本発明に係るカートリッジ、及び電子写真画像形成装置を、図面を用いて説明する。以下、電子写真画像形成装置として、レーザービームプリンターを例に挙げ、カートリッジとして、レーザービームプリンターに用いられるプロセスカートリッジを例に挙げて説明する。なお、以下の説明において、プロセスカートリッジの短手方向とは、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体へ着脱する方向であり、記録媒体の搬送方向と一致している。また、プロセスカートリッジの長手方向とは、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱する方向と実質的に直交する方向であり、像担持体の回転軸線と平行であり、且つ、記録媒体の搬送方向と交差する方向である。また、説明文中の符号は、図面を参照するためのものであって、構成を限定するものではない。
(1)電子写真画像形成装置の説明
まず、図1乃至図4を用いて、本発明の一実施例を適用したプロセスカートリッジが用いられる電子写真画像形成装置について説明する。以下の説明において、電子写真画像形成装置本体(以下、「装置本体A」と称する。)とは、電子写真画像形成装置の内、プロセスカートリッジ(以下、「カートリッジB」と称する。)を除いた部分の事である。ここで、カートリッジBは、装置本体Aに着脱可能(装着可能、または取り外し可能)に構成されている。図1は、電子写真画像形成装置の側断面説明図である。図2は、装置本体Aの斜視説明図である。図3は、カートリッジBの斜視説明図である。図4は、カートリッジBを装置本体Aに装着する動作の斜視説明図である。
図1に示すように、装置本体Aは、画像形成時において、光学手段1から画像情報に応じたレーザー光Lを、像担持体(回転体)であるドラム形状の電子写真感光体10(以下、「感光ドラム10」と称する。)の表面へ照射する。これによって、感光ドラム10に画像情報に応じた静電潜像が形成可能である。この静電潜像は、後述の現像ローラ13によって現像剤tで現像される。その結果、感光ドラム10上に現像剤像が形成される。
そして、前記現像剤像の形成と同期して、記録媒体2を収容した給紙トレイ3a先端のリフトアッププレート3bが上昇し、記録媒体2は給紙ローラ3c、分離パット3d及びレジストローラ対3e等によって搬送される。
転写位置には、転写手段としての転写ローラ4が配置されている。そして、この転写ローラ4に現像剤像と逆極性の電圧を印加する。これによって、感光ドラム10表面に形成された現像剤像を記録媒体2に転写する。ここで、記録媒体2とは、現像剤による画像を形成されるものであって、例えば、記録紙、ラベル、OHPシートである。
現像剤像が転写された記録媒体2は、搬送ガイド3fを介して定着手段5へ搬送される。定着手段5は、駆動ローラ5a、及びヒータ5bを内蔵した定着ローラ5cを備えている。そして、定着手段5は、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して、記録媒体2に転写された現像剤像を記録媒体2に定着する。これによって、記録媒体2に画像が形成される。
その後、記録媒体2は、排出ローラ対3gによって搬送されて、本体カバー8の排出部8cへ排出される。給紙ローラ3c、分離パット3d、レジストローラ対3e、搬送ガイド3f、及び排出ローラ対3g等が記録媒体2の搬送手段を構成する。
次に、図2乃至図4を用いて、装置本体Aに対するカートリッジBの装着、及び取り外しの方法について説明する。なお、以下の説明において、装置本体Aから感光ドラム10に回転力が伝達される側を「駆動側」と称する。そして、感光ドラム10の回転軸線方向において駆動側と反対側を「非駆動側」と称する。
図2に示すように、装置本体Aには、カートリッジBを設置するための空間である設置部7が設けられている。カートリッジBがこの空間に配置された状態で、カートリッジBのカップリング部材180が、装置本体Aの本体側係合部100に係合(連結)する。そして、本体側係合部100から、カップリング部材180を介して、感光ドラム10に回転力が伝達される(詳細は後述する)。
図2(a)に示すように、装置本体Aの駆動側には、本体側係合部100と駆動側ガイド部材120が設けられている。この駆動側ガイド部120には、カートリッジBの着脱をガイドする第一ガイド部120aと第二ガイド部120bが設けられている。また、図2(b)に示すように、装置本体Aの非駆動側には、非駆動側ガイド部材125が設けられている。この非駆動側ガイド部125には、カートリッジBの着脱をガイドする第一ガイド部125aと第二ガイド部125bが設けられている。なお、駆動側ガイド部材120と非駆動側ガイド部材125は、設置部7を挟んで装置本体A内側の駆動側、非駆動側両側面に対向して設けられている。
一方、図3(a)に示すように、カートリッジBの駆動側に、感光ドラムユニットU1を回転可能に支持するためのドラム軸受30が設けられている。そして、このドラム軸受30に駆動側被支持部30bが設けられている。更に、カートリッジBの駆動側において、クリーニング枠体21に駆動側回転止め部21eが設けられている。また、図3(b)に示すように、カートリッジBの非駆動側において、クリーニング枠体21に非駆動側被支持部21fと非駆動側ガイド部21gが設けられている。
図4を用いて、装置本体Aに対するカートリッジBの装着について説明する。装置本体Aに対して開閉可能な本体カバー8が、ヒンジ部8a、ヒンジ部8bを中心にして矢印8u方向へ回動して開かれる。これによって、装置本体A内の設置部7が露出する。そして、カートリッジBを、カートリッジB内の感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に直交する方向(図4矢印X1方向)に移動させて、装置本体A(設置部7)に装着する。この装着過程において、カートリッジBの駆動側においては、駆動側被支持部30bと駆動側回転止め部21eが、それぞれ駆動側ガイド部120の第一ガイド部120aと第二ガイド部120bにガイドされる。同様に、カートリッジBの非駆動側においては、非駆動側被支持部21fと非駆動側ガイド部21gが、それぞれ非駆動側ガイド部125の第一ガイド部125aと第二ガイド部125bにガイドされる。その結果、カートリッジBは、設置部7に設置される。その後、本体カバー8が矢印8d方向へ回動して閉じられることによって、装置本体Aに対してカートリッジBの装着が完了する。また、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際には、本体カバー8を開いて取り外し動作を行なう。これらの動作は、使用者によって行われ、使用者はカートリッジBの取っ手Tを把持してカートリッジBを移動させる。
本実施例では、カートリッジBが設置部7に設置されることを、「カートリッジBが装置本体Aに装着される」と称する。また、カートリッジBが設置部7から取り外されることを、「カートリッジBが装置本体Aから取り外される」と称する。更に、設置部7に設置されたカートリッジBの装置本体Aに対する位置を、「装着完了位置」と称する。
なお、上述の説明では、カートリッジBの装着形態に関して、使用者自身でカートリッジBを設置部7まで挿入させる構成を例に挙げて説明したが、その限りではない。例えば、使用者がカートリッジBを途中まで挿入させて、途中からはカートリッジBの自重によって設置部7に挿入されるようにするなど、最終の装着動作を別の手段で行ってもよい。
ここで「実質的に直交」の意味について説明する。
カートリッジBと装置本体Aとの間には、カートリッジBをスムーズに着脱する為に、長手方向に若干の隙間を持たせてある。よって、カートリッジBを装置本体Aに装着する際、及び取り外す際に、カートリッジB全体がその隙間の範囲内で若干斜めになることもあり得る。したがって、厳密には直交方向からの装着及び取り外しではないこともあり得る。しかし、そういった場合でも、本発明の作用効果は達成可能であるため、カートリッジが若干斜めになった場合も含めて、「実質的に直交」と称する。
(2)プロセスカートリッジの概略説明
次に、図5乃至図8を用いて、本発明の一実施例を適用したカートリッジBについて説明する。図5は、カートリッジBの断面説明図である。図6は、第一枠体ユニット18の斜視説明図である。図7は、第二枠体ユニット19の斜視説明図である。図8は、第一枠体ユニット18と第二枠体ユニット19の結合説明図である。
図5に示すように、カートリッジBは、感光層を有する感光ドラム10を備えている。感光ドラム10の表面に接触して帯電手段(プロセス手段)としての帯電ローラ11が設けられている。帯電ローラ11は装置本体Aからの電圧印加によって、感光ドラム10表面を一様に帯電する。また、帯電ローラ11は、感光ドラム10と従動回転する。この帯電した感光ドラム10に対して、光学手段1からのレーザー光Lを露光開口部12を介して露光して静電潜像を形成する。この静電潜像を後述の現像手段によって現像するように構成している。
現像剤収納容器14内に収納された現像剤tは、回転可能な現像剤搬送部材17で現像剤収納容器14の開口部14aから現像容器16内へ送り出される。現像容器16は、現像手段(プロセス手段)としての現像剤担持体(以下、現像ローラという)13を有する。この現像ローラ13は、現像剤tを担持可能な回転体として機能する。そして、この現像ローラ13は、マグネットローラ(固定磁石)13cを内蔵している。また、現像ローラ13の周面に当接して現像ブレード15が設けられている。現像ブレード15は、現像ローラ13の周面に付着する現像剤tの量を規定し、現像剤tに摩擦帯電電荷を付与する。これにより、現像ローラ13表面に現像剤層が形成される。また、吹き出し防止シート24によって、現像容器16からの現像剤tの漏出を防止している。
現像ローラ13は、現像ローラ13の長手方向両端部に設けられたスペーサーコロ13k(図6参照)によって、感光ドラム10に対して一定のクリアランスを保ちつつ、付勢バネ23a、付勢バネ23b(図8参照)により感光ドラム10に押圧されている。そして、電圧を印加された現像ローラ13を回転させて、感光ドラム10の現像領域へ現像剤tを供給する。現像ローラ13は、感光ドラム10に形成された静電潜像に応じて現像剤tを転移させることによって、感光ドラム10の静電潜像を可視像化し、感光ドラム10に現像剤像を形成する。即ち、感光ドラム10は、現像剤像(現像剤)を担持可能な回転体として機能する。
その後、感光ドラム10に形成された現像剤像は、転写ローラ4によって記録媒体2に転写される。
また、クリーニング枠体21には、クリーニング手段(プロセス手段)としてのクリーニングブレード20が、感光ドラム10の外周面に接触して配置されている。クリーニングブレード20は、その先端が感光ドラム10に弾性的に接触している。そして、クリーニングブレード20は、前記現像剤像を記録媒体2に転写した後に、感光ドラム10に残留する現像剤tを掻き落とす。クリーニングブレード20によって感光ドラム10表面から掻き落とされた現像剤tは、除去現像剤収容部21aに収納される。また、スクイシート22は、除去現像剤収容部21aからの現像剤tの漏出を防止している。
カートリッジBは、第一枠体ユニット18と第二枠体ユニット19とを一体的に結合して構成されている。ここで、第一枠体ユニット18、及び第二枠体ユニット19について説明する。
第一枠体ユニット18は、図6に示すように、現像剤収納容器14と現像容器16とで構成されている。現像剤収納容器14には、現像剤搬送部材17(不図示)等の部材が設けられている。現像容器16には、現像ローラ13、現像ブレード15、現像ローラ13両端部にあるスペーサーコロ13k、及び吹き出し防止シート24等の部材が設けられている。
第二枠体ユニット19は、図7に示すように、クリーニング枠体21、クリーニングブレード20、及び帯電ローラ11等の部材が設けられている。また、感光ドラム10を含む感光体ユニットとしての感光ドラムユニットU1が、ドラム軸受30とドラム軸54によって、回転可能に支持されている。
図8に示すように、第一枠体ユニット18の両端部の回動穴16a、回動穴16bと、第二枠体ユニット19の両端部の固定穴21c、固定穴21dは、ユニット結合ピン25a、ユニット結合ピン25bで結合されている。これにより、第一枠体ユニット18と第二枠体ユニット19は回動可能に結合されている。また、第一枠体ユニット18と第二枠体ユニット19との間に設けられた付勢バネ23a、付勢バネ23bによって、現像ローラ13は、スペーサーコロ13k(図6参照)を介して、感光ドラム10に対して一定のクリアランスを保ちつつ押圧されている。
(3)感光体ユニットの構成説明
次に、図9及び図10を用いて、感光ドラムユニットU1の構成について説明する。図9(a)は、感光ドラムユニットU1を駆動側から見た斜視説明図であり、図9(b)は、非駆動側から見た斜視説明図である。また、図9(c)は、感光ドラムユニットU1を分解した斜視説明図である。図10は、感光ドラムユニットU1を第二枠体ユニット19に組み込む状態を表した説明図である。
図9に示すように、感光体ユニットとしての感光ドラムユニットU1は、感光ドラム10、駆動側フランジユニットU2、及び非駆動側フランジ50等で構成されている。
感光ドラム10は、表面に感光層を被覆したアルミ等の導電性の部材である。なお、感光ドラム10は、内部が中空であっても、或いは、内部が中実でも構わない。
駆動側フランジユニットU2は、感光ドラム10の長手方向(回転軸線L1に沿った回転軸線方向)の駆動側の端部に配置されている。具体的には、図9(c)に示すように、駆動側フランジユニットU2は、駆動側フランジ(回転力被伝達部材(回転力伝達部材))150の嵌合支持部150bが感光ドラム10端部の開口部10a2に嵌合し、接着やカシメ等で感光ドラム10に固定される。そして、駆動側フランジ150が回転すると、感光ドラム10が一体的に回転する。ここで、駆動側フランジ150の回転軸線L151と感光ドラム10の回転軸線L1とが略同軸(同一直線上)になるように、駆動側フランジ150は感光ドラム10に固定される。
以下説明において、カートリッジBの装置本体Aへの着脱方向(装着方向または取り外し方向)は、感光ドラム10の回転軸線L1や駆動側フランジ150の回転軸線L151と実質的に直交する方向であり、更には本体側係合部100(後述)の回転軸線L101と実質的に直交する方向でもある。なお、「略同軸(略同一直線上)」とは、完全に一致した同軸(同一直線上)の場合に加え、部品寸法のばらつき等によって同軸(同一直線上)から多少ずれている場合も含む。以下説明においても、同様である。
非駆動側フランジ50は、感光ドラム10と略同軸上で、感光ドラム10の非駆動側の端部10a1に配置されている。非駆動側フランジ50は樹脂製で、図9(c)に示すように、感光ドラム10非駆動側の端部10a1に、接着やカシメ等で感光ドラム10に固定される。また、非駆動側フランジ50には、感光ドラム10を電気的に接地するために、導電性のアース板51が配置されている。アース板51は、感光ドラム10の内周面10bより大きい突起部51a、突起部51bを有している。そして、突起部51a、突起部51bが感光ドラム10の内周面10bに接することで、アース板51は感光ドラム10と電気的に接続されている。
感光ドラムユニットU1は、第二枠体ユニット19に回転可能に支持される。図10に示すように、感光ドラムユニットU1の駆動側において、駆動側フランジ150の被支持部150dがドラム軸受30の支持部30aによって回転可能に支持される。ドラム軸受30は、ビス26によりクリーニング枠体21に固定される。一方、感光ドラムユニットU1の非駆動側において、非駆動側フランジ50の軸受部50a(図9(b)参照)が、導電性のドラム軸54によって回転可能に支持される。ここで、ドラム軸54はアース板51の接触部(不図示)と接触しているため、ドラム軸54はアース板51を介して、感光ドラム10と電気的に接続されている。そして、カートリッジBが装置本体Aに装着されると、ドラム軸54が装置本体Aに設けられる本体接点部(不図示)と接触することで、感光ドラム10と装置本体Aが電気的に接続される。なお、ドラム軸54はクリーニング枠体21の非駆動側に設けられた支持部21bに圧入固定されている。
(4)駆動側フランジユニットの説明
次に、図11乃至図15を用いて、駆動側フランジユニットU2の構成について説明する。図11(a)は、駆動側フランジユニットU2を感光ドラム10に取り付けた状態を駆動側から見た斜視説明図である。図11(a)では説明のため、感光ドラム10を破線で表示し、感光ドラム10内部に隠れる部分を表示している。図11(b)は、図11(a)のS1断面を表した断面説明図であり、図11(c)は、図11(a)のS2断面を表した断面説明図である。図11(c)では説明のため、駆動側フランジ150のスライド溝150s1を破線で表示している。図12は、駆動側フランジユニットU2を分解した斜視説明図である。図13はカップリング部材180の斜視説明図である。図14はカップリング部材180の説明図である。図15(a)、図15(b)は、駆動側フランジ150の斜視説明図である。図15(c)は、図15(a)のS3断面を表した断面説明図であり、説明のため、カップリング部材180の凸部180m1、及び抜け止めピン191、抜け止めピン192を表示している。図15(d)は、カップリング部材180と駆動側フランジ150の斜視説明図である。図16は駆動側フランジ150とスライダ160、抜け止めピン191、抜け止めピン192の説明図で、図16(b)は図16(a)に示すSL153断面図である。図16では説明のため、感光ドラム10を二点鎖線で表示している。
図11及び図12に示すように、駆動側フランジユニットU2は、回転力伝達部材としての駆動側フランジ150、カップリング部材180、付勢部材170、スライダ160、及び抜け止めピン191、抜け止めピン192から構成されている。
ここで、図11に示す「L151」とは、駆動側フランジ150が回転するときの回転軸線を表しており、以下説明では、「回転軸線L151」を「軸線L151」と称する。同様に、「L181」とは、カップリング部材180が回転するときの回転軸線を表しており、以下説明では、「回転軸線L181」を「軸線L181」と称する。
カップリング部材180は付勢部材170、スライダ160とともに、駆動側フランジ150の内部に設けられている。そして、後述する構成により、スライダ160は、抜け止めピン191、抜け止めピン192によって、駆動側フランジ150に対して軸線L151方向に動かないようになっている。
本実施例では、付勢部材170は圧縮コイルバネを用いている。図11(b)、図11(c)に示すように、付勢部材170の一端部170aはカップリング部材180のバネ当接部180d1と当接し、他端部170bはスライダ160のバネ当接部160bと当接している。そして、付勢部材170はカップリング部材180とスライダ160の間で圧縮され、付勢力F170によってカップリング部材180を駆動側(矢印X9方向(カートリッジBの外部))に付勢している。なお、付勢部材としては、バネ、板バネ、トーションバネ、ゴム、スポンジ等の弾性体(弾性力を発生させるもの)であれば適宜選択することができる。但し、後述するように、カップリング部材180は、駆動側フランジ150の軸線L151に平行な方向に移動する構成であるので、付勢部材170の種類はある程度ストロークを有することが必要である。そのために、コイルバネ等のようなストロークを有することができる部材が望ましい。
次に、図13及び図14を用いて、カップリング部材180の形状について説明する。
図13に示すように、カップリング部材180は、主に、凸部180m1、凸部180m2、第一突出部180a、第二突出部180b、胴体部180c、嵌合部180h、及びバネ取付部180dから成っている。
まず、軸線L181と直交する一方向を「軸線L182」と称し、軸線L181、軸線L182の両方と直交する方向を「軸線L183」と称する。
図13及び図14に示すように、凸部180m1、凸部180m2は、軸線L182方向に沿って、胴体部180cから突出しており、凸部180m1と凸部180m2とは、軸線L181を基準として互いに180度対向した位置に設けられている。凸部180m1と凸部180m2は同形状であり、以下凸部180m1を例に形状を説明する。
図14(a)に示すように、凸部180m1は、軸線L182方向から見て、軸線L181を基準とした対称形状であり、且つ、五角形の形状である。凸部180m1において、軸線L182方向から見て、軸線L181に対して角度θ3だけ傾斜した2面を有する部分を、傾斜部または当接部としての被ガイド部180j1、被ガイド部180j2と称する。ここで、被ガイド部180j1、ガイド部180j2は、軸線L181に対して傾斜している。また、被ガイド部180j1と被ガイド部180j2とをつなぐ部分を、R形状部180t1と称する。更には、凸部180m1の軸線L183に垂直な面を、凸部端部180n1、凸部端部180n2と称する。そして、凸部180m1の軸線L182に垂直な面を、回転力伝達部180g1と称する。
なお、凸部180m2を形成する各部も、それぞれ被ガイド部180j3、被ガイド部180j4、R形状部180t2、凸部端部180n3、凸部端部180n4、回転力伝達部180g2と称する。
図14(b)に示すように、第一突出部180a、第二突出部180bは、円筒形状の胴体部180cの駆動側端部180c1から駆動側に向かって突き出た球面を有する部位であり、軸線L181を基準として互いに点対称な形状である。ここで、第一突出部180a及び第二突出部180bは、カップリング部材180の回転半径方向において、胴体部180cを含んだ部分よりも内側に形成される。
図13(a)に示すように、第一突出部180a及び第二突出部180bはそれぞれ、本体当接部180a1、本体当接部180b1、第二本体当接部180a2、第二本体当接部180b2、回転力受部180a3、回転力受部180b3、第三本体当接部180a5、第三本体当接部180b5、先端面180a4、先端面180b4から形成されている。また、回転力受部180a3、回転力受部180b3の駆動側先端部をそれぞれ、先端角部180a7、先端角部180b7とする。本体当接部180a1、本体当接部180b1はそれぞれ、第一突出部180a、第二突出部180bの外側に設けられている。第一突出部180a、第二突出部180bは、カップリング部材180が本体側係合部100に係合する際、及びカップリング部材180が本体側係合部から離脱する際に本体側係合部100と当接する部分である(詳細は後述する)。
回転力受部180a3、回転力受部180b3は、カップリング部材180の軸線L181と平行な平面を有している(図14(a))。なお、本実施例では、回転力受部180a3、回転力受部180b3は軸線L183と垂直な平面を有した形状である。ここで、回転力受部180a3、回転力受部180b3と軸線L181との距離をオフセットV1とする。また、図14(b)に示すように、第二本体当接部180a2、第二本体当接部180b2は、軸線L183方向から見て、カップリング部材180の軸線L181に対し、角度θ2をもった傾斜面である。そして、第三本体当接部180a5、第三本体当接部180b5は、軸線L183方向から見て、カップリング部材180の軸線L181に対し、角度θ1をもった傾斜面である。
ここで、本体当接部180a1、本体当接部180b1は、軸線L181の駆動側に向かうにしたがって軸線L181に近づくように構成されている。本実施例では、本体当接部180a1、本体当接部180b1は、胴体部180cの円筒とほぼ同径の球面の一部で構成されており、軸線L181の駆動側に向かうにしたがって、軸線L181に垂直な断面における外径が小さくなっている。
嵌合部180hは軸線L181を中心軸とした円筒形状を有し、保持部材(移動部材)としてのスライダ160の円筒部160a(図11(b)、図11(c)参照)によって殆ど隙間なく嵌合支持されている(詳細は後述する)。ここで、円筒部160aはカップリング部材180を保持するための保持部として機能する。バネ取付部180dは、図13に示すように、嵌合部180hの非駆動側端部に設けられている。バネ取付部180dには、付勢部材170の一端部170aと当接するバネ当接部180d1が設けられており、バネ当接部180d1は、カップリング部材180の軸線L181と略直交する面である。
次に、図15を用いて、駆動側フランジ150の形状について説明する。
図15に示すように、駆動側フランジ150には、感光ドラム10の内周面10bに嵌合する嵌合支持部150b、ギア部150c、ドラム軸受30に回転可能に支持される支持部150d等が設けられている。
ここで、軸線L151と直交する一方向を「軸線L152」と称し、軸線L151、軸線L152の両方と直交する方向を「軸線L153」と称する。
駆動側フランジ150の内部は中空形状であり、これを中空部150fと称する。中空部150fには、平面内壁部150h1、平面内壁部150h2、円筒内壁部150r1、円筒内壁部150r2、凹部150m1、凹部150m2が設けられている。
平面内壁部150h1、平面内壁部150h2は軸線L152に垂直な平面を有し、軸線L151を基準として互いに180度対向した位置に設けられている。また、円筒内壁部150r1、円筒内壁部150r2は軸線L151を中心軸とする円筒形状を有し、軸線L151を基準として互いに180度対向した位置に設けられている。凹部150m1、凹部150m2はそれぞれ、平面内壁部150h1、平面内壁部150h2に対して段差をもって設けられ、軸線L152方向に沿って軸線L151から離れる方向に形成される。凹部150m1と凹部150m2とは同形状であり、軸線L151を基準として互いに180度対向した位置に設けられているため、以下凹部150m1を例に形状を詳細に説明する。
凹部150m1は軸線L152方向から見て、軸線L151を基準とした対称形状である。図15(c)に示すように、軸線L152方向から見て、軸線L151に対して、被ガイド部180j1乃至被ガイド部180j4と同じく角度θ3だけ傾斜した面を有する部分を、傾斜部または当接部としてのガイド部150j1、ガイド部150j2と称する。ここで、ガイド部150j1、ガイド部150j2は軸線L151に対して傾斜している。本実施例においては、ガイド部150j1は被ガイド部180j1に対応して、ガイド部150j2は被ガイド部180j2に対応して、傾斜面が構成されている。また、ガイド部150j1とガイド部150j2とをつなぐ部分を、R形状150t1とする。また、凹部150m1の軸線L153に垂直な面を、凹部端部150n1、凹部端部150n2と称する。そして、軸線L152に直交する平面を有する回転力被伝達部150g1が、平面内壁部150h1に対して段差をもって設けられている。さらに、回転力被伝達部150g1には、スライド溝150s1が設けられている。スライド溝150s1は、後述するように、抜け止めピン191、抜け止めピン192を支持する貫通孔であり、軸線L152方向から見て、軸線L153方向を長辺とする長方形状である。
凹部150m2を形成する各部も、それぞれ回転力被伝達部150g2、ガイド部150j3、ガイド部150j4、R形状部150t2、スライド溝150s4、及び凹部端部150n3、凹部端部150n4と称する。
なお、中空部150fの駆動側端部を、開口部150eと称する。
図11、図12、及び図15(d)に示すように、カップリング部材180は、駆動側フランジ150に対して、軸線L182が軸線L152と平行になるようにして、駆動側フランジ150の中空部150fに配置される。ここで、回転力伝達部180g1、回転力伝達部180g2と回転力被伝達部150g1、回転力被伝達部150g2は、軸線L182方向に殆ど隙間なく嵌合している。これにより、カップリング部材180の駆動側フランジ150に対する軸線L182方向への移動が規制されている(図11(b)、図15(d)参照)。また、図11(c)に示すように、カップリング部材180が軸線L181と軸線L151とが略同軸になるように中空部150fに配置されるとき、胴体部180cと円筒内壁部150r1、円筒内壁部150r2との間には、隙間Dが設けられている。加えて、図15(c)に示すように、凸部端部180n1と凹部端部150n1の間、および凸部端部180n2と凹部端部150n1の間にも、軸線L153方向の隙間E1が設けられている。これにより、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対して、軸線L183方向に移動可能になっている。ここで、隙間E1が隙間Dよりも大きくなるように、凸部180m1、凹部150m1の形状が設定されている。なお、本実施例においては、カップリング部材180に凸部180m1、フランジ150に150m1を設けたが、凹凸関係を逆にしても良い。前述の傾斜部は、カップリング部材180およびフランジ150の一方もしくは他方に設けても良い。即ち、傾斜部は、カップリング部材180およびフランジ150の少なくとも一方に設ければ良い。
次に、図11及び図12を用いて、スライダ160及び抜け止めピン191、抜け止めピン192の形状について説明する。
図11及び図12に示すようにスライダ160には、円筒部160a、及び付勢部材170の他端部170bが当接する当接部160b、貫通孔160c1乃至貫通孔160c4が設けられている。ここで、円筒部160aの中心軸を「軸線L161」と称する。
円筒部160aは、カップリング部材180の嵌合部180hを、殆ど隙間なく嵌合支持している。これにより、カップリング部材180は、軸線L181が軸線L161と略同軸上になるように保持されたまま、軸線L181方向に移動可能になっている。
一方、図11(b)、図12(c)及び図15(c)に示すように、円筒形状の抜け止めピン191、抜け止めピン192は、その中心軸が軸線L152と平行になるように、スライダ160の貫通孔160c1乃至貫通孔160c4に挿通されている。そして、抜け止めピン191、抜け止めピン192が、駆動側フランジ150のスライド溝150s1、スライド溝150s4に支持されることで、スライダ160と駆動側フランジ150が連結されている。
図11(c)、図16(a)に示すように、抜け止めピン191、抜け止めピン192は軸線L153方向に並んで配置されている。加えて、抜け止めピン191、抜け止めピン192の直径は、スライド溝150s1、スライド溝150s4の軸線L151方向の幅よりも、僅かに小さくなるように設定されている。これにより、スライダ160は、軸線L161と軸線L151とが平行な状態を保つようになっている。また、スライダ160は、駆動側フランジ150に対して軸線L151方向に移動できないようになっている。言い換えると、スライダ160は、軸線L151に対し実質的に直交する直交方向に移動できるようになっている。
また、図11(b)、図16(b)に示すように、駆動側フランジ150の嵌合支持部150b(図16(a)参照)が感光ドラム10の開口部10a2と嵌合、固定されることで、抜け止めピン191、抜け止めピン192は軸線L152方向へ抜け出ることを防止されている。加えて、抜け止めピン191および抜け止めピン192の長さG1を、回転力伝達部150g1と回転力伝達部150g2との距離G2よりも十分に大きく設定している。これにより、抜け止めピン191、抜け止めピン192は、スライド溝150s1およびスライド溝150s4から脱落しないようになっている。
さらに、抜け止めピン191とスライド溝150s1の一端部150s2との間、及び抜け止めピン192とスライド溝150s1の他端部150s3との間には、隙間Dよりも大きい隙間E2が設けられている(図11(c)、図16(a)参照)。そして、抜け止めピン191とスライド溝150s4の一端部150s5との間、及び抜け止めピン192とスライド溝150s4の他端部150s6との間にも、隙間E2と同様の隙間が設けられている(図16(a)参照)。加えて、貫通孔160c1乃至貫通孔160c4やスライド溝150s1、スライド溝150s4に潤滑剤(不図示)を塗布している。これにより、スライダ160は、駆動側フランジ150に対し、軸線L153方向に滑らかに移動できるようになっている。
図15(c)に示すように、傾斜部または当接部としてのガイド部150j1、ガイド部150j2と、傾斜部または当接部としての被ガイド部180j1、被ガイド部180j2が当接可能に構成されている(ここで、ガイド部150j1(150j2)および被ガイド部180j1(180j2)の双方が傾斜している必要はなく、どちらか一方が傾斜していれば良い)。そして、互いが当接することによって、カップリング部材180が、駆動側フランジ150の開口部150eから脱落しないようになっている。また、付勢部材170によって、カップリング部材180は、被ガイド部180j1、被ガイド部180j2がガイド部150j1、ガイド部150j2に当接するように、駆動側に付勢されている。また、ガイド部150j3、ガイド部150j4と被ガイド部180j3、被ガイド部180j4の関係も同様である。
