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JP7235106B2 - 走行車システム及び走行車の制御方法 - Google Patents

走行車システム及び走行車の制御方法 Download PDF

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JP7235106B2 JP2021520070A JP2021520070A JP7235106B2 JP 7235106 B2 JP7235106 B2 JP 7235106B2 JP 2021520070 A JP2021520070 A JP 2021520070A JP 2021520070 A JP2021520070 A JP 2021520070A JP 7235106 B2 JP7235106 B2 JP 7235106B2
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Description

本発明は、走行車システム及び走行車の制御方法に関する。
半導体製造工場等の製造工場では、例えば、半導体ウエハあるいはレチクルを収容する搬送容器(FOUP、レチクルPod)等の物品を走行車により搬送する走行車システムが用いられている。この走行車システムとして、軌道を走行する複数の走行車と、複数の走行車を制御するコントローラとを備えるシステムが知られている。複数の走行車は、それぞれ、無線通信等によって自己の現在位置等の情報をコントローラに送信する。コントローラは、走行車の位置等に基づいて、物品の搬送を担当する走行車を決定し搬送指令を送信する。
上記の走行車システムに用いられる軌道は、一般的に交差点を複数有している。交差点には、複数の走行車のうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車を進入させない排他制御が行われるブロッキング区間が定められる。走行車は、コントローラからブロッキング区間の占有許可を得た場合にそのブロッキング区間を占有して通過可能である。走行車は、コントローラから占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間に進入しないように制御される。
上記の排他制御として、コントローラが、走行車の走行経路をチェックすることにより、走行車が通過すべき複数のブロッキング区間のうち許可できる区間までの占有許可を走行車に与える構成が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。また、上記の排他制御として、走行車がコントローラにブロッキング区間の占有許可を要求し、その占有許可の要求に対してコントローラが走行車に許可を与える構成が知られている。
特開昭63-163608号公報
特許文献1の構成では、走行車がすぐに通過しない先の方までのブロッキング区間に対しても不必要に占有が許可される。この場合、ブロッキング区間の占有が許可された走行車がそのブロッキング区間を通過しない期間にも関わらず、その期間に他の走行車がそのブロッキング区間を通過できない状態となり、他の走行車の走行が阻害されることがある。また、走行車がコントローラにブロッキング区間の占有許可を要求し、コントローラが走行車に許可を与える構成では、上記した走行車の走行の阻害は抑制されるが、コントローラと走行車との通信回数が多くなるので、コントローラに負荷がかかる。
本発明は、排他制御により走行車同士の干渉を防止する走行車システムにおいて、コントローラと走行車との間の通信回数を抑えつつ、排他制御による走行車の走行の阻害を極力避けることを目的とする。
本発明の第1態様においては、走行車システムを提供する。走行車システムは、軌道を備える。走行車システムは、軌道を走行する複数の走行車を備える。走行車システムは、複数の走行車と通信可能であり、複数の走行車を制御するコントローラを備える。軌道は、第1方向に沿って延在する複数の第1軌道と、第1方向とは異なる第2方向に沿って延在する複数の第2軌道とにより、複数のグリッドセルを形成する格子状軌道を含む。格子状軌道には、複数の走行車のうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車を進入させない排他制御が行われるブロッキング区間がグリッドセル毎に定められている。走行車は、コントローラからブロッキング区間の占有許可を得た場合にそのブロッキング区間を占有して通過可能であるが、コントローラから占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間に進入しないように制御される走行車は、指令により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間についての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信によりコントローラに要求する。コントローラは、予め設定された所定の基準に従って、走行車から占有許可を要求された複数のブロッキング区間のうち、その走行車の走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間を判定する。コントローラは、許可可能と判定した場合に、1つ又は複数のブロッキング区間の占有許可を走行車に与える。走行車は、占有許可を要求するにあたり、格子状軌道において次に方向転換するまでに通過するグリッドセルに対応するブロッキング区間についての占有要求を、1つの情報として1回の通信により要求する。
行車がコントローラに要求する占有許可における複数のブロッキング区間、指令により定められた自己が占有すべき全てのブロッキング区間のうちの一部であってよい。走行車がコントローラに要求する占有許可における複数のブロッキング区間の数、走行車の速度、及び、走行車とコントローラとの通信周期の一方又は双方に基づいて決定されよい。コントローラ、走行車がブロッキング区間における動作を完了した後、そのブロッキング区間における占有を解除してよい。所定の基準は、ブロッキング区間に対して複数の走行車から占有許可の要求を受けた場合、先に占有許可の要求を行った走行車にそのブロッキング区間についての占有許可を与えることを含んでよい。所定の基準は、ブロッキング区間に対して複数の走行車から占有許可の要求を受けた場合、複数の走行車における優先度に基づいて、複数の走行車のうち優先度が高い走行車にそのブロッキング区間についての占有許可を与えることを含んでよい
本発明の第2態様においては、走行車システムにおける走行車の制御方法を提供する。走行車システムは、軌道を備える。走行車システムは、軌道を走行する複数の走行車を備える。走行車システムは、複数の走行車と通信可能であり、複数の走行車を制御するコントローラを備える。軌道は、第1方向に沿って延在する複数の第1軌道と、第1方向とは異なる第2方向に沿って延在する複数の第2軌道とにより、複数のグリッドセルを形成する格子状軌道を含む。格子状軌道には、複数の走行車のうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車を進入させない排他制御が行われるブロッキング区間がグリッドセル毎に定められている。走行車は、コントローラからブロッキング区間の占有許可を得た場合にそのブロッキング区間を占有して通過可能であるが、コントローラから占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間に進入しないように制御される。走行車の制御方法は、走行車、指令により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間についての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信によりコントローラに要求することを含む。走行車の制御方法は、コントローラ、予め設定された所定の基準に従って、走行車から占有許可を要求された複数のブロッキング区間のうち、その走行車の走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間を判定することを含む。走行車の制御方法は、コントローラが、許可可能と判定した場合に、1つ又は複数のブロッキング区間の占有許可を走行車に与えることを含む。走行車は、占有許可を要求するにあたり、格子状軌道において次に方向転換するまでに通過するグリッドセルに対応するブロッキング区間についての占有要求を、1つの情報として1回の通信により要求する。
上記の態様に係る走行車システム及び走行車の制御方法によれば、排他制御により走行車同士の干渉を防止する走行車システムにおいて、各ブロッキング区間毎に個別に占有許可の要求の送信が必要とされる構成と比較して、コントローラと走行車との間の通信回数を減らすことができ、且つ、コントローラが要求された複数のブロッキング区間の全区間について許可できなければ占有許可を与えない構成と比較して、適切なブロッキング区間の占有許可を速やかに走行車に与えることができるので、排他制御による走行車の走行の阻害を避けることができる。
また、走行車がコントローラに要求する占有許可における複数のブロッキング区間が、走行車が指令により定められた自己が占有すべき全てのブロッキング区間のうちの一部である構成では、走行車が占有すべき全区間について占有許可の要求を行う構成と比較して、走行車が一時に占有するブロッキング区間を短くすることができる。また、走行車がコントローラに要求する占有許可における複数のブロッキング区間の数が、走行車の速度、及び、走行車とコントローラとの通信周期の一方又は双方に基づいて決定される構成では、走行車の速度又は通信周期を考慮したときに走行車が走行し得ない位置に配置されるブロッキング区間についての占有許可を走行車に与えることを抑制することができる。また、コントローラが、走行車がブロッキング区間における動作を完了した後、そのブロッキング区間における占有を解除する構成では、通過等の走行車の動作が完了したブロッキング区間については、ブロッキング区間毎に占有許可を解除するので、排他制御による走行車の走行の阻害を極力避けることができる。
