以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る湾曲矯正装置及び定着装置を適用した画像形成装置を示すものである。図1は画像形成装置の全体の概要を示し、図2は画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えば電子写真方式を採用したフルカラーの画像形成装置として構成されたものである。この画像形成装置1は、装置本体1aの上部に図示しない原稿を自動的に読取位置へと搬送する自動原稿搬送装置2と、原稿載置ガラス4上において図示しない原稿の画像を読み取る画像読取装置3を備える。
画像読取装置3は、自動原稿搬送装置2によって原稿載置ガラス4の読取位置を通過するよう搬送される図示しない原稿の画像、或いは原稿載置ガラス4上に載置される図示しない原稿の画像を光源6によって照明しつつ、原稿からの反射光像をフルレートミラー7a及びハーフレートミラー7bを介して結像レンズ8によって画像読取素子9上に結像することにより、図示しない原稿の画像を読み取るよう構成されている。
画像形成装置1は、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する画像形成部の一例としての複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置30と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着部材の一例としての定着装置40と、定着装置40で定着処理が施された記録用紙5の湾曲(カール)を矯正する湾曲矯正部材の一例としてのカール矯正装置60等を備えている。この実施の形態においては、定着装置40とカール矯正装置60の双方を含めて広義の定着装置と称する場合がある。なお、図中の一点鎖線は、画像形成装置1の内部において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、イエロー(Y)の作像装置10Yが装置本体1aの右側において相対的に上方に、ブラック(K)の作像装置10Kが装置本体1aの左側において相対的に下方に位置するよう傾斜した状態で配置されている。
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えている。この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12は、その表面を清掃する清掃ロール121を有している。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、図2に示されるように、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像バイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、図2に示されるように、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写体の一例としての中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜25と、ベルト支持ロール22に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写装置26と、二次転写装置26を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置27とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は二次転写の背面支持ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21の画像形成面を形成する面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール25は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成される。
二次転写装置26は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール22に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール26又は中間転写装置20のベルト支持ロール22には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として図示しない電源装置から供給される。
