以下に、本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.決定処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る決定処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。図1では、情報コンテンツがユーザに提供される際の提供の態様が、本願に係る決定装置100によって決定される処理の一例を示している。なお、実施形態では、情報コンテンツとして、ウェブページに表示される広告であって、所定のアプリを宣伝対象とする広告を例に挙げて説明する。すなわち、情報コンテンツがユーザに提供される際の提供の態様とは、実施形態においては広告配信の態様のことを示す。この場合、情報コンテンツの提供者は、広告主である。また、実施形態では、広告主が提供する広告は、所定のアプリをインストールすることを促す広告であるものとする。なお、広告主は、広告のみならず、アプリの提供者を兼ねていてもよい。
図1に示す決定装置100は、広告主から入稿される広告を保持するサーバ装置である。決定装置100は、ユーザが操作する端末装置から広告配信の要求を受け付けた場合に、保持している広告の中から、端末装置に配信する広告を選択する。そして、決定装置100は、選択した広告を端末装置に配信する。
図1に示すユーザ端末101及び102は、スマートフォン等の情報処理端末である。実施形態において、ユーザ端末101は、ユーザU01によって利用される。また、ユーザ端末102は、ユーザU02によって利用される。ユーザ端末101及び102は、取得したコンテンツ(例えば、ウェブページ)に広告表示領域が存在する場合には、広告表示領域で表示する広告を配信するよう、決定装置100に要求する。そして、ユーザ端末101及び102は、取得した広告を広告表示領域に表示する。なお、以下では、ユーザ端末101及び102を区別する必要のないときは、「ユーザ端末10」と表記する。
図1に示す広告主端末20は、広告主によって利用される端末装置である。例えば、広告主端末20は、広告主による操作に従って、広告を決定装置100に入稿する。実施形態において、広告主が入稿する広告には、アプリが宣伝対象として対応付けられている。例えば、ユーザ端末10に表示された広告をユーザがクリックした場合には、ユーザ端末10は、広告に対応付けられているアプリをインストールするか、もしくは、広告に対応付けられているアプリのダウンロードページ等に画面表示を遷移する。
実施形態において、決定装置100は、広告を配信したユーザがアプリをインストールした場合に、そのユーザが当該アプリに対してどのくらい貢献するユーザであるかということを示した貢献度を推定して、ユーザへの広告配信の態様を決定する。貢献度は、例えば、ユーザがアプリを利用することによってアプリ提供者に対して課金する額や、アプリを頻繁に利用することによってアプリ提供者の広告収入を向上させるといったような、アプリ提供者への所定の報酬によって示される。
また、広告配信の態様とは、ユーザにアプリをインストールさせるため、言い換えればユーザを顧客として獲得するために掛ける広告費用の額や、広告をユーザに配信する頻度や、ユーザに配信する広告の内容など、広告配信をどのように実施するかといった態様を示す。
例えば、決定装置100は、貢献度が高いと推定されるユーザ、すなわち、アプリをインストールした後にアプリ提供者に大きな報酬をもたらすユーザに対しては、多額の広告費を掛けてでもユーザを獲得するよう、広告配信の態様を決定する。あるいは、決定装置100は、貢献度が低いと推定されるユーザに対しては、広告配信に掛かる費用を少額に抑えるよう、広告配信の態様を決定する。このことは、決定装置100が、広告配信に掛かる費用や手間などのコストを調整し、広告の費用対効果を調整する処理であるといってもよい。すなわち、決定装置100は、ユーザの貢献度という概念を用いて広告配信の態様を決定することで、広告の費用対効果を向上させる。
以下、図1を用いて、決定装置100によって行われる決定処理の一例を流れに沿って説明する。
まず、決定装置100は、広告主端末20を介して、広告主からアプリに関する広告の入稿を受け付ける(ステップS11)。決定装置100は、受け付けた広告を広告情報記憶部121に記憶する。また、決定装置100は、広告に対応付けられたアプリを、ユーザの貢献度を推定する対象のアプリとして特定する。なお、図1の例では、処理対象のアプリは、ジャンルが戦略系のゲームアプリであるアプリA10であるものとする。
そして、決定装置100は、アプリA10へのユーザの貢献度を推定するため、アプリA10に関する広告をユーザU01に配信する(ステップS12)。ステップS12の時点では、決定装置100は、実施形態に係る決定処理を行っていないため、例えば、無作為に選択されたユーザU01を配信対象として、広告を配信する。なお、決定装置100は、広告主から指定されたターゲット設定に従い、ユーザ属性等に応じたターゲティング広告として配信を行ってもよい。図1の例では、実施形態に係る決定処理を経ずに広告が配信されたユーザ端末10を、区別のためユーザ端末101と表記する。
図1の例では、ユーザU01は、配信された広告に応じて、広告に対応するアプリA10をインストールするものとする(ステップS13)。このとき、決定装置100は、アプリA10が対応付けられた広告が配信されたユーザ端末101から、ユーザU01およびユーザ端末101に関する情報であるユーザ情報を取得する。また、決定装置100は、ユーザ情報によって特定されたユーザ端末101から、アプリA10を利用した利用履歴を取得する(ステップS14)。例えば、決定装置100は、アプリA10が起動された日時や、アプリA10を利用する頻度や、アプリA10内においてユーザU01が行った課金額等を利用履歴として取得する。
なお、図1では図示を省略しているが、広告が配信されたユーザ端末101は、実施形態に係る推定処理を行うのに充分な、相当数が存在するものとする。また、ユーザ情報の詳細については後述するが、ユーザ情報は、ユーザ端末101を利用する各ユーザの属性(性別、年齢、居住地など)のようなユーザの特徴を示す情報を含む。また、ユーザ情報には、ユーザの通勤時間等が含まれてもよい。これは、通勤中にユーザ端末10やアプリを使用するユーザが比較的多いことから、通勤時間という情報が、アプリを使用するユーザの特徴を示す指標値となりうるからである。このように、決定装置100は、ユーザ情報を取得することで、アプリA10がどのような特徴を有するユーザU01によって利用されているかといった傾向を捉えることができる。
また、ユーザ情報には、ユーザ端末10に関する情報を含む。ユーザ端末10に関する情報とは、例えば、ユーザ端末10に製造時に付与される型番情報や、型番情報から抽出されるメーカー名や、製造したメーカーによって付与されるユーザ端末10のブランド名等を含む。さらに、ユーザ端末10に関する情報には、ユーザ端末10の通信キャリア会社や、画面の解像度のような情報を含んでもよい。これらの情報は、例えば、アプリのインストール傾向を推定したり、ユーザの属性情報を推定したりする処理に利用される場合がある。例えば、決定装置100が処理対象とするアプリがゲームアプリである場合、より処理能力の高いユーザ端末10の方がインストールされる傾向が高かったり、より画面の解像度が高いユーザ端末10の方がインストールされる傾向が高かったりする場合がある。この場合、決定装置100は、ユーザ端末10に関する情報を指標値として、後述する推定処理やクラスタリング等を行うことができる。
また、決定装置100は、ユーザ端末10に関する情報として、ユーザ端末10に既にインストールされているアプリに関する情報を取得してもよい。ユーザ端末10にインストールされたアプリは、ユーザ端末10を扱うユーザの興味関心を示す場合がある。また、ユーザは、既にインストールしているアプリと同じジャンルやカテゴリのアプリを新たにインストールする傾向がある。このため、決定装置100は、ユーザ端末10に既にインストールされているアプリに関する情報に基づいて、当該ユーザ端末10を扱うユーザの興味関心に関する情報を推定したり、よりインストールされ易いアプリの傾向を推定したりすることができる場合がある。
決定装置100は、取得したユーザ情報をユーザ情報記憶部122に記憶する。なお、決定装置100は、アプリA10に対応付けられた広告が配信されたユーザ端末101において、実際にアプリA10がインストールされ、どのように利用されているかといった利用履歴を継続的に取得するものとする。
そして、決定装置100は、アプリA10をインストールして利用したユーザU01のユーザ情報と、アプリA10の利用履歴とに基づいて、ユーザU01を分類する。例えば、決定装置100は、分類処理を行うために要する充分なユーザ情報を蓄積した場合に、ユーザU01の分類処理を開始する。分類処理では、まず決定装置100は、アプリA10の利用履歴に基づいて、アプリA10の利用頻度や、アプリA10内での課金額といった、ユーザU01のアプリA10に対する貢献度を算出する。そして、決定装置100は、処理対象とするアプリA10における、ユーザU01の貢献度に応じた分類を設定する(ステップS15)。
例えば、決定装置100は、ユーザU01の貢献度を5段階のステージに分類し、それぞれのステージに該当するようユーザU01を分類する。具体的には、決定装置100は、アプリA10をインストールするのみならず、その後、所定時間内(例えば、24時間以内など)にアプリA10を起動させたユーザU01のユーザ群をステージ1に分類する。また、決定装置100は、アプリA10を所定時間プレイしたユーザU01や、アプリA10における所定のプレイ(例えば、アプリA10のやり方を解説するチュートリアルなど)を経験したユーザU01のユーザ群を、ステージ2に分類する。また、決定装置100は、アプリA10に関して課金を行ったユーザU01のユーザ群をステージ3に分類する。また、決定装置100は、課金額に応じて、ユーザU01のユーザ群をステージ4やステージ5に分類する。
このとき、決定装置100は、各々のステージに属するユーザU01のユーザ情報を取得している。これにより、決定装置100は、アプリA10をインストールしたユーザU01というユーザ群における、アプリA10に対する貢献度と、ユーザ情報との関係性を得ることができる。なお、決定装置100は、ユーザを分類するための情報や、広告を配信するための情報については、適宜、提供情報記憶部126に記憶する。
続いて、決定装置100は、アプリA10を既にインストールしたユーザU01の分類に基づいて、新たに配信対象となるユーザをクラスタリングする(ステップS16)。例えば、決定装置100は、まだアプリA10に関する広告を配信していないユーザ群であるユーザU02の各々から、ユーザ情報を取得する。そして、決定装置100は、アプリA10をインストールしたユーザであるユーザU01から得られるユーザ情報と、ユーザU02のユーザ情報との類似性に基づいて、ユーザU02をクラスタに分類する。