また、所定の基準が、ブロッキング区間に対して複数の走行車から占有許可の要求を受けた場合、先に占有許可の要求を行った走行車にそのブロッキング区間についての占有許可を与えることを含む構成では、先に占有許可の要求を行った走行車の走行が、後に占有許可の要求を行った走行車に阻害されることを避けることができる。また、所定の基準が、ブロッキング区間に対して複数の走行車から占有許可の要求を受けた場合、複数の走行車における優先度に基づいて、複数の走行車のうち優先度が高い走行車にそのブロッキング区間についての占有許可を与えることを含む構成では、優先度の高い走行車の走行が、優先度の低い走行車に阻害されることを避けることができる。
また、第1方向に沿って延在する複数の第1軌道と、第1方向とは異なる第2方向に沿って延在する複数の第2軌道とを有し、複数の第1軌道と複数の第2軌道により複数のマス目を形成する格子状軌道を備え、複数の走行車は、格子状軌道に沿って第1軌道又は第2軌道を走行し、格子状軌道における1つのマス目であるグリッドセル毎にブロッキング区間が設定される構成では、格子状軌道の各グリッドセルは全てが交差点であるため、走行車がどのグリッドセルに停車しても他の走行車の通行の邪魔になる。従って、格子状軌道の場合、格子状軌道以外の軌道を有する走行車システムの構成と比較して、他の走行車の走行を阻害して走行効率が低下しやすいが、上記構成によれば、上記の走行効率の低下を抑制できる。また、走行車がコントローラに要求する占有許可における複数のブロッキング区間は、第1方向及び第2方向のうちの一つの方向に沿って連続する複数のグリッドセルである構成では、走行車が方向転換後に走行するブロッキング区間の占有許可を走行車に与えないため、走行車の方向転換前及び方向転換後の走行経路を含むブロッキング区間の占有許可を与える構成と比較して、方向転換後の走行経路を含むブロッキング区間の排他制御による走行車の走行の阻害を抑制することができる。
第1実施形態に係る走行車システムの一例を示す斜視図である。 走行車の一例を示す斜視図である。 走行車の一例を示す側面図である。 走行車、上位コントローラ、及び、ブロッキングコントローラの一例を示すブロック図である。 走行車システムの動作の一例を示すシーケンス図である。 走行車システムの動作の一例を示す図である。 走行車システムの動作の一例を示す図である。 占有要求の一例を示す図である。 走行車システムにおける解除要求に関する動作の一例を示す図である。 要求管理情報の一例を示す図である。 占有要求の判定の一例を示すフローチャートである。 占有管理情報の一例を示す図である。 占有要求判定部による判定の一例を示す図である。 占有要求判定部による判定の一例を示す図である。 応答情報の一例を示す図である。 ブロッキングコントローラの動作の一例を示す図である。 第2実施形態に係る走行車システムの一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明する形態に限定されない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載する等適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図において、XYZ座標系により図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面に沿った一方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をY方向と表記する。なお、走行車Vの走行方向は、以下の図に示された状態から他の方向に変化可能であり、例えば曲線方向に走行する場合もある。また、XY平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向と反対の方向が-方向であるとして説明する。また、垂直軸まわり又はZ軸まわりの旋回方向をθZ方向と表記する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る走行車システムSYSの一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す走行車システムSYSで用いられる走行車Vの斜視図である。図3は、走行車Vの一例を示す側面図である。図4は、走行車V、上位コントローラHC、及び、ブロッキングコントローラBCの一例を示すブロック図である。
走行車システムSYSは、例えば半導体製造工場のクリーンルームにおいて、物品Mを走行車Vにより搬送するためのシステムである。走行車システムSYSは、第1走行車V1~第n走行車Vn(以下、走行車Vと総称する場合もある)(図4参照)と、複数の走行車Vを制御するコントローラ(上位コントローラHC、ブロッキングコントローラBC)と、を備える。本実施形態では、走行車Vが天井走行車である例を説明する。走行車Vは、走行車システムSYSの軌道Rに沿って移動する。軌道Rは、走行車Vの走行領域である。走行車Vは、走行車システムSYSの軌道Rに沿って移動し、半導体ウエハを収容するFOUP、あるいはレチクルを収容するレチクルPod等の物品Mを搬送する。走行車Vは、物品Mを搬送するため、搬送車と称する場合がある。
軌道Rは、クリーンルーム等の建屋の天井又は天井付近に敷設されている。軌道Rは、処理装置(図示せず)、ストッカ(自動倉庫、図示せず)、バッファ(図示せず)等に隣接して設けられる。上記の処理装置は、例えば、露光装置、コータディベロッパ、製膜装置、エッチング装置等であり、走行車Vが搬送する容器内の半導体ウエハに各種処理を施す。上記のストッカは、走行車Vが搬送する物品Mを保管する。上記のバッファは、走行車Vが搬送する物品Mを一時的に保管する。
軌道Rは、軌道の形態の一例である。軌道Rは、複数の第1軌道R1と、複数の第2軌道R2と、複数の交差部R3と、を有する格子状軌道である。以下、軌道Rを格子状軌道Rと称する。複数の第1軌道R1は、それぞれ、X方向(第1方向DR1)に沿って延在する。複数の第2軌道R2は、それぞれ、Y方向(第2方向DR2)に沿って延在する。格子状軌道Rは、複数の第1軌道R1と複数の第2軌道R2により、平面視において格子状に形成されている。格子状軌道Rは、複数の第1軌道R1と複数の第2軌道R2により複数のマス目を形成する。本実施形態では、第1方向DR1と第2方向DR2とが直交しており、複数の第1軌道R1と複数の第2軌道R2とは、互いに直交する方向に沿って設けられるが、互いに直接交差しないように設けられている。交差部R3は、第1軌道R1と第2軌道R2とが交差する部分に配置される。交差部R3は、第1軌道R1に対して第1方向DR1に隣り合うと共に第2軌道R2に対して第2方向DR2に隣り合っている。交差部R3は、第1軌道R1と第2軌道R2との接続、第1軌道R1同士の接続、第2軌道R2同士の接続をする接続軌道である。交差部R3は、走行車Vが第1軌道R1に沿って走行する際と、走行車Vが第2軌道R2に沿って走行する際と、走行車Vが第1軌道R1から第2軌道R2又は第2軌道R2から第1軌道R1に走行する際と、のいずれの際にも用いられる軌道である。格子状軌道Rは、複数の第1軌道R1と複数の第2軌道R2とが直交する方向に設けられることで、平面視で複数のグリッドセルC(セル)が隣り合う状態となっている。1つのグリッドセルCは、1つのマス目に相当し、平面視において、第2方向DR2において隣り合った2つの第1軌道R1と、第1方向DR1において隣り合った2つの第2軌道R2と、に囲まれた部分である。なお、図1では格子状軌道Rの一部について示しており、格子状軌道Rは、図示している構成から第1方向DR1(X方向)及び第2方向DR2(Y方向)に同様の構成が連続して形成されている。
第1軌道R1、第2軌道R2、及び交差部R3は、吊り下げ部材H(図1参照)によって不図示の天井に吊り下げられている。吊り下げ部材Hは、第1軌道R1を吊り下げるための第1部分H1と、第2軌道R2を吊り下げるための第2部分H2と、交差部R3を吊り下げるための第3部分H3と、を有する。第1部分H1及び第2部分H2は、それぞれ第3部分H3を挟んだ二か所に設けられている。
第1軌道R1、第2軌道R2、及び交差部R3は、それぞれ、走行車Vの後述する走行車輪21が走行する走行面R1a、R2a、R3aを有する。第1軌道R1と交差部R3との間、第2軌道R2と交差部R3との間には、それぞれ間隙Dが形成される。間隙Dは、走行車Vが第1軌道R1を走行して第2軌道R2を横切る際、あるいは第2軌道R2を走行して第1軌道R1を横切る際に、走行車Vの一部である後述の連結部30が通過する部分である。従って、間隙Dは、連結部30が通過可能な幅に設けられている。第1軌道R1、第2軌道R2、及び交差部R3は、同一又はほぼ同一の水平面に沿って設けられる。本実施形態において、第1軌道R1、第2軌道R2、及び交差部R3は、走行面R1a、R2a、R3aが同一又はほぼ同一の水平面上に配置される。
走行車システムSYSは、通信システム(図示せず)を備える。通信システムは、走行車V、上位コントローラHC、及びブロッキングコントローラBCの通信に用いられる。走行車V、上位コントローラHC、及びブロッキングコントローラBCは、それぞれ、通信システムを介して通信可能に接続される。
走行車Vの走行領域には、複数の走行車Vのうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車Vを進入させない排他制御が行われるブロッキング区間Bが複数定められている(図1等参照)。本実施形態では、ブロッキング区間Bは、各グリッドセルC毎に設定されている。走行車Vは、ブロッキングコントローラBCからブロッキング区間Bの占有許可を得た場合にそのブロッキング区間Bを占有して通過可能であるが、ブロッキングコントローラBCから占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間Bに進入しないように制御される。排他制御により走行車V同士の干渉を防止することができる。排他制御については、後にさらに説明する。
走行車Vの構成について説明する。図2から図4に示すように、走行車Vは、本体部10と、走行部20と、連結部30と、制御部50(図3、図4参照)とを有する。
本体部10は、格子状軌道Rの下方(-Z側)に配置される。本体部10は、平面視で例えば矩形状に形成される。本体部10は、平面視で格子状軌道Rにおける1つのグリッドセルC(図1参照)に収まる寸法に形成される。このため、隣り合う第1軌道R1又は第2軌道R2を走行する他の走行車Vとすれ違うスペースが確保される。本体部10は、上部ユニット17と、移載装置18とを備える。上部ユニット17は、連結部30を介して走行部20から吊り下げられる。上部ユニット17は、例えば平面視で矩形状であり、上面17aに4つのコーナー部を有する。