ベルト清掃装置27は、図1に示されるように、一部が開口する容器状の本体270と、二次転写後の中間転写ベルト21の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板271と、清掃板271で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収装置に送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材272等で構成されている。清掃板271としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された図示しない筐体の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するベルト形態又はロール形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。なお、定着装置40の構成については、後に詳述する。
カール矯正装置60は、定着装置40から排出された記録用紙5を当該定着装置40の加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部の圧接方向と逆方向に湾曲させた状態で搬送するベルト形態又はロール形態の第1の矯正用回転体61と、この第1の矯正用回転体61の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の第2の矯正用回転体62などを配置して構成されたものである。第1の矯正用回転体61と第2の矯正用回転体62が圧接する圧接部がカール矯正部となる。なお、カール矯正装置60の構成については、後に詳述する。
給紙装置30は、作像装置10(Y,M,C,K)の鉛直方向に沿った下方側の位置に存在するよう配置される。この給紙装置30は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する複数(又は単数)の用紙収容体31と、用紙収容体31から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置32とで主に構成される。用紙収容体31は、例えば、図示しないガイドレールによって装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
給紙装置30と二次転写装置26との間には、図1に示されるように、給紙装置30から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する複数(又は単数)の用紙搬送ロール対33,33aや図示しない搬送ガイドで構成される給紙搬送路34が、装置本体1aの左側面に鉛直方向に沿って設けられている。給紙搬送路34において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対33は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置26から定着装置40にまでわたる領域には、二次転写装置26から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40へと搬送するための第1の搬送路の一例としての第1の用紙搬送路35が設けられている。第1の用紙搬送路35は、第1の搬送方向である鉛直方向に沿って配置されている。
また、定着装置40とカール矯正装置60との間には、定着装置40によって定着された記録用紙5の搬送方向を鉛直方向上方から変更して第2の搬送方向である略水平方向或いは水平方向よりやや斜め上方に搬送するための第2の搬送路の一例としての第2の用紙搬送路36が設けられている。第2の用紙搬送路36の中間には、記録用紙5の搬送方向を変更して第2の搬送方向である略水平方向或いは水平方向よりやや斜め上方に搬送する搬送方向変更部材の一例としての搬送ロール37または図示しないガイド部材が配置されている。
また、カール矯正装置60は、第2の用紙搬送路36のうち、略水平方向或いは水平方向よりやや斜め上方に搬送方向を変更した当該第2の用紙搬送路36の領域36aに配置されている。カール矯正装置60の側方には、当該カール矯正装置60によりカールが矯正された記録用紙5を装置本体1aの上部(上端面)に設けられた用紙排出部38に排出するための用紙排出ロール対39を備えた排出搬送路39aが設けられている。排出搬送路39aは、第2の用紙搬送路36の領域36aとともに略水平方向或いは水平方向よりやや斜め上方に沿って配置されている。
図1中、符号145(Y,M,C,K)は、紙面に直交する方向に延びる円筒形状に形成され、水平方向に沿って配列されて対応する現像装置14(Y,M,C,K)に供給する少なくともトナーを含む現像剤を収容した現像剤容器の一例としてのトナーカートリッジをそれぞれ示している。
各トナーカートリッジ145(Y,M,C,K)の下方には、当該トナーカートリッジ145(Y,M,C,K)から供給されるトナーを対応する現像装置14(Y,M,C,K)へそれぞれ搬送するトナー搬送装置146(Y,M,C,K)が設けられている。
また、図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。
