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JP6781803B2 - 情報処理装置とその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理装置とその制御方法に関する。
機器の設定を工場出荷時の状態に戻す技術として、例えば特許文献1には、簡単なユーザの操作で、機器の設定値を工場出荷時の状態に戻す技術が記載されている。また、画像形成装置のジョブ情報を安全に削除する技術として、例えば、特許文献2には、不揮発記憶領域に記憶した暗号化したデータの処理が終了すると、暗号化モジュールの暗号化キーを削除することが記載されている。
特許第4479633号公報 特許第5574858号公報
しかしながら、ユーザの記録データやジョブ情報を安全に削除して工場出荷時のデータを戻す場合、その機器でカウントされていた総印刷枚数なども工場出荷時の情報に戻ってしまう。このため、このようなデータの削除を実行した後、その機器は、データ上、新品の製品と区別がつかなくなってしまうという課題がある。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することにある。
本発明の特徴は、記憶手段の初期化が指示されると、それに記憶されている消去対象のデータを確実に消去し、且つ、初期化の後、その記憶手段に記憶されているデータと工場出荷時のデータとが区別できるようにする技術を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
報処理装置であって、
前記情報処理装置のユーザデータおよび前記情報処理装置の使用履歴を示すデータを、パーティション情報に基づく記憶領域に記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段の初期化が指示されることに基づいて、前記使用履歴を示すデータを記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段の初期化が指示され、且つ、前記第2記憶手段が前記使用履歴を示すデータを記憶したことに基づいて、少なくとも前記記憶領域に記憶されているデータを削除する削除手段と、
前記削除手段によりデータが削除されたことに基づいて、前記第2記憶手段によって記憶された前記使用履歴を示すデータを前記第1記憶手段に書き込む書き込み手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、記憶手段の初期化が指示されると、それに記憶されている消去対象のデータを確実に消去でき、初期化後、記憶されているデータと工場出荷時の装置のデータとが区別できるという効果がある。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を説明するブロック図。 本実施形態に係る画像形成装置のROMに記憶されているデータを説明する図。 ユーザが画像形成装置をある程度使用した後のeMMCの内部データの配置を示す図(A)と、eMMCのデータを削除するための準備を示す図(B)。 eMMCのFAXデータ、プリントデータ、ユーザデータを削除した後のデータの配置を示す図(A)と、eMMCのデータを削除した後、eMMCのパーティションを復元したときのデータの領域を示す図(B)。 eMMCのパーティションが復元された後、データを復元した状態を示す図。 本実施形態に係る画像形成装置のプリンタコントローラがeMMCのデータを初期化する処理を説明するフローチャート。 実施形態に係る画像形成装置においてユーザ記録データの初期化を指示する画面例を示す図。 本実施形態に係る画像形成装置の表示部に表示される画面例を示す図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、以下の説明では、本発明に係る情報処理装置を画像形成装置を例に説明するが、本発明はこれに限らず、例えば通信装置、PC等のコンピュータ機器、印刷装置、複合機等にも適用できる。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成を説明するブロック図である。