決定装置は、ユーザU02をクラスタに分類する場合、種々の既知の手法を用いてもよい。例えば、決定装置100は、ユーザU01のユーザ情報と貢献度に基づいて、ユーザU02について階層的クラスタリングを行う。具体的には、決定装置100は、ユーザU01を分類した際の所定のステージに属するユーザU01のユーザ情報と、ユーザU02のユーザ情報との類似性を判定する。そして、決定装置100は、最もユーザ情報が類似するユーザから順にグルーピングを行うことで、グルーピングルールを生成する。続けて、決定装置100は、グルーピングルールを適用して、ユーザU02において、ユーザU01を分類した際の所定のステージに属するユーザU01のユーザ情報と、類似するユーザ群を抽出することができる。かかる処理を繰り返すことで、決定装置100は、ユーザU02をクラスタに分類することができる。
このようにして、決定装置100は、ユーザU01において設定したステージに属するユーザに類似するユーザ群を、ユーザU02に対して設定することができる。このことは、決定装置100が、まだ広告を配信する前のユーザU02に関して、ユーザ情報に基づいて、ユーザU02がアプリA10に関してどのような貢献度を有することになるかを推定することを意味する。例えば、決定装置100は、ユーザU02を5つのクラスタに分類する。この場合、各々のクラスタに分類されたユーザU02は、仮にアプリA10をインストールしたとすると、ユーザU01において設定された各々のステージに対応した貢献度を将来的に有すると推定されるユーザということになる。
そして、決定装置100は、クラスタリングに基づいて、ユーザU02に対する広告配信の態様を決定する(ステップS17)。上述のように、決定装置100は、アプリA10に対する貢献度に応じたクラスタリングを行っている。これに応じて、決定装置100は、貢献度が高くなると想定されるユーザU02が属するクラスタほど、広告配信に掛かるコストの比重を高くする。すなわち、決定装置100は、最も貢献度が高くなると想定されるクラスタに属するユーザU02については、高いコストを掛けてでも、アプリA10をインストールさせた方が有益であると判定する。このため、決定装置100は、高いコストを掛けてでも、アプリA10をインストールする動機付けをユーザU02に与えるよう、広告配信の態様を決定する。例えば、決定装置100は、貢献度が高くなると想定されるユーザ端末102で表示される広告競争のビッド(bid)において、ビッド額を比較的高く設定したり、ユーザ端末102でアプリA10の広告が比較的多く表示されるよう配信頻度を高くしたりするよう、広告配信の態様を決定する。
また、決定装置100は、貢献度に基づいてクラスタリングを行うことにより、各クラスタに属するユーザU02の傾向を捉えることができる。言い換えれば、決定装置100は、広告の配信対象となるユーザU02というユーザ群において、各クラスタにどのような情報(ユーザの性別や年齢、使用している端末、端末にインストールされたアプリの傾向等)を有するユーザが属するか、といった情報を取得することができる。かかる情報に基づいて、決定装置100は、同じアプリA10を宣伝する広告であっても、広告のクリエイティブ(ここでは、広告に表示される宣伝文や画像など、広告の内容を意味する)を変化させるようにしてもよい。この点について、図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る決定処理の一例を説明する図である。図2では、決定装置100によって、既存のユーザ(図1の例では、ユーザU01)におけるアプリの利用履歴に基づいて、広告配信の対象となるユーザ(図1の例では、ユーザU02)をクラスタリングした状態を示している(ステップS21)。
図2に示すように、決定装置100は、ユーザU02をクラスタCL01〜CL05に分類する。図2の例では、クラスタCL01が、最も貢献度が低いと推定されるユーザ群であり、クラスタCL05が、最も貢献度が高いと推定されるユーザ群であるものとする。ここで、クラスタリングを経ることで、クラスタCL01〜CL05に分類されるユーザU02のユーザ情報に、クラスタごとの傾向が表れることが想定される。このため、決定装置100は、各クラスタに属すると想定されるユーザに対応させるように、クラスタごとに広告配信の態様を決定する(ステップS22)。例えば、決定装置100は、配信する広告の宣伝内容をクラスタごとに変えて配信するといった態様を決定しうる。なお、図1および図2の例では、アプリA10は、戦略系ジャンルのゲームアプリであるものとする。
例えば、クラスタCL01には、ゲームアプリであるアプリA10への貢献度が低いことから、そもそもユーザ端末10を扱う機会が少ないユーザU02や、ゲームにあまり関心を持たないユーザU02が属することが想定される。この場合、決定装置100は、「初心者でもOK!まずはインストール」など、初めてゲームアプリを触れるユーザU02へ向けるような宣伝内容を有する広告C01を配信する。
一方、クラスタCL04やクラスタCL05には、アプリA10への貢献度が高い、すなわち、将来的にアプリA10へ多額の課金を行ったり、頻繁にアプリA10を利用したりすると想定されるユーザU02が属することが想定される。この場合、決定装置100は、「短時間でもプレイ可能!」など、ゲーム内容を直接的に説明する宣伝内容を有する広告C04や、「戦略系ゲームの決定版!」など、ユーザU02が同様のジャンルのゲームアプリを利用した経験があることを前提としたような宣伝内容を有する広告C05を配信する。また、決定装置100は、クラスタCL04やクラスタCL05に属するユーザU02に対しては、異なる内容の広告C06や広告C07(図示は省略する)を準備しておき、種々の広告を配信するようにしてもよい。これは、クラスタCL04やクラスタCL05に属するユーザU02は、推定される貢献度が高いため、多様な広告を準備するコストを掛けてでも、クラスタCL04やクラスタCL05に属するユーザU02を獲得する方が有益と想定されることによる。
また、クラスタCL02やクラスタCL03には、ビジネスユースでユーザ端末10を多く利用するものの、積極的にゲームアプリを利用しないようなユーザU02が属することが想定される。この場合、決定装置100は、「今、話題のアプリ!」など、流行をほのめかす宣伝内容を有する広告C02や、「知能で勝負!」など、ビジネスマンが興味を抱きそうな宣伝内容を有する広告C03を配信する。このように、決定装置100は、各クラスタに属するユーザU02に対して、広告効果が高くなると想定される広告が配信されるよう、広告配信の態様を決定する。なお、決定装置100は、ユーザU02に広告を配信するごとに、既知の学習処理等を経て、広告効果を最適化させてもよい。すなわち、決定装置100は、ユーザ情報に基づいて、ユーザU02に適すると想定した広告を配信したものの、広告効果が向上しない広告については、適宜変更するようにしてもよい。
図1および図2において説明してきたように、実施形態に係る決定装置100は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を取得する。そして、決定装置100は、取得されたユーザ情報に基づいて、所定のサービス(図1及び図2の例では、アプリA10そのものや、アプリA10というゲームに関連するサービスを意味する)に関するユーザの貢献度を推定する。そして、決定装置100は、推定された貢献度に基づいて、ユーザに広告を配信する態様を決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、広告の配信対象となるユーザに関して、アプリにおける貢献度を推定し、推定した情報に基づいて、広告の配信の態様を決定することができる。このため、決定装置100は、アプリをインストールさせることによってアプリ提供者がより高い収益を上げることになると想定されるユーザに対しては、広告配信のコストをより高く掛ける態様に決定できる。あるいは、決定装置100は、アプリをインストールさせたとしても、その後の収益につながりにくいと想定されるユーザに対しては、広告配信のコストを抑える態様に決定できる。すなわち、決定装置100は、配信する広告に対する結果(ここでは、アプリのインストール)についての貢献度を推定しておくことにより、結果が導かれる前段階における広告配信という段階における態様を、貢献度に応じた態様に調整することができる。これにより、決定装置100は、広告がもたらす結果に対して広告配信に掛かるコストを適切に調整できるので、広告配信の費用対効果を向上させることができる。
上述してきたように、決定装置100は、ユーザ端末10から取得可能なユーザ情報を利用して、処理対象のアプリに対するユーザの貢献度を推定することで、広告を配信する態様を決定する。以下、このような処理を行う決定装置100、及び、決定装置100を含む決定処理システム1の構成等について、詳細に説明する。
〔2.決定処理システムの構成〕
図3を用いて、実施形態に係る決定装置100が含まれる決定処理システム1の構成について説明する。図3は、実施形態に係る決定処理システム1の構成例を示す図である。図3に例示するように、実施形態に係る決定処理システム1には、ユーザ端末10と、広告主端末20と、ウェブサーバ30と、決定装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図3に示した決定処理システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の広告主端末20や、複数台のウェブサーバ30が含まれてもよい。
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って、ウェブサーバ30にアクセスすることで、ウェブサーバ30から提供されるウェブサイトからウェブページを取得する。そして、ユーザ端末10は、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。なお、本明細書中においては、ユーザとユーザ端末10とを同一視する場合がある。例えば、「ユーザに情報コンテンツを提供する」とは、実際には、「ユーザが利用するユーザ端末10に情報コンテンツを提供する」ことを意味する場合がある。
広告主端末20は、決定装置100に広告配信を依頼する広告主によって利用される情報処理装置である。広告主端末20は、広告主による操作に従って、決定装置100にアプリに関する広告を入稿する。