さらに、図1中符号70は作像装置10を構成する感光体ドラム11、帯電装置12及びドラム清掃装置16を備えた感光体ユニット、あるいは現像装置14を構成する現像ユニット、更には露光装置13を構成する露光ユニットを装置本体1aに対して着脱する際に案内する案内部材を示している。案内部材70は、図2に示されるように、感光体ユニットの下端部に設けられたガイド部504を案内する凹部707や、現像ユニットに設けられた凸部153,154を案内する凹部713や段差部714を備える。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するフルカラーモードにおける動作を説明する。
画像形成装置1は、制御装置200によって制御され、画像読取装置3に装着された図示しない操作パネル、あるいは図示しないユーザインターフェイスやプリンタドライバ等からフルカラーの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置26、定着装置40、カール矯正装置60等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図1及び図2に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。各作像装置10(Y,M,C,K)の現像装置14には、トナーカートリッジ145(Y,M,C,K)からトナー搬送装置146(Y,M,C,K)によって適宜トナーが供給される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わされるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置30では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路34に送り出す。給紙搬送路34では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対33が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置26が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置27が二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21から剥離された後に第1の用紙搬送路35を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱用回転体41と加圧用回転体42との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)を施して未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、第2の用紙搬送路36に沿ってカール矯正装置60へと搬送される。カール矯正装置60では、定着装置40とは逆方向の凹凸関係の接触部を形成する第1及び第2の矯正用回転体61,62との接触部を通過することにより、定着装置40で形成された記録用紙5のカールが矯正される。その後、カールが矯正された記録用紙5は、用紙排出ロール対39により装置本体1aの上部に設置された用紙排出部38に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。なお、画像形成装置1では、ブラック(K)の作像装置10Kのみを用いて記録用紙5にモノクロの画像を形成しても勿論よい。
<定着装置の構成>
図3は上記の如く構成される画像形成装置1に使用される定着装置40を示す断面構成図である。
定着装置40は、図3に示されるように、記録用紙5上の未定着トナー像Tを加熱することにより定着する加熱用回転体の一例としての加熱ロール41と、記録用紙5を加熱ロール41に加圧する加圧用回転体の一例としての無端ベルト状の加圧ベルト42と、加圧ベルト42を内周から加熱ロール41に向けて押圧する押圧部材430と、加熱ロール41の内部に配置され、加熱ロール41を加熱するハロゲンランプ等からなる複数(又は単数)の加熱源440とを備えている。この定着装置40では、加熱ロール41と加圧ベルト42が接触(圧接)する接触部が記録用紙5を加熱並びに加圧する定着処理を行う定着処理部(ニップ部)Nとなる。
加熱ロール41は、ステンレスやアルミニウム、あるいは鋼鉄等の金属によって円筒形状に形成された芯金部材411と、当該芯金部材411の表面に予め定められた厚さ(例えば、5mm程度)に被覆されたシリコーンゴム等からなる耐熱性を有する弾性体層412と、当該弾性体層412の表面に例えば50μm程度の厚さに被覆されたPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)製チューブ等の離型性に優れた材料からなる離型層413とを備えるように構成されている。加熱ロール41は、例えば、外径が30mm程度の中空の円筒形状に形成される。また、加熱ロール41の軸線方向(長手方向)の長さは、記録用紙5の最大幅より大きく、例えば、320mmである。加熱ロール41は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って回転駆動される。
