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JP6492321B2 - [1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の製造方法 - Google Patents

[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の製造方法 Download PDF

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本発明は[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の製造方法に関する。
前記[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物は、下記式(1a)
で表され(以下、化合物(1a)又は一水和物という場合がある)、優れた骨吸収抑制作用、抗炎症作用、解熱鎮痛作用を有し、例えばPaget病、高カルシウム血症、癌の骨転移、骨粗鬆症、慢性関節リウマチなどの治療に有用なものとして報告されている(特許文献1)。
化合物(1a)(一水和物)の製造方法としては、下記式(5)
で表される2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(以下、化合物(5)又はイミダゾピリジニル酢酸という場合がある)を原料として下記式(3)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸又はその塩(以下、化合物(3)又はビスホスホン酸結合体という)を合成し、この化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)から前記化合物(1a)(一水和物)を得る方法が知られている。中でも前記化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)から化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を合成する方法としては、例えば、
(a)化合物(5)、亜りん酸、クロルベンゼンの混合液に三塩化リンを滴下する方法(特許文献1)、
(b)化合物(5)、亜りん酸、トルエンの混合物にオキシ塩化リンを滴下する方法(特許文献2)、
(c)化合物(5)、85%リン酸、ジグリムの混合物に三塩化リンを滴下する方法(特許文献3)、
(d)化合物(5)、亜リン酸、スルホランの混合物に三塩化リンを滴下する方法(特許文献4)、
などが知られている。
また特許文献5にも、前記化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)から化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を合成する方法が開示されており、この化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を化合物(1a)(一水和物)として単離する方法が開示されている。さらにこの特許文献5には、前記化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を下記式(2c)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸ナトリウム三水和物として単離する事も開示されている。
特開平2−138288号公報 特開平11−269184号公報 国際公開第2007/109542号パンフレット 国際公開第2005/044831号パンフレット 国際公開第94/00462号パンフレット
しかし、前記化合物(1a)(一水和物)を高純度で単離することは難しく、例えば、化合物(1a)(一水和物)の晶析を複数回繰り返しても、純度はなかなか向上しない。本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、高純度の化合物(1a)(一水和物)を容易に製造することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、純度が向上しない原因の一つとして特定の不純物(以下、RRT1.2不純物という)の除去が極めて困難であった事を突き止めた。そして、化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)から直接、化合物(1a)(一水和物)を単離するのではなく、前記化合物(3)から一旦、化合物(2c)などの様な三水和物を単離した後、この三水和物を再度水に溶解し、そこから化合物(1a)(一水和物)を単離すれば、特定の不純物(以下、RRT1.2不純物)を除去可能となり、該一水和物を簡便に高純度で取得できる事を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の製造方法は、
下記式(3)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸又はその塩を含む第1の水溶液から固体を析出させ、下記式(2a)
(式中、Mはアルカリ金属を示す)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸塩三水和物を得る第1単離工程、
前記第1単離工程で得られた前記三水和物を水に溶解した第2の水溶液を酸で処理して固体を析出させ、下記式(1a)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)]エチリデン]ビスホスホン酸一水和物を得る第2単離工程とを含む。
前記第2単離工程での固体析出時の温度は、例えば、0〜80℃である。また前記第2単離工程で固体が析出した後、この析出物を温度0〜80℃で熟成してもよい。前記第2単離工程では、通常、pHを2.0未満にして固体を析出させる。一方、前記第1単離工程では、通常、pHを2.0以上6以下にして固体を析出させる。
