JP6447336B2 - 制御器パラメータ導出方法、制御器パラメータ導出装置、およびプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1では、連続鋳造機のモールド湯面レベル制御にSAC(Simple Adaptive Control:単純適応制御)を適用することで、湯面レベルの偏差から計算される適応ゲインに基づいて高速にストッパー開度を調整する。
特許文献2では、フィードバック制御だけでは除去困難な外乱による湯面レベルの変動を高速に除去するため、外乱オブザーバを構成し、外乱オブザーバにより推定外乱を演算し、演算した推定外乱をSAC制御出力に加算する。
図1は、連続鋳造機の構成の一例を示す図である。
図1において、連続鋳造機は、タンディッシュ11と、浸漬ノズル12と、ストッパー13と、モールド(鋳型)14と、ピンチロール15と、冷却スプレー16とを有する。
モールド14は、タンディッシュ11と間隔を有して、タンディッシュ11の下方に配置される。モールド14は、例えば筒形状を有する。また、モールド14は水冷される。
浸漬ノズル12は、タンディッシュ11に貯留されている金属溶湯17をモールド14の内部に注入する。浸漬ノズル12は、その基端がタンディッシュ11の底面に位置するとともに、先端側の所定の領域がモールド14の内部に位置するように配置される。また、浸漬ノズル12の内部とタンディッシュ11の内部は連通している。
このように、モールド14の内部の注入された溶鋼は、モールド14で冷却され、その表面から凝固殻18が形成されて凝固する。表面は凝固殻18となっているが内部は凝固していない鋼が、ピンチロール15によって挟まれながらモールド14の下端部から連続的に引き出される。このようにしてモールド14から引き出される過程で、冷却スプレー16から噴射される冷却水によって鋼の冷却を進めることで、内部まで鋼を凝固させる。凝固した鋼は、図示しない連続鋳造機の下流側で所定の大きさに切断され、スラブ、ブルーム、ビレッド等、断面の形状が異なる鋳片が製造される。
湯面レベル制御装置100は、レベル計19で検出された溶鋼の高さ位置を湯面レベルとして入力し、湯面レベルの目標値と実績値との偏差に基づいて、ストッパー13の開度の変更分を表すパルス信号である開閉パルス信号を出力する。本実施形態では、湯面レベル制御装置100は、単純適応制御(SAC)により、湯面レベルをフィードバック制御するSAC制御器として動作する。湯面レベル制御装置100の詳細については後述する。
図2において、湯面レベル制御装置100は、規範モデル201と、減算器202、203と、乗算器204a、204b、204cと、並列前進補償器205と、加算器206とを有する。
以下、湯面レベル制御装置100に含まれるこれらの構成要素201〜206とプロセスモデル207の一例について説明する。
単純適応制御(SAC)では、湯面レベルの目標値rを入力として、規範モデル201の出力ymを、以下の(1)式及び(2)式(状態空間表現の一般形)により計算する。
本実施形態では、前記状態空間表現に対応する伝達関数を以下の(3)式のように定める。
Ey=ym−ya=ym−(yh+y) ・・・(4)
(15)式において、Kp(t)は、適応ゲインKe(t)の偏差比例項であり、Ki(t)は、適応ゲインKe(t)の偏差積分項である。
(16)式において、γpは、適応ゲインKe(t)における偏差比例係数である。
(17)式において、γiは、適応ゲインKe(t)における偏差積分係数であり、α(t)は、適応ゲインKe(t)における積分修正項である。尚、(17)式の右辺第2項は、発散防止項である。
(18)式において、σは、適応ゲインKe(t)における積分修正係数である。
以上の(13)式〜(18)式で求めたSAC制御出力u0を、並列前進補償器(PFC)205の入力として与え、並列前進補償量yhを、以下の(19)式及び(20)式(状態空間表現の一般形)により計算する。
本実施形態では、前記状態空間表現に対応する伝達関数を以下の(21)式のように定める。
尚、以下の説明では、並列前進補償器(PFC)205の伝達関数PFC(s)の第1の極α1および第2の極α2を、必要に応じてPFC極α1、α2と称する。また、並列前進補償器(PFC)205のゲインβを必要に応じてPFCゲインβと称する。
尚、プロセスモデル207と減算器202との間にローパスフィルタを設け、湯面レベルの検出値yを、ローパスフィルタに通したうえで減算器202に出力する構成にしてもよい。
以下に、制御器パラメータ導出装置400の各部が有する機能の一例を説明する。
プロセスモデル取得部401は、プロセスモデル207を特定するための情報を取得する。プロセスモデル207の取得形態としては、例えば、ユーザインターフェースの操作、外部装置との通信、または、可搬型記憶媒体からの読み出しが挙げられる。
本実施形態では、プロセスモデル207の伝達関数P(s)を以下の(22)式で表す。
したがって、本実施形態では、プロセスモデル207は、図5に示すブロック線図で表される。尚、図5に示すy´は、湯面レベルの生値である。また、実際の制御においては、プロセスモデル207は、実プラント(連続鋳造機)に置き換えられる。
本実施形態では、プロセスモデル取得部401は、(22)式の形と、(22)式における各パラメータの値を取得する。
PI制御器設計部402は、SAC制御器の代わりにPI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)を導出する。
