本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、実施形態に係る細胞操作用ポンプ装置を備えたマニピュレ−ションシステムの構成を模式的に示す図である。マニピュレーションシステム10は、顕微鏡観察下で微小対象物である試料を操作するためのシステムである。図1において、マニピュレーションシステム10は、第1マニピュレータ14と、第2マニピュレータ16と、マニピュレーションシステム10を制御するコントローラ43と、細胞操作用ポンプ装置50A、50Bと、を備えている。顕微鏡ユニット12の両側に第1マニピュレータ14と第2マニピュレータ16とが分かれて配置されている。
細胞操作用ポンプ装置50Aは、第1マニピュレータ14に対応して配置される。細胞操作用ポンプ装置50Aは、第1マニピュレータ14に取り付けられた第1ピペット25の内部圧力を調整し、微小対象物である試料を第1ピペット25に固定する操作を行うための装置である。また、細胞操作用ポンプ装置50Bは、第2マニピュレータ16に対応して配置される。細胞操作用ポンプ装置50Bは、第2マニピュレータ16に取り付けられた第2ピペット35の内部圧力を調整し、微小対象物である試料に対するインジェクション操作を行うための装置である。
顕微鏡ユニット12は、撮像素子を含むカメラ18と、顕微鏡20と、試料ステージ22とを備えている。試料ステージ22は、シャーレなどの試料保持部材11を支持可能であり、試料保持部材11の直上に顕微鏡20が配置される。顕微鏡ユニット12は、顕微鏡20とカメラ18とが一体構造となっており、試料保持部材11に向けて光を照射する光源(図示は省略している)を備えている。なお、カメラ18は、顕微鏡20と別体に設けてもよい。図1では、顕微鏡20及びカメラ18は、試料保持部材11の上方に配置されているが、試料保持部材11の下方に配置してもよい。
試料保持部材11には、試料を含む溶液が収容される。試料保持部材11の試料に光が照射され、試料保持部材11の試料で反射した光が顕微鏡20に入射すると、試料に関する光学像は、顕微鏡20で拡大された後、カメラ18で撮像される。カメラ18で撮像された画像を基に試料の観察が可能となっている。
図1に示すように、第1マニピュレータ14は、第1ピペット保持部材24と、X−Y軸テーブル26と、Z軸テーブル28と、X−Y軸テーブル26を駆動する駆動装置30と、Z軸テーブル28を駆動する駆動装置32とを備える。第1マニピュレータ14は、X軸−Y軸−Z軸の3軸構成のマニピュレータである。なお、本実施形態において、水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と交差する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと交差する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
X−Y軸テーブル26は、駆動装置30の駆動により、X軸方向又はY軸方向に移動可能となっている。Z軸テーブル28は、X−Y軸テーブル26上に上下移動可能に配置され、駆動装置32の駆動によりZ軸方向に移動可能になっている。駆動装置30、32は、コントローラ43に接続されている。
第1ピペット保持部材24は、Z軸テーブル28に連結され、先端に毛細管チップである第1ピペット25が取り付けられている。第1ピペット保持部材24は、X−Y軸テーブル26とZ軸テーブル28の移動に従って3次元空間を移動領域として移動し、試料保持部材11に収容された試料を、第1ピペット25の端部に固定することができる。第1ピペット25の内部圧力は、細胞操作用ポンプ装置50Aから供給される圧力Pにより制御され、第1ピペット25の吸引により試料が固定される。
本実施形態において、第1マニピュレータ14は、微小対象物の固定に用いられる固定用マニピュレータであり、第1ピペット25は、微小対象物の固定操作手段として用いられるホールディングピペットである。なお、これに限られず、第1マニピュレータ14は、微小対象物の採取に用いられる採取用マニピュレータであってもよく、第1ピペット25は、微小対象物の採取手段として用いられてもよい。
図1に示す第2マニピュレータ16は、第2ピペット保持部材34と、X−Y軸テーブル36と、Z軸テーブル38と、X−Y軸テーブル36を駆動する駆動装置40と、Z軸テーブル38を駆動する駆動装置42とを備える。第2マニピュレータ16は、X軸−Y軸−Z軸の3軸構成のマニピュレータである。
X−Y軸テーブル36は、駆動装置40の駆動により、X軸方向又はY軸方向に移動可能となっている。Z軸テーブル38は、X−Y軸テーブル36上に上下移動可能に配置され、駆動装置42の駆動によりZ軸方向に移動可能になっている。駆動装置40、42は、コントローラ43に接続されている。
