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JP6407694B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体デバイス、フラットパネルディスプレイ用基板等の製造に用いられるプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスやフラットパネルディスプレイなどの製造工程では、所望のパターンを形成するために、プラズマChemical Vapor Deposition(CVD)やプラズマエッチング等の加工技術が用いられている。このようなプラズマ処理装置では、ウエハ等の被処理基板を処理室内に配置されたステージに設置し、例えば、Ar、O2、N2、CHF3、CH4、C58、C48、CF4、SF6、NF3、HBr、Cl2、BCl3等の処理ガスを処理室に供給する。
処理室内の圧力は、ターボ分子ポンプとドライポンプを組み合わせた排気手段と、例えばバタフライバルブ等の圧力調整手段によって所望の圧力に調整される。処理室が所望の圧力に到達した後、プラズマ生成用のソース高周波電力を印加して処理ガスをプラズマ化し、入射イオン制御用のバイアス高周波電力を被処理基板に印加することによって被処理基板に成膜やエッチングを行う。
プラズマエッチングでは、種類の異なる膜が積層された被処理基板を処理するため、膜種に応じたエッチング条件が必要となる。また、同じ膜種であっても、エッチング処理の初期と中盤と終盤でエッチング条件が異なる場合があり、例えば、エッチング処理の終盤では、エッチングしている膜の下層にある膜との選択比が必要になるため、下層の膜がエッチングされにくい条件に変更する場合がある。このように、1枚の被処理基板を処理するためのエッチング条件は複数のエッチングステップによって構成されている。
エッチング条件のパラメータの一例としては、ガス種、圧力、ソース高周波電力、バイアス高周波電力、ステージ温度を制御する冷媒温度やヒータ温度等がある。加工寸法の微細化によって、所望のエッチング形状を満たすことがますます厳しくなっている。これに対応するため、エッチングステップ毎にステージ温度を変更してウエハ温度を制御することでエッチング形状を制御する方法が提案されている。例えば、特許文献1に記載のように、ステージ内に形成したヒータや被処理基板とステージ表面の間に供給するHeガスの圧力によって、エッチング中やエッチング処理中断中にステージの内側と外側の温度を変更してウエハ温度を制御する方法がある。
一方、ステージ温度の変更に伴い、ウエハとステージに内蔵された電極との間の誘電体の電気抵抗値が変化することによって生じるウエハの吸着力の変化を抑制する方法が提案されている。例えば、特許文献2に記載のように、ウエハ吸着面との距離が異なる電極をステージ内部に配置して、ステージ温度によって吸着に用いる電極を選択する方法や、可変式直流電源により電極に印加する電圧を変更することによって、誘電体のウエハ吸着面とウエハとの間の電位差を制御しウエハの吸着力を一定にする方法が提案されている。
また、例えば、特許文献3に記載のように、残留吸着力を抑制するため、極性の異なる2つの電極の吸着面積比を1:1にすることで直流電圧の供給停止直前に誘電体膜の正電極側と負電極側の吸着部に蓄えられた電荷量を同一にする方法が提案されている。さらには、特許文献4に記載のように、誘電体に温度センサや電流モニタを備えることによって、誘電体の温度変化によって生じる抵抗率の変化を検知し、電極に印加する電圧を制御する方法が提案されている。
特開2010−187023号公報 特開平9−293775号公報 特開平10−150100号公報 特開平5−190653号公報
特許文献1に開示された、エッチング中やエッチング処理中断中にヒータやHeガスの圧力によってウエハ温度を制御してエッチング形状を制御する方法では、ステージ温度の変更によってシフトするウエハ電位について何ら考慮されていない。また、特許文献2〜4に開示された、電極に印加する直流電圧を調整することで、誘電体のウエハ吸着面とウエハとの間の電位差を制御する方法では、直流電圧の変更によってシフトするウエハ電位について何ら考慮されていない。さらに誘電体膜の正電極側と負電極側の吸着部に蓄えられた電荷量を同一にしても、量産ラインで使用されるような裏面にも薄膜が形成されたウエハに対して、ウエハ電位のシフトを抑制することにはならない。
極性の異なる一対の電極に絶対値が等しい電圧を印加した場合、つまり電極に印加する電圧の平均値が0Vである状態のウエハ電位は0Vとなるが、ステージ温度や電極に印加する電圧を変更することによって、ウエハ電位は0Vからシフトすることになる。発明者が行った実験によれば、放電中断時にウエハ電位が0Vからシフトした場合、ウエハに異物を引き寄せる一因となることが判明した。
例えば、エッチング処理中断中にステージ温度を変更した場合、誘電体の抵抗率の変化に伴い、ウエハ電位が0Vからシフト、つまりウエハ表面が帯電することになる。ウエハ表面が帯電している状態では、エッチング処理中断中にチャンバの内壁から放出された異物はウエハに引き寄せられることになる。また、エッチング処理中にステージ温度を変更した場合、エッチング処理が終了してプラズマを消失させたときにウエハ電位は0Vからシフトした状態であるため、上述したようにチャンバの内壁から放出された異物をウエハに引き寄せることになる。つまり、最初の処理ステップのエッチング処理を開始する時点で、ステージの内側と外側の温度が異なるような条件は、ウエハ電位が0Vからシフトすることになり、異物をウエハに引き寄せることになる。