加圧ベルト42は、その内部に配設された押圧部材430によって、加熱ロール41の表面に所定の圧接力で押圧される。押圧部材430は、加圧ベルト42を介して加熱ロール41の表面に圧接する押圧パッド431と、押圧パッド431を保持する保持部材432と、保持部材432を支持する支持部材433と、押圧パッド431を加熱ロール41に圧接するコイルスプリング434とを備えている。また、押圧パッド431の表面は、加圧ベルト42との摺動抵抗を低減するために、図示しないシート状の低摩擦部材によって覆われている。加圧ベルト42の内面には、液状潤滑剤供給部材としてのフェルト部材435が配設されている。
加圧ベルト42は、ポリイミド等の合成樹脂によって、外径が30mm、肉厚が75μmの無端ベルト状に形成されており、必要に応じて、表面にPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)等からなる離型層が設けられる。なお、図3中、符号450は加熱ロール41の表面温度を検知する温度センサを示している。
<カール矯正装置の構成>
図4はこの実施の形態1に係る画像形成装置に使用されるカール矯正装置を示す構成図である。尚、カール矯正装置60は、定着装置40によって定着処理が施されることで湾曲した記録用紙5のカールを矯正する装置であって、定着装置40と密接な関係にある。この実施の形態では、定着装置40とカール矯正装置60の双方を含めて広義の定着装置と称する。
カール矯正装置60は、図4に示されるように、記録用紙5の加熱定着済のトナー像(画像)T側に配置され、無端ベルト状に形成された第1の矯正用回転体の一例としてのカール矯正ベルト61と、記録用紙5の非画像面側に配置された第2の矯正用回転体の一例としてのカール矯正ロール62と、カール矯正ベルト61を内周からカール矯正ロール62に向けて押圧する押圧部材63とを備える。このカール矯正装置60では、カール矯正ベルト61とカール矯正ロール62が接触(圧接)する接触部が記録用紙5のカールを矯正するカール矯正部Cとなる。
カール矯正装置60は、無端ベルト状部材としてのカール矯正ベルト61とロール状部材としてのカール矯正ロール62の配置が、定着装置40の加熱ロール41と加圧ベルト42と逆の位置関係となるように構成されている。すなわち、カール矯正装置60は、記録用紙5の定着処理されたトナー像T側にカール矯正ベルト61が配置され、記録用紙5の非画像面側にカール矯正ロール62が配置されている。
このように、カール矯正装置60を構成することにより、定着装置40の構成上及び記録用紙5の材質、更には記録用紙5上のトナー像Tなどの関係から、定着装置40の加熱ロール41側に凹形状に変形するカール(ここでは便宜上「イメージカール」と称する)と、定着装置40の加圧ベルト42側に凹形状に変形するカール(ここでは便宜上「反イメージカール」と称する)の双方が矯正される。
更に説明すると、トナー像T側に加熱ロール41が配置され、非画像面側に加圧ベルト42が配置される定着装置40を通過する際に、普通紙などからなる記録用紙5は、加熱ロール41側に凹形状に変形するイメージカールを生じる傾向がある。一方、普通紙などからなる記録用紙5は、トナー像T側にカール矯正ベルト61が配置され、非画像面側にカール矯正ロール62が配置されるカール矯正装置60を通過する際に、カール矯正ロール62側に凹形状に変形する反イメージカールを生じる傾向がある。そのため、記録用紙5は、定着装置40によって加熱加圧処理を受ける際に生じるイメージカールが、カール矯正装置60を通過する際に生じる反イメージカールによって相殺されるように作用し、記録用紙5に生じたカールが矯正される。
一方、加圧ベルト42側に凹形状に変形する反イメージカールを生じる厚紙などからなる記録用紙5は、トナー像T側にカール矯正ベルト61が配置され、非画像面側にカール矯正ロール62が配置されるカール矯正装置60を通過する際に、カール矯正ベルト61側に凹形状に変形するイメージカールを生じる傾向がある。そのため、記録用紙5は、定着装置40によって加熱加圧処理を受ける際に生じる反イメージカールが、カール矯正装置60を通過する際に生じるイメージカールによって相殺されるように作用し、記録用紙5に生じたカールが矯正される。
カール矯正ベルト61は、可撓性を有する薄いシート状の部材からなり、カール矯正ロール62に圧接されて変形する前の断面形状が、外径20〜50mm程度の薄肉円筒状に形成されている。この実施の形態では、カール矯正ベルト61の外径が加熱ロール41の外径と同じ30mm程度に設定されている。また、カール矯正ベルト61は、例えば、耐熱性の高い合成樹脂であるポリイミド樹脂などからなる。
