JP6739179B2 - THz帯を用いた検査装置 - Google Patents
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Description
走査素子は、好ましくは、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、デジタルミラー素子の何れかである。
THz波検知部は、好ましくは、THz波検知器と紙葉類に照射されたTHz波の透過波又は反射波を集光する集光用光学部品と、を含む。集光用光学部品は、好ましくは、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ及び鏡から選ばれる。
THz波検知部は、好ましくは、複数のTHz波検知器及び集光用光学部品を含む。
情報処理部は、好ましくは、強度変化を異なる階調で二次元表示する機能を備えている。
異物は好ましくは、樹脂膜である。
紙葉類の上面及び下面には、好ましくは、THz波を透過する樹脂又はガラスが配設される。
THz波照射部は、好ましくは、複数の周波数のTHz波を発生できる1台のTHz波発振器を備えている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る検査装置1を説明する図である。
図1に示すように、本発明の検査装置1は、被検査類2にTHz波を照射するTHz波照射部3と、被検査類2に照射されたTHz波の透過波4を検出するTHz波検知部5と、THz波が照射された被検査類2の透過波4の強度データから、被検査類2の透過波4の強度分布を得る情報処理部10と、を含んで構成されている。被検査類2は、例えば紙葉類である。被検査類2に付着する異物7は例えば、樹脂性のテープである。本明細書では、被検査類2は紙葉類とし、異物7は樹脂性のテープとして説明する。
異物7の付着がなく、かつ、正規のセキュリティスレッド6を有する被検査類2は、例えば正規の紙葉類である。つまり真の紙葉類2である。セキュリティスレッド6の異常とは、正規の紙葉類2と比較して、セキュリティスレッド6を有していない紙葉類2やセキュリティスレッドの形成される位置やセキュリティスレッドの透過波強度や後述する反射波強度が正規の紙葉類2とは異なる場合を示す。
二次元強度分布において、異物7の付着がなく、かつ、正規のセキュリティスレッド6を有する紙葉類2のセキュリティスレッド6のある箇所の位置と強度と、検査時の被検査類2のセキュリティスレッド6の位置と強度を比較する場合、紙葉類2の真偽は、以下のようにして、判別することができる。
(1)検査時の紙葉類2のセキュリティスレッド6の位置と強度が、正規のセキュリティスレッド6を有する紙葉類2と一致する場合には、正規な紙葉類2と判定することができる。
(2)検査時の紙葉類2のセキュリティスレッド6の位置が、正規のセキュリティスレッド6を有する紙葉類2と異なる場合又は検出されない場合には、紙葉類2のセキュリティスレッド6が異常であると判別する。
(3)検査時の紙葉類2のセキュリティスレッド6の位置が正規の紙葉類2と一致するが、強度が著しく異なる場合には、紙葉類2が異常、即ち不正規であると判別する。この場合、セキュリティスレッド6の強度は、二次元強度分布における階調を変化させて検出すればよい。
尚、二次元強度分布における異物7や正規のセキュリティスレッド6を有しているか異常であるか、つまり真偽の判別は、後述する反射波強度の二次元強度分布の判定にも適用できる。
図2に示すように、THz帯を用いた検査装置20が、図1のTHz帯を用いた検査装置1と異なるのは、THz波検知部5が、THz波の紙葉類2への透過波4ではなく、反射波22を検出する点である。他の点は、図1のTHz帯を用いた検査装置1と同じであるので、説明は省略する。
この検査装置25が、図2の検査装置20と異なるのは、ハーフミラー9をさらに追加した点にある。ハーフミラー9としては、THz帯を透過する材料が好ましく、例えばSi基板を用いることができる。
(1)THz波発振器3aが導波管等を用いた場合には、THz波の形状が点状であるため紙葉類2に隣接する横方向からの迷光が生じない。
(2)焦点位置だけの情報がピンホール12やTHz波帯用のアパーチャーを通過してTHz検出素子5cに到達し、焦点位置以外の光はピンホール12でカットされるため、深さ方向(Z方向、つまり紙葉類2の厚さ方向)に分解能が生じ、光学的断層像を得ることができる。これは反射波を検出する検査装置20では実現できない。
従って、反射波を検出する検査装置20よりも点像強度分布(PSF:Point Spread Function)がよりシャープになり、XYZ分解能が向上する。
なお、特に断らない限り、第1実施形態と同様に、THz波照射部は被検査類に偏光したTHz波を照射し、THz波検知部は、被検査類に照射された偏光したTHz波の透過波又は反射波を検出する。