前記第1単離工程の水溶液は、下記式(5)
で表される2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸と亜リン酸とを、有機スルホン酸存在下、三ハロゲン化リンと反応させて得られる反応生成物を用いて調製してもよい。例えば、前記反応で得られる反応生成物を水と混合することで下記式(4)
(式中、Xは水素原子又はアルカリ金属を示し、nは0〜3の整数を示す)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸系固体を析出させ、得られた固体を水に溶解して前記第1単離工程の水溶液を調製することができる。
本発明によれば化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)から一旦、化合物(2a)(三水和物)を単離した後、この三水和物を再度水に溶解し、そこから化合物(1a)(一水和物)を単離している為、該一水和物を簡便に高純度で取得できる。
1.第1単離工程
1.1.溶解段階
本発明は、下記式(1a)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)]エチリデン]ビスホスホン酸一水和物を得る第2単離工程に先だって、下記式(2a)
(式中、Mはアルカリ金属を示す。好ましくはナトリウム、カリウムなどであり、特に好ましくはナトリウムである。)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸塩三水和物を得る第1単離工程を行う点に特徴がある。第1単離工程で得られた三水和物を用いて一水和物を得ることによって、該一水和物を、簡便に高純度で取得できる。
この第1単離工程では、下記式(3)
で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸又はその塩を含む第1の水溶液から固体を析出させ、前記式(2a)の化合物を取得する。
前記化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)又はその塩の入手方法は特に限定されず、その詳細については後述する。また用いる化合物(3)又はその塩の高速液体クロマトグラフィー上の純度(面積率)も特に限定されず、例えば、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であり、例えば、99.5%以下、または99.0%以下、特に95%以下であってもよい。またRRT1.2不純物(後述する実施例参照)の量(高速液体クロマトグラフィーによる主ピークに対する面積率)は、例えば、0.05〜3%程度、或いは0.1〜2%程度、特に0.15〜1%程度である。
この様な化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)又はその塩の水溶液を調製するのに使用される水の量は、化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)1重量部に対して、例えば、2重量部以上、好ましくは5重量部以上、より好ましくは7重量部以上であり、例えば、20重量部以下、好ましくは17重量部以下、より好ましくは13重量部以下である。
化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を水に溶解するには、塩基などを用いて液性を中性又はアルカリ性にすればよい。化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)は、中性又はアルカリ性の水に溶解する。この溶解時のpHは、例えば、6超、好ましくは7以上であり、8以上であってもよい。pHの上限は特に限定されないが、例えば、14以下、好ましくは10以下、より好ましくは8未満である。pHを高くし過ぎないことで塩基の使用量を低減できる。また化合物(3)を三水和物として析出させるには、後述する様に、酸などを添加してpHを例えば6未満にする必要があり、溶解時のpHを高くし過ぎないようにすることで、この一水和物析出時の酸の使用量も低減できる。
化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)の溶解に使用する塩基としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩などの無機塩基が好ましい。アルカリ金属としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、特に好ましくはナトリウムである。好ましい無機塩基には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが含まれる。
塩基は、そのまま(例えば、固体のまま)用いてもよく、水溶液に調製してから用いてもよい。また化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)と水とを混合した後、塩基(その水溶液を含む)を添加してもよく、塩基の水溶液を調製してから、この調製液に化合物(3)を添加してもよい。
塩基の量は、溶解時のpHが上記の範囲になる範囲で適宜選択できる。
溶解時の温度は特に限定されないが、通常、溶媒(水)の固化温度以上、例えば、0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは50℃以上であり、通常、溶媒(水)の還流温度以下、例えば、100℃以下、好ましくは90℃以下である。
1.2.析出段階
以上の様にして化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を水に溶解した後、この水溶液から固体を析出させ、前記化合物(2a)(三水和物)を取得する。固体を析出させるには、例えば、酸によってpHを2.0以上、6以下に調整すればよい。pHが低すぎると、一水和物が析出しやすくなる。pHが高すぎると、三水和物の析出量が低下する。前記pHは、2.5以上、特に3.0以上にするのが好ましく、また5.5以下、特に5.0以下にするのが好ましい。