カール矯正ベルト61は、ポリイミド樹脂等からなる基材層のみからなる単層に構成しても良いが、その表面にPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等からなる表面離型層を設けることが望ましい。
また、カール矯正ベルト61は、その内部に配設された押圧部材63によって、カール矯正ロール62の表面に所定の圧接力で押圧されている。押圧部材63は、カール矯正ベルト61を介してカール矯正ロール62の表面に圧接する押圧パッド631と、押圧パッド631を保持する保持部材632と、保持部材632を支持する支持部材633を備えている。また、押圧パッド631の表面は、必要に応じてカール矯正ベルト61との摺動抵抗を低減するために、図示しないシート状の低摩擦部材によって覆われている。カール矯正ベルト61の内面には、液状潤滑剤供給部材としての図示しないフェルト部材が配設されている。
押圧パッド631は、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体で構成される。但し、押圧パッド631を構成する材料としては、これに限らず、耐熱性を有するとともに、熱伝導性が小さい合成樹脂材料である、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、PES樹脂(ポリエーテルサルフォン)、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)、LCP(液晶ポリマ)など、耐熱性の樹脂を用いても良い。なお、この実施の形態では、押圧パッド631の材料として、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体を用いている。
カール矯正ロール62は、ステンレスやアルミニウム、あるいは鋼鉄等の金属によって円柱形状や円筒形状に形成された芯金部材621と、当該芯金部材621の表面に予め定められた厚さに被覆された発泡ウレタンやシリコーンゴム等からなる耐熱性を有する弾性体層622と、当該弾性体層622の表面に例えば50μm程度の厚さに被覆されたPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)製チューブ等の離型性に優れた材料からなる離型層623とを備えるように構成されている。カール矯正ロール62は、例えば、外径が30mm程度の円柱形状に形成されている。また、カール矯正ロール62の軸線方向(長手方向)の長さは、記録用紙5の最大幅より大きく、例えば、320mmである。カール矯正ロール62は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って回転駆動される。
<画像形成装置の特徴部分の構成>
図5はこの実施の形態1に係る画像形成装置の広義の定着装置を示す構成図である。
この実施の形態1に係る画像形成装置1の広義の定着装置は、定着装置40とカール矯正装置60を有する。画像形成装置1は、図1及び図5に示されるように、定着装置40によって定着処理を受けた後の記録用紙5の搬送方向を変更する搬送方向変更部材の一例としての搬送ロール37を備えている。搬送ロール37は、搬送ガイド37a,37bとともに、定着装置40によって第1の搬送方向である鉛直方向の上方に向けて搬送される記録用紙5の搬送方向を第2の搬送方向である略水平方向或いは水平方向よりやや斜め上方へと変更するように配置されている。
そして、カール矯正装置60は、搬送ロール37の記録用紙5の搬送方向に沿った下流側であって、搬送ロール37によって記録用紙5の搬送方向が略水平方向或いは水平方向よりやや斜め上方へと変更された第2の用紙搬送路36の領域36aに配置されている。
第1の用紙搬送路35から第2の用紙搬送路36の領域36aに至る搬送経路の曲率を検証すると、図6に示されるように、第2の用紙搬送路36の曲率が正の方向(時計回り方向)に増大して最大値を通過した後に、第2の用紙搬送路36の領域36aに至り曲率が徐々に減少してゼロに戻るように変化することが判る。
このように曲率が変化する第2の用紙搬送路36において、カール矯正装置60は、第2の用紙搬送路36の曲率が最大値を示す位置よりも搬送方向に沿った下流側の領域36aに配置されている。
カール矯正装置60による記録用紙5の搬送速度が定着装置40の搬送速度よりも速い速度に設定されている場合には、記録用紙5上に定着された画像の損傷を防止するため、カール矯正装置60と定着装置40との間に搬送ロール37を配置することが望ましい。このとき、搬送ロール37による記録用紙5の搬送速度は、例えば、定着装置40の記録用紙5の搬送速度よりも遅い速度、例えばカール矯正装置60と等しい搬送速度に設定される。