また、例えば、ステージ温度を変更したときに吸着力を一定に維持するため、極性の異なる一対の電極に絶対値の異なる電圧を印加して変更した場合、ウエハ電位のシフト量を考慮しなければ、チャンバの内壁から放出された異物をウエハに引き寄せることになる。
このようにウエハに異物が付着すると、この異物がマスクとなってパターンのショートや断線の原因となり、デバイス欠陥が生じて歩留まりが悪化することになる。つまり、エッチング形状の制御を目的としたステージ温度の変更やステージ温度変更時にウエハ吸着力を一定に維持するため操作する印加電圧の変更は、ウエハ電位を0Vからシフトさせることになり、ウエハ上に異物を付着させてしまう。
このようなことから本発明は、所望のエッチング形状を得るとともに異物付着による歩留まりの悪化を抑制することができるプラズマ処理装置を提供する。
本発明は、試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極を具備し前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、前記プラズマが不存在の場合、前記試料台の温度または前記試料台の面内の温度差に基づいてプラズマが不存在の時に前記試料台の温度または前記試料台の面内の温度差を変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とする。
本発明は、所望のエッチング形状を得るとともに異物付着による歩留まりの悪化を抑制することができる。
本発明に係るプラズマ処理装置の概略断面図である。 実施例1に係るステージ6の構造を示す図である。 実施例1に係るエッチング処理シーケンスを示す図である。 従来のエッチング処理シーケンスを示す図である。 電極に印加する直流電圧とウエハ電位の相関関係を示す図である。 ウエハ電位と異物付着率の相関関係を示す図である。 直流電源、電極、誘電体層、ウエハをモデル化した等価回路を示す図である。 溶射膜抵抗値の温度依存性を示す図である。 実施例2に係るステージ71の構造を示す図である。 実施例2に係るエッチング処理シーケンスを示す図である。
本発明の各実施形態について以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るプラズマ処理装置の概略断面図を示す。プラズマ15を生成して被処理基板となるウエハ4に処理を行う処理室7には、試料であるウエハ4を載置するための試料台であるステージ6が配置されている。ステージ6には、プラズマ処理中にウエハ4に高周波電圧を印加するためのインピーダンス整合器13と高周波電源14が接続されている。
処理室7の真空を保持するために処理室7の上部にセラミックプレート3が備えられており、セラミックプレート3の下方に間隙8を形成するような位置に複数の貫通穴9が設けられたセラミックプレート2が備えられている。処理ガスは、ガス流量制御手段10で流量制御され、間隙8を介して貫通穴9から処理室7に均一に供給される。処理室7の圧力を制御するため、処理室7には圧力検出手段11と圧力調整手段16と排気手段12が備えられている。
処理室7の周囲には、マイクロ波を出力するマグネトロン発振器20と、マイクロ波を処理室7まで伝搬させるための導波管21が備えられている。また、処理室7の上方と側方に磁場発生手段であるソレノイドコイル22とソレノイドコイル23が備えられている。マグネトロン発振器20から発振されたマイクロ波は、導波管21内を伝搬し、セラミックプレート3およびセラミックプレート2を介して処理室7に放射される。マイクロ波によって生じる電界とソレノイドコイル22、ソレノイドコイル23により生成された磁界との相互作用によって電子サイクロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance:ECR)を生じさせることによりプラズマ15が生成される。
図2は、処理室7に配置されたステージ6の構成の一例を示したものである。ステージ6は、AlあるいはTi等の金属基材30と、ブラスト処理が施された金属基材30の上面に例えば、Al2O3やY2O3等のセラミックスの溶射膜で形成された誘電体層34が備えられている。誘電体層34の内部には、ステージ6上に載置したウエハ4を静電吸着させるため、TiやW等の導電体で形成された静電吸着用の双極型の電極38が設けられており、双極型の電極38は、直流電源55に接続されている。直流電源55から極性の異なる電圧が双極型の電極38に印加されることによって、ウエハ4が保持される。尚、静電吸着用の双極型の電極38は、プラズマを介さずに2つの電極により閉回路を形成することができ、2つの電極に異なる極性の電圧を印加することによって静電吸着させる静電吸着用電極のことである。
金属基材30の内部には、ステージ6上に載置したウエハ4の温度を調節するため、内側と外側の2系統の冷媒流路が設けられている。内側の冷媒流路52は冷媒の温度制御機能を備えた冷媒循環装置50と配管を介して接続され、外側の冷媒流路54は冷媒循環装置56と配管を介して接続されている。ステージ6とウエハ4の間隙に、例えば、Heガスを供給するためのガス供給機構51が接続されている。ステージの内側と外側に供給する冷媒の温度を制御することによってステージの温度を調整し、Heガスの圧力と流量によってステージの温度をステージ6上に載置したウエハ4に伝熱することによって、ウエハ4は所定の温度に制御される。ステージ6の温度を変更する、すなわち、冷媒の温度を変更する場合は、冷媒循環装置50、56内で冷媒が加熱あるいは冷却されて所定の温度に制御される。