第2ピペット保持部材34は、Z軸テーブル38に連結され、先端にガラス製の第2ピペット35が取り付けられている。第2ピペット保持部材34は、X−Y軸テーブル36とZ軸テーブル38の移動に従って3次元空間を移動領域として移動し、試料保持部材11に収容された試料を人工操作することが可能である。第2ピペット35の内部圧力は、細胞操作用ポンプ装置50Bから供給される圧力Pにより制御され、第2ピペット35により試料に対する溶液等の注入が行われる。すなわち、第2マニピュレータ16は、微小対象物の操作(DNA溶液の注入操作や穿孔操作など)に用いられる操作用マニピュレータであり、第2ピペット35は、微小対象物のインジェクション操作手段として用いられるインジェクションピペットである。
X−Y軸テーブル36とZ軸テーブル38は、第2ピペット保持部材34を、試料保持部材11に収容された試料などの操作位置まで粗動駆動する粗動機構(3次元移動テーブル)として構成されている。また、Z軸テーブル38と第2ピペット保持部材34との連結部には、ナノポジショナとして微動機構44が備えられている。微動機構44は、第2ピペット保持部材34をその長手方向(軸方向)に移動可能に支持するとともに、第2ピペット保持部材34をその長手方向(軸方向)に沿って微動駆動するように構成される。
図2は、微動機構の一例を示す断面図である。図2に示すように微動機構44は、第2ピペット保持部材34を駆動対象とする圧電アクチュエータ44aを備える。圧電アクチュエータ44aは、筒状のハウジング87と、ハウジング87の内部に設けられた転がり軸受80、82と、圧電素子92とを含む。第2ピペット保持部材34は、ハウジング87の軸方向に挿通され、転がり軸受80、82を介してハウジング87に支持される。
転がり軸受80は、内輪80aと、外輪80bと、内輪80aと外輪80bとの間に設けられたボール80cとを備える。転がり軸受82は、内輪82aと、外輪82bと、内輪82aと外輪82bとの間に設けられたボール82cとを備える。各外輪80b、82bがハウジング87の内周面に固定され、各内輪80a、82aが中空部材84を介して第2ピペット保持部材34の外周面に固定される。このように、転がり軸受80、82は、第2ピペット保持部材34を回転自在に支持するようになっている。
転がり軸受80の内輪80aと、転がり軸受82の内輪82aとの間に内輪間座としてのフランジ部84aが配置される。内輪80aの先端側、及び内輪82aの後端側に設けられたロックナット86、86により、転がり軸受80、82の軸方向の位置が固定される。
外輪82bの軸方向後端側には、転がり軸受80、82と同軸に、円環状のスペーサ90、円環状の圧電素子92、及びハウジング87の蓋88が、この順で配置される。蓋88は、圧電素子92を軸方向に固定するためのもので、第2ピペット保持部材34が挿通される孔部を有する。
圧電素子92は、コントローラ43からの印加電圧に応答して第2ピペット保持部材34の軸方向に沿って伸縮し、第2ピペット保持部材34及び第2ピペット35(図1参照)をその軸方向に沿って微動させるようになっている。これにより、第2ピペット35の位置が微調整される。このように微動機構44により、微小対象物への操作(DNA溶液や細胞の注入操作や穿孔操作など)の際には、より正確な操作が可能となり、圧電素子92による穿孔作用の向上を実現できる。
なお、上述の微動機構44は、微小対象物のインジェクション操作用の第2マニピュレータ16に設けられるとしているが、図1に示すように微小対象物の固定用の第1マニピュレータ14に設けてもよく、省略することも可能である。
次に、コントローラ43によるマニピュレーションシステム10の制御について図3を参照して説明する。図3は、マニピュレーションシステムの制御ブロック図である。
コントローラ43は、演算手段としてのCPU(中央演算処理装置)及び記憶手段としてのハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のハードウェア資源を備える。コントローラ43は、記憶部46Bに格納された所定のプログラムに基づいて各種の演算を行い、演算結果に従って制御部46Aが各種の制御を行うように駆動信号を出力する。
制御部46Aは、顕微鏡ユニット12の焦点合わせ機構81、第1マニピュレータ14の駆動装置30、32、第2マニピュレータ16の駆動装置40、42を制御する。また、制御部46Aは、細胞操作用ポンプ装置50A、50Bを制御してもよい。制御部46Aは、必要に応じて設けられたドライバやアンプ等を介して、それぞれに駆動信号を出力する。制御部46Aは、駆動装置30、32、40、42にそれぞれ駆動信号VXY、駆動信号VZ(図1参照)を供給する。制御部46Aは、微動機構44にナノポジショナ制御信号VN(図1参照)を供給して、微動機構44の制御を行ってもよい。
コントローラ43は、情報入力手段としてジョイスティック47と、キーボードやタッチパネル等の入力部49とが接続されている。また、コントローラ43は、液晶パネル等の表示部45が接続される。表示部45にはカメラ18で取得した顕微鏡画像や各種制御用画面が表示されるようになっている。