一方、カール矯正装置60による記録用紙5の搬送速度が定着装置40よりも遅い速度に設定されている場合には、搬送ロール37は必ずしも必要ではなく、搬送ガイド37a,37bによってカール矯正装置60と定着装置40との間に記録用紙5のループを形成するように構成すれば良い。この場合、搬送ロール37による記録用紙5の搬送速度は、例えば、定着装置40の記録用紙5の搬送速度よりも遅い速度に設定される。
<画像形成装置の特徴部分の作用>
この実施の形態1に係る画像形成装置1では、次のようにして定着排出後の記録用紙の搬送経路が曲げられることで記録用紙に新たにカールが発生することが防止乃至抑制される。
すなわち、画像形成装置1では、図1及び図5に示されるように、定着装置40によってトナー像が定着された記録用紙5が、搬送ロール37及び搬送ガイド37a,37bによって搬送方向が変更された後、カール矯正装置60によって記録用紙5に生じたカールが矯正される。そのため、カール矯正装置60によってカールが矯正された記録用紙5は、搬送方向が変更される部位を通過することがないので、記録用紙5に新たにカールが発生することが防止乃至抑制される。
なお、第2の用紙搬送路36の領域36aは、図中時計回り方向に湾曲しているため、定着装置40によって記録用紙5にイメージカールが生じた場合、当該記録用紙5のイメージカールを強める傾向にある。そのため、カール矯正装置60においては、イメージカールを補正する能力を反イメージカールの補正能力に比較して高めるように、カール矯正ベルト61とカール矯正ロール62との押圧力を相対的に高く設定することが望ましい。
これに対して、従来の画像形成装置1の場合には、図7に示されるように、カール矯正装置60が定着装置40による記録用紙5の搬送方向と同一の方向に沿って配置されている。カール矯正装置60の記録用紙5の搬送方向に沿った下流側には、記録用紙5の搬送方向を変更する搬送ガイド37aが配置されている。記録用紙5は、定着装置40によってトナー像が定着された後、カール矯正装置60によってカールが矯正される。その後、記録用紙5は、搬送ガイド37aによって搬送方向が変更された後、用紙排出ロール対39によって図示しない排出収容部38に排出される。そのため、カール矯正装置60によってカールが矯正された記録用紙5は、搬送ガイド37aによって搬送方向が変更されることで新たにカールが発生し、カールを十分矯正することができないという技術的課題を有している。
図8は、カール矯正装置60を通過した記録用紙5が用紙排出ロール対39に至るまでの曲率の変化を示したグラフである。
図8から明らかなように、カール矯正装置60によってカールが矯正された記録用紙5は、第2の用紙搬送路36の曲率が最大値となる領域を通過することで新たにカールが発生することとなる。
[実施の形態2]
図9はこの発明の実施の形態2に係る湾曲矯正装置及び定着装置を適用した画像形成装置としてのモノクロの画像形成装置を示す概略構成図である。前記実施の形態1に係る画像形成装置と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2に係る画像形成装置1は、例えば電子写真方式を採用したモノクロのプリンタとして構成されたものである。また、画像形成装置1は、記録用紙5の両面に画像を形成可能に構成されている。画像形成装置1は、図9に示されるように、ブラック(K)のトナー像を専用に形成する単一の作像装置10を備えている。作像装置10でトナー像が形成された記録用紙5は、第1の用紙搬送路35を介して定着装置40へと搬送される。
定着装置40によってトナー像が定着された記録用紙5は、用紙排出ロール対39によって用紙排出部38に排出される。記録用紙5の両面に画像を形成する場合、用紙排出ロール対39は、片面に画像が形成された記録用紙5を、当該用紙排出ロール対39によって用紙排出部38にそのまま排出せずに、用紙排出ロール対39が記録用紙5の後端を挟持している間に回転方向が反転されるように構成されている。
定着装置40のニップ部の出口には、記録用紙5の搬送方向を排出用搬送路39aと両面用搬送路39bとに切り替える切替ゲート46が、支点47を中心にして回転可能に設けられている。用紙排出ロール対39は、回転方向が反転されることにより、記録用紙5の搬送方向を逆方向に切り替える。用紙排出ロール対39によって逆方向に搬送される記録用紙5は、後端が通過した後に元の位置に復帰した切替ゲート46の上部を通過して両面用搬送路39bへと導かれる。両面用搬送路39bへと導かれた記録用紙5は、鉛直方向に沿って配置された第2の両面用搬送路39cを介してレジストロールとして機能する用紙搬送ロール対33へと再度搬送されて、その裏面に画像が形成される。第2の両面用搬送路39cには、搬送ロール39dが設けられている。
定着装置40は、図10に示されるように、内部に加熱源440を有する加熱ロール41と、当該加熱ロール41に圧接する加圧ロール42とを備えている。また、加熱ロール41の排出部側には、剥離爪414が配設されている。定着装置40の筐体40aは、加熱ロール41と加圧ロール42の外周を覆う略直方体形状の箱体として構成されている。加熱ロール41と加圧ロール42が圧接するニップ部Nの入口側には、記録用紙5を導入する導入部415が設けられている。