エッチング処理を開始する場合は、冷媒温度、ガス種、圧力、ソース高周波電力、バイアス高周波電力等のエッチング条件をエッチング装置の制御装置70に設定する。制御装置70内では、図7に示すような冷媒温度と抵抗値の関係のテーブルがあらかじめ記憶されており、後述する式(1)によってウエハ電位が算出される。エッチング処理を起動させることによって、制御装置70は、設定された所定の値に基づき処理シーケンスを開始する。
設定された冷媒温度に対して、上記テーブルと算出されたウエハ電位に基づいて、ウエハ電位が0V付近に補正されるように双極型の電極38に電圧が段階的に印加される。電圧を段階的に印加する方法としては、例えば、単位時間当たりに変化させる電圧を一定にする方法がある。また、冷媒の温度変更の開始直後は変化させる電圧を大きくし、冷媒温度の現在値と設定値の差ΔTが例えば5度以下なると、電圧を小さく変化させるように、時間的に印加する電圧の大きさを変更させる方法もある。また、冷媒温度をモニタし、そのモニタ値に応じて電圧を段階的に印加する方法もあるが、本発明としてはこれらに限らない。
冷媒温度の変更は、エッチング処理開始前や処理ステップと処理ステップの間であるエッチング処理中断中に行われるが、冷媒温度の変更の際に双極型の電極38に印加する電圧を変更しない場合は、ウエハ電位が0Vからシフトすることになり、チャンバの内壁から放出された異物がウエハに付着することになる。エッチング処理中断中の異物付着を抑制するため、冷媒温度の変更時に双極型の電極38に印加する電圧を段階的に変更することで、ウエハ電位のシフトを0V付近に補正でき、異物付着を抑制することが可能となる。尚、処理ステップとは、エッチング処理条件を構成するための最小単位の構成であり、エッチング処理条件は、一つの処理ステップまたは複数の処理ステップからなる。
図3にエッチング処理において本実施例を適用した場合の処理シーケンスを示している。上述したように1枚のウエハを処理するためのエッチング条件は、複数のエッチングステップによって構成されるが、ここではその一例として3つの処理ステップで構成された場合を示している。ウエハ4が処理室7に搬入される前、ステージの内側と外側に供給する冷媒の温度は、処理ステップ1の所定の温度に制御される。ここでは、一例として、内側の冷媒温度Tinよりも外側の冷媒温度Toutが高い条件(Tin<Tout)で制御されているものとする。このような条件は、例えば、ウエハ外周部のエッチングレートが中心部に比べて高く、エッチング時に発生する反応生成物の量がウエハ外周部で多くなる場合に用いられる。外側の冷媒温度Toutを高くすることによって、ウエハ外周部で反応生成物の付着を抑制でき、ウエハ外周部のパターン幅の太りを抑制できる。
次にウエハ4が処理室7に搬入され、ステージ6に載置されると、直流電源55から双極型の電極38それぞれに正と負の電圧が印加され、ウエハ4が保持される。ここで、内側の冷媒温度Tinと外側の冷媒温度Toutに差がある場合、ウエハ電位は0Vからシフトすることになる。ウエハ電位が0Vからシフトする、すなわちウエハ表面が帯電した状態になると、処理室7内に浮遊している帯電異物や処理室7内壁に付着している異物がウエハに引き寄せられて付着する。つまり、処理ステップ1を開始する前にウエハ上に異物を付着させることになる。
従来技術では、双極型の電極38に印加する電圧の平均値が0Vとなるように運用されていたため、ウエハ電位がシフトし異物がウエハに付着する状態であったが、本発明ではウエハへの異物付着を抑制するため、双極型の電極38に印加する電圧の平均値を変更し、ウエハ電位のシフトを補正する(地点a)。電圧を変更する方法について、以下に述べる。
内側と外側の冷媒温度Tin、Toutと双極型の電極38に印加する電圧の平均値のシフト量とウエハ電位の関係を図5Aに示す。冷媒温度がTin=Toutであるときのウエハ電位を0Vと定義した。図5Aの結果から、電圧の平均値が0Vである状態において、冷媒温度がTin<Toutの場合のウエハ電位は約-50Vである。一方、冷媒温度がTin>Toutの場合のウエハ電位は約+45Vとなり、冷媒温度Tin、Toutが異なることによってウエハ電位が0Vから大きくシフトし、ウエハ表面が帯電した状態にあることが分かる。
また、冷媒温度がTin<Toutの場合にウエハ電位を0V付近に補正するには、双極型の電極38に印加する電圧の平均値を約+50Vシフトさせる必要があり、冷媒温度がTin>Toutの場合は電圧の平均値を約-45Vシフトさせればよいことが分かる。図5Bにウエハ電位と粒径60nm以上の異物の異物付着率の関係を示す。ウエハ電位が-100V程度であるときの異物付着率を100%と定義した。冷媒温度がTin<Toutの場合とTin>Toutの場合の両者とも、ウエハ電位を-100Vから0Vになるように補正していくと、異物付着率は低減していくことが分かる。