ここで、前述したように、凸部180m1、凸部180m2は、軸線L182方向から見て、軸線L181を基準とした対称形状である。また、凹部150m1、凹部150m2は、軸線L152方向から見て、軸線L151を基準とした対称形状である。したがって、カップリング部材180は、付勢部材170によって駆動側に付勢され、被ガイド部180j1乃至被ガイド部180j4とガイド部150j1乃至ガイド部150j4が当接することで、軸線L181が軸線L151に略同軸になるように配置される。
以上の構成により、カップリング部材180は、スライダ160を介して、駆動側フランジ150に対して、軸線L181と軸線L151とが平行な状態を保つようになっている。また、カップリング部材180は、駆動側フランジ150に対して、軸線L181方向及び軸線L183方向に移動可能である。さらに、カップリング部材180は、駆動側フランジ150に対する軸線L182方向への移動が規制されている。そして、カップリング部材180は、付勢部材170の付勢力F170によって、駆動側フランジ150に対して、駆動側(図11中矢印X9方向)に付勢されるとともに、軸線L181と軸線L151とが略同軸になるように付勢されている。
なお、本実施例では、駆動側フランジ150、カップリング部材180、スライダ160は樹脂製であり、その材質は、ポリアセタールやポリカーボネイト等である。また、抜け止めピン190は金属製であり、その材質は鉄やステンレス等である。但し、感光ドラム10を回転するための負荷トルクに応じて、前記各部品を金属製、樹脂製にする等、前記各部品の材質は樹脂製と金属製を適宜選択可能である。
また、本実施例では、ギア部150cはカップリング部材180が本体側係合部100から受けた回転力を現像ローラ13に伝達するものであり、はす歯ギア、又は、平歯ギアが駆動側フランジ150と一体成形されている。なお、現像ローラ13の回転は駆動側フランジ150を介さなくてもよい。その場合には、ギア部150cは無くすことができる。
次に、図12及び図15(d)を参照して、駆動側フランジユニットU2の組み立て手順について説明する。まず、図15(d)に示すように、カップリング部材180を駆動側フランジ150の空間部150fに挿入する。この時、前述したように、軸線L182と軸線L152が平行になるように、カップリング部材180と駆動側フランジ150の位相を合わせて挿入する。次に、図12に示すように、付勢部材170を組み付ける。付勢部材170はカップリング部材180の軸部180d2とスライダ160の軸部160dによって径方向の位置が規制される。なお、付勢部材170は、軸部180d2と軸部160dのいずれか、または両方に予め組みつけておいてもよい。その際、付勢部材170を軸部180d2(または軸部160d)に対して圧入させて、付勢部材170が脱落しないようにしておけば組み付けの作業性が向上する。その後、嵌合部180hが円筒部160aに嵌るように、スライダ160を空間部150fに挿入する。そして、図12(c)、図12(d)に示すように、抜け止めピン191、抜け止めピン192をスライド溝150s1から貫通孔160c1乃至貫通孔160c4、スライド溝150s4へと挿通させる。
(6)カップリング部材の動作説明
次に、図17を用いて、カップリング部材180の動作について説明する。図17(a1)はカップリング部材180の軸線L181と駆動側フランジ150の軸線L151とが一致し、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4と被ガイド部180j1乃至被ガイド部180j4が当接した状態を表す説明図である。図17(a2)は、カップリング部材180が駆動側フランジ150に対して軸線L183と平行な矢印X51方向に移動した状態を表す説明図である。図17(a3)は、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4と被ガイド部180j1乃至被ガイド部180j4が当接した状態から、カップリング部材180が軸線L151に沿って非駆動側方向(矢印X8方向)に移動した状態を表す説明図である。図17(b1)乃至図17(b3)は、図17(a1)乃至図17(a3)をそれぞれ、軸線L183と平行なSL183断面で表した断面説明図である。図17(b1)乃至図17(b3)では説明のため、カップリング部材180は切断しない状態で表示し、駆動側フランジ150のガイド部150j3、ガイド部150j4及びスライド溝150s4を破線で表示している。
まず、カップリング部材180は、付勢部材170の付勢力F170により、図17(b1)に示すように、ガイド部150j3、ガイド部150j4と被ガイド部180j3、被ガイド部180j4が当接し、軸線L181と軸線L151が略同軸になる。またこのとき、カップリング部材180の第一突出部180a、第二突出部180bは、駆動側フランジ150の開口部150eから駆動側に突出している。ここで、付勢部材170は弾性部材としてのバネである。
次に、図17(a2)に示すように、カップリング部材180を、駆動側フランジ150に対して軸線L183と平行な矢印X51方向に、距離p3だけ移動させる。すると、図17(b2)に示すように、カップリング部材180は、被ガイド部180j4と駆動側フランジ150のガイド部150j4が当接したまま、付勢部材170の付勢力F170に抗して、ガイド部150j4に沿った方向(矢印X61方向)に移動する。このとき、カップリング部材180は、軸線L181が軸線L151に対して平行な状態を維持している。したがって、カップリング部材180は、胴体部180cが円筒内壁部150r1に当接するまで、即ち、カップリング部材180の軸線L183方向の移動距離p3が隙間Dと等しくなるまで、矢印X61方向に移動可能である。一方、スライダ160は、抜け止めピン191、抜け止めピン192によって、軸線L183方向にのみ移動可能である。したがって、カップリング部材180の矢印X61方向への移動に連動して、スライダ160は、抜け止めピン191、抜け止めピン192と一体で、矢印X51方向に移動する。
また、カップリング部材180を矢印X51方向とは反対の方向に移動させるときも同様に、カップリング部材180はガイド部150j3に沿った方向に移動する。
一方、図17(b3)に示すように、カップリング部材180を矢印X8方向に移動させると、カップリング部材180は、嵌合部180hがスライダ160の円筒部160aに支持された状態で、付勢部材170の付勢力F170に抗して矢印X8方向に移動する。このとき、カップリング部材180の被ガイド部180j3、被ガイド部180j4と駆動側フランジ150のガイド部150j3、ガイド部150j4との間には隙間ができる。そして、カップリング部材180は、駆動側フランジ150の開口部150eより駆動側フランジ150内側の空間部150fに完全に収まるような状態まで移動することができる。
以上説明したように、カップリング部材180は、駆動側フランジ150に対して、軸線L181方向及び軸線L183方向に移動可能である。また、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4と被ガイド部180j1乃至被ガイド部180j4の当接によって、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対し、軸線L183方向への移動に連動して軸線L181方向へ移動可能である。
(7)装置本体の本体側係合部及び駆動構成の説明
次に、図18及び図19を用いて、装置本体Aにおける、感光ドラム10を回転させる構成について説明する。図18は、本体側係合部100の形状を表した説明図である。
ここで、図17に示す「L101」とは、本体側係合部100が回転するときの回転軸線を表しており、以下説明では、「回転軸線L101」を「軸線L101」と称する。また、軸線L101と直交する一方向を「軸線L102」と称し、軸線L101、軸線L102の両方と直交する方向を「軸線L103」と称する。
図18(a)、図18(b)は、装置本体Aの本体側係合部100を表した斜視説明図である。図18(c)は、図18(b)のS6断面を表した断面説明図(軸線L101を含み、軸線L102と直交する平面で切断した断面図)である。図19は、本体側係合部100の支持方法を表した説明図である。図19(a)は、装置本体Aの駆動側の側面図であり、図19(b)は、図19(a)のS7断面を表して本体側係合部100の支持構成を表した断面説明図である。
図18(a)に示すように、本体側係合部100には、円筒形状の駆動軸100j、駆動ギア部100cが設けられている。駆動軸100jの内側には円筒形状の内壁100b、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2が設けられている。駆動軸100jの内側に、内壁100b、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2によって形成される空間を空間部100fと称する。図18(b)、図18(c)に示すように、回転力伝達時にカップリング部材180はこの空間部100fに進入して回転力を伝達される。また、空間部100fの軸線L101方向におけるカートリッジB側の端部を、開口端部100gと称する。
回転力付与部100a1、回転力付与部100a2は、本体側係合部100の軸線L101を基準として、互いに点対称な形状であり、それぞれ軸線L102と平行な方向に沿った円筒面100e1、円筒面100e2を有している。また、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2において、軸線L103方向に最も突出した部分を、それぞれ最凸部100m1、最凸部100m2とする。この回転力付与部100a1、回転力付与部100a2が、最凸部100m1、最凸部100m2においてカップリング部材180の回転力受部180a3、回転力受部180b3と当接して、カップリング部材180に回転力を伝達する。ここで、軸線L101と最凸部100m1、最凸部100m2との、軸線L103方向の距離を、オフセットV2とする。さらに、図18(a)に示すように、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2は、軸線L103と直交する平面壁部100k1、平面壁部100k2をそれぞれ有する。そして、平面壁部100k1、平面壁部100k2の開口端部100g側の稜線部をそれぞれ退避力付与部100n1、退避力付与部100n2とする。
回転力付与部100a1と回転力付与部100a2は、内壁100bで繋がれることによって、強度を高められている。よって、本体側係合部100は、カップリング部材180に円滑に回転力を伝達することができる。
本体側係合部100の軸線L101方向においてカートリッジB側と反対側に、軸線L101を中心とする駆動ギア部100cを設けている。駆動ギア部100cは、本体側係合部100に対して一体若しくは回転不能に固定されており、駆動ギア部100cが軸線L101周りに回転すると、本体側係合部100も軸線L101周りに回転する。
図19(a)、図19(b)に示すように、軸受部材103の内径部103aが、本体側係合部100の駆動軸100jの外形部100j1を支持している。また、軸受部材104の外形部104aが、本体側係合部100の内壁部100bを支持している。そして、軸受部材103、軸受部材104は、それぞれの中心線が軸線L101と略同軸になるように、装置本体Aの筐体を構成する側板108、側板109に固定されている。よって、本体側係合部100は、その径方向において、装置本体Aの所定位置に正確に位置決めされている。
(8)カップリング部材の係合動作の説明
次に、図20乃至図23を用いて、カップリング部材180の係合動作について説明する。図20は、カートリッジBの装置本体Aへの装着状態における、カートリッジBの駆動側の要部を表した斜視図である。図21及び図23は、カップリング部材180が本体側係合部100と係合する時の状態についての断面説明図である。図21(a)、図23(a)はそれぞれ、装着方向とS8断面図、S12断面図の切断方向を表した説明図である。図21(b1)乃至(b4)は、図21(a)のS8断面を表し、カップリング部材180が移動し、本体側係合部100と係合する状態を表した断面説明図である。図22(a)、図22(b)はそれぞれ、図21(b1)、図21(b2)の、駆動側フランジユニットU2及び、固定部材としての当接部108a近傍を拡大した拡大図である。図21(b2)では説明のため、装着初期状態(後述する)における第一突出部180bを破線で表示している。図23(b1)、図23(b2)は、図23(a)のS12断面を表し、カートリッジBが装着されていく過程を表した断面説明図である。なお、以下説明において、「係合」とは、軸線L151と軸線L101とが略同軸に配置され、カップリング部材180と本体側係合部100とが回転力伝達可能な状態をいう。以下、回転力付与部100a2と回転力受部180b3とが接触し、本体側係合部100とカップリング部材180との係合が完了する状態を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図21(a)に示すように、カップリング部材180の軸線L183と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが平行になる場合について説明する。図20に示すように、カートリッジBは、感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に直交する方向であり、且つ、駆動側フランジ150の軸線L151と実質的に直交する方向(矢印X1方向)に沿って移動し、装置本体Aに装着される。図21(b1)、図22(a)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着され始めるとき、カップリング部材180は、付勢部材170の付勢力F170によって、駆動側フランジ150の開口部150eから最も駆動側に突出している状態である。この状態を、装着初期状態とする。このときのカップリング部材180の位置は第一位置(=突出位置)である。このときは、カップリング部材180の回転軸線L181が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L181と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材180の回転軸線L181は駆動側フランジ150の軸線L151とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L181と回転軸線L151は実質的に一致している。
装着初期状態から、カートリッジBを矢印X1方向に移動させると、カップリング部材180の本体当接部180b1は、装置本体Aの側板108の当接部108aに当接する。すると、図21(b1)、図22(a)に示すように、本体当接部180b1が、固定部材としての当接部108aから、装着による力F1(退避力)を受ける。力F1は、本体当接部180b1を構成する略球面の中心方向を向くため、軸線L183に対して、角度θ3の余角θ31よりも小さい角度θ7だけ傾いた方向を向いている。したがって、カップリング部材180は力F1を受けると、被ガイド部180j1が駆動側フランジ150のガイド部150j1と当接したまま、ガイド部150j1に沿った矢印X61方向に、付勢部材170の付勢力F170に抗して移動する。
次いで、図21(b2)、図22(b)に示すように、更にカートリッジBを矢印X1方向に移動させる。すると、カップリングの胴体部180cと駆動側フランジ150の円筒内壁部150r1とが当接し、カップリング部材180の駆動側フランジ150に対する矢印X61方向への移動が規制される。このときに、軸線L181方向において、カップリング部材180が装着初期状態から移動する量を移動量Nとする(図22(b)参照)。移動量Nは、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4の軸線L181に対する傾きθ3(図15参照)と、隙間D(図11(c)参照)によって決定される。
図22(b)に示す状態では、カップリング部材180が装着初期状態に比べて移動量Nだけ矢印X8方向に移動している。すると、力F1は本体当接部180b1を構成する略球面の中心を向いているため、力F1と軸線L183のなす角θ7が、装着初期状態に比べて増大する。そして、これに伴って力F1の矢印X8方向の分力F1aが、装着初期状態に比べて増大する。この分力F1aによって、カップリング部材180は、付勢部材170の付勢力F170に抗して更に矢印X8方向に移動し、側板108の当接部108aを通りぬけることができる。
その後、図21(b3)に示すように、カップリング部材180が駆動側フランジ150の空間部150f内部に移動した状態のまま、カートリッジBは矢印X1方向に移動する。この図21(b3)のカップリング部材180の位置は第二位置(退避位置)である。このときは、カップリング部材180の回転軸線L181が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L181と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L181と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材180の回転軸線L181は駆動側フランジ150の軸線L151とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L181と回転軸線L151は間隔を有しており(回転軸線L181と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置(退避位置)のときは、第一位置(突出位置)のときと比べて、カップリング部材180が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
そして、図21(b4)に示すように、カートリッジBを装着完了位置まで移動させたとき、後述のカートリッジBの装置本体Aに対する位置決め手段により、本体側係合部100の軸線L101と駆動側フランジ150の軸線L151とが略同軸に位置する。このとき、付勢部材170の付勢力F170により、カップリング部材180は矢印X9方向に移動する。同時に、カップリング部材180は、ガイド部150j1に沿って移動し、軸線L181が駆動側フランジ150の軸線L151と一致する。
そして、カップリング部材180は、本体側係合部100の空間部100fに進入する。このとき、カップリング部材180と本体側係合部100とは軸線L101方向でオーバーラップした状態になる。同時に、回転力受部180b3が、回転力付与部100a2と対向し、回転力受部180a3が回転力付与部100a1と対向した状態となる。こうして、カップリング部材180と本体側係合部100とが係合し、カップリング部材180は回転できる状態となる。なお、このときのカップリング部材180の位置は、前述した第一位置(突出位置)とほぼ同じである。
なお、カートリッジBを装着完了位置まで移動させたとき、本体側係合部100の回転方向の位相によっては、第一突出部180a、第二突出部180bと、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2とが、軸線L101方向から見て重なる場合がある。この場合、カップリング部材180が空間部100fに進入することができない。このような場合は、本体側係合部100が、後述の駆動源によって回転することにより、第一突出部180a、第二突出部180bと回転力付与部100a1、回転力付与部100a2が軸線L101方向から見て重ならなくなる。そして、付勢部材170の付勢力F170により、カップリング部材180は空間部100fに進入できるようになる。即ち、本体側係合部100は、駆動源によって回転しながらカップリング部材180と係合することができ、カップリング部材180は回転し始める。
次に、図23(a)に示すように、カップリング部材180の軸線L183と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが直交する場合について説明する。
図23(b1)に示すように、カートリッジBを矢印X1方向に移動させる。すると、第三本体当接部180b5が当接部108aに当接する。このとき、第三本体当接部180b5は、当接部108aから、カートリッジBの装着による力F2を受ける。第三本体当接部180b5は、前述のように、軸線L181に対して角度θ1(図14(b)参照)だけ傾斜しているため、力F2は、軸線L182に対して角度θ1だけ傾斜し、力F2の矢印X8方向の分力F2aが生じる。したがって、カートリッジBを更に矢印X1方向に移動させると、図23(b2)に示すように、分力F2aによって、カップリング部材180は、付勢部材170の付勢力F170に抗して矢印X8方向に移動し、当接部108aを通りぬけることができる。ここで、第三本体当接部180b5と軸線L181のなす角度θ1は、付勢部材170の付勢力F170に抗して、カップリング部材180が分力F2aによって矢印X8方向に移動できるように設定されている。その後、図21(b3)、図21(b4)と同様に、カップリング部材180が駆動側フランジ150の空間部150f内部に移動したまま、カートリッジBを装着完了位置まで移動させることができる。
なお、前述の説明では、カートリッジBの装着方向X1と、軸線L183の方向とが平行及び直交する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述で説明した装着方向と異なる場合も同様に、カップリング部材180は、矢印X8方向に移動して、当接部108aを通りぬけることができる。ここでカップリング部材180は、力F1によって、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4に沿って矢印X8方向に移動するか、或いは、力F1または力F2の矢印X8方向の分力F1aまたは分力F2aによって矢印X8方向に移動する。
よって、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向に対し、カップリング部材180、及び本体側係合部100の回転方向の位相がどのような関係にあっても、前述の構成によって、カートリッジBを装置本体Aに装着することができる。
以上説明したように、本実施例の構成によれば、装置本体AやカートリッジBに複雑な構成を設けることなく、簡単な構成でカップリング部材180と本体側係合部100とを係合させることができる。
なお、本実施例では、図20に示す側板108の当接部108aはエッジ状の形状として表したが、当接部108aに面取りを施したり、角を落として丸みを付けた形状であっても構わない。これにより、カートリッジBの矢印X1方向への移動に際し、カップリング部材180は矢印X8方向に移動しやすくなり、カートリッジBを装置本体Aに装着する際の負荷を低減することができる。また、本体当接部180b1と当接部108aとの接触による、カップリング部材180や側板108に発生する傷や打痕等を低減することができる。
また、本実施例では、図14(b)に示すように、第三本体当接部180a5、第三本体当接部180b5を、軸線L181に対して角度θ1傾斜する面とした。しかしながら、第三本体当接部180a5、第三本体当接部180b5を、本体当接部180a1、本体当接部180b1と一体の球面で形成しても良い。
さらに、本実施例では、図21(b2)に示すように、カップリング部材180は、胴体部180cが円筒内壁部150r1に当接したのち、更に矢印X8方向に移動する構成であった。しかしながら、胴体部180cが円筒内壁部150r1に当接した時点で、カップリング部材180が当接部108aを通りぬけるように構成してもよい。このような構成として、例えば、図24(a1)、図24(a2)に示すように、傾きθ3を小さくしたり、隙間Dを大きくするなどして、移動量Nを大きくすれば良い。或いは、図24(b1)、図24(b2)に示すように、第一突出部180a及び第二突出部180bの、駆動側フランジ150の開口部150eから駆動側方向への突出量Qを小さくしても良い。このような構成の場合、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4に沿った移動のみによって、カップリング部材180の先端面180a4、先端面180b4が、当接部108aよりも矢印X8側に移動し、当接部108aを通り抜けることができる。したがって、力F1の矢印X8方向の分力F1aを生じさせる必要がない。そのため、本体当接部180a1、本体当接部180b1の形状を略球面状にする必要がない(即ち、図22のθ7を0度になるよう設計しても良い)。これにより、第一突出部180a、第二突出部180bの形状をより自由に設計することができる。
(9)カップリング回転力伝達動作の説明
次に、図25乃至図27を用いて、感光ドラム10を回転する際の回転力伝達動作について説明する。図25は、カートリッジBの装着完了位置の説明図である。図25(a)は、駆動側から見た図であり、図25(b)は、非駆動側から見た図である。図26は、装置本体Aの駆動構成を表した斜視説明図である。図26(a)は、駆動伝達経路の斜視説明図であり、図26(b)は、図26(a)のS9断面を表した断面説明図である。図26(c)は、図26(b)の第一突出部180a付近を拡大表示した図である。図27(a)は、回転力伝達経路を示した斜視断面図である。図27(b)は、回転力付与部100a1と回転力受部180b3とが当接している様子を拡大表示した斜視説明図であり、回転力付与部100a1に隠れる部位を一部破線で表示している。
まず、図25を用いて、回転力伝達時における、カートリッジBの装置本体Aに対する位置決めについて説明する。カートリッジBが装着完了位置に配置されると、駆動側被支持部30bが、第一ガイド部120aのカートリッジ装着方向X1下流側に形成したカートリッジ位置決め部120a1に収まる。同時に、非駆動側被支持部21fが、第二ガイド部125aのカートリッジ装着方向X1下流側に形成したカートリッジ位置決め部125a1に収まる。ここで、装置本体Aの駆動側には駆動側押圧バネ121が設けられており、駆動側押圧バネ121は、押圧部121aがカートリッジ位置決め部120a1に向かうように(矢印X121方向に)付勢されている。カートリッジBが装着完了位置に装着されると、駆動側押圧バネ121の押圧部121aが駆動側被支持部30bの被押圧部30b1に当接し、駆動側被支持部30bはカートリッジ位置決め部120a1に当接するように付勢される。同様に、装置本体Aの非駆動側には非駆動側押圧バネ126が設けられており、非駆動側押圧バネ126は、押圧部126aがカートリッジ位置決め部125a1に向かうように(矢印X125方向に)付勢されている。カートリッジBが装着完了位置に装着されると、非駆動側押圧バネ126の押圧部126aが非駆動側被支持部21fの被押圧部21f1に当接し、非駆動側被支持部21fはカートリッジ位置決め部125a1に当接するように付勢される。これにより、カートリッジBの装置本体Aに対する位置が保持される。このとき、回転止め部21eが下ガイド部120bの装着方向X1下流側に形成した回転位置規制部120b1に収まり、回転位置規制面120b2に当接する。一方、非駆動側ガイド部21gは、下ガイド部125bの装着方向X1下流側に形成した収容部125b1に収まる。
このように、カートリッジBは、装置本体Aのカートリッジ位置決め部120a1、カートリッジ位置決め部125a1に位置決めされる。
次に、感光ドラム10を回転する際の回転力伝達動作について説明する。
図26(a)、図26(b)に示すように、装置本体Aの駆動源であるモータ106は、装置本体Aの筐体を構成する側板109に固定され、モータ106の同軸上でモータ106と一体で回転するピニオンギア107が取り付けられている。また、前述のように、本体側係合部100は、その径方向において、装置本体Aの所定位置に正確に位置決めされ、駆動ギア部100cとピニオンギア107とが噛み合っている。よって、モータ106が回転すると、本体側係合部100は駆動ギア部100cを介して回転する。
また、図26(b)、図26(c)に示すように、本体側係合部100の回転力伝達時に、本体側係合部100は、最凸部100m1、最凸部100m2が、軸線L101方向において軸支範囲103h内に位置するように、位置決めされている。ここで、軸支範囲103hとは、軸受部材103が本体側係合部100を回転可能に支持しているときに、軸受部材103と本体側係合部100とが接触している範囲のことである。これにより、回転力伝達時に、本体側係合部100に係る回転力伝達時の負荷によって、本体側係合部100が軸倒れすることを抑制することができる。したがって、前記軸倒れによる本体側係合部100の回転ムラを抑制することができ、本体側係合部100からカップリング部材180に円滑に回転力が伝達され、ひいては、感光ドラム10を精度良く回転させることができる。
更に駆動ギア部100cとピニオンギア107は、はす歯ギアで噛み合っている。モータ106が回転すると本体側係合部100が回転力により軸線L101に平行な矢印X7方向に付勢されるように、はす歯ギアのねじれ角方向を設定している。そして、本体側係合部100の当接部100dと軸受部材103の当接部103bが当接することで、本体側係合部100の矢印X7方向への移動が規制される。これにより、本体側係合部100の、装置本体Aに対する軸線L101方向の位置を決めることができる。ひいては、後述の本体側係合部100とカップリング部材180との係合量Kのばらつきを低減することができる。ここで、係合量Kとは、図26(c)に示すように、回転力付与部100a2の最凸部100m1から、回転力受部180a3の先端角部180a7までの、軸線L181方向の長さである。
本体側係合部100は、図27(a)に示すように、駆動源であるモータ106から受けた回転力によって、図中X10の方向に回転する。そして、本体側係合部100に設けた回転力付与部100a1、回転力付与部100a2が、カップリング部材180の回転力受部180a3、回転力受部180b3にそれぞれ当接する。これによって、本体側係合部100の回転力をカップリング部材180に伝達する。なお、以降、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2が、カップリング部材180の回転力受部180a3、回転力受部180b3にそれぞれ当接する状態を「二点当接する」と称する。
本実施例では、軸線L101と最凸部100m1の距離であるオフセットV1(図18(c))と、軸線L181と回転力受部180a3との距離であるオフセットV2(図14(b))とが等しくなるように設定している。これにより、回転力付与部100a1と回転力受部180a3とが当接する際に、カップリング部材180の軸線L182と本体側係合部100の軸線L102とが平行になる。すると、図27(b)に示すように、回転力付与部100a1は最凸部100m1において回転力受部180a3と当接し、その当接範囲は軸線L182方向にある幅(以下、当接幅H1とする)を持つ。また、回転力付与部100a2と回転力受部180b3も同様に、当接幅H2(不図示)をもって当接している。なお、本実施例では回転力付与部100a1と回転力受部180a3とが当接する際に、軸線L182と軸線L102とが平行になるように設定したが、軸線L182が軸線L102に対して傾斜するように、オフセットV1とオフセットV2を異なる値にしても良い。
一方前述したように、回転力伝達部180g1、回転力伝達部180g2と回転力被伝達部150g1、回転力被伝達部150g2は、軸線L182方向に殆ど隙間なく嵌合している(図15(c)参照)ため、互いに略平行な状態を保つようになっている。これによりカップリング部材180は、駆動側フランジ150に対して、軸線L181回りの回転を伝達することができる。したがって、カップリング部材180の回転が、回転力伝達部180g1、回転力伝達部180g2、及び回転力被伝達部150g1、回転力被伝達部150g2を介して、駆動側フランジ150に伝達される。
以上説明したように、本体側係合部100の回転力が、カップリング部材180、駆動側フランジ150を介して感光ドラム10に伝達され、感光ドラム10を回転させる。