次に、本発明の第2実施形態として、紙葉類2を幅方向に垂直な方向(Y方向)に搬送させながら走査して、紙葉類2に付着した異物7及び/又はセキュリティスレッド6を検出できる検査装置30について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る検査装置30を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。この検査装置30は、紙葉類2を搬送する紙葉類搬送部32と、紙葉類搬送部32による紙葉類2の移動方向と直交する方向にTHz波を照射するTHz波照射部33と、紙葉類2に照射されたTHz波の透過波34を検出するTHz波検知部35と、紙葉類搬送部32の搬送方向と直交する方向にTHz波が照射された紙葉類2の透過波34の強度データから、紙葉類2の透過波34の強度分布を得る情報処理部40と、を含んで構成されている。
この検査装置50が、図4に示す検査装置30と異なるのは、THz波の反射波52を検知している点である。THz波の反射波52を検出するTHz波検知部55は、紙葉類2を反射したTHz反射波52の集光用光学部品55aと、レンズ55bを介してショットキーバリヤダイオード等からなるTHz波の反射波52を検出するTHz波検知素子55cで検知される。THz波検知部55の構成は、図4のTHz波検知部35と同様であるが、紙葉類搬送部32の上部側に配設されている。他の構成は、図4に示した検査装置30と同じであるので、説明は省略する。
さらに、上記検査装置50では、紙葉類2の表面からのTHz波の反射波52を検出するようにしたが、さらに紙葉類2の裏面からのTHz波の反射波を検出するために、別のTHz波照射部53及びTHz波検知部55を、紙葉類搬送部32の下部側にさらに設けてもよい。
次に、複数のTHz波発振器又は複数のTHz波検知器を使用した検査装置について説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る検査装置60を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。この検査装置60は、図4に示す検査装置30と同様に透過波34を検出する構成であるが、複数のTHz波発振器63a−63dからなるTHz波照射部63を備えている点で異なっている。他の構成は、図4に示した検査装置30と同じであるので、説明は省略する。
図7は、本発明の第3実施形態の変形例1に係る検査装置70を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。この検査装置70が、図5に示す検査装置50と同様に反射波52を検出する構成であるが、複数のTHz波発振器からなるTHz波照射部73を備えている点で異なっている。他の構成は、図5に示した検査装置50と同じであるので、説明は省略する。
図8は、本発明の第3実施形態の変形例2に係る検査装置80を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。この検査装置80は、図4に示す検査装置30と同様に透過波34を検出する構成を有している。THz波照射部83は図4に示すTHz帯を用いた検査装置30と同様に構成されているが、THz波検知部85が複数のTHz波検知素子85a,85b,85c,85dを備えている点で図4に示す検査装置30とは異なっている。
図9は、本発明の第3実施形態の変形例3に係る検査装置90を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。この検査装置90は、図5に示す検査装置50と同様に反射波52を検出する構成を有している。THz波照射部93は図9に示す検査装置50と同様に構成されているが、THz波検知部95が複数のTHz波検知素子95a,95b,95c,95dを備えている点で図5に示す検査装置50とは異なっている。
図10は、本発明の第3実施形態の変形例4に係る検査装置100を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。この検査装置100は、図4に示す検査装置30と同様に透過波34を検出する構成を有しており、紙葉類搬送部32の上方に配設される複数のTHz波発振器103a,103b,103c,103d,103eからなるTHz波照射部103と、複数のTHz波検知器105a,105b,105c,105d,105eからなるTHz波検知部105等を含んで構成されている。
図11は、本発明の第3実施形態の変形例5に係る検査装置110を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。この検査装置110は、図7に示す検査装置70と同様に反射波52を検出する構成を有しており、紙葉類2の表面側及び裏面側を検査するために、第1及び第2のTHz波照射部113A,113Bと、第1及び第2のTHz波検知部115A,115B等を含んで構成されている。
なお、第1のTHz波照射部113AによるTHz波の照射と第1のTHz波検知部115AによるTHz反射波の検出及び第2のTHz波照射部113BによるTHz波の照射と第2のTHz波検知部115BによるTHz反射波の検出は、所定の順で照射と検知を繰り返す。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1の検査装置1を用い、140GHzにおける透過波を測定した実施例1について説明する。
