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JP6543988B2 - カール矯正装置及び画像形成装置 - Google Patents

カール矯正装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP6543988B2
JP6543988B2 JP2015063382A JP2015063382A JP6543988B2 JP 6543988 B2 JP6543988 B2 JP 6543988B2 JP 2015063382 A JP2015063382 A JP 2015063382A JP 2015063382 A JP2015063382 A JP 2015063382A JP 6543988 B2 JP6543988 B2 JP 6543988B2
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Description

この発明は、カール矯正装置及び画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置において加熱定着後の記録媒体を冷却する技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1は、複数の張架部材によって回転可能に張架され、シート状部材をおもて面に担持して搬送するベルト部材と、前記ベルト部材の裏面に冷却面を接触させて設けられ、該ベルト部材を介して前記シート状部材を冷却する冷却部材とを備えた冷却装置において、前記冷却部材の温度を検知する温度検知手段と、前記冷却部材の周囲雰囲気の温度及び湿度を検知する温湿度検知手段と、前記周囲雰囲気の湿度が、前記冷却部材により前記周囲雰囲気が冷やされることで該冷却部材に結露が生じないような、該冷却部材の温度に応じた所定湿度以下となるように、前記温度検知手段と前記温湿度検知手段との検知結果に基づいて該周囲雰囲気を除湿する除湿手段とを備える。
特開2014−035523号公報
この発明は、カール矯正ベルトをカール矯正ロールに押圧させるように前記カール矯正ベルトを支持する支持部材の少なくとも一部が、熱伝導率が15(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂から構成しない場合に比較して、記録媒体の冷却効率を向上させることを目的とする。
請求項1に記載された発明は、画像が加熱定着された記録媒体の画像面側に配置される無端状のカール矯正ベルトと、
前記カール矯正ベルトとの間にカール矯正部を形成するように接触するカール矯正ロールと、
前記カール矯正ベルトを前記カール矯正ロールに押圧させるように前記カール矯正ベルトを支持する部材であって、少なくとも一部が、熱伝導率が15(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂からな支持部材と、
を備えるカール矯正装置である。
請求項2に記載された発明は、記録媒体上にトナー像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって記録媒体上に形成されたトナー像を加熱して定着する定着手段と、
前記定着手段によって定着された記録媒体のカールを矯正する請求項1に記載のカール矯正装置と、
を備えた画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、カール矯正ベルトをカール矯正ロールに押圧させるように前記カール矯正ベルトを支持する支持部材の少なくとも一部が、熱伝導率が15(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂から構成しない場合に比較して、記録媒体の冷却効率を向上させることができる。
請求項2に記載された発明によれば、請求項1に記載されたカール矯正装置を備えない場合に比較して、記録媒体の冷却効率を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係るカール矯正装置を適用した画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係るカール矯正装置を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係るカール矯正装置を示す斜視構成図である。 この発明の実施の形態1に係るカール矯正装置を示す斜視構成図である。 この発明の実施の形態1に係るカール矯正装置を示す斜視構成図である。 実験例の結果を示すグラフである。 実験例の結果を示すグラフである。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1はこの発明の実施の形態1に係るカール矯正装置を適用した画像形成装置の全体の概要を示す構成図である。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40と、カール矯正装置60等を備えている。複数の作像装置10及び中間転写装置20は、記録用紙5に画像を形成する画像形成手段の一例としての画像形成部6を構成している。なお、図中の1aは画像形成装置1の本体を示し、この本体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、本体1aの内部空間において傾斜した状態で1列に並べた状態となるよう配置されている。
