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JP6599750B2 - 特装車両の測定施設及び特装車両の測定方法 - Google Patents

特装車両の測定施設及び特装車両の測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、製造された特装車両の車両長さや車両幅を測定する測定施設、及びその測定方法に関する。
特装車両は、シャシフレーム上で運転室の後方となる位置に架装物が搭載されてなるもので、架装物の搭載前状態までを車両メーカーが製造担当し、それ以降の製造工程を架装メーカーが製造担当している。そのため、特装車両として製造は、架装メーカーによる検査工程を行い、その検査基準をクリアすることで完了する。
その検査工程には、特装車両の車両長さ(前後方向の長さ)、車両幅(左右方向の長さ)、又は車両高さなどの測定が含まれている。特装車両の一部である架装物には、ダンプトラックの荷箱、塵芥収集車の荷箱、散水車のタンク、灯油を運搬するタンクローリのタンク、粉粒体運搬車のタンク、又はコンクリートを運搬するミキサー車のドラムなど様々な形や大きさのものがある。
一般的にこうした特装車両の検査は、担当者の手作業で直接測定されている。具体的には、特装車両の前端や後端、又は左右両端の部位から錘を振り下げ、鉛直に振り下げられた床面位置をマークする。特装車両の全長や全幅は、特装車両を移動させた後にそのマーク位置を床面上で測定して得ることができる。全高の測定に関しては、別に、特装車両の最高部位に当接部位を当接させて高さを測定する測定器具を用いている。
こうした測定、特に全長や全幅の測定では、作業者の技量の差による測定誤差の発生や、測定に大きな作業コストを要すること等が懸念されていた。そこで、カメラ等を用いて特装車両の各寸法を測定する手法(例えば、特許文献1)が自動車検査独立行政法人等の自動車検査の際に用いられている。また、カメラで撮影可能なターゲット部(反射部)を特装車両に取り付ける手法を用い、その撮影データのカメラ測定精度が測定場の照明等によって阻害されない手段も紹介されている(例えば、特許文献2)。さらには、特装車両のダンプトラックなどに関しては、その測定部位の特異性まで考慮した測定施設の構築(例えば、特許文献3)なども紹介されている。
特許第3637416号公報 特開2010−181325号公報 特開2014−169068号公報
上記のカメラを用いた手法であれば、測定に係る作業コストの低減効果が考えられるが、測定対象となる特装車両の種類によっては、ターゲット部の取り付け作業の煩雑性が大きく、期待するほどの作業効率の向上を得ることができない恐れがある。
具体的な要因としては、ターゲット部の取付けが手作業で行われる点が挙げられる。測定施設内には測定対象となる特装車両が連続して進入し、その中には車高が非常に高く、手が届かない高さまでターゲット部を取り付けなければならない特装車両もある。こうした場合、昇降台を用いてターゲット部を取り付ける作業、又はその高さを測定できる専用器具を用いる作業などが必要となり、煩雑性が大きく増えてしまう。
また、特装車両の場合、架装物の種類によっては、その架装物の架装姿勢が異なる。具体的には、一般的にダンプトラックの荷箱は水平姿勢で架装される一方、塵芥収集車の荷箱や散水車のタンクなどは僅かに後ろ下がりの傾斜姿勢となる。塵芥収集車の場合は塵芥圧縮の際に生じる汚水を車両後方に貯留し、散水車の場合は車両後方で地面に射水することに起因している。そして、架装物の外観形状は、例えば塵芥収集車であれば後部にゴミ投入口があって後方上部がせり上がった形状を有するものや、ミキサー車のようにホッパー部が突出した形状を有するものなどのように、車両前後方向又は車両幅方向に沿って様々な凹凸を有するので、こうした架装物の架装姿勢に差異があると、最高部位を的確に特定するには、車両前後方向及び車両幅方向において広範囲に座標位置を算定する必要があり、取り付けるターゲット部の数も多くなってしまう。特に、特装車両が大型タイプになるほど、車両前後方向や車両幅方向の長さが大きくなり、ターゲット部の取り付け作業の煩雑性がさらに増してしまう。
本発明は、これらの点を鑑みてなされており、様々な種類や形状の特装車両に対しても、カメラ等の車両撮影部を用いて測定効率の向上に貢献する手段を利用しつつ、その架装物の種類、大きさ、及び架装姿勢に差異があっても、的確かつ簡易に特装車両の長さ、幅、及び高さを測定可能な特装車両の測定施設及び特装車両の測定方法の提供を目的とする。
特装車両が進行する測定通路を備えた特装車両を測定対象とし、以下の構成を有する測定施設とする。
測定通路において進行する方向と交差する方向側端部に設けられて、光電センサなどを用いた構成のように通過する特装車両に射光することで当該特装車両の車高を測定する車両高さ計測部と、測定通路において特装車両をその上方及び側方の少なくとも一方から撮影可能な領域に設けられた車両撮影部と、車両高さ計測部の計測データ及び車両撮影部の撮影データを演算処理する制御処理部と、特装車両に取り付けられて車両撮影部から出力される光を反射する反射部を有するターゲット部とを備えており、制御処理部によって、反射する光に基づいてターゲット部の座標位置が決定されて特装車両の車両長さ又は車両幅の少なくとも一方が算定されるとともに、車両高さ計測部に対する特装車両の測定通路の進行を介して特装車両の高さが算定される。
なお、上記「射光」とは、所定量及び強度の光を所定の位置に発光することを指している。当該射光が特装車両に行われると、その発光された光が所定の位置まで届かずに特装車両に遮られた状態となり、その遮られた状態(光が所定位置に到達しないオフ状態)によって車両高さが測定される。