THz波発振器3aとしては、140GHzの連続発振(CW発振)のIMPATTダイオードを用いた発振器(ELVA−1社製、モデルCIDO−06/140/20)を使用した。紙葉類2をステージに載置し、紙葉類2の紙面垂直方向に対して45°の方向から入射させ、透過波4を測定した。出力は大凡10mWである。IMPATTダイオード発振器3aからのTHz波3cの出力は、テフロン(登録商標)製のレンズ3eで集光し、紙葉類2に照射した。紙葉類2aを透過したTHz波の透過波4は、テフロン(登録商標)製のレンズ5aで集光し、ショットキーバリヤダイオード5c(ELVA−1社製、モデルZBD−06)で強度を検出した。
ここで、ステージの二次元走査を行い、140GHzの透過波の二次元強度分布を測定した。
図12(a)は、紙葉類2Aに貼り付けたテープ類と、セキュリティスレッド6の位置を示している。テープ類は、上から下方向に、メンディングテープ7aとポリプロピレンテープ7bと、セロファンテープ7cを紙葉類2Aの長手方向(X方向)に平行に貼り付けた。つまり、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。ここで、X方向は、矩形導波管の短辺に平行な方向である。
図13(a)に示すように、紙葉類2Aを図12(a)の位置とは異なり、90°回転させた配置とした。つまり、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はY方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。
図14は、本発明の検査装置1で入射角度を15°として取得した紙葉類2Aを透過したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Aにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はX方向偏光の二次元の強度分布、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布である。
図14(a)に示すように、テープ類2Aとセキュリティスレッド6の配置は、図12と同様である。つまり、紙葉類及びテープ類の長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図15(a)は、図14(a)の位置とは異なり、90°回転させた配置とした。つまり、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はY方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。
図16は、本発明の検査装置1で入射角度を15°として取得した紙葉類2Aを透過したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布において、テープ類及びセキュリティスレッド6の長手方向を図12の反対のY方向とした別の一例を示し、(a)は紙葉類2Aにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はX方向偏光の二次元の強度分布、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布である。
図16(a)に示すように、紙葉類2Aの長手方向はX方向に平行であり、テープ類の長手方向はY方向に平行である。
図17(a)に示すように、紙葉類2Aを図16(a)の位置とは異なり、90°回転させた配置とした。つまり、紙葉類2Aの長手方向はY方向に平行であり、テープ類及びセキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。
図18は、本発明の検査装置1で入射角度を45°として取得した紙葉類2Bを透過したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Bにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はX方向偏光の二次元の強度分布、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布である。なお、紙葉類2Bは、紙葉類2Aとは異なる種類の紙葉類である。
図18(a)に示すように、テープ類及び紙葉類2Bの長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図19(a)に示すように、紙葉類2Bを図18(a)の位置とは異なり、90°回転させた配置とした。つまり、紙葉類2B及びテープ類の長手方向はY方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。
図20は、本発明の検査装置1で入射角度を15°として取得した紙葉類2Bを透過したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Bにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はX方向偏光の二次元の強度分布、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布である。