ここで、本実施例では、回転力伝達動作に際して、本体側係合部100は、その径方向において、装置本体Aの所定位置に位置決めされている。また、駆動側フランジ150も、その径方向において、カートリッジBを介して、装置本体Aの所定位置に位置決めされている。そして、前記所定位置に位置決めされた本体側係合部100と、同じく前記所定位置に位置決めされた駆動側フランジ150とが、カップリング部材180によって連結されている。軸線L151と軸線L101が、ほぼ同軸に配置されるように本体側係合部100と駆動側フランジ150とが位置決めされている場合、カップリング部材180は、軸線L181と軸線L101とがほぼ一致した状態で回転する。したがって、本体側係合部100は、カップリング部材180を介して、感光ドラム10に円滑に回転力を伝達することができる。
一方、図28に示すように、部品寸法のばらつき等によって、軸線L151と軸線L101とが同軸から多少ずれて配置される場合がある。以降、図28を用いて、軸線L151と軸線L101がずれた場合の駆動伝達の様子を説明する。以降、軸線L151と軸線L101がずれる方向を「軸ズレ方向J」、ずれる量を「軸ズレ量J1」と称する。図28(a1)乃至図28(a3)は、駆動伝達の様子を駆動側から見た図である。図28(a1)は軸ズレ方向Jと軸線L183とが直交する状態、図28(a2)は、軸ズレ方向Jと軸線L183とが平行になる状態、図28(a3)は、軸ズレ方向Jが軸線L183に対して傾斜した状態を、それぞれ表している。図28(b1)乃至図28(b3)は、図28(a1)乃至図28(a3)を軸線L183に平行なSL183断面で表した断面説明図である。
まず、図28(a1)に示すように、軸ズレ方向Jと軸線L183が直交する場合について説明する。このとき、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対して軸線L182方向に移動できないため、カップリング部材180は本体側係合部100に対して、軸線L182方向に軸ズレ量J1だけ移動する。すると、軸ズレ量J1に応じて回転力付与部100a1と回転力受部180a3の係合幅H1は小さくなり、反対に回転力付与部100a2と回転力受部180b3の係合幅H2は大きくなる。すなわち、係合幅H1および係合幅H2の量を変化させながら、本体側係合部100とカップリング部材180は二点当接する。
次に、図28(a2)に示すように、軸ズレ方向Jが軸線L183と平行になる場合について説明する。このとき、カップリング部材180は本体側係合部100に対して軸線L183方向に移動できないため、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対して、軸線L183方向に軸ズレ量J1だけ移動する。このとき、図28(b2)に示すように、カップリング部材180は軸線L183方向への動きに伴って、ガイド部150j3に沿って矢印X62方向に移動する。この状態で、本体側係合部100とカップリング部材180は二点当接することができる。
そして、図28(a3)に示すように、軸ズレ方向Jが軸線L183に対して傾斜する場合について説明する。軸ズレ量J1のうち、軸線L182方向の成分をズレJ2、軸線L183方向の成分をズレJ3とする。すると、カップリング部材180は本体側係合部100に対して、軸線L182方向のズレJ2だけ移動し、係合幅H1と係合幅H2が変化する。また、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対して、軸線L183方向に軸ズレ量J3だけ移動し、これに伴って矢印X62方向に移動する(図28(b3))。この状態で、本体側係合部100とカップリング部材180は二点当接することができる。カップリング部材180が駆動される際は、軸線L183が軸ズレ方向Jに対して直交、平行、傾斜する状態を遷移する。したがって、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対して軸線L183方向に移動しながら、また、本体側係合部100に対して軸線L182方向に移動しながら、図28のいずれかに示す状態をとる。これにより、カップリング部材180は、常に本体側係合部100と二点当接し続けることができる。なお、カップリング部材180が一回転する中で、軸ズレ方向Jと軸線L183とが平行になるとき(図28(a2))が、軸線L181と軸線L151とが間隔を有し最も離れる状態である。そのため、本体係合部100とカップリング部材180の係合量Kは、図28(b2)に示す状態が最小となる。したがって、図28(b2)に示す状態でも係合量Kが0以上となるように係合量Kを確保する必要がある。また、係合幅H1および係合幅H2は、カップリング部材180の軸線L182方向への移動に伴って変化する。加えて、回転力受部180a3が第三本体当接面180b5によって先細り形状になっている(図27(b)参照)ため、係合幅H1および係合幅H2は、カップリング部材180の軸線L181の移動によっても変化する。したがって、カップリング部材180が一回転する中で、係合幅H1および係合幅H2が常に0以上となる様に、係合幅H1および係合幅H2を確保する必要がある。
以上説明したように、カップリング部材180は、軸線L183方向に移動することで、本体側係合部100と二点当接した状態を維持することができる。したがって、回転力受部180a3及び回転力受部180b3のいずれか一方のみで駆動を伝達されることがないため、回転力受部180a3、回転力受部180b3、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2にかかる負荷を分散することができる。これにより、カップリング部材180及び本体側係合部100は過度な負荷を受けずに回転することができる。
(10)カートリッジの取り外し動作に伴うカップリングの離脱動作の説明
次に、図29乃至図33を用いて、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際の、カップリング部材180を本体側係合部100から離脱させる動作について説明する。図29(a)、図33(a)は、カートリッジBの取り外し方向とS10断面図及びS11断面図の切断方向を表した説明図である。図29(b1)乃至(b4)及び図32(a1)乃至(a3)は、図29(a)のS断面を表し、カップリング部材180が本体側係合部100から離脱する状態を表した断面説明図である。また、図33(b1)乃至(b4)は、図33(a)のS11断面を表し、カップリング部材180が本体側係合部100から離脱する状態を表した断面説明図である。そして、図30は、図29(b3)の、駆動側フランジユニットU2及び本体側係合部100の近傍を拡大して表示した拡大図である。なお、図29乃至図32のいずれの断面図においても説明のため、カップリング部材180は切断しない状態で表示し、駆動側フランジ150のガイド部150j1、ガイド部150j2を破線で表示している。また、図30では説明のため、取り外し初期状態(後述する)におけるカップリング部材180の第二突出部180bを破線で表示している。以下、回転力受部180b3側を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図29(a)に示すように、カートリッジBの取り外し方向(矢印X12方向)と、カップリング部材180の軸線L183とが平行になる場合について説明する。
図29(b1)に示すように、カートリッジBは、感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に直交し、且つ、駆動側フランジ150の軸線L151と実質的に直交する取り外し方向X12に沿って移動し、装置本体Aから取り外される。画像形成が終了し本体側係合部100の回転が停止した状態では、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2と回転力受部180a3、回転力受部180b3とが接触している。また、カートリッジBの取り外し方向X12において、回転力付与部100a2が回転力受部180b3の下流側に位置している。なお、本実施例では、カップリング部材180の回転力受部180a3、回転力受部180b3以外の部位は、本体側係合部100と接触していない。この状態を、取り外し初期状態とする。
この図29(b1)のときのカップリング部材180の位置は第一位置(回転力伝達可能位置)である。なお、この第一位置(回転力伝達可能位置)は、前述した第一位置(突出位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材180の回転軸線L181が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L181と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材180の回転軸線L181は駆動側フランジ150の軸線L151とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L181と回転軸線L151は実質的に一致している。
次に、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させる。すると、図29(b2)に示すように、カップリング部材180の取り外し方向上流側の回転力受部180b3が回転力付与部100a2から、カートリッジBの取り外しによる力F5を受ける。力F5は、回転力受部180b3と直交するため、回転力受部180b3の法線である軸線L183と平行になる。したがって、カップリング部材180は力F5を受けると、被ガイド部180j2が駆動側フランジ150のガイド部150j2と当接したまま、ガイド部150j2に沿った矢印X62方向に、付勢部材170の付勢力F170に抗して移動する。
ここで、回転力受部180b3(及び回転力受部180a3)は、カップリング部材180が力F5により軸線L183方向に移動できるように設定する。なお、本実施例では、回転力受部180b3(及び回転力受部180a3)を軸線L183と直交する平面としているため、力F5の方向と軸線L183が平行になる。これにより、使用者がより小さな力で、カップリング部材180を駆動側フランジ150に対して軸線L183方向(及びこれに伴って軸線L181方向)に動かして、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させることができる。
更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図29(b3)、図30に示すように、胴体部180cと円筒内壁部150r2とが当接する。これにより、カップリング部材180の駆動側フランジ150に対する軸線L183方向への移動が規制される。このときに、軸線L181方向において、カップリング部材180が取り外し初期状態から移動する量を移動量Mとする(図30参照)。すると、移動量Mは、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4の軸線L181に対する傾きθ3と、隙間D(図11(c)参照)によって決定される。本実施例では、図30に示すように、回転力受部180b3の先端角部180b7が、回転力付与部100a2の最凸部100m2よりも矢印X8方向側になるように、すなわち、移動量Mが係合量Kよりも大きくなるように設定されている。これにより、力F5は回転力付与部100a2の円筒面100e2に直交するため、力F5の矢印X8方向の分力F5aが働く。この分力F5aによって、カートリッジBの取り外し方向X12への移動に伴って、付勢部材170の付勢力F170に抗して、カップリング部材180はさらに矢印X8方向(感光体側(感光ドラム10側))に移動する。そして、図29(b4)に示すように、カップリング部材180は、本体側係合部100の空間部100fから離脱する。
この図29(b4)のカップリング部材180の位置は第二位置(離脱可能位置)である。なお、この第二位置(離脱可能位置)は、前述した第二位置(退避位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材180の回転軸線L181が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L181と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L181と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材180の回転軸線L181は駆動側フランジ150の軸線L151とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L181と回転軸線L151は間隔を有しており(回転軸線L181と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材180が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
その後、図32(a1)、図32(a2)に示すように、カートリッジBは、カップリング部材180が駆動側フランジ150の中空部150f内部に移動した状態のまま、矢印X12方向に移動する。そして、図32(a3)に示すように、カップリング部材180は、側板108の当接部108aを通過すると、付勢部材170の付勢力F170により矢印X9方向に移動し、カートリッジBは装置本体Aから取り外される。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材180が本体側係合部100から離脱する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材180が本体側係合部100から力を受けることにより、カップリング部材180が前記第一位置から前記第二位置へ移動する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材が本体側係合部100と駆動側フランジ150から力を受けて前記第一位置(回転力伝達可能位置)から前記第二位置(離脱可能位置)へ変位(移動)している。
なお、本実施例では、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2の一部を円筒形状としたが、これに限定されるものではない。例えば、図31(a)に示すように、カップリング部材180の胴体部180cが円筒内壁部150r2と当接したときに、力F5の矢印X8方向の分力F5aが働くように、回転力付与部100a2の開口端部100g側に面取り部100tを設けても良い。また、図31(b)に示すように、カップリング部材180の回転力受部180b3の駆動側先端にR形状部180b6を設けて、回転力付与部100a2を軸線L101に平行な平面としても良い。さらには、図31(c)に示すように、カップリング部材180の胴体部180cが円筒内壁部150r2と当接したときに、先端面180b4が空間部100fから離脱するような構成にしても良い。
次に、図33(a)に示すように、カートリッジBの取り外し方向X12と、カップリング部材180の軸線L183とが直交する場合について説明する。
図33(b1)に示すように、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させる。すると、カップリング部材180は、駆動側フランジ150に対して、軸線L182方向への移動が規制されているため、駆動側フランジ150と共に取り外し方向X12に移動する。
そして、図33(b2)に示すように、カップリング部材180の取り外し方向X12上流側にある退避力受け部としての第二本体当接部180b2と、本体側係合部100の取り外し方向X12下流側にある退避力付与部100n1とが接触する。これにより、第二本体当接部180b2は、退避力付与部100n1から、カートリッジBの取り外しによる力F9(退避力)を受ける。このとき、第二本体当接部180b2は軸線L181に対して角θ2だけ傾斜している。したがって、力F9は軸線L182に対して角度θ2だけ傾くため、矢印X8方向の分力F9aが生じる。
更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図33(b3)に示すように、分力F9aによって、付勢部材170の付勢力F170に抗して、カップリング部材180は矢印X8方向へ移動する。そして、図33(b4)に示すように、カップリング部材180は、本体側係合部100の空間部100fから離脱する。
その後、図32(a1)乃至図32(a3)と同様に、カップリング部材180が駆動側フランジ150の中空部150f内部に移動したまま、カートリッジBは矢印X12方向に移動し、装置本体Aから取り外される。
なお、前述の説明では、カートリッジBの取り外し方向X12と、カップリング部材180の軸線L183とが平行になる場合、及び直交する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述で説明した取り外し方向と異なる場合も、同様にカップリング部材180は本体側係合部100から離脱することができる。このような場合、カートリッジBの取り外しに際し、回転力受部180a3、回転力受部180b3のいずれかが、回転力付与部100a1、回転力付与部100a2のいずれかと当接する。あるいは、第二本体当接部180a2、第二本体当接部180b2のいずれかが、退避力付与部100n1、退避力付与部100n2のいずれかと当接する。すると、カップリング部材180は、前述の取り外しによる力F5及び力F9のいずれかを受け、駆動側フランジ150に対して、矢印X8方向に移動し、本体側係合部100から離脱することができる。
よって、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに際し、カップリング部材180、及び本体側係合部100の回転方向の位相がどのような関係にあっても、前述の構成によって、カートリッジBを装置本体Aから取り外すことができる。
以上説明したように、カートリッジBの取り外し動作に応じて、本体側係合部100の空間部100fに進入した状態のカップリング部材180を、空間部100fの外側に離脱させることができる。したがって、カートリッジBを、感光ドラム10の回転軸線と実質的に直交する方向に取り外すことができる。
以上、本発明を適用した実施例によれば、カップリング部材180は、駆動側フランジ150に対して、軸線L181方向及び軸線L183方向に移動可能である。また、カップリング部材180は駆動側フランジ150に対し、軸線L183方向への移動に連動して軸線L181方向へ移動可能である。これにより、感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に直交する方向にカートリッジBを移動させて、装置本体AにカートリッジBを装着する際には、カップリング部材180は、軸線L181方向に移動して、本体側係合部100とが係合することができる。また、感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に直交する方向にカートリッジBを移動させて、装置本体AからカートリッジBを取り外す際には、カップリング部材180は、軸線L181方向に移動して、本体側係合部100から離脱することができる。加えて、装置本体AからカートリッジBを取り外す際に、感光ドラム10及び本体側係合部100のいずれかを回転させる必要がない。したがって、カートリッジBの取り外し負荷を軽減し、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際のユーザビリティ性能を向上させることができる。
なお、カップリング部材180の第一突出部180a、第二突出部180bや、本体側係合部100の回転力付与部100a1、回転力付与部100a2の形状は、本実施例に示した形状でなくても良い。例えば、図34(a)に示すように、カップリング部材181には、突出部181aが設けられている。この突出部181aには、軸線L183に直交する回転力受部181a1、回転力受部181a2、及び軸線L183方向から見て軸線L181に対して傾斜したテーパ部181a3、テーパ部181a4が設けられている。一方、図34(b)に示すように、本体側係合部101は、カップリング部材181と係合した際に回転力受部181a1、回転力受部181a2と対向する回転力付与部101a1、回転力付与部101a2を有している。また、本体側係合部101は、テーパ部181a3、テーパ部181a4と対向する円筒内壁部101a3、円筒内壁部101a4を有している。なお、カップリング部材181、本体側係合部101以外は前述した構成と同一であるため、以下の説明は前述と同一の符号を用いて説明する。
これにより、本体側係合部101から感光ドラム10へ駆動を伝達する際は、回転力付与部101a1、回転力付与部101a2と回転力受部181a1、回転力受部181a2とが当接し、カップリング部材181は、本体側係合部101から回転力を受けることができる。
また、カートリッジBを装置本体Aに対して装着方向X1へ移動させる際は、図35(a)に示すように、テーパ部181a3(またはテーパ部181a4)が当接部108aと当接し、力F2を受ける。そして、力F2の分力F2aによって、カップリング部材181が矢印X8方向へ移動することができる。或いは、図35(b)に示すように、回転力受部181a1(または回転力受部181a2)が当接部108aと当接し、力F1を受ける。そして、力F1によって、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4に沿って、カップリング部材181が矢印X62方向(または矢印X61方向)へ移動することができる。
そして、カートリッジBを、装置本体Aから取り外し方向X12へ移動させる際は、図36(a)に示すように、テーパ部181a4(またはテーパ部181a3)が円筒内壁部101a4(または円筒内壁部101a3)と当接し、力F9を受ける。そして、力F9の分力F9aによって、カップリング部材181が矢印X8方向へ移動することができる。或いは、図36(b)に示すように、回転力受部181a2(または回転力受部181a1)が回転力付与部101a2(または回転力付与部101a1)と当接し、力F5を受ける。そして、力F5によって、ガイド部150j1乃至ガイド部150j4に沿って、カップリング部材181が矢印X61方向(または矢印X62方向)へ移動することができる。
次に、図37乃至図54を用いて、本発明を適用した第2の実施例について説明する。
なお、本実施例では、前述した実施例と異なる構成、動作について説明し、同様の構成、機能を有する部材については同一の参照番号を付して先の実施例の説明を援用する。また、同様の部品名を付して説明を援用する。以下説明する他の実施例についても同様である。
また、実施例1と同様に、駆動側フランジ250、カップリング部材280、及び本体側係合部100の「回転軸線」を「軸線」と称する。以下説明する他の実施例についても同様である。
また、本実施例における、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向、及びカートリッジBの装置本体Aからの取り外し方向は、実施例1と同様であり、以下説明する他の実施例についても同様である。
まず、図37を用いて、本実施例に用いるカップリングユニットU23の構成について説明する。図37に示すように、カップリングユニットU23は、カップリング部材280、中間伝達部材としての中間スライダ230、および被ガイドピン240から構成されている。
まず、カップリング部材280について詳細に説明する。カップリング部材280の回転軸線を「軸線L281」と称し、軸線L281と直交する一方向を「軸線L282」、軸線L281、軸線L282の両方と直交する方向を「軸線L283」と称する。
図37(a)乃至図37(c)はカップリングユニットU23の分解斜視図である。図37(d)、図37(e)はカップリングユニットU23の説明図であり、図37(d)は軸線L281方向から見た図、図37(e)は軸線L283方向から見た図である。また、図37(e)では説明のため、中間スライダ230の円筒内壁部230r1、円筒内壁部230r2(後述)を破線で表示している。
カップリング部材280には、第一突出部280a、第二突出部280b、胴体部280c、円筒部280r1、円筒部280r2、第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2、貫通孔280mが設けられている。
貫通孔280mは第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2に設けられる円筒状の貫通孔であり、その中心軸は軸線L283と平行になっている。
第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2は軸線L283を法線とする平面であり、軸線L281方向から見て、軸線L281を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。また、円筒部280r1、円筒部280r2は、軸線L281を中心軸とする円筒形状を有し、軸線L281方向から見て、軸線L281を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。そして、胴体部280cも軸線L281を中心軸とする円筒形状を有し、その半径は円筒部280r1、円筒部280r2よりも大きくなっている。
第一突出部280a、第二突出部280bには、回転力受部280a3、回転力受部280b3、第二本体当接部280a2、第二本体当接部280b2が設けられている。ここで、胴体部280cと回転力受部280a3、回転力受部280b3はR形状部280a5、R形状280b5によって滑らかにつなげられている。また、第一突出部280a、第二突出部280bの駆動側先端には全周にわたって先端R部280a1、先端R部280b1が設けられている。本実施例において、回転力受部280a3、回転力受部280b3は軸線L283と直交する平面を有し、第二本体当接部280a2、第二本体当接部280b2は、軸線L282と直交する平面を有する。
次に、中間スライダ230について詳細に説明する。図37(a)に示すように、カップリング部材230の回転軸線を「軸線L231」と称し、軸線L231と直交する一方向を「軸線L232」、軸線L231、軸線L232の両方と直交する方向を「軸線L233」と称する。
中間伝達部材としての中間スライダ230には主に、中空部230f、外周部230e、及び第一ガイド部230j1乃至第一ガイド部230j4が設けられている。
外周部230eには、第二回転力伝達部230k1、第二回転力伝達部230k2(後述)から軸線L232方向に突出する円筒凸部230m1、円筒凸部230m2が設けられている。
第二回転力伝達部230k1、第二回転力伝達部230k2は、軸線L232を法線とする平面を有し、軸線L231を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。また、胴体部230c1、胴体部230c2は軸線L231を中心軸とする円筒形状を有し、軸線L231を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。
中空部230fには軸線L233を法線とする平面を有する第一回転力被伝達部230g1、第一回転力被伝達部230g2、及び軸線L231を中心軸とする円筒形状を有する円筒内壁部230r1、円筒内壁部230r2が設けられている。円筒内壁部230r1と円筒内壁部230r2は、軸線L231方向から見て、軸線L231を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。
そして、図37(e)に示すように、第一ガイド部230j3、第一ガイド部230j4は軸線L233方向から見て、軸線L231に対して角度θ4だけ傾斜するよう設けられている。また、第一ガイド部230j3と第一ガイド部230j4はそれぞれ、軸線L233方向から見て、軸線L231を基準とした対称形状である。そして、図37(a)に示す第一ガイド部230j1、第一ガイド部230j2はそれぞれ、軸線L231を基準として、第一ガイド部230j3、第一ガイド部230j4と180度対向した位置に設けられている。
図37に示すように、カップリング部材280の軸線L283が中間スライダ230の軸線L233と平行になるように、円筒部280r1、円筒部280r2、第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2が中空部230fに配置される。ここで、図37(d)に示すように、第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2と第一回転力被伝達部230g1、第一回転力被伝達部230g2は、軸線L283方向に殆ど隙間なく嵌合している。これにより、カップリング部材280の中間スライダ230に対する軸線L283方向への移動が規制されている。また、中間スライダ230は、カップリング部材280に対して軸線L231回りに回転しないようになっている。すなわち、第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2と第一回転力被伝達部230g1、第一回転力被伝達部230g2との係合を介して、カップリング部材280から中間スライダ230に回転力が伝達される。
また、カップリング部材280が軸線L281と軸線L231とが略同軸になるようにして中空部230fに配置されるとき、円筒部280r1、円筒部280r2と円筒内壁部230r1、円筒内壁部230r2との間には、隙間D1が設けられている。これにより、カップリング部材280は中間スライダ230に対して、軸線L282方向に移動可能になっている。
そして、図37(c)、図37(e)に示すように、円筒形状の被ガイドピン240はカップリング部材230の貫通孔230mに挿通されている。後述するように、カップリング部材280が付勢部材270によって駆動側(矢印X9方向)に付勢されると、第一ガイド部230j1、第一ガイド部230j2と被ガイドピン240が当接する。これにより、カップリング部材280は、中間スライダ230から駆動側に抜け出ることを防止されるとともに、軸線L281が軸線L231と略同軸になるように配置される。
次に、図38及び図39を用いて、本実施例に用いる駆動側フランジユニットU22の構成について説明する。図38(a)は、駆動側フランジユニットU22を取り付けた感光ドラムユニットU21を駆動側から見た斜視説明図である。図38(b)は、図38(a)のS21断面を表した断面説明図であり、図38(c)は、図38(a)のS22断面を表した断面説明図である。図39は駆動側フランジユニットU22の分解斜視図である。図38(c)においては、説明のため、カップリングユニットU23は切断せずに表示し、第二ガイド部250j1、第二ガイド部250j2及びスライド溝250s1を破線で表示している。
図38に示すように、駆動側フランジユニットU22は、駆動側フランジ250、カップリングユニットU23、抜け止めピン291、抜け止めピン292、付勢部材270、スライダ260、から構成されている。
まず、図39を用いて駆動側フランジ250について詳細に説明する。駆動側フランジの回転軸線を「軸線L251」と称し、軸線L251と直交する一方向を「軸線L252」、軸線L251、軸線L252の両方と直交する方向を「軸線L253」と称する。
駆動側フランジ250には、嵌合支持部250b、ギア部250c、支持部250d等が設けられている。また、駆動側フランジ250の内部は中空形状であり、これを中空部250fと称する。
中空部250fには、軸線L252を法線とする平面を有する第二回転力被伝達部250g1、第二回転力被伝達部250g2、軸線L251を中心軸とした円筒形状を有する円筒内壁部250r、及び第二ガイド部250j1乃至第二ガイド部250j4が設けられている。
図38(c)に示すように第二ガイド部250j1、第二ガイド部250j2は軸線L252方向から見て、軸線L251に対して角度θ5だけ傾斜するよう設けられている。また、第二ガイド部250j1と第二ガイド部250j2は、軸線L252方向から見て、軸線L251を基準とした対称形状である。そして、第二ガイド部250j3、第二ガイド部250j4はそれぞれ、軸線L251を基準として、第二ガイド部250j1、第二ガイド部250j2と180度対向する位置に設けられている。
また、円筒内壁部250rには、スライド溝250s1、スライド溝250s4が設けられている。スライド溝250s1、スライド溝250s4は、後述するように、抜け止めピン291、抜け止めピン292を支持する貫通孔であり、軸線L252方向から見て、軸線L253方向を長辺とする長方形状である。