プリンタコントローラ(制御部)115は、バス130を介してeMMC(embedded Multi Media Card)120と接続されている。eMMC120は、フラッシュメモリを利用した組み込み機器用の不揮発記憶装置で、NANDフラッシュメモリと制御回路とを一つのパッケージにまとめ、MMC(マルチメディアカード)と同じインターフェースで接続される。プリンタコントローラ115eMMC(embedded Multi Media Card )のCPU101は、プリンタコントローラ115全体を制御するCPUであり、RAM102に展開されたプログラムを実行して各種の演算なども行う。RAM102はCPU101が動作するためのシステムワークメモリを提供し、CPU101がeMMC120などからデータやプログラムをRAM102に展開し、そのプログラムに従って演算や各種制御などを実行する。eMMCコントローラIF(インタフェース)103は、CPU101の制御の下に、バス130を介してeMMC120へのアクセスをコントロールする。表示IF104は表示部105に接続されており、表示部105へ表示信号を送付する。表示部105は、表示パネルやLED等を含み、ユーザに情報を提示する。操作IF106は操作部107と接続されており、操作部107は、タッチパネルやボタンなどを含む。操作IF106は、操作部107から、タッチパネルやボタンなどを介したユーザの操作を電気信号として受け付ける。尚、表示部105がタッチパネル機能を有している場合、表示部105と操作部107は一体に形成される。
ROM109は、起動用プログラムや、出荷時データや、更には、図2を参照して後述するユーザデータ初期化フラグを保存する不揮発メモリで、例えばフラッシュROMである。FAXモデム110はFAXデータの送受信を行うモデムで、不図示の電話回線と接続されている。FAX受信データは、一旦、eMMC120にFAX受信画像データファイルとして保存され、FAX送信データも一時、FAX送信画像データファイルとしてeMMC120に保存される。プリンタIF111は、プリンタエンジン140と接続され、プリンタエンジン140にプリントデータやプリンタ制御コマンドを送付したり、プリンタエンジン140からレスポンスを受信する。これらの各部は、バス108を介して互いに接続されている。
eMMC120は、上述の制御回路であるNANDメモリコントローラ121、NANDメモリ(NANDフラッシュメモリ)122を有している。NANDメモリコントローラ121は、バス130を介してeMMCコントローラIF103と接続されている。NANDメモリコントローラ121は、eMMCコントローラIF103からコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、データやレスポンスをeMMCコントローラIF103にバス130を介して送付する。ここで受信するコマンドは、安全消去コマンドや書き込みコマンド、読み込みコマンドなどを含む。NANDメモリコントローラ121は、NANDメモリ122と接続されており、eMMCコントローラ103から受信したコマンドを解釈する。安全消去コマンドの場合は、NANDメモリ122に記録しているデータを安全に消去し、書き込みコマンドの場合には、eMMCコントローラIF103からバス130を介して受信したデータをNANDメモリ122に書き込む。また読み込みコマンドの場合、NANDメモリコントローラ121は、NANDメモリ122からデータの読み込みを行い、その読み込んだデータをバス130を介してプリンタコントローラ115に送信する。
またeMMC120は、データの書換えを記憶媒体の記憶素子にできる限り均等にするウエアレベリング機能を有し、NANDメモリ122の特定の物理アドレスに集中してデータの書き込みが発生しないように制御する。eMMC120は、NANDメモリコントローラ121が書き込みコマンドを受けると、そのコマンドに含まれる論理アドレス情報を解析し、実際に書き込まれるNANDメモリ122の物理アドレスを探しだす。そして、その探し出した物理アドレスの書き込み回数と、他の使用していない物理アドレスのメモリの書き込み回数とを比較し、書き込み回数の少ない物理アドレスのメモリへの書き込みを実行する。このようにNANDメモリコントローラ121は、論理アドレスに対応する物理アドレスにデータを書き込む。そのため、eMMCコントローラIF103からeMMC120に対して、同じ論理アドレスを指示して上書きするための書き込みコマンドを発行しても、そのアドレスに上書きされずにデータが残ってしまうことがある。また論理アドレスに対応しない物理アドレスのデータは、上書きされずにNANDメモリ122に残ってしまうことになる。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置100のROM109に記憶されているデータを説明する図である。
このROM109にはブートプログラム201が記憶されており、ここには、この画像形成装置100の起動プログラムが格納されている。CPU101は起動すると、最初にこのブートプログラム201を読み出して実行する。CPU101は、このブートプログラム201を実行することによって、eMMC120からデータやプログラムを読み込んでRAM102に展開し、そのプログラムを実行できるようになる。ユーザデータ初期化フラグ202は、ユーザデータを初期化するかどうかを示すフラグであり、ユーザがユーザデータの初期化を実行するときは、このフラグ202がオンに設定される。出荷状態データ203は、工場出荷時の初期設定データを保存する領域であり、工場出荷時に、この領域に工場出荷時の設定データが書き込まれる。