図20(a)に示すように、テープ類は、図12と同様に、紙葉類2Bの長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図21(a)に示すように、紙葉類2Bを図20(a)の位置とは異なり、90°回転させた配置とした。つまり、紙葉類2B及びテープ類の長手方向はY方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はX向に平行である。
図1の検査装置1を用い、紙葉類2Cにおいて、140GHzにおける透過波の測定例について説明する。
図22は、本発明の検査装置1で入射角度を15°として取得した紙葉類2Cを透過したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Cにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はY方向偏光の二次元の強度分布を示す図である。なお、紙葉類2Cは、紙葉類2A及び紙葉類2Bとは異なる種類の紙葉類である。
図1の検査装置1を用い、90GHzにおける透過波を測定した実施例2について説明する。
図1の検査装置1において、THz波発振器3aとしては、90GHzの連続発振(CW発振)のガンダイオード発振器(SPACEK LABS社製、モデルGW−900P)を使用した。ガンダイオード発振器の出力は、約10mWである。ガンダイオード発振器3aからのTHz波3cの出力は、テフロン(登録商標)製のレンズ3eで集光し、紙幣類2Cに照射し、紙幣類2Cを透過したTHz波4は、テフロン(登録商標)製のレンズ5aで集光し、ショットキーバリヤダイオード(millitech社製、モデルDXP−10−RPF0)で透過したTHz波4の強度を検出した。ガンダイオードを用いた発振器3aと、ショットキーバリヤダイオード5cの導波路の向きは、同じ偏光方向となるように設定した。ガンダイオードを用いた発振器3aとショットキーバリヤダイオード5cの導波路は、何れもこれらの素子が収容される導波管及び導波管に接続されるホーンアンテナからなる。他の構成は、140GHzの透過波測定と同じであるので、説明は省略する。なお、紙葉類2Cは、紙葉類2A及び紙葉類2Bとは異なる種類の紙葉類である。
図23(a)に示すように紙葉類2Cの長手方向はY方向に平行であり、テープ類及びセキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。検査範囲は、図23(a)に実線で示す四角の箇所である。
図1の検査装置1を用い、入射角度を0°〜45°まで5°毎に変えたときの90GHz及び140GHzの透過波の二次元分布を測定した実施例3について説明する。
図24は、紙葉類2Bにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置を示す図である。紙葉類2Bの長手方向は、Y方向に平行である。テープ類は、上から下方向に、セロファンテープ7cと、ポリプロピレンテープ7bと、メンディングテープ7aと、セロファンテープ7cを紙葉類2Bの短長手方向(X方向)に平行に貼り付けた。セキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。つまり、テープ類7及びセキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。導波路の偏光方向は、Y方向である。
図25(a)〜(j)に示すように、入射角度を0°〜45°まで5°毎に変えて取得した紙葉類2Bを透過したTHz波の二次元の強度分布では、セキュリティスレッド6を明瞭に識別することができた。そして、セキュリティスレッド6の領域において干渉縞が観測され、この干渉縞の本数は、角度と共に増大した。
本発明の検査装置1で周波数を90GHzから140GHzに変化して、入射角度を0°〜45°まで5°毎に変えて紙葉類2Bを透過したTHz波の二次元の強度分布を、上記と同様に測定した。140GHzにおいても、90GHzと同様にセキュリティスレッド6を明瞭に識別することができた。そして、セキュリティスレッド6の領域において干渉縞が観測され、この干渉縞の本数は、角度と共に増大した。
図26に示すように、140GHzの干渉縞数は、90GHzよりも多く、また両周波数で干渉縞数は角度に比例して増加することが分かる。
図2の検査装置20を用い、140GHzにおける反射波を測定した実施例4について説明する。
140GHzにおける反射測定は、紙葉類2Aの紙面垂直方向から45°の方向で入射させ、反射波22の測定をした。発振器3aとショットキーバリヤダイオード5cは、図3に示した透過波測定と同じである。
図27(a)に示すように、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図27(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高いことが分かる。
図28(a)に示すように、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はY方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はX方向に平行である。
図28(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が図28(b)と比較すると判別し難いことが分かる。