図38、図39に示すように、カップリングユニットU23は、駆動側フランジ250に対して、軸線L282が軸線L252と平行になるようにして、駆動側フランジ250の中空部250fに配置される。ここで、中間スライダ230の第二回転力伝達部230k1、第二回転力伝達部230k2と第二回転力被伝達部250g1、第二回転力被伝達部250g2は、軸線L282方向にほとんど隙間なく嵌合している。これにより、カップリングユニットU23は駆動側フランジ250に対して、軸線L282方向への移動が規制されている(図39(d)参照)。また、中間スライダ230は駆動側フランジ250に対して、軸線L251回りに回転しないようになっている。すなわち、第二回転力伝達部230k1、第二回転力伝達部230k2と第二回転力被伝達部250g1、第二回転力被伝達部250g2の係合を介して、中間スライダ230からフランジ250に回転力が伝達される。
また、図38(c)に示すように、カップリングユニットU23が軸線L281と軸線L251とが略同軸になるように中空部250fに配置されるとき、胴体部230c1、胴体部230c2と円筒内壁部250rとの間には、隙間D2が設けられている。これにより、カップリングユニットU23は駆動側フランジ250に対して、軸線L283方向に移動可能になっている。そして、後述するように、中間スライダ230がカップリング部材280を介して、付勢部材270によって駆動側(矢印X9方向)に付勢されると、円筒凸部230m1、円筒凸部230m2が第二ガイド部250j1乃至第二ガイド部250j4に当接する。これにより、中間スライダ230は、駆動側フランジ250から駆動側へ脱落することを防止されるとともに、軸線L231が軸線L251と略同軸になるように配置される。
図38に示すように、保持部材(移動部材)としてのスライダ260には、カップリング部材280の円筒部280r1、円筒部280r2と嵌合する円筒部260a、及び付勢部材270の一端部270aが当接する当接部260b、抜け止めピン291、抜け止めピン292を挿通する貫通孔260c1乃至貫通孔260c4が設けられている。ここで、円筒部260aの中心軸を軸線L261とする。
円筒部260aは、カップリング部材280の円筒部280r1、円筒部280r2を、殆ど隙間なく嵌合支持している。これにより、カップリング部材280は、軸線L281と軸線L261とが略同軸上に保持されたまま、軸線L281方向に移動可能になっている。
一方、図39(c)に示すように、円筒形状の抜け止めピン291、抜け止めピン292は、その中心軸が駆動側フランジ250の軸線L252と平行になるように、スライダ260の貫通孔260c1乃至貫通孔260c4に、径方向に殆ど隙間なく挿通されている。そして、抜け止めピン291、抜け止めピン292が、駆動側フランジ250のスライド溝250s1、スライド溝250s4に支持されることで、スライダ260と駆動側フランジ250が連結されている。
図38(c)に示すように、抜け止めピン291、抜け止めピン292は、軸線L253方向に並んで配置されている。加えて、抜け止めピン291、抜け止めピン292の直径は、スライド溝150s1、スライド溝150s4の軸線L251方向の幅よりも、僅かに小さくなるように設定されている。これにより、スライダ260は、軸線L261と軸線L251とが平行な状態を保つようになっている。また、スライダ260は、駆動側フランジ250に対して、軸線L251方向に移動できないようになっている。言い換えると、スライダ260は、軸線L251に対し実質的に直交する直交方向に移動できるようになっている。
また、図38(b)に示すように、抜け止めピン291、抜け止めピン292は、感光ドラム10の開口部10a2によって、軸線L252方向へ抜け出ることを防止されている。加えて、抜け止めピン291および抜け止めピン292の長さG4を、円筒内壁部250rの直径φG5よりも大きく設定している。これにより、抜け止めピン291、抜け止めピン292は、スライド溝250s1およびスライド溝250s4から脱落しないようになっている。
さらに、抜け止めピン291とスライド溝250s1の一端部250s2との間、及び抜け止めピン292とスライド溝250s1の他端部250s3との間には、隙間D2よりも大きい隙間E3が設けられている(図38(c)参照)。そして、抜け止めピン291とスライド溝250s4の一端部250s5との間、及び抜け止めピン292とスライド溝250s4の他端部250s6との間にも、隙間E2と同様の隙間が設けられている(不図示)。加えて、貫通孔260c1乃至貫通孔260c4やスライド溝250s1、スライド溝250s4に潤滑剤(不図示)を塗布している。これにより、スライダ260は、駆動側フランジ250に対し、軸線L253方向に滑らかに移動できるようになっている。
したがって、スライダ260は駆動側フランジ250に対して、軸線L261が軸線L251と平行な状態を保ったまま、軸線L252方向と軸線L253方向、及びこれらを合成した方向(即ち、軸線L251と直交するすべての方向)に移動可能になっている。言い換えると、スライダ260は、軸線L251に対し実質的に直交する直交方向に移動可能になっている。また、スライダ260は、駆動側フランジ250に対して、軸線L251方向への移動が規制されている。
図38(b)に示すように、付勢部材270の一端部270aはスライダ260のバネ当接部260bと当接し、他端部270bはカップリング部材280のバネ当接部280d1と当接している。そして、付勢部材270はカップリング部材280とスライダ260の間で圧縮され、カップリング部材280を駆動側(矢印X9方向)に付勢している。また、図37(e)に示すように、付勢部材270は、カップリング部材280に取り付けられた被ガイドピン240と第一ガイド部230j1乃至第一ガイド部230j4との当接を介して、中間スライダ230も駆動側(矢印X9方向)に付勢している。
以上の構成により、カップリング部材280は、スライダ260を介して、駆動側フランジ250に対して、軸線L281と軸線L251とが平行な状態を保つようになっている。また、中間スライダ230はカップリング部材280に対して、軸線L232回りに回転せず、かつ、駆動側フランジ250に対して軸線L233回りに回転しない。したがって、中間スライダ230は、カップリング部材280、駆動側フランジ250に対して、軸線L231が軸線L281及び軸線L251と平行な状態を保つようになっている。
また、カップリング部材280は、中間スライダ230に対して、軸線L282方向に移動可能である。加えて、中間スライダ230は駆動側フランジ250に対して、軸線L233方向に移動可能である。言い換えると、軸線L251に沿って見た時に、中間スライダ230に対するカップリング部材280の移動方向と、駆動側フランジ250に対する中間スライダ230と、が実質的に交差(より詳細には実質的に直交)するように構成されている。したがって、カップリング部材280は駆動側フランジ250に対して、軸線L282方向、軸線L233方向、及びこれらを合成した方向(即ち、軸線L281と直交する全ての方向)に移動可能になっている。
さらに、付勢部材270によって、カップリング部材280の軸線L281が中間スライダ230の軸線L231と略同軸になるように付勢され、かつ、軸線L231が駆動側フランジ250の軸線L251と略同軸になるように付勢されている。したがって、カップリング部材280は付勢部材270によって、駆動側フランジ250に対して、軸線L281が軸線L251と略同軸になるように付勢されている。
次に、図40乃至図43を用いて、カップリング部材280の動作について説明する。図40は、カップリング部材280の軸線L281が、駆動側フランジ250の軸線L251と同軸にある状態を示した図である。図40(a)は駆動側から見た図であり、図40(b)、図40(c)はそれぞれ、図40(a)を軸線L283に平行なSL283断面、軸線L282に平行なSL282断面で表した断面図である。断面図の定義は以下、図41乃至図43においても同様である。図41は、カップリング部材280を、駆動側フランジ250に対して軸線L283と平行な矢印X51方向に移動させた状態を示した図である。図42は、カップリング部材280を、駆動側フランジ250に対して軸線L282と平行な矢印X41方向に移動させた状態を示した図である。図44は、カップリング部材280を、矢印X41方向と矢印X51方向とが合成された、矢印X45方向に、距離pだけ移動させた状態を示した図である。
まず、カップリング部材280は、付勢部材270の付勢力F270により、図40のように、第一ガイド部230j3、第一ガイド部230230j4と被ガイドピン240が当接し、第二ガイド部250j1、第二ガイド部250j2と円筒凸部230m1が当接する。ここで、図40(c)に示すように、第一ガイド部230j3、第一ガイド部230j4と被ガイドピン240との当接により、軸線L282方向から見て、軸線L281と軸線L231とが略同軸になる。一方、図40(b)に示すように、第二ガイド部250j1、第二ガイド部250j2と円筒凸部230m1との当接により、軸線L283方向から見て、軸線L231と軸線L251とが略同軸になる。したがって、カップリング部材280は付勢部材270の付勢力F270によって、軸線L281と軸線L251が略同軸になる。
次に、図41(a)に示すように、カップリング部材280を、駆動側フランジ250に対して軸線L283と平行な矢印X51方向に移動させる。すると、図41(b)に示すように、カップリングユニットU23は、中間スライダ230の傾斜部または当接部としての円筒凸部230m1と、駆動側フランジ250の傾斜部または当接部としての第二ガイド部250j1の当接によって、第二ガイド部250j1に沿った方向(矢印X61方向)に移動する。このとき、カップリングユニットU23は、軸線L281が軸線L251に対して平行な状態を維持している。したがって、カップリングユニットU23は、中間スライダ230の胴体部230c1が円筒内壁部250rに当接するまで、即ち、軸線L283方向の移動距離p1が隙間D2と等しくなるまで、矢印X61方向に移動可能である。一方、スライダ260は抜け止めピン291、抜け止めピン292によって軸線L251方向への移動が規制されている。したがって、カップリングユニットU23の矢印X61方向への移動に連動して、スライダ260は、抜け止めピン291、抜け止めピン292とともに、スライド溝250s1、スライド溝250s4に沿って矢印X51方向に移動する。
また、カップリング部材280を矢印X51方向とは反対の方向に移動させるときも同様に、カップリング部材280は第二ガイド部250j2に沿った方向に移動する。
一方、図42(a)に示すように、カップリング部材280を、駆動側フランジ250に対して軸線L282と平行な矢印X41方向に移動させる。すると、図42(c)に示すように、カップリング部材280は、傾斜部または当接部としての被ガイドピン240と中間スライダ230の傾斜部または当接部としての第一ガイド部230j4の当接によって、第一ガイド部230j4に沿った方向(矢印X71方向)に移動する。このとき、カップリング部材280は、軸線L281が軸線L231に対して平行な状態を維持している。したがって、カップリング部材280は、円筒部280r1が中間スライダ230の円筒内壁部230r1に当接するまで、即ち、カップリング部280の軸線L282方向の移動距離p2が隙間D1と等しくなるまで、矢印X71方向に移動可能である。一方、スライダ260は抜け止めピン291、抜け止めピン292によって軸線L251方向への移動が規制されている。したがって、カップリング部材280の矢印X71方向への移動に連動して、スライダ260は、抜け止めピン291、抜け止めピン292の中心軸に沿って矢印X41方向に移動する。
また、カップリング部材280を矢印X41方向とは反対の方向に移動させるときも同様に、カップリング部材280は第一ガイド部230j3に沿った方向に移動する。
更に、図43(a)に示すように、カップリング部材280を駆動側フランジ250に対して、矢印X45方向へ距離pだけ移動させる。ここで、距離pのうち、軸線L282方向の成分をp4、軸線L283方向の成分をp5とする。すると、カップリング部材280は中間スライダ230に対して軸線L282方向に距離p4だけ移動する。これと同時に、カップリング部材280及び中間スライダ230は、駆動側フランジに対して軸線L283方向に距離p5だけ移動する。カップリング部材280が中間スライダ230に対して移動することに伴い、カップリング部材280は第一ガイド部230j4に沿って距離p41だけ、中間スライダ230に対して矢印X8方向に移動する(図43(c)参照)。同時に、中間スライダ230が駆動側フランジ250に対して移動することに伴い、中間スライダ230およびカップリング部材280は第二ガイド部250j1に沿って距離p51だけ、駆動側フランジ250に対して矢印X8方向に移動する(図43(b)参照)。したがって、カップリング部材280は、矢印X45方向に距離pだけ移動することに伴い、矢印X8方向に距離p41+p51だけ移動する。
なお、カップリング部材280を矢印X8方向に移動させる構成については、実施例11と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、カップリング部材280は、駆動側フランジ250に対して、軸線L281方向及び軸線L283方向、及び軸線L282方向に移動可能である。また、カップリング部材280は駆動側フランジ250に対し、軸線L283方向、軸線L282方向、及びこれらが合成された方向(即ち、軸線L281に直交する全ての方向)への移動に連動して軸線L281方向へ移動可能である。
次に、図44乃至図46を用いて、カップリング部材280の係合動作について説明する。図44、図46は、カップリング部材280が本体側係合部100と係合する時の状態についての断面説明図である。図44(a)、図46(a)は、装着方向とS23断面図、S24断面図の切断方向を表した説明図である。図44(b1)乃至図44(b4)は、図44(a)のS23−S23断面で表し、カップリング部材280が移動し、本体側係合部100と係合する状態を表した断面説明図である。図46(b1)、図46(b2)は、図46(a)のS24断面で表し、カップリング部材280が移動し、本体側係合部100と係合する状態を表した断面説明図である。図45(a)、図45(b)はそれぞれ、図44(b1)、図44(b2)の駆動側フランジユニットU22近傍を拡大した拡大図である。図45(b)、図46(b2)では説明のため、装着初期状態(後述する)における第一突出部280bを破線で表示している。以下、本体側係合部100とカップリング部材280との係合が完了する状態を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図44(a)に示すように、カップリング部材280の軸線L283と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが平行になる場合について説明する。
図44(b1)、図45(a)に示すように、カートリッジBを矢印X1方向に装着すると、カップリング部材280の胴体部280cが当接部108aと当接する。この状態を装着初期状態とする。この図44(b1)のときのカップリング部材280の位置は第一位置(突出位置)である。このときは、カップリング部材280の回転軸線L281が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L281と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材280の回転軸線L281は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L281と回転軸線L251は実質的に一致している。
次いでカートリッジBを装着していくと、胴体部280cが、固定部材としての本体側当接部108aから装着に伴う力F1を受ける。力F1は、矢印X1方向と平行、すなわち軸線L283と平行な方向に働くため、力F1により、中間スライダ230の円筒凸部230m1と駆動側フランジ250の第二ガイド部250j1とが当接する。そして、カップリングユニットU23は駆動側フランジ250に対し、第二ガイド部250j1に沿って矢印X61方向に移動する。
そして、図44(b2)、図45(b)に示すように、中間スライダ230の胴体部230c1が駆動側フランジ250の円筒内壁部250r1と当接し、カップリングユニットU23のX61方向への移動が規制される。このとき、軸線L281方向において、カップリングユニットU23が装着初期状態から移動する量を移動量N2とする。移動量N2は、第二ガイド部250j1乃至第二ガイド部250j4の軸線L251に対する傾きθ5と、隙間D2(図38(c)参照)によって決定される。
図45(b)に示す状態では、カップリングユニットU23は、図44(b1)、図45(a)に示す装着初期状態に比べて移動量N2だけ矢印X8方向に移動している。このとき、カップリング部材280の先端R部280b1のみが駆動側フランジ250から突出するように、移動量N2が設定されている。すると、力F1は先端R部280b1のR形状の中心方向を向くため、力F1には矢印X8方向の分力F1aが働く。そして、分力F1aによって、カートリッジBの装着方向X1への移動に伴い、付勢部材270の付勢力F270に抗して、カップリング部材280はさらに矢印X8方向に移動する。そして、図44(b3)に示すように、カップリング部材280は、当接部108aを通りぬけることができる。この図44(b3)のカップリング部材280の位置は第二位置(退避位置)である。このときは、カップリング部材280の回転軸線L281が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L281と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L281と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材280の回転軸線L281は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L281と回転軸線L251は間隔を有しており(回転軸線L281と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材280が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
その後、実施例1と同様に、カートリッジBを装着完了位置まで装着すると、付勢部材270の付勢力F270によってカップリング部材280は矢印X9方向へと突出し、カップリング部材280を本体側係合部と係合させることができる(図44(b4))。即ち、このとき、カップリング部材280の位置は、前述した第一位置(突出位置)とほぼ同じである。
一方、図46に示すように、カップリング部材280の軸線L283と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが直交する場合について説明する。
カートリッジBを矢印X1方向に装着すると、カップリング部材280の胴体部280cが当接部108aと当接する。次いでカートリッジBを装着していくと、胴体部280cが本体側当接部108aから装着に伴う力F2を受ける。力F2は、矢印X1方向と平行、すなわち軸線L282と平行な方向に働くため、力F2により、被ガイドピン240と中間スライダ230の第一ガイド部230j4とが当接する。そして、カップリング部材280は中間スライダ230に対し、第一ガイド部230j4に沿って矢印X71方向に移動する。
そして、図46(b2)に示すように、カップリング部材280の円筒部280r1が中間スライダ230の円筒内壁部230r1と当接し、カップリング部材280のX71方向への移動が規制される。このとき、軸線L281方向において、カップリング部材280が装着初期状態から移動する量を移動量N3とする(図46(b2))。移動量N3は、第一ガイド部230j1乃至第一ガイド部230j4の軸線L231に対する傾きθ4と、隙間D1(図37(c)参照)によって決定される。
図46(b2)に示す状態では、カップリング部材280は、装着初期状態に比べて移動量N3だけ矢印X8方向に移動している。このとき、カップリング部材280の先端R部280b1のみが駆動側フランジ250から突出するように、移動量N3が設定されている。すると、力F1は先端R部280b1のR形状の中心方向を向くため、力F2には矢印X8方向の分力F2aが働く。そして、分力F2aによって、カートリッジBの装着方向X1への移動に伴い、付勢部材270の付勢力F270に抗して、カップリング部材280はさらに矢印X8方向に移動し、当接部108aを通り抜けることができる。その後、図44(b3)、図44(b4)と同様の過程を辿り、カートリッジBを装着完了位置まで移動させることができる。
次に、図47を用いて、本実施例における感光ドラム10への回転力伝達動作について説明する。図47は回転力伝達経路を示した斜視断面図である。
本体側係合部からカップリング部材280への回転力伝達経路は、実施例1と同様であるため説明を省略する。回転力を伝達されたカップリング部材280は、第一回転力伝達部280g1、第一回転力伝達部280g2から第一回転力被伝達部230g、第一回転力被伝達部230g2を介して、中間スライダ230に回転力を伝達する。次に、中間スライダ230は、第二回転力伝達部230k1、第二回転力伝達部230k2から第二回転力被伝達部250g1、第二回転力被伝達部250g2を介して駆動側フランジ250に回転力を伝達する。そして、実施例1と同様、駆動側フランジ250から感光ドラム10へ回転力を伝達する。
次に、図48乃至図51を用いて、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際の、カップリング部材280を本体側係合部100から離脱させる動作について説明する。
図48(a)、図50(a)は、カートリッジBの取り外し方向とS25断面図及びS26断面図の切断方向を表した説明図である。図48(b1)乃至(b4)は図48(a)のS25断面を表し、カップリング部材180が本体側係合部100から離脱する状態を表した断面説明図である。また、図50(b1)乃至(b4)は、図50(a)のS26断面を表し、カップリング部材180が本体側係合部100から離脱する状態を表した断面説明図である。図49、図51はそれぞれ、図48(b3)、図50(b3)の駆動側フランジユニットU22近傍を拡大した拡大図である。なお、図48乃至図51のいずれの断面図においても説明のため、カップリングユニットU23は切断しない状態で表示している。また、図48(b1)乃至(b4)、図49においては駆動側フランジ250の第二ガイド部250j1、第二ガイド部250j2を破線で表示している。そして、図50(b1)乃至(b3)、図51においては、中間スライダ230の円筒内壁部230r1、円筒内壁部230r2を破線で表示している。以下、回転力受部280b3側を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図48に示すように、カートリッジBの取り外し方向(矢印X12方向)と、カップリング部材280の軸線L283とが平行になる場合について説明する。
図48(b1)のときのカップリング部材280の位置は第一位置(回転力伝達可能位置)である。この第一位置(回転力伝達可能位置)は、前述の第一位置(突出位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材280の回転軸線L281が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L281と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材280の回転軸線L281は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L281と回転軸線L251は実質的に一致している。
図48(b2)に示すように、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、カップリング部材280の取り外し方向上流側の回転力受部280b3が回転力付与部100a2から、カートリッジBの取り外しによる力F5を受ける。力F5は回転力受部280b3の法線、すなわち軸線L283と平行な方向に働くため、力F5により、中間スライダ230の円筒凸部230m1と駆動側フランジ250の第二ガイド部250j2とが当接する。そして、カップリングユニットU23は、駆動側フランジ250に対して第二ガイド部250j2に沿って矢印X62方向に移動する。
更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図48(b3)に示すように、中間スライダ230の胴体部230c2と駆動側フランジ250の円筒内壁部250rとが当接する。これにより、カップリングユニットU23の駆動側フランジ250に対する矢印X62方向への移動が規制される。このとき、図49に示すように、第二突出部280bの先端R部280b1が、回転力付与部100a2の最凸部100m2よりも非駆動側で回転力付与部100a2と当接するように、前述の移動量N2が設定されている。これにより、力F5は先端R部280b1のR形状の中心を向くため、力F5には矢印X8方向の分力F5aが働く。分力F5aによって、カートリッジBの取り外し方向X12への移動に伴い、付勢部材270の付勢力F270に抗して、カップリング部材280は更に矢印X8方向に移動する。そして、図48(b4)に示すように、カップリング部材280は、本体側係合部100の空間部100fから離脱する。
この図48(b4)のカップリング部材280の位置は第二位置(離脱可能位置)である。この第二位置(離脱可能位置)は、前述の第一位置(退避位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材280の回転軸線L281が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L281と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L281と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材280の回転軸線L281は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L281と回転軸線L251は間隔を有しており(回転軸線L281と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材280が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材280が本体側係合部100から離脱する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材280が本体側係合部100から力を受けることにより、カップリング部材280が前記第一位置から前記第二位置へ移動する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材280が本体側係合部100と駆動側フランジ250から力を受けて前記第一位置(回転力伝達可能位置)から前記第二位置(離脱可能位置)へ移動する。
次に、図50(a)に示すように、カートリッジBの取り外し方向X12と、カップリング部材280の軸線L283とが直交する場合について説明する。
図50(b1)のカップリング部材280の位置も第一位置(回転力伝達可能位置)である。このときは、カップリング部材280の回転軸線L281が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L281と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材280の回転軸線L281は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L281と回転軸線L251は実質的に一致している。
また、この図50(b1)の中間スライダ230の位置は第一中間位置である。このときは、中間スライダ230の回転軸線L231が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L231と回転軸線L1は実質的に一致している。また、中間スライダ230の回転軸線L231は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L231と回転軸線L251は実質的に一致している。
この図50(b1)に示す状態からカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、カップリング部材280は駆動側フランジ250及び中間スライダ230とともに、取り外し方向X12に移動する。そして、図50(b2)に示すようにカップリング部材280の取り外し方向X12上流側の第二本体当接部280b2が取り外し方向X12下流側の平面壁部100k1に当接し、カートリッジBの取り外しによる力F9を受ける。力F9は第二本体当接部280b2の法線、すなわち軸線L282と平行な方向に働く。このため、力F9により、被ガイドピン240が中間スライダ230の第一ガイド部230j1と当接したまま、カップリング部材280は、中間スライダ230及び駆動側フランジ250に対し、第一ガイド部230j2に沿って矢印X72方向に移動する。
更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図50(b3)に示すように、カップリング部材280の円筒部280r2と中間スライダ230の円筒内壁部230r2とが当接する。これにより、カップリング部材280の駆動側フランジ250及び中間スライダ230に対するX72方向への移動が規制される。このとき、図51に示すように、第二突出部280bの先端R部280b1が、退避力付与部100n1と当接するように、前述の移動量N3が設定されている。これにより、力F9は先端R部280b1のR形状の中心を向くため、力F9には矢印X8方向の分力F9aが働く。分力F9aによって、カートリッジBの取り外し方向X12への移動に伴い、付勢部材270の付勢力F270に抗して、カップリング部材280は更に矢印X8方向に移動する。そして、図50(b4)に示すように、カップリング部材280は本体側係合部100の空間部100fから離脱する。 この図50(b4)のカップリング部材180の位置も第二位置(離脱可能位置)である。このときは、カップリング部材280の回転軸線L281が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L281と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L281と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材280の回転軸線L281は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L281と回転軸線L251は間隔を有しており(回転軸線L281と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材280が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