前記固体の析出に使用する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸、クエン酸などの有機酸(特に有機カルボン酸)が例示できる。化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)の水溶液にこれら酸を、そのまま(純品のまま)添加してもよく、事前に水溶液にしてから添加してもよい。
酸を添加してpHを調整する時の温度は特に制限されず、通常、溶媒(水)の固化温度以上、例えば、0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは50℃以上であり、通常、溶媒(水)の還流温度以下、例えば、100℃以下、好ましくは90℃以下である。
pH調整後は、そのままの温度で攪拌することで固体を析出してもよく、必要に応じて冷却してもよい。pH調整後の攪拌温度は、溶媒(水)の固化温度以上、例えば、0℃以上、好ましくは3℃以上、より好ましくは5℃以上であり、通常、溶媒(水)の還流温度以下、例えば、100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下、特に好ましくは10℃以下である。
固体の析出時又は析出後には、必要に応じて、濃縮してもよく、水と相溶性のある有機溶媒を共存させてもよい。濃縮したり有機溶媒を共存させることで、析出量を増加できる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類などが例示できる。
有機溶媒の量は、用いた化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)又はその塩1重量部に対して、例えば、0重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上であり、例えば、30重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
析出した化合物(2a)(三水和物)は、公知の固液分離手段、例えば、濾過、遠心分離などによって単離できる。単離した化合物(2a)(三水和物)は、必要に応じて乾燥してもよく、乾燥することなく次の第2単離工程で用いてもよい。なお上記第1単離工程は、通常、1回だけ実施するが、必要により、複数回繰り返してもよい。
以上のようにして第1単離工程で得られる化合物(2a)(三水和物)では、所定の不純物が除去される。この不純物は、化合物(1a)(一水和物)の単離を繰り返しても除去が困難である。そのため化合物(2a)(三水和物)の単離を経て化合物(1a)(一水和物)を単離することで、高純度の化合物(1a)(一水和物)を簡便に製造できる。具体的には化合物(2a)(三水和物)が含有するRRT1.2不純物の量(高速液体クロマトグラフィーによる主ピークに対する面積率)を、0.10%以下、好ましくは0.05%以下、特に0.04%以下にできる。
また化合物(2a)(三水和物)の高速液体クロマトグラフィー上の純度(面積率)は、例えば、98%以上、好ましくは99.0%以上、より好ましくは99.5%以上、特に99.8%以上である。
2.第2単離工程
2.1.溶解段階
第2単離工程では、前記第1単離工程で得られた化合物(2a)(三水和物)を水に溶解する。水の量は、化合物(2a)(三水和物)1重量部に対して、例えば、3重量部以上、好ましくは5重量部以上、より好ましくは7重量部以上であり、例えば、25重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。
化合物(2a)(三水和物)を水に溶解するには、前記第1単離工程の場合と同様、塩基などを用いて液性を中性又はアルカリ性にすればよい。溶解時のpH、塩基の例、及び塩基の添加手順、溶解温度などは前記第1単離工程の場合と同様である。
2.2.析出段階
以上の様にして化合物(2a)(三水和物)を水に溶解した後、この水溶液を酸で処理して固体を析出させる。酸としては、第1単離工程で用いた酸と同様の酸を例示できる。
この析出段階のpHは、例えば、2.0未満、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下である。pHが高いと、三水和物が析出しやすくなる。また前記pHは、例えば、0.1以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上である。pHが低すぎると回収率が低下する。
固体の析出時の温度によって驚くべき事に析出固体の水和状態が変化する。析出温度が低いほど化合物(1a)(一水和物)が析出しやすく、析出温度が高いほど1/2モルの水が付着した固体が析出し易いことを本発明者らは突き止めた。1/2モル水の付着固体は、特許文献5(国際公開第94/00462号パンフレット)に、化合物(4)(Xが水素であり、nが0である)としてその存在自体は開示されている。しかし、1/2モルの水が付着した固体が析出した場合、驚くべき事に後述する熟成処理によって、1/2モル水の付着固体を化合物(1a)(一水和物)に変えることができることも本発明者らは見いだした。そのため固体の析出時の温度は特に限定されない。この析出時の温度は、通常、溶媒(水)の固化温度以上、例えば、0℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは50℃以上であり、通常、溶媒(水)の還流温度以下、例えば、100℃以下、好ましくは90℃以下である。
なお固体析出時の温度が低いほど、熟成処理を短時間化したり、不要にできる。熟成処理の負荷を低減する場合、固体析出時の温度は、例えば、80℃以下、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。80℃以下にすると、1/2モル水の付着固体は殆ど析出せず、化合物(1a)(一水和物)のみが析出する。