前記測定通路には、前記特装車両の重量を計測する車両重量計測部が設けられ、当該制御処理部によって、前記車両重量計測部の重量データが演算処理される構成とする。 そして、前記測定通路において、前記撮影可能な領域が前記車両高さ計測部の下流側に設けられており、当該領域において前記ターゲット部の取り付けが行われる構成とする。
さらに、前記撮影可能な領域は、前記特装車両が停車する停車領域とされており、前記車両撮影部は、当該停車領域の上方又は側方の少なくとも一方に設けられている。
また、別の測定施設の構成として、測定通路において進行する方向と交差する方向側端部に設けられて、通過する特装車両に射光することで当該特装車両の車高を測定する車両高さ計測部と、測定通路において特装車両の重量を計測する重量計測部と、車両高さ計測部の計測データ及び重量計測部の重量データを演算処理する制御処理部とを備えており、制御処理部によって、重量計測部の重量が算定されるとともに、車両高さ計測部に対する特装車両の測定通路の進行を介して特装車両の高さが算定される構成とするものでも良い。
以上の測定施設及び測定方法に関しては、制御処理部に対して、車両高さ計測部、車両撮影部、車両重量計測部は有線(電気配線)を介して接続した構成、又は無線信号の入出力によって情報伝達が行われる構成のいずれでも構わない。
次に、測定施設だけでなく、以下の測定方法を採ることも効果である。
シャシフレーム上において運転室の後方に架装物が搭載されてなる特装車両が測定通路を進行する際に、当該進行する方向と交差する方向側の端部に設けられた車両高さ測定部で、通過する特装車両に射光して当該特装車両の車両高さを測定する車両高さ測定ステップと、測定通路上の特装車両の上方及び側方の少なくとも一方に設けられた車両撮影部で、特装車両を撮影する車両撮影ステップとを備え、車両撮影ステップは、車両撮影部からの発光を反射する反射部を有するターゲット部を特装車両に取り付けるターゲット部取付サブステップを有しており、車両撮影ステップにおける車両撮影部の撮影データを演算処理する制御処理部で特装車両の車両長さ及び車両幅の少なくとも一方を算定するとともに、制御処理部で車両高さ測定部に対して特装車両の測定通路の進行を介して特装車両の高さを算定する。
この測定通路に設けられた車両重量測定部で特装車両の重量を測定する車両重量測定ステップを有するようにしても良い。
また、車両撮影ステップにおいて車両撮影部による特装車両の撮影は、車両高さ測定部に隣接するとともに特装車両を停止させる停車領域において行う方法も可能である。
そして、測定通路に設けられて制御処理部が接続された車両重量測定部で、特装車両の重量を測定する車両重量測定ステップを有し、車両撮影ステップは、車両高さ測定ステップの後に行い、車両重量測定ステップは、停車領域において行うものとしても良い。
さらに、別の測定方法として、次の方法としても良い。
シャシフレーム上において運転室の後方に架装物が搭載されてなる特装車両が測定通路を進行する際に、当該進行する方向と交差する方向側の端部に設けられた車両高さ測定部で、通過する特装車両に射光して当該特装車両の車両高さを測定する車両高さ測定ステップと、測定通路に設けられた車両重量測定部で特装車両の重量を測定する車両重量測定ステップとを備え、車両重量測定ステップにおける特装車両の重量データを演算処理する制御処理部で特装車両の重量を算定するとともに、制御処理部で車両高さ測定部に対して特装車両の測定通路の進行を介して特装車両の高さを算定する。
本発明では、測定通路を進行する特装車両に対して、車両高さ測定部と車両撮影部を備え、車両高さ測定部が通過する特装車両に射光することに基づいて特装車両の高さ(最高値)を測定できるので、様々な種類の架装物であっても、さらに架装物の架装姿勢が様々であっても簡易に車両高さを測定できる。そのため、ターゲット部を取り付けた特装車両に対して車両撮影部を利用する場合には、高位置にターゲット部を取り付けるのが困難又は取り付け作業が煩雑な特装車両(特に、大型タイプの特装車両)であっても、特装車両の車両長さや車両幅を算定でき、上記測定した車両高さとともに必要な特装車両の測定数値を出力できる。また、重量計測部を利用する場合には、同様に高位置にターゲット部を取り付けるのが困難又は取り付け作業が煩雑な特装車両であっても、重量を測定場所に特装車両を移動させるだけで、その重量の算定とともに車両高さの算定も容易に行うことができる。
そして、制御処理部によって一括してこれらの測定結果を演算処理してその結果を算定できるので、測定結果の出力及び管理も簡易となる。
こうした効果は、架装物の大きさが大きくなるほど(大型の特装車両になるほど)顕著となる。
本発明の実施形態に係る特装車両の測定施設を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る車両高さ測定部を用いた特装車両の測定状態を示す模式図である。 (a)は本発明の実施形態に係る重量測定部を用いた特装車両の測定状態を示す模式図、(b)は同車両にターゲット部を取り付けた状態を示す模式図、(c)はタイヤに設置されたターゲット部を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るカメラ位置とターゲット部の相対位置を示す模式平面図である。 本発明の実施形態に係るターゲット部の座標位置の決定手法を説明するための概念図である。 本発明の実施形態に係る特装車両の測定方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の別の実施形態に係る特装車両の測定方法の手順を示すフローチャートである。