また、この図50(b4)の中間スライダ230の位置は第二中間位置である。このときは、中間スライダ230の回転軸線L231が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L231と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L231と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、中間スライダ230の回転軸線L231は駆動側フランジ250の軸線L251とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L231と回転軸線L251は間隔を有しており(回転軸線L231と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、中間スライダ230が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材280が本体側係合部100から離脱する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材280が本体側係合部100から力を受けることにより、カップリング部材280が前記第一位置から前記第二位置へ移動する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材が本体側係合部100と駆動側フランジ250から力を受けて前記第一位置(回転力伝達可能位置)から前記第二位置(離脱可能位置)へ移動する。
なお、前述の説明では、カートリッジBの取り外し方向12が、カップリング部材280の軸線L283と平行になる場合、及び直交する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述で説明した取り外し方向と異なる場合も、同様にカップリング部材280は本体側係合部100から離脱することができる。このような場合、カートリッジBの取り外しに際し、回転力受部280a3、回転力受部280b3のいずれかが、回転力付与部100a1及び回転力付与部100a2のいずれかと当接する。あるいは、第二本体当接部280a2、第二本体当接部280b2のいずれかが、平面壁部100k1、平面壁部100k2のいずれかと当接する。あるいは、先端R部280a1、先端R部280b1のいずれかが、退避力付与部100n1、退避力付与部100n2のいずれかと当接する。すると、カップリング部材280は、少なくとも前述の取り外しによる力F5及び力F9のいずれかを受け、駆動側フランジ250に対して、軸線L281と直交する方向に移動する。そして、軸線L281と直交する方向への移動に連動して、カップリング部材280は矢印X8方向に移動し、本体側係合部100から離脱することができる。
つまり、カートリッジBの装置本体Aからの取り外し方向に対し、カップリング部材280、及び本体側係合部100の回転方向の位相がどのような関係にあっても、前述の構成によって、カートリッジBを装置本体Aから取り外すことができる。
なお、本実施例においては、実施例1と同様に、カップリング部材280は二つの突出部を有する構成としたが、突出部の断面形状は自由に設計することができる。例えば、突出部の断面形状を三角柱とする場合について、図52乃至図54を用いて説明する。図52は、カップリング部材281及び本体側係合部201の斜視説明図である。図53はカップリング部材281を含む駆動側フランジユニットU221が、本体側係合部201と係合した状態を示した説明図である。図53(a)は軸線L101方向から見た図、図53(b)、図53(c)はそれぞれ、図53(a)をS29断面、S30断面を表した断面図である。図54はカップリング部材281を含む駆動側フランジユニットU221を、本体側係合部201から取り外す様子を示した説明図である。図54(a)は軸線L101方向から見た図、図54(b)、図54(c)はそれぞれ、図54(a)をS29断面、S30断面を表した断面図である。図53(a)、図54(a)では説明のため、カップリングユニットU231を切断せずに表示し、駆動側フランジ250の円筒内壁部250rを破線で表示している。また、図53(c)、図54(c)では説明のため、カップリングユニットU23を切断せずに表示し、駆動側フランジ250の第一ガイド部250j1、第一ガイド部250j2を破線で表示している。
図52に示すように、カップリング部材281の突出部281aは、胴体部280cから駆動側に突出する三角柱である。一方、本体側係合部201の回転力付与部201aは、突出部281aと、断面が略同形状になる三角柱の凹である。
この場合、例えば図54(a)に示すように、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、カップリング部材281は本体側係合部201と係合したまま、取り外し方向X12には移動しない。一方、駆動側フランジ250は取り外し方向X12に移動するため、カップリング部材281は駆動側フランジ250に対して相対的に取り外し方向X12と反対方向に移動する。これにより、図54(b)、図54(c)に示すように、カップリング部材281は、第一ガイド部230j1乃至第一ガイド部230j4、及び第二ガイド部250j1乃至第二ガイド部250j4に沿って矢印X8方向に移動する。つまり、カップリング部材281は取り外し方向X12には移動せず、その場で矢印X8方向に移動し、突出部281aが回転力付与部201aから離脱することができる。
以上説明したように、本実施例では、カップリング部材280は、実施例1での動作に加え、軸線L281と直交するすべての方向への移動が可能となった。これにより、実施例1と同様の効果を得るとともに、回転力受部の形状の設計制約を少なくすることができる。
次に、図58乃至図86を用いて、本発明を適用した第3の実施例について説明する。
なお、本実施例では、前述した実施例と異なる構成、動作について説明し、同様の構成、機能を有する部材については同一の参照番号を付して先の実施例の説明を援用する。また、同様の部品名を付して説明を援用する。
また、実施例1と同様に、駆動側フランジ350、カップリング部材380、及び本体側係合部300の「回転軸線」を「軸線」と称する。
また、本実施例における、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向、及びカートリッジBの装置本体Aからの取り外し方向は、実施例1と同様であり、以下説明する他の実施例についても同様である。
(1)プロセスカートリッジの概略説明
図58は本発明を適用したカートリッジBの断面図、図59、60はカートリッジBの斜視図である。
図58乃至図60に示すように、カートリッジBは感光ドラム310を有する。そして、カートリッジBが装置本体Aに装着された際に、装置本体Aから後述するカップリング機構により回転駆動力を受けて回転する。尚、このカートリッジBは、使用者によって装置本体Aに対して取り付け及び取り外し可能である。
感光ドラム310の外周面には、対向配置して帯電手段としての帯電ローラ311が設けられている。帯電ローラ311は、装置本体Aからの電圧印加によって、感光ドラム310を帯電する。また、帯電ローラ311は、感光ドラム310に接触して設けられており、感光ドラム310と従動回転する。
カートリッジBは、現像手段としての現像ローラ313を有する。現像ローラ313は、現像剤tを担持可能な回転体であって感光ドラム310の現像領域へ現像剤tを供給する。そして、現像ローラ313は、前記現像剤tを用いて、感光ドラム310に形成された静電潜像を現像する。この現像ローラ313は、マグネットローラ(固定磁石)313cを内蔵している。
現像ローラ313の周面に当接して、現像ブレード315が設けられている。現像ブレード315は、現像ローラ313の周面に付着する現像剤tの量を規定する。また、現像剤tに摩擦帯電電荷を付与する。
現像剤収納容器314内に収納された現像剤tを、攪拌部材316、317の回転によって現像室314aへ送り出す。そして、電圧を印加された現像ローラ313を回転させる。これによって、現像ブレード315によって摩擦帯電電荷を付与した現像剤層を現像ローラ313の表面に形成する。そして、その現像剤tを潜像に応じて感光ドラム310へ転移させる。これによって、前記潜像を現像する。すなわち、感光体(回転体)としての感光ドラム310は、現像剤像(現像剤t)を担持可能である。
尚、感光ドラム310に形成された現像剤像は、転写ローラ4(図1参照)によって記録媒体2(図1参照)に転写される。ここで、記録媒体とは、例えば、用紙、ラベル、OHPシートである。
感光ドラム310の外周面に対向して、クリーニング手段としての弾性クリーニングブレード320が配置されている。ブレード320は、その先端が感光ドラム310に当接している。そして、ブレード320は、前記現像剤像を記録媒体2に転写後に感光ドラム310に残留する現像剤tを除去する。ブレード320によって感光ドラム310表面から除去された現像剤tは、除去現像剤溜め321aに収納される。
尚、カートリッジBは、現像ユニット318及びドラムユニット319にて一体に構成されている。
また、現像ユニット318は、カートリッジ枠体B1の一部である現像枠体314bによって構成されている。そして現像ユニット318は、現像ローラ313、現像ブレード315、現像室314a、現像剤収納容器314、及び、攪拌部材316、317を有する。
また、ドラムユニット319は、カートリッジ枠体B1の一部であるドラム枠体321によって構成されている。そして、ドラムユニット319は、感光ドラム310、クリーニングブレード320、除去現像剤溜め321a、及び、帯電ローラ311を有する。
また、現像ユニット318とドラムユニット319は、ピンPによって回動可能に結合されている。そして、両ユニット318、319間に設けられた図60に示す弾性部材323によって、感光ドラム310に現像ローラ313が押圧されている。
前述のカートリッジB、装置本体Aのカートリッジ収納部330a(後述:図62)に装着する。この際に、後述するように、カートリッジBの装着動作に連動して装置本体Aの駆動軸とカートリッジBの回転駆動力伝達部品であるカップリングとが結合する。そして、感光ドラム310等は装置本体Aから駆動力を受けて回転する。
更に、図59に示すように、カートリッジBの駆動側に、後述する感光体ユニットとしての感光ドラムユニットU31を回転可能に支持するためのドラム軸受325が設けられている。このドラム軸受325は、その外側端部外周325aがカートリッジガイド340R1を兼ねている。このカートリッジガイド340R1は、感光ドラム310の長手方向(回転軸線L1の方向)において外側に突出している。この突出部としてのカートリッジガイド340R1と、カップリング部材350(後述する第一の位置のときの状態)と、を回転軸線L1に投影したときは、カップリング部材350とカートリッジガイド340R1とは互いにオーバーラップしている。また、カートリッジガイド340R1は、カップリング部材350を保護する機能も有している。
また、図60に示すように、カートリッジBの非駆動側に、感光ドラムユニットU31を回転可能に支持するためのドラム軸326が設けられている。ドラム軸326は、その外側端部外周326aがカートリッジガイド340L1を兼ねている。
また、ドラムユニット319の長手方向一端(駆動側)には、カートリッジガイド340R1の略上方に340R2が設けられている。そして、前記長手方向他端(非駆動側)には、上記カートリッジガイド340L1の上方にカートリッジガイド340L2が設けられている。
また、本実施例ではカートリッジガイド340R1、340R2は、ドラム枠体321と一体に成形されている。しかしながら、カートリッジガイド340R1、340R2は別部材でも構わない。
(2)装置本体の駆動構成及びカートリッジ装着部の概要説明
次に、図61を用いて、本実施例のプロセスカートリッジを用いる電子写真画像形成装置Cの感光体ドラム駆動構成について説明する。図61(a)は装置本体AにカートリッジBが挿入されていない状態で、駆動側の側板を一部切り欠いた斜視図である。図61(b)はドラム駆動構成のみの斜視図である。図61(c)は図61(b)をS7−S7で切った断面図である。
本体駆動軸300は、先端部300bを球面とし、また円筒形状の主部300aのほぼ中心を貫く本体側回転駆動力伝達部である駆動伝達ピン302を有しており、駆動伝達ピン302によりカートリッジBに駆動を伝達している。
本体駆動軸300の先端部300bとは長手方向逆側に、略同軸にドラム駆動ギア301が配されている。ドラム駆動ギア301は本体駆動軸300に対して回転不能に固定されているため、ドラム駆動ギア301が回転駆動すると、本体駆動軸300は回転する。
また、ドラム駆動ギア301はモータ306から駆動を受けるピニオンギア307と噛合う位置に配されている。そのため、モータ306が回転すると、本体駆動軸300が回転駆動することになる。
また、ドラム駆動ギア301は軸受部材303及び304により、装置本体Aに対して回転自在に支持されている。この時、駆動ギア301は軸線方向L1方向に対して移動しないため、駆動ギア301と軸受部材303、304は近接して配置可能である。
また、駆動ギア301にモータピニオン307から直接駆動すると説明したが、その限りではなく、装置本体Aに対するモータの配置の都合上、ギアを複数介してもよく、またベルト等で駆動を伝達しても良い。
次に、図62乃至図63を用いて、装置本体Aに設けられたカートリッジBの装着ガイド構成について説明する。図62は駆動側に取り付けられたカートリッジ装着部の斜視図である。図63は非駆動側側面に取り付けられたカートリッジ装着部の斜視図である。
図62及び図63に示すように、本実施例のカートリッジ装着手段330は、装置本体Aに設けた本体ガイド330R1、330R2、330L1、330L2を有する。
これらは、装置本体A内に設けられたカートリッジ装着スペース(カートリッジ収容部330a)の左右両側面に、カートリッジ装着手段330が対向して取り付けられている(図62は駆動側側面、図63は非駆動側面を図示)。この左右装着手段330には、カートリッジBを装着するときのガイドとなるガイド部330R1、330L1及び330R2、330L2が夫々対向して設けてある。このガイド部330R1、330R2、330L1、330L2に、カートリッジ枠体の長手方向両側に突出形成した後述するボス等をガイドさせて挿入する。尚、装置本体AにカートリッジBを装着するには、軸309aを中心にして装置本体Aに対して開閉可能な開閉ドアといいてのカートリッジドア309を開いて行う。そして、カートリッジドア309を閉じることによって、カートリッジBを装置本体Aに装着完了する。また、カートリッジBを装置本体Aから取り出す際にも、前述のカートリッジドア309を開くことにより取り出し動作を行なう。なお、このドア30を開くことに連動して、カートリッジBの装置本体からの取り外しまたは装着を補助しても良い。
(3)感光体ユニット(感光ドラムユニット)の構成説明
次に、図64乃至図65を用いて、感光体ユニットとしての感光ドラムユニットU31の構成について説明する。図64(a)は、感光ドラムユニットU31を駆動側から見た斜視説明図であり、図64(b)は、非駆動側から見た斜視説明図である。また、図65は感光ドラムユニットU31を分解した斜視説明図である。
図64、図65に示すように、感光ドラムユニットU31は感光ドラム310、駆動側フランジユニットU32、非駆動側フランジ352で構成される。感光ドラム310は、アルミ等の導電性のシリンダー310aに感光層を塗布したものである。その両端部はドラムフランジが嵌合するために、ドラム表面と略同軸の開口部310a1、310a2が設けられている。
駆動側フランジユニットU32は、駆動側フランジ350を有する。駆動側フランジ350は射出成形で成形された樹脂製であり、その材質として、ポリアセタール、ポリカーボネイト、等が考えられる。また、駆動側フランジ350には、嵌合支持部350bと支持部350aが略同軸に配されている。尚、駆動側フランジユニットU32については、後で詳細に説明する。
非駆動側フランジ352は駆動側と同様に、射出成形からなる樹脂性であり、嵌合支持部352bと支持部352aとが略同軸に配されている。また、非駆動側フランジ352には、ドラムアース板351が配されている。ドラムアース板351は、導電性(主に金属)の薄板状の部材であり、導電性であるシリンダー310aの内周面に接する接点部351b1、351b2と、ドラム軸326(図60参照)に接する接点部351aを有する。そして、アース板351は、感光ドラム310をアースに落とすために、装置本体AAと電気的に接続されている。
駆動側フランジ350と非駆動側フランジ352は、シリンダー310aの両端の開口部310a1、310a2に対して、夫々嵌合支持部350b、352bが嵌合し、その後接着、カシメ等でシリンダー310aに固定される。尚、アース板351は非駆動側フランジ352に設けられていると説明したが、その限りでは無い。例えば、アース板351は、駆動側フランジ350に配置してもよいし、その他、アースに接続可能な場所に適宜選択して配置すれば良い。
(4)駆動側フランジユニットの説明
次に、図66乃至図71を用いて、駆動側フランジユニットU32の構成について説明する。図66(a)は、駆動側フランジユニットU32を感光ドラム310に取り付けた状態を駆動側から見た斜視説明図である。図66(a)では説明のため、感光ドラム310を破線で表示し、感光ドラム310内部に隠れる部分を表示している。図66(b)は、図66(a)のS1断面を表した断面説明図であり、図66(c)は、図66(a)のS2断面を表した断面説明図である。図66(c)では説明のため、駆動側フランジ350のスライド溝350s1を破線で表示している。図67は、駆動側フランジユニットU32を分解した斜視説明図である。図68はカップリング部材380の斜視説明図である。図69はカップリング部材380の説明図である。図70(a)、図70(b)は、駆動側フランジ350の斜視説明図である。図70(c)は、図70(a)のS3断面を表した断面説明図であり、説明のため、カップリング部材380の凸部380b1、及び抜け止めピン391、抜け止めピン392を表示している。図70(d)は、カップリング部材380と駆動側フランジ350の斜視説明図である。図71(a)は駆動側フランジ350とスライダ360、抜け止めピン391、抜け止めピン392の説明図で、図71(b)は図71(a)に示すSL353断面図である。図71では説明のため、感光ドラム310を二点鎖線で表示している。
図66及び図67に示すように、駆動側フランジユニットU32は、回転力伝達部材としての駆動側フランジ350、カップリング部材380、付勢部材370、スライダ360、及び抜け止めピン391、抜け止めピン392から構成されている。
ここで、図66に示す「L351」とは、駆動側フランジ350が回転するときの回転軸線を表しており、以下説明では、「回転軸線L351」を「軸線L351」と称する。同様に、「L381」とは、カップリング部材380が回転するときの回転軸線を表しており、以下説明では、「回転軸線L381」を「軸線L381」と称する。
カップリング部材380は、付勢部材370、スライダ360とともに、駆動側フランジ350の内部に設けられている。そして、後述する構成により、スライダ360は、抜け止めピン391、抜け止めピン392によって、駆動側フランジ350に対して軸線L351方向に動かないようになっている。
本実施例では、付勢部材370は弾性部材としてのバネ(圧縮コイルバネ)を用いている。図66(b)、図66(c)に示すように、付勢部材370の一端部370aはカップリング部材380のバネ当接部380h1と当接し、他端部370bはスライダ360のバネ当接部360bと当接している。そして、付勢部材370はカップリング部材380とスライダ360の間で圧縮され、付勢力F370によってカップリング部材380を駆動側(矢印X9方向)に付勢している。なお、付勢部材としては、板バネ、トーションバネ、ゴム、スポンジ等弾性力を発生させるものであれば適宜選択することができる。但し、後述するように、カップリング部材380は、駆動側フランジ350の軸線L351に平行な方向に移動する構成であるので、付勢部材370の種類はある程度ストロークを有することが必要である。そのために、コイルバネ等のようなストロークを有することができる部材が望ましい。
次に、図68及び図69を用いて、カップリング部材380の形状について説明する。
図68、図69に示すように、カップリング部材380は主に4つの部分を有する。まず第一の部分は、本体駆動軸300(後述する)に係合し、この本体駆動軸300に設けられた回転力伝達部(本体側回転力伝達部)である駆動伝達ピン302(後述する)から回転駆動力を受けるための一端部(自由端部)としての被駆動部380aである。また第二の部分は、駆動側フランジ350に係合して、この駆動側フランジ350に上記回転駆動を伝える駆動部380bである。また、第三の部分は、被駆動部380aと駆動部380bをつなぐ、繋ぎ部380cである。第四の部分は、カップリング部材380が回転軸線L381方向に移動可能となるようスライダ360に支持される他端部としての嵌合部380dである。なお、本実施例では、カップリング部材380の他端部を、嵌合部380dとしたが、駆動部380bとしても良い。
ここで、軸線L381と直交する一方向を「軸線L382」と称し、軸線L381、軸線L382の両方と直交する方向を「軸線L383」と称する。
図68に示すように、被駆動部380aは、カップリング部材380の回転軸線L381に対して広がった凹部としての駆動軸挿入開口部380mを有する。開口部380mは、本体駆動軸300側に向かって拡開した円錐状の駆動軸受け面380fにより形成されている。
そして、その端面の円周上には、駆動軸受け面380fから突出した2つの伝達突起380f1、380f2が配置されている。2つの伝達突起380f1、380f2を含む被駆動部380aの外周面には、略球面形状である本体当接部380iが設けられている。なお、本体当接部380iは、カップリング部材380が本体駆動軸300に係合する際、及びカップリング部材380が本体駆動軸300から離脱する際に、本体駆動軸300の先端部300b及び駆動伝達ピン302と当接する部分である(詳細は後述する)。
また、夫々の伝達突起380f1、380f2の間には、被駆動待機部380k1、380k2が設けられている。つまり、2つの被駆動伝達突起380f1、380f2の間隔は、この間隔部に後述の装置本体Aの本体駆動軸300の駆動伝達ピン302が位置できるように、駆動伝達ピンの外径よりも広く設定されている。この間隔部が、380k1、380k2である。
更に、伝達突起380f1、380f2の時計周りの方向において下流側には、駆動力受面(回転力受け部)380e1、380e2が設けられており、本体駆動軸300に設けられた回転力伝達部である伝達ピン302が当接することにより、回転力が伝達される。つまり、駆動力受面380e1、380e2は、本体駆動軸300の駆動伝達ピン302の側面に押されて軸線L381を中心に回転するように、カップリング部材380の回転方向と交差した面である。
尚、カップリング部材380に伝達される伝達トルクをできるだけ安定させるため、駆動力受面380e1、380e2は、軸線L381上に中心を有する同一円周上に配置されていることが望ましい。これにより、駆動伝達半径が一定となり、伝達されるトルクが安定する。また、伝達突起380f1、380f2はカップリングの受ける力のつりあいにより、カップリング部材380の位置ができるだけ安定する方が好ましい。そのため本実施例では、180°対向位置に配され、対で構成している。なぜなら、180°対向位置に配置することにより、カップリング部材380の受ける力は偶力となる。そのため、カップリング部材380は偶力を与えるだけで回転運動を続けることができ、カップリングの回転軸の位置を決めなくとも、回転することができるからである。
なお、軸線L381と直交する断面で繋ぎ部380cを切断したときに、この繋ぎ部380cの少なくとも一つの切断面は、カップリング部材380の回転軸線L381と伝達突起380f1、380f2(駆動力受面3890e1、380e2)との間の距離よりも小さい最大回転半径を有する。言い換えると、繋ぎ部380cのうちカップリング部材380の回転軸線L2と直交する所定の断面が、伝達突起380f1、380f2(駆動力受面3890e1、380e2)と回転軸線L2との間の距離よりも小さい最大回転半径を有する。更に、言い換えると、繋ぎ部380cは、伝達突起380f1(駆動力受け面380e1)と伝達突起380f2(駆動力受け面380e2)との間の距離よりも小さい外径を有する。
図69に示すように、凸部380b1、380b2は軸線L382方向に沿って、駆動部380bから突出しており、凸部380b1、380b2は、軸線L381を基準として互いに180度対向した位置に設けられている。凸部380b1、380b2は同形状であり、以下凸部380b1を例に形状を説明する。
図69(a)に示すように、凸部380b1は、軸線L382方向から見て軸線L381を基準とした対称形状であり、且つ五角形の形状である。凸部380b1において、軸線L382方向から見て、軸線L381に対して角度θ3だけ傾斜した2面を有する部分を、傾斜部または当接部としての被ガイド部380j1、被ガイド部380j2と称する。
また、被ガイド部380j1と被ガイド部380j2とをつなぐ部分を、R形状部380t1と称する。更には、凸部380b1の軸線L383に垂直な面を、凸部端部380n1、凸部端部380n2と称する。そして、凸部380b1の軸線L182に垂直な面を、回転力伝達部380g1と称する。
なお、凸部380b2を形成する各部も、図69(b)に示すように、それぞれ被ガイド部380j3、被ガイド部380j4、R形状部380t2、凸部端部380n3、凸部端部380n4、回転力伝達部380g2と称する。
嵌合部380dは、軸線L381を中心軸とした円筒形状を有し、スライダ360の円筒部360a(図66(b)、図66(c)参照)によって殆ど隙間なく嵌合支持されている(詳細は後述する)。バネ取付部380hは、図68に示すように、嵌合部380dの非駆動側端部に設けられている。バネ取付部380hには、付勢部材370の一端部370aと当接するバネ当接部380h1が設けられており、バネ当接部380h1は、カップリング部材380の軸線L381と略直交する面である。
次に、図70を用いて、駆動側フランジ350の形状について説明する。
図70に示すように、駆動側フランジ350には、感光ドラム310の内周面310bに嵌合する嵌合支持部350b、ギア部350c、ドラム軸受330に回転可能に支持される支持部350a等が設けられている。
ここで、軸線L351と直交する一方向を「軸線L352」と称し、軸線L351、軸線L352の両方と直交する方向を「軸線L353」と称する。
駆動側フランジ350の内部は中空形状であり、これを中空部350fと称する。中空部350fには、平面内壁部350h1、平面内壁部350h2、円筒内壁部350r1、円筒内壁部350r2、凹部350m1、凹部350m2が設けられている。
平面内壁部350h1、平面内壁部350h2は、軸線L352に垂直な平面を有し、軸線L351を基準として互いに180度対向した位置に設けられている。また、円筒内壁部350r1、円筒内壁部350r2は、軸線L351を中心軸とする円筒形状を有し、軸線L351を基準として互いに180度対向した位置に設けられている。凹部350m1、凹部350m2はそれぞれ、平面内壁部350h1、平面内壁部350h2に対して段差をもって設けられ、軸線L352方向に沿って軸線L351から離れる方向に形成される。凹部350m1と凹部350m2とは同形状であり、軸線L351を基準として互いに180度対向した位置に設けられているため、以下凹部350m1を例に形状を詳細に説明する。
凹部350m1は、軸線L352方向から見て軸線L351を基準とした対称形状である。図70(c)に示すように、軸線L352方向から見て、軸線L351に対して、被ガイド部380j1乃至被ガイド部380j4と同じく角度θ3だけ傾斜した面を有する部分を、傾斜部または当接部としてのガイド部350j1、ガイド部350j2と称する。また、ガイド部350j1とガイド部350j2とをつなぐ部分を、R形状350t1とする。また、凹部350m1の軸線L353に垂直な面を、凹部端部350n1、凹部端部350n2と称する。そして、軸線L352に直交する平面を有する回転力被伝達部350g1が、平面内壁部350h1に対して段差をもって設けられている。さらに、回転力被伝達部350g1には、スライド溝350s1が設けられている。スライド溝350s1は、後述するように、抜け止めピン391、抜け止めピン392を支持する貫通孔であり、軸線L352方向から見て、軸線L353方向を長辺とする長方形状である。
凹部350m2を形成する各部も、それぞれ回転力被伝達部350g2、ガイド部350j3、ガイド部350j4、R形状部350t2、スライド溝350s4、及び凹部端部350n3、凹部端部350n4と称する。
なお、中空部350fの駆動側端部を、開口部350eと称する。
図66、図67、及び図70(d)に示すように、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対して、軸線L382が軸線L352と平行になるようにして、駆動側フランジ350の中空部350fに配置される。ここで、回転力伝達部380g1、380g2と回転力被伝達部350g1、350g2は、軸線L382方向に殆ど隙間なく嵌合している。これにより、カップリング部材380の駆動側フランジ350に対する軸線L382方向への移動が規制されている(図66(b)、図70(d)参照)。また、図66(c)に示すように、カップリング部材380が軸線L381と軸線L351とが略同軸になるように中空部350fに配置されるとき、駆動部380bと円筒内壁部350r1、350r2との間には、隙間Dが設けられている。加えて、図70(c)に示すように、凸部端部380n1と凹部端部350n1の間、および凸部端部380n2と凹部端部350n1の間にも、軸線L353方向の隙間E1が設けられている。これにより、カップリング部材380は駆動側フランジ350に対して、軸線L383方向に移動可能になっている。ここで、隙間E1が隙間Dよりも大きくなるように、凸部380b1、凹部350m1の形状が設定されている。
次に、図66、図67及び図71を用いて、保持部材(移動部材)としてのスライダ360、及び抜け止めピン391、抜け止めピン392の形状について説明する。
図66及び図67に示すように、スライダ360には、円筒部360a、及び付勢部材370の他端部370bが当接する当接部360b、貫通孔360c1乃至貫通孔360c4が設けられている。ここで、円筒部360aの中心軸を「軸線L361」と称する。
円筒部360aは、カップリング部材380の嵌合部38dを、殆ど隙間なく嵌合支持している。これにより、カップリング部材380は、軸線L381が軸線L361と略同軸上になるように保持されたまま、軸線L381方向に移動可能になっている。
一方、図66(b)、図67(c)及び図70(c)に示すように、円筒形状の抜け止めピン391、抜け止めピン392は、その中心軸が軸線L352と平行になるように、スライダ360の貫通孔360c1乃至貫通孔360c4に挿通されている。そして、抜け止めピン391、抜け止めピン392が、駆動側フランジ350のスライド溝350s1、スライド溝350s4に支持されることで、スライダ360と駆動側フランジ350が連結されている。
図66(c)、図71(a)に示すように、抜け止めピン391、抜け止めピン392は軸線L353方向に並んで配置されている。加えて、抜け止めピン391、抜け止めピン392の直径は、スライド溝350s1、スライド溝350s4の軸線L351方向の幅よりも、僅かに小さくなるように設定されている。これにより、スライダ360は、軸線L361と軸線L351とが平行な状態を保つようになっている。また、スライダ360は、駆動側フランジ350に対して軸線L351方向に移動できないようになっている。言い換えると、スライダ360は、軸線L351に対し実質的に直交する直交方向に移動できるようになっている。
また、図66(b)、図71(b)に示すように、駆動側フランジ350の嵌合支持部350b(図71(a)参照)が感光ドラム310の開口部310a2と嵌合、固定される。これにより、抜け止めピン391、抜け止めピン392は軸線L352方向へ抜け出ることを防止されている。加えて、抜け止めピン391および抜け止めピン392の長さG1を、回転力伝達部350g1と回転力伝達部350g2との距離G2よりも十分に大きく設定している。これにより、抜け止めピン391、抜け止めピン392は、スライド溝350s1およびスライド溝350s4から脱落しないようになっている。
さらに、抜け止めピン391とスライド溝350s1の一端部350s2との間、及び抜け止めピン392とスライド溝350s1の他端部350s3との間には、隙間Dよりも大きい隙間E2が設けられている(図66(c)、図71(a)参照)。そして、抜け止めピン391とスライド溝350s4の一端部350s5との間、及び抜け止めピン392とスライド溝350s4の他端部350s6との間にも、隙間E2と同様の隙間が設けられている(図71(a)参照)。加えて、貫通孔360c1乃至貫通孔360c4やスライド溝350s1、スライド溝350s4に潤滑剤(不図示)を塗布している。これにより、スライダ360は、駆動側フランジ350に対し、軸線L353方向に滑らかに移動できるようになっている。