冷媒温度がTin<Toutの場合、ウエハ電位が約-20V〜約10Vの範囲で異物付着率が約50%となり大幅に低減できている。また、ウエハ電位を0Vからさらにプラスにシフトさせて約+65Vとしたときの異物付着率は約55%となり、ウエハ電位が約+10Vの時と比べて増加することが分かる。冷媒温度がTin>Toutの場合は、ウエハ電位が約-20Vの時の異物付着率は約70%となり、冷媒温度がTin<Toutの場合に比べて異物付着率の低減幅は小さい。一方、冷媒温度がTin>Toutの場合においても、ウエハ電位を約+10Vにすることで、異物付着率は約45%と大幅に低減できている。
以上の結果、冷媒温度の差によってウエハ電位が0Vからシフトすること、ウエハ電位がシフトするとウエハに付着する異物が増加することが明らかになった。また、冷媒温度の変更に伴う異物増加を抑制するには、冷媒温度の変更によってシフトしたウエハ電位を少なくも-20V〜+65Vの範囲に補正する必要があることが分かった。ただし、ウエハ電位が-20Vや+65Vでは、冷媒温度の条件によっては異物付着率が高くなることがあるため、マージンの観点からウエハ電位を-10V〜+10Vの範囲に補正することがより好ましい。
本実施例では、図7に示すような冷媒温度と抵抗値の関係のテーブルがあらかじめ記憶されており、冷媒温度と後述する式(1)によって算出されたウエハ電位に応じて双極型の電極38に印加する電圧を段階的に変更することによって、ウエハ電位を-10V〜+10Vに補正することを可能とした。冷媒温度の差によってウエハ電位がシフトするメカニズムおよびシフトしたウエハ電位を双極型の電極38に印加する電圧の変更によって補正することができるメカニズムは、以下のように考えられる。
直流電源55、双極型の電極38、誘電体層34、ウエハ4を簡単にモデル化した等価回路を図6に示す。ウエハ電位をVwaf、内側の電極38に印加する電圧をVin、外側の電極38に印加する電圧をVout、内側の誘電体層34の抵抗をRin、外側の誘電体層34の抵抗をRoutとした場合、ウエハ電位Vwafは以下の式(1)で示される。
ここで、誘電体層34の抵抗RinとRoutは温度によって抵抗値が変化する温度依存性を持っている。図7に冷媒温度と誘電体層34の抵抗値の関係を示す。冷媒温度が20℃のときの抵抗値を1として規格化している。この図から分かるように、冷媒温度が内側と外側で等しい場合(Tin=Tout)は、RinとRoutは概ね等しく、冷媒温度の増加に伴い、抵抗値(Rin、Rout)は低下していく。しかしながら、例えば、Tinが40℃でToutが20℃と冷媒温度が異なる場合、内側の誘電体層34の抵抗Rinは、外側の誘電体層34の抵抗Routの約40%程度の値となる。つまり、内側の冷媒温度Tinと外側の冷媒温度Toutが異なると、内側と外側の誘電体層34の抵抗値(Rin、Rout)のバランスが変化するため、式(1)で示したウエハ電位Vwafは0Vからシフトすることになる。
式(1)および図7から、処理ステップ1で設定した冷媒温度がTin<Toutの場合と、冷媒温度がTin=Toutの場合のウエハ電位を、双極型の電極38に印加する電圧の平均値が0Vである時で比較すると、冷媒温度がTin<Toutのウエハ電位はマイナス側にシフトすることになる。マイナス側にシフトするウエハ電位Vwafを-10V〜+10Vに補正するには、双極型の電極38印加する電圧の平均値を、プラス側に段階的にシフトさせることで、ウエハ電位Vwafを補正することができる。
例えば、図4に示すような従来の処理シーケンスでは、双極型の電極38印加する電圧の平均値は0V、つまり、内側の電極38に印加する電圧Vinが+500V、外側の電極38に印加する電圧Voutが-500Vであったものを、本実施例では、内側の電極38に印加する電圧Vinを+500Vから例えば+550Vに印加電圧が大きくなるように段階的に変更し、また、外側の電極38に印加する電圧Voutも-500Vから例えば-450Vに印加電圧が大きくなるように段階的に変更する。
設定された冷媒温度Tin、Toutに対して、ウエハ電位Vwafが0Vからシフトすることを抑制するため、あらかじめ記憶された冷媒温度と抵抗値の関係のテーブルと式(1)によって算出されたウエハ電位に基づいて双極型の電極38に印加する電圧を段階的に変更する。本実施例では、双極型の電極38に印加する電圧の平均値を0Vから+50Vにシフトさせることによって、ウエハ電位のシフトを-10V〜+10Vの範囲に抑制できるため、ウエハの帯電によって異物が付着することを抑制することができる。
ウエハを吸着した後、ウエハとステージの間に伝熱用ガスであるHeガスを供給する(図示せず)。冷媒によって調整されたステージ温度がHeガスによって伝熱されることによってウエハは所定の温度に制御される(地点a)。次に処理ステップ1の処理ガスとして、例えば、CF4ガス、Cl2ガス等が供給され、処理室7内の圧力が処理ステップ1の所定の値に調整される。処理ステップ1のエッチング条件が所定の値に到達した後、マイクロ波パワーを例えば、800W供給するとプラズマ15が生成される。プラズマの生成が確認された後にバイアスパワーが例えば、120W供給される(地点b)。