図3〜図5は、実施形態に係る画像形成装置100におけるeMMC120のデータの配置の遷移を説明する図である。
図3(A)は、ユーザが画像形成装置100をある程度使用した後のeMMC120の内部データの配置を示す図である。
CPU101は、ブートプログラム201を実行して、プログラム保存領域302からプログラムを読み込み、そのプログラムをRAM102に展開して実行する。eMMC120には、マスタブートレコード301(以下、MBR)の領域があり、ここにはeMMC120のデータの複数のパーティション情報を示すデータが記録されている。このパーティション情報には、どのアドレスからパーティションが開始されるかを示すデータが記録されており、CPU101は、このデータに基づいてパーティションを認識する。実施形態では、MBR301には、パーティションブートレコード1〜4の4つのパーティションが記録されている。ここでパーティションブートレコード1はPBR1(303)、パーティションブートレコード2はPBR2(305)、パーティションブートレコード3はPBR3(307)、パーティションブートレコード4はPBR4(309)で示されている。
CPU101が実行するプログラムは、MBR301を読み出し、MBR301に書き込まれているパーティション情報から、PBR1(303)、PBR2(305)、PBR3(307)、PBR4(309)の先頭アドレスを読み出す。こうしてパーティションが存在することを確認し、これらのパーティションをソフトウエア的に利用可能にする。これらの処理は一般的にボリュームのマウントと呼ばれている。
PBR1(303),PBR2(305),PBR3(307),PBR4(309)には、そのパーティションで管理するデータ領域のスタートアドレスとサイズが記述されている。また、そのパーティションで管理するファイルやフォルダの情報を記述するデータ領域も記録されている。ファイルやフォルダの削除は、このファイルやフォルダの情報を記述しているデータを削除状態とすることにより実行される。従って、このとき実際のファイルデータやフォルダデータを削除していない。そのため、ファイルやフォルダを削除したとしても、このファイルやフォルダの情報を元に戻すことによって、ファイルやフォルダを復元することが可能である。
図3(A)のMBR301のパーティション1〜4には、各対応するPBR1(303)〜PBR4(309)の先頭アドレスが記憶されている。PBR1(303)には、ルートフォルダ名が「FAXデータ」で、ファイルとして「FAX受信データ」、「FAX送信データ」が記述されている。ルートフォルダ名は、対象のパーティションの一番上位のフォルダ名であり、そのパーティション名でもある。パーティションの一番上位のフォルダ名は、一般的には「C:」などの名前が付けられており、Cドライブなどと呼ばれることも多い。図3(A)の例では、FAXデータ領域304には、FAX受信データファイル311とFAX送信データファイル312が記憶されている。
PBR2(305)はルートフォルダ名が「プリントデータ」であり、図3(A)の例では、プリントデータ領域306にプリントデータのファイルは存在していない。
PBR3(307)はルートフォルダ名が「ユーザデータ」であり、ファイルには、「ユーザデータ」と「カウンタ」がある。図3(A)の例では、ユーザデータ領域308には、ユーザ設定データが書き込まれたユーザデータファイル313と、印刷を実行した総印刷枚数などを記録しているカウンタファイル314が記憶されている。
PBR4(309)はルートフォルダ名が「バックアップ」であり、図3(A)では、バックアップ領域310には、バックアップするファイルは存在していない。
この状態で、パーティションブートレコードPBR1〜PBR4のデータを削除すると、そのパーティションで管理されているデータ領域のデータが削除されていなくても、CPU101が実行するプログラムはそのパーティションにはデータがないと判断する。
図3(B)は、eMMC120のデータを削除するための準備を説明する図である。
ユーザがeMMC120のデータの初期化を実行すると、CPU101は、eMMCコントローラIF103を介して、ユーザデータ領域308のカウンタファイル314をeMMC120から読み出してRAM102に一時保存する。そして、RAM102に保存したデータの総印刷枚数を除く、FAXデータ領域304、プリントデータ領域306、ユーザデータ領域308を全て初期化する。その後、PBR4(309)が管理するバックアップ領域310に、クリアカウンタファイル315を保存する。こうしてPBR4のバックアップ領域310には、クリアカウンタファイル315が記憶される。このときPBR4(309)のルートフォルダ名が「バックアップ」、ファイルは「クリアカウンタ」となっている。
図4(A)は、eMMC120のFAXデータ領域、プリントデータ領域、ユーザデータ領域を削除した後のデータの配置を示す図である。
