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JP7250604B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報を検出する検出部または情報を送信する送信部が設けられた基部を駆動する駆動装置に関するものである。
近年、壁掛け式ルームエアコン等の装置において、人感センサ、温度センサ、照度センサ等の各種のセンサを搭載したものが知られている。このような装置においては、人の挙動、室内の温度変化、外部からの日照状況などを検出し、検出結果に応じた制御を行うことで、快適性を向上している。また、これらのセンサにモータ等の駆動部を取り付けることにより、センサの検出範囲を広げる手法なども一般化している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、対象空間に向けて配置されたセンサを左右方向および上下方向に回動させることにより、矩形状の軌跡に沿って対象空間内へセンサを回動させるセンサ駆動機構が開示されている。
特開2013-40709号公報
しかしながら、特許文献1のセンサ駆動機構は、右方向所定位置あるいは左方向所定位置においてセンサホルダの回動が規制されたとき摩擦クラッチを動作させることにより、駆動軸の回転力によるセンサホルダの回動を左右方向から上下方向へ切り替えるものである。そのため、特許文献1のセンサ駆動機構は、摩擦クラッチや駆動軸の回転力を伝達するための複数のギヤ等の多数の部品を用いた複雑な機構となってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、比較的簡素な機構により広範な検出範囲から得られる情報を検出し、あるいは広範な送信範囲へ情報を送信することが可能な駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の駆動装置は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る駆動装置は、所定の検出範囲から得られる情報を検出する検出部または所定の送信範囲へ情報を送信する送信部が設けられた基部と、駆動部が回転させる駆動軸に取り付けられるとともに前記基部を保持する保持部と、を備え、前記保持部は、前記駆動軸が配置される軸線に直交する平面に対して所定角度傾斜した傾斜面を形成し、前記傾斜面に沿って前記基部を保持しながら前記軸線回りに回転させる。
本発明の一態様に係る駆動装置によれば、駆動軸が軸線回りに回転することに伴って駆動軸に取り付けられた保持部が軸線回りに回転する。保持部が形成する傾斜面は駆動軸が配置される軸線に直交する平面に対して所定角度傾斜しており、その傾斜面に沿って基部が保持されている。そのため、軸線に直交する平面に沿って基部を配置する場合に比べ、傾斜角度に応じた分だけ検出部の検出範囲または送信部の送信範囲を拡大することができる。すなわち、比較的簡素な機構により広範な検出範囲から得られる情報を検出し、あるいは広範な送信範囲へ情報を送信することが可能な駆動装置を提供することができる。
本発明の一態様に係る駆動装置は、前記保持部が取り付けられるベース部を備え、前記保持部は、第1揺動軸回りに揺動可能に前記ベース部に取り付けられる第1枠体と、前記第1揺動軸に直交する第2揺動軸回りに揺動可能に前記第1枠体に取り付けられるとともに前記基部が取り付けられる平面状の底部を有する第2枠体と、基端側が前記駆動軸に取り付けられるとともに先端側に前記傾斜面を形成し、前記傾斜面を前記底部に接触させた状態で前記軸線回りに回転する回転部材と、を有する。
本構成の駆動装置によれば、駆動軸が軸線回りに回転することに伴って駆動軸に取り付けられた保持部の回転部材が軸線回りに回転する。回転部材は、先端側に有する傾斜面を第2枠体の底部に接触させた状態で軸線回りに回転する。そのため、第2枠体の底部に取り付けられる基部は、回転部材が形成する傾斜面に沿った所定角度を維持しながら軸線回りに回転する。また、基部が軸線回りに回転する際に、第1枠体は第1揺動軸回りに揺動し、第2枠体は第1揺動軸に直交する第2揺動軸回りに揺動する。基部の傾斜角度が第1揺動軸回りの揺動角度と第2揺動軸回りの揺動角度の2つを組み合わせたものとなるため、これらの2つの揺動軸による揺動機構を用いない場合に比べ、検出部の検出範囲または送信部の送信範囲を拡大することができる。
また、本構成の駆動装置によれば、回転部材が軸線回りに回転する一方で、基部は回転部材が回転しても軸線回りには回転しない。これは、回転部材による回転動作が第1揺動軸および第2揺動軸回りの揺動動作に変換されるからである。そのため、検知部または送信部に信号線あるいは電源線が接続される場合に、回転部材の回転に伴って信号線あるいは電源線が回転してしまうことがない。よって、回転部材を軸線回りに回転させても、基部の上下方向が逆転することはなく、信号線あるいは電源線に捻じれが生じたり断線したりすることが適切に防止される。