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15(Y,M,C,K)と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16(Y,M,C,K)等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するように支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成される光を、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなるものである。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、開口部と現像剤の収容室が形成された筐体の内部に、現像剤を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロールと、現像剤を攪拌しながら現像ロールを通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材と、現像ロールに保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材などを配置して構成したものである。この現像装置14には、その現像ロールと感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロールや攪拌搬送部材は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、一部が開口する容器状の本体と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板と、清掃板で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材等で構成されている。清掃板としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するように配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜24と、ベルト支持ロール23に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写部材の一例としての二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置25とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は二次転写のバックアップロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成されている。
二次転写装置30は、中間転写装置20におけるベルト支持ロール23に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。また、二次転写装置30又は中間転写装置20の支持ロール23には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
ベルト清掃装置25は、二次転写後の中間転写ベルト21の周面に付着した残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する。
定着装置40は、表面温度が所要の温度に保持されるように加熱される加熱ロール41と、この加熱ロール41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転する加圧部材の一例としての無端ベルト状の加圧ベルト42を配置して構成されたものである。この定着装置40では、定着ロール41と加圧ベルト42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部になる。定着装置40の構成については後に詳述する。
また、定着装置40の鉛直方向に沿った上方には、定着装置40によってトナー像が定着された記録用紙5のカールを矯正する本実施の形態に係るカール矯正装置60が配置されている。カール矯正装置60は、無端状のカール矯正ベルト61とカール矯正ロール62を互いに接触(圧接)させて構成されている。カール矯正装置60の構成についても後に詳述する。
給紙装置50は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の作像装置10(Y,M,C,K)の下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52,53とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録媒体5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども使用することができる。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数(又は複数)の用紙搬送ロール対54,55や図示しない搬送ガイド等で構成される給紙搬送路56が設けられている。用紙搬送ロール対54は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、画像形成装置本体1aに形成される用紙の排出口には、定着装置40から送り出される定着後の記録用紙5を本体1aの上部に設けられた用紙排出部57に用紙排出ロール対58により排出するための湾曲した第1の排出用搬送路59と、記録用紙5を図示しない後処理装置に排出するための用紙搬送ロール対70を有する第2の排出用搬送路71とが設けられている。
また、定着装置40と用紙排出ロール対58との間には、用紙搬送路を切り替える第1の切替ゲート72及び第2の切替ゲート72aを備えている。用紙排出ロール対58は、その回転方向が正転方向(排出方向)と逆転方向に切り替え可能となっている。記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、片面に画像が形成された記録用紙5の後端が第1の切替ゲート72を通過した後、用紙排出ロール対58の回転方向を正転方向(排出方向)から逆転方向に切り替える。用紙排出ロール対58によって逆転方向に搬送される記録用紙5は、第1の切替ゲート72によって搬送経路が切り替えられ、略鉛直方向に沿うように配置された両面用搬送手段の一例としての両面用搬送装置73へと搬送される。両面用搬送装置73は、表裏を反転させた状態で記録用紙5を用紙搬送ロール対55へと搬送する用紙搬送ロール対74と、図示しない搬送ガイド等から構成される両面用搬送経路75等を備えている。なお、第2の排出用搬送路71へ記録用紙5を搬送する場合には、第2の切替ゲート72aによって搬送経路が切り替えられる。
尚、図1中、符号76は図示しないフェイスアップトレイへ記録用紙5を排出する用紙排出ロール対を示している。