バイアスを印加することによって、ウエハ上に形成されたパターンに沿ってエッチングが進行する。プラズマ生成中は、プラズマからの影響によってウエハ電位が0Vから若干変化する。処理ステップ1が所定の時間を経過した後、バイアスパワーの印加を停止し、マイクロ波パワーの印加を停止し、プラズマ15を消失させることで、エッチングの進行が停止する。処理ステップ1の処理ガスの供給を止めて、処理室7内のガスを排気する(地点c)。冷媒温度Tin、Toutが異なる条件である処理ステップ1が開始される前に、シフトするウエハ電位を-10V〜+10Vに補正するように双極型の電極38に印加する電圧の平均値を変更したため、プラズマ15が消失した瞬間(地点c)のウエハ電位は-10V〜+10Vで維持されており、ウエハへの異物付着を抑制することが可能である。
処理ステップ2では、例えば、外側の冷媒温度Toutよりも内側の冷媒温度Tinが高い条件(Tin>Tout)とする。このような条件は、例えば、ウエハ中心部のエッチングレートが外周部に比べて高く、エッチング時に発生する反応生成物の量がウエハ中心部で多くなる場合に用いられる。反応生成物はエッチングパターンの側壁に付着するため、反応生成物が多いとパターン幅が太くなり、少ないと細くなる。反応生成物の量がウエハ中心部で多いと、ウエハ中心部のパターン幅が太くなるため、内側の冷媒温度Tinを高くすることによって、反応生成物の付着を抑制することができる。
処理ステップ2で設定した冷媒温度にするため、処理ステップ1が終了してエッチング処理が中断している最中に、冷媒温度の変更を開始する。設定された冷媒温度に応じて、上記テーブルと式(1)で算出されたウエハ電位に基づいてウエハ電位が-10V〜+10Vに補正されるように双極型の電極38に電圧が段階的に印加される(地点c〜d)。式(1)および図7から、処理ステップ2で設定した冷媒温度がTin>Toutの場合と、冷媒温度がTin=Toutの場合のウエハ電位を、双極型の電極38に印加する電圧の平均値が0Vである時で比較すると、冷媒温度がTin>Toutのウエハ電位はプラス側にシフトすることになる。
プラス側にシフトするウエハ電位Vwafを-10V〜+10Vに補正するには、双極型の電極38印加する電圧の平均値を、冷媒温度がTin=Toutの場合に比べて、マイナス側に段階的にシフトさせることで、ウエハ電位Vwafを補正することができる。ここでは、内側の電極38に印加する電圧Vinを処理ステップ1で設定した+550Vから例えば+455Vに印加電圧が小さくなるように段階的に変更し、また、外側の電極38に印加する電圧Voutも-450Vから例えば、-545Vに印加電圧が小さくなるように段階的に変更する。
上述したように、あらかじめ記憶された冷媒温度と抵抗値の関係のテーブルと式(1)によって算出されたウエハ電位に基づいて双極型の電極38に印加する電圧は、段階的に変更する。これによって、ウエハ電位Vwafを-10V〜+10Vに補正することができ、エッチング処理中断時に冷媒温度を変更している最中でもウエハへの異物付着を抑制することができる(地点c〜d)。次に、処理ステップ2の冷媒温度が所定の値に達した後、処理ステップ2の処理ガスとして、例えば、HBrガス、Cl2ガス等が供給され、処理室7内の圧力が処理ステップ2の所定の値に調整される。
処理ステップ2のエッチング条件が所定の値に到達した後、マイクロ波パワーを例えば、1000W供給するとプラズマ15が生成される。プラズマの生成が確認された後、バイアスパワーが例えば、80W供給される(地点d)。処理ステップ2が所定の時間を経過した後、バイアスパワーの供給を停止し、マイクロ波パワーの供給を停止しプラズマ15を消失させる。プラズマ生成中は、プラズマからの影響によってウエハ電位が0Vから若干変化する。処理ステップ2の処理ガスの供給を止めて、処理室7内のガスを排気する(地点e)。
処理ステップ1の終了時点と同様に、冷媒温度の変更に伴うウエハ電位のシフトを、双極型の電極38に印加する電圧の平均値を変更することによって-10V〜+10Vに補正しているため、プラズマ15が消失した瞬間(地点e)のウエハ電位は-10V〜+10Vで維持されており、ウエハへの異物付着を抑制することが可能である。処理ステップ3では、処理ステップ1と同様に、内側の冷媒温度Tinよりも外側の冷媒温度Toutが高い条件(Tout>Tin)とする。
処理ステップ2と処理ステップ3で冷媒温度が異なるため、処理ステップ2が終了してエッチング処理が中断している最中に、冷媒温度の変更を開始する。上述したように、設定された冷媒温度に応じて、上記テーブルを基にウエハ電位が-10V〜+10Vに補正されるように双極型の電極38に電圧が段階的に印加される(地点e〜f)。
処理ステップ3で設定した冷媒温度は、処理ステップ1と同様にTin<Toutであるため、冷媒温度がTin=Toutの場合に対して、ウエハ電位はマイナス側にシフトすることになる。マイナス側にシフトするウエハ電位Vwafを-10V〜+10Vに補正するには、内側の電極38に印加する電圧Vinを処理ステップ2で設定した+455Vから例えば+550Vに印加電圧が大きくなるように段階的に変更し、また、外側の電極38に印加する電圧Voutも-545Vから例えば-450Vに印加電圧が大きくなるように段階的に変更する。
上述したように、あらかじめ記憶された冷媒温度と抵抗値の関係のテーブルと式(1)によって算出されたウエハ電位に基づいて双極型の電極38に印加する電圧は、段階的に変更する。これによって、ウエハ電位Vwafを-10V〜+10Vに補正することができ、エッチング処理中断時に冷媒温度を変更している最中でもウエハへの異物付着を抑制することができる(地点e〜f)
