となるサブフレームを前のフレームの階調と現在のフレームの階調との関係から決める。駆動部はサブフレームデータ作成部で作成したサブフレームデータに基づいて液晶表示素子を駆動する。
【選択図】図7

Description

本発明は、液晶表示素子を用いた映像表示装置に関する。
近年、視差を有する2以上の映像をスクリーン等に提示し、観察者に対してあたかも対象が立体的に存在するように知覚させる立体映像表示装置が脚光を浴びている。従来、立体映像を投影する場合には2台の液晶プロジェクタ等を用いる手法が一般的であった。近年では、1台の液晶プロジェクタ等で立体映像を投影することが盛んになりつつある。その際には通常、観察者は液晶シャッタめがねを装着し、液晶シャッタの切換により左目には左目用の映像が右目には右目用の映像が入射されることで、立体映像を観察することができる。
特許文献1には、液晶シャッタめがねの切換タイミングを制御することにより、フレーム周波数を高めたときに発生するクロストークを抑制することができる立体映像表示装置について記載されている。
特開2009−31523号公報
立体映像投影時のクロストークの発生要因は、液晶シャッタの切換タイミングだけではなく液晶表示装置側にも存在する。具体的には、液晶表示素子を映像表示装置に用いる場合における液晶表示素子の応答特性に起因するクロストークが課題となっており、これを有効に低減することが求められている。また、立体映像に限らず、2D映像投影時にも動解像度の劣化を低減することが求められている。
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、1台の液晶プロジェクタで立体映像を表示する場合のクロストークの発生を低減するとともに、2D映像を表示する場合の動解像度の劣化を低減した映像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、入力された映像信号に基づいて、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成する信号変換部(21、23、24)と、駆動階調が増加する毎に駆動状態となるサブフレーム数を増加させ、駆動状態となるサブフレームを前のフレームの階調と現在のフレームの階調との関係から決めるサブフレームデータ作成部(26)と、液晶表示素子と、前記サブフレームデータ作成部で作成したサブフレームデータに基づいて前記液晶表示素子を駆動する駆動部(31)とを備えることを特徴とする映像表示装置を提供する。
上記の構成において、前記信号変換部の前段に、入力された映像信号から左目用信号と右目用信号が時間的に交互に並ぶ信号を生成する信号処理部(101)を更に備えても良い。
また、上記の構成において、前記信号変換部は、N、M、F、Dを整数としたときに、ビット数Nの信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換するルックアップテーブル部と、前記ルックアップテーブル部で処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する誤差拡散部と、前記誤差拡散部で処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換するフレームレートコントロール部とを有し、前記フレームレートコントロール部で処理されたMビットのデータを用いて、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成しても良い。
本発明によれば、1台の液晶プロジェクタで立体映像を表示する場合のクロストークの発生を低減するとともに、2D映像を表示する場合の動解像度の劣化を低減した映像表示装置を提供することができる。
立体映像表示システムを説明するための図である。 反射型液晶表示素子を用いた液晶表示装置を示す概略構成図である。 デジタル駆動の反射型液晶表示素子における各画素の駆動回路構成を示す図である。 反射型液晶表示素子の入力電圧と出力光の強度との関係を示す図である。 立体映像信号に関する信号処理を説明するための図である。 立体映像と液晶シャッタ動作の時間的関係を示す図である。 駆動回路の構成を示すブロック図である。 階調表現を説明するための図である。 誤差拡散図を示す図である。 誤差拡散フローを示す図である。 フレームレートコントロールテーブルを示す図である。 フレームレートコントロールフローを示す図である。 駆動パターンを示す図である。 第1実施形態に係る駆動階調テーブルの一例を示す図である。 クロストークの発生を説明するための画面を示す図である。 図15の画像を立体映像表示装置にて立体表示をしたときに液晶表示装置100からスクリーン上に投影される像を示す図である。 図16に示す領域1、領域2、領域3、領域3’のそれぞれについて、画面の階調の時間変化を示す図である。 図15の画像を立体映像示装置にて立体表示をしたときに液晶シャッタめがね103を装着した際の見え方を示す図である。 駆動階調テーブルの比較例を示す図である。 比較例の駆動階調テーブルによる駆動状態を示す図である。 比較例の駆動階調テーブルによる駆動状態を示す別の図である。 比較例の駆動階調テーブルによる駆動状態を示す別の図である。 第1実施形態に係る駆動階調テーブルによる駆動状態を示す図である。 信号処理を示す図である。 反射型液晶表示素子の極性反転駆動を示す図である。 反射型液晶素子における横方向電界の発生メカニズムを説明する図である。 フレームレートコントロールにより、横方向電界が均等に分散されることを説明する図である。 第2の実施形態に係る駆動階調テーブルの基本パターンを示す図である。 第2の実施形態に係るパラメータ導出テーブルを示す図である。 第2の実施形態に係るシフト量導出テーブルを示す図である。 第2の実施形態における駆動パターン導出の1例を示す図である。 第2実施形態に係る駆動階調テーブルによる駆動状態を示す図である。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係る映像表示装置について、添付図面を参照して説明する。
