JP6658670B2 - プレス成形方法 - Google Patents
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Description
このようなスプリングバックを抑制してプレス成形する技術として、例えば非特許文献1には、ハット形断面形状を有するメンバー類(自動車部品)の寸法精度を得るために、成形工程に加えてリストライク工程を取り入れ、該リストライク工程で成形する曲げ部の曲げ半径を成形工程で成形する曲げ部の曲げ半径よりも小さくすることで、成形工程で成形された曲げ部の一部をリストライク工程でウェブ、フランジに曲げ戻し、前記曲げ部を内向きに閉じる角度変化(スプリングゴー要素)を発生させることにより、前記曲げ部の角度変化の改善を図り、スプリングバックを抑制する方法が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に開示されている方法は、2工程以上のプレス成形工程を必要とし、生産性の面で問題があった。また、特許文献1に開示されている方法は、最終製品形状に制約があるため、製品仕様上、設計変更が認められない場合には適用できない上、引張強度が1180MPaを越えるような高張力鋼板を用いた場合では、プレス荷重が不足し、前記繋ぎ部に付与する直線部を十分に成形できないという課題があった。
すなわち、本発明は、成形下死点において、前記略L字形状の屈曲よりも曲げ角度が大きく該屈曲と同じ方向に屈曲する第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲する第2屈曲部とを成形し、第1片部と第2片部とのなす角度のスプリングバックによる変化を防止するため、成形下死点における第1屈曲部の曲率半径R1、曲げ角度α1、第2屈曲部の曲率半径R2、曲げ角度α2を決めることにより、離型後において、第1片部のなす角度θ0が目標角度θaになる手段であって、成形下死点である金型設計形状について、板厚を考慮して、上述の第1屈曲部の曲率半径R1、曲げ角度α1、第2屈曲部の曲率半径R2、曲げ角度α2とすることにより、スプリングバックを防止できるわけである。
ここで、前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とを相殺させるため、変更可能な因子として以下が挙げられる。
(a)成形下死点(金型設計形状)における第1屈曲部7の曲率半径R1
(b)成形下死点(金型設計形状)における第2屈曲部9の曲率半径R2
(c)成形下死点(金型設計形状)における第1屈曲部7の曲げ角度α1
(d)成形下死点(金型設計形状)における第2屈曲部9の曲げ角度α2
また、成形対象となる成形部材の形状には、以下が挙げられる。
(i)第1片部から順に第1屈曲部および第2屈曲部が連続し、第2屈曲部が第2片部に接続
(ii)第2片部から順に第1屈曲部および第2屈曲部が連続し、第2屈曲部が第1片部に接続
なお、第1屈曲部を目標形状あるいは製品形状とする必要がある場合は、上記(a)、(c)を求めることになるため、上記(b)、(d)について上記(i)と(ii)の場合を変更因子として扱うことになる。
本願では、上述の(a)、(b)について検討した。なお、本発明は、断面が略L字形状を有する成形部材に、スプリングバックの抑制に伴う塑性曲げが残る場合も含む。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
(S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
(S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
(S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
(S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
(S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
(S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。
ここで、前記略L字形状の屈曲の曲げ角度や、第1屈曲部7および第2屈曲部9それぞれの曲げ角度とは、それぞれの屈曲した部位の円弧の中心角に相当するものである。
このような第1屈曲部7と第2屈曲部9を成形することで、以下に述べる作用効果を奏する。
すなわち、第1屈曲部7は目標角度と同じ方向に屈曲しているため、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1から離型後における曲げ角度β1への変化は第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を増加させるスプリングバック成分である。これに対し、第2屈曲部9は第1屈曲部7と反対方向に屈曲しているため、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2から離型後における曲げ角度β2への変化は第1片部3と第2片部5のなす角度θ0を減少させるスプリングゴー成分となる。これにより、離型後において、第1屈曲部7のスプリングバック成分と第2屈曲部9のスプリングゴー成分を相殺することができれば、すなわち、第1屈曲部7の角度変化(α1−β1)と第2屈曲部9の角度変化(α2−β2)とを等しくすれば、第1片部3と第2片部5のなす角度θ0の角度変化が防止されて、目標角度θaとなり、スプリングバックが防止できる。
成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1は、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2と曲げ角度α2を与えることによって、図2に示すステップS1からステップS9の手順に従って求めることができる。なお、第2屈曲部9が第2片部5に接続する場合(図1(a−1)、(b−1))と、第2屈曲部19が第1片部13に接続する場合(図1(a−2)、(b−2))ともに手順は同様である。
以下、金属素板として鋼板強度980MPa級の鋼板を用いて図1に示す成形部材1を成形するに際し、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0を目標角度θa=120°に成形する場合を例として、ステップS1からステップS9の各ステップを説明する。
ステップS1においては、金属素板の板厚および応力ひずみ関係を用いて、図3に示すように、ダイ23とパンチ25を備えた金型21により金属素板31を屈曲させて成形し、成形下死点における屈曲部33の曲率半径Rと、成形下死点における屈曲部33の曲げ角度αと離型後における曲げ角度βの角度比β/αとの関係を取得する。
図4は、公知の参考文献(塑性加工学会編:「曲げ加工」、コロナ社(1995年)、p.23)に基づいて理論計算により取得した例であり、当該理論計算において、屈曲部33の角度比β/αは、参考文献中の式(1.46)を変形した以下の式(1)により算出される。
さらに、上述の有限要素解析によらず、実際の実験において、屈曲部33の曲率半径Rと成形下死点(金型形状)の曲げ角度αを変更し、離型後の曲げ角度βを求めて、屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を取得してもよい。
ステップS3においては、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と、成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
なお、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0は、第1屈曲部7の曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係から、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2とは、θ0=π−α1+α2の関係になる。