本発明に係る特装車両の測定施設及びその測定方法の一実施形態について、図面を用いて説明する。
1.特装車両の測定施設の構成について
図1は、特装車両1の測定施設100の全体概要の模式図である。この測定施設100は、特装車両1が進行する測定通路R上又はその周辺に固定されて特装車両1の高さを測定する車両高さ測定部10と、車両高さ測定部10を超えた特装車両1を測定施設100の上部(測定通路Rの上方)に固定された複数のカメラ201〜205などで撮影する車両撮影部20と、車両高さ測定部10及び車両撮影部20に接続されて各測定部10、20の測定データを演算処理する制御処理部30と、車両撮影部20に撮影される前に特装車両1に取り付けられるターゲット部40とを備えている。なお、測定通路Rは、図中の右から左に向かって矢印A1、A2の方向を特装車両1の進行方向としており、測定通路R上には、車両高さ測定部10を通過した直後となる領域(車両高さ測定部10に隣接した領域)に車両重量測定部50
特装車両1は、車両前後方向を長手方向とするシャシフレームCF上に搭載された荷箱Bを備えたダンプトラックとなっており、この荷箱Bは運転室CBの後方に位置している。
測定通路Rは、測定施設100に設けられており、一方向に延びて少なくとも約30mの直線部分を備えている。特装車両1はこの測定通路Rを一方向に進行する。
車両高さ測定部10は、測定通路Rにおいて、特装車両1の進行方向を向いた左右それぞれの側部に左右一対の状態で固定されている。左右一対の車両高さ測定部10のうち、その進行方向を向いた左側の第1車両高さ測定部10Aは、測定通路Rの左側部に直接固定された脚部101Aに対して、投光部102Aが固定されてなる。一方で、図示していないが、進行方向を向いた右側の第2車量高さ測定部は、測定通路Rの右側部に直接固定された脚部に対して、受光部が固定されてなる。これら投光部102A及び受光部は光電センサによって構成されている。
この車両高さ測定部10は、図2(a)に示すように、投光部102A及び受光部102Bが地上から約0.7mの高さH1の位置で対向配置されている。この高さH1は、図示のように特装車両1の最高部位が投光部102A及び受光部102Bの対向領域に含まれるように設定されている。投光部102Aの各投光センサから受光部102Bに向けて間隔D(5mm)の等間隔で水平方向に光線が出力(射光)されており、この光線が受光部102Bの各受光センサに入力される。
図2(b)のように、測定通路Rを進行する特装車両1が車両高さ測定部10を通過する際に、特装車両1によって遮られる光線に基づいて特装車両1の最高部位が測定される。
具体的には、特装車両1が対向配置されている第1車両高さ測定部10Aと第2車両高さ測定部10Bとの間の空間に入ると、特装車両1は投光部10Aの各投光センサからの光線を部分的に遮るようになる。つまり、受光部102Bの各受光センサB101、B102、B103、・・・、B201、B202、B203、・・・のうち、運転室CBが通過した際(一点鎖線部分)には、一部分の受光センサB110、B111、・・・、B210、・・・において、投光センサからの光線が遮られ、荷箱Bが通過した際(実線部分)には、さらに別の受光センサB108、B109、B208、B209においても、投光センサからの光線が遮られる。このように進行する特装車両1によって、光線を受光できない受光センサB108、・・・の設置位置によって、特装車両1の高さの最高値を決定する。決定されたこの最高値は制御処理部30に出力される。なお、図2(b)では、説明の便宜上、光線を受光する受光センサB101、B102、・・・を着色表示し、特装車両1の通過によって最初に受光できなくなる受光センサB110、・・・を非着色表示、次に受光できなくなる受光センサB108、B109、B208、B209に斜線を付した状態で表示している。また、受光センサのレイアウト等は適宜変更可能である。本実施形態に係る車両高さ測定部10であれば、固定された投光センサ等に対して、特装車両1が進行するだけで、車高の最高値を簡易で決定できるので、特に大型タイプの特装車両になるほど高さ測定が煩雑になっていた作業工数の低減効果が高くなる。
次に、車両高さ測定部10を通過した特装車両1は、測定通路Rにおいて車両高さ測定部10の下流側に隣接する車両重量測定部50に進行する。
車両重量測定部50は、図3(a)に示すように、測定通路Rに設けられた凹部501と、当該凹部501を覆うようにして測定通路Rの通路面と上面同士が略面一状態で設けられた載置台51と、載置台51の下方で凹部501内に固定された複数のロードセル52a、52b、52c、・・・とを備えている。
載置台51は、特装車両1の左右の前輪FT及び後輪RTを同時に載せることができる大きさとなっており、その一部が特装車両1を停車させるための停車領域となっている。
ロードセル52a、52b、52c、・・・は、増幅器、スイッチ、及びA/D変換器を介して制御処理部30に接続されており、これらを用いた重量の測定は周知の手段を用いている。各ロードセル52a、52b、52c、・・・にて検出された歪み量に応じたアナログ負荷荷重信号は、対応する増幅器で増幅された後にA/D変換器によってデジタル信号に変換されて、制御処理部30に出力される。なお、本実施形態では、停車領域に特装車両1が停止した状態で、制御処理部30に設けられた例えば押しボタン式の起動手段を起動させることで、特装車両1の重量が算出される。