図29(b)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高いことが分かる。
図29(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高いが、図29(b)と比較すると判別し難いことが分かる。
図30(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高いが、図30(b)と比較すると判別し難いことが分かる。
図3の検査装置25を用い、140GHzにおける反射波を測定した実施例5について説明する。共焦点光学系のピンホール12として、THz波帯用のアパーチャーを用いた。
図31は、本発明の共焦点光学系を用いた検査装置25で反射角度を45°として取得した紙葉類2Aを反射したTHz(140GHz)波の二次元の強度分布の別の一例を示し、(a)は紙葉類2Aにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はY方向偏光の二次元の強度分布の一例、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布の別の一例である。テープ類の貼り付け方向は、図27と同じである。図31(b)及び(c)は、それぞれ、走査の開始時におけるテープ類の反射強度を調べ、その最大値と最小値が得たときの二次元の反射強度分布である。後述する図32も同様である。
図34(b)及び(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高いことが分かる。図33(b)と比較すると、セキュリティスレッド6からの反射波強度がより高いことが分かる。
図31〜34に示した本発明の検査装置25で測定した反射波3jは、図27〜30に示した本発明の検査装置20で測定した反射波22よりも、線状のセキュリティスレッド6を、高分解能で検出できることが分かる。これは、本発明の検査装置25で測定した反射波は、共焦点配置により、THz波が紙葉類2Aに垂直入射しているので、P偏光とS偏光の区別がなく、線状のセキュリティスレッド6の方向の偏光に対する相対的位置関係がどのようであっても、その両方、つまり、P偏光とS偏光の結果が得られることに起因している。
図2の検査装置20を用い、紙葉類2Bを用い、140GHzにおける反射波を測定した実施例6について説明する。
図35は、本発明の検査装置20で反射角度を45°として取得した紙葉類2Bを反射したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Bにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はX方向偏光の二次元の強度分布、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布である。
図35(a)に示すように、紙葉類2B及びテープ類の長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図36(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低いが、セキュリティスレッド6からの反射波強度は図36(b)と比較すると判別し難いことが分かる。
図3の検査装置25を用い、140GHzにおける反射波を測定した実施例7について説明する。
図37は、本発明の共焦点光学系を用いた検査装置25で垂直入射でハーフミラー9の反射角度を45°として取得した紙葉類2Bを反射したTHz波(140GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Bにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はY方向偏光の二次元の強度分布の一例、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布の別の一例である。テープ類の貼り付け方向は、図35と同じである。
図37(c)から明らかなように、セキュリティスレッド6の下側からの反射波強度が高く、セキュリティスレッド6の上側から反射波強度が低いことが分かる。又、テープ類からの反射波強度が高いことが分かる。
図38(c)から明らかなように、セキュリティスレッド6からの反射波強度が低く、テープ類からの反射波強度が高いことが分かる。
図37及び38に示した本発明の検査装置25で測定した反射波3jは、図35及び36に示した本発明の検査装置20で測定した反射波22よりも、線状のセキュリティスレッド6を、高分解能で検出できることが分かる。これは、上述した紙葉類2Aの測定結果と同様である。本発明の検査装置25で測定した反射波3jは、共焦点配置により、THz波が紙葉類2Bに垂直入射しているので、P偏光とS偏光の区別がなく、線状のセキュリティスレッド6の方向の偏光に対する相対的位置関係がどのようであっても、その両方、つまり、P偏光とS偏光の結果が得られることに起因している。
図2の検査装置20を用い、90GHzにおける反射波を測定した実施例8について説明する。
