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JP7133893B2 - 固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム - Google Patents

固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルム Download PDF

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JP7133893B2 JP2015243198A JP2015243198A JP7133893B2 JP 7133893 B2 JP7133893 B2 JP 7133893B2 JP 2015243198 A JP2015243198 A JP 2015243198A JP 2015243198 A JP2015243198 A JP 2015243198A JP 7133893 B2 JP7133893 B2 JP 7133893B2
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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池の構成部材である膜-電極接合体(MEA)を製造するために好適に使用される離型フィルムに関するものである。
固体高分子型燃料電池(PEFC)の構成部材である膜-電極接合体(MEA)は、高分子電解質膜の両面に触媒層が積層された構成になっている。高分子電解質膜は、プロトン伝導性樹脂が使用されており、側鎖にスルホニウム基を有したポリマーが使用されている。その例としては、強酸性であるパーフルオロカーボン(-CF2-)で構成されたスルホン酸系の樹脂が使用されている(例えば、DuPont社製Nafion(登録商標))。また触媒層は、白金担持カーボンをバインダー(プロトン伝導性樹脂)に分散させた構成になっている。
これらMEAの製造方法の一例として、高分子電解質膜と、触媒層をそれぞれ別々の支持フィルムにキャスト法で成型し、150℃以上の高温で熱圧着して両者を接合する方法が提案されている。
前記支持フィルムには、耐熱性や離型性の観点からPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂系のシートが使用されてきたが、近年コストダウンを目的にポリエステルフィルムを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
近年、触媒層の高機能化のために触媒層中の白金担持カーボン比率が高くなっている。しかし、触媒層中の白金担持カーボンの比率がバインダーである高分子電解質樹脂よりも高くなると触媒層全体の膜強度が下がり、支持フィルムに形成した触媒層を高分子電解質膜に転写する際に支持フィルム上に触媒層が残りやすくなる問題があった。触媒層の転写性が不足すると燃料電池としての性能低下を招いたり、製造コストが上昇するため好ましくなく改善が望まれていた。例えば、特許文献1~3に記載のフィルムを使用しても転写性は十分ではなかった。
特開2003-285396号公報 特開2010-234570号公報 特開2014-154273号公報
上記、固体高分子型燃料電池の構成部材であるMEAの特殊な事情に鑑み、膜強度が弱い触媒層でも転写性が良好な固体高分子型燃料電池部材成型用の離型フィルムを提供することである。
即ち、本発明は、以下の構成よりなる。
1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止層、離型層の順に積層されている離型フィルムであって、160℃における熱収縮率が0.8%以下であり、離型フィルム表面の表面固有抵抗が1×1011Ω/□以下であることを特徴とする固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
2. ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする上記第1に記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
3. 離型層表面の表面自由エネルギーの極性成分と水素結合成分を合計した値が8mJ/m以下であることを特徴とする上記第1または第2に記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
4. 離型層に含まれる樹脂の少なくとも一つがガラス転移温度130℃以上であることを特徴とする上記第1~第3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
5. 離型層に含まれる樹脂が、環状ポリオレフィン系の樹脂であることを特徴とする上記第1~第4のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
6. 離型層にナノ粒子を含むことを特徴とする上記第1~第5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム
本発明によれば、ポリエステルフィルムと離型層の間に帯電防止層を設けることで転写時の離型層と触媒層などの成型部材との間における静電相互作用を低減することができ、膜強度が弱い触媒層でも転写性が良好な固体高分子型燃料電池部材成型用の離型フィルムを提供することが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(ポリエステルフィルム)
本発明で基材として用いるポリエステルフィルムは、主としてポリエステル樹脂より構成されるフィルムである。ここで、「主としてポリエステル樹脂より構成されるフィルム」とは、ポリエステル樹脂を50質量%以上含有する樹脂組成物から形成されるフィルムであり、他のポリマーとブレンドする場合は、ポリエステル樹脂が50質量%以上含有していることを意味し、他のモノマーが共重合されている場合は、ポリエステルの繰り返し構造単位を50モル%以上含有することを意味する。好ましくは、ポリエステルフィルムは、フィルムを構成する樹脂組成物中において、ポリエステル樹脂を90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%含有する。
ポリエステル樹脂としては、材料は特に限定されないが、ジカルボン酸成分とジオール成分とが重縮合して形成される共重合体、又は、そのブレンド樹脂を用いることができる。ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3-ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いても良い。また、トリメリット酸などのその他の酸成分やトリメチロールプロパンなどのその他の水酸基成分を適宜添加しても良い。
ポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられ、これらの中でも物性とコストのバランスからポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリエステルフィルムの滑り性、巻き性などのハンドリング性を改善するために、フィルム中に不活性粒子を含有させてもよい。