なお、広告主は、広告主端末20を用いて、決定装置100に広告を入稿せずに、かかる入稿等を代理店に依頼する場合もある。この場合、決定装置100に広告を入稿等するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
ウェブサーバ30は、ユーザ端末10からアクセスされた場合に、各種ウェブページを提供するサーバ装置である。ウェブサーバ30は、例えば、ニュースサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログなどに関する各種ウェブページを提供する。
ウェブサーバ30によって提供されるウェブページには、広告を表示するための表示領域である広告枠が含まれる。そして、広告枠を含むウェブページには、広告枠に表示する情報コンテンツを取得するための取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTML(HyperText Markup Language)ファイル等には、決定装置100のURL等が取得命令として記述される。ウェブページを取得したユーザ端末10は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、決定装置100から広告の配信を受ける。
決定装置100は、広告主端末20から受け付けた広告について、配信先となるユーザに対する配信態様を決定するサーバ装置である。上述のように、決定装置100は、ユーザ情報に基づいて、所定のサービスに関するユーザの貢献度を推定する。そして、決定装置100は、推定した貢献度に基づいて、広告の配信態様を決定する。
なお、決定装置100は、ユーザ端末10を識別したり、ユーザ端末10のユーザ情報を取得したりする。例えば、ユーザ情報の取得は、ユーザ端末10のウェブブラウザやブラウザアプリと、決定装置100との間でやり取りされるクッキーに情報を含めることによって行うことができる。ただし、ユーザ情報を取得する手法は上記に限られない。例えば、ユーザ端末10に専用のプログラムを設定し、かかる専用プログラムからユーザ情報を決定装置100に送信させてもよい。また、決定装置100は、ユーザ端末10からアクセスを受けたウェブサーバ30から、ユーザ端末10のユーザ情報を取得してもよい。また、決定装置100は、ユーザが課金した額などの貢献度を推定するための情報を、アプリ提供者から取得してもよい。
〔3.決定装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る決定装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る決定装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、決定装置100は、決定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、広告主端末20や、ウェブサーバ30との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、広告情報記憶部121と、ユーザ情報記憶部122と、提供情報記憶部126とを有する。
(広告情報記憶部121について)
広告情報記憶部121は、広告主端末20から入稿される広告に関する情報を記憶する。ここで、図5に、実施形態に係る広告情報記憶部121の一例を示す。図5は、実施形態に係る広告情報記憶部121の一例を示す図である。図5に示した例では、広告情報記憶部121は、「広告主ID」、「対応アプリID」、「広告ID」、「内容」、「広告料」といった項目を有する。
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末20を識別するための識別情報を示す。「対応アプリID」は、広告に対応付けられたアプリを識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、広告主から入稿された広告を識別するための識別情報を示す。
なお、本明細書中では、図5に示したような識別情報を参照符号として用いる場合がある。例えば、広告主ID「B10」によって識別される広告主を「広告主B10」と、(対応)アプリID「A10」によって識別されるアプリを「アプリA10」と、広告ID「C10」によって識別される広告を「広告C10」と、それぞれ表記する場合がある。
「内容」は、各広告に含まれる宣伝内容を示す。図5の例では、「内容」は、「初心者向け」や「興味促進」など、宣伝する対象や、宣伝内容の概要についてのみ記載しているが、「内容」には、広告を構成するテキストデータや、広告を構成する画像データ等、実際に広告を構成するデータが記憶されてもよい。
「広告料」は、広告配信のために広告主B10が決定装置100側に課金した広告料である。例えば、広告料は、広告配信のたびに消費され、残高がなくなった時点で、広告主B10が入稿した広告の配信が終了する。
すなわち、図5に示したデータの一例は、広告主ID「B10」によって識別される広告主B10が、アプリID「A10」によって識別されるアプリA10に対応する広告である広告「C10」〜広告「C17」を入稿していることを示す。また、例えば、広告C10の内容は、「初心者向け」の広告であることを示す。また、広告主B10が、アプリA10の広告のために課金している広告料が「100000円」であることを示す。
なお、実際にユーザ端末10に配信される広告のコンテンツデータ(テキストデータや、動画コンテンツや静止画コンテンツ)は、決定装置100とは別に備えられた所定のストレージサーバに記憶されてもよい。この場合、決定装置100は、広告情報記憶部121に記憶された広告IDに基づいて、外部のストレージサーバに記憶された広告を特定する。そして、決定装置100は、ストレージサーバに対して、特定された広告をユーザ端末10に対して配信するよう制御する。
また、広告情報記憶部121には、広告に関する他の情報が記憶されてもよい。例えば、広告情報記憶部121には、広告毎に指定される配信先のターゲット条件や、広告毎に指定される配信数(指定インプレッション数)などが記憶されてもよい。また、広告情報記憶部121には、広告効果を示す指標値が記憶されてもよい。例えば、広告情報記憶部121には、広告毎に、CPI(Cost Per Install)や、CTR(Click Through Rate)等の指標値が記憶されてもよい。また、広告情報記憶部121には、広告主B10が指定する、広告C10〜C17の配信期間などが記憶されてもよい。
(ユーザ情報記憶部122について)
ユーザ情報記憶部122は、広告の配信対象であるユーザおよびユーザ端末10に関する情報を記憶する。図4に示すように、ユーザ情報記憶部122は、ユーザ情報を記憶するデータテーブルとして、属性テーブル123と、装置テーブル124と、アプリテーブル125とを含む。
(属性テーブル123について)
図6に、実施形態に係る属性テーブル123の一例を示す。図6は、実施形態に係る属性テーブル123の一例を示す図である。属性テーブル123は、主として、ユーザ端末10を利用するユーザの属性に関する情報を記憶する。図6に示した例では、属性テーブル123は、「ユーザID」、「性別」、「年齢」、「居住地」、「通勤時間」、「貢献度」といった項目を有する。また、貢献度は、「対応アプリID」と「課金額」の小項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「性別」は、ユーザ端末10を利用するユーザの性別を示す。「年齢」は、ユーザ端末10を利用するユーザの年齢を示す。「居住地」は、ユーザ端末10を利用するユーザの居住地を示す。なお、「居住地」には、具体的な住所ではなく、ユーザの居住地に対応する一定の範囲を示す地域名(関東地方など)や、最寄りの駅名などが記憶されてもよい。
「通勤時間」は、ユーザの平均的な通勤時間を示す。なお、通勤時間は、ユーザからの申告によって決定装置100に取得されてもよいし、ユーザ端末10の日常の位置情報の推移から決定装置100が通勤時間を推定することにより取得されてもよい。
「貢献度」は、所定のサービスに対するユーザの貢献度を示す。例えば、貢献度は、所定のサービスに対する課金額や、アプリの利用時間や、アプリの起動回数等によって測定される。図6では、貢献度の例として、「課金額」を示す。「課金額」は、対応するアプリもしくはアプリが提供するサービスにおいて、ユーザが課金した額を示す。図6では、「課金額」の項目には、1か月の平均の課金額が記憶される例を示しているが、課金額の項目には、累積の課金額等が記憶されてもよい。
すなわち、図6に示したデータの一例は、ユーザID「U11」によって識別されるユーザU11の性別が「男性」であり、年齢が「30歳」であり、居住地が「A県」であり、通勤時間が「60分」であることを示す。また、ユーザU11は、貢献度として、アプリA10に対する課金額「1500円/月」という情報を有していることを示す。
なお、属性テーブル123に記憶される属性情報は、必ずしも正確な情報でなくともよい。例えば、決定装置100は、ユーザのネットワーク上の行動履歴や、アプリのインストール情報や、使用しているユーザ端末10の特徴等から推定される「推定性別」や「推定年齢」等を属性テーブル123に記憶してもよい。
また、属性テーブル123には、図6で示した以外にも、ユーザの属性情報が適宜記憶されてもよい。例えば、処理対象のアプリによっては、独身のユーザの方が結婚しているユーザよりもインストールしたりプレイしたりする確率が高かったり、その逆であったりなど、所定の傾向を示す場合がある。すなわち、ユーザが未婚であるか既婚であるかといった属性情報が、インストールのし易さや貢献度に影響を与える変数となりうる。この場合、決定装置100は、属性テーブル123に、ユーザが未婚であるか既婚であるかといった属性情報を記憶してもよい。
(装置テーブル124について)
続いて、図7に、実施形態に係る装置テーブル124の一例を示す。図7は、実施形態に係る装置テーブル124の一例を示す図である。装置テーブル124は、主として、ユーザ端末10という装置自体の情報を示した装置情報を記憶する。図7に示した例では、装置テーブル124は、「ユーザID」、「端末ID」、「型番」、「ブランド名」、「発売後経過日数」、「通信キャリア」、「メーカー名」、「解像度」といった項目を有する。
「ユーザID」及び「端末ID」は、図6に示した同様の項目と対応する。「型番」は、ユーザ端末10の型番を示す。「ブランド名」は、ユーザ端末10に付与されたブランド名を示す。「発売後経過日数」は、ユーザ端末10が発売されてから経過した日数を示す。「通信キャリア」は、ユーザ端末10の通信回線を提供している通信キャリアの社名を示す。「メーカー名」は、ユーザ端末10のメーカーの名称を示す。「解像度」は、ユーザ端末10の画面の解像度を示す。