前記pH調整によって固体を析出した後、必要に応じて、さらに攪拌を継続することによって熟成をしてもよい。特に固体析出時の温度が高く(例えば、80℃超)で1/2水の付着固体の割合が多くなった場合、適切な温度で熟成をすることで、この1/2水付着固体を化合物(1a)(一水和物)に変えることができる。熟成の温度は、例えば、0℃以上、80℃以下であり、好ましくは70℃以下であり、より好ましくは50℃以下であり、特に好ましくは20℃以下である。
なおこの変換には、熟成処理となる析出物が、1/2モル水付着固体と化合物(1a)(一水和物)との混合物であることが望ましい。析出物が1/2モル水付着固体のみであると、適切な温度で熟成しても、化合物(1a)(一水和物)への変換が極めて遅くなる場合があるが、このような場合は化合物(1a)(一水和物)を種晶として添加することで変換を促進させることもできる。種晶として添加する化合物(1a)(一水和物)の割合(モル基準)は、熟成前の1/2モル水付着固体に対して、例えば、1〜30%、好ましくは3〜20%、より好ましくは5〜15%である。
固体の析出時又は析出後には、第1単離工程の場合と同様、必要に応じて濃縮してもよく、水と相溶性のある有機溶媒を共存させてもよい。また析出した化合物(1a)(一水和物)は、第1単離工程の場合と同様の手段によって単離でき、また必要に応じて乾燥してもよい。なお上記第2単離工程は、通常、1回だけ実施するが、必要により、複数回繰り返してもよい。
この様にして得られる化合物(1a)(一水和物)は、該化合物(1a)を複数回晶析しても除去し難かった不純物が大幅に低減されている。具体的には化合物(1a)(一水和物)が含有するRRT1.2不純物の量(高速液体クロマトグラフィーによる主ピークに対する面積率)を、0.10%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.04%以下にできる。
また化合物(1a)(一水和物)の高速液体クロマトグラフィー上の純度(面積率)は、例えば、99.5%以上、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、特に好ましくは99.95%以上である。上限は100%であってもよく、99.99%であってもよい。
3.化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)の製造方法
上記第1単離工程及び第2単離工程の原料となる化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)は、公知の化合物を水に溶解することで調製してもよく、例えば、前記特許文献1〜5の方法で得られた化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)を使用してもよい。しかし、これらの方法では、ビスホスホン酸結合体を生成する段階で、生成物が固化するという問題があった。生成物が固化すると、攪拌が困難となり、工業的規模での製造が難しくなる。本発明者らは、この固化現象を回避可能なより優れた化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)の製造方法をも開発しており、こうした方法によって得られるビスホスホン酸結合体を前記第1単離工程の原料に用いることが好ましい。以下、本発明者らが開発した化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)の製造方法について説明する。
3.1.反応工程
固化現象が回避可能な新しい製造方法では、下記式(5)
で表される2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸と亜リン酸とを、有機スルホン酸存在下、三ハロゲン化リンと反応させる。有機スルホン酸を存在させる事で、生成物であるビスホスホン酸結合体の固化現象を回避できる。
前記化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)は、市販品を購入してもよく、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、12巻、122〜126頁、1969 年などに記載された公知の方法を利用することで入手してもよい。化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)はフリー体で使用してもよく、酸または塩基との塩の形態で使用してもよい。
前記亜リン酸の量は、化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)1モルに対して、例えば、1モル以上、好ましくは2モル以上であり、例えば、10モル以下、好ましくは5モル以下である。
前記三ハロゲン化リンとしては、三フッ化リン、三塩化リン、三臭化リンなどが例示でき、好ましくは三塩化リンである。三ハロゲン化リンの量は、化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)1モルに対して、例えば、1モル以上、好ましくは2モル以上、より好ましくは2.5モル以上であり、例えば、20モル以下、好ましくは15モル以下、より好ましくは10モル以下である。
なお亜リン酸と三ハロゲン化リンの使用量の合計量(モル数の合計値)は、化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)1モルに対して、2モル以上となる必要がある。
前記有機スルホン酸は、溶媒としての機能を有し、生成物の固化を抑制するのに有効である。この有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸などの脂肪族スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの芳香族スルホン酸などが例示でき、好ましくは脂肪族スルホン酸である。また有機スルホン酸の融点は、例えば、120℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下である。