本発明の一態様に係る駆動装置において、前記保持部は、前記傾斜面を介して前記基部を保持する保持部材と、前記駆動軸に取り付けられるとともに前記傾斜面の背面側を支持する支持部材と、を有し、前記保持部材は、前記支持部材と一体に形成されている構成としてもよい。
本構成の駆動装置によれば、基部を保持する保持部材と駆動軸に取り付けられる支持部材とを一体に形成した比較的簡素な部品を用いて、広範な検出範囲から得られる情報を検出し、あるいは広範な送信範囲へ情報を送信することができる。
本発明の一態様に係る駆動装置において、前記基部には、複数の前記検出部が設けられていてもよい。
複数の検出部を単一の基部に設けることにより、各検出部の相対的な位置関係が固定されるため、複数の検出部の検出結果を対応付ける場合の検出精度が向上する。
本発明の一態様に係る駆動装置において、前記検出部は、前記所定の検出範囲における動体を検出する人感センサ、前記所定の検出範囲における温度を検出する温度センサ、前記所定の検出範囲における照度を検出する照度センサ、前記所定の検出範囲から送信される情報を受信する受信ユニット、前記所定の検出範囲内の画像を取得する画像センサ、前記所定の検出範囲内における冷媒の漏れを検出するセンサの少なくともいずれかであってよい。
本発明によれば、比較的簡素な機構により広範な検出範囲から得られる情報を検出し、あるいは広範な送信範囲へ情報を送信することが可能な駆動装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る空気調和機の室内機を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係るセンサ駆動装置の斜視図である。 図2に示すセンサ駆動装置の分解斜視図である。 図3に示す回転部材を駆動部に取り付けた状態を示す縦断面図である。 図2に示すセンサ駆動装置の縦断面図である。 センサ基板を時計回りに90度回転させたセンサ駆動装置の縦断面図である。 センサ基板を時計回りに180度回転させたセンサ駆動装置の縦断面図である。 センサ基板を時計回りに270度回転させたセンサ駆動装置の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサ駆動装置の斜視図である。 図9に示すセンサ駆動装置の分解斜視図である。 図9に示すセンサ駆動装置の右側面図である。 図9に示すセンサ駆動装置の縦断面図である。 センサ基板を時計回りに90度回転させたセンサ駆動装置の縦断面図である。 センサ基板を時計回りに180度回転させたセンサ駆動装置の縦断面図である。 センサ基板を時計回りに270度回転させたセンサ駆動装置の縦断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る空気調和機の室内機1について、図面を参照して説明する。図1は、空気調和機の室内機1を示す正面図である。空気調和機の室内機1は、本体ケース2を有し、本体ケース2の内部には、冷媒が流通する冷媒配管を備える熱交換器、送風機、送風機を駆動するモータ、ドレンパン等が設けられる。
図1に示すように、本体ケース2の前面には、吸込み口3と、吹出し口4と、後述するセンサ駆動装置100を覆うセンサカバー5と、が設けられている。室内空間S1の室内空気は、吸込み口3から本体ケース2の内部に導かれ、送風機によって熱交換器に導かれる。そして、熱交換器を通過して冷却または加熱された室内空気が吹出し口4から室内空間S1へ吹き出される。
次に、本実施形態のセンサ駆動装置100について図面を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るセンサ駆動装置100の斜視図である。図3は、図2に示すセンサ駆動装置100の分解斜視図である。図4は、図3に示す回転部材23を駆動軸31に取り付けた状態を示す縦断面図である。図5は、図2に示すセンサ駆動装置100の縦断面図である。
本実施形態のセンサ駆動装置100は、センサ(検出部)11が設けられたセンサ基板(基部)10を駆動軸線AXd回りに回転させることにより、センサ11自体が検出可能な検出範囲を簡素な機構により拡大する装置である。ここで、センサ基板10に設けられるセンサ11は、例えば、人感センサである。人感センサは、室内機1が設置される室内空間S1に人等の室温よりも高温の動体が発する赤外線を検知することにより、室内空間S1に存在する動体を検出する。