加熱ロール41は、芯金部材411と、当該芯金部材411の表面に予め定められた厚さに被覆された耐熱性を有する弾性体層412と、当該弾性体層412の表面に被覆された離型層413とを備えるように構成されている。一方、加圧ロール42は、芯金部材421と、当該芯金部材421の表面に加熱ロール41の弾性体層412よりも厚く被覆された耐熱性を有する弾性体層422と、当該弾性体層422の表面に被覆された離型層423とを備えるように構成されている。
ニップ部Nの出口側には、記録用紙5の搬送経路を切り替える切替ゲート46が支点47を中心にして回転可能に配置されている。切替ゲート46は、合成樹脂等からなる成形品によって、排出用搬送路39aと両面用搬送路39bとを切り替える切替部461と、当該切替部461の基端部に交差するように設けられた作動アーム部462とから側面略L字形状に一体的に形成されている。なお、作動アーム部462は、切替ゲート46が回転することにより、検出装置48を遮光することで切替ゲート46の回転を検知するためのものである。
定着装置40によって定着処理を受けた記録用紙5は、切替ゲート46を通過する際に、当該切替ゲート46の切替部461に当接して搬送方向が第2の搬送方向である略水平方向又は水平方向に沿った斜め上方へと切り替えられる。切替ゲート46は、記録用紙5の搬送方向を変更する搬送方向変更部材として機能する。
定着装置40と用紙排出ロール対39との間には、定着装置40によって定着された記録用紙5の搬送方向を鉛直方向上方から変更して第2の搬送方向である略水平方向に搬送するための第2の搬送路の一例としての排出用搬送路39aが設けられている。
ところで、この実施の形態2では、図9及び図10に示されるように、用紙排出ロール対39の記録用紙5の搬送方向に沿った下流側にカール矯正装置60が設けられている。カール矯正装置60は、用紙排出ロール対39によって搬送される記録用紙5の搬送方向に沿った直線上に配置されている。
カール矯正装置60は、実施の形態1と異なり、定着装置40から排出された記録用紙5を当該定着装置40の加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部の圧接方向と逆方向に湾曲させた状態で搬送する発泡合成樹脂等を表面に被覆した芯金部材などからなる第1の矯正用回転体61と、この第1の矯正用回転体61の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して回転する金属ロール等からなる第2の矯正用回転体62などを配置して構成されたものである。第1の矯正用回転体61と第2の矯正用回転体62が圧接する圧接部がカール矯正部Cとなる。第2の矯正用回転体62は、図示しない駆動装置によって回転駆動される。カール矯正装置60は、正転方向及び逆転方向に駆動可能に構成されている。
この実施の形態2では、図10に示されるように、定着装置40によってトナー像が定着された記録用紙5が、用紙排出ロール対39によって排出収容部に排出される際に、用紙排出ロール対39の記録用紙5の搬送方向に沿った下流側に配置されたカール矯正装置60によってカールが矯正される。そのため、カール矯正装置60によってカールが矯正された記録用紙5は、そのまま用紙排出部38へと排出され、搬送方向が変更される部位を通過することがないので、記録用紙5に新たに湾曲が発生することが防止乃至抑制される。
[実施の形態3]
図11はこの実施の形態3に係る湾曲矯正装置及び定着装置を適用した画像形成装置としてのモノクロの画像形成装置の要部を示す概略構成図である。前記実施の形態1に係る画像形成装置と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
この実施の形態3では、実施の形態2と異なり、カール矯正装置60が用紙排出ロール対39の記録用紙5の搬送方向に沿った上流側に設けられている。また、カール矯正装置60は、切替ゲート46よりも記録用紙5の搬送方向に沿った下流側に設けられている。カール矯正装置60は、正転方向及び逆転方向に駆動可能に構成されている。
カール矯正装置60の構成にもよるが、当該カール矯正装置60を小型化することにより、用紙排出ロール対39の記録用紙5の搬送方向に沿った上流側に配置することが可能となる。
また、カール矯正装置60は、用紙排出ロール対39によって搬送方向が反転される記録用紙5の搬送の妨げとならない位置に配置される。具体的には、記録用紙5の両面に画像を形成する場合には、用紙排出ロール対39及びカール矯正装置60によって逆方向に記録用紙5が搬送され、カール矯正装置60によって逆方向に搬送される記録用紙5は、切替ゲート46の上部を通過するようにカール矯正装置60が配置されている。