すなわち、図7に示したデータの一例では、ユーザU11が利用する端末ID「F11」によって識別されるユーザ端末10は、型番が「XX−YY01」であり、ブランド名が「AAA」であることを示す。また、端末ID「F11」によって識別されるユーザ端末10は、発売後に「336日」が経過しており、通信キャリアは「BBB社」であり、製造したメーカーは「CCC社」であり、解像度は「1280×720」であることを示す。
なお、装置テーブル124には、図7で示した以外にも、ユーザ端末10の情報が適宜記憶されてもよい。例えば、ユーザ端末10には、ターゲットとなるユーザの傾向が設定されている場合がある。例えば、ユーザ端末10には、端末初心者向けであるとか、ビジネスユースであるとか、ゲームや動画用に高解像度を備えるといった、各々の端末の特徴を示す情報が、例えばメーカーによって設定されている場合がある。このような情報は、ユーザの傾向を示す特徴の一つとなりうる。この場合、決定装置100は、装置テーブル124に、このような特徴情報を記憶してもよい。
(アプリテーブル125について)
続いて、図8に、実施形態に係るアプリテーブル125の一例を示す。図8は、実施形態に係るアプリテーブル125の一例を示す図である。アプリテーブル125は、主として、ユーザ端末10にインストールされたアプリに関する情報を記憶する。図8に示した例では、アプリテーブル125は、「ユーザID」、「端末ID」、「インストールアプリ数」、「非ゲームアプリ数」、「ゲームアプリ数」、「新作アプリ数」、「旧作アプリ数」、「インストール済アプリID」といった項目を有する。
「ユーザID」及び「端末ID」は、図7に示した同様の項目と対応する。「インストールアプリ数」は、ユーザ端末10にインストールされているアプリの合計数を示す。「非ゲームアプリ数」は、インストールされているアプリのうち、ゲームアプリ以外のアプリの数を示す。「ゲームアプリ数」は、インストールされているアプリのうち、ゲームアプリの数を示す。「新作アプリ数」は、インストールされているアプリのうち、比較的最近(例えば、半年以内や、1年以内など)に提供が開始されたアプリの数を示す。「旧作アプリ数」は、インストールされているアプリのうち、新作アプリ以外のアプリの数を示す。「インストール済アプリID」は、ユーザ端末10にインストールされている各アプリの識別情報を示す。
すなわち、図8に示したデータの一例では、ユーザID「U11」で識別されるユーザU11が利用する、端末ID「F11」によって識別されるユーザ端末10には、「35」個のアプリがインストールされていることを示す。また、端末ID「F11」によって識別されるユーザ端末10にインストールされたアプリのうち、非ゲームアプリ数は「22」で、ゲームアプリ数は「13」であることを示す。さらに、端末ID「F11」によって識別されるユーザ端末10にインストールされたアプリのうち、新作アプリ数は「15」で、旧作アプリ数は「20」であることを示す。また、端末ID「F11」によって識別されるユーザ端末10にインストールされたアプリは、「A101」や、「A103」や、「A107」や、「A108」や、「A122」等の識別情報で識別されるアプリであることを示す。
なお、アプリテーブル125には、アプリの詳細な内容を示すデータテーブルがさらに含まれてもよい。例えば、アプリテーブル125には、図8で示した情報とは別に、アプリ詳細テーブル125Aが含まれてもよい。
ここで、図9に、実施形態に係るアプリ詳細テーブル125Aの一例を示す。図9は、実施形態に係るアプリ詳細テーブル125Aの一例を示す図である。図9に示すように、アプリ詳細テーブル125Aは、「アプリID」、「ジャンル」、「ユーザ嗜好」といった項目を有する。
「アプリID」は、アプリを識別する識別情報を示す。「ジャンル」は、アプリのジャンルを示す。例えば、ジャンルは、ゲーム用や通信用などのアプリの分類を示す。また、ジャンルには、ゲームのうち、戦略系や競馬系など、ゲームのジャンルを示す情報が含まれてもよい。「ユーザ嗜好」は、アプリをインストールしたユーザが興味関心を抱くと推定される嗜好情報を示す。例えば、ユーザ嗜好は、ユーザがゲームを好むか、また、ゲームであればどのようなジャンルを好むかといった、アプリに予め設定された嗜好情報である。決定装置100は、例えば、ユーザを分類する情報として、ユーザの性別や年齢のみならず、ユーザ嗜好に関する情報を用いることができる。例えば、決定装置100は、処理対象となるアプリA10と同じような特徴を有するアプリを多くインストールする傾向にあるユーザは、アプリA10についてもインストールし易い傾向にある、等の推定処理を行うことができる。例えば、決定装置100は、後述する推定処理において、「ゲーム嗜好_戦略」のような要素を、一つの変数(判定要素)として利用することにより、類似するアプリをインストールし易い傾向のユーザを推定することができる。
すなわち、図9に示したデータの一例では、アプリID「A10」によって識別されるアプリA10は、「ゲーム」「戦略系」というジャンルに属するアプリであり、ユーザ嗜好として、「ゲーム嗜好_シミュレーション」、「ゲーム嗜好_戦略」、「ゲーム嗜好_課金」といった特徴情報が設定されていることを示している。また、アプリID「A122」によって識別されるアプリA122は、「ゲーム」「競馬系」というジャンルに属するアプリであり、ユーザ嗜好として、「ゲーム嗜好_シミュレーション」、「ゲーム嗜好_戦略」、「ゲーム嗜好_課金」といった特徴情報が設定されていることを示している。この場合、アプリA10とアプリA122とは、共通する特徴情報を有するため、同じような嗜好を有するユーザにインストールされたり、プレイされたりする傾向にあるアプリ同士であると判定される。
一方、アプリID「A123」によって識別されるアプリA123は、「ゲーム」「声優・恋愛系」というジャンルに属するアプリであり、ユーザ嗜好として、「ゲーム嗜好_アドベンチャー」、「ゲーム嗜好_恋愛(女性向け)」、「ゲーム嗜好_声優」、「ゲーム嗜好_課金」といった特徴情報が設定されている。この場合、アプリA10とアプリA123とは、同じゲームアプリであるものの、共通する特徴情報が比較的少ないため、同じような嗜好を有するユーザにインストールされたり、プレイされたりする傾向にあるアプリ同士であると判定されない場合がある。
(提供情報記憶部126について)
提供情報記憶部126は、情報コンテンツの提供の態様(実施形態では、広告配信の態様)に関する情報を記憶する。図4に示すように、提供情報記憶部126は、決定処理に関する情報を記憶するデータテーブルとして、分類テーブル127と、クラスタテーブル128と、提供態様テーブル129とを含む。
(分類テーブル127について)
分類テーブル127は、所定のサービスに対するユーザの貢献度に基づきユーザを分類した、分類情報を記憶する。図10に、実施形態に係る分類テーブル127の一例を示す。図10は、実施形態に係る分類テーブル127の一例を示す図である。図10に示した例では、分類テーブル127は、「対象アプリID」、「分類ID」、「構成比率(%)」、「貢献度」といった項目を有する。
「対象アプリID」は、分類処理の対象となるサービスに対応するアプリの識別情報を示す。「分類ID」は、ユーザを分類した際の識別情報を示す。分類IDによって識別される分類とは、例えば、図1で説明したユーザU01のステージに対応する。
「構成比率(%)」は、分類したユーザ群において、どの分類にどのくらいのユーザが属するかという構成比率を示す。「貢献度」は、所定のサービスにおけるユーザの貢献度を示す。貢献度は、例えば、アプリごとに異なる。処理対象がアプリA10のようなゲームアプリである場合、図10に示すように、貢献度は、例えば課金額等によって示される。
すなわち、図10に示したデータの一例では、対象アプリID「A10」によって識別されるアプリA10において、「H01」、「H02」、「H03」、「H04」、「H05」といった識別情報によって識別される分類が存在することを示す。また、分類H01には、処理対象となったユーザ群のうち構成比率「18%」のユーザが含まれており、その貢献度は、「インストール後、24時間以内に起動」したことであることを示す。
(クラスタテーブル128について)
クラスタテーブル128は、新たに配信対象となるユーザのクラスタリングに関する情報を記憶する。図11に、実施形態に係るクラスタテーブル128の一例を示す。図11は、実施形態に係るクラスタテーブル128の一例を示す図である。図11に示すように、クラスタテーブル128は、「対象アプリID」、「クラスタID」、「対応する貢献度の分類」、「構成比率(%)」、「ユーザ傾向」といった項目を有する。また、「ユーザ傾向」は、「属性」、「端末」、「通勤時間」、「ゲームアプリ割合」といった小項目を有する。
「対象アプリID」は、クラスタリングの対象となるサービスに対応するアプリの識別情報を示す。「クラスタID」は、ユーザをクラスタリングした際のクラスタの識別情報を示す。
「対応する貢献度の分類」は、クラスタに属するユーザが、アプリをインストールした場合に、当該アプリに対応するサービスにどのくらいの貢献度を示すと推定されるかといった情報を示す。実施形態では、「対応する貢献度の分類」は、図10に示した分類に対応するものとする。すなわち、「対応する貢献度の分類」が「H01」である場合、そのクラスタに属するユーザは、「インストール後、24時間以内に起動」という貢献度を示すと推定されるユーザであることを示している。
「構成比率(%)」は、クラスタリングの対象となったユーザ群において、どのクラスタにどのくらいのユーザが属するかという構成比率を示す。
「ユーザ傾向」は、クラスタに属するユーザの傾向を示す。例えば、ユーザ傾向は、各クラスタを構成するユーザのユーザ情報における、情報の分布の比率等によって導出される。言い換えれば、ユーザ傾向は、クラスタを構成する各ユーザのうち、最も該当するユーザの比率が高い情報を示す。
「属性」は、クラスタに属するユーザの属性の傾向を示す。「端末」は、クラスタに属するユーザが利用する端末の傾向を示す。「通勤時間」は、クラスタに属するユーザの通勤時間の傾向を示す。「ゲームアプリ割合」は、クラスタに属するユーザが既にインストールしているアプリのうち、ゲームアプリが占める割合を示す。なお、図11では、「ユーザ傾向」を構成する要素として4つのユーザ情報のみを示しているが、これらは例示であり、「ユーザ傾向」を構成するユーザ情報は、例えば、ユーザ情報記憶部122に記憶される各種の情報であってもよい。