また、図1中符号145(Y,M,C,K)は、紙面に直交する方向に沿って複数配列され、対応する現像装置14(Y,M,C,K)に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤収容容器の一例としてのトナーカートリッジをそれぞれ示している。さらに、符号146(Y,M,C,K)は対応する現像装置14(Y,M,C,K)にトナーを供給するトナー供給装置をそれぞれ示している。
<定着装置の構成>
図2は上記の如く構成される画像形成装置1に使用される定着装置40を示す断面構成図である。
定着装置40は、図2に示されるように、記録用紙5上の未定着トナー像Tを加熱することにより定着する加熱用回転体の一例としての加熱ロール41と、記録用紙5を加熱ロール41に加圧する加圧用回転体の一例としての無端ベルト状の加圧ベルト42と、加圧ベルト42を内周から加熱ロール41に向けて押圧する押圧部材43と、加熱ロール41の内部に配置され、加熱ロール41を加熱するハロゲンヒータ等からなる複数(又は単数)の加熱源44とを備えている。この定着装置40では、加熱ロール41と加圧ベルト42が接触(圧接)する接触部が記録用紙5を加熱並びに加圧する定着処理を行う定着処理部(ニップ部)Nとなる。
加熱ロール41は、ステンレスやアルミニウム、あるいは鋼鉄等の金属によって円筒形状に形成された芯金部材411と、当該芯金部材411の表面に予め定められた厚さ(例えば、5mm程度)に被覆されたシリコーンゴム等からなる耐熱性を有する弾性体層412と、当該弾性体層412の表面に例えば50μm程度の厚さに被覆されたPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)製チューブ等の離型性に優れた材料からなる離型層413とを備えるように構成されている。加熱ロール41は、例えば、外径が30mm程度の中空の円筒形状に形成されている。また、加熱ロール41の軸線方向(長手方向)の長さは、記録用紙5の最大幅より大きく、例えば、320mmである。加熱ロール41は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って回転駆動される。
加圧ベルト42は、その内部に配設された押圧部材43によって、加熱ロール41の表面に所定の圧接力で押圧されている。押圧部材43は、加圧ベルト42を介して加熱ロール41の表面に圧接する押圧パッド431と、押圧パッド431を保持する保持部材432と、保持部材432を支持する支持部材433と、押圧パッド431を加熱ロール41に圧接するコイルスプリング434とを備えている。また、押圧パッド431の表面は、加圧ベルト42との摺動抵抗を低減するために、図示しないシート状の低摩擦部材によって覆われているとともに、加圧ベルト42の内面には、液状潤滑剤供給部材としてのフェルト部材435が配設されている。
加圧ベルト42は、ポリイミド等の合成樹脂によって、外径が30mm、肉厚が75μmの無端ベルト状に形成されており、必要に応じて、表面にPFA等からなる離型層が設けられる。なお、図2中、符号45は加熱ロール41の表面温度を検知する温度センサを示している。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成する動作について説明する。
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロールからそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印で示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路56に送り出す。給紙搬送路56では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対55が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置30の二次転写ロールが、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置25が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写装置30から剥離された後に定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する定着ベルト41と加圧ロール42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、後述するように、カール矯正装置60によりカールが矯正された後、その片面への画像の形成を行うだけの画像形成動作のときは、用紙排出ロール対58により、例えば、本体1aの上部に設置された用紙排出部57に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
<カール矯正装置の構成>
図3はこの実施の形態1に係るカール矯正装置を示す構成図である。
カール矯正装置60は、図3に示されるように、記録用紙5の定着済のトナー像(画像)T側に配置され、無端ベルト状に形成されたカール矯正ベルト61と、記録用紙5の非画像面側に配置されたカール矯正ロール62と、カール矯正ベルト61を内周からカール矯正ロール62に向けて押圧する押圧部材63とを備えている。このカール矯正装置60では、カール矯正ベルト61とカール矯正ロール62が接触(圧接)する接触部が記録用紙5のカールを矯正するカール矯正部Cとなる。
カール矯正装置60は、無端ベルト状部材としてのカール矯正ベルト61とロール状部材としてのカール矯正ロール62の配置が、定着装置40と逆の関係となるように配置されている。すなわち、カール矯正装置60は、記録用紙5のトナー像T側にカール矯正ベルト61が配置され、記録用紙5の非画像面側にカール矯正ロール62が配置されている。
このようにカール矯正装置60を構成することにより、定着装置40の構成上及び記録用紙5の材質、更には記録用紙5上のトナー像Tなどの関係から、定着装置40の加熱ロール41側に凹形状に変形するカール(ここでは便宜上「アッパーカール」と称する)と、定着装置40の加圧ベルト42側に凹形状に変形するカール(ここでは便宜上「ダウンカール」と称する)の双方が矯正される。