立体映像表示システムの概略構成を図1に示す。以下では表示パネルとしてアクティブマトリクス型の反射型液晶表示素子6を備えた液晶表示装置100を用いた立体映像表示装置を例にして説明する。立体映像表示システムは、液晶表示装置100、液晶シャッタ駆動信号送信機103、立体映像信号源104、液晶シャッタめがね105、スクリーン13から構成される。立体映像信号源104から立体映像信号が液晶表示装置100に送られる。液晶表示装置100は、立体映像信号を所定の回路により時間順次の左目用信号と右目用信号に変換し交互にスクリーン13に投影する。観察者は、液晶表示装置100に内蔵または接続されている液晶シャッタ駆動信号送信機103からの駆動信号によりシャッタ動作を行う液晶シャッタめがね105を装着してスクリーン13に投影された立体映像を観察する。
次に、液晶表示装置100および反射型液晶表示素子6の概略構成について説明する。図2は、反射型液晶表示素子6を用いた液晶表示装置100を示す概略構成図である。液晶表示装置100は、反射型液晶表示素子6、偏光ビームスプリッタ5(以下、PBSという)、投射レンズ11を含んで構成される。反射型液晶表示素子6は、対向電極(透明電極ともいう)10と、画素電極8との間に液晶9が封止された構造を有する。
照明光学系1から射出したS偏光3とP偏光4を含む光2はPBS5に入射し、PBS5にて偏光分離される。S偏光はPBS5の偏光分離面で反射され、反射型液晶表示素子6側に進行する。P偏光はPBSの偏光分離面を透過する。反射型液晶表示素子6の液晶9は、画素回路7によって画素電極8と対向電極10の間に印加される電圧に応じて入射したS偏光を変調する。対向電極10に入射したS偏光は、画素電極8で反射して対向電極10から射出するまでの過程で変調を受け、P偏光とS偏光からなる光として対向電極10から射出される。対向電極10から射出された光は変調された光であるP偏光成分のみがPBS5を通過し、S偏光成分はPBS5で反射される。PBS5を通過したP偏光は投射レンズ11によって射出され、射出光12はスクリーン13上に投射されて画像が表示される。なお、後述する出力光の強度とは、スクリーン13上で測定した出力光の照度をいう。
図3はデジタル駆動の反射型液晶表示素子6における各画素の駆動回路構成を示す図である。反射型液晶表示素子6の個々の画素は画素電極8と対向電極10の間に液晶9がはさまれた構造になっている。破線で示した画素回路7は、サンプルホールド部16と電圧選択回路17からなる。サンプルホールド部16はSRAM構造のフリップフロップよりなる。サンプルホールド部16は列データ線Dと行選択線Wとに接続されている。サンプルホールド部16の出力は電圧選択回路17へと接続されている。電圧選択回路17はブランキング電圧線V0、駆動電圧線V1に接続されている。電圧選択回路17は画素電極8へと接続され、画素電極8に所定の電圧を与える。対向電極10の電圧の値は共通電圧Vcomと呼ばれている。
図4は反射型液晶表示素子6の入力電圧と出力光の強度との関係を示す図である。図4において、横軸は入力電圧であり、画素電極8と対向電極10との間の電位差、すなわち液晶9の駆動電圧を示す。縦軸は、液晶9から射出される出力光の強度を示す。液晶9から射出される出力光の強度が大きくなり始める電圧が闇値電圧Vthである。電圧が0(たとえば、画素電極8と対向電極がともにGND)のときは、出力光の強度が少なく、黒状態(ブランキング電圧)であり、出力光が飽和し始める電圧が飽和電圧Vw(白レベルである。)である。
図5は立体映像信号に関する信号処理を説明するための図である。立体映像信号源104から送出される立体映像信号は信号処理回路101へ入力される。図5では例として、立体映像信号が60Hzのサイドバイサイド方式の場合を示している。信号処理回路101では、入力された信号は左目用信号と右目用信号に分離され、それぞれ表示画面サイズと等しくなるよう左右に伸長される。伸長された左目用信号、右目用信号は時間的に交互に並べ替えられ、表示速度が2倍に変換される。このように生成された立体映像信号は駆動回路102に入力される。駆動回路102は信号処理回路101から受け取った立体映像信号に基づいて反射型液晶表示素子6を駆動する。信号処理回路101で生成された立体映像信号に同期する同期信号は、信号処理回路101から液晶シャッタ駆動信号送信機103に送られる。
液晶シャッタ駆動信号送信機103は信号処理回路101から受け取った同期信号に基づいて液晶シャッタの駆動タイミングを決定し、液晶シャッタ駆動信号を液晶シャッタめがね105に出力する。液晶シャッタめがね105の液晶シャッタは液晶シャッタ駆動信号に基づいて駆動される。立体映像と液晶シャッタ動作の関係を図6に示す。Lは左目用映像、Rは右目用映像であり、左目用液晶シャッタは左目用映像の表示タイミングでON(開)となり、右目用映像表示タイミングでOFF(閉)となる。右目用液晶シャッタは右目用映像の表示タイミングでON(開)となり、左目用映像表示タイミングでOFF(閉)となる。