図3に示すように、コントローラ43は、さらに画像入力部43A、画像処理部43B、画像出力部43C及び位置検出部43Dを備えている。顕微鏡20を通してカメラ18で撮像した画像信号VPIX(図1参照)が画像入力部43Aに入力される。画像処理部43Bは、画像入力部43Aから画像信号を受け取って、画像処理を行う。画像出力部43Cは、画像処理部43Bで画像処理された画像情報を表示部45へ出力する。位置検出部43Dは、画像処理部43Bから画像情報を受け取り、この画像情報に基づいてカメラ18で撮像された微小対象物である細胞の位置等を検出することができる。画像入力部43A、画像処理部43B、画像出力部43C及び位置検出部43Dは、制御部46Aにより制御される。
制御部46Aは、細胞等の位置情報、及び細胞等の有無の情報に基づいて、第1マニピュレータ14、第2マニピュレータ16を制御する。本実施形態において、制御部46Aは、記憶部46Bにあらかじめ保存された所定のプログラムに従って、第1マニピュレータ14及び第2マニピュレータ16を自動的に駆動することができる。本実施形態において、細胞操作用ポンプ装置50A、50Bは、位置検出部43Dから受け取った細胞の位置の情報に基づいて、後述する電動ポンプ29の駆動を制御して細胞に対する操作を行ってもよい。
次に細胞操作用ポンプ装置50A、50Bの構成について説明する。図4は、実施形態に係る細胞操作用ポンプ装置を説明するための模式図である。図5は、細胞操作用ポンプ装置の構成の一例を示すブロック図である。なお、以下の例では、第1マニピュレータ14に対応して設けられた細胞操作用ポンプ装置50Aについて説明するが、第2マニピュレータ16に対応して設けられた細胞操作用ポンプ装置50Bについても同様の構成とすることができる。
図4及び図5に示すように、細胞操作用ポンプ装置50Aは、電動ポンプ29と、操作端末51と、コントローラ53と、ドライバ54(図4では省略して示す)と、を含む。図4に示すように、電動ポンプ29には、配管52を介して第1マニピュレータ14の第1ピペット保持部材24が接続されている。試料保持部材11の内部に培養液73及び細胞100が収容されている。図4に示す例では、第1ピペット25の先端が培養液73に漬けられて、採取対象の細胞100の近傍に配置された状態で、電動ポンプ29が矢印Daに示す方向に吸引を行う。電動ポンプ29の吸引により第1ピペット25の内部圧力が小さくなり、試料保持部材11に保持された細胞100は培養液73とともに矢印Dbに示す方向に移動し、第1ピペット25の内部に採取される。なお、細胞100は、顕微鏡観察下でDNA溶液の注入操作や穿孔操作等の操作が行われる微小対象物であり、例えば受精卵、卵細胞、又はその他の細胞であってもよい。また、試料保持部材11の内部に保持された培養液73は、例えば、生理食塩水等が用いられる。
操作端末51は、操作者が電動ポンプ29に対する操作情報を入力するための操作情報入力部である。操作端末51は、エンコーダ51A及び信号変換部51Bを含む。エンコーダ51Aは、操作ノブ51Cの位置の変化を検出する検出器である。本実施形態では、操作ノブ51Cは回転可能に設けられており、エンコーダ51Aは、操作ノブ51Cの位置に関する情報として回転変位量、回転速度等を検出することができる。エンコーダ51Aは、操作ノブ51Cの操作量に応じた検出信号を信号変換部51Bに出力する。
信号変換部51Bは、エンコーダ51Aから供給された検出信号を、例えば、USB(Universal Serial Bus)信号に変換し、USB信号をコントローラ53に出力する。
コントローラ53は、信号線57Aを介して操作端末51と接続されている。コントローラ53は、制御部53Aと、記憶部53Bとを含む。制御部53Aは、操作端末51から信号線57Aを介して供給された検出信号に基づいて、電動ポンプ29の制御を行う。記憶部53Bは、電動ポンプ29の駆動に関する情報や、操作端末51の操作量に関する情報を記憶する。
ドライバ54は、制御部53Aから供給された制御信号に基づいて、電動ポンプ29を駆動させる駆動信号を生成し、信号線57Bを介して電動ポンプ29に駆動信号を供給する駆動回路である。
本実施形態において、コントローラ53及びドライバ54は、操作端末51に内蔵された構成としてもよい。また、コントローラ53及びドライバ54は、マニピュレーションシステム10のコントローラ43(図1参照)に含まれていてもよい。
電動ポンプ29は、回転型のモータ61により駆動するシリンジ型ポンプである。電動ポンプ29により生じた圧力の変化が、配管52を介して第1ピペット保持部材24及び第1ピペット25に伝達される。これにより、第1ピペット25の内部圧力を調整して、例えば細胞100の採取等、細胞100に対する各種操作を行うことができる。