図70(c)に示すように、傾斜部または当接部としてのガイド部350j1、ガイド部350j2と、傾斜部または当接部としての被ガイド部380j1、被ガイド部380j2が当接可能に構成されている。なお、ガイド部350j1もしくは被ガイド部380j1の少なくとも一方が傾斜しておれば良く、その他方が前記一報に対応して傾斜していても良い。そして、互いが当接することによって、カップリング部材380が、駆動側フランジ350の開口部350eから脱落しないようになっている。また、付勢部材370によって、カップリング部材380は、被ガイド部380j1、被ガイド部380j2がガイド部350j1、ガイド部350j2に当接するように、駆動側に付勢されている。また、ガイド部350j3、ガイド部350j4と被ガイド部380j3、被ガイド部380j4の関係も同様である。
ここで、前述したように、凸部380b1、380b2は、軸線L382方向から見て、軸線L381を基準とした対称形状である。また、凹部350m1、凹部350m2は、軸線L352方向から見て、軸線L351を基準とした対称形状である。したがって、カップリング部材380は、付勢部材370によって駆動側に付勢され、被ガイド部380j1乃至被ガイド部380j4とガイド部350j1乃至ガイド部350j4が当接することで、軸線L381が軸線L351に略同軸になるように配置される。
以上の構成により、カップリング部材380は、スライダ360を介して、駆動側フランジ350に対して、軸線L381と軸線L351とが平行な状態を保つようになっている。また、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対して、軸線L381方向及び軸線L383方向に移動可能である。さらに、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対する軸線L382方向への移動が規制されている。そして、カップリング部材380は、付勢部材370の付勢力F370によって、駆動側フランジ350に対して、駆動側(図66中矢印X9方向)に付勢されるとともに、軸線L381と軸線L351とが略同軸になるように付勢されている。
なお、本実施例では、駆動側フランジ350、カップリング部材380、スライダ360は樹脂製であり、その材質は、ポリアセタールやポリカーボネイト等である。また、抜け止めピン391、392は金属製であり、その材質は鉄やステンレス等である。但し、感光ドラム310を回転するための負荷トルクに応じて、前記各部品を金属製、樹脂製にする等、前記各部品の材質は樹脂製と金属製を適宜選択可能である。
また、本実施例では、ギア部350cはカップリング部材380が本体側係合部300から受けた回転力を現像ローラ313に伝達するものであり、はす歯ギア、又は、平歯ギアが駆動側フランジ350と一体成形されている。なお、現像ローラ313の回転は駆動側フランジ350を介さなくてもよい。その場合には、ギア部350cは無くすことができる。
次に、図67及び図70(d)を参照して、駆動側フランジユニットU32の組み立て手順について説明する。まず、図70(d)に示すように、カップリング部材380を駆動側フランジ350の空間部350fに挿入する。この時、前述したように、軸線L382と軸線L352が平行になるように、カップリング部材380と駆動側フランジ350の位相を合わせて挿入する。次に、図67に示すように、付勢部材370を組み付ける。付勢部材370はカップリング部材380の軸部380h2とスライダ360の軸部360dによって径方向の位置が規制される。なお、付勢部材370は、軸部380h2と軸部360dのいずれか、または両方に予め組みつけておいてもよい。その際、付勢部材370を軸部380h2(または軸部360d)に対して圧入させて、付勢部材370が脱落しないようにしておけば組み付けの作業性が向上する。その後、嵌合部380dが円筒部360aに嵌るように、スライダ360を空間部350fに挿入する。そして、図67(c)、図67(d)に示すように、抜け止めピン391、抜け止めピン392をスライド溝350s1から貫通孔360c1乃至貫通孔360c4、スライド溝350s4へと挿通させる。
(5)ドラム軸受の説明
次に、ドラム軸受325について、図72を用いて説明する。図72(a)は駆動軸から見た斜視図であり、図72(b)は感光体ドラム側から見た斜視図である。
ドラム軸受325は、感光ドラム310をドラム枠体321に位置決め固定し、ドラムユニットU10を装置本体Aに位置決めするための部材である。更には、カップリング部材380を感光ドラム310に駆動伝達可能なように保持する機能を有している。
更に詳細に説明する。図72に示すように、感光ドラム310を位置決めし、ドラム枠体321に対して位置決めされる嵌合部325dと、装置本体Aに位置決めされる外周部325cが略同軸に配置されている。それら嵌合部325d、外周部325cは円環状で、その空間部325bは、先に説明したカップリング部材380が配置される。
また、空間部325bの嵌合部325d/外周部325cの軸線方向中央付近に、感光ドラムユニットU31を軸線方向に位置決めするための突き当て面325eが設けられている。更に、ドラム軸受325には、ドラム枠体321に固定するための固定面325fと、固定ビスを通す穴325g1、325g2が形成されている。また、後述するが、カートリッジBBを装置本体Aに着脱するためのガイド部325aが一体的に形成されている。
(6)プロセスカートリッジの装着ガイド及び装置本体への位置決め部の説明
図59及び図60に示すように、ドラム軸受325はその外側端部外周325aがカートリジガイド340R1を兼ねており、ドラム軸326は、その外側端部外周326aがカートリッジガイド340L1を兼ねている。
また、感光ドラムユニットU31の長手方向の一端側(駆動側)には、カートリッジガイド340R1の略上方に340R2が設けられている。そして、前記長手方向の他端側(非駆動側)には、上記カートリッジガイド340L1の上方にカートリッジガイド340L2が設けられている。
なお、本実施例ではカートリッジガイド340R1、340R2はドラム枠体321と一体に成形されている。しかしながら、カートリッジガイド340R1、340R2は別部材でも構わない。
(7)プロセスカートリッジの装着動作の説明
カートリッジBの装置本体Aに対する装着動作を図73を用いて説明する。図73は装着過程を示し、図62のS9−S9で切った断面図である。
図73(a)に示すように、使用者によって、装置本体Aに設けられたカートリッジドア309を開く。そして、カートリッジBを装置本体Aに設けたカートリッジ装着手段330に対して取り外し可能に装着する。
カートリッジBを装置本体Aに装着する際は、図73(b)のように、駆動側において、カートリッジガイド340R1、340R2を、本体ガイド330R1、330R2に沿わせる。また、非駆動側についても、カートリッジガイド340L1、340L2(図60参照)を本体ガイド330L1、330L2(図63参照)に沿って挿入する。
次に、そのまま矢印X4方向にカートリッジBを挿入していくと、装置本体Aの本体駆動軸300とカートリッジBのカップリング380の係合を経て、カートリッジBは所定の位置に収まる。つまり、図73(c)に示すように、カートリッジガイド340R1が本体ガイド330R1の位置決め部330R1aに当接して、また、カートリッジガイド340R2が本体ガイド330R2の位置決め部330R2aに当接する。
また、略対称形状であるので不図示であるが、カートリッジガイド340L1が本体ガイド330L1の位置決め部330L1a(図63参照)に当接して、また、カートリッジガイド340L2が本体ガイド330L2の位置決め部330L2aに当接する。このように、カートリッジBは、装着手段330によって、カートリッジ収容部330aに取り外し可能に装着される。カートリッジBは、カートリッジ装着部330aに装着されることによって画像形成動作が可能となる。ここで、カートリッジ収納部330aとは、先に説明したように、前記装着手段330によって、装置本体Aに装着されたカートリッジBが占める部屋のことである。
尚、カートリッジBが前述のように所定の位置に収まった際には、図62、図63、図73に示すような押圧バネ388Rにより、カートリッジBの押圧受け部340R1b(図59も合わせて参照)が加圧を受ける。また、押圧バネ388Lにより、プロセスカートリッジBの押圧受け部340L1b(図60参照)が加圧を受ける。これにより、カートリッジB(感光ドラム310)が、装置本体Aの転写ローラ、光学手段等に対して正確に位置が決まる。
(8)カップリング部材の動作説明
次に、図74を用いて、カップリング部材380の動作について説明する。図74(a1)はカップリング部材380の軸線L381と駆動側フランジ350の軸線L351とが一致し、ガイド部350j1乃至ガイド部350j4と被ガイド部380j1乃至被ガイド部380j4が当接した状態を表す説明図である。図74(a2)は、カップリング部材380が駆動側フランジ350に対して軸線L383と平行な矢印X51方向に移動した状態を表す説明図である。図74(a3)は、ガイド部350j1乃至ガイド部350j4と被ガイド部380j1乃至被ガイド部380j4が当接した状態から、カップリング部材380が軸線L351に沿って非駆動側方向(矢印X8方向)に移動した状態を表す説明図である。図74(b1)乃至図74(b3)は、図74(a1)乃至図74(a3)をそれぞれ、軸線L383と平行なSL383断面で表した断面説明図である。図74(b1)乃至図74(b3)では説明のため、カップリング部材380は切断しない状態で表示し、駆動側フランジ350のガイド部350j3、ガイド部350j4及びスライド溝350s4を破線で表示している。
まず、カップリング部材380は、付勢部材370の付勢力F370により、図74(b1)に示すように、ガイド部350j3、ガイド部350j4と被ガイド部380j3、被ガイド部380j4が当接し、軸線L381と軸線L351が略同軸になる。またこのとき、カップリング部材380の伝達突起380f1、380f2は、駆動側フランジ350に対して最も突出した状態である。
次に、図74(a2)に示すように、カップリング部材380を、駆動側フランジ350に対して軸線L383と平行な矢印X51方向に、距離p3だけ移動させる。すると、図74(b2)に示すように、カップリング部材380は、被ガイド部380j4と駆動側フランジ350のガイド部350j4が当接したまま、付勢部材370の付勢力F370に抗して、ガイド部350j4に沿った方向(矢印X61方向)に移動する。このとき、カップリング部材380の軸線L381が軸線L351に対して平行な状態を維持している。したがって、カップリング部材380は、駆動部380bが円筒内壁部350r1に当接するまで、即ち、カップリング部材380の軸線L383方向の移動距離p3が隙間Dと等しくなるまで、矢印X61方向に移動可能である。一方、スライダ360は、抜け止めピン391、抜け止めピン392によって、軸線L383方向にのみ移動可能である。したがって、カップリング部材380の矢印X61方向への移動に連動して、スライダ360は、抜け止めピン391、抜け止めピン392と一体で、矢印X51方向に移動する。
また、カップリング部材380を矢印X51方向とは反対の方向に移動させるときも同様に、カップリング部材380はガイド部350j3に沿った方向に移動する。
一方、図74(b3)に示すように、カップリング部材380を矢印X8方向に移動させると、カップリング部材380は、嵌合部380dがスライダ360の円筒部360aに支持された状態で、付勢部材370の付勢力F370に抗して矢印X8方向に移動する。このとき、カップリング部材380の被ガイド部380j3、被ガイド部380j4と駆動側フランジ350のガイド部350j3、ガイド部350j4との間には隙間ができる。即ち、カップリング部材380は、図74(b1)に示すカップリング部材380が駆動側フランジ350に対して最も突出した状態から、図74(b3)に示すカップリング部材380が退避した状態まで所定量移動することができる。
以上説明したように、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対して、軸線L381方向及び軸線L383方向に移動可能である。また、ガイド部350j1乃至ガイド部350j4と被ガイド部380j1乃至被ガイド部380j4の当接によって、カップリング部材180は駆動側フランジ350に対し、軸線L383方向への移動に連動して軸線L381方向へ移動可能である。
(9)カップリング取り付け動作及び駆動伝達の説明
先に述べたように、カートリッジBは、装置本体Aの所定の位置に決まる直前、もしくは所定の位置に決まると同時に、カップリング部材380と本体駆動軸300が係合する。このカップリング部材380の係合動作について、図75乃至図78を用いて説明する。図75は装置本体の駆動軸と、カートリッジの駆動側の要部を示した斜視図である。図76は装置本体の駆動軸、プロセスカートリッジのカップリング、ドラム軸のみを示した装置本体下方から見た縦断面図である。図77は図76に対して装置本体の駆動軸、プロセスカートリッジのカップリング、ドラム軸の位相違いを示した装置本体下方から見た縦断面図である。尚、以下説明において、「係合」とは、軸線L351と軸線L301とが略同軸に配置され、カップリング部材380と本体側係合部300とが回転力伝達可能な状態をいう。
まず、図75(a)に示すように、カップリング部材380の軸線L383と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが平行になる場合について説明する。
図75に示すように、カートリッジBの装着方向は、感光ドラム310の回転軸線L1と実質的に直交する方向であり、且つ、駆動側フランジ350の軸線L351と実質的に直交する方向(矢印X1方向)に沿って移動し、装置本体Aに装着される。図75(b1)、図76(a)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着され始めるとき、カップリング部材380の伝達突起380f1、380f2は、付勢部材370の付勢力F370によって、駆動側フランジ350に対して最も突出した状態である。この状態を、装着初期状態とする。このときのカップリング部材380の位置は第一位置(突出位置)である。このときは、カップリング部材380の回転軸線L381が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L381と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材380の回転軸線L381は駆動側フランジ350の軸線L351とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L381と回転軸線L351は実質的に一致している。
装着初期状態から、カートリッジBを矢印X1方向に移動させると、カップリング部材380の本体当接部380iは、装置本体Aに設けられた本体駆動軸300の先端部300bに当接する。すると、図75(b1)、図76(a)に示すように、本体当接部380iが先端部300bから、装着による力F1(退避力)を受ける。力F1は、本体当接部380iを構成する略球面の中心方向を向くため、軸線L383に対して、角度θ3の余角θ31よりも小さい角度θ7だけ傾いた方向を向いている。したがって、カップリング部材380は、力F1を受けると、被ガイド部380j1が駆動側フランジ350のガイド部350j1と当接したまま、ガイド部350j1に沿った矢印X61方向に、付勢部材370の付勢力F370に抗して移動する。
次いで、図75(b2)、図76(b)に示すように、更にカートリッジBを矢印X1方向に移動させる。すると、カップリング部材380の駆動部380bと駆動側フランジ350の円筒内壁部350r1とが当接し、カップリング部材380の駆動側フランジ350に対する矢印X61方向への移動が規制される。このときに、軸線L381方向において、カップリング部材380が装着初期状態から移動する量を移動量N10とする(図76(b)参照)。移動量N10は、ガイド部350j1乃至ガイド部350j4の軸線L381に対する傾きθ3(図70参照)と、隙間D(図66(c)参照)によって決定される。
図76(b)に示す状態では、カップリング部材380が装着初期状態に比べて移動量N10だけ矢印X8方向に移動している。すると、力F1は本体当接部380iを構成する略球面の中心を向いているため、力F1と軸線L383のなす角度θ7が、装着初期状態に比べて増大する。そして、これに伴って力F1の矢印X8方向の分力F1aが、装着初期状態に比べて増大する。この分力F1aによって、カップリング部材380は、付勢部材370の付勢力F370に抗して更に矢印X8方向に移動する。そして、このカップリング部材380の矢印X8方向への移動により、カップリング部材380が本体駆動軸300の先端部300bを通過可能となる。この図76(b2)のカップリング部材380の位置は第二位置(退避位置)である。このときは、カップリング部材380の回転軸線L381が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L381と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L381と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材380の回転軸線L381は駆動側フランジ350の軸線L351とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L381と回転軸線L351は間隔を有しており(回転軸線L381と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置(退避位置)のときは、第一位置(突出位置)のときと比べて、カップリング部材380が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
そして、図75(b4)に示すように、カートリッジBを装着完了位置まで移動させたとき、後述のカートリッジBの装置本体Aに対する位置決め手段により、本体駆動軸300の軸線L301と、駆動側フランジ350の軸線L351とが略同軸に位置する。このとき、付勢部材370の付勢力F370により、カップリング部材380は矢印X9方向に移動する。同時に、カップリング部材380は、ガイド部350j1に沿って移動し、軸線L381が駆動側フランジ350の軸線L351と一致する。
本体駆動軸300の軸線L301と、カップリング部材380の軸線L381とが一致する状態では、図77に示すように、カップリング部材380の円錐形状をしている駆動軸受け面380fが、本体駆動軸300の先端部380bに当接する。このとき、カップリング部材380の伝達突起380f1、380f2と、本体駆動軸300の駆動伝達ピン302とは軸線L301方向でオーバーラップした状態になる。なおこの時、駆動伝達ピン302は、被駆動待機部380k1、380k2に位置する。そして、伝達突起380f1、380f2の時計周りの方向の下流側に設けられた回転力受け部380e1、380e2が、駆動伝達ピン302と各々対向した状態となっている。つまり、カップリング部材380と本体駆動軸300とが係合し、カップリング部材380は回転できる状態となる。なお、このときのカップリング部材380の位置は、前述した第一位置(突出位置)とほぼ同じである。
なお、カートリッジBを装着完了位置まで移動させたとき、本体駆動軸300の回転方向の位相によっては、伝達突起380f1、380f2と、駆動伝達ピン302とが、軸線L301方向から見て重なる場合がある。この場合、本体駆動軸300の先端部300bがカップリング部材380の駆動軸受け面380fに当接することができない。このような場合は、本体駆動軸300が、後述の駆動源によって回転することにより、伝達突起380f1、380f2と、駆動伝達ピン302とが軸線L301方向から見て重ならなくなる。そして、付勢部材370の付勢力F370により、本体駆動軸300の先端部300bがカップリング部材380の駆動軸受け面380fに当接できるようになる(カップリング部材380が第一位置(突出位置)に到達する)。即ち、本体駆動軸300は、駆動源によって回転しながらカップリング部材380と係合することができ、カップリング部材380は回転し始める。
次に、感光ドラム310を駆動する際の駆動伝達動作について、図78を用いて説明する。装置本体Aの駆動源から受けた回転駆動力によって、本体駆動軸300は、図中X10方向に、ドラム駆動ギア301とともに回転する。そして、本体駆動軸300と一体の駆動伝達ピン302が、カップリング部材380の回転力受け部380e1、380e2に当接し、カップリング部材380を回転させる。ここで、前述したように、回転力伝達部380g1、回転力伝達部380g2と回転力被伝達部350g1(図70(a)参照)、回転力被伝達部350g2図(70(b)参照)は、軸線L382方向に殆ど隙間なく嵌合しているため(図70(c)参照)、互いに略平行な状態を保つようになっている。これにより、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対して、軸線L381回りの回転を伝達することができる。従って、カップリング部材380の回転が、回転力伝達部380g1、回転力伝達部380g2及び回転力被伝達部350g1、回転力被伝達部350g2を介して駆動側フランジ350に伝達される。
次に、図79(a)に示すように、カップリング部材380の軸線L383と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが直交する場合について説明する。
図79(b1)に示すように、カートリッジBを矢印X1方向に移動させると、カップリング部材380の軸線L383と、カートリッジBの装着方向とが平行な場合と同様に、カップリング部材380の本体当接部380iは、装置本体Aに設けられた本体駆動軸300の先端部300bに当接する。このとき、本体当接部380iが先端部300bから、カートリッジBの装着による力F2を受ける。力F2は、本体当接部380iを構成する略球面の中心方向を向くため、軸線L382に対して角度θ1だけ傾いた方向を向いており、これにより軸線L381方向には力F2の矢印X8方向の分力F2aが生じる。したがって、カートリッジBを更に矢印X1方向に移動させると、図79(b2)に示すように、分力F2aによって、カップリング部材380は、付勢部材370の付勢力F370に抗して矢印X8方向に移動する。そして、このカップリング部材380の矢印X8方向への移動により、カップリング部材380が本体駆動軸300の先端部300bを通過可能となる。ここで、本体当接部380iと軸線L381のなす角度θ1は、付勢部材370の付勢力F370に抗して、カップリング部材380が分力F2aによって矢印X8方向に移動できるように設定されている。その後、図78(b3)、図78(b4)と同様に、カップリング部材380が駆動側フランジ350の空間部350f内部に移動したまま、カートリッジBを装着完了位置まで移動させることができる。
なお、前述の説明では、カートリッジBの装着方向X1と、軸線L183の方向とが平行及び直交する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述で説明した装着方向と異なる場合も同様に、カップリング部材380は、矢印X8方向に移動して、本体駆動軸300の先端部300bを通りぬけることができる。ここでカップリング部材380は、力F1によって、ガイド部350j1乃至ガイド部350j4に沿って矢印X8方向に移動するか、或いは、力F1または力F2の矢印X8方向の分力F1aまたは分力F2aによって矢印X8方向に移動する。
よって、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向に対し、カップリング部材380、及び駆動伝達ピン302の回転方向の位相がどのような関係にあっても、前述の構成によって、カートリッジBを装置本体Aに装着することができる。
以上説明したように、本実施例の構成によれば、装置本体AやカートリッジBに複雑な構成を設けることなく、簡単な構成でカップリング部材380と本体駆動軸300とを係合させることができる。
なお、本実施例では、図75(b2)に示すように、カップリング部材380は、駆動部380bが円筒内壁部350r1に当接したのち、更に矢印X8方向に移動する構成であった。しかしながら、駆動部380bが円筒内壁部350r1に当接した時点で、カップリング部材380が本体駆動軸300の先端部300bを通りぬけるように構成してもよい。このような構成として、例えば、図80(a1)、図80(a2)に示すように、傾きθ3を小さくしたり、隙間Dを大きくするなどして、移動量N10を大きくすれば良い。或いは、図80(b1)、図80(b2)に示すように、伝達突起380f1、380f2の、駆動側フランジ350の開口部350eから駆動側方向への突出量Qを小さくしても良い。このような構成の場合、ガイド部350j1乃至ガイド部350j4に沿った移動のみによって、カップリング部材380の伝達突起380f1、380f2が、先端部300bよりも矢印X8側に移動し先端部300bを通り抜けることができる。したがって、力F1の矢印X8方向の分力F1aを生じさせる必要がなく、より簡単な構成でカップリング部材380と本体駆動軸300とを係合させることができる。
(10)カップリングの離脱動作とカートリッジを取り出す動作の説明
次に、図81乃至図84を用いて、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際の、カップリング部材380を本体駆動軸300から離脱させる動作について説明する。図81(a)、図84(a)は、カートリッジBの取り外し方向とS10断面図及びS11断面図の切断方向を表した説明図である。図81(b1)乃至(b4)及び図83(a)乃至(b)は、図81(a)のS断面を表し、カップリング部材380が本体駆動軸300から離脱する状態を表した断面説明図である。また、図84(b1)乃至(b4)は、図84(a)のS11断面を表し、カップリング部材380が本体駆動軸300から離脱する状態を表した断面説明図である。そして、図82は、図81(b3)の、駆動側フランジユニットU32及び本体駆動軸300の近傍を拡大して表示した拡大図である。なお、図81(b1)、図81(b2)の断面図においては説明のため、カップリング部材380は切断しない状態で表示している。また、図81乃至図84では説明のため、駆動側フランジ350のガイド部350j1、ガイド部350j2を破線で表示している。さらに、図81(b3)、図81(b4)、図82乃至図83では説明のため、断面図の手前にある伝達突起380f2を破線で表示している。以下、回転力受部380e2側を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図81(a)に示すように、カートリッジBの取り外し方向(矢印X12方向)と、カップリング部材380の軸線L383とが平行になる場合について説明する。
図81(b1)に示すように、カートリッジBは、感光ドラム310の回転軸線L1と実質的に直交し、且つ、駆動側フランジ350の軸線L351と実質的に直交する取り外し方向X12に沿って移動し、装置本体Aから取り外される。画像形成が終了し本体駆動軸300の回転が停止した状態では、駆動伝達ピン302と回転力受け部380e1、380e2とが接触している。また、カートリッジBの取り外し方向X12において、駆動伝達ピン302が回転力受け部380e2の下流側に位置している。さらにこのとき、本体駆動軸300の先端部300bが、カップリング部材380の駆動軸受け面380fに当接している。この状態を、取り外し初期状態とする。
この図81(b1)のときのカップリング部材380の位置は第一位置(回転力伝達可能位置)である。なお、この第一位置(回転力伝達可能位置)は、前述した第一位置(突出位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材380の回転軸線L381が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L381と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材380の回転軸線L381は駆動側フランジ350の軸線L351とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L381と回転軸線L351は実質的に一致している。
次に、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させる。すると、図81(b2)に示すように、カップリング部材380の取り外し方向上流側の回転力受部380e2が回駆動伝達ピン302から、カートリッジBの取り外しによる力F5を受ける。力F5は、回転力受け部380e2と直交するため、回転力受け部380e2の法線である軸線L383と平行になる。したがって、カップリング部材380は力F5を受けると、被ガイド部380j2が駆動側フランジ350のガイド部350j2と当接したまま、ガイド部350j2に沿った矢印X62方向に、付勢部材370の付勢力F370に抗して移動する。このとき、本体駆動軸300の先端部300bは、カップリング部材380の駆動軸受け面380fから離れた状態となる。
ここで、回転力受け部380e2(及び回転力受け部380e1)は、カップリング部材380が力F5により軸線L183方向に移動できるように設定する。なお、本実施例では、回転力受部380e2(及び回転力受部380e1)を軸線L383と直交する平面としているため、力F5の方向と軸線L383が平行になる。これにより、使用者がより小さな力で、カップリング部材380を駆動側フランジ350に対して軸線L383方向(及びこれに伴って軸線L381方向)に動かして、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させることができる。そして、この力F5によるカップリング部材380の矢印X8方向への移動により、伝達突起380f2が駆動伝達ピン302を通過可能となる。
伝達突起380f2が駆動伝達ピン302を通過すると、本体駆動軸300の先端部300bはカップリング部材380の駆動軸受け面380fに再び当接する。この状態からカートリッジBを取り外し方向X12に更に移動させると、図81(b3)、図82に示すように、カップリング部材380は本体駆動軸300の先端部300bからカートリッジBの取り外しによる力F6を受ける。力F6は、駆動軸受け面380fの円錐形状の中心方向を向くため、軸線L383方向には力F6の分力F6bが生じる。したがって、カップリング部材380は、分力F6bによって被ガイド部380j2が駆動側フランジ350のガイド部350j2と当接したまま矢印X62方向に移動していき、駆動部380bと円筒内壁部350r2とが当接する。これにより、カップリング部材380の駆動側フランジ350に対する軸線L383方向への移動が規制される。
なおこのとき、軸線L381方向には力F6の矢印X8方向の分力F6aが生じている。したがって、この状態でカートリッジBを取り外し方向X12に更に移動させると、カップリング部材380は、分力F6aによって付勢部材370の付勢力F370に抗して矢印X8方向に移動する。これにより、図81(b4)に示すように、本体駆動軸300の先端部300bがカップリング部材380の開口部380mから離脱する。
この図81(b4)のカップリング部材380の位置は第二位置(離脱可能位置)である。なお、この第二位置(離脱可能位置)は、前述した第二位置(退避位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材380の回転軸線L381が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L381と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L381と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材380の回転軸線L381は駆動側フランジ350の軸線L351とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L381と回転軸線L351は間隔を有しており(回転軸線L381と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材180が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