図5では立体映像信号が60Hzサイドバイサイド方式で入力される様子を示したが、この方式に限定されず他の周波数(例えば50Hzや24Hzなど)や他の立体映像フォーマット(例えばフレームパッキングやトップアンドボトム、ラインバイラインなど)でもよい。また信号処理回路101は立体映像信号を2倍の周波数の信号に変換するが、周波数の変換は2倍に限定されず、これ以上でもよい。画面解像度も、画素数1920×1080以外であってもよい。
図7は駆動回路102の構成を示すブロック図である。図8は階調表現を説明するための図であり、入力された映像信号データのビット数を8ビットとした場合における各プロセス部における階調表現の例を示している。図9は誤差拡散を説明するための図である。図10は誤差拡散フローを示す図である。
図7において、入力されたNビットの映像信号データは、ルックアップテーブル部21にて、Nより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換される。ここで、Mはサブフレーム数を2進数で表したときのビット数、Dは誤差拡散処理部23により補間されるビット数、Fはフレームレートコントロール部24により補間されるビット数を表している。なおN、M、F、Dは整数である。
図8の例では、入力された映像信号データのビット数は8ビット(N=8)、誤差拡散処理部23にて補間されるビット数は4ビット(D=4)、フレームレートコントロール部24にて補間されるビット数は2ビット(F=2)としている。サブフレーム数を2進数で表した場合のビット数は4ビット(M=4)、駆動階調は12個(黒を含まない)としている。
ここでルックアップテーブル部21の動作を説明する。一般的に映像信号はガンマ補正がかけられている。画像表示装置側ではガンマ補正がかけられた映像信号に対し逆ガンマ補正処理を施してリニアな階調に戻すことが必要である。逆ガンマ補正とは入力Xに対して出力がXの2.2乗となるような補正である。この場合、出力特性は「ガンマ2.2」であると以下表現する。ルックアップテーブル部21は反射型液晶表示素子6の入出力特性を変換してガンマ2.2の出力特性を有する液晶表示装置を実現する機能を担っている。ルックアップテーブルは、10ビットの出力が、任意の出力特性(例えばガンマ2.2)となるようにあらかじめ調整されている。
例えば、第1の実施形態では図8に示す12個の駆動階調(黒を含まない)のそれぞれの駆動による画像を図1に示す液晶表示装置で投影し、スクリーン13上の照度を照度計等でそれぞれ測定しておく。それぞれの駆動階調間の照度を6ビット(M+D=6)(64階調)で直線補間することによって、0〜768の階調毎の照度データが予測される。それらの照度データから任意の出力特性(例えばガンマ2.2)となるような256個のデータを選び、あらかじめルックアップテーブルとして保持されているものとする。
ルックアップテーブル部21は、256×10ビット(すなわち、「2の8乗」階調x(4+2+4)ビット)のルックアップテーブルを有している。ここで、「2の8乗」階調x(4+2+4)ビットとは、「2のN乗」階調×(M+F+D)ビットに対してN=8、M=4、F=2、D=4の値を代入したものに相当する。ルックアップテーブル部21は、入力された8ビットの画像データを、10ビットのデータに変換して出力する。
図7に戻り、ルックアップテーブル部21にて(M+F+D)ビットに変換された映像信号データは、誤差拡散部23により下位Dビットの情報を周辺画素に拡散することによって、(M+F)ビットのデータに変換される。図8の例では、変換された10ビットのデータは、誤差拡散部23にて、下位4ビットの情報を周辺画素に拡散し上位6ビットのデータに量子化して出力される。
誤差拡散法とは、表示すべき映像信号と実表示値との誤差(表示誤差)を周辺の画素に拡散することで階調不足を補う方法である。本実施形態においては、表示すべき映像信号の下位4ビットを表示誤差とし、図9のように右隣の画素に表示誤差の7/16を、左下の画素に表示誤差の3/16を、直下の画素に表示誤差の5/16を、右下の画素に表示誤差の1/16を加える。
誤差拡散部23の動作を図10でより詳しく説明する。ある座標の映像信号は上述のように誤差を拡散するとともに、以前の映像が拡散した誤差が加算される。入力された10ビットのデータは、まず、以前の映像が拡散した誤差が誤差バッファにより加算される。入力映像信号データは誤差バッファの値が加算された後、上位の6ビットと下位の4ビットに分割される。
分割された下位の4ビットの値を以下に示す。右側の値は表示誤差である。
下位4ビット 表示誤差
0000 0
0001 +1
0010 +2
0011 +3
0100 +4
0101 +5
0110 +6
0111 +7
1000 −7
1001 −6
1010 −5
1011 −4
1100 −3
1101 −2
1110 −1
1111 0
分割された下位の4ビットの値に対応する表示誤差は、図10のように誤差バッファへと加算され保持される。また、分割された下位の4ビットの値に対してスレッショルド比較を行ない、値が1000より大きい場合(上記の左部の値が1000である行以降の行)、上位6ビットの値に1が加算される。そして、上位の6ビットのデータが誤差拡散部から出力される。
図7に戻り、誤差拡散部23にて(M+F)ビットに変換された映像信号データは、フレームレートコントロール部24に入力される。フレームレートコントロール部24はフレームレートコントロールテーブルを備えている。フレームレートコントロール部24では、下位Fビットの値と、画素の位置情報及びフレームのカウント情報から、フレームレートコントロールテーブル内の位置を特定し、その値(1または0の値、以下0/1と記載する。)が上位Mビットに加えられ、Mビットのデータに変換される。ここで、フレームレートコントロール方式とは、表示素子の1画素の表示に対してm(m:m≧2、自然数)フレームを1周期として、その周期のn(n:n>0、m>n、自然数)フレームではオン表示を行ない、残りの(m−n)フレームではオフ表示を行うことにより疑似的に階調を表示させる方式である。図11にフレームレートコントロールテーブルの一例を示す。図11は、4×4画素のブロックを一つの単位とし、4フレームを1周期としたテーブルとなっている。上下方向が下位2ビットの値に相当し、左右方向がフレームカウンタの値に、またブロック内のX方向とY方向の位置は画素の位置に相当する。