本発明においてポリエステルフィルムの厚みは特に限定されないが、12~100μmの範囲であることが好ましい。12~75μmがより好ましく、16~50μmがさらに好ましい。12μm以上であると触媒層を成型、転写する際にシワが入いるおそれがなく、100μm以下であるとコスト的に有利である。
本発明に用いるポリエステルフィルムは、製造される離型フィルムの熱収縮率を抑制するために小さい熱収縮率を有していることが好ましい。例えば、後述の離型フィルムの熱収縮率と同様の測定方法によって、160℃で30分処理したときの収縮率が、0.8%以下であることが好ましく、より好ましくは、0.6%以下であり、さらに好ましくは0.4%以下であり、特に好ましくは0.3%以下である。但し、本発明の離型フィルムの小さな熱収縮率は、単に基材フィルムとなるポリエステルフィルムの小さな熱収縮率からもたらされるものではなく、後述の離型剤塗布後の乾燥工程条件の好適化などを含めて達せられるものである。
本発明に用いるポリエステルフィルムの離型層を積層する面の領域表面平均粗さ(Sa)は、1~50nmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは2~30nmである。本発明に用いるポリエステルフィルムの離型層を積層する面の最大突起高さ(P)は、2μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5μm以下である。Saが50nm以下であり、Pが2μm以下であれば、触媒層を転写する場合に、触媒層に割れやピンホールが発生するおそれがなく好ましい。
基材となるポリエステルフィルムは、単層であっても、2種以上の層が積層されたものであってもよい。また、本発明の効果を奏する範囲内であれば、必要に応じて、フィルム中に各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、有機湿潤剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤などが挙げられる。フィルムが積層構成を有する場合は、必要に応じて各層の機能に応じて添加剤を含有させることも好ましい。
ポリエステルフィルムは、例えば上記のポリエステル樹脂をフィルム状に溶融押出、キャスティングドラムで冷却固化させてフィルムを形成させる方法等によって得られる。本発明のポリエステルフィルムとしては、無延伸フィルム、延伸フィルムのいずれも用いることができるが、機械強度や耐薬品性といった耐久性の点からは延伸フィルムであることが好ましい。ポリエステルフィルムが延伸フィルムである場合、その延伸方法は特に限定されず、縦一軸延伸法、横一軸延伸法、縦横逐次二軸延伸法、縦横同時二軸延伸法等を採用することができる。
ポリエステルフィルムの表層には、密着向上層との密着性を向上させるため、アンカーコート層、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面処理を行うこともできる。アンカーコート層を設ける場合は、コストなどの観点からインラインコーティングで行うことが好ましい。
本発明に用いる基材ポリエステルフィルムの熱収縮率を抑制するためには、ポリエステルフィルムを製膜中(インライン)にアニール処理を行ってもよいし、オフラインでアニール処理を行ってもよい。
インラインでアニール処理を実施する場合、既知の方法を利用することができる。例えば、ポリエステルフィルムを横延伸工程で低熱収縮化する方法としては、結晶化させるための熱固定ゾーンの後方で、フィルムの端部をクリップから切り離し、その後方のフィルムの引き取り速度を調整し、フィルムの走行方向の張力を下げることで熱弛緩処理を行うことができる。
前記横延伸工程でインラインアニールを実施する場合、フィルムの端部を切り離すときのフィルム温度は140℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは150℃以上であり、より好ましくは160℃以上である。但し、あまりにも温度を高くし過ぎると平面性を損なうおそれがあるので、230℃程度以下にしておくことが好ましい。
オフラインでアニール処理を実施する場合、後述する離型層を塗布するときに同時に行うことができ、この方法が最も効果的に製品である離型フィルムの熱収縮率を抑制できるので好ましい。詳細な工程条件は後述する。
(帯電防止層)
本発明の離型フィルムには、帯電防止層を積層することが必要である。帯電防止層を積層することで、離型層と転写物との静電相互作用を低減することができ、転写性を向上することができることを見出した。本発明において帯電防止層は、ポリエステルフィルムと離型層の間に設けることが好ましい。帯電防止層をポリエステルフィルムの離型層を積層した面とは反対側に積層した場合は、離型層表面の導電性が悪く効果が少なく好ましくない。また、離型層に導電性を有する添加剤を添加することも触媒層への移行などが懸念されるため好ましくない。
帯電防止層の積層する手段については特に限定されず、塗布法、真空蒸着法、貼り合せなど、既知の方法を使用することができるが、帯電防止剤を含む塗液を塗布により設けることがコストの観点より好ましい。
帯電防止剤としては、カチオン性化合物などのイオン伝導を利用した高分子や界面活性剤、酸化ケイ素膜、導電性の金属化合物、π電子共役系導電性高分子などを用いることができるが、低湿度下での帯電防止性の点からπ電子共役系導電性高分子を用いることが好ましい。また、π電子共役系導電性高分子は、空気中の水分に依存することなく帯電防止性能を高水準で維持することができるため、本発明の帯電防止層の上に離型層を積層した後でも帯電防止性能を高く保つことができる。
π電子共役系導電性高分子としては、アニリンあるいはその誘導体を構成単位として含むアニリン系高分子、ピロールあるいはその誘導体を構成単位として含むピロール系高分子、アセチレンあるいはその誘導体を構成単位として含むアセチレン系高分子、チオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含むチオフェン系高分子等が挙げられる。高い透明性を得ようとするならば、π電子共役系導電性高分子としては窒素原子を有さないものが好ましく、中でもチオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含むチオフェン系高分子は透明性の点から好適であり、特にポリアルキレンジオキシチオフェンが好適である。ポリアルキレンジオキシチオフェンとしては、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリプロピレンジオキシチオフェン、ポリ(エチレン/プロピレン)ジオキシチオフェンなどが挙げられる。
なお、チオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含むチオフェン系高分子には、帯電防止性を更に良好なものとするためドーピング剤を、例えばチオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含む高分子100質量部に対し0.1質量部以上500質量部以下配合することができる。少ない場合には、電子移動が困難となるため帯電防止性能の低下の問題があり、逆に多い場合には、溶媒に対する分散性低下の問題がある。このドーピング剤としては、LiCl、R1‐30COOLi(R1‐30:炭素数1以上30以下の飽和炭化水素基)、R1‐30SOLi、R1‐30COONa、R1‐30SONa、R1‐30COOK、R1‐30SOK、テトラエチルアンモニウム、I、BFNa、BFNa、HClO、CFSOH、FeCl、テトラシアノキノリン(TCNQ)、Na10Cl10、フタロシアニン、ポルフィリン、グルタミン酸、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸Na(K、Li)塩、スチレン・スチレンスルホン酸Na(K、Li)塩共重合体、ポリスチレンスルホン酸アニオン、スチレンスルホン酸・スチレンスルホン酸アニオン共重合体等を挙げることができる。