本体部10は、4つのコーナー部のそれぞれに走行車輪21、連結部30、方向転換機構34を有する。この構成において、本体部10の4つのコーナー部に配置された走行車輪21により、本体部10を安定して吊り下げることができ、かつ、本体部10を安定して走行させることができる。
移載装置18は、上部ユニット17の下方に設けられる。移載装置18は、Z方向(鉛直方向)の回転軸AX1まわりに回転可能である。移載装置18は、物品Mを保持する物品保持部13と、物品保持部13を鉛直方向に昇降させる昇降駆動部14と、昇降駆動部14を水平方向にスライド移動させる横出し機構11と、横出し機構11を保持する回動部12とを有する。物品保持部13は、物品Mのフランジ部Maを把持することにより、物品Mを吊り下げて保持する。物品保持部13は、例えば、水平方向に移動可能な爪部13aを有するチャックであり、爪部13aを物品Mのフランジ部Maの下方に進入させ、物品保持部13を上昇させることで、物品Mを保持する。物品保持部13は、ワイヤあるいはベルト等の吊り下げ部材13bに接続されている。
昇降駆動部14は、例えばホイストであり、吊り下げ部材13bを繰り出すことにより物品保持部13を下降させ、吊り下げ部材13bを巻き取ることにより物品保持部13を上昇させる。昇降駆動部14は、制御部50に制御され、所定の速度で物品保持部13を下降あるいは上昇させる。また、昇降駆動部14は、制御部50に制御され、物品保持部13を目標の高さに保持する。
横出し機構11は、例えばZ方向に重ねて配置された複数の可動板を有する。可動板は、Y方向に相対的に移動可能である。最下層の可動板には、昇降駆動部14が取り付けられている。横出し機構11は、不図示の駆動装置により可動板を移動させ、最下層の可動板に取り付けられた昇降駆動部14及び物品保持部13を例えば、走行車Vの走行方向に対して直交する水平方向に横出しさせる(スライド移動させる)ことができる。
回動部12は、横出し機構11と上部ユニット17との間に設けられる。回動部12は、回動部材12aと、回動駆動部12bとを有する。回動部材12aは、鉛直方向の軸周り方向に回動可能に設けられる。回動部材12aは、横出し機構11を支持する。回動駆動部12bは、例えば電動モータ等が用いられ、回動部材12aを回転軸AX1の軸周り方向に回動させる。回動部12は、回動駆動部12bからの駆動力によって回動部材12aを回動させ、横出し機構11(昇降駆動部14及び物品保持部13)を回転軸AX1の軸周り方向に回転させることができる。走行車Vは、移載装置18を用いることにより、所定位置に対して物品Mの受け渡しをすることができる。
また、図2及び図3に示すように、移載装置18及び移載装置18に保持している物品Mを囲むようにカバーWが設けられてもよい。カバーWは、下端を開放した筒状であって、かつ、横出し機構11の可動板が突出する部分を切り欠いた形状を有している。カバーWは、上端が回動部12の回動部材12aに取り付けられており、回動部材12aの回動に伴って回転軸AX1の軸まわりに回動する。
走行部20は、走行車輪21と、補助車輪22とを有する。走行車輪21は、上部ユニット17(本体部10)の上面17aの4つのコーナー部にそれぞれ配置される。走行車輪21のそれぞれは、連結部30に設けられた車軸に取り付けられている。車軸は、XY平面に沿って平行又はほぼ平行に設けられている。走行車輪21のそれぞれは、後述する走行駆動部33の駆動力により回転駆動する。走行車輪21のそれぞれは、軌道Rにおいて、第1軌道R1、第2軌道R2、及び交差部R3の走行面R1a、R2a、R3aを転動し、走行車Vを走行させる。なお、4つの走行車輪21の全てが走行駆動部33の駆動力により回転駆動することに限定されず、4つの走行車輪21のうち一部について回転駆動させる構成であってもよい。
走行車輪21は、旋回軸AX2を中心としてθZ方向に旋回可能に設けられる。走行車輪21は、後述する方向転換機構34によってθZ方向に旋回し、その結果、走行車Vの走行方向を変更することができる。補助車輪22は、走行車輪21の走行方向の前後にそれぞれ1つずつ配置される。補助車輪22のそれぞれは、走行車輪21と同様に、XY平面に沿って平行又はほぼ平行な車軸の軸周りに回転可能となっている。補助車輪22の下端は、走行車輪21の下端より高くなるように設定されている。従って、走行車輪21が走行面R1a、R2a、R3aを走行しているときは、補助車輪22は、走行面R1a、R2a、R3aに接触しない。また、走行車輪21が間隙D(図1参照)を通過する際には、補助車輪22が走行面R1a、R2a、R3aに接触して、走行車輪21の落ち込みを抑制している。なお、1つの走行車輪21に2つの補助車輪22を設けることに限定されず、例えば、1つの走行車輪21に1つの補助車輪22が設けられてもよいし、補助車輪22が設けられなくてもよい。
図2に示すように、連結部30は、本体部10の上部ユニット17と走行部20とを連結する。連結部30は、上部ユニット17(本体部10)の上面17aの4つのコーナー部にそれぞれ設けられる。この連結部30によって本体部10は、走行部20から吊り下げられた状態となり、格子状軌道Rより下方に配置される。連結部30は、支持部材31と、接続部材32とを有する。支持部材31は、走行車輪21の回転軸及び補助車輪22の回転軸を回転可能に支持する。支持部材31により、走行車輪21と補助車輪22との相対位置を保持する。支持部材31は、例えば板状に形成され、間隙D(図1参照)を通過可能な厚さに形成される。
接続部材32は、支持部材31から下方に延びて上部ユニット17の上面17aに連結され、上部ユニット17を保持する。接続部材32は、後述する走行駆動部33の駆動力を走行車輪21に伝達する伝達機構を内部に備える。この伝達機構は、チェーン又はベルトが用いられる構成であってもよいし、歯車列が用いられる構成であってもよい。接続部材32は、旋回軸AX2を中心としてθZ方向に旋回可能に設けられる。この接続部材32が旋回軸AX2を中心として旋回することで、支持部材31を介して走行車輪21を旋回軸AX2まわりのθZ方向に旋回させることができる。
連結部30(図2参照)には、走行駆動部33と、方向転換機構34とが設けられる。走行駆動部33は、接続部材32に装着される。走行駆動部33は、走行車輪21を駆動する駆動源であり、例えば電動モータ等が用いられる。4つの走行車輪21は、それぞれ走行駆動部33によって駆動されて駆動輪である。4つの走行車輪21は、同一又はほぼ同一の回転数となるように制御部50によって制御される。なお、4つの走行車輪21のうちいずれかを駆動輪として用いない場合は、その接続部材32に走行駆動部33は装着されない。
方向転換機構34は、連結部30の接続部材32を、旋回軸AX2を中心として旋回させることにより、走行車輪21を旋回軸AX2まわりのθZ方向に旋回させる。走行車輪21をθZ方向に旋回させることにより、走行車Vの走行方向を第1方向DR1とする第1状態から走行方向を第2方向DR2とする第2状態に、又は走行方向を第2方向DR2とする第2状態から走行方向を第1方向DR1とする第1状態に切り替えることが可能である。
方向転換機構34は、駆動源35と、ピニオンギア36と、ラック37とを有する。駆動源35は、走行駆動部33において旋回軸AX2から離れた側面に取り付けられている。駆動源35は、例えば電気モータ等が用いられる。ピニオンギア36は、駆動源35の下面側に取り付けられており、駆動源35で発生した駆動力によりθZ方向に回転駆動する。ピニオンギア36は、平面視で円形状であり、外周の周方向に複数の歯を有する。ラック37は、上部ユニット17の上面17aに固定される。ラック37は、上部ユニット17の上面17aの4つのコーナー部にそれぞれ設けられ、走行車輪21の旋回軸AX2を中心とした円弧状(扇形状)に設けられる。ラック37は、外周の周方向に、ピニオンギア36の歯と噛み合う複数の歯を有する。
ピニオンギア36及びラック37は、互いの歯が噛み合った状態で配置される。ピニオンギア36がθZ方向に回転することにより、ラック37の外周に沿うようにピニオンギア36が旋回軸AX2を中心とする円周方向に移動する。このピニオンギア36の移動により、接続部材32が旋回し、走行駆動部33及び方向転換機構34がピニオンギア36と共に旋回軸AX2を中心とする円周方向に旋回する。
方向転換機構34の旋回により、上面17aの4つのコーナー部に配置された走行車輪21及び補助車輪22のそれぞれが旋回軸AX2を中心としてθZ方向に90度の範囲で旋回する。方向転換機構34の駆動は、制御部50によって制御される。制御部50は、4つの走行車輪21の旋回動作を同一のタイミングで行うように指示してもよいし、異なるタイミングで行うように指示してもよい。走行車輪21及び補助車輪22を旋回させることにより、走行車輪21が第1軌道R1及び第2軌道R2の一方に接触した状態から他方に接触した状態に移行する。換言すれば、走行車輪21の回転軸の方向が第1方向DR1及び第2方向DR2の一方とされた状態から他方とされる状態に移行する。このため、走行車Vの走行方向を第1方向DR1(X方向)とする第1状態と、走行方向を第2方向DR2(Y方向)とする第2状態とで切り替えることができる。
走行車Vは、位置情報を検出する位置検出部38を備える(図4参照)。位置検出部38は、位置情報を示す位置マーカ(図示せず)を検出することにより、走行車Vの現在位置を検出する。位置検出部38は、非接触により位置マーカを検出する。位置マーカは、格子状軌道Rの各グリッドセルC毎に設置される。
制御部50は、走行車Vを統括的に制御する。制御部50は、各種データを記憶(格納)する記憶部51と、通信部52と、走行制御部53と、移載制御部54と、占有要求部55と、解除要求部56と、状態情報処理部57と、を備える。制御部50は、コンピュータである。制御部50は、本実施形態では本体部10に設けられる例を示すが(図3参照)、制御部50は本体部10の外部に設けられてもよい。
通信部52は、外部の装置との間で通信を行う。通信部52は、無線により、通信システム(図示せず)に接続される。通信部52は、通信システムを介して、上位コントローラHC及びブロッキングコントローラBCのそれぞれと通信を行う。