誤差拡散部23により出力された6ビットのデータは、フレームレートコントロール部24に入力される。フレームレートコントロール部24は、下位2ビットの情報と、表示エリアでの位置情報およびフレームカウンタ情報より、フレームレートコントロールテーブルから0/1の値を導き、入力された6ビットから分離された上位4ビットの値に加算する。
フレームレートコントロール部24の動作を図12で具体的に説明する。入力された6ビットのデータは、上位の4ビットと下位の2ビットに分割される。入力された6ビットデータの下位2ビットと、画素の表示エリアでの位置情報(すなわち、座標データであるX座標の下位2ビットおよびY座標の下位2ビット)と、フレームカウンタの下位2ビットとの合計8ビットの値を用いて、図11のフレームレートコントロールテーブルで示される“0”か“1”の値を特定する。特定された“0”か“1”の値は上位4ビットのデータに加算して、4ビットデータとして出力される。
図8に戻り説明する、フレームレートコントロール部24から出力された4ビットデータは図7で示されているリミッタ部25にて駆動階調の最大値である12に制限された後、サブフレームデータ作成部26にて、反射型液晶表示素子6へ転送されるべき12ビットのデータに変換される。12ビットのデータへの変換は、後述する駆動階調テーブルを使用する。
図7に戻り、サブフレームデータ作成部26から出力された12ビットのデータは、メモリ制御部28にて、サブフレーム毎に分割されたフレームバッファ29に格納される。フレームバッファ29はダブルバッファの構造になっており、フレームバッファ0にデータを格納中は、フレームバッファ1のデータがデータ転送部を経由して反射型液晶表示素子6に転送されることになり、次のフレームでは、前フレーム期間中に格納されたフレームバッファ0のデータがデータ転送部30を経由して液晶表示素子6に転送され、フレームバッファ1には入力された映像信号データのサブフレームデータ作成部26からの出力データが格納される。
駆動制御部31は、サブフレーム毎の処理のタイミング等を制御しており、データ転送部30への転送指示およびゲートドライバ34の制御を行う。データ転送部30は、駆動制御部31からの指示に従い、メモリ制御部28に指示を行ない、指定したサブフレームのデータをメモリ制御部28から受け取りソースドライバ33へと転送する。ソースドライバ33は、1ライン分のデータをデータ転送部30より受け取る毎に、反射型液晶表示素子6の対応する画素回路7へ列データ線D0−Dnを用いて同時に転送する。この時、ゲートドライバ34では、駆動制御部31からの垂直スタート信号(VST)/垂直シフトクロック信号(VCK)により指定された行の行選択線Wyをアクティブにし、指定された行yの全ての列の画素へとデータが転送される。
図13を用いて本実施形態における駆動パターンについて説明する。図13は、映像信号が1秒あたり120フレーム、サブフレーム数が12個の場合について示している。WCは液晶表示素子内の全ての画素にサブフレーム毎のデータを転送するデータ転送期間(WC期間)を表している。DCは、液晶を駆動する際の駆動期間(DC期間)を表している。WC期間を347[μs]、DC期間を347[μs]としている。1フレームにおいて、WC期間とDC期間が交互に12回連続する。時間的に先頭からSF1、SF2、…、SF11、SF12の順番でそれぞれのサブフレームに割り当てられた0または1のデータがWC期間にて転送され、DC期間全ての画素の液晶が駆動される。画素内にサンプルホールドされたデータが0の場合は、その画素はブランキング状態となり、1の場合は駆動状態となる。
本実施形態における駆動階調テーブルの一例を図14に示す。図13と同様、映像信号は1秒あたり120フレーム、サブフレーム数が12個、データ転送期間(WC期間)を347[μs]、駆動期間(DC期間)を347[μs]としている。図14は駆動階調に対するサブフレーム毎のDC期間の状態を示している。図14の縦の欄の階調は、フレームレートコントロール部24で得た4ビットのデータであってリミッタ部25にて駆動階調の最大値である12で制限されたものである。SF1−SF12は1フレーム内のサブフレームの順番を表している。DC期間の欄が1の場合は駆動状態であることを示す。DC期間の欄が0の場合はブランク状態であることを示す。
図14の縦の欄に示す階調が1の場合、最後のサブフレームであるSF12のみが駆動状態となる。階調が2の場合、SF11とSF12だけが駆動状態となる。階調が3の場合、SF10とSF11とSF12だけが駆動状態となる。このように階調1から階調3までは、階調の数が増える毎に駆動状態となるサブフレームが時間的に前方に増えていく。階調4から階調7までは階調の数が増える毎に駆動状態となるサブフレームが時間的に前方に増えていくことに加え、駆動状態となるサブフレーム全体が時間的に前にずれていく。階調8から階調11までは駆動状態となる階調は時間的に後方に増えていく。階調12では全サブフレームが駆動状態となる。