図4(A)では、図3(B)で説明した通り、CPU101は、バックアップ領域310にクリアカウンタファイル315を保存した後、eMMCコントローラIF103を介して、eMMC120のPBR1〜3のデータを全て消去する。このとき、PBR1〜3が管理するメモリアドレス領域のデータと、論理アドレスに対応しない物理アドレスのデータを物理的に消去する。この処理により、PBR1〜3(303,305,307)に記憶されているファイル情報やフォルダ情報と、ユーザデータ領域308のユーザ設定データが記憶されているユーザデータファイル313を確実に削除できる。更に、FAXデータ領域304のFAX受信データファイル311、FAX送信データファイル312を確実に削除できる。尚、図3ではプリントデータ領域306にプリントデータファイルが存在していないが、存在していていれば、そのプリントデータファイルも確実に削除できる。
図4(B)は、eMMC120のMBR301、プログラム保存領域302、PBR4(309)及びバックアップ領域310以外のデータを全て削除した後、eMMC120のパーティションを復元したときのデータ領域を示す図である。ここでは図3と共通する部分は同じ参照番号で示している。
CPU101は、eMMCコントローラIF103を介して、eMMC120からMBR301を読み取ってパーティション情報を確認する。そしてCPU101は、MBR301のパーティション情報に基づいて、PBR1,PBR2,PBR3,PBR4を読み取ろうとする。しかしこのときPBR1,PBR2,PBR3がないため、パーティションがないと判断し、これらパーティションを復元する。このパーティションの復元では、MBR301の情報を基に、図3(A)のように、PBR1,PBR2,PBR3を作成する。尚、このパーティションの復元は、パーティション情報をプログラム保存領域302のプログラムや、ブートプログラム201のプログラムが保持しているパーティション情報から復元してもよい。これらのパーティションを復元した後、これらのパーティションをソフトウェア的に利用可能にする。
図5は、eMMC120のパーティションを復元した後、更にユーザデータを復元した状態を示す図である。
CPU101は、プログラム保存領域302に保存されているプログラム、或いは、ブートプログラム201に保存されているプログラムに従って、図2で示す出荷状態データ203に保存されている出荷状態の設定データをRAM102に展開する。こうして展開された設定データからファイルを作成し、eMMCコントローラIF103を介して、PBR3(307)が管理するユーザデータ領域308にユーザデータファイル319として保存する。
またCPU101は、図3(B)でクリアされ、バックアップ領域310に保存されているクリアカウンタファイル315を読み取ってRAM102に展開する。こうしてRAM102に展開したクリアカウンタファイル315を、復元したパーティション情報であるPBR3(307)が管理するユーザデータ領域308にカウンタファイル320として書き込む。つまりバックアップ領域310のクリアカウンタファイル315を別名でユーザデータ領域308に保存する。こうしてユーザデータ領域308にカウンタファイル320を保存した後、バックアップ領域310のクリアカウンタファイル315を削除する。この削除処理では、PBR4(309)のファイル情報を初期化して、クリアカウンタファイルを削除状態とする。このため、クリアカウンタファイル315は、PBR4(309)が管理するバックアップ領域310に残った状態となる。よって、安全のためにPBR4(309)が管理するバックアップ領域310とPBR4(309)のデータと、論理アドレスに対応しない物理アドレスのデータを物理的に消去する。そして、図4(B)で説明したように、PBR4のパーティションを復元するようにしてもよい。
これらの処理により、eMMC120のデータは工場出荷状態となり、かつ、この装置の使用履歴を示す総印刷枚数は、初期化される前の情報でカウンタファイル320として保存される。これらの処理が終了した後、ROM109のユーザデータ初期化フラグ202をオフにする。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置100のプリンタコントローラ115がeMMC120のデータを初期化する処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、例えばeMMC120のプログラム保存領域302に記憶されており、実行時、CPU101がそのプログラムをRAM102に展開して実行することにより、このフローチャートで示す処理が達成される。この処理は、例えば、ユーザが操作部107を介して、eMMC120のデータの初期化処理を指示することにより開始される。
この処理が開始されるとまずS601でCPU101は、印刷ジョブなどのジョブを実行中、或いは待機中かどうかを判定する。ここで印刷ジョブなどを実行中、或いはジョブの実行待ちの場合はS602に進み、CPU101は、表示部105にジョブが存在しているため初期化処理が実施できない旨を表示して、この処理を終了する。S602で表示される画面例を図8(A)に示す。