有機スルホン酸の量は、化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)1重量部に対して、例えば、0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上であり、例えば、20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは7重量部以下である。
また前記反応では、有機スルホン酸が溶媒の機能を有するため、別の溶媒の使用は必須ではないが、必要に応じて別の溶媒を使用してもよい。別の溶媒としては、反応に対して不活性である限り特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒; ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒およびそれらの混合溶媒などが挙げられる。反応速度の点から、有機スルホン酸のみを溶媒として使用するのが特に好ましい。
別の溶媒の量は、化合物(5)(イミダゾピリジニル酢酸)1重量部に対して、例えば、0.5重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上であり、例えば、10重量部以下、好ましくは6重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
前記化合物(5)、亜リン酸、有機スルホン酸、及び三ハロゲン化リンは適当な順で混合でき、例えば、化合物(5)と亜リン酸と有機スルホン酸を混合して溶解した後、三ハロゲン化リンを添加してもよい。またこれらを混合して反応した後、さらに三ハロゲン化リンを追加してもよい。三ハロゲン化リンの添加時間は、特に制限されず、例えば、0.5〜100時間の範囲で設定できる。また三ハロゲン化リンは、連続的に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。反応温度は、通常20〜120℃の範囲であり 、好ましくは30〜115℃の範囲である。反応時間は通常1〜100時間の範囲であり、好ましくは10〜50時間の範囲である。さらに薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの適当な分析手段を利用して反応の進行状況をモニタリングしてもよい。
3.2.固体回収工程
上記の様にして得られた反応生成物は、前記化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)又はその塩の構造を有しており、このまま又は適当に精製した後、水に溶解することで前記第1単離工程の水溶液を調製してもよい。好ましくは精製した後で水に溶解する。精製方法としては公知の種々の精製方法を適宜採用できるが、化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)又はその塩を固体として析出させ、固液分離によって固体を回収することで不純物を液相側に除去する事が望ましい。
この固体回収工程では、前記反応工程で得られる反応生成物を、水中、pHを調整することで下記式(4)

(式中、Xは水素原子又はアルカリ金属を示し、nは0〜3の整数を示す)

(式中、Mはアルカリ金属を示す)
ビスホスホン酸系固体が析出するのに適したpHは、pH計の表示値で−1.5以上6以下程度の範囲から適宜設定できる。pHが1.5以下の場合は化合物(1b)(一水和物)が析出し易く、pHが1.5超の場合は化合物(2b)が析出し易い。また化合物(1b)や(2b)以外の水和形態の固体が析出することもあり、これらはいずれも化合物(4)(ビスホスホン酸系固体)に該当する。好ましいpHは、1.5超、より好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.5以上であり、また5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
前記ビスホスホン酸系固体の析出に使用される水の量は、例えば、仕込んだ2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(化合物(5))1重量部に対して、例えば、3重量部以上、好ましくは5重量部以上であり、例えば、30重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。水と反応混合物との混合手順は特に限定されず、水を反応混合物に加えてもよく、水に反応混合物を加えてもよい。
前記pH調整には、通常、塩基が使用される。反応混合物が強い酸性を示す為である。塩基としては、第1単離工程で例示の塩基と同様のものが使用できる。また塩基を過剰に使用して液性を中性又は塩基性にした後、酸を加えて所定のpHに調整してもよい。酸としては、前記第1単離工程で例示の酸が適宜使用できる。前記塩基又は酸は、そのまま使用してもよく、水溶液にして使用してもよい。塩基又は酸を水溶液として使用する場合、この水溶液は、必要により、塩を含んでいてもよい。塩としては、pH調整に使用される前記酸と前記塩基とから生成し得る各種塩がいずれも使用でき、好ましくは塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム塩が挙げられる。
反応混合物と水とpH調整剤(前記酸、塩基、またはこれらを含む水溶液)の混合手順は特に限定されず、例えば、水全量とpH調整剤とを予め混合した後、この混合液と反応混合物とを混合してもよいが、反応混合物と水とを先に混合した後、この水希釈反応混合物をpH調整剤と混合するのが好ましい。反応混合物と水とを先に混合すると、目的化合物であるビスホスホン酸結合体が溶解したまま、不溶性の不純物を析出させる事ができ、固液分離によってこの不溶物(不純物)を簡便に除去できる。