図2から図5に示すように、センサ駆動装置100は、センサ基板10と、センサ基板10を保持する保持部20と、保持部20を軸線AXd回りに回転させる駆動部30と、保持部20および駆動部30が取り付けられるベース部40と、を備える。センサ駆動装置100は、ベース部40に対して保持部20および駆動部30が取り付けられ、センサ基板10が保持部20により保持され、1つのユニットとして一体化されている。センサ駆動装置100は、センサカバー5の背面側の本体ケース2の内部にベース部40を介して取り付けられ、センサカバー5を介して室内空間S1から発せられる赤外線を検知する。
センサ基板10は、室内機1が設置される室内空間S1から発せられる赤外線を検出するセンサ11が設けられた基板である。センサ基板10は、センサ11と、センサ11が取り付けられる板状の基板本体12とを有する。図5に示すように、センサ11は、基板本体12が配置される平面に直交するセンサ軸線AXsに対して角度αで傾斜する指向角2αの範囲を検出範囲とするセンサである。センサ基板10には、本体ケース2に収容されるとともに室内機1を制御する制御基板(図示略)と電気的に接続するための信号線(図示略)および電源線(図示略)が取り付けられている。
保持部20は、センサ基板10の基板本体12を保持するものであり、第1枠体21と、第2枠体22と、回転部材23と、を有する。
図2および図3に示すように、第1枠体21は、4つの板状に延びる部材を平面視が矩形状となるように一体に形成した枠形状の部材である。第1枠体21には、水平方向の両端部から外側に突出するように、一対の突起部21aが設けられている。図2に示すように、ベース部40には一対の腕部41が設けられている。一対の腕部41のそれぞれの先端には突起部21aを収容する貫通穴が設けられている。第1枠体21は、一対の突起部21aを一対の腕部41の貫通穴に挿入することにより、第1揺動軸AX1回りに揺動可能にベース部40に取り付けられている。
第2枠体22は、4つの板状に延びる部材を平面視が矩形状となるように一体に形成した枠形状の部材である。図3に示すように、第2枠体22には、水平方向の両端部から外側に突出するように、一対の突起部22aが設けられている。第1枠体21には、一対の突起部22aを収容する一対の貫通穴21bが設けられている。第2枠体22は、一対の突起部22aを一対の貫通穴21bに挿入することにより、第1揺動軸AX1に直交する第2揺動軸AX2回りに揺動可能に第1枠体21に取り付けられている。
図3に示すように、第2枠体22は、センサ基板10の基板本体12が取り付けられる平面状の底部22bを有する。底部22bは、後述する回転部材23の先端部23bと接触しながら駆動軸線AXd回りに回転する。回転部材23の先端部23bが傾斜面20aを形成するため、第2枠体22は、傾斜面20aに沿ってセンサ基板10を保持しながら駆動軸線AXd回りにセンサ基板10を回転させる。
回転部材23は、駆動部30の駆動軸31に取り付けられる基端部23aと傾斜面20a(図4参照)を形成する先端部23bとを有する部材である。図4に示すように、基端部23aは、駆動軸31を挿入するための挿入穴23a1を有する。挿入穴23a1に駆動軸31が挿入された回転部材23は、駆動軸31と一体に駆動軸線AXd回りに回転する。
図3に示すように、回転部材23の先端部23bは、駆動軸線Axd回りの周方向に沿って環状に形成されている。図4に示すように、先端部23bは、環状部分が同一平面状に配置されるように形成されており、回転部材23の先端側に傾斜面20aを形成する。この傾斜面20aは仮想的な平面であるが、平面状の第2枠体22の底部22bを先端部23bに接触させることにより、底部22bが傾斜面20aに沿って配置される。回転部材23は、傾斜面20aを形成する先端部23bを底部22bに接触させた状態で駆動軸線AXd回りに回転する。
図4に示すように、傾斜面20aは、駆動軸31が配置される駆動軸線AXdに直交する平面PLiに対して所定角度θだけ傾斜している。この所定角度θは、0度より大きくかつ90度より小さい範囲で、センサ11の指向角2αとセンサ11による検出を行いたい範囲を考慮して適宜に設定される。
駆動部30は、例えばモータであり、駆動軸線AXdに沿って配置される駆動軸31を駆動軸線AXd回りに回転させる機構である。駆動部30は、駆動軸31を回転させることにより、駆動軸31に取り付けられる回転部材23を駆動軸線AXd回りに回転させる。
ベース部40は、図2に示す一対の腕部41と、腕部41に連結される本体部(図示略)を備える。本体部には、駆動部30が取り付けられている。ベース部40は、センサカバー5の背面側の本体ケース2の内部に取り付けられている。