走行制御部53は、走行車Vの走行を制御する。走行制御部53は、走行駆動部33、方向転換機構34等を制御することにより、走行を制御する。走行制御部53は、例えば、走行速度、停止に関する動作、方向転換に関する動作を制御する。走行制御部53は、後述する搬送指令CM1に基づいて、走行を制御する
また、走行制御部53は、ブロッキングコントローラBCから与えられたブロッキング区間Bについての占有許可に従って走行車Vが走行するように走行を制御する。ブロッキングコントローラBCから受信した占有許可は、占有許可情報T1として記憶部51に記憶される。占有許可情報T1は、占有許可が与えられたブロッキング区間Bを示す情報を含む。例えば、ブロッキング区間B43~B49の占有が許可されている場合、占有許可情報T1は、ブロッキング区間B43~B49:許可と表される。占有許可情報T1は、後述する応答情報T6に基づいて最新の情報に更新される。走行制御部53は、占有許可情報T1に基づいて、走行車Vの走行を制御する。走行制御部53は、占有許可が与えられたブロッキング区間Bには進入し、占有許可が与えられていないブロッキング区間Bには進入しないように走行車Vの走行を制御する。走行制御部53は、占有許可が与えられていないブロッキング区間Bがあった場合、そのブロッキング区間Bの手前で待機してブロッキング区間Bに侵入しないように、走行車Vの走行を制御する。
移載制御部54は、搬送指令CM1に基づいて、走行車Vの移載動作を制御する。移載制御部54は、移載装置18等を制御することにより、走行車Vの移載動作を制御する。移載制御部54は、所定の場所に配置される物品Mを把持する荷つかみの動作、保持した物品Mを所定の場所に下ろす荷下ろしの動作を制御する。
状態情報処理部57は、周期的に状態情報(図示せず)を生成し更新する。状態情報は記憶部51に格納される。状態情報処理部57は、状態情報を、通信部52を介して上位コントローラHC及びブロッキングコントローラBCに送信する。状態情報は、例えば、走行車Vの現在位置の情報、正常又は異常等の走行車Vの現在の状態を示す情報、搬送指令CM1等の各種指令の走行車Vによる実行状態(実行中、実行完了、実行失敗)に関する情報である。
占有要求部55は、搬送指令CM1等の指令により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間Bについての占有許可を要求する。占有要求部55については後述する。
解除要求部56は、占有許可が与えられたブロッキング区間Bの占有の解除をブロッキングコントローラBCに要求する。解除要求部56については後述する。
次に、上位コントローラHC及びブロッキングコントローラBCによる走行車Vの制御について説明する。図5は、走行車システムSYSの動作の一例を示すシーケンス図である。図6及び図7は、走行車システムSYSの動作の一例を示す図である。なお、図示の格子状軌道Rは、格子状軌道Rの全体の一部を示している。また、図6等の図面において、数字「1~60」で示される部分のグリッドセルC及びブロッキング区間Bは、それぞれ、グリッドセルC1~C60、ブロッキング区間B1~B60であるとする。
上位コントローラHCは、走行車Vに搬送指令CM1を割付けることにより、その走行車Vの搬送(走行)を制御する(図5のステップS1)。上位コントローラHCは、システム情報に基づいて、搬送指令CM1の対象である物品Mを搬送可能な走行車Vを選択し、選択した走行車Vに搬送指令CM1を割付ける。搬送指令CM1は、走行車Vに対して所定の経路に沿った走行を実行させる走行指令、走行車Vに対して所定位置に配置された物品Mの荷つかみを実行させる荷つかみ指令、走行車Vに対して保持する物品Mの所定位置への荷下ろしを実行させる荷下ろし指令等である。システム情報は、各走行車Vの状態情報、走行車システムSYSに関連する各部(例、処理装置、保管装置、バッファ)の位置を示すマップ情報、物品Mの位置情報等である。上位コントローラHCは、走行車V(V1~Vn)、ブロッキングコントローラBCそれぞれとの間で通信を行うことにより、システム情報を更新する。
例えば、上位コントローラHCは、図6に示すように、搬送指令CM1として、グリッドセルC42からC19までの二点鎖線として示される走行経路に沿って走行させる指令を走行車Vに送信する。
走行車Vは、搬送指令CM1を受信すると、搬送指令CM1に定められた走行経路に沿って走行する。走行車Vは、搬送指令CM1に定められた走行経路に沿って走行する場合、その走行経路に対応する複数のブロッキング区間Bを通過する必要があるため、走行経路に対応する複数のブロッキング区間Bを自己が占有すべきブロッキング区間Bとする。本実施形態では、走行車Vは、搬送指令CM1により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間Bの全部又は一部の占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求する(図4、図5及び図8参照)。走行車Vが上記要求を行う際、占有要求部55は、ブロッキング区間Bの占有許可をブロッキングコントローラBCに要求する占有要求RQ1(占有許可要求)を生成する(図5のステップS2)。占有要求RQ1は、1又は複数のブロッキング区間Bの占有許可を、1つの情報として1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求する情報である。制御部50は、受信した搬送指令CM1等の上位コントローラHCからの指令を指令情報T3として、記憶部51に保存する。占有要求部55は、指令情報T3に基づいて、占有要求RQ1を生成する(図7)。
図8は、占有要求RQ1の一例を示す図である。占有要求RQ1は、走行車情報D1、要求区間D2、要求種別D3、動作D4、及び、時刻D5を含む。走行車情報D1は、走行車Vの識別情報である。要求区間D2は、占有許可を要求する1つ又は複数のブロッキング区間Bを示す情報である。要求区間D2は、例えば、連続する複数のブロッキング区間Bを示す場合、区間の両端に配置されるブロッキング区間Bにより表される。例えば、要求区間D2は、走行車Vが最初に占有すべきブロッキング区間Bと、最後に占有すべきブロッキング区間Bと、を示すように表される。この場合、連続する複数のブロッキング区間Bを1つずつ示す構成と比較して、データ量を減らすことができる。要求種別D3は、ブロッキング区間Bに対する要求の種類を示す情報であり、占有要求RQ1であることを示す情報である。動作D4は、走行車Vが占有許可を要求するブロッキング区間Bで実施する動作の種類を示す情報である。動作D4は、例えば、走行、荷つかみ、荷下ろし、方向転換、充電の動作を示す情報である。時刻D5は、占有要求RQ1が生成された時刻である。なお、占有要求RQ1は、上記の例に限定されず、上記の情報以外の情報により構成されてもよい。
上記のように、占有要求部55が占有すべき複数のブロッキング区間Bについて1つの情報として1回の通信により要求可能な占有要求RQ1を生成する構成の場合、ブロッキング区間B毎に個別に占有要求の送信(処理)が必要とされる構成と比較して、ブロッキングコントローラBCと走行車Vとの間の通信回数等の処理を減らすことができる。
本実施形態では、後に説明するように占有要求部55は、占有すべき全てのブロッキング区間Bのうちの一部についての占有許可を1つの情報としてまとめた占有要求RQ1を生成する。この構成の場合、走行車Vが占有すべき全ブロッキング区間Bについて占有許可の要求を行う構成と比較して、走行車Vが一時に占有するブロッキング区間Bを短くすることができる。
また、本実施形態では、占有要求部55は、第1方向DR1及び第2方向DR2のうちの一つの方向に沿って連続する複数のブロッキング区間Bについての占有許可を1つの情報としてまとめた占有要求RQ1を生成する(図13)。走行車Vの走行の動作と比較して、走行車Vの方向転換の動作には時間がかかる。上記構成の場合、走行車Vが方向転換後に走行するブロッキング区間Bの占有許可を走行車Vに与えないため、走行車Vの方向転換前及び方向転換後の走行経路を含むブロッキング区間Bの占有許可を与える構成と比較して、方向転換後の走行経路を含むブロッキング区間Bの排他制御による走行車Vの走行の阻害を抑制することができる。
また、上記の連続する複数のブロッキング区間Bの数は、走行車Vの速度、及び、走行車VとブロッキングコントローラBCとの通信周期の一方又は双方に基づいて定められる。本実施形態では、上記の連続する複数のブロッキング区間Bの数は、走行車VとブロッキングコントローラBCとの通信周期の1周期の間に、走行車Vが走行可能なブロッキング区間Bの数を上限として設定されている。言い換えれば、走行車VがブロッキングコントローラBCに占有許可を要求する上記の連続する複数のブロッキング区間Bの数は、走行車VとブロッキングコントローラBCとの通信周期の1周期の間に、走行車Vが走行し得ない位置のブロッキング区間Bの占有許可をブロッキングコントローラBCに要求しないように設定されている。走行車VとブロッキングコントローラBCとの通信周期は、後述する図16に示すT1である。上記のように連続する複数のブロッキング区間Bの数が、走行車Vの速度、及び、走行車VとブロッキングコントローラBCとの通信周期の一方又は双方に基づいて定められる構成の場合、走行車Vの速度又は通信周期を考慮したときに走行車Vが走行し得ない位置のブロッキング区間Bの占有許可を走行車Vに与えることを抑制することができ、走行車Vが走行し得ない位置のブロッキング区間Bの排他制御による走行車Vの走行の阻害を抑制することができる。
上記した占有要求部55による占有要求RQ1の生成の例について説明する。例えば、走行車Vが図6に示す搬送指令CM1を受信した場合、搬送指令CM1を受けてから搬送指令CM1に基づく動作を完了するまでに、ブロッキング区間(B43~B49及びB39~B19)を占有する必要があるが、本実施形態では、占有要求部55は、占有すべき全てのブロッキング区間(B43~B49及びB39~B19)のうちの一部であり、上記通信周期の1周期の間に走行車Vが走行可能であり、第1方向DR1及び第2方向DR2のうちの一つの方向に沿って連続する複数のブロッキング区間B43~B49についての占有要求を1つの情報として1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求する占有要求RQ1を生成する。この場合の占有要求RQ1は、走行車情報D1:V、要求区間D2:B43~B49、要求種別D3:占有許可要求、動作D4:走行、時刻D5:占有要求RQ1が生成された時刻と表される。なお、占有要求RQ1は、第1方向DR1及び第2方向DR2のうちの一つの方向に沿って連続する複数のブロッキング区間Bのうちの全部ではなく一部のブロッキング区間Bについての占有要求として設定してもよい。例えば、占有要求RQ1は、上記の例の場合、要求区間D2を、ブロッキング区間B43~Bn(nは44以上48以下の整数)に設定してもよい。