したがって、特装車両1に対して、車両高さ測定10を通過してその高さの最高値を測定する作業を行い、その後の所定位置(停車領域)に停車させるだけで、特装車両1の高さの最高値に加えて重量値も簡易に取得することができる。
停車領域で停車状態の特装車両1に対して、図3(b)のようにターゲット部40が取り付けられる。このターゲット部40は、特装車両1の複数の部位に取り付けられる各ターゲット部401、402、403、・・・の総称として用いている。
各ターゲット部は、例えば前輪FRに取り付けられたターゲット部402を示す図3(c)のように、一辺が約50mmの長さの略正方形状のシート402aの中央に、約10mmの外径を有する円状の反射部402bが配されてなる。図示のとおり、シート402a及び反射部402bは、上述のとおり上方に固定された車両撮影部20に撮影されるように鉛直上方を向いた姿勢で取り付けられている。各ターゲット部はいずれもL字状のブラケット402cに対してシートが固着されてなり、シートが鉛直上方を向くようにブラケットが特装車両1における取付け部位に対して取付けられている。
車両撮影部20は、光学系手段の一例となるカメラ201、202、203、204、205、・・・(図1参照)を用いている。その撮影データは制御処理部30で処理されて、特装車両1の車長などが算定される。なお、カメラ201、202、203、204、205、・・・の撮影領域は、常時、制御処理部30のモニタに表示されており、そのモニタを介して特装車両1が停車状態(停車領域で停車)か否かを判断することができる。
車両撮影部20は、特装車両1に対して複数箇所から撮影を行うために、図4の模式図のとおり、特装車両1の周囲に前側から順に時計回りに8個並んで固定されたカメラ201〜208を備えている。本実施形態では、特装車両1に対する複数の撮影データを得るために8個のカメラ201〜208が設けられた構成としたが、この個数に関しては特に8個に限定するものではない。さらには、1個のカメラで特装車両1の周囲を周回して複数の撮影データを得る構成にしても良い。
カメラ201〜208は、停車領域それぞれ特装車両1に対して向けられている。さらに、カメラ201〜208のそれぞれが複数のターゲット部401、・・・を撮像領域に含む「所定の角度」で特装車両1に向いていることが好ましい。複数のカメラ201〜208のそれぞれにおける撮影データによって、特装車両1の全体データを得ることができる。これらのカメラ201〜208は、制御処理部30に接続されており、それぞれの撮影データが制御処理部30に出力される。なお、カメラ201〜208はストロボを有しており、撮影の際にはフラッシュを発生させる。
いずれかのカメラ201〜208の撮像領域に含まれている各ターゲット部401、・・・では、撮影時に発射されるフラッシュ(光)を反射部402b(図3(c)が反射する。そして、撮影データには、その反射光が含まれ、その反射光を含む撮影データが制御処理部30で演算処理されて、各ターゲット部401、・・・の座標位置や特装車両1の所定寸法の算定に用いられる。
取り付けられている各ターゲット部の位置は以下のとおりである。
先ず、特装車両1の車両長さ測定用として、前方ターゲット部401と後方ターゲット部407、417とが配されている。
前方ターゲット部T11は、図示のように特装車両1の最前方となる位置において、特装車両1前側のバンパに接触した状態で起立させた仮設ポール401a(図3(b)参照)に固定された状態となっている。直接は特装車両1に取り付けられてはいないが、隣接状態で特装車両1の最前方位置の特定とみなすことが可能となっている。なお、仮設ポール401aを用いることに限定されず、例えばナンバープレート取り付け用孔の中央部となる位置に配される取付け手法を採用しても良い。
特装車両1の後方、具体的には荷箱Bの後部に設けられたテールゲートTGの上面でその左右両端部となる位置には後方ターゲット部407、417が配されている。テールゲート11aが特装車両1の最後方に位置する部材であるためであり、他の部材が最後方となる場合には、後方ターゲット部407、417はその最後方となる部材に配されるようにしても良い。
後方ターゲット部407、417の中間部PMと前方ターゲット部401との距離が特装車両1の車両長さLとされる。本実施形態のように荷箱Bが搭載された特装車両1では、特装車両後端が角形状を有するため、正確に特装車両1の最後方となる位置を特定しやすい。つまり、テールゲートTGの後方縁が特装車両1の正確な最後端となるので、車両長さLの算定を高精度に行うことができる。また、後方ターゲット部407、417が上記の位置に配されているので、両ターゲット部407、417の座標位置に基づいてテールゲートTG(荷箱B)の左右両端の前後位置及び高さ位置を比較できる。その比較結果により、荷箱BがシャシフレームCF(図1参照)に対して水平状態(平衡状態)で搭載されているか否かも判断することもできる。
また、特装車両1のセンターラインとなる中心線の算定用として、2組のターゲット部402、412、403、413が取り付けられている。
1組目のターゲット部は、左右の前輪FTに取り付けられたターゲット部402、412で、2組目のターゲット部は、左右の後輪RTに取り付けられたターゲット部403、413である。中心線Lcは、各組のターゲット部402、412、403、413の中間点P1、P2を結んだ線として算定される。なお、上記の車両長さLを測定するためのターゲット部401、407、417を用いて、算定される中心線Lcの算定精度を検証するようにしても良い。
また、特装車両1の車両幅測定用として、以下の3組のターゲット部406、416、404、414、405、415が配されている。これらは、各組とも図示のように特装車両1の左右方向に沿った線上に位置している。