次に、本実施形態のセンサ駆動装置100がセンサ基板10を軸線AXd回りに回転させる動作について図面を参照して説明する。図6は、センサ基板10を時計回りに90度回転させたセンサ駆動装置100の縦断面図である。図7は、センサ基板10を時計回りに180度回転させたセンサ駆動装置100の縦断面図である。図8は、センサ基板10を時計回りに270度回転させたセンサ駆動装置100の縦断面図である。
前述した図5は、図2に示すセンサ駆動装置100の縦断面図である。図2および図5に示す状態を、センサ基板10の駆動軸AXd回りの回転角度が0度であるものとする。図5に示すように、センサ駆動装置100において、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が0度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の下方かつ左右方向の中央に向けて延びている。図5に示す状態では、第1揺動軸AX1が延びる方向が水平方向と一致する。
図5に示すように、保持部20は、回転部材23により室内空間S1の上下方向の検出範囲の下端かつ左右方向の検出範囲の中央に法線方向を向けた傾斜面20aを形成し、傾斜面20aに沿って第2枠体22の底部22bを支持する。そのため、傾斜面20aの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の下方かつ左右方向の中央に向けて延びる状態となる。
図6は、センサ基板10を時計回りに90度回転させた状態のセンサ駆動装置100を示している。図6に示すように、センサ駆動装置100において、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が90度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の右側(室内機1から室内空間S1を見た場合の方向)に向けて延びている。図6に示す状態では、第2揺動軸AX2が延びる方向が水平方向と一致する。
図6に示す状態で、保持部20は、回転部材23により室内空間S1の上下方向の検出範囲の中央かつ左右方向の検出範囲の右端に法線方向を向けた傾斜面20aを形成し、傾斜面20aに沿って第2枠体22の底部22bを支持する。そのため、傾斜面20aの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の右端に向けて延びる状態となる。
図7は、センサ基板10を時計回りに180度回転させた状態のセンサ駆動装置100を示している。図7に示すように、センサ駆動装置100において、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が180度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の上方かつ左右方向の中央に向けて延びている。図7に示す状態では、第1揺動軸AX1が延びる方向が水平方向と一致する。
図7に示すように、保持部20は、回転部材23により室内空間S1の上下方向の検出範囲の上端かつ左右方向の検出範囲の中央に法線方向を向けた傾斜面20aを形成し、傾斜面20aに沿って第2枠体22の底部22bを支持する。そのため、傾斜面20aの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の上方かつ左右方向の中央に向けて延びる状態となる。
図8は、センサ基板10を時計回りに270度回転させた状態のセンサ駆動装置100を示している。図8に示すように、センサ駆動装置100において、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が270度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の左側(室内機1から室内空間S1を見た場合の方向)に向けて延びている。図8に示す状態では、第2揺動軸AX2が延びる方向が水平方向と一致する。
図8に示す状態で、保持部20は、回転部材23により室内空間S1の上下方向の検出範囲の中央かつ左右方向の検出範囲の左端に法線方向を向けた傾斜面20aを形成し、傾斜面20aに沿って第2枠体22の底部22bを支持する。そのため、傾斜面20aの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の左端に向けて延びる状態となる。図8に示す状態からセンサ基板10を駆動軸線AXd回りに時計回りにさらに90度回転させると、図5に示す状態に戻る。
以上のように、センサ駆動装置100は、駆動部30により駆動軸31を駆動軸線AXd回りに1回転させることにより、回転部材23が駆動軸線AXd回りに1回転する。回転部材23の先端部23bが傾斜面20aを形成し、かつ第2枠体22の底部22bに接触している。