なお、上記の例の場合、ブロッキング区間B39~B19についても占有要求RQ1を生成する必要がある。このような占有要求RQ1を生成するタイミングは、走行車Vがブロッキング区間B49に到達した時点でブロッキング区間B39~B19の占有要求RQ1を生成してもよいし、占有要求RQ1を要求するブロッキング区間B49への到達前であり、例えば所定の距離まで近づいた時にブロッキング区間B39~B19の占有要求RQ1を生成してもよい。このタイミングは、例えば、自身の位置情報及び記憶部51に記憶されるマップ情報T2に基づいて検出される。マップ情報T2は、走行車システムSYSに関連する各部(例、処理装置、保管装置、バッファ)の位置を示す情報である。
なお、走行車Vが上記1回の通信により占有許可を要求する複数のブロッキング区間Bは、上述の例に限定されない。例えば、占有要求部55は、上記指令により定められた自己が占有すべき全てのブロッキング区間Bについての占有要求RQ1を生成してもよい。また、占有要求部55は、上記の一つの方向に沿って連続する複数のブロッキング区間Bについての占有要求RQ1を生成しなくてもよい。また、走行車Vが上記1回の通信により占有許可を要求する複数のブロッキング区間Bの数は、走行車Vの速度及び上記通信周期の一方又は双方に基づいて定められなくてもよい。
占有要求部55により生成された占有要求RQ1は、図5のステップS4において、通信部52により、ブロッキングコントローラBCに1回の通信で送信される。占有要求RQ1は、周期的通信により、ブロッキングコントローラBCに送信される。ステップS4では、ブロッキングコントローラBCからの送信要求(ステップS3)への応答として送信される。周期的通信については後述する。
走行車Vは、ブロッキングコントローラBCからブロッキング区間Bの占有許可が与えられると、搬送指令CM1に従った動作を実行する(図5のステップS10)。走行車Vは、占有許可が与えられたブロッキング区間Bにおける動作を完了した後、そのブロッキング区間Bについて与えられた占有許可の解除をブロッキングコントローラBCに要求する。上記の動作の完了は、例えばブロッキング区間Bからの離脱である。ブロッキング区間Bからの離脱は、走行車Vにおいて、マップ情報T2及び現在位置情報に基づいて検出することができる。上記の動作の完了は、占有許可が与えられた複数のブロッキング区間Bのうち、動作が完了したブロッキング区間B毎に検出する。上記占有許可を解除する要求は、解除要求部56が占有許可の解除を要求する解除要求RQ2を生成し(ステップS11)、解除要求RQ2をブロッキングコントローラBCに送信すること(ステップS13)により行われる。解除要求RQ2は、占有許可が与えられた1又は複数のブロッキング区間Bについての占有許可の解除を1つの情報として1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求する情報である。解除要求部56は、動作が完了したブロッキング区間Bを検出した場合に、そのブロッキング区間Bについての占有許可の解除を要求する解除要求RQ2を生成する。解除要求部56は、ブロッキング区間Bの1つずつの単位で動作の完了を検出し、動作が完了したブロッキング区間Bについての解除要求RQ2を生成する。解除要求部56は、通信周期毎に動作が完了したブロッキング区間Bについての解除要求RQ2を生成する。解除要求RQ2は、例えば、上述した占有要求RQ1における要求種別D3を占有許可要求から解除要求に代えることにより表される。
図9は、走行車システムSYSにおける解除要求RQ2に関する動作の一例を示す図である。図9には、走行車Vがブロッキング区間B43~B49の占有許可を与えられた後、走行開始地点をブロッキング区間B43として一方向(ブロッキング区間B43~B49の並び方向)にブロッキング区間B45まで走行した状態を示す。
図9に示す例の場合、解除要求部56は、占有許可が与えられたブロッキング区間B43~B49において、動作を完了したブロッキング区間B43~B44についての占有許可の解除を要求する解除要求RQ2を生成する。この際、解除要求部56は、動作を完了したブロッキング区間B43を検出してブロッキング区間B43の占有許可の解除を要求する解除要求RQ2を生成する。続いて、解除要求部56は、動作を完了したブロッキング区間B44を検出して、占有許可の解除を要求するブロッキング区間B43~B44について1つの情報にまとめた解除要求RQ2を生成する。この場合の解除要求RQ2は、走行車情報D1:V、要求区間D2:B43~B44、要求種別D3:占有解除要求、動作D4:走行、時刻D5:解除要求RQ2が生成された時刻と表される。上記のように、走行車Vが、占有許可が与えられた1又は複数のブロッキング区間Bについての占有許可の解除を1つの情報として1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求する構成の場合、ブロッキング区間B毎に個別に解除要求の送信が必要とされる構成と比較して、ブロッキングコントローラBCと走行車Vとの間の通信回数を減らすことができる。また、上記のようにブロッキング区間Bの1つずつの単位で動作の完了を検出し、動作が完了したブロッキング区間Bについての解除要求RQ2を生成する構成の場合、速やかにブロッキング区間Bの占有許可を解除するため、速やかに他の走行車Vがそのブロッキング区間の占有許可を得ることが可能となる。
解除要求部56により生成された解除要求RQ2は、図5のステップS13において、通信部52により、ブロッキングコントローラBCに1回の通信で送信される。解除要求RQ2は、後述する周期的通信により、ブロッキングコントローラBCからの送信要求(ステップS12)に対する応答としてブロッキングコントローラBCに送信される。なお、ブロッキングコントローラBCに送信すべき占有要求RQ1及び解除要求RQ2の双方が存在する場合、占有要求RQ1及び解除要求RQ2が1つの情報にまとめられて、1回の通信により送信されてもよい。
次に、ブロッキングコントローラBCについて説明する。ブロッキングコントローラBCは、走行車Vから占有許可を要求された1つ又は複数のブロッキング区間Bについて占有許可を与えるか否かを判定し、許可可能と判定した1つ又は複数のブロッキング区間Bの占有許可を走行車Vに与える。
ブロッキングコントローラBCは、各種データを記憶(格納)する記憶部61と、通信部62と、占有要求処理部63と、占有要求判定部64と、解除要求処理部65と、解除要求判定部66と、応答部67と、を備える(図4参照)。ブロッキングコントローラBCは、コンピュータである。記憶部61は、例えば、要求管理情報T4、占有管理情報T5等を記憶(格納)する。
通信部62は、外部の装置との通信を行う。通信部62は、無線により、通信システムに接続される。通信部62は、通信システムを介して、複数の走行車V及び上位コントローラHCと通信を行う。
占有要求処理部63は、占有要求RQ1に関する処理を行う。占有要求処理部63は、走行車Vから占有要求RQ1を受信する毎に、占有要求RQ1を要求管理情報T4に記録(追加)する。占有要求処理部63は、占有要求RQ1に対しての判定がなされる毎に、その判定結果を要求管理情報T4に記録(追加)する。
また、解除要求処理部65は、解除要求RQ2に関する処理を行う。解除要求処理部65は、解除要求RQ2を受信する毎に、解除要求RQ2を要求管理情報T4に記録(追加)する。解除要求処理部65は、解除要求RQ2に対しての判定がなされる毎に、その判定結果を要求管理情報T4に記録(追加)する。
図10は、要求管理情報T4の一例を示す図である。要求管理情報T4は、占有要求RQ1及び解除要求RQ2を管理する情報である。要求管理情報T4は、受信した占有要求RQ1又は解除要求RQ2と、占有要求RQ1又は解除要求RQ2に対する判定(応答)に関する情報と、が関連付けられたテーブルデータである。要求管理情報T4は、例えば、走行車情報D1、要求区間D2、要求種別D3、動作D4、時刻D5、区間D6、応答種別D7、動作D8、及び時刻D9を含む。走行車情報D1、要求区間D2、要求種別D3、動作D4及び時刻D5は、それぞれ、占有要求RQ1又は解除要求RQ2に関する情報であり、図8と同様である。
区間D6、応答種別D7、動作D8、及び時刻D9は、それぞれ、占有要求RQ1又は解除要求RQ2に対する判定内容(応答内容)に関する情報である。例えば、区間D6、応答種別D7、及び動作D8は、それぞれ、区間D2、要求種別D3、動作D4についてブロッキングコントローラBCにより許可又は不許可が与えられた結果を示す情報である。時刻D9は、ブロッキングコントローラBCが占有許可又は解除許可を与えた時刻を示す情報である。なお、要求管理情報T4は、上記の例に限定されず、例えば、上記の情報以外の情報により構成されてもよい。
占有要求RQ1の判定について説明する。図11は、占有許可要求の判定の一例を示すフローチャートである。
占有要求判定部64は、占有要求RQ1を許可するか否かを判定する(図5のステップS6)。占有要求判定部64は、予め設定された所定の基準に従って、走行車Vから占有要求RQ1により占有許可を要求された複数のブロッキング区間Bのうち、その走行車Vの走行方向に基づいて先に占有すべき側(動作開始地点に近い側)から連続して許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bを判定する(図11のステップS6A~S6C)。この構成の場合、許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bを判定するので、ブロッキングコントローラBCに要求された複数のブロッキング区間Bの全区間について許可できなければ占有許可を与えない構成と比較して、適切なブロッキング区間Bの占有許可を速やかに走行車Vに与えることができる。