本発明の帯電防止層には、バインダー成分を含んでも構わない。バインダー成分を含むことで、ポリエステルフィルムとの密着性が向上させることができる。バインダー樹脂としては、特に限定されないが、既知の樹脂を使用することができ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン-アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテル系樹脂、酸化ケイ素膜等の溶剤又は水可溶性の樹脂が挙げられる。
本発明において帯電防止層中に含まれる帯電防止剤は20質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは30質量%以上である。なお、帯電防止剤としてπ電子共役系導電性高分子を用いる場合において、前記ドーピン剤を用いる場合は、本願に規定するπ電子共役系導電性高分子の帯電防止層中の含有量には、導電性高分子と前記ドーピング剤の合計量のことである。
本発明における帯電防止層には、外観向上のために界面活性剤を用いてもかまわない。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤及びフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなどのフッ素系界面活性剤を用いることができる。
帯電防止層には、本発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて、滑剤、色素、紫外線吸収剤、架橋剤、シランカップリング剤、等を混合しても良い。
基材フィルム表面に帯電防止層を塗布積層する方法としては、グラビアロールコーティング法、リバースロールコーティング法、ナイフコータ法、ディップコート法、スピンコート法などがあるが、導電性組成物に適したコート法は特に制限はない。また、フィルムの製造工程で塗布層を設けるインラインコート方式、フィルム製造後に塗布層を設けるオフラインコート方式により設けることができる。
帯電防止層を形成する乾燥温度としては、通常60℃以上150℃以下であり、好ましくは90℃以上140℃以下である。この温度が60℃以上であると、短時間の処理でよく、生産性向上の観点から好ましい。一方、この温度が150℃以下であると、フィルムの平面性が保たれて好ましい。
本発明の帯電防止層の膜厚は、0.005μm以上5μm以下が好ましい。より好ましくは、0.01μm以上1μm以下であり、さらに好ましくは、0.01μm以上0.2μm以下である。帯電防止層の膜厚が0.005μm以上であると、帯電防止効果が得られ好ましい。一方、5μm以下であると、離型性を損なうおそれがなく好ましい。
(離型層)
本発明においては、前記ポリエステルフィルムの少なくとも片面には離型層が積層する必要がある。離型層に使用される樹脂は特に限定されないが、下記記載の樹脂(A)を含有する離型層を設けることが好ましい。
本発明の離型フィルムの離型層に含まれる樹脂(A)としては、オレフィン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれるものであることが好ましい。また、これらの離型層は、前記のような樹脂(A)を含む塗布液がコーティングされることによりポリエステルフィルム上に設けられることが好ましい形態である。
離型層に用いるオレフィン系樹脂の例としては、共重合ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどが挙げられるが、耐熱性の観点から、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどを用いることが好ましい。前記樹脂を離型層に用いることで、150℃以上で熱処理した場合にも、ナフィオンなどの電解質膜などに使用されるバインダーとの離型性を保つことができるため好適である。
共重合ポリエチレンは、ポリエチレンに、プロピレン、n-ブテン、n-ペンテン、n-ヘキセンなどのα―オレフィンなどを共重合することができる。これらの樹脂には、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの官能基を導入し、架橋剤と架橋させることで、ポリエステルフィルムとの密着性を向上することができる。
環状ポリオレフィンは、重合成分として環状オレフィンを含む樹脂のことである。環状オレフィンは、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンであり、単環式オレフィン、二環式オレフィン、三環以上の多環式オレフィンなどに分類することができる。単環式オレフィンの例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの環状C4-12シクロオレフィン類などが挙げられる。二環式オレフィンの例としては、2-ノルボルネン;5-メチル-2-ノルボルネン、5,5-ジメチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネンなどのアルキル基(C1―4アルキル基)を有するノルボルネン類;5-エチリデン-2-ノルボルネンなどのアルケニル基を有するノルボルネン類;5-メトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-メチル-5-メトキシカルボニル-2-ノルボルネンなどのアルコキシカルボニル基を有するノルボルネン類;5-シアノ-2-ノルボルネンなどのシアノ基を有するノルボルネン類;5-フェニル-2-ノルボルネン、5-フェニル-5-メチル-2-ノルボルネンなどのアリール基を有するノルボルネン類;オクタリン;6-エチル-オクタヒドロナフタレンなどのアルキル基を有するオクタリンなどが例示できる。
多環式オレフィンの例としては、ジシクロペンタジエン;2,3-ジヒドロジシクロペンタジエン、メタノオクタヒドロフルオレン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、ジメタノシクロペンタジエノナフタレン、メタノオクタヒドロシクロペンタジエノナフタレンなどの誘導体;6-エチル-オクタヒドロナフタレンなどの置換基を有する誘導体;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等との付加物、シクロペンタジエンの3~4量体などが挙げられる。
これらの環状オレフィンは、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのなかでも二環式オレフィンを用いることが、柔軟性と離型性を両立できるため好ましい。環状オレフィン全体に占める二環式オレフィン(特にノルボルネン類)の割合は10モル%以上であってもよく、例えば、30モル%以上、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上であり、二環式オレフィン単独(100モル%)であってもよい。特に、三環以上の多環式オレフィンの割合が大きくなると、ロール・ツー・ロール方式での製造に用いることが困難となるため好ましくない。