ステップS5においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における第2屈曲部9の曲げ角度β2を求める。
本実施形態1では、離型後における第2屈曲部9の曲げ角度β2は、成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2=60mm、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2=40°であるので、図4に示す曲率半径Rと角度比β/αとの関係から、離型後における第2屈曲部9の曲げ角度β2=α2×0.45=18°となる。
スプリングバックによる角度の変化を防止するには、第1屈曲部7の曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9の曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが相殺すればよく、すなわち等しくなればよい。そこで、ステップS7においては、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2および離型後における第2屈曲部9の曲げ角度β2と、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1とを用いて、第1屈曲部7の曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9の曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが等しくなるように、第1屈曲部7の離型後における曲げ角度β1を算出する。
ステップS9においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と離型後における第1屈曲部7の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1を求める。
本実施形態1では、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1は100°であり離型後における曲げ角度β1は78°であるので、角度比β1/α1は、78/100=0.78であり、成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1は、図4の関係からR1=20mmと求まる。
成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2は、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と曲率半径R1、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2を与えることによって、図5に示すように、ステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めることができる。なお、第2屈曲部9が第2片部5に接続する場合(図1(a−1)、(b−1))、第2屈曲部19が第1片部13に接続する場合(図1(a−2)、(b−2))ともに手順は同様である。以下、金属素板として鋼板強度980MPa級の鋼板を用いて図1に示す成形部材1を成形するに際し、第1片部3と第2片部5とのなす角度θ0を目標角度θa=105°に成形する場合を例として、ステップS1およびステップS13からステップS19の各ステップを説明する。
上述の実施形態1と同様に、ステップS1においては、金属素板の板厚および応力ひずみ関係を用いて、図3に示すように、ダイ23とパンチ25を備えた金属素板31を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部33の曲率半径Rと、成形下死点における屈曲部33の曲げ角度αと離型後における曲げ角度βの角度比β/αとの関係を取得する。
ステップS13においては、成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1および曲げ角度α2と、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2を与える。
なお、成形下死点における第1片部3と第2片部5のなす角度θ0は、第1屈曲部7の曲げ角度α1を保持したまま第1片部3を曲げ角度α2により回転させる幾何学的関係から、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1と成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2とは、θ0=π−α1+α2の関係になる。
ステップS15においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αとの関係とを用いて、成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における第1屈曲部7の曲げ角度β1を求める。
本実施形態2では、離型後における第1屈曲部7の曲げ角度β1は、成形下死点における第1屈曲部7の曲率半径R1=15mm、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1=90°であるので、図4に示す曲率半径Rと角度比β/αとの関係から、離型後における第1屈曲部7の曲げ角度β1=α1×0.84=75.6°となる。
スプリングバックによる角度の変化を防止するには、第1屈曲部7の曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9の曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが相殺すればよく、すなわち等しくなればよい。そこで、ステップS17においては、成形下死点における第1屈曲部7の曲げ角度α1および離型後における第1屈曲部7の曲げ角度β1と、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2とを用いて、第1屈曲部7の曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)と第2屈曲部9の曲げ角度の変化Δγ2(=α2―β2)とが等しくなるように、第2屈曲部9の離型後における曲げ角度β2を算出する。
本実施形態2では、第1屈曲部7の曲げ角度の変化Δγ1(=α1―β1)は、Δγ1=90−75.6=14.4°であり、第2屈曲部9の曲げ角度α2は15°であるので、Δγ1=Δγ2=14.4°=α2―β2=15−β2から、第2屈曲部の離型後における曲げ角度β2は、0.6°となる。
ステップS19においては、前記(S1)で取得した屈曲部33の曲率半径Rと角度比β/αの関係とを用いて、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2と離型後における第2屈曲部9の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2を求める。
本実施形態2では、成形下死点における第2屈曲部9の曲げ角度α2は15°であり離型後における曲げ角度β2は0.6°であるので、角度比β2/α2は、0.6/15=0.04であり、成形下死点における第2屈曲部9の曲率半径R2は、図4よりR2=113mmと求まる。
そこで、成形下死点において第2屈曲部9を弾性変形領域で屈曲させた形状とすることで、離型後に弾性回復させて第2屈曲部9の形状が残らないようにするのが好ましい。
その結果、β1=α1+Δα1=α1+Δα2=α1+α2が成り立ち、しかも、離型後の第1屈曲部7の曲げ角度β1は、スプリングバックがない状態、すなわち目標角度θaにする必要があることから、β1=θa=α1+α2となる。