すなわち、図11に示したデータの一例では、対象アプリID「A10」によって識別されるアプリA10を処理対象としたときに、アプリA10がインストールされた場合にユーザが示す貢献度に基づいて、「CL01」、「CL02」、「CL03」、「CL04」、「CL05」で識別される5つのクラスタに、ユーザがクラスタリングされたことを示す。また、クラスタCL01に属するユーザの貢献度は、「H01」に分類されたユーザと同程度の貢献度になると推定され、クラスタCL01に属するユーザは、これから広告が配信される対象となるユーザ全体の「8%」のユーザであることを示す。また、クラスタCL01に属するユーザは、主として、「男性、50−56歳、既婚」といった属性であり、使用する端末は「初心者向け」であり、通勤時間の傾向は特になく、インストールされているゲームアプリの割合は「10%未満」の傾向にあるユーザであることを示す。一方、クラスタCL05に属するユーザは、主として、「男性、27−45歳、未婚」といった属性であり、使用する端末は「高処理速度、高解像度」であり、通勤時間は「40分以上」であり、インストールされているゲームアプリの割合は「50%超」の傾向にあるユーザであることを示す。
(提供態様テーブル129について)
提供態様テーブル129は、情報コンテンツの提供(広告配信の態様)に関する情報を記憶する。図12に、実施形態に係る提供態様テーブル129の一例を示す。図12は、実施形態に係る提供態様テーブル129の一例を示す図である。図12に示すように、提供態様テーブル129は、「対象アプリID」、「クラスタID」、「提供態様」といった項目を有する。また、「提供態様」は、「広告ID」、「顧客あたり課金額」、「頻度」といった小項目を有する。
「対象アプリID」は、配信する広告に対応するアプリの識別情報を示す。「クラスタID」は、広告の配信対象ユーザをクラスタリングした際のクラスタの識別情報を示す。
「提供態様」は、クラスタごとの広告配信の態様を示す。「広告ID」は、配信される広告の識別情報を示す。「顧客あたり課金額」は、1ユーザを獲得するために許容される、広告料の課金額を示す。実施形態では、「顧客あたり課金額」は、1ユーザがアプリA10をインストールするまでに掛ける広告料を示す。「頻度」は、ユーザに対して広告を配信する頻度を示す。なお、図12の例では、頻度を、低、中、高などの相対的な情報で示しているが、例えば、頻度は、所定時間内に何回まで広告のビッドに参加するかなど、具体的な数値によって示されてもよい。
すなわち、図12に示したデータの一例では、対象アプリID「A10」によって識別されるアプリA10を処理対象としたときに、「CL01」、「CL02」、「CL03」、「CL04」、「CL05」で識別される5つのクラスタに、それぞれ異なる提供態様で広告が配信されることを示している。例えば、クラスタCL01に属するユーザに対しては、アプリA10に関する広告として、広告ID「C10」で識別される広告C10が主に配信され、1ユーザがアプリをインストールするまでに掛ける広告料は「1000円」までであり、広告の頻度は「低」といった態様で、広告配信が行われることを示している。あるいは、クラスタCL05に属するユーザに対しては、アプリA10に関する広告として、広告ID「C14」、「C15」、「C16」又は「C17」で識別されるいずれかの広告が状況に応じて配信され、1ユーザがアプリをインストールするまでに掛ける広告料は「8000円」までであり、広告の頻度は「高」といった態様で、広告配信が行われることを示している。
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図4に示すように、制御部130は、入稿受付部131と、受信部132と、取得部133と、提供制御部134と、分類部135と、推定部136と、決定部137と、配信部138とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(入稿受付部131について)
入稿受付部131は、広告主端末20から広告の入稿を受け付ける。そして、入稿受付部131は、入稿元の広告主を識別する広告主IDと、広告を識別する広告IDと、広告に対応するアプリを識別するアプリIDとを対応付けて、広告情報記憶部121に記憶する。また、入稿受付部131は、広告配信における広告料や、配信先のユーザに関する条件等を広告主から受け付けてもよい。また、入稿受付部131は、広告の配信先となるユーザ情報の指定など、広告主からのターゲティング設定を受け付けてもよい。
(受信部132について)
受信部132は、広告の配信要求を受信する。具体的には、受信部132は、ウェブページを表示するユーザ端末10から送信される要求であって、ウェブページに含まれる広告枠で表示する広告の配信に関する要求を受信する。また、受信部132は、ユーザ端末10から送信される広告配信の要求を受け付けるとともに、ユーザ端末10を識別する識別情報を受信してもよい。
(取得部133について)
取得部133は、各種情報を取得する。例えば、取得部133は、広告を受信するユーザ端末10、および、ユーザ端末10を利用するユーザに関する情報であるユーザ情報を取得する。
具体的には、取得部133は、ユーザ情報として、ユーザ端末10を利用するユーザの属性情報を取得する。例えば、取得部133は、ユーザ情報として、ユーザの性別、年齢、居住地、通勤時間等を取得する。
また、取得部133は、ユーザ情報として、ユーザが利用するユーザ端末10であって、所定のサービスを利用するためのアプリをインストール可能なユーザ端末10に関する情報を取得する。例えば、取得部133は、ユーザ端末10に関する情報として、ユーザ端末10に設定された型番、ブランド名、販売から経過した時間、通信キャリア名、メーカー名、解像度等を取得する。
また、取得部133は、ユーザ端末10にインストールされたアプリに関する情報を取得してもよい。例えば、取得部133は、ユーザ端末10にインストールされたアプリの総数や、ユーザ端末10にインストールされたゲームアプリの数、ユーザ端末10にインストールされたアプリの総数に対するゲームアプリの割合、ユーザ端末10にインストールされた各ゲームアプリのジャンル等の情報を取得する。
また、取得部133は、広告を受信したユーザ端末10が、広告に関する所定の行動を実行したか否かを示す結果情報を取得してもよい。具体的には、取得部133は、ユーザ端末10が、後述する分類部135によって決定処理の対象となるアプリをインストールしたか否かを示す結果情報を取得する。
また、取得部133は、アプリがインストールされた場合に、当該アプリの利用履歴をユーザ端末10から取得する。例えば、取得部133は、利用履歴として、アプリがインストールされた日時、インストール後に起動された日時、アプリを利用した時間、アプリを利用する頻度、アプリやアプリに関するサービスに課金した課金額等を取得する。なお、取得部133は、サービスへの課金額等について、広告主端末20やウェブサーバ30等から取得してもよい。
そして、取得部133は、取得した情報を所定の記憶部に格納する。例えば、取得部133は、ユーザ情報を取得した場合には、取得した情報をユーザ情報記憶部122に記憶する。あるいは、取得部133は、取得した情報を提供制御部134等の処理部に送ってもよい。
なお、取得部133は、広告がクリックされたか否か、広告に対応するアプリがインストールされたか否か等、広告に関する情報を取得する手法については、既知の種々の手法により実現してもよい。例えば、取得部133は、ウェブビーコン(web beacon)等によって実現される通知機能を利用して、広告に関する情報を取得してもよい。
(提供制御部134について)
提供制御部134は、情報コンテンツの提供に関する処理を制御する。実施形態では、提供制御部134は、情報コンテンツの提供として、広告配信に関する処理を制御する。図4に示すように、提供制御部134は、分類部135と、推定部136と、決定部137とが協働することにより、処理を実現する。
(分類部135について)
分類部135は、所定のサービスに関するユーザの貢献度に基づいて、ユーザを分類する。例えば、分類部135は、所定のアプリに関するユーザの利用履歴を参照し、アプリやアプリに関連するサービスにおけるユーザの貢献度を算出する。そして、分類部135は、貢献度に応じた所定の段階にユーザを分類する。
例えば、処理対象とするアプリがアプリA10である場合、分類部135は、取得部133によって取得される情報に基づいて、アプリA10をインストールしたユーザを特定する。そして、分類部135は、アプリA10がインストールされたユーザ端末10における、アプリA10の利用履歴に基づいて、アプリA10への貢献度を算出する。例えば、分類部135は、図1および図2に示したように、アプリA10への課金額や、アプリA10の利用頻度等に応じて、アプリA10をインストールしたユーザを分類する。
(推定部136について)
推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ情報に基づいて、所定のサービスに関するユーザの貢献度を推定する。具体的には、推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ情報と、過去に所定のサービスを利用したユーザ群(図1の例では、ユーザU01)における所定のサービスの利用履歴との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザ(図1の例では、ユーザU02)の貢献度を推定する。
例えば、推定部136は、分類部135によって分類されたユーザ群に関するユーザ情報と、新たに広告の配信対象となるユーザ群のユーザ情報との類似性に基づいて、階層的クラスタリングの手法により、新たに広告の配信対象となるユーザ群をクラスタリングする。例えば、推定部136は、分類部135によって分類された所定のステージに属するユーザ群のユーザ情報と、新たに広告の配信対象となるユーザ群との類似性とを判定することによって、新たに広告の配信対象となるユーザ群の中から、分類部135によって分類された所定のステージに属するユーザ群と類似するユーザ群をクラスタリングする。
上記処理により、推定部136は、新たに広告の配信対象となるユーザが、分類部135によって分類されたステージのいずれに属するユーザと類似するかといった情報を得ることができる。これにより、推定部136は、新たに広告の配信対象となるユーザが、将来的に所定のサービスに対してどのくらいの貢献度を示すユーザに成長するか、といった情報を得ることができるため、新たに広告の配信対象となるユーザの貢献度を推定することができる。例えば、推定部136は、所定のサービスに対するユーザの行動、所定のサービスをユーザが利用する頻度、所定のサービスをユーザが利用する時間の少なくともいずれか一つに基づいて、所定のサービスに対するユーザの貢献度を推定する。所定のサービスに対するユーザの行動とは、例えば、所定のサービスの利用にあたりユーザが課金する行動や、課金した額や、サービスに対してメッセージを投稿する行動や、サービスに関係するウェブサイトを訪問する行動や、広告に対応付けられたアプリのみならず、広告に対応付けられたアプリと同じ提供者から提供されるアプリをインストールするなど、種々の行動が含まれる。なお、推定部136は、例示した他にも、ユーザが広告を選択(クリック等)することによりサービスにもたらすインセンティブが発生すると想定される場合には、当該インセンティブを、貢献度を推定する要素としてもよい。すなわち、推定部136は、所定のサービスに対してユーザがもたらす種々の報酬に基づいて貢献度を推定するようにしてもよい。