次に、電動ポンプの構成について説明する。図6は、電動ポンプの一例を示す模式断面図である。図7は、移動機構の一例を示す上面図である。図8は、移動機構の一例を示す側面図である。図6に示すように、電動ポンプ29は、モータ61と、移動機構62と、シリンジ機構65と、を含む。
図6に示すように、シリンジ機構65は、シリンジ部66とピストン67とを有する。シリンジ部66は内部空間68を有し、内部空間68に液体72及び培養液73が充填されている。培養液73は、試料保持部材11の内部に保持された培養液73(図4参照)と同じものであり、電動ポンプ29の吸引動作又は注入動作により、試料保持部材11の培養液73の吸引又はシリンジ部66の培養液73の吐出が行われる。ピストン67は内部空間68に配置され、シリンジ部66の軸方向に移動可能となっている。ピストン67が軸方向に移動することで、液体72も軸方向に移動する。これにより、内部空間68における培養液73の体積が変化する。シリンジ機構65の端部には、コネクタ70を介して配管52が接続される。シリンジ部66の内部空間68は、コネクタ70の孔部70Aを介して配管52とつながっており、シリンジ部66の内部空間68における培養液73の体積の変化が配管52を介して第1ピペット25に伝達される。
例えば、第1ピペット25により細胞100の採取操作や固定操作を行う場合には、内部空間68の培養液73の体積が大きくなるようにピストン67及び液体72が移動する。これにより、内部空間68が負圧になり、電動ポンプ29により吸引を行うことができる。また、上述した第2ピペット35によりインジェクション操作を行う際には、内部空間68の培養液73の体積が小さくなるようにピストン67及び液体72が移動する。これにより、内部空間68が陽圧になり、電動ポンプ29により注入を行うことができる。
モータ61は、操作端末51に入力された操作情報に応じて回転する駆動機構である。モータ61は、操作情報に応じて回転数及び回転方向を変更することができる。モータ61の出力軸は移動機構62と連結されており、モータ61の回転力が移動機構62に伝達される。モータ61としてステッピングモータ、サーボモータ、超音波モータ等を用いることができる。
移動機構62は、ボールねじ63と、移動部64とを含むボールねじ機構である。移動機構62は、モータ61から伝達された回転駆動力を、シリンジ部66の軸方向に沿った方向の運動に変換してシリンジ部66に伝達する駆動伝達部である。
図7及び図8に示すように、ボールねじ63と、移動部64とは、筐体74の内部に組み込まれる。ボールねじ63は、ピストン67の軸方向と平行な方向に配置される。ボールねじ63は、移動部64を貫通するとともに移動部64と噛み合う。ボールねじ63は、筐体74に回転可能に支持されるとともに、ピストン67の軸方向と平行な方向に移動しない状態で支持される。ボールねじ63の一端側は、筐体74から突出して、モータ61と連結されている。モータ61の出力がボールねじ63に伝達され、ボールねじ63が回転可能となっている。
移動部64は、ねじ溝が形成されたねじ孔を有し、このねじ孔とボールねじ63とが噛み合っている。移動部64は、ガイドレール74Aに沿った方向に移動可能に設けられ、また、ボールねじ63とともに回転しないようにガイドレール74Aに支持される。これにより、移動部64は、ボールねじ63の回転とともに軸方向に移動する。また、移動部64は、ボールねじ63の回転方向により移動方向が切り替えられる。
移動部64の上には、連結部67Aが設けられており、連結部67Aに、シリンジ機構65のピストン67が連結されている。ピストン67は、ボールねじ63の軸方向に沿った方向に延びており、移動部64の移動とともに軸方向に移動可能となっている。
以上のような構成により、電動ポンプ29において、モータ61の回転駆動がボールねじ63に伝達されると、ボールねじ63の回転とともに移動部64が軸方向に移動し、移動部64に連結されたピストン67も軸方向に移動する。このように、モータ61の回転駆動が、移動機構62によりシリンジ部66の軸方向に沿った方向の直線運動に変換されシリンジ部66に伝達される。ピストン67の移動により、シリンジ部66の内部空間68における培養液73の体積が変化し、電動ポンプ29の吸引動作又は注入動作を実現できる。
なお、図6から図8に示した、シリンジ機構65及び移動機構62の構成は、あくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、移動機構62において、ボールねじ63に換えてすべりねじを用いることもできる。ボールねじ63を用いた場合、ボールねじ63のねじ溝は、ボールを介して移動部64のねじ溝と噛み合うのに対し、すべりねじを用いた場合、ボールねじ63のねじ溝は、ボールを介さず移動部64のねじ溝と接触して噛み合う。よって、すべりねじを用いる場合、電動ポンプ29の製造コストを低減できる可能性がある。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、操作端末51に入力された操作情報に基づいてモータ61が駆動される。図9は、操作端末の一例を示す模式図である。図9に示すように、操作端末51は、筐体75と、操作ノブ51Cと、第1表示部51Dと、第2表示部51Eと、ゲイン調整部51Fとを有する。