そして、本体駆動軸300との当接が外れたカップリング部材380は、図83(a)に示すように、付勢部材370の付勢力F370により被ガイド部380j2が駆動側フランジ350のガイド部350j2と当接したまま、矢印X62と反対方向に移動する。そして、図83(b)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着され始める装着初期状態、即ちカップリング部材380の伝達突起380f1、380f2が駆動側フランジ350に対して最も突出した状態(第一位置(突出位置))へと戻る。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材380が本体側係合部300から離脱する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材180が本体側係合部300から力を受けることにより、カップリング部材380が、前記第一位置から前記第二位置へ移動し、その後、前記第一位置に復帰する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材380が本体側係合部300と駆動側フランジ350から力を受けて前記第一位置(回転力伝達可能位置)から前記第二位置(離脱可能位置)へ変位(移動)し、その後、第一位置(突出位置)に復帰する。
次に、図84(a)に示すように、カートリッジBの取り外し方向X12と、カップリング部材380の軸線L383とが直交する場合について説明する。
図84(b1)に示すように、画像形成が終了し本体駆動軸300の回転が停止した状態では、駆動伝達ピン302と回転力受け部380e1、380e2とが接触している。またこのとき、本体駆動軸300の先端部300bが、カップリング部材380の駆動軸受け面380fに当接している。この状態を、取り外し初期状態とする。
次に、カートリッジBを取り外し方向X12に移動する。すると、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対して、軸線L382方向への移動が規制されているため、駆動側フランジ350と共に取り外し方向X12に移動する。そして、図84(b2)に示すように、カップリング部材380の退避力受け部としての駆動軸受け面380fは本体駆動軸300の先端部300bからカートリッジBの取り外しによる力F9(退避力)を受ける。力F9は、駆動軸受け面380fの円錐形状の中心方向を向くため、軸線L381方向には、矢印X8方向の分力F9aが生じる。そして、分力F9aによって、付勢部材170の付勢力F170に抗してカップリング部材880は矢印X8方向へ移動する。
更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図84(b3)に示すように、伝達突起380f2の内周面380f4が、本体駆動軸300の先端部300bに当接し、カップリング部材380は先端部300bからカートリッジBの取り外しによる力F10を受ける。力F10は、先端部300bの球面中心方向を向くため、軸線L381方向には、矢印X8方向の分力F10aが生じる。この状態から更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、分力F10aによって、付勢部材370の付勢力F370に抗してカップリング部材380は更に矢印X8方向へ移動する。これにより、図84(b4)に示すように、この分力F10aによるカップリング部材380の矢印X8方向への移動により、伝達突起380f2が駆動伝達ピン302を通過可能となる。即ち、本体駆動軸300の先端部300bがカップリング部材380の開口部380mから離脱する。
そして、本体駆動軸300との当接が外れたカップリング部材380は、前述したカートリッジBの取り外し方向(矢印X12方向)と、カップリング部材380の軸線L383とが平行になる場合と同様に、カートリッジBが装置本体Aに装着され始める装着初期状態、即ちカップリング部材380の伝達突起380f1、380f2が駆動側フランジ350に対して最も突出した状態へと戻る(図83(b)参照)。
なお、前述の説明では、カートリッジBの取り外し方向X12と、カップリング部材180の軸線L183とが平行になる場合、及び直交する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述で説明した取り外し方向と異なる場合も、同様にカップリング部材380は本体側係合部100から離脱することができる。このような場合、カートリッジBの取り外しに際し、伝達突起380f1、380f2のいずれかが、駆動伝達ピン302と当接する。あるいは、本体駆動軸300の先端部300bが、カップリング部材380の駆動軸受け面380fと当接する。更には、伝達突起380f1の内周面380f3(不図示)、伝達突起380f2の内周面380f4のいずれかが、本体駆動軸300の先端部300bと当接する。すると、カップリング部材380は、前述の取り外しによる力F5、F6及び力F9、F10のいずれかを受け、駆動側フランジ350に対して、矢印X8方向に移動し、本体駆動軸300から離脱することができる。
よって、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに際し、よって、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向に対し、カップリング部材380、及び駆動伝達ピン302の回転方向の位相がどのような関係にあっても、前述の構成によって、カートリッジBを装置本体Aに装着することができる。
以上説明したように、カートリッジBの取り外し動作に応じて、カップリング部材380の開口部380mに、本体駆動軸300の先端部300bのが進入した状態から、カップリング部材380を離脱させることができる。したがって、カートリッジBを、感光ドラム310の回転軸線と実質的に直交する方向に取り外すことができる。
以上、本発明を適用した実施例によれば、カップリング部材380は、駆動側フランジ350に対して、軸線L381方向及び軸線L383方向に移動可能である。また、カップリング部材380は駆動側フランジ350に対し、軸線L383方向への移動に連動して軸線L381方向へ移動可能である。これにより、感光ドラム310の回転軸線L1と実質的に直交する方向にカートリッジBを移動させて、装置本体AにカートリッジBを装着する際には、カップリング部材380は、軸線L381方向に移動して、本体駆動軸300とが係合することができる。また、感光ドラム310の回転軸線L1と実質的に直交する方向にカートリッジBを移動させて、装置本体AからカートリッジBを取り外す際には、カップリング部材380は、軸線L381方向に移動して、本体駆動軸300から離脱することができる。加えて、装置本体AからカートリッジBを取り外す際に、感光ドラム310及び本体駆動軸300のいずれかを回転させる必要がない。したがって、カートリッジBの取り外し負荷を軽減し、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際のユーザビリティ性能を向上させることができる。
なお、本体駆動軸の形状としては、本実施例に示した形状に限定されるものではない。本体駆動軸の変形例について、図85を用いて説明する。図85は本体駆動軸とドラム駆動ギアの斜視図である。
まず、図85(a)に示すように本体駆動軸1300の先端部を平面1300bにすることは可能である。これにより、軸の形状が単純となり加工コストが下がり、コストダウンに繋がる。なおこの場合、本体駆動軸1300は平面1300bがカップリング部材380と当接することになるが、平面1300bが当接する駆動軸受け面380f(図68参照)は円錐形状である。したがって、カートリッジBの取り付け及び取り外しの際の移動により、カップリング部材380には本体駆動軸1300から軸線L381方向にも分力が働くため、カップリング部材380は本体駆動軸1300を通過可能である。
また、図85(b)のように、カートリッジBに駆動を伝達するための駆動伝達部1302c1、1302c2を本体駆動軸1300と一体に成形し、駆動伝達部1302c1、1302c2に各々駆動伝達面1302e1、1302e2を成形してもよい。駆動軸を樹脂成形部品とした場合、駆動伝達部を一体で成形でき、コストダウンに繋げることができる。
また、図85(c)のように、本体駆動軸1300の先端部1300bの範囲を狭くするために、主部1300aの外径より細くした先端軸部1300dを設けても良い。前述したように、カップリング部材380の位置を決めるために、先端部1300bはある程度の精度を必要とする。そのため、精度必要範囲をカップリング部材380の当接部(図66(a):駆動軸受け面380f)に限定するため、コストがかかる精度要求面のみ細くすることで、加工コストを下げることができる。
また、本実施例では、カップリング部材に設けられた回転力受け部が、軸線L383と直交する平面となっている例を示したが、これに限定されるものではない。回転力受け部の変形例について、図86を用いて説明する。図86はカップリング部材の斜視図及び平面図である。
図86に示すように、カップリング部材1380の伝達突起1380f1、1380f2に各々設けられた回転力受け部1380e1、1380e2は、感光ドラム310の回転軸線L1に対し、角度α5のテーパ角度がついている。即ち、軸線L383に対し傾斜した面になっている。T1方向に本体駆動軸300が回転すると、駆動伝達ピン302とカップリング部材1380の回転力受け部1380e1、1380e2が当接する。すると、カップリング部材1380にはT2方向の分力が加わる。ここで、カートリッジBを装置本体Aに装着した際、カップリング部材1380の駆動軸受け面1380fは、付勢部材370の付勢力F370(図75(b4)参照)により、本体駆動軸300の先端部300bに当接している。そのため、カップリング部材1380がT2方向の力を受けることで、駆動時は駆動軸受け面1380fと先端部300bとの当接が強くなるため、カップリング部材1380と本体駆動軸300の係合をより安定させることができる。
次に、図87乃至図99を用いて、本発明を適用した第4の実施例について説明する。
なお、本実施例では、前述した実施例と異なる構成、動作について説明し、同様の構成、機能を有する部材については同一の参照番号を付して先の実施例の説明を援用する。また、同様の部品名を付して説明を援用する。以下説明する他の実施例についても同様である。
また、実施例1と同様に、駆動側フランジ450、カップリング部材480、及び本体側係合部100の「回転軸線」を「軸線」と称する。以下説明する他の実施例についても同様である。
また、本実施例における、カートリッジBの装置本体Aへの装着方向、及びカートリッジBの装置本体Aからの取り外し方向は、実施例1と同様であり、以下説明する他の実施例についても同様である。
まず、図87を用いて、本実施例に用いるカップリングユニットU40の構成について説明する。図87に示すように、カップリングユニットU40は、カップリング部材480、中間伝達部材としての中間スライダ430、および被ガイドピン440から構成されている。
まず、カップリング部材480について詳細に説明する。カップリング部材480の回転軸線を「軸線L481」と称し、軸線L481と直交する一方向を「軸線L482」、軸線L481、軸線L482の両方と直交する方向を「軸線L483」と称する。
図87(a)乃至図87(c)はカップリングユニットU40の分解斜視図である。図87(d)、図87(e)はカップリングユニットU40の説明図であり、図87(d)は軸線L881方向から見た図、図87(e)は軸線L483方向から見た図である。また、図87(e)では説明のため、中間スライダ430の円筒内壁部430r1、円筒内壁部430r2(後述)を破線で表示している。
図87に示すように、カップリング部材480は主に3つの部分を有する。第一の部分は、本体駆動軸300(後述する)に係合し、この本体駆動軸300に設けられた回転力伝達部(本体側回転力伝達部)である駆動伝達ピン302(後述する)から回転駆動力を受けるための一端部(自由端部)としての被駆動部480aである。第二の部分は、中間スライダ430を介して後述する駆動側フランジ450に回転駆動を伝え、且つカップリング部材480が回転軸線L481方向に移動可能となるようスライダ460に支持される他端部(被支持部)としての駆動部480bである。また、繋ぎ部480cは、駆動部480bと被駆動部480aを繋いでいる。 被駆動部380aは、図87(b)に示すように、カップリング部材480の回転軸線L481に対して広がった凹部としての駆動軸挿入開口部480mを有する。開口部480mは、本体駆動軸300側に向かって拡開した円錐状の駆動軸受け面480fにより形成されている。
そして、その端面の円周上には、駆動軸受け面480fから突出した2つの伝達突起480f1、480f2が配置されている。2つの伝達突起480f1、480f2を含む被駆動部380aの外周面には、略球面形状である本体当接部480iが設けられている。なお、本体当接部480iは、カップリング部材480が本体駆動軸300に係合する際、及びカップリング部材480が本体駆動軸300から離脱する際に、本体駆動軸300の先端部300b及び駆動伝達ピン302と当接する部分である(詳細は後述する)。
また、夫々の伝達突起480f1、480f2の間には、被駆動待機部480k1、480k2が設けられている。つまり、2つの被駆動伝達突起480f1、480f2の間隔は、この間隔部に後述の装置本体Aの本体駆動軸300の駆動伝達ピン302が位置できるように、駆動伝達ピン302の外径よりも広く設定されている。この間隔部が、480k1、480k2である。
更に、伝達突起480f1、480f2の時計周りの方向において下流側には、駆動力受面(回転力受け部)480e1、480e2が設けられており、本体駆動軸300に設けられた回転力伝達部である伝達ピン302が当接することにより、回転力が伝達される。つまり、駆動力受面480e1、480e2は、本体駆動軸300の駆動伝達ピン302の側面に押されて軸線L481を中心に回転するように、カップリング部材480の回転方向と交差した面である。
なお、軸線L481と直交する断面で繋ぎ部480cを切断したときに、この繋ぎ部480cの少なくとも一つの切断面は、カップリング部材480の回転軸線L481と伝達突起480f1、480f2(駆動力受面480e1、480e2)との間の距離よりも小さい最大回転半径を有する。言い換えると、繋ぎ部480cのうちカップリング部材480の回転軸線L2と直交する所定の断面が、伝達突起480f1、480f2(駆動力受面480e1、480e2)と回転軸線L2との間の距離よりも小さい最大回転半径を有する。更に、言い換えると、繋ぎ部480cは、伝達突起480f1(駆動力受け面480e1)と伝達突起480f2(駆動力受け面480e2)との間の距離よりも、小さい外径を有する。
胴体部(繋ぎ部480cおよび駆動部480b)は、図87に示すように、円筒部480r1、円筒部480r2、第一回転力伝達部480g1、第一回転力伝達部280g2、貫通孔480pが設けられている。
貫通孔480pは、第一回転力伝達部480g1、第一回転力伝達部480g2に設けられる円筒状の貫通孔であり、その中心軸は軸線L483と平行になっている。
第一回転力伝達部480g1、第一回転力伝達部480g2は、軸線L483を法線とする平面であり、軸線L481方向から見て、軸線L481を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。また、円筒部480r1、円筒部480r2は、軸線L481を中心軸とする円筒形状を有し、軸線L481方向から見て、軸線L481を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。
次に、中間伝達部材としての中間スライダ430について詳細に説明する。図87(a)に示すように、中間スライダ430の回転軸線を「軸線L431」と称し、軸線L431と直交する一方向を「軸線L432」、軸線L431、軸線L432の両方と直交する方向を「軸線L433」と称する。
中間スライダ430には主に、中空部430f、外周部430e、及び第一ガイド部430j1乃至第一ガイド部430j4が設けられている。
外周部430eには、第二回転力伝達部430k1、430k2(後述)が形成された軸線L432方向に突出する円筒凸部430m1、円筒凸部430m2が設けられている。
第二回転力伝達部430k1、430k2は、軸線L432を法線とする平面であり、軸線L431を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。また、胴体部430c1、胴体部430c2は軸線L431を中心軸とする円筒形状を有し、軸線L431を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。
中空部430fには軸線L433を法線とする平面を有する第一回転力被伝達部430g1、第一回転力被伝達部430g2、及び軸線L431を中心軸とする円筒形状を有する円筒内壁部430r1、円筒内壁部430r2が設けられている。円筒内壁部430r1と円筒内壁部430r2は、軸線L431方向から見て、軸線L431を基準として互いに180°対向した位置に設けられている。
そして、図87(e)に示すように、第一ガイド部430j3、第一ガイド部430j4は軸線L433方向から見て、軸線L431に対して角度θ4だけ傾斜するよう設けられている。また、第一ガイド部430j3と第一ガイド部430j4はそれぞれ、軸線L433方向から見て、軸線L431を基準とした対称形状である。そして、図87(a)に示す第一ガイド部430j1、第一ガイド部430j2はそれぞれ、軸線L431を基準として、第一ガイド部430j3、第一ガイド部430j4と180度対向した位置に設けられている。
図87(c)に示すように、カップリング部材480の軸線L483が中間スライダ430の軸線L433と平行になるように、円筒部480r1、480r2、第一回転力伝達部480g1、480g2が中空部430fに配置される。ここで、図87(d)に示すように、第一回転力伝達部480g1、480g2と第一回転力被伝達部430g1、430g2は、軸線L483方向に殆ど隙間なく嵌合している。これにより、カップリング部材480の中間スライダ430に対する軸線L483方向への移動が規制されている。また、中間スライダ430は、カップリング部材480に対して軸線L431回りに回転しないようになっている。すなわち、第一回転力伝達部480g1、第一回転力伝達部480g2と第一回転力被伝達部430g1、第一回転力被伝達部430g2との係合を介して、カップリング部材280から中間スライダ230に回転力が伝達される。
また、カップリング部材480が軸線L481と軸線L431とが略同軸になるようにして中空部430fに配置されるとき、円筒部480r1、円筒部480r2と円筒内壁部430r1、円筒内壁部430r2との間には、隙間D10が設けられている。これにより、カップリング部材480は中間スライダ430に対して、軸線L482方向に移動可能になっている。
そして、図87(c)、図87(e)に示すように、円筒形状の被ガイドピン440は、カップリング部材430の貫通孔430pに挿通されている。後述するように、カップリング部材480が付勢部材470によって駆動側(矢印X9方向)に付勢されると、第一ガイド部430j1乃至第一ガイド部430j4と被ガイドピン440が当接する。これにより、カップリング部材480は、中間スライダ430から駆動側に抜け出ることを防止されるとともに、軸線L481が軸線L431と略同軸になるように配置される。
次に、図88及び図89を用いて、本実施例に用いる駆動側フランジユニットU42の構成について説明する。図88(a)は、駆動側フランジユニットU42を取り付けた感光体ユニットとしての感光ドラムユニットU41を駆動側から見た斜視説明図である。図88(b)は、図88(a)のS41断面を表した断面説明図であり、図88(c)は、図88(a)のS42断面を表した断面説明図である。図89は駆動側フランジユニットU42の分解斜視図である。図88(c)においては、説明のため第二ガイド部450j1、450j2及びスライド溝450s1を破線で表示している。
図88に示すように、駆動側フランジユニットU42は、駆動側フランジ450、カップリングユニットU40、抜け止めピン491、ン492、付勢部材470、スライダ460、から構成されている。
まず、図89を用いて駆動側フランジ450について詳細に説明する。駆動側フランジの回転軸線を「軸線L451」と称し、軸線L451と直交する一方向を「軸線L452」、軸線L451、軸線L452の両方と直交する方向を「軸線L453」と称する。
駆動側フランジ450には、嵌合支持部450b、ギア部450c、支持部450d等が設けられている。また、駆動側フランジ450の内部は中空形状であり、これを中空部450fと称する。
中空部450fには、軸線L452を法線とする平面を有する第二回転力被伝達部450g1、450g2、軸線L451を中心軸とした円筒形状を有する円筒内壁部450r、及び第二ガイド部450j1乃至第二ガイド部450j4が設けられている。
図88(c)に示すように、第二ガイド部450j1、450j2は軸線L452方向から見て、軸線L251に対して角度θ5だけ傾斜するよう設けられている。また、第二ガイド部450j1、450j2は、軸線L452方向から見て、軸線L451を基準とした対称形状である。そして、第二ガイド部450j3、450j4はそれぞれ、軸線L451を基準として、第二ガイド部450j1、450j2と180度対向する位置に設けられている。
また、円筒内壁部450rには、スライド溝450s1、スライド溝450s4が設けられている。スライド溝450s1、スライド溝450s4は、後述するように、抜け止めピン491、492を支持する貫通孔であり、軸線L452方向から見て、軸線L453方向を長辺とする長方形状である。
図88、図89に示すように、カップリングユニットU40は、駆動側フランジ450に対して、軸線L482が軸線L452と平行になるようにして、駆動側フランジ450の中空部450fに配置される。ここで、中間スライダ430の第二回転力伝達部430k1、430k2と第二回転力被伝達部450g1、450g2は、軸線L482方向にほとんど隙間なく嵌合している。これにより、カップリングユニットU40は、駆動側フランジ450に対して、軸線L482方向への移動が規制されている(図89(d)参照)。また、中間スライダ430は駆動側フランジ450に対して、軸線L451回りに回転しないようになっている。すなわち、第二回転力伝達部430k1、第二回転力伝達部430k2と第二回転力被伝達部450g1、第二回転力被伝達部450g2の係合を介して、中間スライダ430からフランジ450に回転力が伝達される。
また、図88(c)に示すように、カップリングユニットU40が軸線L481と軸線L451とが略同軸になるように中空部450fに配置されるとき、胴体部430c1、胴体部430c2と円筒内壁部450rとの間には、隙間D20が設けられている。これにより、カップリングユニットU40は駆動側フランジ450に対して、軸線L483方向に移動可能になっている。そして、後述するように、中間スライダ430がカップリング部材480を介して、付勢部材470によって駆動側(矢印X9方向)に付勢されると、円筒凸部430m1、円筒凸部430m2が第二ガイド部450j1乃至第二ガイド部450j4に当接する。これにより、中間スライダ430は、駆動側フランジ450から駆動側へ脱落することを防止されるとともに、軸線L431が軸線L451と略同軸になるように配置される。
図88に示すように、保持部材(移動部材)としてのスライダ460には、カップリング部材480の円筒部480r1、480r2と嵌合する円筒部460a、及び付勢部材470の一端部470aが当接する当接部460b、抜け止めピン491、492を挿通する貫通孔460c1乃至貫通孔460c4が設けられている。ここで、円筒部460aの中心軸を軸線L461とする。
円筒部460aは、カップリング部材480の円筒部480r1、円筒部480r2を、殆ど隙間なく嵌合支持している。これにより、カップリング部材480は、軸線L481と軸線L461とが略同軸上に保持されたまま、軸線L481方向に移動可能になっている。
一方、図89(c)に示すように、円筒形状の抜け止めピン491、492は、その中心軸が駆動側フランジ450の軸線L452と平行になるように、スライダ460の貫通孔460c1乃至貫通孔460c4に、径方向に殆ど隙間なく挿通されている。そして、抜け止めピン491、492が、駆動側フランジ450のスライド溝450s1、450s4に支持されることで、スライダ460と駆動側フランジ450が連結されている。
図88(c)に示すように、抜け止めピン491、492は、軸線L453方向に並んで配置されている。加えて、抜け止めピン491、492の直径は、スライド溝450s1、450s4の軸線L451方向の幅よりも、僅かに小さくなるように設定されている。これにより、スライダ460は、軸線L461と軸線L451とが平行な状態を保つようになっている。また、スライダ460は、駆動側フランジ450に対して、軸線L451方向に移動できないようになっている。言い換えると、スライダ260は、軸線L451に対し実質的に直交する直交方向に移動できるようになっている。
また、図88(b)に示すように、抜け止めピン491、492は、感光ドラム310の開口部310a2(図65参照)によって、軸線L452方向へ抜け出ることを防止されている。加えて、抜け止めピン491、492の長さG4を、円筒内壁部450rの直径φG5よりも大きく設定している。これにより、抜け止めピン491492は、スライド溝4250s1、450s4から脱落しないようになっている。
さらに、抜け止めピン491とスライド溝450s1の一端部450s2との間、及び抜け止めピン492とスライド溝450s1の他端部450s3との間には、隙間D20よりも大きい隙間E30が設けられている(図88(c)参照)。そして、抜け止めピン491とスライド溝450s4の一端部450s5との間、及び抜け止めピン492とスライド溝450s4の他端部450s6との間にも、隙間E30と同様の隙間が設けられている(不図示)。加えて、貫通孔460c1乃至貫通孔460c4やスライド溝450s1、450s4に潤滑剤(不図示)を塗布している。これにより、スライダ460は、駆動側フランジ450に対し、軸線L453方向に滑らかに移動できるようになっている。
したがって、スライダ460は駆動側フランジ450に対して、軸線L461が軸線L451と平行な状態を保ったまま、軸線L452方向と軸線L453方向、及びこれらを合成した方向(即ち、軸線L451と直交するすべての方向)に移動可能になっている。言い換えると、スライダ460は、軸線L451に対し実質的に直交する直交方向に移動可能になっている。また、スライダ460は、駆動側フランジ450に対して、軸線L451方向への移動が規制されている。
図88(b)に示すように、付勢部材470の一端部470aはスライダ460のバネ当接部460bと当接し、他端部470bはカップリング部材480のバネ当接部480d1と当接している。そして、付勢部材470はカップリング部材480とスライダ460の間で圧縮され、カップリング部材480を駆動側(矢印X9方向)に付勢している。また、図87(e)に示すように、付勢部材470は、カップリング部材480に取り付けられた被ガイドピン440と第一ガイド部430j1乃至第一ガイド部430j4との当接を介して、中間スライダ430も駆動側(矢印X9方向)に付勢している。
以上の構成により、カップリング部材480は、スライダ460を介して、駆動側フランジ450に対して、軸線L481と軸線L451とが平行な状態を保つようになっている。また、中間スライダ430はカップリング部材480に対して、軸線L432回りに回転せず、かつ、駆動側フランジ450に対して軸線L433回りに回転しない。したがって、中間スライダ430は、カップリング部材480、駆動側フランジ450に対して、軸線L431が軸線L481及び軸線L451と平行な状態を保つようになっている。
また、カップリング部材480は、中間スライダ430に対して、軸線L482方向に移動可能である。加えて、中間スライダ430は駆動側フランジ450に対して、軸線L433方向に移動可能である。言い換えると、軸線L451に沿って見た時に、中間スライダ430に対するカップリング部材480の移動方向と、駆動側フランジ450に対する中間スライダ430と、が実質的に交差(より詳細には実質的に直交)するように構成されている。したがって、カップリング部材480は駆動側フランジ450に対して、軸線L482方向、軸線L433方向、及びこれらを合成した方向(即ち、軸線L481と直交する全ての方向)に移動可能になっている。
さらに、付勢部材470によって、カップリング部材480の軸線L481が中間スライダ430の軸線L431と略同軸になるように付勢され、かつ、軸線L431が駆動側フランジ450の軸線L451と略同軸になるように付勢されている。したがって、カップリング部材480は付勢部材470によって、駆動側フランジ450に対して、軸線L481が軸線L451と略同軸になるように付勢されている。
次に、図90乃至図93を用いて、カップリング部材480の動作について説明する。図90は、カップリング部材480の軸線L481が、駆動側フランジ450の軸線L451と同軸にある状態を示した図である。図90(a)は駆動側から見た図であり、図90(b)、図90(c)はそれぞれ、図90(a)を軸線L483に平行なSL483断面、軸線L482に平行なSL482断面で表した断面図である。断面図の定義は以下、図91乃至図93においても同様である。図91は、カップリング部材480を、駆動側フランジ450に対して軸線L483と平行な矢印X51方向に移動させた状態を示した図である。図92は、カップリング部材480を、駆動側フランジ450に対して軸線L482と平行な矢印X41方向に移動させた状態を示した図である。図94は、カップリング部材480を、矢印X41方向と矢印X51方向とが合成された、矢印X45方向に、距離pだけ移動させた状態を示した図である。
まず、カップリング部材480は、付勢部材470の付勢力F470により、図90のように、第一ガイド部430j3、430j4と被ガイドピン440が当接し、第二ガイド部450j1、450j2と円筒凸部430m1が当接する。ここで、図90(c)に示すように、第一ガイド部430j3、430j4と被ガイドピン440との当接により、軸線L482方向から見て、軸線L481と軸線L431とが略同軸になる。一方、図90(b)に示すように、第二ガイド部450j1、450j2と円筒凸部430m1との当接により、軸線L483方向から見て、軸線L431と軸線L451とが略同軸になる。したがって、カップリング部材480は付勢部材470の付勢力F470によって、軸線L481と軸線L451が略同軸になる。
次に、図91(a)に示すように、カップリング部材480を、駆動側フランジ450に対して軸線L483と平行な矢印X51方向に移動させる。すると、図91(b)に示すように、カップリングユニットU40は、中間スライダ430の傾斜部または当接部としての円筒凸部430m1と駆動側フランジ450の傾斜部または当接部としての第二ガイド部450j1の当接によって、第二ガイド部450j1に沿った方向(矢印X61方向)に移動する。このとき、カップリングユニットU40は、軸線L481が軸線L451に対して平行な状態を維持している。したがって、カップリングユニットU40は、中間スライダ430の胴体部430c1が円筒内壁部450rに当接するまで、即ち、軸線L483方向の移動距離p1が隙間D20と等しくなるまで、矢印X61方向に移動可能である。一方、スライダ460は抜け止めピン491、292によって軸線L451方向への移動が規制されている。したがって、カップリングユニットU40の矢印X61方向への移動に連動して、スライダ460は、抜け止めピン491、492とともに、スライド溝450s1、スライド溝450s4に沿って矢印X51方向に移動する。
また、カップリング部材480を矢印X51方向とは反対の方向に移動させるときも同様に、カップリング部材480は第二ガイド部450j2に沿った方向に移動する。