本実施形態においては、クロストークの発生が低減されるという効果が得られる。以下、クロストーク低減効果について説明する。図15は、低い階調(L)の中に高い階調(H)の円形の領域が存在する映像を表示している様子を表す。
図16は図15の画像を立体映像表示装置にて立体表示をしたときに液晶表示装置100からスクリーン上の投影される像を示す図である。スクリーンには図16のように右目用の画像と左目用の画像が時間的に交互に表示される。図17は、図16に示す領域1、領域2、領域3、領域3‘のそれぞれにおける画面上の階調の時間変化を示す図である。図17のように、領域1では階調Hが、領域2では階調Lが連続して表示されるのに対して、領域3および領域3’では階調Hと階調Lが時間的に交互に表示される。
図18は図15の画像を立体映像表示装置にて立体表示をしたときに液晶シャッタめがね105を装着した際の左目での見え方を示す図である。観察者には、図18のように、領域1では階調Hに、領域2では階調Lに見える。領域3は階調Lに見えなければならない。しかし、前のフィールド(右目用フィールド)の階調がHであることが原因で階調Lよりも高い階調に表示されてしまう場合がある。そのような場合、領域3の階調は右目用画像の階調(階調H)に近づくため、観察者には、クロストーク現象として認識される。
本実施形態における図14の駆動階調テーブルによるデジタル駆動では、上記の様なクロストーク現象を減少させることができる。図19に示す駆動階調テーブルを比較例とし、図20〜図23を用いてクロストーク現象の抑制効果を説明する。
図19は図14と同様に、各階調において駆動状態となるサブフレームを示す図である。図19(a)は階調1の時に最初のサブフレームであるSF1のみが駆動状態となり、階調が増えるにしたがい駆動状態となるサブフレームが時間的に後方に増えていく。図19(b)は階調1の時に最後のサブフレームであるSF12のみが駆動状態となり、階調が増えるにしたがい駆動状態となるサブフレームが時間的に前方に増えていく。
図20〜図23は連続するフレームF1、F2における液晶駆動パターンと表示輝度との関係を模式的に表わした図である。各々、上段の図が液晶の駆動状態を示し、A1とA2が駆動期間、B1が駆動期間A1の後の非駆動期間を示す。また、下段は液晶素子の輝度変化を示し、上方向に向けて輝度が高くなる。液晶素子の輝度が高い状態が長く続く程明るく見えるので、液晶素子の輝度の高さと駆動時間の長さで階調を表現できる。点線で示した特性は前のフレームの影響を受けない場合に想定される輝度変化の特性であり、実線で示した特性は前のフレームの影響を受けた場合に想定される輝度変化の特性である。フレームF1とF2は、F1、F2、F1、F2・・のように連続して繰り返すが、説明を簡単にするために、フレームF1は更に前のフレームの影響を受けていないものとして図示している。また、フレームF1、F2はそれぞれ左目用フレームまたは右目用フレームに相当する。
図20は、図19(a)に示す駆動階調テーブルを使って液晶を駆動した状態を表わし、図20(a)はフレームF1が高階調(駆動期間A1が長い)である場合、図20(b)はフレームF1が低階調(駆動期間A1が短い)である場合であり、フレームF2の階調は図20(a)と(b)で同じ(駆動期間A2が同じ)ものとする。液晶素子の輝度は、駆動期間開始後にある時定数をもって上昇し、駆動期間終了後にある時定数をもって下降する。図示した特性は一例であり、液晶素子の輝度の上昇下降の特性は液晶素子の特性により異なる。
図20(a)では、高い階調であって長い駆動期間(A1)の後の非駆動期間(B1)が短い。このため、液晶素子の輝度が下がり切る前にF2の駆動期間が始まるので、F2は短い時間で輝度が高くなり、前のフレームの影響を受けない場合と比較して明るくなる。図20(b)では、低い階調であって短い駆動期間(A1)の後の非駆動期間(B1)が長い。このため、F2の駆動期間が始まる前に液晶素子の輝度が下がり切るので、F2の輝度の立ち上がりが遅れ、前のフレームの影響を受けない場合と比較して暗くなる。このように図19(a)の駆動階調テーブルを使った場合は、前のフレームの階調の高さが現フレームの明るさに影響を与え、クロストークとなる。
図21は、図19(b)に示す駆動階調テーブルを使って液晶を駆動した状態を表わし、図20と同様に図21(a)はフレームF1が高階調(駆動期間A1が長い)である場合、図21(b)はフレームF1が低階調(駆動期間A1が短い)である場合であり、フレームF2の階調は図21(a)と(b)で同じ(駆動期間A2が同じ)ものとする。
図21(a)と(b)は、フレームF1の階調に関係なく非駆動期間B1が同じである。このため、フレームF2の輝度の立ち上がりはフレームF1の階調が高い場合と低い場合でほとんど同じとなるため、フレームF2の明るさはフレームF1の階調の高さの影響を受けにくくなり、図19(a)に示す駆動階調テーブルを使用した場合と比較してクロストークが低減される。
次に、フレームF1の駆動階調が低階調でフレームF2の駆動階調が中間階調の場合と、フレームF1の駆動階調が中間階調でフレームF2の駆動階調が低階調となる場合の応答を比較する。
図22は、図19(b)の駆動階調テーブルを使って液晶を駆動した状態を表わし、図22(a)はフレームF1が低階調、フレームF2が中間階調である場合、図22(b)はフレームF1が中間階調、フレームF2が低階調である場合を表わす。図22(a)においては、非駆動期間B1の期間が理想状態よりも長く液晶素子の立ち上がりが遅くなるため、フレームF2は前のフレームの影響を受けない場合と比較して暗くなる。図22(b)においては、非駆動期間B1の時間が短く液晶素子の立ち上がりが早くなるため、フレームF2は前のフレームの影響を受けない場合と比較して明るくなる。