二環式オレフィンの具体例としては、ノルボルネン(2-ノルボルネン、置換基を有していてもよい)、オクタリン(オクタヒドロナフタレン、置換基を有していてもよい)などが例示できる。前記置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、シアノ基、アミド基、ハロゲン原子などが例示できる。これらの置換基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの二環式オレフィンのうち、ノルボルネンやアルキル基(メチル基、エチル基などのC1-4アルキル基)を有するノルボルネンなどのノルボルネン類が特に好ましい。
環状ポリオレフィンは、さらに鎖状オレフィンを重合成分として含む環状オレフィン-鎖状オレフィン共重合体であるのが好ましい。前記共重合体を用いることで柔軟性を付与することができ、加工しやすくなる。
鎖状オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどの鎖状C2-10オレフィン類などが挙げられる。これらの鎖状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの鎖状オレフィンのうち、好ましくはα-鎖状C2-8オレフィン類であり、さらに好ましくはα-鎖状C2-4オレフィン類(特に、エチレン)である。
環状オレフィンと鎖状オレフィンとの割合(モル比)は、例えば、環状オレフィン/鎖状オレフィン=100/0~1/99、好ましくは90/10~10/90、さらに好ましくは70/30~20/80程度である。環状オレフィンの割合が前記の範囲を満足する場合、耐熱性、剥離性の点で好ましい。
また、環状ポリオレフィンは、側鎖に炭素数3~10のアルキル基を有する環状オレフィンもしくは鎖状オレフィンを重合成分として含む共重合体であることも好ましい。これら共重合体を用いることで柔軟性を保ちつつ耐熱性を向上させることができる。
炭素数3~10のアルキル基としては、例えば、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基などの直鎖状又は分岐鎖状アルキル基などが挙げられる。これらのC3―10アルキル基は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、耐熱性と弾性と靱性とのバランスに優れる点から、好ましくは直鎖状C4-9アルキル基(例えばn-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基など)であり、さらに好ましくは直鎖状C4-8アルキル基(特にn-ヘキシル基などの直鎖状C5-7アルキル基)である。
C3―10アルキル基を有する鎖状オレフィンとしては、例えば、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセンなどのα-鎖状C5-13オレフィンなどが挙げられる。これらの鎖状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの鎖状オレフィンのうち、好ましくはα-鎖状C6-12オレフィンであり、さらに好ましくはα-鎖状C6-10オレフィン(特に1-オクテンなどのα-鎖状C7-9オレフィン)である。
C3―10アルキル基を有する環状オレフィンは、前記環状オレフィンの項で例示された環状オレフィン骨格にC3―10アルキル基が置換した環状オレフィンであってもよい。環状オレフィン骨格としては、二環式オレフィン(特にノルボルネン)が好ましい。好ましいC3―10アルキル基を有する環状オレフィンとしては、例えば、5-プロピル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネン、5-ペンチル-2-ノルボルネン、5-ヘキシル-2-ノルボルネン、5-オクチル-2-ノルボルネン、5-デシル-2-ノルボルネンなどの直鎖状又は分岐鎖状C3―10アルキルノルボルネンなどが挙げられる。これらの環状オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの環状オレフィンのうち、好ましくは直鎖状C4―9アルキルノルボルネンであり、さらに好ましくは直鎖状C4-8アルキルノルボルネン(特に5-ヘキシル-2-ノルボルネンなどの直鎖状C5-7アルキルノルボルネン)である。
環状オレフィン単位と、鎖状又は環状オレフィン単位(炭素数3~10のアルキル基を含む)との割合(モル比)は、例えば、前者/後者=50/50~99/1、好ましくは60/40~95/5、さらに好ましくは70/30~90/10(特に75/25~90/10)程度である。環状オレフィン単位(A)の割合が少なすぎると、耐熱性が低下し、多すぎると弾性及び靱性が低下し易い。
他の共重合性単量体としては、例えば、ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);ジエン系単量体(例えば、ブタジエン、イソプレンなど);(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸、又はこれらの誘導体((メタ)アクリル酸エステルなど)など]などが例示できる。これらの他の共重合性単量体は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。これらの他の共重合性単量体の含有量は、環状ポリオレフィン全体に対して、例えば、5モル%以下、好ましくは1モル%以下である。
環状ポリオレフィンは、付加重合により得られた樹脂であってもよく、開環重合(開環メタセシス重合など)により得られた樹脂であってもよい。また、開環メタセシス重合により得られた重合体は、水素添加された水添樹脂であってもよい。環状ポリオレフィンの重合方法は、慣用の方法、例えば、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合、チーグラー型触媒を用いた付加重合、メタロセン系触媒を用いた付加重合(通常、メタセシス重合触媒を用いた開環メタセシス重合)などを利用できる。
本発明で用いる環状ポリオレフィンのガラス転移温度(Tg)は10~350℃程度の範囲から選択できるが、耐熱性の点から、例えば、100~350℃、好ましくは130~350℃、さらに好ましくは150~350℃程度である。ガラス転移温度が低すぎると、耐熱性が低下し、高すぎると、ロール・ツー・ロール方式での生産が困難となる。
環状ポリオレフィンの数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)において、ポリスチレン換算で、例えば、1000~200000、好ましくは5000~200000、さらに好ましくは10000~200000(特に30000~150000)程度である。
環状ポリオレフィンの市販品としては、TOPAS(登録商標)(ポリプラスチックス社製)があり好適に使用することができる。TOPASのシリーズの中でもTOPAS6017Sはガラス転移温度(Tg)が170℃以上あるため、150℃以上の熱処理でも離型層の変質は起こりにくく特に好ましい。