なお、推定部136は、任意のユーザ情報を利用してクラスタリングを行って良い。例えば、推定部136は、ユーザ情報のうち、ユーザの年齢や性別等の属性情報を用いてクラスタリングを行う。この場合、既にアプリA10をインストールし、かつ、アプリA10への貢献度が比較的高いユーザと類似する年齢や性別を有するユーザは、アプリA10への貢献度が比較的高いユーザと同程度の貢献度を示すと想定されるユーザが属するクラスタに分類されるよう、クラスタリングされる。
あるいは、推定部136は、ユーザ情報のうち、ユーザ端末10の装置情報を用いてクラスタリングを行う。この場合、既にアプリA10をインストールし、かつ、アプリA10への貢献度が比較的高いユーザと類似する端末を使用しているユーザは、アプリA10への貢献度が比較的高いユーザと同程度の貢献度を示すと想定されるユーザが属するクラスタに分類されるよう、クラスタリングされる。すなわち、推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ端末10に関する情報と、過去にアプリA10を利用したユーザ群におけるアプリA10の利用履歴との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザの貢献度を推定する。
なお、推定部136は、ユーザ端末10の装置情報を用いた場合、既にアプリA10をインストールしたユーザが利用する端末と、同じような性能を有する端末を利用するユーザをクラスタリングできるのみならず、装置情報から推定されるユーザの属性情報を用いて、クラスタリングを行うこともできる。
すなわち、ユーザ端末10の装置情報には、ユーザの属性情報が推定される要素を有する場合がある。例えば、図7で示したような、ユーザ端末10のブランド名「AAA」は、世間一般に男性が好むブランドであり、洗練されたイメージを有するものとする。この場合、ブランド名「AAA」が付与されたユーザ端末10を利用しているユーザは、男性であり洗練されたイメージを好むような人物像が想定される。このように、決定装置100は、ユーザ端末10のブランド名を、ユーザU01という人物を特徴付ける一要素として用いることができる。また、決定装置100は、「発売から経過した日数」を、ユーザ端末10を利用するユーザが比較的新しい物を好むタイプであるか否かという特徴付けの要素として扱う。また、決定装置100は、「通信キャリア」を、ユーザ端末10を利用するユーザが安定した通信回線を望むのか、あるいは、料金の安さを望むのか、などの特徴付けの要素として扱う。また、決定装置100は、「解像度」を、ユーザが比較的大きな画面を好むか否かなどの特徴付けの要素として扱う。
このように、推定部136は、単に年齢や性別にとどまらず、ユーザ端末10の装置情報等を用いることで、ユーザの属性情報そのものの類似性のみならず、ユーザの行動や人間性そのものの類似性を推定できるため、例えば、アプリA10に対して採る行動が類似すると想定されるユーザを精度よく推定することができる。これは、推定部136は、既にアプリA10に対して高い貢献度を示すユーザと類似するユーザを精度よく推定できることを意味するので、すなわち、貢献度を精度よく推定できるといえる。
なお、推定部136は、ユーザ情報のうち、任意の情報を組み合わせてクラスタリングするようにしてもよい。これにより、推定部136は、アプリA10に対して高い貢献度を示すユーザと同じような情報を有するユーザを、同じクラスタに属するユーザ群として抽出できる。言い換えれば、推定部136は、広告配信にコストを掛けてもよいと想定されるユーザ層を精度よく抽出することができる。
(決定部137について)
決定部137は、推定部136によって推定された貢献度に基づいて、ユーザに情報コンテンツを提供する態様を決定する。実施形態では、決定部137は、ユーザに広告を配信する態様を決定する。
具体的には、決定部137は、ユーザ情報と、推定部136によって推定された貢献度との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザが分類されたクラスタごとに広告を配信する態様を決定する。例えば、決定部137は、取得部133がユーザの属性情報を取得した場合には、ユーザの性別、年齢、居住地、通勤時間の少なくともいずれか1つと、推定部136によって推定された貢献度との関係性に基づいて分類されたクラスタごとに、広告を配信する態様を決定する。
決定部137は、広告を配信する態様として、所定のユーザに対して広告を配信するために掛ける費用、広告を配信する頻度、配信する広告の内容の少なくともいずれか一つを決定する。また、決定部137は、推定部136によって推定された貢献度が高いユーザほど、広告を配信するために掛ける費用、広告を配信する頻度、広告の内容の変化の頻度の少なくともいずれか一つが高くなるよう、広告を配信する態様を決定する。例えば、決定部137は、推定部136によって比較的高い貢献度を示すと推定されたクラスタに属するユーザに対しては、比較的高いコストを掛けてでもアプリA10をインストールさせるよう、広告料を高く設定したり、様々な広告がユーザに対して配信されたりするよう、配信態様を決定する。
また、決定部137は、クラスタごとに広告配信の態様を決定したのちに、取得部133が新たな情報を取得した場合には、随時、広告配信の態様を更新するようにしてもよい。かかる更新は、言い換えれば、決定部137が、どのようなユーザ層に対してどのような広告配信を行う態様が最も効果があるかを学習するような、所定の学習処理を行うことを意味している。
(配信部138について)
配信部138は、受信部132によって受信された広告配信要求に応答して、広告を配信する。なお、配信部138は、決定部137によって広告配信の態様が決定された場合には、かかる決定に沿うように、広告を配信する。
なお、上述のように、実際にユーザ端末10に配信される広告のデータ自体は、決定装置100に係る広告情報記憶部121内に記憶されていなくてもよい。例えば、配信部138は、外部に備えられた所定のストレージサーバに制御命令を送信することで、広告をユーザ端末10に配信させてもよい。
〔4.ユーザ端末の構成〕
次に、図13を用いて、実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。図13は、実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。図13に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、検知部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。なお、ユーザ端末10が有する各処理部の接続関係は、図13に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ウェブサーバ30や決定装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC等によって実現される。
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、ユーザ端末10に備えられた操作キー等によって実現される。また、入力部12には、画像を撮影するための撮像装置(カメラ等)や、音声を集音する集音機器(マイク等)が含まれてもよい。
表示部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、表示部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12の一部と表示部13とは一体化される。
検知部14は、ユーザ端末10に対する各種操作や、ユーザ端末10の周囲の環境情報等を検知する。例えば、検知部14は、各種情報を検知するセンサやアンテナにより実現される。具体的には、検知部14は、ユーザ端末10と接続されている機器に関する通信状況や、ユーザ端末10の周囲の照度や騒音、ユーザ端末10の物理的な動き、ユーザ端末10の位置情報等を検知する。
記憶部15は、各種情報を記憶する。記憶部15は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図13に示す例では、記憶部15は、インストール情報記憶部151と、利用履歴記憶部152とを有する。インストール情報記憶部151は、例えば、ユーザ端末10にインストールされたアプリの情報を記憶する。利用履歴記憶部152は、例えば、ユーザが利用したアプリに関する利用履歴を記憶する。
制御部16は、例えば、CPUやMPU等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部16は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
制御部16は、ユーザ端末10において行われる各種処理を制御する。図13に示すように、制御部16は、受信部161と、取得部162と、実行部163と、送信部164とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
受信部161は、各種情報を受信する。例えば、受信部161は、ウェブサーバ30や決定装置100から送信される情報を受信する。具体的には、受信部161は、広告配信の要求に応じて配信された広告を受信する。また、受信部161は、検知部14が検知する各種情報を受信する。
取得部162は、各種情報やデータを取得する。例えば、取得部162は、ウェブサーバ30にアクセスすることで、ユーザが閲覧を所望するウェブページを取得する。また、取得部162は、受信部161によって受信された広告データ等を取得する。また、取得部162は、アプリのダウンロードサイト等を介して、アプリのインストールに用いるデータを取得する。
実行部163は、ユーザ端末10における各種処理を実行する。例えば、実行部163は、アプリをインストールする処理を実行する。実行部163がアプリをインストールした場合、インストールに関する情報は、インストール情報記憶部151に格納される。