反応混合物と水とを先に混合する場合、混合温度は特に限定されないが、例えば、0℃以上、好ましくは10℃以上であり、例えば、120℃以下、好ましくは115℃以下である。ビスホスホン酸結合体の溶解状態を維持したまま、不溶物を除去するには、混合温度は、20℃以上、好ましくは40℃以上であり、90℃以下、好ましくは70℃以下にすることが推奨される。
pH調整によって固体を析出させる時の温度は、例えば、0℃以上、好ましくは3℃以上であり、例えば、100℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは20℃以下である。
固体の析出時又は析出後には、第1単離工程の場合と同様、必要に応じて水と相溶性のある有機溶媒を共存させてもよい。また析出した化合物(4)(ビスホスホン酸系固体)は、第1単離工程の場合と同様の手段によって単離でき、また必要に応じて乾燥してもよい。
上記のようにして得られた化合物(4)(ビスホスホン酸系固体)を水と混合し、適切なpHに調節することで前記化合物(3)(ビスホスホン酸結合体)又はその塩を含む水溶液を調製でき、この水溶液は前記第1単離工程の原料として使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
1.分析
以下の実施例、比較例において、分析は以下の分析条件を用いて行なった。
(1)HPLC分析条件
機種 :(株)島津製作所製「LC−20A」シリーズ
カラム:野村化学製ODSカラム
Develosil ODS−5(4.6mm×150mm,5μm)
溶離液:メタノール/リン酸緩衝液(pH6.7)=95/5(v/v)
リン酸緩衝液:1mMリン酸二水素テトラブチルアンモニウム、10mMピロリン酸ナトリウム水溶液
流速 : 1.0ml/min
検出 : 226nm(UV検出器)
温度 : 25℃
ピーク保持時間:RRT1.2不純物(相対保持時間約1.2)
(2)粉末X線回折(XRD)測定条件
装置 :リガク製 MiniFlexII
使用エックス線:Cu−Kα線
強度 :30kV、15mA
角度 :2θ=2〜40°
走査速度 :2°/分
発散スリット(DS):1.25°
散乱スリット(SS):1.25°
受光スリット(RS):0.3mm
(3)pH測定条件
装置:堀場製作所 pHメータ D−71
2.化合物(4)(ビスホスホン酸系固体)の製造工程
製造例1
2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(化合物(5))16.2g(分子量176.2;0.092mol)と亜リン酸22.56g(モル質量82.0g/mol;0.275mol;3倍モル)にメタンスルホン酸64.0g(4倍重量)を添加し、内温70℃に加熱、撹拌して溶解させた。この混合物に、三塩化リン69.8g(分子量137.3;0.5mol;5.5倍モル)をゆっくりと添加した。内温70℃で19時間反応させた後の反応液は、少量の固体を含む液体であり、撹拌可能であった。
反応液を内温40℃まで冷却した後に、水160g(9.9倍重量)をゆっくりと添加し、内温50℃で30分撹拌した。室温まで冷却し、濾過により反応液から不溶物を除去した後に、内温20℃で30%水酸化ナトリウムを用いてpH3.5に調製すると結晶が析出した。得られたスラリーを内温5℃に冷却して終夜熟成した後に、結晶を濾別して、水(16g)で結晶を洗浄した。
結晶を室温で減圧乾燥することで、黄褐色の結晶(化合物(4))24.94gを取得した。得られた結晶をHPLCで分析すると、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した。また、得られた結晶のHPLC純度は99.46%であり、RRT1.2不純物は0.18%であった。
製造例2
2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(化合物(5))3g(0.017mol)と亜リン酸4.19g(0.051mol;3倍モル)にメタンスルホン酸9ml(13.3g;4.4倍重量)を添加し、内温80℃に加熱、撹拌して溶解させた。この混合物に、内温70〜80℃で三塩化リン10.76g(0.078mol;4.6倍モル)を22分で添加し、内温70〜75℃で24時間反応させた。内温70℃で三塩化リン2.34g(0.017mol;1倍モル)を追加添加し、更に6時間反応させた。得られた反応液は、少量の固体を含む液体であり、撹拌可能であった。反応液を30℃まで冷却した後に、水(15g)を15分で添加した。内温80℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、濾過により反応液から不溶物を除去し、水溶液(水溶液1)を得た。
得られた水溶液1の1/5量を採取し、pHを測定すると−1.47の表示であった。この水溶液に室温で水10.0g(17倍重量)を添加し、0℃で終夜撹拌した。析出した結晶を濾別して、水(2ml)及びメタノール(2ml)で結晶を洗浄した。得られた結晶を40℃で減圧乾燥して、白色の結晶(化合物(4))0.47gを得た。得られた結晶をHPLCで分析すると、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した(HPLC純度:99.11%、RRT1.2不純物:0.37%)。
製造例3〜5
製造例2と同様にして水溶液1を調製した。その後、30%水酸化ナトリウムを加えて下記表1のpHに調製した後、下記表1に示す量の水を加える以外は、製造例2と同様にして結晶((化合物(4))を得た。得られた結晶をHPLCで分析すると、いずれも[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した。その他の結果を製造例2の結果と共に下記表1に示す。