また環状ポリオレフィンの市販品としては、ARTON(登録商標)(JSR社製)もあり、好適に使用することができるが、ARTON(登録商標)は、一般的に分子内に極性基をもつため、離型層の表面自由エネルギーの極性成分が大きくなるため、TOPAS(登録商標)の方が離型性に優れる場合がある。
本発明における離型層に用いるポリメチルペンテン樹脂としては、少なくとも構成単位Aと構成単位Bを含む共重合物である。構成単位Aは、4-メチル-1-ペンテンまたは/および3-メチル-1-ペンテンに由来する樹脂を合計50モル%以上含むことが好ましく、より好ましくは70モル%以上含み、85モル%以上含むとさらに好ましい。それぞれ単独で用いてもよいし併用してもよい。
構成単位Bは、エチレンおよび炭素原子数が3~4のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種類以上のオレフィン由来の樹脂からなり5モル%以上含むことが好ましい。構成単位Bを含有する上限は、50モル%以下が好ましく、より好ましくは30モル%以下であり、15モル%以下がより好ましい。
構成単位Bに用いられる炭素原子数3~4のα-オレフィンの例としては、1-ブテン、プロピレンが好適なものとして用いられるが、プロピレンを用いる方が物性などの観点から望ましい。炭素原子数3~4のα-オレフィンやエチレンなどは、単独で用いてもよいし複数を組み合わせて用いることもできる。
前記ポリメチルペンテン樹脂には、構成単位Aおよび構成単位B以外にも、その他重合性化合物をの構成単位を有してもよい。例えば、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどの環状構造を有するビニル化合物;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエンなどの共役ジエン類;1,4-ヘキサジエン、オクタジエン、シジクロペンタジエン、ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの非共役ポリエン類などが挙げられる。
前記のその他重合性化合物は、構成単位Aと構成単位Bの合計100モル%に対し10モル%以下の比率で含有することができる。より好ましくは、5モル%以下である。
本発明に用いられるポリメチルペンテン樹脂は、変性されていてもよく、酸無水物基、水酸基、カルボキシル基などの活性水素含有基、エポキシ基などの1種類以上の官能基を有することも好ましい形態の一つである。これら官能基を有することで、架橋剤との併用により、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂への密着性が向上させることができる。これら官能基の導入方法は既知の方法で行うことができる。導入する官能基量は、ポリメチルペンテン樹脂に対し10当量以下であることが好ましい。
本発明で用いるポリメチルペンテン樹脂の重合方法は、既知の方法を用いることができ、例えばメタロセン触媒などのオレフィン重合用の触媒下で重合することで得ることができる。
本発明で好ましく用いられるフッ素系樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、などやこれら樹脂を用いた共重合体や、PFA(四フッ化エチレン(C2F4)とパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共同合体)、ETFE(テトラフルオロエチレン(-C2F4-)とエチレン(-C2H4-)の共重合体)などである。また、アクリレート変性したフッ素系の樹脂を多官能アクリレートなどへ添加し使用することもできる。
本発明の離型フィルムの離型層に用いる樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、耐熱性の観点から130℃以上あることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は高いことが好ましく、例えば、350℃程度と言え、300℃以下でも構わない。そして、樹脂(A)の材質としては、上記のような環状ポリオレフィン系の樹脂であることが特に好ましい。
本発明の離型フィルムの離型層に用いる樹脂は、1種類でもよいし複数の樹脂を混合して用いても構わない。離型層には樹脂(A)を含んでいることが好ましく、その場合、樹脂(A)の構成比率は、離型層の樹脂成分全てに対して50質量%以上であることが好ましい。
本発明の離型層にはナノ粒子を含むことも好ましい。ナノ粒子を含むことで離型層の弾性率を向上し転写性が向上する効果が見られた。本発明に使用するナノ粒子の素材は特に限定されないが、1次粒径が100nm以下の粒子のことをいう。より好ましくは60nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下であり、最も好ましくは15nm以下である。1次粒径の下限は特に限定されないが、1nm以上であってもよく、3nm以上であっても構わない。本発明者らはナノ粒子を離型層に含有することで、離型層の弾性率が向上し、離型フィルムに成型した触媒層や電解質膜を剥離する際の剥離力が軽くなり転写性が向上することを見出した。なお、離型層には、ナノ粒子以外の他の粒子や後述の添加剤、架橋剤の他、離型剤以外の他の樹脂が、本発明の効果を損なわない含有率、例えば、離型層固形分質量の50質量%未満の含有率で混在していても構わない。
ナノ粒子の1次粒径の測定方法は、加工後のフィルムの断面の粒子を透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で観察を行い、凝集していない粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とする方法で行った。
本発明の目的を満たすものであれば、粒子の形状は特に限定されるものでなく、球状粒子、不定形の球状でない粒子を使用できる。不定形の粒子の粒子径は円相当径として計算することができる。円相当径は、観察された粒子の面積をπで除し、平方根を算出し2倍した値である。
本発明の離型フィルムに含まれるナノ粒子についてはその材質は特に限定されないが、シリカや酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラックなどの無機系粒子や、架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、架橋シリコーン樹脂などの有機系粒子などが挙げることができる。この中でもシリカ、アルミナを用いることが好ましい。
本発明の離型フィルムに含まれるナノ粒子は、固形分として離型層に含まれる樹脂100質量部に対して、20質量部以上200質量部以下含まれることが好ましい。さらに好ましくは、20質量部以上100質量部以下である。ナノ粒子の添加量が20質量部以上であると、離型層の弾性率を向上させる効果が得られ、転写性が改善効果が得られて好ましい。一方、200質量部以下であると、フィルムのヘイズが大きくなり過ぎず、見た目にくすんで見えることがない他、ナノ粒子の脱落などの懸念がなく好ましい。
本発明の離型フィルムのヘイズは、10%以下であることが好ましい。ヘイズを10%以下とすることで、得られた離型フィルムの外観検査を容易にすることができる。ヘイズの下限は小さいほど好ましいと言えるが、現状では0.2%程度が下限になる。
