JP6695302B2 - リチウム空気二次電池 - Google Patents
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Description
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、図1に示されるように、空気極102、負極104及び電解質(例えば有機電解質)106を少なくとも含み、空気極102が正極として機能する。また、これらの空気極102と負極104との間に電解質106が配置されうる。電解質106は、金属6,6’−bis(benzoylamino)−2,2’−bipyridine(babp)錯体を含むことを特徴とする。
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100における電解質106は、添加剤として金属babp錯体を少なくとも含む。より具体的には、リチウム空気二次電池100では、電解質106は、Li塩と有機溶媒を含み、かつ、添加剤として金属babp錯体を含む。
本発明の実施の形態では、空気極102は、導電性材料を少なくとも含み、必要に応じて触媒及び/又は結着剤等を含むことができる。
本発明の実施の形態に係る空気極102に含まれる導電性材料は、カーボンであることが好ましい。特に、本発明の実施の形態において導電性材料としては、以下のものに限定されないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、活性炭類、グラファイト類、カーボンファイバー類、カーボンシート、カーボンクロス等を挙げることができる。また、これらのカーボンは、例えば市販品として、又は合成により入手することが可能である。
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100では、空気極102の触媒は、酸化マンガン(MnO2)、ルテニウム酸化物(RuO2)等の酸素還元(放電)及び酸素発生(充電)の両反応に対して高活性な、従来から公知の酸化物触媒であれば、特に限定されない。具体的に空気極102の触媒は、MnO2、Mn3O4、MnO、FeO2、Fe3O4、FeO、CoO、Co3O4、NiO、NiO2、V2O5、WO3などの単独酸化物や、La0.6Sr0.4MnO3、La0.6Sr0.4FeO3、La0.6Sr0.4CoO、La0.6Sr0.4CoO3、Pr0.6Ca0.4MnO3、LaNiO3、La0.6Sr0.4Mn0.4Fe0.6O3などのペロブスカイト型構造を有する複合酸化物を用いることができる。これらの触媒は、固相法や液相法などの公知のプロセスを用いて合成することができる。
2Li++(1/2)O2+2e−→Li2O …式(1)
2Li++O2+2e−→Li2O2 …式(2)
空気極102は結着剤(バインダー)を含むことができる。この結着剤は、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリブタジエンゴムなどを例として挙げることができる。これらの結着剤は、粉末として又は分散液として用いることができる。
空気極102は以下のように調製することができる。触媒である酸化物粉末、カーボン粉末及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)のようなバインダー粉末を所定量混合し、この混合物をチタンメッシュ等の支持体上に圧着することにより、空気極102を成形することができる。また、前述の混合物を有機溶剤等の溶媒中に分散してスラリー状にし、金属メッシュ又はカーボンクロスやカーボンシート上に塗布して乾燥することによって、空気極102を形成することができる。
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、負極104に負極活物質を含む。この負極活性物質は、リチウム二次電池の負極材料として用いることができる材料であれば特に制限されない。例えば、金属リチウムを挙げることができる。或いは、リチウム含有物質として、リチウムイオンを放出及び吸蔵することができる物質である、リチウムと、シリコン又はスズとの合金、或いはLi2.6Co0.4Nなどのリチウム窒化物を例として挙げることができる。
Li→Li++e− …式(3)
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、上記構成要素に加え、セパレータ、電池ケース、金属メッシュ(例えばチタンメッシュ)などの構造部材、その他のリチウム空気二次電池100に要求される要素を含むことができる。これらは、従来公知のものを使用することができる。
本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100は、上述した通り、少なくとも空気極(正極)102、負極104及び電解質106を含み、例えば図1に示されるように、空気極102と負極104の間に上述した金属錯体を含有する電解質106を狭持するように構成される。このような構成のリチウム空気二次電池100は、従来型の二次電池と同様に調製することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係るリチウム空気二次電池100についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
[Cu(babp)を含む電解液の調製]
市販の2,2’−ビピリジン−6,6’−ジアミン(東京化成工業社製)に塩化ベンゾイル(東京化成工業)を加え、ショッテン・バウマン反応によりbabpH2を得た。得られたbabpH2と酢酸銅(II)一水和物(東京化成工業社製)をメタノール中にて錯体形成反応させ、ベンゼン中にて再結晶化させることでCu(babp)を得た。
実施例1と同様の手順で、有機電解液106に、添加剤としてCu(babp)を1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を表1に示す。表1より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が3436mAh/g、放電容量維持率が58%と電池特性を向上できることが確認された。
[Ni(babp)を含む電解液の調製]
実施例1と同様にして得られたbabpH2と酢酸ニッケル(II)四水和物(和光純薬工業社製)を錯体形成反応させることでNi(babp)を得た。
実施例3と同様の手順で、有機電解液106に、添加剤としてNi(babp)を1.0mmol/Lを混合した際の測定結果を表1に示す。表1より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が3340mAh/g、放電容量維持率が51%と電池特性を向上できることが確認された。
[Co(babp)を含む電解液の調製]
実施例1と同様にして得られたbabpH2と酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬工業社製)、さらに、水酸化カリウム(関東化学社製)を加え、錯体形成反応させることでCo(babp)を得た。
実施例5と同様の手順で、有機電解液106に、添加剤として1.0mmol/LのCo(babp)を混合した際の測定結果を表1に示す。表1より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が4246mAh/g、放電容量維持率が82%と電池特性を向上できることが確認された。
[Zn(babp)を含む電解液の調製]
実施例1と同様にして得られたbabpH2と酢酸亜鉛(II)二水和物(和光純薬工業社製)をテトラヒドロフラン中にて錯体形成反応させることでZn(babpH2)(OAc)2を得た。得られたZn(babpH2)(OAc)2を減圧環境中で280℃に加熱することでZn(babp)を得た。
実施例7と同様の手順で、有機電解液106に、添加剤として1.0mmol/LのZn(babp)を混合した際の測定結果を表1に示す。表1より、添加濃度が低い場合においても、初回放電容量が3842mAh/g、放電容量維持率が37%と電池特性を向上できることが確認された。
有機電解液として1mol/lのLiTFSA/TEGDME溶液を用いて、リチウム空気二次電池セルを実施例1と同様にして作製した。有機電解液以外のリチウム空気二次電池100の作製条件及びサイクル試験の条件は、実施例1と同様である。
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
3 正極固定用リング(PTFEリング)
4 空気極端子
5 セパレータ
6 負極固定用リング(PTFEリング)
7 負極固定用座金
9 Oリング
11 負極支持体
12 セル固定ねじ(PTFE被覆)
13 負極端子
100 リチウム空気二次電池
102 空気極
104 負極
106 電解質(有機電解液)
Claims (4)
- カーボンを含む空気極と、
金属リチウムまたはリチウム含有物質を含む負極と、
前記空気極と前記負極に接する有機電解質とを含み、
前記有機電解質は、金属6,6’−bis(benzoylamino)−2,2’−bipyridine(babp)錯体を含むことを特徴とするリチウム空気二次電池。 - 前記金属錯体の金属がCu、Ni、Co及びZnから選択されることを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気二次電池。
- 前記金属錯体が1.0〜50mmol/Lの濃度で添加された有機電解質を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム空気二次電池。
- 前記有機電解質は、有機電解液であって、
前記金属錯体が飽和濃度で前記有機電解液に溶解していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリチウム空気二次電池。
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