一方、図92(a)に示すように、カップリング部材480を、駆動側フランジ450に対して軸線L482と平行な矢印X41方向に移動させる。すると、図92(c)に示すように、カップリング部材480は、傾斜部または当接部としての被ガイドピン440と中間スライダ430の傾斜部または当接部としての第一ガイド部430j4の当接によって、第一ガイド部430j4に沿った方向(矢印X71方向)に移動する。このとき、カップリング部材480は、軸線L481が軸線L431に対して平行な状態を維持している。したがって、カップリング部材480は、円筒部480r1が中間スライダ430の円筒内壁部430r1に当接するまで、即ち、カップリング部480の軸線L482方向の移動距離p2が隙間D10と等しくなるまで、矢印X71方向に移動可能である。一方、スライダ460は抜け止めピン491、抜け止めピン492によって軸線L451方向への移動が規制されている。したがって、カップリング部材480の矢印X71方向への移動に連動して、スライダ460は、抜け止めピン491、抜け止めピン492の中心軸に沿って矢印X41方向に移動する。
また、カップリング部材480を矢印X41方向とは反対の方向に移動させるときも同様に、カップリング部材480は第一ガイド部430j3に沿った方向に移動する。
更に、図93(a)に示すように、カップリング部材480を駆動側フランジ450に対して、矢印X45方向へ距離pだけ移動させる。ここで、距離pのうち、軸線L482方向の成分をp4、軸線L483方向の成分をp5とする。すると、カップリング部材480は中間スライダ430に対して軸線L482方向に距離p4だけ移動する。これと同時に、カップリング部材480及び中間スライダ430は、駆動側フランジに対して軸線L483方向に距離p5だけ移動する。カップリング部材480が中間スライダ430に対して移動することに伴い、カップリング部材480は第一ガイド部430j4に沿って距離p41だけ、中間スライダ430に対して矢印X8方向に移動する(図93(c)参照)。同時に、中間スライダ430が駆動側フランジ450に対して移動することに伴い、中間スライダ430およびカップリング部材480は第二ガイド部450j1に沿って距離p51だけ、駆動側フランジ450に対して矢印X8方向に移動する(図93(b)参照)。したがって、カップリング部材480は、矢印X45方向に距離pだけ移動することに伴い、矢印X8方向に距離p41+p51だけ移動する。
なお、カップリング部材480を矢印X8方向に移動させる構成については、実施例3と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、カップリング部材480は、駆動側フランジ450に対して、軸線L481方向及び軸線L483方向、及び軸線L482方向に移動可能である。また、カップリング部材480は駆動側フランジ450に対し、軸線L483方向、軸線L482方向、及びこれらが合成された方向(即ち、軸線L481に直交する全ての方向)への移動に連動して軸線L481方向へ移動可能である。
次に、図94乃至図96を用いて、カップリング部材480の係合動作について説明する。図94、図96は、カップリング部材480が本体側係合部300と係合する時の状態についての断面説明図である。94(a)、図96(a)は、装着方向とS43断面図、S44断面図の切断方向を表した説明図である。図94(b1)乃至図94(b4)は、図94(a)のS43−S43断面で表し、カップリング部材480が移動し、本体側係合部300と係合する状態を表した断面説明図である。図96(b1)、図96(b2)は、図96(a)のS44断面で表し、カップリング部材480が移動し、本体側係合部300と係合する状態を表した断面説明図である。図95(a)、図95(b)はそれぞれ、図94(b1)、図94(b2)の駆動側フランジユニットU42近傍を拡大した拡大図である。図95(b)、図96(b2)では説明のため、装着初期状態(後述する)における伝達突起480f2を破線で表示している。以下、本体側係合部300とカップリング部材480との係合が完了する状態を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図94(a)に示すように、カップリング部材480の軸線L483と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが平行になる場合について説明する。
図94(b1)、図95(a)に示すように、カートリッジBが装置本体Aに装着され始めるとき、カップリング部材480の伝達突起480f1、480f2は、付勢部材470の付勢力F470によって、駆動側フランジ450に対して最も突出した状態である。この状態を、装着初期状態とする。この図94(b1)のときのカップリング部材480の位置は第一位置(突出位置)である。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L451は実質的に一致している。
装着初期状態から、カートリッジBを矢印X1方向に移動させると、カップリング部材480の本体当接部480iが置本体Aに設けられた本体駆動軸300の先端部300bに当接する。すると、本体当接部480iが先端部300bから装着に伴う力F1を受ける。力F1は、本体当接部480iを構成する略球面の中心方向を向くため、軸線L483に対して、角度θ3の余角θ31よりも小さい角度θ7だけ傾いた方向を向いている。この力F1により、中間スライダ430の円筒凸部430m1と駆動側フランジ450の第二ガイド部450j1とが当接する。そして、カップリングユニットU40は駆動側フランジ450に対し、第二ガイド部450j1に沿って矢印X61方向に移動する。
そして、図94(b2)、図95(b)に示すように、中間スライダ430の胴体部430c1が駆動側フランジ450の円筒内壁部450r1と当接し、カップリングユニットU40のX61方向への移動が規制される。このとき、軸線L481方向において、カップリングユニットU40が装着初期状態から移動する量を移動量N20とする。移動量N20は、第二ガイド部450j1乃至第二ガイド部450j4の軸線L451に対する傾きθ5と、隙間D20(図88(c)参照)によって決定される。
図95(b)に示す状態では、カップリングユニットU40は、図94(b1)、図95(a)に示す装着初期状態に比べて移動量N20だけ矢印X8方向に移動している。すると、力F1は本体当接部480iを構成する略球面の中心を向いているため、力F1と軸線L483のなす角度θ7が、装着初期状態に比べて増大する。そして、これに伴って力F1の矢印X8方向の分力F1aが、装着初期状態に比べて増大する。この分力F1aによって、カップリング部材480は、付勢部材470の付勢力F470に抗して更に矢印X8方向に移動する。そして、このカップリング部材480の矢印X8方向への移動により、カップリング部材480が本体駆動軸300の先端部300bを通過可能となる。この図94(b2)のカップリング部材480の位置は第二位置(退避位置)である。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L451は間隔を有しており(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材480が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
そして、図94(b3)に示すように、カートリッジBを装着完了位置まで移動させたると、実施例3と同様に、カップリング部材480の軸線L481と駆動側フランジ450の軸線L451と一致する。即ち、カップリング部材480と本体駆動軸300とが係合し、カップリング部材480は回転できる状態となる。即ち、このとき、カップリング部材480の位置は、前述した第一位置(突出位置)とほぼ同じである。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aへの装着に伴い、カップリング部材480の回転軸線L481が本体側係合部300の回転軸線L3と一致する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aへの装着に伴い、カップリング部材480が本体側係合部300から力を受けることにより、カップリング部材480が前記第一位置から前記第二位置へ移動し、その後、付勢部材470の付勢力F470により前記第一位置に復帰する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aへの装着に伴い、カップリング部材480が本体側係合部300と駆動側フランジ450から力を受けて前記第一位置から前記第二位置へ移動し、その後、付勢部材470の付勢力F470により前記第一位置へ復帰する。
次に、図96に示すように、カップリング部材480の軸線L483と、カートリッジBの装着方向(矢印X1方向)とが直交する場合について説明する。
カートリッジBを矢印X1方向に装着すると、カートリッジBの装着方向とが平行な場合と同様に、カップリング部材480の本体当接部480iは、装置本体Aに設けられた本体駆動軸300の先端部300bに当接する。このときの状態を装着初期状態とする。この図96(b1)のときのカップリング部材480の位置は第一位置(突出位置)である。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L451は実質的に一致している。このとき、本体当接部480iが先端部300bから、カートリッジBの装着による力F2を受ける。力F2は、本体当接部480iを構成する略球面の中心方向を向くため、軸線L482に対して、角度θ1だけ傾いた方向を向いている。この力F2により、被ガイドピン440と中間スライダ430の第一ガイド部430j4とが当接する。そして、カップリング部材480は中間スライダ430に対し、第一ガイド部430j4に沿って矢印X71方向に移動する。
そして、図96(b2)に示すように、カップリング部材980の円筒部480r1が中間スライダ430の円筒内壁部430r1と当接し、カップリング部材480のX71方向への移動が規制される。このとき、軸線L481方向において、カップリング部材480が装着初期状態から移動する量を移動量N30とする(図96(b2))。移動量N30は、第一ガイド部430j1乃至第一ガイド部430j4の軸線L431に対する傾きθ4と、隙間D10(図87(c)参照)によって決定される。
図96(b2)に示す状態では、カップリング部材480は、装着初期状態に比べて移動量N30だけ矢印X8方向に移動している。このとき、軸線L381方向には力F2の矢印X8方向の分力F2aが生じる。そして、分力F2aによって、カートリッジBの装着方向X1への移動に伴い、付勢部材470の付勢力F470に抗して、カップリング部材480はさらに矢印X8方向に移動し、カップリング部材480が本体駆動軸300の先端部300bを通過可能となる。この図96(b2)のカップリング部材480の位置は第二位置(退避位置)である。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L451は間隔を有しており(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材480が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
その後、図94(b3)と同様の過程を辿り、カートリッジBを装着完了位置まで移動させることができる。
なお、本実施例における感光ドラムへの回転力伝達動作については、実施例2と同様である。即ち、回転力を伝達されたカップリング部材480は、第一回転力伝達部480g1、480g2から第一回転力被伝達部430g1、430g2を介して、中間スライダ430に回転力を伝達する。次に、中間スライダ430は、第二回転力伝達部430k1、430k2から第二回転力被伝達部450g1、450g2を介して駆動側フランジ450に回転力を伝達する。そして、駆動側フランジ450から感光ドラムユニットU41へ回転力を伝達する。
次に、図97乃至図99を用いて、カートリッジBを装置本体Aから取り外す際の、カップリング部材480を本体側係合部300から離脱させる動作について説明する。
図97(a)、図99(a)は、カートリッジBの取り外し方向とS45断面図及びS46断面図の切断方向を表した説明図である。図97(b1)乃至(b4)は図97(a)のS45断面を表し、カップリング部材480が本体側係合部300から離脱する状態を表した断面説明図である。また、図99(b1)乃至(b4)は、図99(a)のS46断面を表し、カップリング部材480が本体側係合部300から離脱する状態を表した断面説明図である。図98は、図97(b3)の駆動側フランジユニットU42近傍を拡大した拡大図である。なお、図97乃至図99のいずれの断面図においても説明のため、カップリングユニットU40は切断しない状態で表示している。また、図97(b1)乃至(b4)、図98においては駆動側フランジ450の第二ガイド部450j1、450j2を破線で表示している。そして、図99(b1)乃至(b3)においては、中間スライダ430の円筒内壁部430r1、430r2を破線で表示している。以下、回転力受け部480e2側を表した図を例に挙げて説明する。
まず、図97に示すように、カートリッジBの取り外し方向(矢印X12方向)と、カップリング部材480の軸線L483とが平行になる場合について説明する。
図97(b1)のときのカップリング部材480の位置は第一位置(回転力伝達可能位置)である。この第一位置(回転力伝達可能位置)は、前述の第一位置(突出位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L451は実質的に一致している。
図97(b1)に示すように、カートリッジBは、感光ドラム410の回転軸線L1と実質的に直交し、且つ、駆動側フランジ450の軸線L451と実質的に直交する取り外し方向X12に沿って移動し、装置本体Aから取り外される。画像形成が終了し本体駆動軸300の回転が停止した状態では、駆動伝達ピン302と回転力受け部480e1、480e2とが接触している。また、カートリッジBの取り外し方向X12において、駆動伝達ピン302が回転力受け部480e2の下流側に位置している。さらにこのとき、本体駆動軸300の先端部300bが、カップリング部材480の駆動軸受け面480fに当接している。この状態を、取り外し初期状態とする。
次に、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図97(b2)に示すように、カップリング部材480の取り外し方向上流側の回転力受部480e2が回駆動伝達ピン302から、カートリッジBの取り外しによる力F5を受ける。力F5は、回転力受け部480e2と直交するため、回転力受け部480e2の法線である軸線L483と平行になる。力F5により、中間スライダ430の円筒凸部430m1と駆動側フランジ450の第二ガイド部450j2とが当接する。そして、カップリングユニットU40は、駆動側フランジ450に対して第二ガイド部450j2に沿って矢印X62方向に移動する。
このとき、本体駆動軸300の先端部300bは、カップリング部材480の駆動軸受け面480fから離れた状態となる。
ここで、回転力受け部480e2(及び回転力受け部480e1)は、カップリング部材480が力F5により軸線L483方向に移動できるように設定する。なお、本実施例では、回転力受部380e2(及び回転力受部380e1)を軸線L483と直交する平面としているため、力F5の方向と軸線L483が平行になる。これにより、使用者がより小さな力で、カップリング部材480を駆動側フランジ450に対して軸線L483方向(及びこれに伴って軸線L481方向)に動かして、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させることができる。そして、この力F5によるカップリング部材480の矢印X8方向への移動により、伝達突起480f2が駆動伝達ピン302を通過可能となる。
伝達突起480f2が駆動伝達ピン302を通過すると、本体駆動軸300の先端部300bはカップリング部材480の駆動軸受け面480fに再び当接する。この状態からカートリッジBを取り外し方向X12に更に移動させると、図97(b3)、図98に示すように、カップリング部材480は本体駆動軸300の先端部300bからカートリッジBの取り外しによる力F6を受ける。力F6は、駆動軸受け面480fの円錐形状の中心方向を向くため、軸線L483方向には力F6の分力F6bが生じる。したがって、カップリング部材480は、分力F6bによって被ガイド部480j2が駆動側フランジ450のガイド部450j2と当接したまま矢印X62方向に移動していき、駆動部480bと円筒内壁部450r2とが当接する。これにより、カップリング部材480の駆動側フランジ450に対する軸線L483方向への移動が規制される。
なおこのとき、軸線L481方向には力F6の矢印X8方向の分力F6aが生じている。したがって、この状態でカートリッジBを取り外し方向X12に更に移動させると、カップリング部材480は、分力F6aによって付勢部材470の付勢力F470に抗して矢印X8方向に移動する。これにより、図97(b4)に示すように、本体駆動軸300の先端部300bがカップリング部材480の開口部480mから離脱する。
この図97(b4)のカップリング部材480の位置は第二位置(離脱可能位置)である。この第二位置(離脱可能位置)は、前述の第一位置(退避位置)とほぼ同じである。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L451は間隔を有しており(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材480が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材480が本体側係合部300から離脱する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材480が本体側係合部300から力を受けることにより、カップリング部材480が前記第一位置から前記第二位置へ移動する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材が本体側係合部300と駆動側フランジ450から力を受けて前記第一位置(回転力伝達可能位置)から前記第二位置(離脱可能位置)へ移動する。
次に、図99(a)に示すように、カートリッジBの取り外し方向X12と、カップリング部材480の軸線L483とが直交する場合について説明する。
図99(b1)に示すように、画像形成が終了し本体駆動軸300の回転が停止した状態では、駆動伝達ピン302と回転力受け部480e1、480e2とが接触している。またこのとき、本体駆動軸300の先端部300bが、カップリング部材480の駆動軸受け面480fに当接している。この状態を、取り外し初期状態とする。図99(b1)のカップリング部材480の位置も第一位置(回転力伝達可能位置)である。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L1は実質的に一致している。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L481と回転軸線L451は実質的に一致している。
また、この図99(b1)の中間スライダ430の位置は第一中間位置である。このときは、中間スライダ430の回転軸線L431が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L431と回転軸線L1は実質的に一致している。また、中間スライダ430の回転軸線L431は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると回転軸線L431と回転軸線L451は実質的に一致している。
次に、カートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、カップリング部材480は駆動側フランジ450及び中間スライダ430とともに、取り外し方向X12に移動する。そして、図99(b2)に示すように、カップリング部材480は本体駆動軸300の先端部300bからカートリッジBの取り外しによる力F9を受ける。この力F9により、被ガイドピン440が中間スライダ430の第一ガイド部430j1と当接したまま、カップリング部材480は、中間スライダ430及び駆動側フランジ450に対し、第一ガイド部430j2に沿って矢印X72方向に移動する。
更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、図99(b3)に示すように、カップリング部材480の円筒部480r2と中間スライダ430の円筒内壁部430r2とが当接する。これにより、カップリング部材480の駆動側フランジ450及び中間スライダ430に対するX72方向への移動が規制される。このとき、カップリング部材480は先端部300bからカートリッジBの取り外しによる力F10を受ける。力F10は、先端部300bの球面中心方向を向くため、軸線L481方向には、矢印X8方向の分力F10aが生じる。この状態から更にカートリッジBを取り外し方向X12に移動させると、分力F10aによって、付勢部材470の付勢力F470に抗してカップリング部材480は更に矢印X8方向へ移動する。これにより、図99(b4)に示すように、この分力F10aによるカップリング部材480の矢印X8方向への移動により、伝達突起480f2が駆動伝達ピン302を通過可能となる。即ち、本体駆動軸300の先端部300bがカップリング部材480の開口部480mから離脱する。
この図99(b4)のカップリング部材480の位置も第二位置(離脱可能位置)である。このときは、カップリング部材480の回転軸線L481が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、カップリング部材480の回転軸線L481は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L481と回転軸線L451は間隔を有しており(回転軸線L481と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、カップリング部材480が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
また、この図99(b4)の中間スライダ430の位置は第二中間位置である。このときは、中間スライダ430の回転軸線L431が感光ドラム10の回転軸線L1と実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L431と回転軸線L1とは間隔を有している(回転軸線L431と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、中間スライダ430の回転軸線L431は駆動側フランジ450の軸線L451とも実質的に平行である。より詳細に述べると、このときは、回転軸線L431と回転軸線L451は間隔を有しており(回転軸線L431と回転軸線L1とは実質的に一致していない)。また、この第二位置のときは、第一位置のときと比べて、中間スライダ430が感光ドラム10側(感光ドラム10の長手方向の他端側)に変位(移動/退避)している。
まとめると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材480が本体側係合部300から離脱する。言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材480が本体側係合部300から力を受けることにより、カップリング部材480が前記第一位置から前記第二位置へ移動する。更に言い換えると、カートリッジBの装置本体Aからの取り外しに伴い、カップリング部材が本体側係合部300と駆動側フランジ450から力を受けて前記第一位置(回転力伝達可能位置)から前記第二位置(離脱可能位置)へ移動する。
なお、前述の説明では、カートリッジBの取り外し方向12が、カップリング部材480の軸線L483と平行になる場合、及び直交する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、前述で説明した取り外し方向と異なる場合も、同様にカップリング部材480は本体側係合部300から離脱することができる。このような場合、カートリッジBの取り外しに際し、伝達突起480f1、480f2のいずれかが、駆動伝達ピン302と当接する。あるいは、本体駆動軸300の先端部300bが、カップリング部材480の駆動軸受け面480fと当接する。更には、伝達突起480f1の内周面、伝達突起480f2の内周面4のいずれかが、本体駆動軸300の先端部300bと当接する。すると、カップリング部材280は、少なくとも前述の取り外しによる力F5、F6及び力F9、F10のいずれかを受け、駆動側フランジ450に対して、矢印X8方向に移動し、本体駆動軸300から離脱することができる。
つまり、カートリッジBの装置本体Aからの取り外し方向に対し、カップリング部材480、及び本体側係合部400の回転方向の位相がどのような関係にあっても、前述の構成によって、カートリッジBを装置本体Aから取り外すことができる。
以上説明したように、本実施例では、カップリング部材480は、実施例3での動作に加え、軸線L481と直交するすべての方向への移動が可能となった。これにより、実施例3と同様の効果を得るとともに、回転力受部の形状の設計制約を少なくすることができる。
(その他の実施例)
前記実施例では、カップリング部材180は、本体側係合部100から感光ドラム10に回転力を伝達するものであった。しかしながら、その限りではない。例えば、図55及び図56に、感光ドラム10を備えたカートリッジBにおいて、感光ドラム10以外の回転体に、装置本体Aから回転力を伝達する構成を示す。図55(a)、図55(b)はそれぞれ、第一枠体ユニット1518、第一枠体ユニット1618を有するカートリッジBの斜視説明図である。また、図55(c)は、図55(a)のS151平面、及び図55(b)のS161断面で表した第一枠体ユニット1518、第一枠体ユニット1618の断面図である。また、図56(a)、図56(b)はそれぞれ、第一枠体ユニット1718、第一枠体ユニット1818を有するカートリッジBの斜視説明図である。また、図56(c)は、図56(a)のS171平面、及び図56(b)のS182断面で表した第一枠体ユニット1718、第一枠体ユニット1818の断面説明図である。
図55、図56に示すように、カートリッジBの第二枠体ユニット1519、第二枠体ユニット1619、第二枠体ユニット1719、及び第二枠体ユニット1819は、感光ドラム10(不図示)に駆動を伝達する機構を有している。該機構は図55(a)、図56(a)に示すような、第一の実施例と同様の駆動側フランジユニットU1581(U1781)や、図55(b)、図56(b)に示すような、本発明とは別の駆動伝達部1680(1880)などから適宜選択すれば良い。以下、第一枠体ユニット1518と第二枠体ユニット1618は同様の構成であるため、第一枠体ユニット1518についてのみ説明する。同様に、第一枠体ユニット1718と第一枠体ユニット1818は同様の構成であるため、第一枠体ユニット1718についてのみ説明する。
第一枠体ユニット1518内の現像ローラ13に回転力を伝達する構成として、図55(c)に示すように、現像ローラ13の回転軸線と同軸上に、回転力伝達部材としての駆動側フランジ1530が設けられている。駆動側フランジ1530は、前述した実施例(実施例1−4)と同様の構成である中空部1530fを有している。中空部1530fには、第一の実施例或いは第二の実施例と同様の構成であるカップリング部材1540、スライダ1560、付勢部材1570等が設けられている。そして、駆動側フランジ1530は、現像ローラ13と一体に固定された現像フランジ1520を介して、現像ローラ13に回転力を伝達する。
ここで、駆動側フランジ1530は、現像フランジ1520と係合することで、駆動側フランジ1530から現像フランジ1520に回転力を伝達する構成でもよい。また、駆動側フランジ1530と現像フランジ1520とを、接着や熱溶着等の方法で結合することで、駆動側フランジ1530から現像フランジ1520に回転力を伝達する構成でもよい。このような構成に対しても、本発明は好適に適用することができる。
また、図56に示すように、現像ローラ13の回転軸線と同軸でない位置に、回転力伝達部材としての駆動側フランジ1730を設け、前記駆動側フランジ1730の中空部1730fにカップリング部材1740等を設ける構成としてもよい。この場合、現像ローラ13の回転軸線と同軸上に、現像ローラ13と一体的に回転する、その他の回転力伝達部材としての現像ローラギア1710を配置する。そして、前記駆動側フランジ1730のギア部1730aと現像ローラギア1710のギア部1710a)の噛み合いによって現像ローラ13に回転力を伝達する。さらに、第一枠体ユニット1718内に、現像ローラ13以外の回転体1720を設け、ギア部1730aから回転体1720のギア部1720aを介して、回転体1720に回転力を伝達する構成を設けても良い。このような構成に対しても、本発明は好適に適用することができる。
また、前記実施例でのカートリッジBは、例えば、感光ドラム10と、複数のプロセス手段を備えたものであった。しかしながら、その限りではない。カートリッジBの形態として、例えば、感光ドラム10と、少なくとも一つのプロセス手段を備えたプロセスカートリッジ等でも、本発明は好適に適用することができる。したがって、前述のプロセスカートリッジの実施形態以外にも、本発明が適用できるプロセスカートリッジとして、例えば、感光ドラム10と、前記プロセス手段としての帯電手段を一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。また、例えば、感光ドラム10と、前記プロセス手段としての帯電手段、クリーニング手段を一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。また、例えば、感光ドラム10と、前記プロセス手段としての現像手段、帯電手段、クリーニング手段を一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。
また、前記実施例(実施例1−4)でのカートリッジBは、感光ドラム10を備えたものであった。しかしながら、その限りではない。カートリッジBの形態として、例えば、図57に示すように、感光ドラムを備えず、現像ローラ13を備えたカートリッジ等でも、本発明は好適に適用することができる。この場合、駆動側フランジ1930、駆動側フランジ2030、及びカップリング部材1940、カップリング部材2040を、現像ローラ13の回転軸線に対して同軸の位置に配置する構成(図57(a))と、現像ローラ13の回転軸線に対して同軸でない位置に配置する構成(図57(b))は、適宜選択すればよい。
また、前記実施例でのカートリッジBは、単色画像を形成するためのものであった。しかしながら、その限りではない。本発明は、現像手段を複数設け、複数色の画像(例えば2色画像、3色画像或いはフルカラー等)を形成するカートリッジにも、好適に適用することができる。
また、装置本体Aに対するカートリッジBの着脱経路は、一直線であっても、着脱経路が直線の組合せであっても、あるいは曲線経路があっても、本発明は好適に適用することができる。
以上、本発明によれば、プロセスカートリッジは、感光ドラムに回転力を伝達するために電子写真画像形成装置本体に設けた本体側係合部を、前記装置本体の本体カバーの開閉動作によって、その回転軸線方向へ移動させる機構を備えない前記装置本体に、前記感光ドラムの回転軸線と実質的に直交する方向から装着することを実現することができる。
また、本発明によれば、プロセスカートリッジは、感光ドラムに回転力を伝達するために電子写真画像形成装置本体に設けた本体側係合部を、前記装置本体の本体カバーの開閉動作によって、その回転軸線方向へ移動させる機構を備えない前記装置本体に、前記感光ドラムの回転軸線と実質的に直交する方向から装着すること、及び前記感光ドラムの回転軸線と実質的に直交する方向に取り外す際の、感光ドラム及び本体側係合部の回転による負荷を小さく取り外すこと、を共に実現することができる。
本発明は、プロセスカートリッジ、感光ドラムユニット、現像ユニット、及び電子写真画像形成装置にも適用できる。