一方、S601でCPU101は、実行中或いは実行待ちのジョブがないと判定した場合はS603に進み、CPU101は、eMMC120のデータの初期化処理中にジョブを受信しないようにジョブの受付けを禁止する。次にS604に進みCPU101は、eMMC120のデータの初期化中である旨を表示部105に表示して、eMMC120のデータの初期化が実行中であることをユーザに知らせる。S604で表示される画面例を図8(B)に示す。
次にS605に進みCPU101は、図3(B)を参照して説明したように、PBR3のユーザデータ領域308のデータを読み出し、総印刷枚数などの画像形成装置100がどの程度使用されたかを示すカウンタファイル以外を初期化する。そしてその初期化したデータをRAM102に保存する。このとき初期化されたユーザデータファイルのデータは、復元時、プログラム保存領域302に保存されている値か、出荷状態データ203に保存されているデータを使用する。そしてS605で、このデータの初期化に成功したかどうかを判定し、初期化に成功したと判定するとS607に進むが、そうでないときはS606に進み、初期化に失敗したしたことを表示部105に表示して、この処理を終了する。S606で表示される画面例を図8(C)に示す。
S607でCPU101は、カウンタファイル314から、総印刷枚数などの、この画像形成装置100がどの程度使用されたかを示すデータ以外を初期化したクリアカウンタファイル315を作成する。そしてカウンタファイル314が保存されているパーティションとは別のeMMC120に設定されているパーティションに保存する。図3(B)では、PBR4のバックアップ領域310に保存している。尚、ここで、初期化したクリアカウンタファイル315をeMMC120に書き込まずに、RAM102に保存したままにすることも考えられる。そしてCPU101は、カウンタファイル314の初期化とクリアカウンタファイル315の作成に成功したかどうか判定し、成功したときはS609に進む。一方、成功していないときはS608に進み、バックアップファイルの作成に失敗したしたことを表示部105に表示して、この処理を終了する。S608で表示される画面例を図8(C)に示す。
S609でCPU101は、ROM109の出荷状態データ203に保存されている工場出荷時の設定データが正しいかどうか判定する。このデータが正しいかどうかの判定方法は公知のものでよく、電子署名の確認やチェックサムのチェックなどが考えられる。ここでCPU101が、データが正しいと判定するとS611に進む。一方、データが正しくないと判定するとS610に進み、CPU101は表示部105に、ユーザ記録データの初期化処理が失敗したことを表示して、この処理を終了する。S610で表示される画面例を図8(C)に示す。
S611でCPU101は、ROM109のユーザデータ初期化フラグ202をオンにする。このユーザデータ初期化フラグ202をオンにすることにより、この後の処理中に何らかの原因で電源がオフされても、起動時にこのフラグ202がオンであれば、ユーザ記録データの初期化を、後述するS613の起動画面の表示処理から再実行できる。こうしてeMMC120に保存したデータの削除中に何らかの問題が発生した場合でも、初期化処理を再実行できるようになる。
次にS612に進みCPU101は、プリンタコントローラ115を再起動してS613に進む。ここでは、S607で初期化したクリアカウンタファイル315をeMMC120に保存せずにRAM102に保存したままの場合は、再起動せずにS617に進む。S613でCPU101は、起動中を示す画面を表示部105に表示する。S613で表示される起動画面例を図8(D)に示す。尚、S613では、起動中を示す画面でなくても、S611で書き込んだユーザデータ初期化フラグ202を確認し、オンであればユーザデータの初期化を示す画面を表示するようにしてもよい。
次にS614に進みCPU101は、S611で書き込んだユーザデータ初期化フラグ202がオンかどうか判定し、オンであればS615に進み、オフであればそのままこの処理を終了する。S615でCPU101は、S609と同様に、出荷状態データ203に保存されている工場出荷時の設定データが正しいかどうかを判定する。ここでCPU101は、工場出荷時の設定データが正しいと判定した場合はS617に進むが、正しくないと判定した場合はS616に進み、表示部105にユーザ記録データ初期化の処理が失敗した事を示して終了する。尚、S616では、ユーザ記録データの初期化処理を再実行しないように、ユーザデータ初期化フラグ202をオフにしてから終了してもよい。S616で表示される画面例を図8(C)に示す。