図23は、図14に示す本実施形態の駆動階調テーブルを使って液晶を駆動した状態を表わし、図22と同様に、図23(a)はフレームF1が低階調、フレームF2が中間階調である場合、図23(b)はレームF1が中間階調、フレームF2が低階調である場合を表わす。図23(a)は非駆動期間B1が、図22(a)と比較して短くなることで、液晶素子の立ち上がりが早くなり、前のフレームの影響を受けない場合の明るさに近づく。図23(b)は非駆動期間B1が図22(b)と比較して長くなることで、液晶素子の立ち上がりが遅くなり、前のフレームの影響を受けない場合の明るさに近づく。上記のように、本実形態の駆動階調テーブルを使って液晶を駆動することで、B1の長さを最適化し、所望の明るさを得ることができる。
以上説明したように、前のフレームの液晶応答の影響を考慮した本実施形態の駆動テーブルを使用することにより、所望の明るさを表示することができるため、立体映像表示時のクロストークを減少させることができる。また2D映像表示時においても前のフレームの影響を考慮することで、動解像度劣化を低減させることができる。
本実施形態では駆動階調テーブルの一例として図14の駆動階調テーブルを使ったが、これに限定せず、低階調から所定の階調までは駆動状態となるサブフレームの位置が時間的に前にシフトするものであれば良い。言い換えれば、低階調から所定の階調までは駆動階調が増加するとともに駆動状態となる最後のサブフレームと次のフレームとの間の非駆動となるサブフレーム数が増加するような駆動階調テーブルであれば良く、適宜変更可能である。
図24は本実施形態における信号処理を示す図である。図25は本実施形態における反射型液晶表示素子6の極性反転駆動を示す図である。以下図3、図7、図9を参照しつつ、図24において信号処理を説明する。
図24において、時刻T0にて垂直同期信号Vsyncがアクティブになり、最初に、時刻T0−T1の期間にてサブフレーム1(SF1)のデータを反射型液晶表示素子6に転送する。この期間(T0−T1)が転送期間WCとなる。転送期間WCの間、反射型液晶表示素子6は画素内のサンプルホールドされた値に関わらず、ブランキング状態とする必要があり、V0/V1/Vcomは同じ電圧(ここではGND)を設定する。ここで、V0はブランキング電圧、V1は駆動電圧、Vcom(共通電圧)は液晶の対向電極10の電圧である。時刻T1にて転送が終わり、次の期間(T1−T3)は駆動期間DCとなる。時刻T2は期間(T1−T3)のちょうど中間となり、期間(T1−T2)と期間(T2−T3)は同じ時間となる。期間(T1−T2)ではV1がVw、V0/VcomがGNDとなるように、また、期間(T2−T3)では期間(T1−T2)とは反対に、V1がGND、V0/VcomがVwとなるように電圧制御部32にて制御される。
画素回路7内のサンプルホールドの値が“0”の場合、画素回路7内の電圧選択回路17にてV0が画素電極8に印加される。期間T1−T2では、画素電極電圧Vpeと対向電極電圧VcomはともにGNDとなる。液晶9にかかる電圧は0[v]となり、液晶の駆動状態はブランキング状態となる。
画素内のサンプルホールドの値が“1”の場合、画素回路7内の電圧選択回路17にてV1が画素電極8に印加される。期間T1−T2では、画素電極電圧VpeはVw、対向電極電圧VcomはGNDとなる。液晶9にかかる電圧は+Vw(対向電極基準)となり、液晶は駆動状態となる。期間T2−T3では、画素電極電圧VpeはGND、対向電極電圧VcomはVwとなり、液晶9にかかる電圧は−Vw(対向電極基準)となり、駆動状態となる。
液晶に同じ電圧で方向の異なる電圧(+Vw/−Vw)を同じ期間印加することにより、長時間平均して液晶に印加する電圧を+Vw+(−Vw)=0[v]とすることにより、焼き付きを防止している。SF2−SF12もSF1の期間T0−T3と同様な電圧制御を行う。図25において、期間(T1−T2)に相当する状態、すなわち、V1がVw、V0/VcomがGNDとなるような状態をDCバランス+と表している。また、期間(T2−T3)に相当する状態、すなわち、V1がGND、V0/VcomがVwとなるような状態をDCバランス−と表している。
ところで本実施形態においては、表示素子としてアクティブマトリクス型の反射型液晶表示素子6を備えた投射型表示装置を例にして説明している。ここで、図14の階調駆動テーブルで液晶を駆動する場合の特徴を説明する。図14において、階調がK(K≧1)であるとする。すると連続するK個のサブフレームが1(駆動状態)となる。連続するK個のサブフレームの期間は、ほぼ連続したオン状態とみなされる結果、K(階調数)と出力光の関係はほぼ図4に示す反射型液晶表示素子6の入力電圧と出力光の強度との関係に近いカーブを描く。これは、ルックアップテーブル部21の動作に有利に作用する。すなわち、反射型液晶表示素子6の入力電圧と出力光の強度との関係はルックアップテーブル部21が目標としているガンマ2.2のカーブに比較的近いため、ルックアップテーブル部21にてガンマ2.2のカーブに変換する負担が少なくなる。以上の特徴は、透過型液晶素子においても同様である。
また、本実施の形態では、図13に示す通り、動画擬似輪郭の原因となるバイナリビットパルスを用いず、すべて同じ幅のステップビットパルスを用いている点も特徴である。バイナリビットパルスとは各サブフィールドに対して重みが2n (n=0、1、2、3…)で表されるいわゆる“バイナリの重み付け”を行うものである。一方、ステップビットパルスとは、1、2、4、8、16のバイナリビットパルスがある場合、32、32、32、32、32、32、32のような同じ重み付けのパルスのことをいう。すべてバイナリビットパルスにする場合と比較して、ステップビットパルスを併用することで動画擬似輪郭を相対的に軽減する効果がある。