次に、処理ステップ3の冷媒温度が所定の値に達した後、処理ステップ3の処理ガスとして、BCl3ガス、Cl2ガス等が供給され、処理室7内の圧力が処理ステップ3の所定の値に調整される。処理ステップ3のエッチング条件が所定の値に到達した後、マイクロ波パワーを例えば600W供給するとプラズマ15が生成される。プラズマの生成が確認された後、バイアスパワーが例えば、60W供給される(地点f)。処理ステップ3が所定の時間を経過した後、バイアスパワーの供給を停止し、マイクロ波パワーの供給を停止してプラズマ15を消失させる。プラズマ生成中は、プラズマからの影響によってウエハ電位が0Vから若干変化する。処理ステップ3の処理ガスの供給を止めて、処理室7内のガスを排気する(地点g)。
処理ステップ1及び2の終了時点と同様に、冷媒温度の変更に伴うウエハ電位のシフトを、双極型の電極38に印加する電圧の平均値を変更することによって-10V〜+10Vに補正しているため、プラズマ15が消失した瞬間(地点g)のウエハ電位は-10V〜+10Vで維持されており、ウエハへの異物付着を抑制することが可能である。処理ガスの排気が終了した後、双極型の電極38に印加する電圧をOFFする。
これによってウエハ4の保持力も解除され、ウエハ4を処理室7外へ搬出することができる。ウエハに生じる残留吸着力の解消が必要な場合には、双極型の電極38に印加する電圧をOFFした後、例えば、Arガス等の希ガスによるプラズマを生成して除電することも可能であるし、内側と外側の電極38に印加した電圧と逆の極性の電圧を印加することで除電することも可能である。
量産ラインでは、ウエハ処理ごとにチャンバの内壁の状態を同じ状態に維持することを目的としてウエハ処理とウエハ処理の間にチャンバ内壁のプラズマクリーニング処理を行っている。ウエハ4を処理室7外へ搬出した後、プラズマクリーニング処理が行われることになる。プラズマクリーニング処理においても、ステージ温度を設定する場合は、処理ステップ3で設定された冷媒温度Tin、Toutをプラズマクリーニング条件の設定温度に変更する(例えば、地点g〜h)。プラズマクリーニング処理でステージ温度の設定が必要ない場合は、クリーニング処理中に次に処理するウエハの処理ステップ1の冷媒温度Tin、Toutに変更することが可能である。
図4は、従来の処理シーケンスを示しており、冷媒温度を変更した場合に電極38に印加する電圧は変更しないため、ウエハ電位はマイナス側にシフト(地点a〜g)する。VinとVoutに印加する正負の電圧によってはプラス側にシフトする場合もある。従って、従来例では図5Bで示したようにウエハへの異物付着率が増加、すなわち多くの異物が付着することになるが、ウエハ電位を補正した本実施例では異物の付着を抑制することができる。これによって、異物が原因として起こるパターンのショートや断線等のデバイス欠陥を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。
本実施例では、ステージ6の温度を内側と外側の2系統の冷媒によって制御する場合の処理シーケンスを述べたが、1系統の冷媒と複数系統のヒータを内蔵したステージでも本発明を適用することができる。以下、この実施例について説明する。
図8にヒータを内蔵したステージ71を用いた場合の装置構成を示す。また図8において、図2と同じ符号を付した構成は実施例1で説明した同じ機能を備えるため説明を省略する。試料台であるステージ71は、ブラスト処理が施された金属基材30の上面に例えば、Al2O3やY2O3等のセラミックスの溶射膜で形成された誘電体層32が備えられており、誘電体層32の上面には誘電体層34が備えられている。
金属基材30の内部には、ステージ71上に載置したウエハ4の温度を調節するための冷媒流路64が設けられており、冷媒流路64に供給する冷媒の温度制御機能を備えた冷媒循環装置63は配管を介して接続されている。誘電体層32の内部にはステージ71上に載置したウエハ4を加熱するためのヒータは複数系統から構成される。ここでは、一例として内側ヒータ60と外側ヒータ65の2系統で構成された例を示す。
ウエハの中心部の温度を制御するために内側ヒータ60が設けられており、内側ヒータ60の温度は、金属基材30内部に設置された温度モニタ61のモニタ値を元にヒータ出力調整器62によって制御される。また、ウエハの外周部の温度を制御するために外側ヒータ65が設けられており、外側ヒータ65の温度は金属基材30内部に設置された温度モニタ66のモニタ値を元にヒータ出力調整器67によって制御される。ステージ71とウエハ4の間隙に例えば、Heガスを供給するためのガス供給機構51が接続されている。
内側ヒータ60および外側ヒータ65と冷媒の温度を制御することによってステージの温度を調整し、Heガスの圧力と流量によってステージの温度をステージ71上に載置したウエハ4に伝熱することによって、ウエハ4は所定の温度に制御される。エッチング装置の制御装置70では、図7に示すような冷媒温度(本実施例の場合はウエハ温度あるいはステージ温度)と抵抗値の関係のテーブルがあらかじめ記憶されており、(1)によってウエハ電位が算出される。エッチング処理を起動させることによって、制御装置70は、設定された所定の値に基づき処理シーケンスを開始する。
