JP7000754B2 - 高周波処置具用先端処置具、及び、医療用の高周波処置具 - Google Patents
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Description
それぞれライン状の形状の電極が形成され、共通の回転軸において軸支されて相互に開閉可能となっており、前記生体組織を剪断又は挟持して高周波切除する一対の開閉部により構成された先端処置部を備え、
前記一対の開閉部が閉じた状態で、前記回転軸の軸方向に視たときの前記先端処置部の先端側の部分の形状が、先端から基端に向けて幅広になった後、幅狭になる形状である高周波処置具用先端処置具を提供するものである。
本実施形態に係る医療用の高周波処置具の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
先ず、図1から図6を用いて第1実施形態を説明する。
図2及び図3に示す側面図では、シース70において図示した範囲のうち、基端側の部分については、中心線に沿った側断面を示している。
以下の説明において、先端処置部10の先端方向とは、回転軸(軸部材61)の軸中心61aから先端処置部10(開閉部10a、10b)の先端(図2における先端処置部10の左端)に向かう方向のことであり、先端処置部10の基端方向とは、その逆方向のことである。したがって、先基端方向とは、図2における左右方向である。
本実施形態に係る高周波処置具用先端処置具100としては、一対のカップ状の開閉部を有する生検鉗子を除く。
高周波処置具用先端処置具100は、一対の開閉部10a、10bにより構成された先端処置部10を備えている。一対の開閉部10a、10bにはそれぞれライン状(線状)の形状の電極52が形成されている。なお、ライン状の形状の電極52とは、一対のカップ状の開閉部を有する生検鉗子にみられるような環状又はU字状の電極ではない。なお、電極52は、部分ごとに高低差が存在していたり、蛇行していたりしてもよい。
一対の開閉部10a、10bは、共通の回転軸(図2、図3に示す軸部材61)において軸支されて相互に開閉可能となっており、生体組織を剪断又は挟持して高周波切除する。
一対の開閉部10a、10bは、板状又は棒状の形状であり、カップ状の形状ではない。
一対の開閉部10a、10bが閉じた状態で、上記回転軸の軸方向(図2の紙面に対して直交する方向)に視たときの先端処置部10の先端側の部分の形状が、先端から基端に向けて幅広になった後、幅狭になる形状である。ここでいう幅広又は幅狭とは一対の開閉部10a、10bの開き方向(図2における上下方向)において幅広又は幅狭という意味である。
換言すれば、一対の開閉部10a、10bが閉じた状態で、上記回転軸の軸方向(図2の紙面に対して直交する方向)に視たときの先端処置部10の先端側の部分の形状が、基端から先端に向けて幅広になった後、幅狭になる形状である。
先端処置部10とは、一対の開閉部10a、10bにおいて上記回転軸(軸部材61)よりも先端側に位置する部分であり、本実施形態の場合、一対の開閉部10a、10bにおいて、保持枠80のブラケット82から先端側に突出している部分が先端処置部10である。
また、先端処置部10が内視鏡300の鉗子孔(不図示)の周壁に対してほぼ点接触するため、高周波処置具用先端処置具100を鉗子孔内で前進させる動作をスムーズにすることができる。
また、一対の開閉部10a、10bどうしを開いた状態で回転操作することもあり、その場合に、一対の開閉部10a、10bと、これら一対の開閉部10a、10bの背後に位置する生体組織と、の干渉を抑制できる。
一対の開閉部10a、10bの各々は、生体組織を剪断する刃部50をそれぞれ有している。
より詳細には、一対の開閉部10a、10bの各々は、一対の開閉部10a、10bの各々の基端側に形成されていて上記回転軸において軸支されている基端片20と、一対の開閉部10a、10bの各々の先端に形成されている先端爪部40と、一対の開閉部10a、10bの各々における先端爪部40と基端片20との間に形成されている刃部50と、を有する。刃部50には上記のライン状の電極52が形成されている。
一対の開閉部10a、10bの回転軸の軸方向は、一対の開閉部10a、10bの板面に対して直交する方向であり、一対の開閉部10a、10bが開閉する際には、一対の開閉部10a、10bの互いの対向面16(図5参照)の一部分どうしが摺動する。