図6は、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)を導出するためのブロック線図の一例を示す図である。
PI制御器601の伝達関数CPI(s)は、以下の(23)式で表される。
PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)は、以下の(24)式で表される。
図7において、感度関数SPI(s)の振幅(ゲイン)が0[dB]を上回る範囲の周波数で、外乱dが増幅されて湯面レベルの検出値y´に表れる。図7に示す例では、0.08[Hz]〜0.7[Hz]程度の周波数範囲で感度関数SPI(s)の振幅が0[dB]を上回る。
図3に示す並列前進補償器205の局所フィードバックは、図8に示すように、プロセスモデル207に対する並列前進加算の形に書き換えることができる。すなわち、図8に示すブロック線図では、プロセスモデル207の出力と並列前進補償器205の出力とを加算器208で加算した値をフィードバックする構成になる。
図3に示すブロック線図と図8に示すブロック線図は等価である。そうすると、以下の(25)式のように、拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)が定義される。
Pa(s)=P(s)+PFC(s) ・・・(25)
このように、適応ゲインKe(t)を制御器と見立てて、プロセスモデルが並列前進補償器205により拡大されたと解釈することができる。
(A)拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)は最小位相系
(B)拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)の相対次数は0または1
(C)拡張プロセスモデルの伝達関数Pa(s)のゲインは正
第1のPFCパラメータ決定部403は、(21)式に示したPFCゲインβを導出する。
以下に、PFCゲインβを導出する方法の一例を説明する。
(26)式を以下の(27)式のように表現する。
以上のことから、第1のPFCパラメータ決定部403は、以下の(32)式により、PFCゲインβを導出する。
KKMAX=D1×KK>KK ・・・(33)
適応ゲイン上限仮決定部404は、SAC制御器の代わりにP制御器を用いた場合の比例ゲインであって、プロセスモデル207の伝達関数P(s)に対して発振限界(ゲイン余裕=0、位相余裕=0)となる比例ゲインを、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempとして導出する。
しかしながら、適応ゲインKe(t)の上限値を仮決めすることで、試行錯誤的に設計を進めなければならないSAC制御器の設計に道筋をつけることが可能となる。
本発明者らは、PFC極α1、α2の探索範囲に対して制約を設ける必要があるか否かを検討した。第2のPFCパラメータ決定部405の機能の一例を説明する前に、その結果を説明する。
前述したように、(29)式に対してフルビッツの安定判定法をあてはめれば、「s多項式の係数Niの全てが正であること」が必要条件となる(ただし、必要十分条件ではない)。したがって、N1>0、N2>0から、PFC極α1、α2に対する以下の制約式を得ることができる。
まず、N1>0から、以下の(34)式の制約式を得ることができる。
第2のPFCパラメータ決定部405は、第1のPFCパラメータ決定部403で導出された、PFCゲインβと、適応ゲイン上限仮決定部404で導出された、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempとを用いて、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)を導出する。そして、第2のPFCパラメータ決定部405は、PI制御器設計部402で導出された、PI制御器を用いた場合の感度関数SPI(s)と、SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)との所定の周波数範囲での差が最小になるときのPFC極α1、α2を探索する。
α2=D2×α1 ・・・(39)
D2は、0(ゼロ)を上回る実数(D2>0)である。係数D2は、例えば、操業実績等に基づいて予め設定される。
適応ゲインKe(t)を、その仮の上限値Kemax_tempで固定することで、SAC制御器を、並列前進補償器205の局所的なフィードバック機構を含めて1つの制御器として扱うことが可能である。このように並列前進補償器205を含めたSAC制御器の伝達関数CSAC(s)は、以下の(40)式で表される。
また、(並列前進補償器205を含めた)SAC制御器を用いた場合の感度関数SSAC(s)は、以下の(41)式で表される。
図10において、振幅は、感度関数の振幅である。また、グラフ1001は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、グラフ1002は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
本実施形態では、第2のPFCパラメータ決定部405は、PFC極α1を異ならせた複数の感度関数SSAC(s)の中から、0.005[Hz]〜0.04[Hz]の周波数において、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|に対する、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の誤差の積分値が最小になる感度関数SSAC(s)を求める。尚、かかる積分値は、図10でハッチングされている領域の面積に対応する。そして、第2のPFCパラメータ決定部405は、当該求めた感度関数SSAC(s)を導出した際に用いたPFC極α1を特定する。