ウエハ温度を変更する場合は、冷媒循環装置63によって冷媒を一定の温度に維持した状態で、内側と外側のヒータ60、65の出力を調整することによってウエハ温度を制御する。設定されたウエハ温度に対して、上記テーブルと算出されたウエハ電位に基づいてウエハ電位が-10V〜+10Vに補正されるように双極型の電極38に電圧が段階的に印加される。電圧を段階的に印加する方法は、実施例1で述べた通りである。図9にエッチング処理中断中に本実施例を適用した場合の処理シーケンスを示している。ここでは一例として3つの処理ステップで構成された場合を示している。図3で示した処理シーケンスと異なる点は、内側と外側のヒータによってウエハ温度を制御することと、ステージに供給する冷媒温度は、冷媒循環装置63によって一定に維持されているところである。
各処理ステップの内側ヒータ温度と外側ヒータ温度については、図3で示した内側の冷媒温度と外側の冷媒温度と同様の動作、つまり、処理ステップ1では内側ヒータ温度よりも外側ヒータ温度が高い温度であり、処理ステップ2では外側ヒータ温度よりも内側ヒータ温度が高い温度であり、処理ステップ3では内側ヒータ温度よりも外側ヒータ温度が高い温度である。内側の誘電体層34の抵抗値と外側の誘電体層34の抵抗値も実施例1の場合と同様と仮定すると、ウエハ電位の挙動としては同じ傾向を示すことになる。
そのため、内側と外側の電極に印加する電圧の平均値をシフトさせる挙動も同じ傾向になる。本実施例では、冷媒温度を一定に維持した状態で内側と外側のヒータ温度を変更することによって、ステージの温度変更を短時間で行うことができる点が実施例1で示したステージ構造との違いである。
このように、本実施例で説明したステージ71の構造においても設定された内側と外側のウエハ温度に応じて、上記テーブルと算出されたウエハ電位に基づいてウエハ電位が-10V〜+10Vに補正されるように双極型の電極38に電圧が段階的に印加される。双極型の電極38に印加する電圧の平均値をシフトさせることによって、ウエハへの異物付着を抑制することができる。これによって、異物が原因として起こるパターンのショートや断線等のデバイス欠陥を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。
尚、本実施例1及び2で説明したステージ70、71の構造は一例であり、例えば、誘電体層34や誘電体層32が溶射膜ではなく、焼結体のセラミックやCVD、PVD等のコーティング膜であってもよいし、ウエハ温度を制御する冷媒流路が複数系統あってもよい。また、上述したようにステージ71に内蔵されたヒータが複数系統あってもよい。
このようにステージ70、71の構造が異なる場合であっても、ウエハ温度を変更する場合に本発明を適用できることは明らかである。
以上、実施例1及び2では、ジョンソン・ラーベックタイプによる静電吸着方式のステージを用いた場合について述べたが、クーロンタイプによる静電吸着方式のステージを用いた場合でも本発明を適用することができる。クーロンタイプによる静電吸着方式のステージにおいても双極型の電極とウエハが接触するステージ表面に間に誘電体層が形成されているため、ウエハ温度を変更する、すなわち、冷媒温度やヒータ温度を変更することによって誘電体層の抵抗値が変化する。
そのため、ウエハ電位もシフトすることになる。ウエハ電位のシフトを-10V〜+10Vに補正するには、実施例1及び2で説明したように、冷媒温度(あるいは、ウエハ温度やステージ温度)と誘電体層の抵抗値の関係を示すテーブルと式(1)によって算出されるウエハ電位に基づいて双極型の電極に印加する電圧を段階的に制御すればよい。
また、実施例1及び2では、処理ステップが中断している時、処理ガスの供給を止めた処理シーケンスについて述べたが、エッチング処理中断中に、例えば、次の処理ステップの処理ガスを供給しても良いし、処理ガスではなくArガスのような希ガスを供給した場合でも本発明を適用できることは明らかである。
このように、実施例1及び2では、エッチング処理中断中にウエハ温度を変更する処理シーケンスにおいて、ウエハ温度の変化、すなわちステージ温度の変化によって生じるウエハ電位のシフトを補正するため、設定されたステージ温度に応じて、冷媒温度(あるいは、ウエハ温度やステージ温度)と誘電体層の抵抗値の関係を示すテーブルと式(1)によって算出されるウエハ電位に基づいて双極型の電極に印加する電圧を段階的に制御する実施形態について説明した。
しかし、本発明の技術的思想からすると、温度変化によるウエハ電位のシフトを抑制(補正)することを特徴とする発明であるため、ステージの面内の温度差および処理ステップ間の温度変化の両方を本発明の適用対象とする。さらに本発明の技術的思想からすると、プラズマが無い場合にウエハ電位を0Vに近づけることが重要であるため、本発明はエッチング処理中断中(処理ステップ間)に適用できるだけでなく、プラズマ処理開始前や最後の処理ステップ後のプラズマを停止した後にも本発明を適用することができる。
以上、本発明は、上述した通りであるので、ウエハ電位の補正によって、ウエハ電位のシフトで生じるウエハの帯電によって異物が付着することを抑制することが可能となり、異物が原因として起こるパターンのショートや断線等のデバイス欠陥を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。