1組目として、荷箱Bの左右両側の面で前方部に荷箱前方ターゲット部404、414が配されている。具体的には、サイドゲート(側方煽戸)SGにおける前側上部の外表面となる部分に配されている。当該部分よりも荷箱Bの前方部で側方に張り出す部分があれば、その部分に配された構成とする。上記前側上部であればサイドゲートSGの隅部となるので、左右のターゲット部404、414を特装車両1において左右対称に取り付け易くなって好ましい。
2組目として、サイドゲートSGにおける後側上部の外表面となる部分に配されている。当該部分よりも荷箱Bの後方部で側方に張り出す部分があれば、その部分に配された構成とする。上記後側上部であれば、同様にサイドゲートSGの隅部となるので、作業者の取り付け易さの面で好ましい。
3組目として、運転室(キャブ)CBの左右両側の面、具体的には扉の取っ手に隣接する部分(図3(b))にキャブ用ターゲット部406、416が配されている。図中、キャブ用ターゲット部406、416はキャブCBの後方に配されているが、最も左右に張り出す部分があれば、その部分に配された構成とする。1〜2組目と同様、作業者が目視しやすい取っ手に隣接した状態なので、取付け易さの面で好ましい。
これら3組のターゲット部406、416、404、414、405、415の座標位置が、それぞれ特装車両1の車両幅を算定するデータとして用いられる。各座標位置から上述した中心線Lcと交差する垂線が算定される。中心線Lcとの交差点及び座標位置の距離が算定される。このとき、特装車両1の左舷側のターゲット部406、404、405のそれぞれから中心線Lcに対して算定した垂線距離の中から最大のものを採択する。同様に、特装車両1の右舷側のターゲット部416、414、415のそれぞれからの垂線距離の中から最大のものを採択する。そして、最大の垂線距離同士の合計が車両幅W、具体的に本実施形態では、3組目のキャブ用ターゲット部406、416に基づいて算定した垂線距離Wa、Wbを用いて車両幅W=Wa+Wbとして設定される。なお、荷箱Bが平衡状態でなく、例えば右舷側前方側が外側に寄った状態で荷箱Bが搭載されていれば、荷箱前方ターゲット部414に基づいて算定した垂線距離Wcが上記垂線距離Wbより大きくなるので、車両幅=Wa+Wcとして設定される。
車両高さ測定部10、車両重量測定部50、さらには車両撮影部20にも接続されている制御処理部30は、図5(a)に示すように、撮像データから特装車両1の前後方向の長さ(車両長さ)と左右方向の長さ(車両幅)を算定する処理本体部300と、処理本体部300に対して車両高さ測定部10、車両重量測定部50、さらには車両撮影部20を接続するための外部入出力部31とが設けられている。なお、本実施形態では、外部入出力部31は常時接続状態となっている。
処理本体部300は、外部入出力部31に接続されて複数のカメラ201〜208のうちのいずれの撮像データの取り込みを実行するか、又はいずれのカメラ201〜208による撮影画像の取り込みを実行するかを選択するカメラ選定部32を有している。
さらに処理本体部300は、外部入出力部31に接続されて撮影データを読み取る撮影データ読み取り部33と、撮影データ読み取り部に接続されて反射光を含んだ撮影データからターゲット部401、・・・の座標位置を決定する座標位置決定部34と、座標位置決定部34に接続されてその座標位置から特装車両1の寸法等を算定する寸法算定部35とが有している。これらの座標位置や算定寸法等の出力結果は、処理本体部300にデータ保管されるとともに、モニタ上や所定フォーマットを有する書面に出力される。入力された撮影データは、撮影データ読み取り部33に読み取られ、撮影データ読み取り部33に接続された撮影画像出力部33Mを介して制御処理部30のモニタ又は外部機器のモニタに表示される。
作業者は、撮影画像出力部33Mを介して表示された画像で撮影状態の良否を即時に判断できる。また、カメラ201〜208で映し出された特装車両1を確認することで、特装車両1が停車領域で停車しているか否かも判断することができる。なお、カメラ選定部32では、1つのカメラによる撮影や、複数のカメラによる同時撮影のいずれも選定する構成としても良い。なお、1個のカメラで周囲Rを周回して撮影する場合には、撮影された撮影データが制御部30に順次格納される構成、又は一括して格納される構成とすることもできる。
座標位置決定部34では、8個のカメラ201〜208によるそれぞれの撮影データの中で、適宜2つ以上の撮影データを用いて、撮影ポイント(ターゲット部)の三次元座標位置が決定される。
寸法算定部35は、特装車両1の車両長さを算定する車両長さ算定部35aと、特装車両1の車両幅を算定する車両幅算定部35bと、特装車両1の中心線を算定する中心線算定部35cとを有しており、これらはいずれも座標位置決定部34に接続されている。さらに、寸法算定部35は、車両長さ算定部35aと車両幅算定部35bに接続されて複数の算定値が出力された場合に最適値を選択する寸法選択部35dも有する。各種の長さ算定に関しては、必要なターゲット部の各三次元座標が所定平面(水平面)上に投影され、投影された各点同士の距離が算定される手段が用いられている。当該算定部35においては、中心線算定部35cで算定された中心線データも利用される。なお、この機能に関しては、この算定手法に限定されるものではなく、決定された三次元座標の各点同士の距離を直接算定するものでも良い。