更に説明すると、トナー像T側に加熱ロール41が配置され、非画像面側に加圧ベルト42が配置される定着装置40を通過する際に、加熱ロール41側に凹形状に変形するアッパーカールを生じる記録用紙5は、トナー像T側にカール矯正ベルト61が配置され、非画像面側にカール矯正ロール62が配置されるカール矯正装置60を通過する際に、カール矯正ロール62側に凹形状に変形するダウンカールを生じる傾向がある。そのため、記録用紙5は、定着装置40によって加熱加圧処理を受ける際に生じるアッパーカールが、定着装置40に隣接して配置されたカール矯正装置60を通過する際に生じるダウンカールによって相殺され、記録用紙5に生じたカールが矯正される。
カール矯正ベルト61は、可撓性を有する薄いシート状の部材からなり、カール矯正ロール62に圧接されて変形する前の断面形状が、外径20〜50mm程度の薄肉円筒状に形成されている。この実施の形態では、カール矯正ベルト62の外径が加熱ロール41の外径と同じ30mm程度に設定されている。また、カール矯正ベルト61は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂であるポリイミド樹脂などからなる。
カール矯正ベルト61は、ポリイミド樹脂等からなる基材層のみからなる単層に構成しても良いが、その表面にPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等からなる表面離型層を設けることが望ましい。
また、カール矯正ベルト61は、その内部に配設された押圧部材63によって、カール矯正ロール62の表面に所定の圧接力で押圧されている。押圧部材63は、カール矯正ベルト61を介してカール矯正ロール62の表面に圧接する押圧パッド631と、押圧パッド631を保持する保持部材632と、保持部材632を支持する支持部材633,634を備えている。保持部材632は、カール矯正部Cのカール矯正ベルト61の回転方向に沿った上流側においてカール矯正ベルト61と直接接触するように配置されている。また、支持部材633,634は、保持部材632を介して間接的にカール矯正ベルト61と接触している。押圧パッド631の表面は、必要に応じてカール矯正ベルト61との摺動抵抗を低減するために、図示しないシート状の低摩擦部材によって覆われているとともに、カール矯正ベルト61の内面には、液状潤滑剤供給部材としての図示しないフェルト部材が配設されている。
押圧パッド631は、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体で構成される。但し、押圧パッド631を構成する材料としては、これに限らず、耐熱性を有するとともに、熱伝導性が小さい合成樹脂材料である、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、PES樹脂(ポリエーテルサルフォン)、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマ)など、耐熱性の樹脂を用いても良い。なお、この実施の形態では、押圧パッド631の材料として、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体を用いている。
一方、保持部材632及び支持部材633,634の少なくとも一方、この実施の形態では保持部材632及び支持部材633,634の双方が、熱伝導率が1(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂によって形成されている。この保持部材632及び支持部材633,634を構成する熱伝導率が1(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂としては、例えば、デュポン社製の熱伝導性剛性樹脂であるクラスティン(登録商標):FR1330TC BK350やクラスティン(登録商標):FR2000TC WT001、あるいはザイテル(登録商標):HTN FR−TCなどを用いることができる。
デュポン社製の熱伝導性剛性樹脂であるクラスティン(登録商標):FR1330TC BK350は、非絶縁系熱伝導性樹脂であり、難燃性及び高靱性を有し、射出成形に適している。このクラスティン(登録商標):FR1330TC BK350は、熱伝導率が15W/mKと非常に高い熱伝導性を有している。
また、デュポン社製の熱伝導性剛性樹脂であるクラスティン(登録商標):FR2000TC WT001は、絶縁系熱伝導性樹脂であり、難燃性、高靱性及びWeld強度強化性を有し、射出成形に適している。このクラスティン(登録商標):FR2000TC WT001は、熱伝導率が3W/mKとFR1330TC BK350と比較して相対的に低いものの、熱伝導率が1W/mKであるガラスと比較して高い熱伝導性を有している。
さらに、デュポン社製の熱伝導性剛性樹脂であるザイテル(登録商標):HTN FR−TCは、絶縁系熱伝導性高耐熱ナイロン樹脂であり、押し出し成形や射出成形に適している。このザイテル(登録商標):HTN FR−TCの熱伝導率は、クラスティン(登録商標):FR2000TC WT001と同程度の3W/mKである。
この実施の形態では、保持部材632及び支持部材633,634をデュポン社製の熱伝導性剛性樹脂であるクラスティン(登録商標):FR1330TC BK350により形成している。
また、支持部材633,634は、図3に示されるように、その内部を空気が流れるように間隙Gを有している。
カール矯正ロール62は、ステンレスやアルミニウム、あるいは鋼鉄等の金属によって円柱形状又は円筒形状に形成された芯金部材621と、当該芯金部材621の表面に予め定められた厚さ(例えば、5mm程度)に被覆されたシリコーンゴム等からなる耐熱性を有する弾性体層622と、当該弾性体層622の表面に例えば50μm程度の厚さに被覆されたPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)製チューブ等の離型性に優れた材料からなる離型層623とを備えるように構成されている。カール矯正ロール62は、例えば、外径が30mm程度の中実の円柱形状に形成されている。また、カール矯正ロール62の軸線方向(長手方向)の長さは、記録用紙5の最大幅より大きく、例えば、320mmである。カール矯正ロール62は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って回転駆動される。