操作ノブ51Cは、筐体75に回転可能に取り付けられている。筐体75の内部には、上述したエンコーダ51A及び信号変換部51B(図5参照)が設けられている。エンコーダ51Aは、操作ノブ51Cと対向する位置に設けられ、操作ノブ51Cの操作量を検出する。ここで、操作ノブ51Cの操作量とは、操作ノブ51Cの位置情報であり、操作開始時の操作ノブ51Cの位置を基準位置としたときの、回転変位量を示す。
制御部53Aは、信号変換部51Bにより変換された、操作ノブ51Cの操作量に対応する検出信号を受け取る。制御部53Aは、エンコーダ51Aの、単位時間当たりの位置情報の変化、すなわち、速度情報を算出し、この速度情報に基づいてモータ61に対する速度指令を制御信号として生成する。ドライバ54は、速度指令に基づいた駆動信号を電動ポンプ29のモータ61に出力する。これにより、モータ61は、操作ノブ51Cの操作速度に対応する駆動速度で回転駆動する。
あるいは、制御部53Aは、エンコーダ51Aの検出信号に基づいて、操作ノブ51Cの操作量を算出し、この操作量に基づいてモータ61に対する駆動量の制御信号を生成する。ドライバ54は、駆動量の制御信号に基づいた駆動信号を電動ポンプ29のモータ61に出力する。これにより、モータ61は、操作ノブ51Cの操作量に対応する駆動量で回転駆動する。これに限定されず、制御部53Aは、PID制御(Proportional-Integral-Differential Control)により、モータ61に対する駆動量の制御信号を生成してもよい。
操作ノブ51Cの速度情報又は操作量に対応してモータ61が駆動され、シリンジ部66における培養液73の体積が変更される。このようにして、操作ノブ51Cの操作により電動ポンプ29の動作を制御することができる。本実施形態によれば、モータ61の駆動量は、操作ノブ51Cの速度情報又は操作量に対応して決定されるので、電動ポンプ29の駆動条件の定量化が容易である。
図10は、細胞操作用ポンプ装置の操作方法の一例を示す説明図である。図10(A)は、細胞操作用ポンプ装置50Aにより吸引駆動を行っている状態を示す説明図であり、図10(B)は、細胞操作用ポンプ装置50Aによる注入駆動を行っている状態を示す説明図である。
図10(A)は、操作者が操作ノブ51Cを矢印D1に示す方向(反時計回り)に回転操作を行う。エンコーダ51Aは操作ノブ51Cの操作量に対応する検出信号を信号変換部51Bに出力する。信号変換部51Bは、エンコーダ51Aから受け取った検出信号を所定の形式の電気信号に変換し、信号線57Aを介してコントローラ53に出力する。コントローラ53は、操作ノブ51Cの操作量に対応する信号に基づいて、ドライバ54から信号線57Bを介して、モータ61に駆動信号を出力する。
モータ61は、駆動信号に基づいて回転駆動を行う。移動機構62は、モータ61の回転駆動を、軸方向に沿った方向の直線運動に変換する。この場合、移動部64は、シリンジ機構65の軸方向に沿った方向において、シリンジ機構65から離れる方向に移動する。移動部64の移動とともに、シリンジ機構65のピストン67及び液体72は、シリンジ部66の内部空間68における培養液73の体積が大きくなるように移動し、シリンジ部66に負圧が発生する。この負圧により配管52を介して吸引が行われ、配管52に接続された第1ピペット25(図1参照)の内部圧力が負圧となり、第1ピペット25による細胞100の採取操作又は固定操作を行うことができる。
図10(B)は、操作者が操作ノブ51Cを矢印D2に示す方向(時計回り)に回転操作を行う。エンコーダ51Aは操作ノブ51Cの回転方向及び操作量を検出可能であり、図10(A)に示す状態とは異なる検出信号を出力する。信号変換部51Bは、エンコーダ51Aから受け取った検出信号を所定の形式の電気信号に変換し、信号線57Aを介してコントローラ53に出力する。コントローラ53は、回転方向及び操作量に対応する信号に基づいて、ドライバ54から信号線57Bを介して、モータ61に駆動信号を出力する。
モータ61は、駆動信号に基づいて回転駆動を行う。この場合、移動部64は、モータ61の回転駆動に伴って、シリンジ機構65の軸方向に沿った方向において、シリンジ機構65に近づく方向に距離D3だけ移動する。移動部64の移動とともに、シリンジ機構65のピストン67及び液体72は、シリンジ部66の内部空間68における培養液73の体積が小さくなるように移動し、シリンジ部66に陽圧が発生する。この陽圧により、内部空間68における培養液73の一部が配管52側に押し出され、配管52に接続された第2ピペット35(図1参照)の内部圧力が陽圧となり、第2ピペット35による細胞100のインジェクション操作を行うことができる。