動画擬似輪郭とは、隣り合った画素の似たような階調において、片方の画素でのバイナリビットパルスの多くが駆動状態であり、もう片方の画素でのバイナリビットパルスの多くがブランキング状態である場合、視線を動かした時や、顔のアップ等が動いたときに、意図しない輝度が眼で知覚されることをいう。本実施形態では、動画擬似輪郭の原因となるバイナリビットパルスを用いず、すべて同じ幅のステップビットパルスを用いている。そのため視線方向を動かした場合でも、輝度が著しく変化しないため、動画擬似輪郭はほとんど知覚されない。
次に、反射型液晶表示素子を用いた液晶表示装置の駆動回路にフレームレートコントロール部をもうけたことによる効果を説明する。図26は、反射型液晶素子における横方向電界の発生メカニズムを説明する図である。図26に示されるように反射型液晶素子の画素電極8A、8Bはシリコン基板43の上に形成されている。
デジタル駆動の場合、隣り合った画素間で駆動状態(駆動/ブランキング)が異なることが頻繁に起こる。例えば、あるフレームにおいて隣り合った画素の階調がそれぞれ“5”(画素PA)と“6”(画素PB)の場合を仮定する。またDCバランス+で、対向電極10がV0の場合を考える。すなわち、図25においてDCバランス+であるから、V0=Vcom=0(V)、V1=Vwである。サブフレーム5のタイミングでは、隣り合った画素の駆動状態が異なる。図26からわかるように、画素PAはブランキング状態なので、画素電極8AにはV0の電圧がかかり、画素PBは駆動状態なので、画素電極8BにはV1の電圧がかかっている。
図26は、画素電極8AにはV0の電圧がかかり、画素電極8BにはV1の電圧がかかっているときの液晶層の電界41の状態を示している。画素PBの画素電極8B(電位:Vw)と対向電極10(電位:0(V))間には電位差が生じ、液晶は所定量の回転をさせられる。このとき、画素PAの画素電極8A(電位:0(V))と画素PBの画素電極8B(電位:Vw)間にも電位差が生じ、横方向に電界が生じてしまう。このような、横方向電界42は、画素間の液晶の動きに意図しない混乱を発生させる。上記の現象は、画質劣化の一因であった。
フレームレートコントロールを用いることで上記の不具合を解消することができる。図27はフレームレートコントロールにより、横方向電界が均等に分散されることを説明する図である。
図27では、フレームレートコントロール部への入力データ((M+F)ビット)の下位Fビットの値が“01”である場合が例示されている。フレーム毎に4個のテーブル(フレーム0〜3)が用いられる。それぞれのフレームにおいて、隣り合った画素間で駆動状態(駆動またはブランキング)が異なる場合、駆動状態が「1」(駆動状態)である画素から駆動状態が「0」(ブランキング状態)である画素の方向に横方向の電界が生じる。画素間の横方向電界の方向は図27において矢印で表されている。4個のフレームでの横方向電界の状態を重ね合わせたのが、一番右の状態である。すなわち、4フレームの平均では、すべての画素間での横方向電界は打ち消しあっている。以上のように、フレームレートコントロールを用いることにより、画質劣化の一因である横方向電界を打ち消すことが可能となった。
<第2実施形態>
第2実施形態は第1実施形態に対し、駆動階調テーブル部のみ異なり、その他の構成および動作は第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態と同等の構成や動作については説明を省略する。第1実施形態ではサブフレームデータ作成部26で、駆動階調テーブル27に各階調に対して固定となるパターンを使っているのに対し、本実施形態では基本パターンに対し、駆動状態とするサブフレームをシフトさせるテーブルを組み合わせて駆動パターンを決めることが異なる。
図28は駆動階調テーブルの基本パターンであり、図19(a)の駆動階調テーブルと同じパターンである。図29は前のフレームの階調と現在のフレームの階調とからパラメータを導出する、パラメータ導出テーブルの一例である。図30はパラメータ導出テーブルで導出したパラメータに対応するシフト量を導出するシフト量導出テーブルの一例である。本実施形態では、駆動階調テーブルの基本パターンと、パラメータ導出テーブルと、シフト量導出テーブルとを組み合わせて導出した駆動階調テーブルを使って液晶を駆動する。
図31に駆動階調テーブル導出の一例を示す。
図31(a)は階調が2であった場合に図28のテーブルから求めた駆動階調テーブルの基本パターンを示す。図31(b)と図31(c)は駆動階調テーブルの基本パターンに対し、パラメータ導出テーブルとシフト量導出テーブルからシフト量を導出してシフトを適用した後の駆動階調テーブルを示す。図31(b)は現在のフレームの階調が2で前のフレームの階調が5である場合で、パラメータ導出テーブルからパラメータはP5−2となり、シフト量導出テーブルからシフト量は6となるので、SF7とSF8のみ駆動状態となりその他のサブフレームは非駆動となる。図31(c)は現在のフレームの階調が2で前のフレームの階調が8である場合で、パラメータ導出テーブルからパラメータはP8−2となり、シフト量導出テーブルからシフト量は9となるので、SF10とSF11のみ駆動状態となりその他のサブフレームは非駆動となる。
本実施形態では前後のフレームの階調から、ブランキング期間が最適になるように駆動状態となるサブフレームのシフト量を設定する。