90GHzにおける反射測定は、紙葉類2Aの紙面垂直方向から45°の方向から反射させ、反射波の測定をした。
図39(a)に示すように、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図39(c)から明らかなように、テープ類とセキュリティスレッド6からの反射波強度が判別し難いことが分かる。
図40(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高いが、図40(b)に示すセキュリティスレッド6からの反射波強度よりも低いことが分かる。
図41は、本発明の検査装置20で反射角度を45°として取得した紙葉類2Aを反射したTHz波(90GHz)の二次元の強度分布において、テープ類及びセキュリティスレッド6の長手方向を図39の反対のY方向とした一例を示し、(a)は紙葉類2Aにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はX方向偏光の二次元の強度分布、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布である。
図41(a)に示すように、紙葉類2Aの長手方向はX方向に平行であり、テープ類及びセキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図41(c)から明らかなように、テープ類とセキュリティスレッド6からの反射波強度が判別し難いことが分かる。
図42(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が高く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が低いことが分かる。図42に示すような紙葉類2の向きとし、THz波の偏光方向を調整することにより、テープ類とセキュリティスレッド6を、図41の場合よりもより明瞭に判別できることが分かる。
図3の検査装置25を用い、90GHzにおける反射波を測定した実施例9について説明する。
図43は、本発明の共焦点光学系を用いた検査装置25で反射角度を45°として取得した紙葉類2Aを反射したTHz波(90GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類2Aにおけるテープ類とセキュリティスレッド6との位置、(b)はY方向偏光の二次元の強度分布である。
図43(a)に示すように、紙葉類2A及びテープ類の長手方向はX方向に平行であり、セキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図45(a)に示すように、紙葉類2Aの長手方向はX方向に平行であり、テープ類及びセキュリティスレッド6の長手方向はY方向に平行である。
図43〜46に示した本発明の検査装置25で測定した90GHzの反射波3jは、図39〜図42に示した本発明の検査装置20で測定した反射波22よりも、線状のセキュリティスレッド6を、高分解能で検出できることが分かる。これは、上述した紙葉類2Aの140GHz測定結果と同様である。本発明の検査装置25で測定した90GHzの反射波3jは、共焦点配置により、THz波が紙葉類2Aに垂直入射しているので、P偏光とS偏光の区別がなく、線状のセキュリティスレッド6の方向の偏光に対する相対的位置関係がどのようであっても、その両方、つまり、P偏光とS偏光の結果が得られることに起因している。
次に、90GHzにおける紙葉類2Bを用いた反射測定例4について説明する。
図47(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が高く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が低いことが分かる。これから、図47(b)及び(c)では、テープ類の識別が良好にできるが、セキュリティスレッド6の識別はし難いことが分かる。
図48(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が低く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が高く、かつ干渉縞が生じていることが分かる。
図49(c)から明らかなように、両端のテープ類の反射波強度が高いが、セキュリティスレッド6からの反射波強度が低く識別はし難いことが分かる。
図3の検査装置25を用い、90GHzにおける反射波を測定した実施例9について説明する。
図51は、本発明の共焦点光学系を用いた検査装置25で反射角度を45°として取得した紙葉類2Bを反射したTHz波(90GHz)の二次元の強度分布の一例を示し、(a)は紙葉類におけるテープとセキュリティスレッド6との位置、(b)はY方向偏光の二次元の強度分布の一例であり、(c)はY方向偏光の二次元の強度分布の別の一例である。図51(b)及び(c)は、それぞれ、走査の開始時におけるテープ類の反射強度を調べ、その最大値と最小値を得たときの二次元の反射強度分布である。後述する図52も同様である。
図51(c)から明らかなように、テープ類の反射波強度が高く、セキュリティスレッド6からの反射波強度が低いことが分かる。