本実施形態において、エンコーダ51Aとしてインクリメンタル式エンコーダを用いることができる。インクリメンタル式エンコーダは、操作ノブ51Cの所定の基準位置からの相対変位量を検出する検出器である。このため、第1マニピュレータ14と連動して自動制御(シーケンス制御)を行う際に、操作ノブ51Cの位置情報の算出やリセット操作をコントローラ53のソフトウェア上で容易に行うことが可能となる。したがって、第1ピペット25の位置合わせ及び電動ポンプ29の駆動の全てを自動化することが可能となる。なお、操作ノブ51Cの所定の基準位置とは、電源投入時の操作ノブ51Cの位置とすることができ、あるいは、コントローラ53によるリセット操作が実行された場合の操作ノブ51Cの位置とすることができる。
なお、エンコーダ51Aとして、アブソリュート式エンコーダを用いてもよい。アブソリュート式エンコーダは、設定された原点を基準として操作ノブ51Cの位置情報が検出される。このため、電動ポンプ29の操作を複数回実行する際に、常にシリンジ機構65の駆動開始位置を一定にしたい場合に有効である。
操作ノブ51Cの位置情報の検出器として例えば回転式ポテンショメータを用いることも可能である。回転式ポテンショメータは、可動範囲に制約があるのに対し、エンコーダ51Aは可動範囲の制約なく使用することが可能である。また、回転式ポテンショメータは、アナログ信号が出力されるので、例えば、電源起動時にポテンショメータが原点位置とずれている場合、電源投入と同時に信号が出力され、電動ポンプ29が駆動する可能性がある。エンコーダ51Aを用いた場合、電源起動時には信号が出力されない(出力信号の数値情報がゼロである)ため、操作者の意図しない動作を抑制することができる。
本実施形態において、操作ノブ51Cの位置情報が、エンコーダ51Aにより検出され、電気信号として信号線57Aを介してコントローラ53に供給される。また、コントローラ53は、操作ノブ51Cの位置情報(速度情報又は操作量)に基づいて制御信号を生成し、ドライバ54からの駆動信号が信号線57Bを介して電動ポンプ29に供給される。このため、細胞操作用ポンプ装置50Aは、機械式(油圧式)のポンプ装置に比べて良好な応答性を有し、信号線57A、57Bを長くした場合であっても応答性の低下を抑制することができる。
信号線57A、57Bを長くすることで、操作端末51を設置する場所の制約が少なくなるので、顕微鏡ユニット12、試料ステージ22、第1マニピュレータ14(図1参照)等と離れた位置で操作端末51を操作することができる。これにより、操作者に起因する振動に注意を払いながら操作する必要がなくなり、作業負担の軽減につながる。したがって、本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aによれば、効率よくかつ好適に細胞100に対する操作を行うことができる。
なお、本実施形態において、操作者が操作を行うための操作入力部として、回転操作可能な操作ノブ51Cを示したが、これに限られない。例えば、ジョイスティック等のハンドルを傾けて入力操作を行うものでもよく、操作ノブをスライド移動させて入力操作を行うものであってもよい。また、エンコーダ51Aは操作入力部の入力形式に合わせた検出方式にすることができる。例えばエンコーダ51Aとして、リニアエンコーダを用いてもよい。
図9に示す第1表示部51Dには、モータ61の駆動速度が表示される。電動ポンプ29は、モータ61の駆動速度に対応する信号をコントローラ53に出力し、コントローラ53は、モータ61の駆動速度を第1表示部51Dに表示させる。
また、第2表示部51Eには、操作ノブ51Cの速度情報又は操作量がインジケータで表示される。例えば、第2表示部51Eにおいて、操作ノブ51Cの速度情報又は操作量が大きくなるにしたがって、点灯されるバーの数が多くなるように表示される。図9に示す例では、操作ノブ51Cの速度情報又は操作量が大きくなるにしたがって、点灯されるバーの面積(長さ)が大きくなるように表示される。
これにより、操作者は、第1表示部51Dと第2表示部51Eの表示を確認しつつ細胞操作用ポンプ装置50Aの操作を行うことができ、作業に応じた操作ノブ51Cの操作状況及び電動ポンプ29の駆動状況を定量的に把握することができる。なお、第2表示部51Eは、インジケータによる表示に限定されず、操作ノブ51Cの速度情報又は操作量を、数値情報として表示してもよい。