占有要求判定部64は、図11のステップS6Aにおいて、走行車Vが最初に占有するブロッキング区間Bの占有要求RQ1について、許可するか否かを判定する。例えば、図7の例のように走行車Vからブロッキング区間B43~B49についての占有要求RQ1があった場合、占有要求判定部64は、最初に占有すべきブロッキング区間B43の占有要求RQ1について、許可するか否かを判定する。
占有要求判定部64は、ステップS6Bにおいて、予め設定された所定の基準として、判定対象のブロッキング区間Bが他の走行車Vに占有許可が与えられている場合に、そのブロッキング区間Bについての占有許可を与えないと判定する(ステップS6A:NO)。
占有要求判定部64は、ステップS6Aにおいて、予め設定された所定の基準として、判定対象のブロッキング区間Bが他の走行車Vに占有許可が与えられていない場合、そのブロッキング区間Bについての占有許可を与えると判定する(ステップS6A:YES)。占有要求処理部63は、判定対象のブロッキング区間Bに関する占有管理情報T5に基づいて、ステップS6Aの判定を行う。
また、占有要求判定部64は、ステップS6Aにおいて、ブロッキング区間Bに対して複数の走行車Vから占有許可の要求を受けた場合、先に占有許可の要求を行った走行車Vにそのブロッキング区間Bについての占有許可を与えると判定し(ステップS6A:YES)、後に占有許可の要求を行った走行車Vにそのブロッキング区間Bについての占有許可を与えないと判定する(ステップS6A:NO)。この構成では、先に占有許可の要求を行った走行車Vの走行が、後に占有許可の要求を行った走行車Vに阻害されることを避けることができる。
占有要求判定部64が占有許可を与えないと判定した場合(ステップS6A:NO)、占有許可を与えないと判定したブロッキング区間Bよりも後に占有すべきブロッキング区間Bすなわちそのブロッキング区間Bを含む動作終了地点側の単数又は複数のブロッキング区間についての占有許可を与えないと判定して、判定を終了する。
図12は、占有管理情報T5の一例を示す図である。占有管理情報T5は、ブロッキング区間Bにおける占有許可の有無を管理する情報である。占有管理情報T5は、例えば走行車システムSYS内の全てのブロッキング区間Bと、その占有許可の状態と、が関連付けられたテーブルデータである。
占有管理情報T5は、例えば、ブロッキング区間D11、走行車情報D12、動作D13、時刻D14、コントローラ設定D15が関連付けられたテーブルデータである。ブロッキング区間D11は、ブロッキング区間Bの識別情報である。走行車情報D12及び動作D13は、それぞれ、対象ブロッキング区間Bにおいて占有許可が与えられている走行車Vについての識別情報、及び、許可された動作を示す情報である。時刻D14は、ブロッキングコントローラBCが占有許可を与えた時刻を示す情報である。走行車情報D12、動作D13、及び時刻D14は、例えば対象ブロッキング区間Bにおいて占有許可が与えられている走行車Vが存在しない場合、空データ(NULL)として表される。コントローラ設定D15は、ブロッキングコントローラBCの設定に関する情報を示す。コントローラ設定D15は、例えば、ブロッキング区間Bが使用不可と設定された場合に、その旨の情報を示す。占有要求判定部64は、コントローラ設定D15において使用不能と設定されたブロッキング区間Bについての占有許可が要求された場合、占有許可を与えないと判定する。なお、占有管理情報T5は、上記の例に限定されず、例えば、上記の情報以外の情報により構成されてもよい。
占有要求判定部64が占有許可を与えると判定した場合(ステップS6A:YES)、占有要求判定部64は、判定すべき占有要求RQ1があるか否かを判定する(ステップS6B)。
占有要求判定部64が判定すべき占有要求RQ1がないと判定した場合(ステップS6B:NO)、判定を終了する。占有要求判定部64が判定すべき占有要求RQ1があると判定した場合(ステップS6B:YES)、ステップS6Cにおいて、占有許可を与えたブロッキング区間Bの次に占有されるブロッキング区間Bについて占有許可を与えるか否かを判定する。
占有要求判定部64は、ステップS6Cにおいて、ステップS6Aと同様の判定を行う。占有要求判定部64は、判定対象のブロッキング区間Bが他の走行車Vに占有許可が与えられる場合、そのブロッキング区間Bについての占有許可を与えないと判定する(ステップS6A:NO)。さらに、占有要求判定部64は、占有許可を与えないと判定したブロッキング区間Bよりも後に占有すべきブロッキング区間Bについての占有許可を与えないと判定して、判定を終了する。
占有要求判定部64は、ステップS6Cにおいて、判定対象のブロッキング区間Bにおいて他の走行車Vに占有許可が与えられていない場合、そのブロッキング区間Bについての占有許可を与えると判定する(ステップS6C:YES)。占有要求判定部64が占有許可を与えると判定した場合(ステップS6C:YES)、ステップS6Bに戻り上記の処理が繰り返し行われる。
上述のステップS6A~S6Cにより、走行車Vにより占有許可を要求された複数のブロッキング区間Bのうち、その走行車Vの走行方向に基づいて先に占有すべき側から許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bが判定される。
図13及び図14は、占有要求判定部64による判定の一例を示す図である。図13は、走行車Vがブロッキング区間B43~B49の占有許可を要求し、ブロッキング区間B43~B49において他の走行車Vの占有許可がない状態の例を示す。図13に示す例の場合、占有管理情報T5において、ブロッキング区間B43~B49は、占有許可が与えられていないことを示すNULL(空データ)となっている。この場合、占有要求判定部64は、ステップS6A~S6Cにおいて、占有管理情報T5に基づいて、走行車Vにブロッキング区間B43~B49についての占有許可を与えると判定する。
図14は、走行車Vがブロッキング区間B43~B49の占有許可を要求し、走行車V2にブロッキング区間B46~B49の占有許可が与えられている状態の例を示す。図14に示す例の場合、占有管理情報T5において、ブロッキング区間B46~B49は、走行車V2に占有許可が与えられていることを示すデータが記録されている。一方、ブロッキング区間B43~B45は、占有許可が与えられていないことを示すNULL(空データ)となっている。この場合、占有要求判定部64は、ステップS6A~S6Cにおいて、走行車Vにブロッキング区間B43~B45についての占有許可を与えると判定し、ブロッキング区間B46~B49についての占有許可を与えないと判定する。
図5のステップS6の判定が終了すると、ステップS7において、ブロッキングコントローラBCは、ステップS6の判定結果に基づいて、占有許可が与えられたブロッキング区間Bについての占有管理情報T5(走行車情報D12、動作D13、時刻D14)を更新する。占有要求処理部63は、ステップS6の判定結果に基づいて、占有許可が与えられたブロッキング区間Bについての占有管理情報T5を更新する。
また、図5のステップS6の判定が終了すると、ステップS8において、応答部67は、占有要求RQ1又は解除要求RQ2を送信した走行車Vに対して、占有要求RQ1の判定結果を応答情報T6として送信する。
図15は、応答情報T6の一例を示す図である。応答情報T6は、例えば、走行車情報D1、区間D6、応答種別D7、動作D8、時刻D9を含む。走行車情報D1、区間D6、応答種別D7、動作D8及び時刻D9は、上述の図10に示した要求管理情報T4の走行車情報D1、区間D6、応答種別D7、動作D8及び時刻D9と同様である。
図5のステップS8の応答が終了すると、ステップS9において、ブロッキングコントローラBCは、上記の判定の結果に基づいて、要求管理情報T4を更新する。占有要求処理部63は、ステップS6において判定された占有要求RQ1に対しての判定結果(区間D6、応答種別D7、動作D8、時刻D9)を要求管理情報T4に記録(追加)して更新する。
答情報T6を受信すると、走行車Vの制御部50は、応答情報T6に基づいて、記憶部51に記憶された占有許可情報T1を更新する。走行車Vは、占有許可が与えられたブロッキング区間Bに進入することが可能となる。走行車Vは、ステップS10において、占有許可が与えられたブロッキング区間Bに進入し、搬送指令CM1に基づく動作を実行する。
走行車Vは、占有許可が与えられたブロッキング区間Bにおける動作を完了した後、そのブロッキング区間Bについて与えられた占有許可の解除を要求する解除要求RQ2を生成する(図5のステップS11)。走行車Vによる解除要求RQ2の生成については、上述の通りである。
走行車Vは、後述する周期的通信により、ブロッキングコントローラBCからの送信要求(図5のステップS12)に対する応答として解除要求RQ2をブロッキングコントローラBCに送信する(ステップS13)。
解除要求判定部66は、ブロッキングコントローラBCが走行車Vからの解除要求RQ2を受信すると、予め設定された所定の基準に従って、解除要求RQ2に基づいてブロッキング区間Bの占有許可を解除するか否かについて判定する(図5のステップS14)。解除要求判定部66は、走行車Vの走行方向に基づいて先に解除すべき側から解除許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bを判定する。
解除要求判定部66は、例えば、走行車Vの状態情報に基づいて、占有許可が与えられたブロッキング区間Bにおける走行車Vによる動作をその走行車Vが完了したことを確認した場合、そのブロッキング区間Bについての占有許可を解除すると判定し、解除許可を与える。解除要求判定部66は、上記の確認をできない場合、そのブロッキング区間Bについての占有許可を解除しないと判定する。
解除要求処理部65は、ステップS14の判定結果に基づいて、解除許可が与えられたブロッキング区間Bについての占有管理情報T5を更新する(ステップS15)。解除要求処理部65は、占有許可が解除されたブロッキング区間Bについての占有管理情報T5を、占有許可が与えられていないことを示すNULL(空データ)に更新する。
解除要求処理部65は、ステップS14において判定された解除要求RQ2に対しての判定結果(区間D6、応答種別D7、動作D8、時刻D9)を要求管理情報T4に記録(追加)して更新する(ステップS16)。