また、処理本体部300は、寸法算定部300によって算定された各算定値を所望するデータと照合する寸法判定部36と、上記各算定値及び寸法判定部36よる判定結果を保管(記憶)するデータ保管部37も有している。さらに、処理本体部300は、データ保管部37に接続されてその保管したデータを制御処理部30のモニタ又は外部機器に出力するデータ出力部38も有している。
なお、この制御処理部30に出力される撮影データの取得及び各ターゲット部401、・・・の座標位置の算定には既知の方法(例えば、特許文献2)を用いている。例えば図5(b)で示すように、後方ターゲット部417の座標位置決定の際、図5(b)で示すように、カメラ205による撮影面R1に、後方ターゲット部417の反射部からの反射光が写し出される。その写し出された位置u1が座標位置決定部34によって抽出される。カメラ205は測定施設内の所定位置に固定されており、撮影面R1も固有の位置データを備える。同様に左右のカメラ204、206においても撮影面R2、R3における位置u2、u3を関連付けて後方ターゲット部417の三次元座標位置が決定される。他のカメラによっても同様に撮影データを得ることができる。これらの撮影データにおいて重複するターゲット部の位置情報を基にして、複数の撮影データがつなぎ合わされて特装車両1の全体的形状、大きさ、位置などが把握される。撮影面R1〜R3に関しては、精度を上げるためにさらに複数のカメラを設置し、多くの撮影面を利用するようにしても良い。
2.特装車両の測定方法について
本実施形態に係る特装車両1の測定方法は、図6に示すように、測定施設100内の測定通路R上をその進行方向に基づいて特装車両1を低速走行させる車両進行ステップS1を開始し、測定通路Rの上流側で車両高さ測定部10を用いて車両高さを測定する車両高さ測定ステップS2と、当該ステップS2の後に車両重量測定部50を用いて車両重量を測定する車両重量測定ステップS3と、当該ステップS3の後に車両撮影部20を用いて車両長さ及び車両幅を測定する車両撮影ステップS4とを行うものである。
車両進行ステップS1では、車両高さ測定部10に接近した位置から低速で特装車両1を測定通路Rを進行させる。そして、その低速走行のまま進行する特装車両1に対して、車両高さ測定ステップS2に移行する。
特装車両1が第1車両高さ測定部10Aと第2車両高さ測定部10Bとの間の対向領域に侵入した時点で、車両高さ測定部10が特装車両1の高さ測定を開始する(S21)。特装車両1の進行に伴って投光部からの光線が遮られる領域が変化し、遮られた受光部B108、B109、・・・(図2(b)参照)のうち、遮られた最高位置の受光部B108、B208に基づいた測定によって特装車両1の高さ(最も大きな値)を決定する(S22)。測定した高さデータは随時、制御処理部30に出力されている。そして、測定通路Rの下流側に向かって継続して進行する特装車両1が、隣接する停車領域(図3(a)参照)に入ったことを確認する(S23)。停車領域に適正に停車した時点でこの停車した特装車両1に関する車両高さの測定データをリセットし(S24)、進行していた特装車両1の車両高さの測定を停止し、次に進行してくる特装車両1の車両高さの測定が可能となる。なお、特装車両1の停車領域への進行状態の変化に関しては、作業者が載置台51に特装車両1が載る動作を直接的に目視確認することもできるが、上述のとおりカメラ201、・・・で撮影した停車領域を制御処理部30のモニタ等を介して間接的に確認することもできる。
車両高さ測定ステップS2において特装車両1を停車領域に停車した状態のまま、次の車両重量測定ステップS3に移行する。
本ステップS3では、停車領域に停車(S23)した特装車両1が、移動せずに変わらず適正な停車状態を維持しているかを確認する(S31)。なお、既にエンジンストップの状態である等の確実な停車状態を事前(S23)に確保しているのであれば、本ステップS3内での停車状態の確認(S31)を省略しても良い。この場合、作業工数を低減できるため好ましい。そして、停車状態の特装車両1に対して、車両重量測定部50を用いた重量測定が完了し(S32、S33)、随時、その測定データが制御処理部30に出力されていることを確認できれば、測定した特装車両1に関する重量の測定をリセットする。
次に、特装車両1を変わらず停車状態としたままで、車両撮影ステップS4に移行する。本ステップS4では、特装車両1にターゲット部401、・・・を取り付けるターゲット部取付サブステップS41と、当該サブステップS41の後にターゲット部401、・・・を含むように撮影する撮影サブステップS42と、当該サブステップS42の後にターゲット部401、・・・のそれぞれの座標位置を決定する座標位置決定サブステップS43と、その決定した座標位置に基づいて特装車両1の車両長さなどを算定する寸法算定サブステップS44とを行う。
車両撮影ステップS4では、先ず、ターゲット部取付サブステップS41、具体的には上述した位置に各ターゲット部401、・・・の取り付けを行う(図3(b)、図4参照)。
次に、撮影サブステップS42では、上述のとおり既知の方法で撮像データを取得し、各ターゲット部401、・・・の座標を決定する(S43)。そして、寸法算定サブステップS44として、決定した各座標の値を用いて、特装車両1の「中心線Lcの算定」、「車両長さLの算定」、及び「車両幅Wの算定」を行う。
なお、本実施形態では、カメラ201〜208の位置や角度を固定状態としているが、これらを変動可能とする場合には、カメラの位置や角度の調整作業として、その状態を決定するカメラ状態決定サブステップが、撮影サブステップS42の前に必要となる。このカメラ状態決定サブステップでは、測定施設内の三次元座標の中心位置とするために固設した基準ターゲットをカメラ201〜208で撮影する。その撮影データが制御処理部30を出力し、基準ターゲットの固有の座標位置と撮影面R1、・・・(図5(b)参照)との相対関係のデータを撮影サブステップS42の前に入手する。このデータに基づいて、ターゲット部401、・・・の撮影データに対する補正処理を行うことができる。