コントローラ53の記憶部53B(図5参照)は、操作開始から操作終了までの期間における、操作ノブ51Cの操作量と時間との関係を記憶することができる。記憶部53Bは、過去の複数回の操作について、操作ノブ51Cの操作量と時間との関係の履歴を記憶することができる。例えば、コントローラ53は、第2表示部51Eに、今回行っている操作ノブ51Cの操作量と時間との関係をグラフ化して表示するとともに、過去の履歴から、熟練操作者の操作ノブ51Cの操作量と時間との関係をグラフ化して比較表示することができる。こうすれば、熟練操作者の操作方法との違いを定量化して把握することが容易であり、非熟練操作者のトレーニング効率を向上させることができる。よって、複数の操作者の操作方法の差異を低減して、操作者の熟練度、技術によらず、同じような操作を実現することができる。
コントローラ53の記憶部53Bは、所定の操作を行うための設定プログラムを記憶することができる。この設定プログラムは、エンコーダ51Aにより検出された操作ノブ51Cの位置に関する信号と、電動ポンプ29の駆動条件との関係を定めた所定のパラメータを含む。具体的には、設定プログラムは、操作ノブ51Cの操作量と電動ポンプ29の駆動量(モータ61の駆動量)との関係を定めたパラメータを含む。また、設定プログラムは、操作ノブ51Cの操作タイミングと電動ポンプ29の駆動開始のタイミングのタイムラグを定めたパラメータを含んでいてもよい。さらに、設定プログラムは、操作ノブ51Cの操作量及び操作タイミングと、電動ポンプ29の立ち上がり速度等の関係を定めたパラメータや、電動ポンプ29を駆動するモータ61の制御ゲインや、上述したPID制御を行う場合における制御パラメータ等を含んでいてもよい。
例えば、機械式(油圧式)のポンプ操作を再現する設定プログラムをあらかじめ記憶させておくことで、機械式(油圧式)のポンプ操作を電動ポンプ29により再現することができる。これにより、機械式(油圧式)のポンプ操作に慣れ親しんだ操作者であっても、電動ポンプ29の操作の違和感を低減して、確実に、かつ快適に、細胞操作用ポンプ装置50Aの操作を行うことができる。
図9に示す、ゲイン調整部51Fは、操作ノブ51Cの操作量と、モータ61の駆動量との比率(ゲイン)を変更するための調整部である。制御部53Aは、ゲイン調整部51Fのゲインに基づいて、モータ61の駆動量を決定する制御信号をドライバ54に出力する。
図11は、操作ノブの操作量とモータの駆動量との関係を示すグラフである。図11は、横軸が操作ノブ51Cの回転数を示し、縦軸がモータ61の回転数を示す。実線L1は、操作ノブ51Cの操作量とモータ61の駆動量との比率が10:1の場合を示し、操作者が操作ノブ51Cを10回転操作すると、モータ61が1回転駆動する。操作者がゲイン調整部51Fを操作してゲインを変更し、操作ノブ51Cの操作量とモータ61の駆動量との比率を20:1とした場合(実線L2参照)、操作者が操作ノブ51Cを20回転操作すると、モータ61が1回転駆動する。
このように、本実施形態では、電動ポンプ29を電動駆動する構成であり、モータ61の駆動量の分解能を高めることが容易である。よって、機械式(油圧式)に比べて分解能を高めて、シリンジ部66の内部圧力の調整を精度よく行うことができる。また、上述のように操作端末51の配置の制約が少ないので、操作者は、電動ポンプ29から離れた位置で操作端末51のゲイン調整部51Fを操作してモータ61の駆動量の分解能を変更できる。よって、効率よく、かつ精度よく細胞100に対する操作を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aは、内部圧力により細胞100(微小対象物)を操作するための第1ピペット25(操作手段)に接続される細胞操作用ポンプ装置50Aであって、内部に液体を含有するシリンジ部66と、回転駆動によりシリンジ部66の内部圧力の調整を行うためのモータ61とを含む電動ポンプ29と、電動ポンプ29に対する入力操作を行うための操作ノブ51C(操作入力部)と、操作ノブ51Cの位置の変化を検出するエンコーダ51Aとを含む操作端末51と、エンコーダ51Aからの操作ノブ51Cの位置に関する信号に基づいて、モータ61に対する制御信号を出力するコントローラ53と、有する。
これによれば、操作ノブ51Cに対する操作をエンコーダ51Aにより検出し、操作ノブ51Cの位置に関する信号に基づいて電動ポンプ29が電動駆動されるので、駆動条件を定量化して細胞操作用ポンプ装置50Aの操作を行うことが可能である。したがって、操作者の熟練度、技術の差を軽減することができ、効率よくかつ好適に細胞100に対する操作を行うことができる。また、操作端末51は操作ノブ51Cの位置に関する信号をコントローラ53に出力するので、機械式(油圧式)等のポンプに比べて電動ポンプ29は良好な応答性を有する。このため、操作端末51と電動ポンプ29とを接続する信号線57A、57Bの制約が小さくなり、操作端末51を設置する場所の制約が少なくなる。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、コントローラ53は、エンコーダ51Aからの操作ノブ51Cの位置に関する信号に基づいて、操作ノブ51Cの単位時間当たりの位置の変化を算出する。