一対の開閉部10a、10bは、操作ワイヤ68の押し引きにより開閉駆動される。操作ワイヤ68は、ステンレス鋼などの導電性の金属材料で作製されている。
各軸部材62、63、64の軸方向は、軸部材61の軸方向に対して平行な方向である。
一対の開閉部10a、10bおよびリンク片65、66は、図2及び図3に示す平面内(軸部材61の軸方向に対して直交する平面内)で相対的に回動する。
一対の開閉部10a、10bの基端片20と、リンク片65、66とにより菱形の四節リンクが構成されている。
なお、軸部材62、63は、軸部材64よりも先端側に位置しており、軸部材61は、軸部材62、63よりも先端側に位置している。
保持枠80は、シース70の先端に固定されている基端部81と、基端部81から先端側に突出している一対のブラケット82と、を備えている。
ブラケット82は、例えば板状に形成されている。
一対の開閉部10a、10bは、一対のブラケット82の先端部に対して、軸部材61により軸支されている。
一対のブラケット82どうしの間隙において、一対の開閉部10a、10bの基端片20と、リンク片65、66がそれぞれ回転可能となっているとともに、進退部67においてシース70から先端側に突出している部分が進退可能となっている。
先端爪部40は、生体組織に食い込む突起である。
先端片30において先端爪部40よりも基端側の部分における閉じ方向側の端縁(エッジ)に沿って、刃部50が形成されている。
一対の開閉部10a、10bの先端爪部40により生体組織を抱えるように保持して生体組織の脱落を防止した状態で、一対の開閉部10a、10bの刃部50により生体組織を切開することができるようになっている。
絶縁性被膜12は、たとえばフッ素樹脂などの絶縁性材料を開閉部10a、10bの表面にコーティングして形成することができる。
絶縁性被膜12の膜厚は、先端処置部10において最も幅広の部分における膜厚が、局部的に、他部における膜厚よりも厚くなっていてもよい。このようにすることにより、先端処置部10が内視鏡300の鉗子孔(不図示)の周壁に対してほぼ点接触して進退する際にも、先端処置部10において最も幅広の部分における絶縁性被膜12の剥離を抑制できて、当該部分における金属素地の露出を抑制できる。
電極52は、刃部50において絶縁性被膜12から露出した線状の部分である。一対の開閉部10a、10bは、給電部91から同位相の高周波電圧が印加されてモノポーラ型の高周波電極となる。一対の開閉部10a、10bで生体組織を把持した状態で高周波電流を一対の開閉部10a、10bに印加することにより、生体組織は焼灼されて切開される。なお、本実施形態に代えて、一対の開閉部10a、10bの一方をアクティブ電極とし、他方をリターン電極とするバイポーラ型の高周波処置具200としてもよい。
電極52は、例えば、先端爪部40における基端側の縁辺、低段部55、及び、高段部54の基端部に位置する電極基端位置52aに亘って、連続的に形成されている。
より詳細には、先端処置部10の全体が、先端から基端に向けて図2の上方及び下方の双方に向けて徐々に幅広になった後、徐々に幅狭になる形状である。つまり、先端処置部10において、図2の上下方向に最も幅広の部分よりも基端側の部分は、徐々に単調に幅狭となっている。
本実施形態の場合、一対の開閉部10a、10bの各々にストッパー部11が形成されており、開閉部10aのストッパー部11が開閉部10bの刃部50に当接するとともに、開閉部10bのストッパー部11が開閉部10aの刃部50に当接することで、一対の開閉部10a、10bの閉動作が規制される。
ストッパー部11において、他方の開閉部(開閉部10a又は10b)側を向く部位は、平坦面11aとなっている。
図4に示すように、基端片20において段差部23よりも基端側の部位と先端側の部位との厚みの差は、リンク片65、66の厚みよりも若干大きい程度に設定されているか、又は、リンク片65、66の厚みと同等に設定されている。
このような構成によって、内視鏡300の先端から先端処置部10を突出させ、一対の開閉部10a、10bを開いて処置を行なう際に、内視鏡300の先端に対する一対の開閉部10a、10bの干渉をより一層抑制することができる。