図32は本実施形態の駆動階調テーブルを使用して液晶を駆動した場合の、連続するフレームF1、F2における液晶駆動パターンと表示輝度との関係を模式的に表わした図である。各々、上段の図が液晶の駆動状態を示し、A1とA2が駆動期間を、B1が駆動期間A1の後の非駆動期間を、B2が駆動期間A2の後の非駆動期間を示す。また、下段は液晶素子の輝度変化を示し、上方向に向けて輝度が高くなる。液晶素子の輝度が高い状態が長く続く程、表示映像は明るく見えるので、液晶素子の輝度の高さと駆動時間の長さで階調を表現できる。点線で示した特性は前のフレームの影響を受けない場合に想定される輝度変化の特性であり、実線で示した特性は前のフレームの影響を受けた場合に想定される輝度変化の特性である。フレームF1とF2は、F1、F2、F1、F2・・のように連続して繰り返されるが、説明を簡単にするために、図中最初のフレームF1は更に前のフレームの影響を受けていないものとして図示している。また、フレームF1、F2はそれぞれ左目用フレームまたは右目用フレームに相当する。
図32(a)はフレームF1とフレームF2の階調が同じである場合で、本実施形態の駆動テーブルによれば、非駆動期間B1とB2の長さは同じになり、フレームF1とF2の駆動条件が同じになるため、フレームF1とF2の明るさを同等とすることができる。
図32(b)はフレームF1が高階調でフレームF2が低階調であった場合であり、非駆動期間は、B1が長くB2が短くなるようにシフト量が設定されている。本実施形態の駆動階調テーブルによれば高階調のフレームF1から低階調のフレームF2間の非駆動期間B1を長く設定するため、液晶素子の輝度が十分に下がってからフレームF2の駆動期間が開始するため、フレームF2の明るさを引き上げることなく低い階調として表示することができる。逆に、低階調のフレームF2から高階調のフレームF1間の非駆動期間B2を短く設定するため、液晶素子の輝度が下がり切る前にフレームF1の駆動期間が開始するため、フレームF1の明るさを落とすことなく高い階調として表示することができる。
以上説明したように、本実施形態によるサブフレーム駆動パターンによれば、各フレーム間の非駆動期間を、各フレームの階調の組み合わせによって最適に設定するので、前のフレームの影響を受けにくくなり、立体映像表示時のクロストークを減少させることができる。また2D映像表示時においても前のフレームの影響を受けにくくなるため、動解像度劣化を低減させることができる。
本実施形態で使ったパラメータ導出テーブルと、シフト量導出テーブルは本実施形態の装置を説明するための一例であり、これに限定するものではなく、適宜変更可能である。また、本実施形態ではパラメータ導出テーブルとシフト量導出テーブルを分けて説明したが、これらは一つのテーブルとして構成しても良く、前のフレームの階調と現在のフレームの階調とから直接シフト量を求めるテーブルとしても良い。
第1、第2の実施形態において、入力された映像信号データのビット数をN、表示素子の駆動可能な階調数を2進数で表したときのビット数をM、誤差拡散処理により誤差として拡散されるビット数をD、フレームレートコントロールにより擬似的な階調として表現されるビット数をFとしたとき、N=8、M=4、 D=4、F=2である場合について説明した。しかし、N、M、D、Fの値は上記の値に限定されず、種々の値を用いて実施することができる。そのなかでも、N=8〜12、M=4〜6、D=4〜8、F=2〜3であることがより好ましい。
6 反射型液晶表示素子
7 画素回路
21 ルックアップテーブル部
23 誤差拡散部
24 フレームレートコントロール部
25 リミッタ部
26 サブフレームデータ作成部
27 駆動階調テーブル
28 メモリ制御部
31 駆動制御部
100 投射型液晶表示装置
101 信号処理回路(信号処理部)
102 駆動回路
103 液晶シャッタ駆動信号送信機
105 液晶シャッタめがね

Claims (3)

  1. 入力された映像信号に基づいて、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成する信号変換部と、
    駆動階調が増加する毎に駆動状態となるサブフレーム数を増加させ、駆動状態となるサブフレームを前のフレームの階調と現在のフレームの階調との関係から決めるサブフレームデータ作成部と、
    液晶表示素子と、
    前記サブフレームデータ作成部で作成したサブフレームデータに基づいて前記液晶表示素子を駆動する駆動部と
    を備えることを特徴とする映像表示装置。
  2. 前記信号変換部の前段に、入力された映像信号から左目用信号と右目用信号が時間的に交互に並ぶ信号を生成する信号処理部を更に備えることを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
  3. 前記信号変換部は、
    N、M、F、Dを整数としたときに、ビット数Nの信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換するルックアップテーブル部と、
    前記ルックアップテーブル部で処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する誤差拡散部と
    、前記誤差拡散部で処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換するフレームレートコントロール部と
    を有し、
    前記フレームレートコントロール部で処理されたMビットのデータを用いて、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成することを特徴とする請求項1または2記載の映像表示装置。
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