「中心線Lcの算定」、「車両長さLの算定」、及び「車両幅Wの算定」に関しては、各算定部35a〜35c(図5(a)参照)において、ターゲット部401、・・・を水平面などの所定の二次平面に投影し、投影された二次平面上で算定する。そのため、当該二次平面に示すことができる中心線Lc、車両長さL、及び車両幅Wを簡易に算定することができる。
特装車両1の幅に関して、複数部位で測定するので、測定施設内に複数種類や複数形状の特装車両1が連続して運び込まれても、微細な形状変化や荷箱11搭載位置の変化を簡易に確認することができる。車両撮影部20のようにカメラ等で撮影する手段を用いる場合、大型タイプになるほど高位置にターゲット部を取り付けることが困難になる点を考慮して、車両撮影部20だけでなく車両高さ測定部10も備えた測定施設、及びこれらを別々に稼動させる測定方法を本実施形態では用いているので、ターゲット部の取り付け作業の煩雑化を防止できる。特に、本実施形態では、単に高位置へのターゲット部の取り付け作業を省略するのではなく、ターゲット部を取付ける停車位置まで特装車両1を移動させる途中で、その移動(進行)を利用して車両高さを測定しているので、別の場所や別工程で車両高さの測定を行う必要もない。そのため、従前から車両重量測定部50を備えた施設であれば、その測定通路Rの側部に車両高さ測定部10、測定通路Rの上部に車両撮影部20を備えただけの本実施形態に係る測定施設は、別途特別に測定施設を拡大する必要もない。
また、測定通路R上で特装車両1を停車領域に向かって移動させるだけで、車両高さ測定だけでなく、車両重量の測定も可能となっており、その停車領域が車両撮影ステップS400も兼用できるので、測定ごとに特装車両1を移動させる必要もない。
さらに、特装車両1においては、荷箱の前側が車両高さの最高位置となるダンプトラックもあれば、ドラム後部が車両高さの最高位置となるミキサー車もあり、タンクの幅方向中央部が車両高さの最高位置となる粉粒体運搬車もある。さらには、車両前後方向において荷箱の中間部分が車両の最高位置となる塵芥車などもある。こうした様々な形状に柔軟に対応しつつ、その測定工数の増加も抑制できる本実施形態に係る測定施設及び測定方法は、各種類の特装車両に合わせて測定施設を設ける等のコストアップやスペース拡大などを防止できる。また、車両高さの最高値を有する部位の特定が困難な特装車両の場合には、ターゲット部を取り付けてそのターゲット部の座標位置を算定する手段(局所的な高さを算定する手段)と比較して、本実施形態のように特装車両1の進行を利用して三次元的に高さ測定を行う車両高さ測定部20の方が、「車両高さの最高値の決定」作業において、測定精度及び測定工数の面で高い効果があり、さらに、特装車両1が大型タイプになるほどその効果は顕著となる。
以上、本実施形態に係る測定施設及び測定方法について説明したが、本発明はこの施設及び方法に限るものではなく、例えば、車両高さ測定ステップS200と車両重量測定ステップS300が異なる図7の別の実施形態に係る測定方法を用いても良い。
図7に係る測定方法では、車両高さ測定部20における車両高さの測定リセットに関しては、車両重量測定ステップS300において車両重量の測定が完了した後に行う。リセットに係る工数を減らすことで全体の測定効率を向上できる。特に、特装車両1の進行を利用して車両高さの測定を行うので、車両高さ測定部10と載置台51が隣接する施設、つまり車両高さ測定ステップS200の後に車両重量測定ステップS300や車両撮影ステップS400を迅速に行うことができる実施形態だと、その迅速性をさらに向上できる点で効果が大きい。
また、順に車両高さ測定ステップS200、車両重量測定ステップS300及び車両撮影ステップS400を行う図7の測定方法において、車両重量ステップS300、車両撮影ステップS400、及び車両高さ測定ステップS200の順に行う測定方法とし、当該方法に対応した測定施設としても、特装車両1の重量測定後に移動するための進行を利用して車両高さを測定できるので同様の効果を得ることができる。この場合、車両高さ測定ステップS200において、停車領域を設けることなくそのまま通過するものとし、所定位置の通過を確認できれば車両高さ及び車両重量の測定をリセットするものとしても良い。なお、車両撮影部20に要するターゲット部40等の重量が予め分かっている場合には、車両撮影ステップS400、車両重量測定ステップS300、車両高さ測定ステップS200の順に行うものでも構わない。この場合、車両高さ測定ステップS200を車両重量測定ステップS300、車両撮影ステップS400よりも先に行っても良い。
3.その他
ターゲット部401、・・・に関しては、測定対象となる特装車両1に合わせて数や取付位置を適宜変更しても良い。また、特装車両1の車両長さL及び車両幅Wの算定に関しては、いずれか一方のみの算定及び出力としても良い。
ターゲット部401、・・・におけるシートに関しても、鉛直上方を向いた姿勢に限定するものではなく、鉛直上方に対して傾斜したものでも良い。また、カメラ201〜208が測定施設の上方に固定されたものではなく、測定通路Rの側部に設けられた場合でも同様の効果を得ることができるため、この場合に、ターゲット部401、・・・の各シートが車両前後方向のいずれか一方又はその両方を向いた構成としても良い。なお、カメラ201〜208も測定施設の上方と測定通路Rの側部の両方に設けられた構成としても良い。