同様に、一対の開閉部10a、10bどうしを開いた状態で回転操作する場合に、一対の開閉部10a、10bと、これら一対の開閉部10a、10bの背後に位置する生体組織と、の干渉をより一層抑制できる。
一対のブラケット82の各々の先端部において、一対のブラケット82の各々の対向面82aに対する裏面である外面82bが平坦に形成されている。しかも、一対のブラケット82の各々の先端部の外面82bどうしの距離が、ブラケット82の基端部の外面どうしの距離よりも小さい。つまり、ブラケット82の先端部は、外面側が削られて平坦となったような形状となっている。
このため、ブラケット82と生体組織や鉗子孔の周壁との干渉を抑制することができる。また、ブラケット82に対する塗装が容易であるという効果も得られる。
これにより、先端処置部10が内視鏡300の鉗子孔(不図示)の周壁に対してよりスムーズに滑動できるため、高周波処置具用先端処置具100を鉗子孔内で前進させる動作をスムーズにすることができる。
境界部15はR面取り形状であることが好ましい。
これにより、先端処置部10が内視鏡300の鉗子孔(不図示)の周壁に対してよりスムーズに滑動できるため、高周波処置具用先端処置具100を鉗子孔内で前進させる動作をスムーズにすることができる。
境界部17もR面取り形状であることが好ましい。
次に、図7から図9を用いて第2実施形態を説明する。
本実施形態に係る高周波処置具200及び高周波処置具用先端処置具100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る高周波処置具200及び高周波処置具用先端処置具100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る高周波処置具200及び高周波処置具用先端処置具100と同様に構成されている。
一対の開閉部10a、10bが閉じた状態で、対向面56と対向面57とは一対の開閉部10a、10bの開閉方向において互いに重なり合うようになっている。
一対の開閉部10a、10bは、対向面56、57により生体組織を挟持するように構成されている。
開閉部10bは、先端爪部40を有していない分、開閉部10aよりも短く形成されている。図7に示すように一対の開閉部10a、10bが閉じた状態で、開閉部10aの先端爪部40における基端側の面が、開閉部10bの先端面に対して当接又は近接するようになっている。
また、本実施形態の場合も、先端処置部10の先端側の部分は、電極52の形成領域の基端よりも先端側の部分である。
また、本実施形態の場合も、先端処置部10の先端側の部分は、先端処置部10の先基端方向における中間位置よりも先端側の部分である。
また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。
(1)医療用の高周波処置具の先端部に設けられ、内視鏡の鉗子孔に挿入して用いられて生体組織を切開する高周波処置具用先端処置具であって、
それぞれライン状の形状の電極が形成され、共通の回転軸において軸支されて相互に開閉可能となっており、前記生体組織を剪断又は挟持して高周波切除する一対の開閉部により構成された先端処置部を備え、
前記一対の開閉部が閉じた状態で、前記回転軸の軸方向に視たときの前記先端処置部の先端側の部分の形状が、先端から基端に向けて幅広になった後、幅狭になる形状である高周波処置具用先端処置具。
(2)前記先端処置部の前記先端側の部分は、前記電極の形成領域の基端よりも先端側の部分である(1)に記載の高周波処置具用先端処置具。
(3)前記先端処置部の前記先端側の部分は、前記先端処置部の先基端方向における中間位置よりも先端側の部分である(1)又は(2)に記載の高周波処置具用先端処置具。
(4)前記一対の開閉部の基端部を前記回転軸の軸方向における両側から挟持しているとともに前記回転軸において軸支している一対のブラケットを備え、
前記一対の開閉部が閉じた状態で、先基端方向と前記軸方向との双方に対して直交する方向において、前記先端処置部の基端部の寸法が、前記ブラケットの寸法よりも小さい(1)から(3)のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具。
(5)前記一対の開閉部の開き方向側の縁部と外面との境界部が面取り形状とされている(1)から(4)のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具。