なお製造例4及び5で得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物(化合物(2b)でM=Na)のものと一致した。
反応工程例1
2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(化合物(5))0.5g(2.84mmol)と亜リン酸0.7g(8.52mmol;3倍モル)にメタンスルホン酸1.5mL(2.22g;4.4倍重量)を添加し、内温80℃に加熱、撹拌して溶解させた。この混合物に、三塩化リン1.81g(13.15mmol;4.6倍モル)をゆっくりと添加した。内温80℃で16時間、内温105℃で9時間反応させた後の反応液は、少量の固体を含む液体であり、撹拌可能であった。
反応液を内温80℃まで冷却した後に、6N塩酸(3mL)をゆっくりと添加し、内温105℃で1時間撹拌した。濾過により反応液から不溶物を除去した後に濾液をHPLCで分析し、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))の生成を確認した。
反応工程例2〜8d
2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(化合物(5))の量、亜リン酸量、メタンスルホン酸量、三塩化リン量、反応温度、反応時間、反応後の後処理条件を下記表2の通りに変更する以外は、反応工程例1と同様にした。結果を反応工程例1の結果と共に表2に示す。
参考製造例1
2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸(化合物(5))10.0gと亜リン酸13.8gにトルエン130.0gを添加し、内温80℃に加熱した。この混合物に、三塩化リン36.1gをゆっくりと添加した。内温80℃で16時間反応させた後、更に内温100℃に加熱して5時間反応させた。この反応液は、橙色の固体と無色液体の層に分離しており、固体部分の撹拌は不可能な状態であった。
反応液を内温46℃まで冷却した後に、無色液体の層をデカンテーションにて除去し、6N塩酸180gを添加し、内温90℃まで加温した後に30分撹拌した。室温まで冷却後、活性炭0.5gを添加して30分撹拌し、濾過により反応液から不溶物を除去した後の濾液を濃縮し、黄色油状物32.1gを得た。この油状物に水51.3gを加え、内温32℃に加温して撹拌すると結晶が析出した。得られたスラリーを内温5℃に冷却して2時間30分熟成した後に、結晶を濾別して、水30.0gで結晶を洗浄した。
結晶を室温で減圧乾燥することで、黄褐色の結晶(化合物(4))12.0gを取得した。得られた結晶をHPLCで分析すると、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した。また、得られた結晶のHPLC純度は99.5%であり、RRT1.2不純物量は0.16%であった。
3.第1単離工程
第1単離工程例1
製造例1で得られた結晶(化合物(4))23.0gに水253.3g(11倍重量)を加え、内温80℃に加温した後に、撹拌しながら30%水酸化ナトリウム10.82gを添加してpH7.1に調整し、水溶液とした。
この水溶液に内温80℃で12N塩酸8.22gを添加して、pH4.5に調整すると結晶が析出した。得られたスラリーを内温25℃まで冷却し、メタノール115.4gを添加した。更にスラリーを5℃まで冷却して、終夜熟成した後に、結晶を濾別して、水(46mL)及びメタノール(46mL)で結晶を洗浄した。
結晶を室温で減圧乾燥することで、白色の結晶(化合物(2c))(16.64g)を取得した。得られた結晶をHPLCで分析すると、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した。また、得られた結晶のHPLC純度は99.97%であり、RRT1.2不純物は0.03%であった。得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物(化合物(2c))のものと一致した。
第1単離工程例2
[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物(化合物(1b))1.0g(HPLC純度99.39%)に1N水酸化ナトリウム水溶液8.0g(8倍重量)を加えpH7.3に調整し、内温80℃に加温し、水溶液とした。
この水溶液に1N塩酸4.9gを添加して、pH2.7に調整すると結晶が析出した。得られたスラリーを内温25℃まで冷却し、メタノール10gを添加した。更にスラリーを5℃まで冷却し、結晶を濾別して、水(2mL)及びメタノール(2mL)で結晶を洗浄した。
結晶を室温で減圧乾燥することで、白色の結晶(0.93g)を取得した。得られた結晶をHPLCで分析すると、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した。また、得られた結晶のHPLC純度は99.89%であり、RRT1.2不純物は0.02%であった。また、得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ビスホスホン酸一ナトリウム三水和物(化合物(2c))のものと一致した。
第1単離工程例3〜6及び第1単離工程比較例1
原料化合物、水溶液調製時に使用する水や水酸化ナトリウムの量とpH及び内温、水溶液調製後に加える塩酸の量とpHを下記表3の通りに変更する以外は、前記第1単離工程例2と同様にした。結果を前記第1単離工程例1〜2の結果と共に表3に示す。
第1単離工程比較例2
[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物(化合物(1b))0.66g(HPLC純度99.85%、RRT1.2不純物0.05%)を用い、第1単離工程比較例1と同様の操作を繰り返して[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の結晶0.55g(HPLC純度99.85%、RRT1.2不純物0.05%)を取得した。精製効果は認められなかった。