離型層には、さらに既知の添加剤が含まれていてもよい。既知の添加剤としては、例えば、充填剤、滑剤(ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなど)、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤など)、難燃剤、粘度調整剤、増粘剤、消泡剤、紫外線吸収剤などが含まれていてもよい。
本発明における離型層には、上記樹脂以外に架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、イソシアネート系、カルボジイミド系、エポキシ系、メラミン系、金属キレート系などを使用することができる。離型層に用いる樹脂に反応性の官能基を有する場合は、架橋剤を併用することでポリエステルフィルムとの密着性を向上させることができるため好適である。
本発明における離型層の膜厚は、0.01μm以上、5μm以下であることが望ましい。より望ましくは、0.02μm以上、1μm以下である。さらに好ましくは0.02μm以上、0.2μm以下である。0.01μm以上であると、離型性が得られて好ましい。一方、5μm以下であると、フィルムのカールのおそれがなく、コスト的にも有利となり好ましい。
本発明の離型層の表面自由エネルギーγsは特に限定されないが、表面自由エネルギーの極性成分γspと水素結合成分γshの合計が8mJ/m以下であることが好ましく、5mJ/m以下の方がさらに好ましく、2mJ/m以下がさらに好ましい。表面自由エネルギーの極性成分γspと水素結合成分γshの合計が8mJ/m以下であると、150℃以上での熱圧着工程を経た後でも離型性が損なわれることがなく好ましい。表面自由エネルギーの極性成分γspと水素結合成分γshの合計の下限としては、0mJ/mのものも製造可能である。
本発明の固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムは、160℃で30分熱処理した後の熱収縮率が0.8%以下であることが好ましい。より好ましくは0.6%以下であり、更に好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.4%以下であり、最も好ましくは0.3%以下である。本発明でいう熱収縮率とは、後述の測定法によって、試料フィルムの縦方向と横方向のデータをそれぞれ採取して、そのうち大きいデータを採用するものである。熱収縮率が0.8%以下であると、150℃以上の高温での熱成型であっても、高分子電解質膜や触媒層に割れなどがなく成型できるので好ましい。但し、熱収縮率の下限値は、若干のマイナスデータとなる場合もあり、例えば-1.0%以上であれば好ましい。最も好ましくは±0%であると言える。
本発明における離型層は、高温で熱処理されても離型性を有するため、150℃で10分熱処理を行った場合でも離型性が良好であることが好ましい。またさらに170℃で10分熱処理を行った場合でも離型性を保つことができるとさらに好ましい。そのため、離型層には前記樹脂の中でも耐熱性に優れる材料を使うことが好ましい。
本発明の離型層を設ける手段としては特に限定されないが、ポリエステルフィルムに溶液塗工することで設けることが好ましい。溶液塗工で設けることで、平滑な離型層を設けることができ、かつオフラインでのアニール処理を同時にすることができコスト的にもメリットがある。
本発明の離型剤を塗工する場合の溶剤は特に限定されないず既知の溶剤を使用することができる。溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソロブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソロブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソロブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。
離型層を設ける塗工方式は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、グラビアコート法、ダイコート法、リバースコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、バーコート法などが挙げられる。
離型剤を塗工した後の乾燥温度は、90℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。特にオフラインでアニール処理を実施する場合は、130℃以上が必要であり、より好ましくは150℃以上である。乾燥温度の上限は、200℃以下が好ましく、さらに好ましくは190℃以下である。前記温度をかける時間は、3秒以上、120秒以下であることが好ましく、5秒以上90秒以下であることがさらに好ましい。さらに好ましくは、5秒以上60秒以下である。前記時間内とすることで、目的のアニール処理を達成し、かつ熱シワなどが良好なフィルムが得られる。
オフラインでアニールする場合、離型層を乾燥するときの乾燥炉内のフィルムにかかる張力は、1500mN/mm以下にすることが必要である。さらに好ましくは1000mN/mm2以下である。1500mN/mm以下に張力とすることで、フィルムに実質的に張力がかからず、目的の温度でアニール処理することができ、MD方向の160℃熱収縮率を0.8%以下にすることができる。なおフィルムにかかる張力は、以下の計算式から求めた。
フィルムにかかる張力(mN/mm)=乾燥炉内の張力(mN)÷フィルムの幅(mm)÷フィルムの厚み(mm)
前記、乾燥温度と乾燥炉内張力を最適に組み合わせることで目的の熱収縮率を得ることができる。より理想的の例としては、乾燥温度150℃以上、乾燥・アニール時間10秒以上、乾燥炉内張力800mN/mm以下である。これらの条件を組み合わせることで、160℃30分熱処理後の熱収縮率は0.6%以下となり、固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムとして好適に使用することができる。
本発明の離型フィルムの離型層表面の表面抵抗値は、1×1011Ω/□以下であることが必要である。さらに好ましくは、1×10Ω/□以下であり、さらに好ましくは、1×10Ω/□以下である。離型層表面の表面抵抗値を1×1011Ω/□以下にすることで触媒層や電解質膜などの被着体との静電相互作用を低減することができ、剥離性を向上させることができる。また、離型層表面の表面抵抗値の下限は特に定めなくてもよいが、1×10Ω/□以上であることが好ましい。離型層表面の表面抵抗値が1×10Ω/□以上であると、帯電防止層の加工コストがかかり過ぎず、安価な固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを提供できるため好ましい。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本発明に用いた評価方法は以下の通りである。
(表面抵抗値)
本発明の離型フィルム表面の表面抵抗値は、温度23℃、湿度55%の条件下で24時間調湿後、離型層表面の表面抵抗値を表面抵抗測定器(シムコジャパン(株)製、ワークサーフェイステスター ST-3)を用いて測定し、下記の判定基準で評価した。

◎:表面抵抗値が10~10Ω/□
○:表面抵抗値が10~10Ω/□
△:表面抵抗値が1010~1011Ω/□