そのため、第2枠体22に保持されるセンサ基板10は、傾斜面20aに沿った傾斜角度を維持しながら、駆動軸線AXd回りに回転する。したがって、保持部20は、回転部材23を駆動軸線AXd回りに1回転させることにより、傾斜面20aに沿ってセンサ基板10を保持しながら、センサ基板10を駆動軸線AXd回りに1回転させる。
室内機1を制御する制御基板(図示略)は、例えば、駆動軸31を同一回転方向に連続的に回転ささせるように駆動部30を制御する。センサ基板10は回転部材23が回転しても駆動軸線AXd回りには回転しない。そのため、センサ11に取り付けられる信号線および電源線は、回転部材23の回転に伴って駆動軸線Axd回りに回転してしまうことがない。そのため、本実施形態のセンサ駆動装置100は、駆動軸31を同一回転方向に連続的に回転させるという比較的簡易な制御動作を実行することにより、広範な検出範囲から得られる情報を連続的に検出することができる。
なお、回転部材23の先端部23bと第2枠体22の底部22bとは、互いに固定されてはいない。回転部材23の先端部23bは、第2枠体22の底部22bと接触した状態を維持しながら駆動軸31の回転に伴って摺動する。これにより、センサ基板10は、傾斜面20aに沿った傾斜角度を維持しながら駆動軸線AXd回りに回転する。
以上説明した本実施形態のセンサ駆動装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のセンサ駆動装置100によれば、駆動軸31が駆動軸線AXd回りに回転することに伴って駆動軸31に取り付けられた保持部20の回転部材23が駆動軸線AXd回りに回転する。保持部20が形成する傾斜面20aは駆動軸31が配置される駆動軸線AXdに直交する平面に対して所定角度θだけ傾斜しており、その傾斜面20aに沿ってセンサ基板10が保持されている。
そのため、駆動軸線AXdに直交する平面PLiに沿ってセンサ基板10を配置する場合に比べ、所定角度θに応じた分だけセンサ11の検出範囲である指向角2αをさらに拡大することができる。すなわち、比較的簡素な機構により広範な検出範囲から得られる情報を検出することが可能なセンサ駆動装置100を提供することができる。
また、本実施形態のセンサ駆動装置100によれば、回転部材23が、先端側に有する傾斜面20aを第2枠体22の底部22bに接触させた状態で駆動軸線AXd回りに回転する。そのため、第2枠体の底部22bに取り付けられるセンサ基板10は、回転部材23が形成する傾斜面20aに沿った所定角度θを維持しながら駆動軸線AXd回りに回転する。また、センサ基板10が駆動軸線AXd回りに回転する際に、第1枠体21は第1揺動軸AX1回りに揺動し、第2枠体22は第1揺動軸AX1に直交する第2揺動軸AX2回りに揺動する。センサ基板10の傾斜角度が第1揺動軸AX2回りの揺動角度と第2揺動軸AX2回りの揺動角度の2つを組み合わせたものとなるため、これらの2つの揺動軸による揺動機構を用いない場合に比べ、センサ11の検出範囲を拡大することができる。
また、本実施形態のセンサ駆動装置100によれば、回転部材23が駆動軸線AXd回りに回転する一方で、センサ基板10は回転部材23が回転しても駆動軸線AXd回りには回転しない。これは、回転部材23による回転動作が第1揺動軸AX1および第2揺動軸AX2回りの揺動動作に変換されるからである。そのため、センサ11に信号線あるいは電源線が接続される場合に、回転部材23の回転に伴って信号線あるいは電源線が回転してしまうことがない。よって、回転部材23を駆動軸線AXd回りに回転させても、センサ11の上下方向が逆転することはなく、信号線あるいは電源線に捻じれが生じたり断線したりすることが適切に防止される。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態のセンサ駆動装置100Aについて図面を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。本実施形態のセンサ駆動装置100Aは、第1実施形態のセンサ駆動装置100と同様に、例えば、空気調和機の室内機1に取り付けられる人感センサを駆動するものである。
第1実施形態のセンサ駆動装置100は、センサ基板10を第1枠体21と第2枠体22と回転部材23とを有する保持部20を備え、回転部材23の先端部23bを第2枠体22の底部22bに接触させながら回転部材23を駆動軸線AXd回りに回転させるものであった。第1実施形態のセンサ駆動装置100は、2つの揺動軸による揺動機構を用いることにより、センサ11の検出範囲を広範囲に拡大することができる点で有利である。