さらに、カール矯正装置60は、図4に示されるように、カール矯正ベルト61を強制的に冷却するため、カール矯正ベルト61の長手方向に沿って送風手段の一例としての複数の送風ファン64を備えている。また、カール矯正装置60は、図3に示されるように、複数の送風ファン64からの空気流(エアーフロー)をカール矯正ベルト61の周方向に案内するガイド部材65,66を有している。ガイド部材65,66は、カール矯正ベルト61の上下に配置され、送風ファン64側に吸気口67を備えているとともに、カール矯正ベルト61の外周を略半周にわたって覆うように配置されている。
さらに、カール矯正装置60は、図5に示されるように、複数の送風ファン64からのエアーフローをカール矯正ベルト62の長手方向に沿った一端部から当該カール矯正ベルト62の内部へと導くダクト68を備えている。カール矯正ベルト61の長手方向に沿った他方の端部から排出される加熱されたエアーフローは、図6に示されるように、定着装置40の周囲の空気を機外に排出する排気ダクト69によって排気されるよう構成されている。排気ダクト69は、画像形成装置本体1aの背面側に配置されており、画像形成動作の開始とともに図示しない排気ファンが駆動される。
<カール矯正装置の動作>
この実施の形態に係るカール矯正装置60では、次のようにして記録用紙5のカールが矯正されるとともに、定着装置40により加熱された記録用紙5が冷却される。
定着装置40によってトナー像が定着された記録用紙5は、図1に示されるように、画像形成装置本体1aの内部を鉛直方向に沿った上方に向けて搬送され、カール矯正装置60へと導入される。
カール矯正装置60では、図3に示されるように、定着装置40と異なり、記録用紙5のトナー像T側にカール矯正ベルト61が配置され、記録用紙5の非画像側にカール矯正ロール62が配置されている。
そのため、定着装置40の構成上及び記録用紙5の材質、更には記録用紙5上のトナー像Tの状態などの関係から、定着装置40を通過した後にアッパーカールが生じた記録用紙5は、カール矯正装置60を通過する際にダウンカールを生じる傾向がある。その結果、カール矯正装置60を通過した記録用紙5は、定着装置40で生したアッパーカールと、カール矯正装置60で生じるダウンカールが相殺され、カールが矯正される。
一方、定着装置40を通過した後にダウンカールが生じた記録用紙5は、カール矯正装置60を通過する際にアッパーカールを生じる傾向がある。その結果、カール矯正装置60を通過した記録用紙5は、定着装置40で生したダウンカールと、カール矯正装置60で生じるアッパーカールが相殺され、やはりカールが矯正されたものとなる。
さらに、定着装置40を通過した際に加熱された記録用紙5は、カール矯正装置60を通過する際に複数の送風ファン64からのエアーフローにより強制的に冷却される。しかも、カール矯正ベルト61を支持する保持部材632及び支持部材633,634は、熱伝導率が1(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂から構成されているため、カール矯正ベルト61の熱をカール矯正ベルト61と直接接触する保持部材632及びカール矯正ベルト61と保持部材632を介して間接的に接触する支持部材633,634側に逃がすことができ、記録用紙5が効果的に冷却される。また、熱伝導性合成樹脂は、金属部材に比較して熱放射率が高く、熱伝導性と熱放射率の双方を兼ね備えている。そのため、熱伝導性合成樹脂からなる保持部材632及び支持部材633,634は、カール矯正ベルト61の熱を効率良く伝達し且つ放出して、カール矯正ベルト61を効率良く冷却することができる。
実験例
本発明者らは、上記実施の形態に係る図3に示されるようなカール矯正装置60を試作し、本実施の形態に係るカール矯正装置60の効果を確認する実験を行った。
図7は本実施の形態に係るカール矯正装置60を使用した場合と使用しない場合とで、定着後の記録用紙5に生じるカール量をアッパーカールとダウンカールの双方で測定したものである。
この図から明らかなように、本実施の形態に係るカール矯正装置60を使用した場合には、アッパーカールとダウンカールの双方を大幅に低減することができることが判る。
また、図8は本実施の形態に係るカール矯正装置60の冷却効果を確認するため、定着装置40を通過後の定着後の記録用紙5と、カール矯正装置60を通過した後の記録用紙5の温度を測定したものである。
図8から明らかなように、本実施の形態に係るカール矯正装置60を使用した場合には、記録用紙5の坪量が104gms、256gmsのいずれにおいても、カール矯正装置60を通過した後の記録用紙5の温度を目標とする80℃以下に抑えることができ、記録用紙5の坪量が157gmsである場合においても、カール矯正装置60を通過した後の記録用紙5の温度を効果的に低下させることができることが判る。
1…画像形成装置
1a…画像形成装置本体
60…カール矯正装置
61…カール矯正ベルト
62…カール矯正ロール

Claims (2)

  1. 画像が加熱定着された記録媒体の画像面側に配置される無端状のカール矯正ベルトと、
    前記カール矯正ベルトとの間にカール矯正部を形成するように接触するカール矯正ロールと、
    前記カール矯正ベルトを前記カール矯正ロールに押圧させるように前記カール矯正ベルトを支持する部材であって、少なくとも一部が、熱伝導率が15(W/mK)以上である熱伝導性合成樹脂からな支持部材と、
    を備えるカール矯正装置。
  2. 記録媒体上にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によって記録媒体上に形成されたトナー像を加熱して定着する定着手段と、
    前記定着手段によって定着された記録媒体のカールを矯正する請求項1に記載のカール矯正装置と、
    を備えた画像形成装置。
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