図52以外の図51、53及び54に示した本発明の検査装置25で測定した90GHzの反射波3jは、図47〜50に示した本発明の検査装置2022で測定した反射波よりも、線状のセキュリティスレッド6を、高分解能で検出できることが分かる。これは、上述した紙葉類2Bの140GHz測定結果と同様である。本発明の検査装置25で測定した90GHzの反射波3jは、共焦点配置により、THz波が紙葉類2Bに垂直入射しているので、P偏光とS偏光の区別がなく、線状のセキュリティスレッド6の方向の偏光に対する相対的位置関係がどのようであっても、その両方、つまり、P偏光とS偏光の結果が得られることに起因している。
2:被検査類(紙葉類)
2A,2B,2C:紙葉類
3,33,63,73,83,93、103、113:THz波照射部
3a,33a,63a−63d,73a−73d,83a,93a,103a−103e,113a−113e,113a’−113e’:THz波発振器
3c,33c:THz波発振器から照射されるTHz波
3e,3h,35a,55a,65a,75a:集光用光学部品(レンズ)
3f:集光されたTHz波
3i:ハーフミラーに入射するTHz波
3j:紙葉類2で生じたTHz波の反射波
4,34:透過波
5,35,55,65,75,85,95、105、115:THz波検知部
5a:集光用光学部品(レンズ)
5c,35c,55c,65c,75c,85a−85d,95a−95d,105a−105e,115a−115e:THz波検知素子
6:セキュリティスレッド
7:異物
7a:メンディングテープ
7b:ポリプロピレンテープ
7c:セロハンテープ
8:樹脂膜
8a:第1の光学用樹脂膜
8b:第2の光学用樹脂膜
9:ハーフミラー
10,40:情報処理部
10a,40a:A/D変換器
10b,40b:入出力インターフェース(I/O)
10c,40c:ディスプレイ
10d,40d:記憶装置
12:ピンホール
20,25:第1実施形態に係る別の検査装置
22,52:反射波
30,50:第2実施形態に係る検査装置
32:紙葉類搬送部
32a:制御回路
33d,83d,93d:走査素子
33e,63e,73e,83e,93e,103f,113f:レンズ
33f,83f,93f:フレネルレンズ
33s:走査素子により走査されるTHz波
35b,55b,65b,75b,85e,95e,105f,115f:レンズ
60,70,80,90,100,110:第2実施形態に係る検査装置
38:ガラス
Claims (10)
- 紙葉類を搬送する紙葉類搬送部と、
THz波発振器を有し該THz波発振器により前記紙葉類搬送部による紙葉類の移動方向と直交する方向に偏光したTHz波を照射するTHz波照射部と、
前記紙葉類に照射された前記偏光したTHz波の透過波又は反射波を検出するTHz波検知部と、
前記移動方向と直交する方向にTHz波が照射された前記紙葉類の透過波又は反射波の強度データから、前記紙葉類の透過波又は反射波の強度分布を得る情報処理部と、
を備え、
前記THz波照射部は、1台のTHz波発振器と、該1台のTHz波発振器から発振した前記THz波が照射される走査素子と、該走査素子と前記紙葉類との間に配置された集光用光学部品とを備え、
前記1台のTHz波発振器から発振され前記走査素子に照射された前記THz波が、前記集光用光学部品を介して前記紙葉類の厚さ方向に対して10度〜50度の入射角度で前記紙葉類に照射され、
前記情報処理部は、前記紙葉類に照射された前記THz波の前記透過波又は前記反射波の二次元の強度分布を取得し、
異物の付着がなく、かつ、正規のセキュリティスレッドを有する前記紙葉類を検出したときの強度分布と、検査時に前記紙葉類を検出したときの検査時強度分布とを比較することで、検査時の前記紙葉類に異物が付着されているか否か及び/又はセキュリティスレッドに異常があるか否かを検出する、検査装置。 - 前記情報処理部は、前記検査時の前記紙葉類に異物が付着されているか否か及びセキュリティスレッドに異常があるか否かを検出する、請求項1に記載の検査装置。
- 前記走査素子は、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、デジタルミラー素子の何れかである、請求項1に記載の検査装置。
- 前記THz波検知部は、THz波検知器と前記紙葉類に照射されたTHz波の前記透過波又は前記反射波を集光する集光用光学部品と、を含む、請求項1に記載の検査装置。
- 前記集光用光学部品は、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ及び鏡から選ばれる、請求項1又は4に記載の検査装置。
- 前記THz波検知部は、複数のTHz波検知器及び集光用光学部品を含む、請求項1に記載の検査装置。
- 前記情報処理部は、前記強度変化を異なる階調で二次元表示する機能を備えている、請求項1に記載の検査装置。
- 前記異物は樹脂膜である、請求項1〜7の何れかに記載の検査装置。
- 前記紙葉類の上面及び下面には、THz波を透過する樹脂又はガラスが配設される、請求項1〜8の何れかに記載の検査装置。
- 前記THz波照射部は、複数の周波数のTHz波を発生できる1台の前記THz発振器を備えている、請求項1〜9の何れかに記載の検査装置。
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