S617でCPU101は、eMMC120のPBR1,PBR2,PBR3で管理されている領域のデータと、論理アドレスに対応しない物理アドレスのデータを図4(A)を参照して説明したように物理的に完全に消去する。即ち、図4(A)に示すように、PBR1,PBR2,PBR3のパーティションとそのデータを完全に削除する。次にS618に進みCPU101は、図4(B)を参照して説明したように、eMMC120のMBR301を参照して、eMMC120のパーティションを復元してS619に進む。
S619でCPU101は、工場出荷時のデータをROM109内部の出荷状態データ203から読み出し、ユーザデータファイル319としてS618で復元されたPBR3(307)が管理するパーティションに書き込む(図5参照)。そしてCPU101は、工場出荷時のユーザデータファイル319の書き戻しが成功したと判定するとS621に進むが、そうでないときはS620に進み、表示部105にユーザ記録データの初期化に失敗した旨を表示して終了する。S620で表示される画面例を図8(C)に示す。
S621でCPU101は、S607で保存したカウンタファイルであるクリアカウンタファイル315を、S618で復元したPBR3のパーティションに書き戻す。そしてCPU101は、カウンタファイルの書き戻しに成功したと判定したときはS623に進むが、そうでないときはS622に進み、表示部105にユーザ記録データの初期化が失敗した旨を表示して、この処理を終了する。S622で表示される画面例を図8(C)に示す。
S623でCPU101は、PBR4のバックアップ領域310のクリアカウンタファイル315を削除する。ここでは安全のため、PBR4(309)が管理するバックアップ領域310のデータと、このパーティションの論理アドレスに対応しない物理アドレスのデータとを物理的に完全消去した後、PBR4が管理するパーティションを復元してもよい。これらの処理により、eMMC120のデータは工場出荷状態で、かつ、この装置の使用履歴を示す総印刷枚数は、初期化する前の元の情報に復帰される。そしてS624でCPU101は、ROM109のユーザデータ初期化フラグ202をオフにして、この処理を終了する。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置100においてユーザ記録データの初期化を指示する画面例を示す図である。
図7(A)は、ユーザ記録データの初期化を指示するためのメニュー画面であり、ユーザ記録データ初期化701をユーザが指示すると図7(B)の確認画面が表示される。図7(B)の画面で、ユーザが「はい」ボタン702を指示すると、ユーザ記録データの初期化処理が開始され、図6のフローチャートで示す処理が開始される。また「いいえ」ボタン703が指示されると、ユーザ記録データの初期化処理を実行せずに、そのまま終了する。
図8(A)は、本実施形態に係る画像形成装置100において、図6のS602で表示されるジョブ有りを示す画面例を示す図である。
図6のS601でジョブなどの処理を実行しているか、もしくは、ジョブが実行待機中であるかどうかを判定し、ジョブがあると判定すると、S602に進み、例えば図8(A)に示すような画面を表示部105に表示する。
図8(B)は、本実施形態に係る画像形成装置100において、ユーザ記録データの初期化処理の実行中を示す画面例を示す図である。
図6のS603でジョブの受け付けを禁止した後、S604で、ユーザにユーザ記録データの初期化処理を実行中であることを示すための、例えば図8(B)に示すような画面を表示部105に表示する。
図8(C)は、本実施形態に係る画像形成装置100において、図6のS606、S608、S610、S616、S620、S622で、ユーザデータの初期化に失敗したときに表示部105に表示する画面例を示す図である。尚、この画面に更に、失敗した原因やエラーの内容を示す情報を表示してもよい。
図8(D)は、本実施形態に係る画像形成装置100における、図6のS613で表示される起動画面の一例を示す図である。
尚、S613で、このような起動画面を表示する代わりに、ユーザデータ初期化フラグ202がオンかどうか判断し、オンであればてユーザデータの初期化中であることを示す画面を表示してもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、不揮発記憶装置のデータを完全に初期化することができ、更に、装置の使用履歴を示す情報を初期化前の状態に戻すため、データの初期化後であっても新品の製品と区別できるようになる。
またデータの削除をパーティション単位で行うため、例えばウエアレベリング機能を採用することにより、データを書き込む論理アドレスと物理アドレスとが一致しない場合でも、その不揮発記憶装置内の消去対象のデータを確実に消去できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
100…画像形成装置、101…CPU、102…RAM、105…表示部、107…操作部、109…ROM、120…eMMC、122…NANDメモリ、212…NANDメモリコントローラ、140…プリンタ