それに対して本実施形態のセンサ駆動装置100Aは、センサ基板10を保持する保持部材22Aと保持部材22Aを支持する支持部材23Aとを一体に形成し、支持部材23Aと保持部材22Aとを駆動軸線AXd回りに一体に回転させるものである。本実施形態のセンサ駆動装置100Aは、2つの揺動軸による揺動機構を用いない簡素な構成である点で有利である。
本実施形態のセンサ駆動装置100Aについて図面を参照して説明する。図9は、本実施形態に係るセンサ駆動装置100Aの斜視図である。図10は、図9に示すセンサ駆動装置100Aの分解斜視図である。図11は、図9に示すセンサ駆動装置100Aの右側面図である。図12は、図9に示すセンサ駆動装置100の縦断面図である。
本実施形態のセンサ駆動装置100Aは、センサ(検出部)11が設けられたセンサ基板10を駆動軸線AXd回りに回転させることにより、センサ11自体が検出可能な検出範囲を簡素な機構により拡大する装置である。
図9から図12に示すように、センサ駆動装置100Aは、センサ基板10と、センサ基板10を保持する保持部20Aと、保持部20Aを軸線AXd回りに回転させる駆動部30と、保持部20Aおよび駆動部30が取り付けられるベース部(図示略)と、を備える。センサ駆動装置100Aは、ベース部に対して駆動部30が取り付けられ、センサ基板10が保持部20Aにより保持され、1つのユニットとして一体化されている。
センサ駆動装置100Aは、センサカバー5の背面側の本体ケース2の内部にベース部40を介して取り付けられ、センサカバー5を介して室内空間S1から発せられる赤外線を検知する。
図13に示すように、センサ11は、基板本体12が配置される平面に直交するセンサ軸線AXsに対して角度αで傾斜する指向角2αの範囲を検出範囲とするセンサである。
保持部20Aは、センサ基板10を保持する保持部材22Aと、保持部材22Aを支持する支持部材23Aとを有し、保持部材22Aが樹脂材料等により支持部材23Aと一体に形成された部材である。
図10に示すように、保持部材22Aは、4つの板状に延びる部材を平面視が矩形状となるように一体に形成した枠形状の部材である。保持部材22Aは、センサ基板10を係止して保持するための一対の係止部22Aaと、センサ基板10の基板本体12が取り付けられる平面状の底部22Abを有する。底部22Abは、後述する支持部材23Aの先端部23Abに支持されながら駆動軸線AXd回りに回転する。支持部材23Aの先端部23Abが傾斜面20Aaを形成するため、保持部材22Aは、傾斜面20Aaに沿ってセンサ基板10を保持しながら駆動軸線AXd回りにセンサ基板10を回転させる。
支持部材23Aは、駆動部30の駆動軸31に取り付けられる基端部23Aaと傾斜面20Aa(図11および図12参照)を形成する先端部23Abとを有する部材である。図13に示すように、基端部23Aaは、駆動軸31を挿入するための挿入穴23Aa1を有する。挿入穴23Aa1に駆動軸31が挿入された支持部材23Aは、駆動軸31と一体に駆動軸線AXd回りに回転する。
図11に示すように、支持部材23Aは、駆動軸線AXdの径方向に延びる複数のリブ23Acを有する。先端部23Abは、リブ23Acの先端側が同一平面状に配置されるように形成されており、支持部材23Aの先端側に傾斜面20Aaを形成する。この傾斜面20Aaは仮想的な平面であるが、平面状の保持部材22Aの底部22Abを先端部23Abで支持する形状に形成されており、底部22Abが傾斜面20Aaに沿って配置される。支持部材23Aは、保持部材22Aと一体となって駆動軸線AXd回りに回転する。
図11に示すように、傾斜面20Aaは、駆動軸31が配置される駆動軸線AXdに直交する平面PLiに対して所定角度θだけ傾斜している。この所定角度θは、0度より大きくかつ90度より小さい範囲で、センサ11の指向角2αとセンサ11による検出を行いたい範囲を考慮して適宜に設定される。
次に、本実施形態のセンサ駆動装置100Aがセンサ基板10を軸線AXd回りに回転させる動作について図面を参照して説明する。図13は、センサ基板10を時計回りに90度回転させたセンサ駆動装置100Aの縦断面図である。図14は、センサ基板10を時計回りに180度回転させたセンサ駆動装置100Aの縦断面図である。図15は、センサ基板10を時計回りに270度回転させたセンサ駆動装置100Aの縦断面図である。
前述した図12は、図9に示すセンサ駆動装置100Aの縦断面図である。図9および図11に示す状態を、センサ基板10の駆動軸AXd回りの回転角度が0度であるものとする。図12に示すように、センサ駆動装置100Aにおいて、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が0度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の下方かつ左右方向の中央に向けて延びている。