(6)前記一対の開閉部の基端部を前記回転軸の軸方向における両側から挟持しているとともに前記回転軸において軸支している一対のブラケットを備え、
前記一対のブラケットは、当該ブラケットの先端部において前記一対の開閉部を挟持及び軸支しており、
前記一対のブラケットの各々の先端部において、前記一対のブラケットの各々の対向面に対する裏面である外面が平坦に形成されており、
且つ、
前記一対のブラケットの各々の先端部の外面どうしの距離が、前記ブラケットの基端部の外面どうしの距離よりも小さい(1)から(5)のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具。
(7)(1)から(6)のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具を先端部に有し、基端側には、前記一対の開閉部の開閉操作を行うための操作部を有する医療用の高周波処置具。
10a、10b 開閉部
11 ストッパー部
11a 平坦面
12 絶縁性被膜
13 縁部
14 外面
15 境界部
16 対向面
17 境界部
19 基端部
20 基端片
23 段差部
30 先端片
40 先端爪部
50 刃部
52 電極
52a 電極基端位置
54 高段部
55 低段部
56、57 対向面
61、62、63、64 軸部材
61a 軸中心
65、66 リンク片
67 進退部
68 操作ワイヤ
70 シース
71 コイル
72 絶縁性被膜
80 保持枠
81 基端部
82 ブラケット
82a 対向面
82b 外面
90 手元操作部(操作部)
91 給電部
92 指掛リング
93 スライダ
94 回転操作部
95 軸部
100 高周波処置具用先端処置具
200 医療用の高周波処置具
300 内視鏡
310 フード
Claims (6)
- 医療用の高周波処置具の先端部に設けられ、内視鏡の鉗子孔に挿入して用いられて生体組織を切開する高周波処置具用先端処置具であって、
それぞれライン状の形状の電極が形成され、共通の回転軸において軸支されて相互に開閉可能となっており、前記生体組織を剪断又は挟持して高周波切除する一対の開閉部により構成された先端処置部を備え、
前記一対の開閉部が閉じた状態で、前記回転軸の軸方向に視たときの前記先端処置部の先端側の部分の形状が、先端から基端に向けて幅広になった後、幅狭になる形状であり、
前記先端処置部の前記先端側の部分は、前記先端処置部の先基端方向における中間位置よりも先端側の部分である高周波処置具用先端処置具。 - 前記先端処置部の前記先端側の部分は、前記電極の形成領域の基端よりも先端側の部分である請求項1に記載の高周波処置具用先端処置具。
- 前記一対の開閉部の基端部を前記回転軸の軸方向における両側から挟持しているとともに前記回転軸において軸支している一対のブラケットを備え、
前記一対の開閉部が閉じた状態で、先基端方向と前記軸方向との双方に対して直交する方向において、前記先端処置部の基端部の寸法が、前記ブラケットの寸法よりも小さい請求項1又は2に記載の高周波処置具用先端処置具。 - 前記一対の開閉部の開き方向側の縁部と外面との境界部が面取り形状とされている請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具。
- 前記一対の開閉部の基端部を前記回転軸の軸方向における両側から挟持しているとともに前記回転軸において軸支している一対のブラケットを備え、
前記一対のブラケットは、当該ブラケットの先端部において前記一対の開閉部を挟持及び軸支しており、
前記一対のブラケットの各々の先端部において、前記一対のブラケットの各々の対向面に対する裏面である外面が平坦に形成されており、
且つ、
前記一対のブラケットの各々の先端部の外面どうしの距離が、前記ブラケットの基端部の外面どうしの距離よりも小さい請求項1から4のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の高周波処置具用先端処置具を先端部に有し、基端側には、前記一対の開閉部の開閉操作を行うための操作部を有する医療用の高周波処置具。
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