制御処理部30における処理本体部300は、外部入出力部31を介して電気的に車両高さ測定部10、車両重量測定部50、車両撮影部20に接続されているが、有線(電気配線)で接続されているものに限らず、無線電波等を利用した無線式の接続形態であっても構わない。
その他、以上の測定対象となる特装車両1としては、様々な種類の車両に対しても適用可能で、シャシフレームCF上に運転室CBキャブ以外を搭載し、荷物、土砂、廃棄物、気体、液体、又は作業機械等を運ぶ特装車両に対して同様の効果、特にターゲット部の取り付けに関して作業者の手が届かない高さまで車高を有する大型タイプの特装車両に対して大きな効果を得ることができる。
なお、特装車両1の進行を介して特装車両1の高さを測定する車両高さ測定部10を利用した上で、車両撮影部20又は車両重量測定部50を利用した測定施設及び測定方法としているが、車両高さ測定部10を利用するものであれば、他の車両特性を測定するもの(例えば、エンジン駆動音やブレーキング能力など)を利用するものでも構わない。その他にも、前照灯などの光軸の検査や調整のための測定や、尾灯などの灯火器類の検査や調整のための測定、さらには塗装品質の検査などを利用するものでも構わない。そして、特装車両の「進行」に関しては、運転室内の運転者が操作するものと主な実施形態として説明したが、特装車両をパレット等に載置した状態で運転者が乗っていなくても自動的に搬送可能な測定施設、さらには測定方法としても良い。
本発明は、寸法測定の効率化に寄与するので、様々な特装車両が運び込まれる測定施設内、特に荷箱が搭載された特装車両が運び込まれる測定施設内で有用である。
1 特装車両
B 荷箱
CB 運転室(キャブ)
CF シャシフレーム
10 車両高さ測定部
20 車両撮影部
30 制御処理部
40 ターゲット部
50 車両重量測定部
10A 第1車両高さ測定部
10B 第2車両高さ測定部
102A 投光部
102B 受光部
201〜208 カメラ
402a シート(ターゲット部)
402b 反射部(ターゲット部)
100 特装車両の測定施設
S1 車両進行ステップ
S2 車両高さ測定ステップ
S3 車両重量測定ステップ
S4 車両撮影ステップ

Claims (5)

  1. シャシフレーム上において運転室の後方に架装物が搭載されてなる特装車両が進行する測定通路を備えた特装車両の測定施設において、
    前記測定通路において前記進行する方向と交差する方向側端部に設けられて、通過する前記特装車両に射光することで当該特装車両の車高を測定する車両高さ計測部と、
    前記測定通路において前記特装車両の重量を計測する車両重量計測部と、
    前記測定通路において前記車両高さ計測部の下流側に設けられるとともに前記特装車両をその上方及び側方の少なくとも一方から撮影可能な領域に設けられた車両撮影部と、
    前記車両高さ計測部の計測データ及び前記車両撮影部の撮影データを演算処理する制御処理部と、
    前記撮影可能な領域において前記特装車両に取り付けられて前記車両撮影部から出力される光を反射する反射部を有するターゲット部と、
    を備えており、
    前記制御処理部によって、前記反射する光に基づいて前記ターゲット部の座標位置が決定されて前記特装車両の車両長さ又は車両幅の少なくとも一方の算定と、前記車両高さ計測部に対する前記特装車両の前記測定通路の進行を介して前記特装車両の高さの算定と、前記車両重量計測部の重量データの演算処理とが行われる
    ことを特徴とする特装車両の測定施設。
  2. 前記撮影可能な領域は、前記特装車両が停車する停車領域とされており、
    前記車両撮影部は、当該停車領域の上方又は側方の少なくとも一方に設けられている
    ことを特徴とする請求項に記載の特装車両の測定施設。
  3. シャシフレーム上において運転室の後方に架装物が搭載されてなる特装車両が測定通路を進行する際に、当該進行する方向と交差する方向側の端部に設けられた車両高さ測定部で、通過する前記特装車両に射光して当該特装車両の車両高さを測定する車両高さ測定ステップと、
    前記測定通路上の前記特装車両の上方及び側方の少なくとも一方に設けられた車両撮影部で、前記特装車両を撮影する車両撮影ステップと、
    を備え、
    前記車両撮影ステップは、前記車両撮影部からの発光を反射する反射部を有するターゲット部を前記特装車両に取り付けるターゲット部取付サブステップを有しており、
    前記車両撮影ステップにおける前記車両撮影部による前記特装車両の撮影は、前記車両高さ測定部に隣接するとともに前記特装車両を停止させる停車領域において行い、当該撮影データを演算処理する制御処理部で前記特装車両の車両長さ及び車両幅の少なくとも一方を算定するとともに、前記制御処理部で前記車両高さ測定部に対して前記特装車両の前記測定通路の進行を介して前記特装車両の高さを算定する
    ことを特徴とする特装車両の測定方法。
  4. 前記測定通路に設けられた車両重量測定部で前記特装車両の重量を測定する車両重量測定ステップを有する
    ことを特徴とする請求項に記載の特装車両の測定方法。
  5. 前記測定通路に設けられて前記制御処理部が接続された車両重量測定部で、前記特装車両の重量を測定する車両重量測定ステップを有し、
    前記車両撮影ステップは、前記車両高さ測定ステップの後に行い、
    前記車両重量測定ステップは、前記停車領域において行う
    ことを特徴とする請求項に記載の特装車両の測定方法。
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