図12に示すように、保持部20Aは、支持部材23Aにより室内空間S1の上下方向の検出範囲の下端かつ左右方向の検出範囲の中央に法線方向を向けた傾斜面20Aaを形成し、傾斜面20Aaに沿って保持部材22Aの底部22Abを支持する。そのため、傾斜面20Aaの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の下方かつ左右方向の中央に向けて延びる状態となる。
図13は、センサ基板10を時計回りに90度回転させた状態のセンサ駆動装置100Aを示している。図13に示すように、センサ駆動装置100Aにおいて、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が90度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の右側(室内機1から室内空間S1を見た場合の方向)に向けて延びている。
図13に示す状態で、保持部20Aは、支持部材23Aにより室内空間S1の上下方向の検出範囲の中央かつ左右方向の検出範囲の右端に法線方向を向けた傾斜面20Aaを形成し、傾斜面20Aaに沿って保持部材22Aの底部22Abを支持する。そのため、傾斜面20Aaの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の右端に向けて延びる状態となる。
図14は、センサ基板10を時計回りに180度回転させた状態のセンサ駆動装置100Aを示している。図14に示すように、センサ駆動装置100Aにおいて、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が180度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の上方かつ左右方向の中央に向けて延びている。
図14に示すように、保持部20Aは、支持部材23Aにより室内空間S1の上下方向の検出範囲の上端かつ左右方向の検出範囲の中央に法線方向を向けた傾斜面20Aaを形成し、傾斜面20Aaに沿って保持部材22Aの底部22Abを支持する。そのため、傾斜面20Aaの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の上方かつ左右方向の中央に向けて延びる状態となる。
図15は、センサ基板10を時計回りに270度回転させた状態のセンサ駆動装置100Aを示している。図15に示すように、センサ駆動装置100Aにおいて、センサ基板10の駆動軸線AXd回りの回転角度が270度である場合、センサ軸線AXsは、室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の左側(室内機1から室内空間S1を見た場合の方向)に向けて延びている。
図15に示す状態で、保持部20Aは、支持部材23Aにより室内空間S1の上下方向の検出範囲の中央かつ左右方向の検出範囲の左端に法線方向を向けた傾斜面20Aaを形成し、傾斜面20Aaに沿って保持部材22Aの底部22Abを支持する。そのため、傾斜面20Aaの法線方向とセンサ軸線AXsとが一致し、センサ軸線AXsが室内空間S1の上下方向の中央かつ左右方向の左端に向けて延びる状態となる。図15に示す状態からセンサ基板10を駆動軸線AXd回りに時計回りにさらに90度回転させると、図12に示す状態に戻る。
以上のように、センサ駆動装置100Aは、駆動部30により駆動軸31を駆動軸線AXd回りに1回転させることにより、支持部材23Aが駆動軸線AXd回りに1回転する。支持部材23Aの先端部23Abが傾斜面20Aaを形成し、かつ支持部材23Aが保持部材22Aと一体に形成されている。
そのため、保持部材22Aに保持されるセンサ基板10は、傾斜面20Aaに沿った傾斜角度を維持しながら、駆動軸線AXd回りに回転する。したがって、保持部20Aは、支持部材23Aを駆動軸線AXd回りに1回転させることにより、傾斜面20Aaに沿ってセンサ基板10を保持しながら、センサ基板10を駆動軸線AXd回りに1回転させる。
以上で説明した本実施形態のセンサ駆動装置100Aによれば、センサ基板10を保持する保持部材22Aと駆動軸31に取り付けられる支持部材23Aとを一体に形成した比較的簡素な部品を用いて、広範な検出範囲から得られる情報を検出することができる。
〔他の実施形態〕