送信部164は、各種情報を送信する。例えば、送信部164は、取得部162によって取得されたウェブページに広告枠が含まれる場合には、広告配信の要求を決定装置100に送信する。また、送信部164は、記憶部15等を参照し、ユーザ端末10のユーザ情報を決定装置100に送信する。また、送信部164は、記憶部15等を参照し、ユーザ端末10におけるアプリの利用履歴を決定装置100に送信する。
〔5.処理手順〕
次に、図14及び図15を用いて、実施形態に係る決定装置100による処理の手順について説明する。まず、図14を用いて、既存のユーザを分類する処理およびクラスタリングに関する処理手順を説明する。図14は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(1)である。
図14に示すように、決定装置100は、広告主端末20から広告の入稿を受け付ける(ステップS101)。そして、決定装置100は、入稿された広告に対応するアプリを特定する(ステップS102)。
その後、決定装置100は、ユーザ端末10から広告配信の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。決定装置100は、広告配信の要求を受け付けていない場合、受け付けるまで待機する(ステップS103;No)。
一方、広告配信の要求を受け付けた場合(ステップS103;Yes)、決定装置100は、要求を送信したユーザ端末10に対して広告を配信する(ステップS104)。その後、決定装置100は、当該広告に関するアプリがユーザ端末10にインストールされたか否かを判定する(ステップS105)。
当該広告に関するアプリがインストールされない場合(ステップS105;No)、アプリがインストールされないユーザ端末10からは貢献度に関する情報を取得できないため、決定装置100は、広告配信の要求を受け付ける処理を繰り返す。一方、当該広告に関するアプリがインストールされた場合(ステップS105;Yes)、決定装置100は、アプリがインストールされたユーザ端末10に関するユーザ情報と、アプリに関する貢献度を取得する(ステップS106)。
そして、決定装置100は、アプリをインストールしたユーザに関して、分類に要する充分な情報が蓄積されたか否かを判定する(ステップS107)。分類に要する充分な情報量については、決定装置100は、例えば、決定装置100の管理者等から、予め蓄積する所定のサンプル数(例えば、10万など)の設定を受け付けておくものとする。分類に要する充分な情報量が蓄積されていない場合(ステップS107;No)、決定装置100は、さらに異なるユーザ端末10から広告配信の要求を受け付ける処理を繰り返す。
一方、分類に要する充分な情報量が蓄積された場合には(ステップS107;Yes)、決定装置100は、既存ユーザを貢献度に基づいて分類する(ステップS108)。さらに、決定装置100は、既存ユーザの分類に基づいて、新たに配信対象となるユーザをクラスタリングする(ステップS109)。
次に、図15を用いて、広告配信に関する処理手順を説明する。図15は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(2)である。
図15に示すように、決定装置100は、ユーザ端末10から広告配信の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。決定装置100は、広告配信の要求を受け付けていない場合、受け付けるまで待機する(ステップS201;No)。
一方、広告配信の要求を受け付けた場合(ステップS201;Yes)、決定装置100は、要求を送信したユーザ端末10からユーザ情報を取得する(ステップS202)。決定装置100は、取得したユーザ情報から、広告配信の要求を送信したユーザ端末10が属するクラスタを特定する(ステップS203)。そして、決定装置100は、クラスタに設定された態様で広告を配信する(ステップS204)。
〔6.変形例〕
上述した決定装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、決定装置100の他の実施形態について説明する。
〔6−1.アプリの種類〕
上記実施形態では、処理対象とするアプリA10がゲームアプリである例を示した。しかし、決定装置100は、ゲームアプリ以外のアプリやサービスに関して、上記の決定処理を行ってもよい。
例えば、決定装置100は、ショッピングアプリや、ニュースアプリなどを処理対象としてもよい。例えば、ショッピングアプリが処理対象である場合、決定装置100は、例えば、アプリを介してユーザが商品を購入した購入額を貢献度として、上述した決定処理を行う。また、ニュースアプリが処理対象である場合、決定装置100は、例えば、ユーザが24時間以内にアプリを起動させた回数や、アプリを閲覧した時間の合計や、アプリ内に表示された広告の数等を貢献度として、上述した決定処理を行ってもよい。
〔6−2.貢献度〕
上記実施形態では、処理対象とするアプリA10に関する課金額等が貢献度となる例を示した。ここで、決定装置100は、アプリA10と、ユーザ端末10にインストールされた他のアプリとの関係に基づいて、ユーザの貢献度を測ってもよい。
例えば、アプリには、類似するジャンルにおいて競合するアプリがありうる。例えば、アプリA10などのゲームアプリや、ニュースなどの情報提供アプリは、互いに類似するアプリが複数のアプリ提供者によって提供される場合がある。
例えば、決定装置100は、アプリA10のみならず、競合するアプリ(ここでは、仮に「アプリA11」とする)に関する利用履歴を取得する。そして、決定装置100は、例えば、アプリA10がインストールされたのちにアプリA11の利用履歴に関する推移を取得する。例えば、決定装置100は、所定期間内にアプリA10が起動された回数のみならず、アプリA11が起動された回数を取得する。そして、決定装置100は、アプリA10がインストールされたのちに、アプリA11の起動回数が減少していることを取得する。
この場合、ユーザは、頻繁に利用するアプリを、アプリA11から、類似するアプリA10に移行した可能性が考えられる。この点において、当該ユーザは、アプリA10と同様のアプリが構成する市場において、アプリA10のシェアを拡大させているといえる。言い換えれば、ユーザは、アプリA10に課金等を行わずとも、アプリA11からアプリA10に使用を乗り換えたという意味で、アプリA10に関する貢献度が高いユーザといえる。
このように、決定装置100は、処理対象とするアプリと類似するアプリの利用履歴についても取得する。そして、決定装置100は、ユーザ端末10における、処理対象とするアプリと類似するアプリの利用履歴の動向に基づいて、ユーザの貢献度を推定してもよい。すなわち、決定装置100は、アプリ単独の利用履歴のみならず、競合するアプリの利用履歴も含めて、ユーザの貢献度を測ってもよい。これにより、決定装置100は、より実情に沿ったユーザの貢献度を用いて、広告配信の態様を決定することができる。
〔6−3.貢献度の利用〕
また、決定装置100は、競合するアプリのユーザの利用履歴に基づいて、さらに異なる観点からユーザの貢献度を測ってもよい。
例えば、競合するアプリとして、ショッピングに関するアプリA21とA22とが存在するとする。また、ユーザU21は、アプリA21を利用して頻繁に商品を購入するユーザであるとする。そして、ユーザU21は、アプリA22についてはインストールしていないものとする。
この場合に、ユーザU21がアプリA22をインストールした場合には、決定装置100は、ユーザU21のアプリA22に対する貢献度を、他のユーザに比べて高く推定するなどの処理を行ってもよい。すなわち、決定装置100は、ショッピングに関するアプリA21を頻繁に利用するユーザU21については、同様のアプリA22についても、頻繁に利用することになる可能性の高いユーザであると判定してもよい。言い換えれば、ユーザU21は、アプリを介してショッピングを行うことに抵抗のないユーザであり、アプリA21のみならず、アプリA22も頻繁に利用するユーザに成長する可能性の高いユーザであるといえる。決定装置100は、このように、処理対象とするアプリと競合する(類似する)アプリの利用履歴を取得することで、より多角的にユーザの貢献度を捉えることができるため、結果として、貢献度の高いユーザを的確に狙って広告を配信できるような配信態様を決定できる。
〔6−4.情報コンテンツの種類〕
上記実施形態では、情報コンテンツは、アプリのインストールを促す広告である例を示した。しかし、情報コンテンツは、広告に限られず、例えばアプリのレコメンド情報等でもよい。
〔6−5.ユーザ情報の種類〕
上述した実施形態において、取得部133は、ユーザ情報として、ユーザ端末10のユーザの属性情報や、ユーザ端末10の装置情報や、アプリ情報を取得する例を示した。また、推定部136は、取得部133が取得した情報に基づいて、アプリに関する貢献度を推定する例を示した。取得部133は、これらの例に限られず、さらに種々のユーザ情報を取得してもよい。
例えば、取得部133は、ユーザ端末10のOS(Operating System)の種類やバージョン情報、縦画面や横画面の解像度、総画素数等を取得してもよい。
また、取得部133は、ユーザのネットワーク上の行動履歴をユーザ情報として用いてもよい。例えば、取得部133は、ユーザ端末10から、閲覧するウェブページの種類や、ウェブ検索履歴等を取得してもよい。
〔6−6.媒体との関係〕
上述した実施形態において、決定装置100は、決定部137によって決定された態様に基づいて、ユーザ端末10に広告を配信する例を示した。ここで、決定部137は、さらに、広告主から受け付ける所定の条件に基づいて、広告配信を行ってもよい。
例えば、広告主によっては、自身が入稿する広告を表示させる媒体コンテンツ(例えば、ウェブページやアプリなど)を指定する場合がある。具体的には、広告主は、広告の訴求効果を高めるため、特定のカテゴリの情報が掲載されているコンテンツに自身の広告を表示させたい場合がある。あるいは、広告主は、競合他社が提供するウェブページには、自身が入稿する広告を表示させないようにしたい場合がある。
この場合、決定部137は、広告主から指定された条件も加味して、広告を配信する態様を決定してもよい。これにより、広告主は、例えアプリがインストールされる可能性が高いユーザが表示しようとしているウェブページであっても、自身の広告が掲載されることを望まないウェブページには、広告を表示させないことができる。
〔6−7.媒体〕
上記実施形態では、広告等の情報コンテンツが掲載される媒体として、ウェブサーバ30が提供するウェブページを例に挙げた。しかし、決定装置100が提供する情報コンテンツは、ウェブページに限らず、所定の枠に表示されてもよい。例えば、決定装置100は、アプリ内に設けられる広告表示枠に広告を配信するようにしてもよい。