図5のステップS14の判定が終了すると、ステップS17において、応答部67は、解除要求RQ2を送信した走行車Vに対して、解除要求RQ2の判定結果を応答情報T6として送信する。
本実施形態の走行車システムSYSは、システム内の各走行車Vに対して、図5のステップS1~ステップS17の動作を繰り返して行うことにより、走行車Vを制御する。なお、上記ステップS1~S17の処理の実行順序は、一例であり、前の処理の出力を後の処理で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記ステップS1~S17の処理の一部は、並行して行われてもよい。
図16は、ブロッキングコントローラBCの動作の一例を示す図である。ブロッキングコントローラBCは、周期的通信を用いて、上記の処理(ステップS3、S5~S9、S14~S17)を行う。周期的通信は例えばポーリング通信である。
ブロッキングコントローラBCは、ステップS21において、第1走行車V1に対して、占有要求RQ1及び解除要求RQ2のブロッキングコントローラBCへの送信を要求する送信要求を送信する。
第1走行車V1は、ステップS22において、送信要求を受信すると直ちに、送信要求への応答として占有要求RQ1及び解除要求RQ2をブロッキングコントローラBCに送信する。ステップS22は、図5のステップS4、S12と同様である。
ブロッキングコントローラBCは、第1走行車V1から占有要求RQ1及び解除要求RQ2を受信すると、ステップS21において、次の第2走行車V2に対して、占有要求RQ1及び解除要求RQ2のブロッキングコントローラBCへの送信を要求する送信要求を送信する。
走行車システムSYSは、ステップS21及びステップS22を繰り返して、第1走行車V1~Vnに対して順番に実施する。この処理により、第1走行車V1~第n走行車Vnのそれぞれから占有要求RQ1及び解除要求RQ2がブロッキングコントローラBCに送信される。
ブロッキングコントローラBCは、第1走行車V1~第n走行車Vnのそれぞれから占有要求RQ1及び解除要求RQ2を受信すると、ステップ23において、図5のステップS5~S7、S14~S17の処理をまとめて行う。この処理により、第1走行車V1~Vnのそれぞれから送信された占有要求RQ1及び解除要求RQ2に対する判定等の処理がブロッキングコントローラBCにより行われる。
ブロッキングコントローラBCは、ステップS24において、第1走行車V1~Vnのそれぞれに対して、占有要求RQ1及び解除要求RQ2に対する判定結果を応答情報T6として送信する。ステップS24は、図5のステップS9、S16と同様である。応答情報T6を受信した第1走行車V1~Vnは、受信した応答情報T6に基づいて、排他制御が行われる。
走行車システムSYSは、ステップS21からステップS24を1周期とし、ステップS21からステップ24を周期Tで周期的に繰り返すことにより、排他制御を行う。
以上の説明のように、本実施形態の走行車システムSYSは、複数の走行車Vと、複数の走行車Vと通信可能であり、複数の走行車Vを制御するブロッキングコントローラBCと、を備え、走行車Vの走行領域には、複数の走行車Vのうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車Vを進入させない排他制御が行われるブロッキング区間Bが複数定められ、走行車Vは、ブロッキングコントローラBCからブロッキング区間Bの占有許可を得た場合にそのブロッキング区間Bを占有して通過可能であるが、ブロッキングコントローラBCから占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間Bに進入しないように制御される走行車システムであって、走行車Vは、指令により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間Bについての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求し、ブロッキングコントローラBCは、予め設定された所定の基準に従って、走行車Vから占有許可を要求された複数のブロッキング区間Bのうち、その走行車Vの走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bを判定し、許可可能と判定した1つ又は複数のブロッキング区間Bの占有許可を走行車Vに与える。上記の構成によれば、排他制御により走行車V同士の干渉を防止する走行車システムSYSにおいて、各ブロッキング区間B毎に個別に占有許可要求の送信が必要とされる構成と比較して、ブロッキングコントローラBCと走行車Vとの間の通信回数を減らすことができ、且つ、ブロッキングコントローラBCが要求された複数のブロッキング区間Bの全区間について許可できなければ占有許可を与えない構成と比較して、適切なブロッキング区間Bの占有許可を速やかに走行車Vに与えることができるので、排他制御による走行車Vの走行の阻害を避けることができる。なお、走行車システムSYSは、上記以外の構成は任意の構成であり、上記以外の構成はあってもよいし、なくてもよい。
また、本実施形態の走行車システムSYSは、第1方向DR1に沿って延在する複数の第1軌道R1と、第1方向DR1とは異なる第2方向DR2に沿って延在する複数の第2軌道R2とを有し、複数の第1軌道R1と複数の第2軌道R2により複数のマス目を形成する格子状軌道Rを備え、複数の走行車Vは、格子状軌道Rに沿って第1軌道R1又は第2軌道R2を走行し、格子状軌道Rにおける1つのマス目であるグリッドセルC毎にブロッキング区間Bが設定されている。この構成では、格子状軌道Rの各グリッドセルCは全てが交差点であるため、走行車VがどのグリッドセルCに停車しても他の走行車Vの通行の邪魔になる。従って、格子状軌道Rの場合、格子状軌道R以外の軌道を有する走行車システムの構成と比較して、他の走行車Vの走行を阻害して走行効率が低下しやすいが、上記構成によれば、上記の走行効率の低下を抑制できる。
次に、上記した本実施形態の走行車システムSYSに基づいて、本実施形態の走行車の制御方法を説明する。なお、本実施形態の走行車の制御方法の説明は、上述の走行車システムSYSと同様の構成については、同じ符号を付してその説明を適宜省略あるいは簡略化する。また、本明細書において説明する事項のうち、適用可能な構成は、適宜、走行車の制御方法でも適用する。また、本実施形態の走行車の制御方法は、以下の説明に限定されない。
本実施形態の走行車の制御方法は、走行車システムSYSにおける走行車の制御方法である。走行車の制御方法は、走行車Vにより、指令により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間Bについての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求することと、ブロッキングコントローラBCにより、予め設定された所定の基準に従って、走行車Vから占有許可を要求された複数のブロッキング区間Bのうち、その走行車Vの走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bを判定し、許可可能と判定した1つ又は複数のブロッキング区間Bの占有許可を走行車に与えることと、を含む。
走行車の制御方法において、上記1つの情報としてまとめて1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求することは、例えば、図5のステップS2、S4を実施することにより行う。走行車の制御方法において、上記許可可能と判定した1つ又は複数のブロッキング区間Bの占有許可を走行車に与えることは、例えば、図5のステップS5~S9により行う。
本実施形態の走行車の制御方法によれば、排他制御により走行車V同士の干渉を防止する走行車システムSYSにおいて、各ブロッキング区間B毎に個別に占有許可要求の送信が必要とされる構成と比較して、ブロッキングコントローラBCと走行車Vとの間の通信回数を減らすことができ、且つ、ブロッキングコントローラBCが要求された複数のブロッキング区間Bの全区間について許可できなければ占有許可を与えない構成と比較して、排他制御による走行車Vの走行の阻害を避けることができる。なお、走行車の制御方法は、上記以外の構成は任意の構成であり、上記以外の構成はあってもよいし、なくてもよい。
また、本実施形態の走行車システムSYS及び制御方法は、排他制御により走行車V同士の干渉の防止を実現するシステム及び方法であるため、既存の走行車システムに対して、例えば他の走行車Vを検出するためのセンサをはじめとする新たな機械的機構及び物理センサを設けることなく、実施することができる。従って、機械的機構及び物理センサの故障がなく、機械的機構及び物理センサの調整及びメンテナンスの必要もない。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を適宜省略あるいは簡略化する。また、本明細書の実施形態において説明する事項のうち、本実施形態に適用可能な構成は、適宜本実施形態でも適用する。
図17は、第2実施形態の走行車システムSYS2の一例を示す図である。
第2実施形態の走行車システムSYS2において、軌道R、ブロッキング区間B及び走行車Vは、他の構成でもよい。例えば、本実施形態の走行車システムSYS2は、格子状軌道R、ブロッキング区間B及び走行車Vの構成が、第1実施形態の走行車システムSYSと異なり、格子状軌道R、ブロッキング区間B及び走行車V以外の構成は、第1実施形態の走行車システムSYSと同様である。
走行車システムSYS2の軌道RAは、トラック状(長円状)の周回軌道が複数連なった軌道である。軌道RAは、建屋の天井から吊り下げられて設置される。軌道RAは、複数の分岐部及び合流部を有している。走行車システムSYS2のブロッキング区間BAは、軌道RAの分岐部又は合流部である交差点に設定されている。走行車システムSYS2の走行車VAは、例えば、軌道RAに沿って走行し、軌道RAのほぼ直下を走行する。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態等で説明した態様に限定されない。上述の実施形態等で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態等で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2019-095828、及び上述の実施形態等で引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