×:表面抵抗値が1012Ω/□以上
(表面粗さ)
非接触表面形状計測システム(VertScan R550H-M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。領域表面平均粗さ(Sa)は、5回測定の平均値を採用し、最大突起高さ(P)は5回測定の最大値を採用した。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:50倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 187×139μm
なお、表1の(Sa)及び(P)は基材ポリエステルフィルムの離型層を積層する面のデータを示している。
(熱収縮率の測定)
離型フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、熱風オーブンにて160℃で30分熱処理を行った。熱処理後、試料フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記(1)式に従い熱収縮率を求めた。測定はn=5回行い、試料フィルムの縦方向及び横方向の熱収縮率データの各々の平均値のうち、大きい方の熱収縮率データを採用し、その離型フィルムの熱収縮率データとする。なお、熱処理前後の寸法を測定するときは、サンプルフィルムを25℃の部屋で12時間以上エージング後に測定を行った。
熱収縮率={(収縮前の長さ-収縮後の長さ)/ 収縮前の長さ}×100 (%) (1)式
(表面自由エネルギー)
表面張力が既知の水、ジヨードメタン、ブロモナフタレンの接触角を25℃、50%RHの条件下で接触角計(協和界面科学株式会社製: 全自動接触角計 DM-701)を用いて測定した。
得られた接触角データを「北崎-畑」理論より計算し離型フィルムの表面自由エネルギーの分散成分γsd、極性成分γsp、水素結合成分γshを求め、各成分を合計したものを表面自由エネルギーγsとした。本計算には、本接触角計ソフトウェア(FAMAS)内の計算ソフトを用いて行った。
(離型フィルムヘイズ)
本発明のフィルムヘイズはJIS K 7136に準拠し、濁度計(日本電色製、NDH2000)を用いて測定した。
(ガラス転移温度)
JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ製、DSC6200)を使用して、樹脂サンプル10mgを25~350℃の温度範囲にわたって20℃/minで昇温させ、DSC曲線から得られた補外ガラス転移開始温度をガラス転移温度とした。
(ナノ粒子の1次粒径)
ナノ粒子の1次粒径の測定方法は、加工後のフィルムの断面の粒子を透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で観察を行い、凝集していない粒子100個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とする方法で行った。粒子の形状が球状以外である不定形の粒子の1次粒径は円相当径として計算することができる。円相当径は、観察された粒子の面積をπで除し、平方根を算出し2倍した値である。
(転写性)
転写性については、以下の方法で行った。20%Nafion(登録商標)Dispersion Solution DE2021 CS type(和光純薬工業社製)の固形分とカーボンブラック(CABOT社製、VERCANX72R)を質量比で1/9になるように混合し、総固形分が15%になるようにイソプロパノール/水(質量比8/2)で調整後、遠心攪拌機にて分散を行い擬似触媒層用スラリーを得た。得られた擬似触媒層スラリーをアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が10μmになるように離型フィルムの上に塗工し、熱風オーブンで90℃2分乾燥を行った。その後、熱風オーブンで150℃15分間熱処理後に室温に戻した後にメンディングテープを用いてメンディングテープが180°の角度で剥離した。転写性を以下の基準で評価した。

○:離型フィルム上に擬似触媒層は残らなかった。
△:離型フィルム上に擬似触媒層はうっすらと残った。
(白色台紙上で観察すると擬似触媒層が残っていることがなんとか認識できるレベル)
×:離型フィルム上に擬似触媒層はうっすらと残った。
(白色台紙上で観察すると黒く残った擬似触媒層がはっきりと認識できるレベル)
(触媒層の割れ性評価)
触媒層の割れなどの外観評価は以下のように行った。まず、20%Nafion(登録商標)Dispersion Solution DE2021 CS type(和光純薬工業社製)の固形分と、カーボンブラック(CABOT社製、VERCANX72R)を質量比で2/8になるように混合し、遠心攪拌機にて分散を行い擬似触媒層用スラリーを得た。得られた擬似触媒層スラリーをアプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるように離型フィルムの上に塗工し、熱風オーブンで90℃1分乾燥を行った。作成した擬似触媒層付き離型フィルムを10cm×10cmの大きさに裁断し熱風オーブンで150℃、10分間熱処理し擬似触媒層の状態を以下の基準で評価した。

○:擬似触媒層にひび割れがなく良好
△:擬似触媒層の一部(全面積の10%未満)にひび割れなどの外観不良が見られた
×:擬似触媒層の大部分(全面積の10%以上)にひび割れなどの外観不良が見られた

さらに高温での加工性についても評価するため、上記と同様の擬似触媒層付き離型フィルムを170℃、10分間熱処理し擬似触媒層の状態について、転写性と触媒層の割れ性を評価した。評価基準は上記基準と同じとした。
樹脂(A)を含む溶液については以下のように調整した。
(樹脂溶液A-1)
環状ポリオレフィン系樹脂のTOPAS(登録商標)6017S(ポリプラスチックス社製)をトルエンに固形分が10質量%になるように投入し、冷却管付きのフラスコでトルエンが還流するまで加熱し、前記樹脂のトルエン溶液を得た。
(樹脂溶液A-2)
乾燥した300mLの2口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、ジメチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート8.1mg、トルエン235.7mL、7.5mol/Lの濃度でノルボルネンを含有するトルエン溶液7.0mL、1-オクテン3.3mL、トリイソブチルアルミニウム2mLを添加して、反応溶液を25℃に保持した。この溶液とは別個に、グローブボックス中で、触媒として、92.9mgの(t-ブチルアミド)ジメチル-9-フルオレニルシランチタンジメチル[(t-BuNSiMe2Flu)TiMe2]をフラスコに入れ、5mLのトルエンに溶解させた。この触媒溶液2mLを300mLフラスコに加えて重合を開始した。2分後に2mLのメタノールを添加して反応を終了させ、得られた反応混合物を塩酸で酸性に調整した大量のメタノール中に入れ沈殿物を析出させた後に、濾別、洗浄後、乾燥して、2-ノルボルネン・1-オクテン共重合体を5.0g得た。得られた共重合体の数平均分子量Mnは121,000、ガラス転移温度(Tg)は268℃、動的貯蔵弾性率(E’)が-20℃付近に転移点を有し、2-ノルボルネンと1-オクテンとの組成(モル比)は、前者/後者=83/17であった。得られた環状ポリオレフィンの共重合体をトルエンに固形分10質量%になるように溶解した。