4.第2単離工程
実施例1
前記第1単離工程例1で得られた結晶15.0gに水225g(15倍重量)を加え、内温90℃に加温して、撹拌しながら30%水酸化ナトリウムを添加してpH7.0に調整し、水溶液とした。
この水溶液を除塵濾過し、内温65℃に温調し、1N塩酸(38.2g)を添加して、pH1.1に調整すると結晶が析出した。得られたスラリーをゆっくりと内温5℃まで冷却して、1時間熟成した後に、結晶を濾別して、水(30mL)で結晶を洗浄した。
結晶を室温で減圧乾燥することで、白色の結晶(9.2g)を取得した。得られた結晶をHPLCで分析すると、[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸(化合物(3))のピークと保持時間が一致した。また、得られた結晶のHPLC純度は99.98%であり、RRT1.2不純物は0.02%であった。得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物(化合物(1a))のものと一致した。
実施例2
第1単離工程例1と同様にして得られた結晶5.0gに水75g(15倍重量)を加え、内温100℃に加温して、撹拌しながら30%水酸化ナトリウムを添加してpH7.0に調整し、水溶液とした。
この水溶液を内温100℃に温調し、1N塩酸を添加して、pH1.0に調整して結晶を析出させた。得られたスラリーの一部を濾別し、室温で減圧乾燥させて得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の、1/2モルの付着水を有する[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸のものと一致した。
このスラリーをゆっくりと内温5℃まで冷却して、終夜熟成した後に、結晶を濾別して、水で結晶を洗浄した。結晶を室温で減圧乾燥することで、白色の結晶を取得した。得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物(化合物(1a))のものと一致した。
参考例1
国際公開第第94/00462号パンフレットに記載の、1/2モルの付着水を有する[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸の結晶1.8g及び[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の結晶0.2gを混合し、水20mlを加えた。この混合物を室温で終夜撹拌した後に、結晶を濾別した。結晶を室温で減圧乾燥することで、白色の結晶を取得した。得られた結晶の粉末X線回折は、国際公開第94/00462号パンフレットに記載の[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物(化合物(1a))のものと一致した。
本発明によって製造される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物は、骨吸収抑制作用、抗炎症作用、解熱鎮痛作用を有し、Paget病、高カルシウム血症、癌の骨転移、骨粗鬆症、慢性関節リウマチなどの治療に有用である。

Claims (6)

  1. 下記式(3)

    で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸又はその塩を含む第1の水溶液から固体を析出させ、下記式(2a)

    (式中、Mはアルカリ金属を示す)
    で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸塩三水和物を得る第1単離工程、
    前記第1単離工程で得られた前記三水和物を水に溶解した第2の水溶液を酸で処理して固体を析出させ、下記式(1a)


    で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)]エチリデン]ビスホスホン酸一水和物を得る第2単離工程とを含み、
    前記第1単離工程でpHを2.0以上6以下にして固体を析出させるものである
    [1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸一水和物の製造方法。
  2. 前記第2単離工程での固体析出時の温度が0〜80℃である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第2単離工程で固体が析出した後、この析出物を温度0〜80℃で熟成する請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第2単離工程でpHを2.0未満にして固体を析出させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 下記式(5)

    で表される2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸と亜リン酸とを、有機スルホン酸存在下、三ハロゲン化リンと反応させる工程をさらに有し、
    この反応工程で得られる反応生成物を用いて、前記第1単離工程の水溶液を調製する請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記反応工程で得られる反応生成物を、水と混合することで下記式(4)

    (式中、Xは水素原子又はアルカリ金属を示し、nは0〜3の整数を示す)
    で表される[1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチリデン]ビスホスホン酸系固体を析出させる固体回収工程をさらに有し、
    この固体回収工程で得られた固体を水に溶解して前記第1単離工程の水溶液を調製する請求項に記載の製造方法。
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