以上の説明において、センサ基板10に設けられるセンサ11は、人感センサであるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、所定の検出範囲における温度を検出する温度センサであってもよい。また、例えば、所定の検出範囲における照度を検出する照度センサであってもよい。また、例えば、所定の検出範囲から送信される情報を受信する受信ユニットであってもよい。また、例えば、所定の検出範囲内の画像を取得する画像センサであってもよい。また、例えば、所定の検出範囲における冷媒(例えば、室内機1の熱交換器で用いられる冷媒)の漏れを検出するセンサであってもよい。
このように、センサ11としては、所定の検出範囲から得られる情報を検出するものであれば、人感センサに限らずに他のセンサを用いてもよい。また、以上の説明では、センサ基板10を備えるセンサ駆動装置100を空気調和機の室内機1が備えるものとしたが、空気調和機の室内機1とは異なる他の装置がセンサ基板10を備えていてもよい。
また、以上の説明において、保持部20および保持部20Aが保持する基板はセンサ11が設けられたセンサ基板10であるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、保持部20および保持部20Aが保持する基板が所定の通信範囲(送信範囲)へ情報を送信する送信部(図示略)および所定の通信範囲(受信範囲)から情報を受信する受信部(図示略)が設けられた通信基板であってもよい。
また、以上の説明において、センサ基板10には、単一のセンサ11が設けられるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、センサ基板10に複数のセンサ11を設けるようにしてもよい。この場合、センサ基板10に設ける複数のセンサ11は、同一種類のものであっても良いし、異なる種類のセンサを組み合わせて配置してもよい。複数のセンサ11を単一のセンサ基板10に設けることにより、各センサ11の相対的な位置関係が固定されるため、複数のセンサ11の検出結果を対応付ける場合の検出精度が向上する。
また、以上の説明において、空気調和機の室内機1は、室内空間の壁面に設置される壁掛け式であるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、天井埋込型の室内機であってもよい。
10 センサ基板(基部)
11 センサ(検出部)
20,20A 保持部
20a,20Aa 傾斜面
21 第1枠体
22 第2枠体
22A 保持部材
22b,22Ab 底部
23 回転部材
23A 支持部材
30 駆動部
31 駆動軸
40 ベース部
100,100A センサ駆動装置
AX1 第1揺動軸
AX2 第2揺動軸
AXd 駆動軸線
AXs センサ軸線
PLi 平面
S1 室内空間

Claims (4)

  1. 所定の検出範囲から得られる情報を検出する検出部または所定の送信範囲へ情報を送信する送信部が設けられた基部と、
    駆動部が回転させる駆動軸に取り付けられるとともに前記基部を保持する保持部と、
    前記保持部が取り付けられるベース部と、を備え、
    前記保持部は、前記駆動軸が配置される軸線に直交する平面に対して所定角度傾斜した傾斜面を形成し、前記傾斜面に沿って前記基部を保持しながら前記軸線回りに回転させ
    第1揺動軸回りに揺動可能に前記ベース部に取り付けられる第1枠体と、
    前記第1揺動軸に直交する第2揺動軸回りに揺動可能に前記第1枠体に取り付けられるとともに前記基部が取り付けられる平面状の底部を有する第2枠体と、
    基端側が前記駆動軸に取り付けられるとともに先端側に前記傾斜面を形成し、前記傾斜面を前記底部に接触させた状態で前記軸線回りに回転する回転部材と、を有する駆動装置。
  2. 前記保持部は、
    前記基部を保持する保持部材と、
    前記駆動軸に取り付けられるとともに前記傾斜面に沿って前記保持部材を支持する支持部材と、を有し、
    前記保持部材は、前記支持部材と一体に形成されている請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記基部には、複数の前記検出部が設けられている請求項1または請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記検出部は、前記所定の検出範囲における動体を検出する人感センサ、前記所定の検出範囲における温度を検出する温度センサ、前記所定の検出範囲における照度を検出する照度センサ、前記所定の検出範囲から送信される情報を受信する受信ユニット、前記所定の検出範囲内の画像を取得する画像センサ、前記所定の検出範囲内における冷媒の漏れを検出するセンサの少なくともいずれかである請求項1から請求項のいずれか一項に記載の駆動装置。
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