また、本発明は、上述した電子サイクロトロン共鳴型プラズマ処理装置に限定されるものではなく、例えば、誘導結合型プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)処理装置、容量結合型プラズマ(Capacitively Coupled Plasma:CCP)処理装置などに対しても本発明を適用可能である。さらに本発明は、半導体デバイスの製造や検査の分野に限定されるものではなく、フラットパネルディスプレイの製造や、プラズマを用いた処理装置等、様々な分野に適用可能である。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、一方の実施例の構成の一部を他方の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、一方の実施例の構成に他方の実施例の構成を加えることも可能である。さらに各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
2…セラミックプレート、3…セラミックプレート、4…ウエハ、6…ステージ、7…処理室、8…間隙、9…貫通穴、10…ガス流量制御手段、11…圧力検出手段、12…排気手段、13…インピーダンス整合器、14…高周波電源、15…プラズマ、16…圧力調整手段、20…マグネトロン発振器、21…導波管、22…ソレノイドコイル、23…ソレノイドコイル、38…電極、50…冷媒循環装置、51…ガス供給機構、55…直流電源、56…冷媒循環装置、63…冷媒循環装置、70…制御装置、71…ステージ

Claims (8)

  1. 試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極を具備し前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在の場合、前記試料台の温度または前記試料台の面内の温度差に基づいてプラズマが不存在の時に前記試料台の温度または前記試料台の面内の温度差を変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極を具備し前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在であるとともに前記試料台が各々異なる温度にて制御される複数の領域を有する場合、前記各々異なる温度に基づいてプラズマが不存在の時に前記複数の領域が各々異なる温度にて制御された場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極を具備し前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在であるとともにプラズマ処理条件を構成するステップにおける前記試料台の第一の温度と前記ステップ後のステップにおける前記試料台の第二の温度が異なる場合、前記第一の温度と前記第二の温度に基づいてプラズマが不存在の時に前記試料台の温度を前記第一の温度から前記第二の温度へ変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    プラズマ処理条件を構成するステップにおける前記試料台の第一の温度と前記ステップ後のステップにおける前記試料台の第二の温度が異なる場合、前記制御装置は、前記第一の温度と前記第二の温度に基づいてプラズマが不存在の時に前記試料台の温度を前記第一の温度から前記第二の温度へ変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極を具備し前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在の場合、前記試料台の温度のモニタ値に基づいてプラズマが不存在の時に前記試料台の温度を変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極を具備し前記試料が載置される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在の場合、予め設定された前記試料台の温度に基づいて前記プラズマ処理が開始される前の前記試料台の温度を前記予め設定された前記試料台の温度にした場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 試料がプラズマ処理される処理室と、プラズマを生成するための高周波電力を供給する高周波電源と、前記試料を静電吸着させるための電極と前記試料が載置され誘電体層からなる載置部とを具備し冷媒により温度制御される試料台と、前記電極に直流電圧を印加する直流電源とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記プラズマが不存在の場合、前記誘電体層の抵抗の温度依存性データと前記冷媒の温度に基づいてプラズマが不存在の時に前記冷媒の温度を変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 請求項5に記載のプラズマ処理装置において、
    前記試料台は、前記試料が載置され誘電体層からなる載置部をさらに具備し
    前記試料台の温度のモニタ値は、前記試料台の内部に配置された温度モニタにより検知され、
    前記制御装置は、さらに前記誘電体層の抵抗の温度依存性データに基づいてプラズマが不存在の時に前記試料台の温度を変化させた場合における前記試料の電位の絶対値に対して前記試料の電位の絶対値が小さくなるような直流電圧を印加するように前記直流電源を制御することを特徴とするプラズマ処理装置。
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