以上から、この条件『θa=α1+α2』と、β2/α2が弾性域となるR2が成り立てば、弾性変形を加えることでスプリングバックを防止できることになる。
すなわち、従来のプレス成形方法により図6に示すような屈曲部47を介して第1片部43と第2片部45とで断面が略L字形状を有する成形部材41を成形するに際し、第1片部43と第2片部45とのなす角度θ0を目標角度90°で成形しようとする場合、スプリングバックを見込んで第1片部43と第2片部45とのなす角度θ0を設定すると成形下死点における角度θ0は90°未満の負角となり、成形後に成形部材を金型(パンチ)から抜き取ることが困難となった。
3 第1片部
5 第2片部
7 第1屈曲部
9 第2屈曲部
11 成形部材
13 第1片部
15 第2片部
17 第1屈曲部
19 第2屈曲部
21 金型
23 ダイ
25 パンチ
31 金属素板
33 屈曲部
41 成形部材
43 第1片部
45 第2片部
47 屈曲部
Claims (5)
- 金型により金属素板を第1片部と第2片部に屈曲させて、断面が略L字形状を有する成形部材を成形するに際し、前記第1片部と第2片部のなす角度を目標角度に成形するプレス成形方法であって、
成形下死点において、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲よりも曲げ角度が大きく該屈曲と同じ方向に屈曲する第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを成形し、
離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を以下のステップS1からステップS9の手順に従って求めて設定することを特徴とするプレス成形方法。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
(S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
(S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
(S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。 - 金型により金属素板を第1片部と第2片部に屈曲させて、断面が略L字形状を有する成形部材を成形するに際し、前記第1片部と第2片部のなす角度を目標角度に成形するプレス成形方法であって、
成形下死点において、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲よりも曲げ角度が大きく該屈曲と同じ方向に屈曲する第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを成形し、
離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を以下のステップS1からステップS9の手順に従って求めて設定することを特徴とするプレス成形方法。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S3)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2を与える。
(S5)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2により、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を求める。
(S7)成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2および離型後における曲げ角度β2と、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を算出する。
(S9)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1と離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1との角度比β1/α1により、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1を求める。 - 金型により金属素板を第1片部と第2片部に屈曲させて、断面が略L字形状を有する成形部材を成形するに際し、前記第1片部と第2片部のなす角度を目標角度に成形するプレス成形方法であって、
成形下死点において、前記第1片部から連続し、前記略L字形状の屈曲よりも曲げ角度が大きく該屈曲と同じ方向に屈曲する第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第2片部と接続する第2屈曲部とを成形し、
離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めて設定することを特徴とするプレス成形方法。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。 - 金型により金属素板を第1片部と第2片部に屈曲させて、断面が略L字形状を有する成形部材を成形するに際し、前記第1片部と第2片部のなす角度を目標角度に成形するプレス成形方法であって、
成形下死点において、前記第2片部から連続し、前記略L字形状の屈曲よりも曲げ角度が大きく該屈曲と同じ方向に屈曲する第1屈曲部と、該第1屈曲部から連続し、該第1屈曲部と反対方向に屈曲して前記第1片部と接続する第2屈曲部とを成形し、
離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2とが相殺されるように、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を以下のステップS1およびステップS13からステップS19の手順に従って求めて設定することを特徴とするプレス成形方法。
(S1)前記金属素板の板厚および応力ひずみ関係から、該金属素板を屈曲させて成形した成形下死点における屈曲部の曲率半径Rと、成形下死点における前記屈曲部の曲げ角度αと離型後における前記屈曲部の曲げ角度βとの角度比β/αと、の関係を取得する。
(S13)成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2を与える。
(S15)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第1屈曲部の曲率半径R1および曲げ角度α1により、離型後における前記第1屈曲部の曲げ角度β1を求める。
(S17)成形下死点における前記第1屈曲部の曲げ角度α1および離型後における曲げ角度β1と、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2とを用いて、離型後のスプリングバックによる前記第1屈曲部の曲げ角度の変化Δγ1(=α1−β1)と前記第2屈曲部の曲げ角度の変化Δγ2(=α2−β2)とが等しくなって相殺されるように、離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2を算出する。
(S19)前記(S1)で取得した屈曲部の曲率半径Rと角度比β/αとの関係を用いて、成形下死点における前記第2屈曲部の曲げ角度α2と離型後における前記第2屈曲部の曲げ角度β2との角度比β2/α2により、成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2を求める。 - 成形下死点における前記第2屈曲部の曲率半径R2および曲げ角度α2は、弾性変形領域内の値に設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプレス成形方法。
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