これによれば、操作ノブ51Cの速度情報と対応してモータ61の駆動量が決定されるので、容易に駆動条件を定量化することが可能である。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、コントローラ53は、エンコーダ51Aからの操作ノブ51Cの位置に関する信号に基づいて、操作ノブ51Cの操作量を算出する。これによれば、操作ノブ51Cの操作量、すなわち、操作ノブ51Cの位置の変化量と対応してモータ61の駆動量が決定されるので、容易に駆動条件を定量化することが可能である。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、電動ポンプ29は、モータ61の回転駆動を、シリンジ部66の軸方向に沿った方向の運動に変換してシリンジ部66に伝達する移動機構62(駆動伝達部)を含む。これによれば、移動機構62により、モータ61の回転駆動が、軸方向に沿った方向の直線運動に変換されるので、電動ポンプ29のシリンジ部66の液体に対し軸方向に圧力を加えてシリンジ部66の内部圧力を変化させることができる。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、コントローラ53は、操作ノブ51Cに対する操作開始から操作終了までの期間における、操作ノブ51Cの位置と時間との関係を記憶する記憶部53Bを含む。これによれば、過去の操作方法の履歴と、今回の操作方法の履歴とを比較することで、操作者の熟練度、技術によらず同じような操作を実現することが容易である。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、記憶部53Bは、操作ノブ51Cの位置に関する信号と、電動ポンプ29の駆動条件との関係を定めた所定のパラメータを記憶する。これによれば、例えば、操作ノブ51Cの操作量と電動ポンプ29の駆動量や、操作ノブ51Cの操作タイミングと電動ポンプ29の駆動開始のタイミングとの間隔を定めることができ、より好適に細胞100に対する操作を実現することができる。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、操作端末51は、操作ノブ51Cの操作量又は操作速度を表示する第2表示部51Eを有する。これによれば、操作者は、第2表示部51Eを視認して作業状況を確認しつつ操作ノブ51Cの操作を行うことができるので、状況に合わせて適切な操作を行うことができる。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、第2表示部51Eは、操作ノブ51Cに対する操作開始から操作終了までの期間における、操作ノブ51Cの位置と、時間との関係を示すグラフを、過去の操作ノブ51Cの位置と、時間との関係を示すグラフと対応づけて表示させる。これによれば、熟練操作者と、非熟練操作者との操作を比較して表示することができ、不慣れな操作者のトレーニング効率が向上する。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、操作端末51は、操作ノブ51Cの位置に関する信号を電動ポンプ29に対する制御信号に変換する際のゲイン量を調整するためのゲイン調整部51Fを有する。これによれば、操作ノブ51Cの操作量と、モータ61の駆動量との関係を適切に変更することができ、モータ61の駆動の分解能を高めることが可能である。
本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50Aにおいて、操作端末51は、制御信号を供給するための信号線57Bを介して電動ポンプ29と接続されている。これによれば、信号線57Bを長くした場合であっても、電動ポンプ29は良好な応答性を有するので、操作端末51を設置する場所の制約が少なくなる。
本実施形態のマニピュレーションシステム10において、細胞操作用ポンプ装置50Aと、細胞100が載置される試料ステージ22と、細胞100を操作するための第1ピペット25(操作手段)を備える第1マニピュレータ14と、試料ステージ22及び第1ピペット25を制御するコントローラ43(制御部46A)とを備える。
これによれば、細胞操作用ポンプ装置50Aにより第1ピペット25の内部圧力を変化させて、細胞100の操作を行うことができる。また、操作端末51を設置する場所の制約が少なくなるので、試料ステージ22や第1マニピュレータ14と離れた位置で操作することができる。このため、操作者に起因する振動に注意を払いながら操作する必要がなくなり、作業負担の軽減につながる。したがって、操作者の熟練度、技術の差を軽減することができ、効率よくかつ好適に細胞100に対する操作を行うことができる。
以上、本実施形態の細胞操作用ポンプ装置50A及びマニピュレーションシステム10を説明したが、前述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。