Claims (13)

  1. 報処理装置であって、
    前記情報処理装置のユーザデータおよび前記情報処理装置の使用履歴を示すデータを、パーティション情報に基づく記憶領域に記憶する第1記憶手段と、
    前記第1記憶手段の初期化が指示されることに基づいて、前記使用履歴を示すデータを記憶する第2記憶手段と、
    前記第1記憶手段の初期化が指示され、且つ、前記第2記憶手段が前記使用履歴を示すデータを記憶したことに基づいて、少なくとも前記記憶領域に記憶されているデータを削除する削除手段と、
    前記削除手段によりデータが削除されたことに基づいて、前記第2記憶手段によって記憶された前記使用履歴を示すデータを前記第1記憶手段に書き込む書き込み手段と、
    を有することを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記第1記憶手段は、第1パーティション情報に基づく記憶領域に、前記使用履歴を示すデータと前記ユーザデータを記憶することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記第1記憶手段は、第2パーティション情報に基づく記憶領域にFAXデータを記憶し、第3パーティション情報に基づく記憶領域にプリントデータを記憶することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
  4. 前記初期化の対象となる記憶領域は、前記第1パーティション情報に基づく記憶領域、前記第2パーティション情報に基づく記憶領域、前記第3パーティション情報に基づく記憶領域であることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 不揮発性の記憶装置を、更に有し、
    前記記憶装置の記憶領域のうち、第1領域が前記第1記憶手段として用いられる領域であり、第2領域が前記第2記憶手段として用いられる領域であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記第2領域は、第4パーティション情報に基づく記憶領域にバックアップデータを記憶することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記第1記憶手段は、複数のパーティション情報を記憶した記憶領域を有し、
    前記複数のパーティション情報を記憶した記憶領域および前記第4パーティション情報に基づく記憶領域は、前記初期化の対象外であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記パーティション情報に基づいて記憶領域を設定する設定手段を、更に有し、
    前記設定手段は、前記削除手段によりデータが削除されたことに基づいて、前記複数のパーティション情報に基づいて記憶領域を再設定することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記情報処理装置の設定データを記憶する不揮発性の第3記憶手段を、更に有し、
    前記書き込み手段は、前記記憶領域が設定されたことに基づいて、前記第3記憶手段によって記憶された設定データを前記第1記憶手段に書き込むことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
  10. 前記第3記憶手段に記憶された設定データは、前記情報処理装置の工場出荷時のデータであることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記不揮発性の記憶装置は、eMMC(embedded Multi Media Card)であることを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  12. ユーザによる、前記第1記憶手段の初期化指示を受け付ける受付手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  13. ユーザデータおよび装置の使用履歴を示すデータを、パーティション情報に基づく記憶領域に記憶する第1領域と、前記第1領域の初期化が指示されることに基づいて、前記使用履歴を示すデータを記憶する第2領域とを含む不揮発性の記憶装置を有する情報処理装置の制御方法であって、
    前記第1領域の初期化が指示され、且つ、前記第2領域が前記使用履歴を示すデータを記憶したことに基づいて、少なくとも前記第1領域に記憶されているデータを削除する削除工程と、
    前記削除工程でデータが削除されたことに基づいて、前記第2領域によって記憶された前記使用履歴を示すデータを前記第1領域に書き込む書き込み工程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
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