例えば、上述のブロッキングコントローラBCの構成は、一例であって、他の構成でもよい。例えば、ブロッキングコントローラBCは、上述の上位コントローラHCの一部又は全部の構成を有していてもよい。
また、上述した占有要求判定部64による判定に用いられる所定の基準は、一例であって他の基準でもよい。例えば、所定の基準は、ブロッキング区間Bに対して複数の走行車Vから占有許可の要求を受けた場合、複数の走行車Vにおける優先度に基づいて、複数の走行車Vのうち優先度が高い走行車Vにそのブロッキング区間Bについて占有許可を与えると判定し、優先度の低い走行車Vに占有許可を与えないと判定することを含んでもよい。この構成の場合、優先度の高い走行車Vの走行が、優先度の低い走行車Vに阻害されることを避けることができる。上記の優先度は、占有要求判定部64が参照可能に構成される。なお、上記の優先度は、予め設定されてもよいし、上位コントローラHC、ブロッキングコントローラBC及び走行車Vのいずれかによって、システムの稼働中に所定の基準に基づいて設定される構成でもよい。
また、所定の基準は、ブロッキング区間Bに対して複数の走行車Vから占有許可の要求を受けた場合、占有許可の対象のブロッキング区間Bと走行車Vとの間のルート距離に基づいて、複数の走行車Vのうちブロッキング区間Bまでのルート距離が短い走行車Vにそのブロッキング区間Bについて占有許可を与えると判定し、ブロッキング区間Bまでのルート距離が長い走行車Vに占有許可を与えないと判定することを含んでもよい。この構成の場合、ブロッキング区間Bまでのルート距離が短い走行車Vの走行が、ブロッキング区間Bまでのルート距離が長い走行車Vに阻害されることを避けることができる。
また、ブロッキングコントローラBCによるステップS21~S24の処理は、一例であって、他の方式でもよい。例えば、ブロッキングコントローラBCは、ステップS22の第1走行車V1~第n走行車Vnの要求送信を、ステップS23、S24によりまとめて処理せずに、第1走行車V1~第n走行車Vnの要求送信毎にステップS5~S9あるいはステップS14~S17の処理を施してもよい。
また、ブロッキングコントローラBCによるステップS3~S9あるいはステップS14~S17の処理は、一例であって、他の方式でもよい。例えば、ブロッキングコントローラBCは、第1走行車V1~第n走行車Vnの要求送信を、図16等で説明した周期的通信により処理せずに、第1走行車V1~第n走行車Vnの要求送信毎にステップS5~S9あるいはステップS14~S17の処理を施してもよい。
また、上述の走行車システムにおける走行車の制御方法は、コンピュータのプログラムにより実現してもよい。例えば、上記のプログラムは、走行車Vにより、指令により定められた自己が占有すべき複数のブロッキング区間Bについての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信によりブロッキングコントローラBCに要求させる処理を走行車Vのコンピュータに実行させるプログラムと、ブロッキングコントローラBCにより、予め設定された所定の基準に従って、走行車Vから占有許可を要求された複数のブロッキング区間Bのうち、その走行車Vの走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数のブロッキング区間Bを判定し、許可可能と判定した1つ又は複数のブロッキング区間Bの占有許可を走行車に与える処理をブロッキングコントローラのコンピュータに実行させるプログラムと、を含む。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例、非一時的な記録媒体、non-transitory tangible medium)に記録されて提供されてもよいし、上記プログラムを実行する制御装置により、提供されてもよい。
SYS、SYS2…走行車システム
R…格子状軌道(軌道)
RA…軌道
B、B1~B60、BA…ブロッキング区間
C…C1~C60グリッドセル(セル)
M…物品
V、VA、V1~Vn…走行車
BC…ブロッキングコントローラ
HC…上位コントローラ
10…本体部
20…走行部
30…連結部
50…制御部
51…記憶部
55…占有要求部
56…解除要求部
61…記憶部
63…占有要求処理部
64…占有要求判定部
65…解除要求処理部
66…解除要求判定部
67…応答部
DR1…第1方向
DR2…第2方向
Ma…フランジ部
R1…第1軌道
R2…第2軌道
R3…交差部
T1…占有許可情報
T2…マップ情報
T3…指令情報
T4…要求管理情報
T5…占有管理情報
T6…応答情報
CM1…搬送指令
RQ1…占有要求
RQ2…解除要求

Claims (7)

  1. 走行車システムであって、
    軌道と、
    前記軌道を走行する複数の走行車と、
    前記複数の走行車と通信可能であり、前記複数の走行車を制御するコントローラと、を備え、
    前記軌道は、第1方向に沿って延在する複数の第1軌道と、前記第1方向とは異なる第2方向に沿って延在する複数の第2軌道とにより、複数のグリッドセルを形成する格子状軌道を含み、
    前記格子状軌道には、前記複数の走行車のうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車を進入させない排他制御が行われるブロッキング区間が前記グリッドセル毎に定められており
    前記走行車は、
    前記コントローラから前記ブロッキング区間の占有許可を得た場合にそのブロッキング区間を占有して通過可能であるが、前記コントローラから前記占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間に進入しないように制御され、
    指令により定められた自己が占有すべき複数の前記ブロッキング区間についての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信により前記コントローラに要求し、
    前記コントローラは、
    予め設定された所定の基準に従って、前記走行車から占有許可を要求された前記複数のブロッキング区間のうち、その走行車の走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数の前記ブロッキング区間を判定し、
    許可可能と判定した場合に、前記1つ又は複数のブロッキング区間の占有許可を前記走行車に与え、
    前記走行車は、占有許可を要求するにあたり、前記格子状軌道において次に方向転換するまでに通過するグリッドセルに対応するブロッキング区間についての占有要求を、1つの情報として1回の通信により要求する、走行車システム。
  2. 前記走行車が前記コントローラに要求する前記占有許可における前記複数のブロッキング区間は、前記指令により定められた前記走行車が占有すべき全てのブロッキング区間のうちの一部である、請求項1に記載の走行車システム。
  3. 前記走行車が前記コントローラに要求する前記占有許可における前記複数のブロッキング区間の数は、前記走行車の速度、及び、前記走行車と前記コントローラとの通信周期の一方又は双方に基づいて決定される、請求項1に記載の走行車システム。
  4. 前記コントローラは、前記走行車が前記ブロッキング区間における動作を完了した後、そのブロッキング区間における占有を解除する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の走行車システム。
  5. 前記所定の基準は、前記ブロッキング区間に対して前記複数の走行車から占有許可の要求を受けた場合、先に占有許可の要求を行った前記走行車にそのブロッキング区間についての占有許可を与えることを含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の走行車システム。
  6. 前記所定の基準は、前記ブロッキング区間に対して前記複数の走行車から占有許可の要求を受けた場合、前記複数の走行車における優先度に基づいて、前記複数の走行車のうち優先度が高い前記走行車にそのブロッキング区間についての占有許可を与えることを含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の走行車システム。
  7. 走行車システムにおける走行車の制御方法であって、
    前記走行車システムは、
    軌道と、
    前記軌道を走行する複数の走行車と、
    前記複数の走行車と通信可能であり、前記複数の走行車を制御するコントローラと、を備え、
    前記軌道は、第1方向に沿って延在する複数の第1軌道と、前記第1方向とは異なる第2方向に沿って延在する複数の第2軌道とにより、複数のグリッドセルを形成する格子状軌道を含み、
    前記格子状軌道には、前記複数の走行車のうちいずれか1台により占有される場合に他の走行車を進入させない排他制御が行われるブロッキング区間が前記グリッドセル毎に定められており
    前記走行車は、前記コントローラから前記ブロッキング区間の占有許可を得た場合にそのブロッキング区間を占有して通過可能であるが、前記コントローラから前記占有許可が得られない場合にはそのブロッキング区間に進入しないように制御され、
    前記走行車、指令により定められた自己が占有すべき複数の前記ブロッキング区間についての占有許可を、1つの情報としてまとめて1回の通信により前記コントローラに要求することと、
    前記コントローラ、予め設定された所定の基準に従って、前記走行車から占有許可を要求された前記複数のブロッキング区間のうち、その走行車の走行方向に基づいて先に占有すべき側から連続して許可可能な1つ又は複数の前記ブロッキング区間を判定することと
    前記コントローラが、許可可能と判定した場合に、前記1つ又は複数のブロッキング区間の占有許可を前記走行車に与えることと、を含
    前記走行車は、占有許可を要求するにあたり、前記格子状軌道において次に方向転換するまでに通過するグリッドセルに対応するブロッキング区間についての占有要求を、1つの情報として1回の通信により要求する、走行車の制御方法。
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