(帯電防止層塗液 AS-1)
以下の組成で塗液を調整した。
水 34.47質量部
イソプロピルアルコール 51.20質量部
ポリエステル樹脂 1.00質量部
(バイロナール(登録商標)MD1500、東洋紡社製、固形分30質量%)
PEDOT/PSS/PTS分散液 13.30質量部
(ベラゾール(登録商標)WED-SM、綜研化学社製、固形分1.5質量%)
界面活性剤(サーフィノールダイノール604、日信化学工業社製) 0.03質量部
(帯電防止層塗液 AS-2)
以下の組成で塗液を調整した。
水 28.7質量部
イソプロピルアルコール 43.0質量部
シリケート加水分解液 15.0質量部
(コルコート(登録商標)N-103X、コルコート社製、固形分2質量%)
PEDOT/PSS/PTS分散液 13.3質量部
(ベラゾール(登録商標)WED-SM、綜研化学社製、固形分1.5質量%)
(帯電防止層塗液 AS-3)
以下の組成で塗液を調整した。
水 30.0質量部
イソプロピルアルコール 45.0質量部
シリケート加水分解液 25.0質量部
(コルコート(登録商標)N-103X、コルコート社製、固形分2質量%)
(帯電防止層塗液 AS-4)
以下の組成で塗液を調整した。
水 40.6質量部
イソプロピルアルコール 58.4質量部
カチオン系アクリル樹脂 1.0質量部
(エレコンドPQ-10、綜研化学社製、固形分50質量%)
(実施例1)
幅1000mm、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名E5100、東洋紡社製)に、帯電防止層塗液AS-1をグラビアコート法にてコロナ面に乾燥後の膜厚で40nmになるように塗工後、120℃で5秒間乾燥した。その後、前記帯電防止層の上に、下記離型剤B-1をグラビアコート法にて乾燥後の膜厚が100nmになるように塗工し170℃で9秒間乾燥させた。このとき乾燥炉内の張力は40N/m(単位は幅1m当たりの張力(N))になるように調整し、アニール処理も同時に行うことで、固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(離型剤B-1)
トルエン 60.0質量部
テトラヒドロフラン 20.0質量部
樹脂溶液A-1 20.0質量部
(実施例2)
帯電防止層塗液をAS-2に変更した以外は、実施例1と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例3)
帯電防止層塗液をAS-3に変更した以外は、実施例1と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例4)
帯電防止層塗液をAS-4に変更した以外は、実施例1と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例5)
離型剤B-1を下記B-2に変更した以外は、実施例2と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(離型剤B-2)
トルエン 79.5質量部
樹脂溶液A-1 20.0質量部
ナノシリカ粒子分散液 2.5質量部
(日産化学工業社製 TOL-ST 粒径10nm 固形分40質量%)
(樹脂(A)/ナノ粒子(B)=100質量部/50質量部)
(実施例6)
離型剤B-1を下記B-3に変更した以外は、実施例2と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(離型剤B-3)
トルエン 79.5質量部
樹脂溶液A-1 20.0質量部
ナノシリカ粒子分散液 5.0質量部
(日産化学工業社製 TOL-ST 粒径10nm 固形分40質量%)
(樹脂(A)/ナノ粒子(B)=100質量部/100質量部)
参考例7
離型層加工時の乾燥条件を120℃、30秒に変更し、乾燥炉内の張力を120N/m(単位は幅1m当たりの張力(N))に変更した以外は、実施例5と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例8)
離型層加工時の乾燥温度を130℃に変更した以外は、実施例5と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(実施例9)
樹脂溶液をA-1からA-2に変更した以外は、実施例2と同様に加工することで固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(比較例1)
帯電防止層を設けなかったこと以外は実施例2と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
(比較例
帯電防止層をポリエステルフィルムの離型層を塗工する面とは反対側に設けたこと以外は実施例2と同様にして固体高分子型燃料電池部材成型用離型フィルムを得た。
実施例、比較例の評価結果を表1にまとめた。
Figure 0007133893000001
帯電防止層をポリエステルフィルムと離型層の間に積層し離型性を向上させた離型フィルムを提供することで、固体高分子型燃料電池に用いられる触媒層や電解質膜などの構成部材成型用離型フィルムとして好適に利用することができる。本発明による固体高分子型燃料電池成型用離型フィルムを用いることで、膜強度が弱い触媒層や電解質膜であっても転写性が良く、比較的安価に性能の良い燃料電池を製造することができる。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止層、離型層の順に積層されている離型フィルムであって、160℃で30分処理したときの熱収縮率が0.8%以下であり、離型フィルム表面の表面固有抵抗が1×10Ω/□以上、1×10Ω/□以下であり、
    離型フィルムのヘイズは、0.2%以上10%以下であり、
    離型層は、ガラス転移温度が130℃以上である環状ポリオレフィン系の樹脂を含み
    (ただし、離型層はシリコーン樹脂を含まない)、
    前記離型フィルムは、乾燥温度150℃以上、張力800mN/mm以下の条件でアニールされたフィルムである
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
  2. ポリエステルフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
  3. 離型層表面の表面自由エネルギーの極性成分と水素結合成分を合計した値が8mJ/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
  4. 離型層にナノ粒子を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
  5. 離型層に含まれるナノ粒子の1次粒径が1nm以上100nm以下である、請求項4に記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
  6. 前記ポリエステルフィルムの離型層を積層する面の領域表面平均粗さ(Sa)は、1~50nmであり、かつ、最大突起高さ(P)は、2μm以下である、請求項1~5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池成型用離型フィルム。
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