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る決定装置100やユーザ端末10は、例えば図16に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決定装置100を例に挙げて説明する。図16は、決定装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図3に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る決定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図4に示した受信部132と取得部133とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
また、上記実施形態では、決定装置100が、例えば、広告(情報コンテンツ)の入稿を受け付ける受付処理と、クラスタごとに広告配信の態様を決定する決定処理と、広告を配信する配信処理とを行う例を示した。しかし、上述した決定装置100は、受付処理を行う受付装置と、決定処理を行う決定装置と、配信処理を行う配信装置とに分離されてもよい。この場合、受付装置は、少なくとも入稿受付部131を有する。決定装置は、少なくとも決定部137を有する。また、配信装置は、少なくとも配信部138を有する。そして、上記の決定装置100による処理は、受付装置と、決定装置と、配信装置との各装置を有する決定処理システム1によって実現される。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔9.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決定装置100は、取得部133と、推定部136と、決定部137とを有する。取得部133は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を取得する。推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ情報に基づいて、所定のサービスに関するユーザの貢献度を推定する。決定部137は、推定部136によって推定された貢献度に基づいて、ユーザに情報コンテンツを提供する態様を決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、情報コンテンツの提供対象となるユーザに関して、所定のサービスにおける貢献度を推定し、推定した情報に基づいて、情報コンテンツの提供の態様を決定することができる。すなわち、決定装置100は、情報コンテンツに関するサービスに対する貢献度を推定しておくことにより、情報コンテンツが成果を発揮した場合(例えば、所定のサービスがユーザを獲得した場合)にユーザから得られる報酬を加味して、情報コンテンツの提供態様を決定できる。これにより、決定装置100は、情報コンテンツがもたらす結果に対して、情報コンテンツの提供に掛かるコストを適切に調整できるので、情報コンテンツの費用対効果を向上させることができる。
また、推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ情報と、過去に所定のサービスを利用したユーザ群における所定のサービスの利用履歴との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザの貢献度を推定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、既に所定のサービスを利用しているユーザの利用履歴に基づいて貢献度を推定する。すなわち、決定装置100は、サービスを利用したユーザの実績に基づいて、新たに提供対象となるユーザについて貢献度を推定するので、精度よく貢献度を推定することができる。
また、決定部137は、ユーザ情報と、推定部136によって推定された貢献度との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザが分類されたクラスタごとに、情報コンテンツを提供する態様を決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、ユーザ情報に基づいて提供対象となるユーザをクラスタリングし、クラスタごとに提供態様を決定する。例えば、決定装置100は、階層的クラスタリングによってユーザをまとめることによって、既存のユーザとの類似性を高めることができる。このため、決定装置100は、貢献度の高い既存のユーザに対応するクラスタに属するユーザには、高いコストを掛けて情報コンテンツを提供するなど、情報コンテンツの提供態様を的確に決定することができる。
また、取得部133は、ユーザ情報として、ユーザの性別、年齢、居住地、通勤時間の少なくともいずれか1つを取得する。決定部137は、ユーザの性別、年齢、居住地、通勤時間の少なくともいずれか1つと、推定部136によって推定された貢献度との関係性に基づいて分類されたクラスタごとに、情報コンテンツを提供する態様を決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、ユーザの属性情報等を利用して処理を行う。このため、決定装置100は、既存のユーザと類似するユーザを精度よく捉えることができるため、効果の高い情報コンテンツの提供を行うことができる。
また、決定部137は、情報コンテンツを提供する態様として、所定のユーザに対して情報コンテンツを提供するために掛ける費用、情報コンテンツを提供する頻度、提供する情報コンテンツの内容の少なくともいずれか一つを決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、提供態様として、様々な要素を決定することができる。このため、決定装置100は、例えば貢献度の高いユーザを獲得するために多くの種類の情報コンテンツを提供したり、頻繁に情報コンテンツを提供したりといった、ユーザに合わせた柔軟な提供処理を行うことができる。
また、決定部137は、推定部136によって推定された貢献度が高いユーザほど、情報コンテンツを提供するために掛ける費用、情報コンテンツを提供する頻度、提供する情報コンテンツの内容の変化の頻度の少なくともいずれか一つが高くなるよう、情報コンテンツを提供する態様を決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、貢献度に応じて、情報コンテンツの提供に掛けるコストを増加させる。すなわち、決定装置100は、貢献度の高いユーザの獲得のためには多くのコストを掛けるといった、情報コンテンツの注力に関する調整を適切に行うことができる。このため、決定装置100は、情報コンテンツの提供の費用対効果を向上させることができる。
また、推定部136は、所定のサービスに対するユーザの行動、所定のサービスをユーザが利用する頻度、所定のサービスをユーザが利用する時間の少なくともいずれか一つに基づいて、所定のサービスに対するユーザの貢献度を推定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、ユーザがサービスに対して課金するなど、所定のサービスに対するユーザの行動に基づいて、ユーザの貢献度を推定する。すなわち、決定装置100は、所定のサービスにおいてユーザからもたらされる具体的な報酬を想定してユーザの貢献度を推定するため、情報コンテンツによってユーザを獲得した場合のリターンを想定し易くなるため、情報コンテンツの提供に掛ける費用をより的確に調整することができる。
また、取得部133は、ユーザ情報として、ユーザが利用するユーザ端末10であって、所定のサービスを利用するためのアプリをインストール可能なユーザ端末10に関する情報を取得する。推定部136は、ユーザ端末10にアプリがインストールされた場合の、ユーザのアプリに対する貢献度を推定する。決定部137は、推定部136によって推定された貢献度に基づいて、ユーザ端末10にアプリをインストールすることを促す情報コンテンツを、ユーザに提供する態様を決定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、アプリがインストールされた場合の貢献度に基づいて、アプリをインストールするユーザ端末10に対して情報コンテンツを提供する際の提供態様を決定する。すなわち、決定装置100は、推定した貢献度に応じて、ユーザからアプリがインストールされるまでに掛ける費用等を調整することができるため、情報コンテンツの費用対効果を向上させることができる。
また、取得部133は、ユーザ端末10に関する情報として、ユーザ端末10に設定された型番、ブランド名、販売から経過した時間、通信キャリア名、メーカー名、解像度の少なくともいずれか1つを取得する。推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ端末10に関する情報と、過去にアプリを利用したユーザ群におけるアプリの利用履歴との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザの貢献度を推定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、ユーザ端末10の装置が有する情報に基づいて、ユーザのアプリに関する貢献度を推定する。一般に、スマートフォン等のユーザ端末10においては、端末を好むユーザの属性や、画面の大きさなど、利用するアプリの使用頻度との間に所定の相関性が認められる。そして、決定装置100は、例えば、頻繁に課金する傾向にあるユーザが使用する端末の特徴情報等を処理に用いることで、アプリに関する貢献度をより精度よく推定することができる。
また、取得部133は、ユーザ端末10に関する情報として、ユーザ端末10にインストールされたアプリの総数、ユーザ端末10にインストールされたゲームアプリの数、ユーザ端末10にインストールされたアプリの総数に対するゲームアプリの割合、ユーザ端末10にインストールされた各ゲームアプリのジャンル、の少なくともいずれか1つの情報を取得する。推定部136は、取得部133によって取得されたユーザ端末10に関する情報と、過去にアプリを利用したユーザ群におけるアプリの利用履歴との関係性に基づいて、新たに情報コンテンツの提供先となるユーザの貢献度を推定する。
このように、実施形態に係る決定装置100は、ユーザ端末10にインストールされたアプリの情報を加味して、ユーザの貢献度を推定してもよい。これにより、決定装置100は、例えば、既存のユーザにおけるアプリ情報と類似するアプリ情報を有するユーザについての貢献度を、既存のユーザの情報に基づいて、精度よく推定することができる。
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。