ω2=2π×0.040 ・・・(43)
ω1=2π×0.005 ・・・(44)
また、前述したように、PFC極α1は0(ゼロ)を上回る値(α1>0)である。
以上のように第2のPFCパラメータ決定部405は、PFC極α1の初期値を0(ゼロ)とした場合の評価関数Jと、PFC極α1を徐々に大きくした場合のそれぞれの評価関数Jを導出し、評価関数Jを最小化するPFC極α1を探索する。
図11において、グラフ1101は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、グラフ1102は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
図12において、グラフ1201は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、図11に示したグラフ1101と同じである。
グラフ1202〜1204は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。グラフ1203は、図11に示したグラフ1102と同じである。グラフ1202、1204は、グラフ1203を得たときと、PFC極α1、α2の値のみを異ならせることにより得られたものである。具体的に、グラフ1202は、PFC極α1、α2が、グラフ1201を得た際のPFC極α1、α2よりも小さいときの感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性である。また、グラフ1204は、PFC極α1、α2が、グラフ1201を得た際のPFC極α1、α2の大きさよりも大きいときの感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性である。
適応ゲイン上限決定部406は、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを導出する。
以下に、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを導出する方法の具体例を説明する。
このようにすることにより、SAC制御器がPI制御器の性能を上回るようにするにあたって、必要以上に適応ゲインKe(t)を上げ過ぎないようにすることができる。
図13において、振幅は、感度関数の振幅である。また、グラフ1301は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、グラフ1302は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
本実施形態では、適応ゲイン上限決定部406は、前記所定の周波数範囲の下限(=0.001[Hz])と上限(=0.04[Hz])のそれぞれにおいて、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|と感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|とが一致するような((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインを、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxとして探索する。
図14において、グラフ1401は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、図11に示したグラフ1101および図12に示したグラフ1201と同じである。
グラフ1402、1403は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。
図15において、グラフ1501は、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|の周波数特性を示し、図14に示したグラフ1401と同じである。
グラフ1502、1503は、感度関数SSAC(s)の振幅|SSAC(s)|の周波数特性を示す。グラフ1502は、図14に示したグラフ1402と同じである。グラフ1503は、グラフ1502を得たときと、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxの値のみを異ならせることにより得られたものである。具体的に、グラフ1503を得た際に用いた適応ゲインは、グラフ1502を得た際に用いた適応ゲインよりも大きい。
伝達関数TSAC(s)、TPI(s)は、それぞれ以下の(45)式、(46)式で表される。
グラフ1602、1603は、図9に示したブロック線図における伝達関数TSAC(s)の振幅の周波数特性を示す。グラフ1602は、グラフ1503を得たときと、((41)式のKemax_tempに与える)適応ゲインの値のみを異ならせている。具体的に、グラフ1602を得た際に用いた適応ゲインは、グラフ1603を得た際に用いた適応ゲインよりも小さい。
図17(a)に示す例では、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを設定していないため、湯面レベルが大きくハンチングし、鋳造の継続が不可能な状態になる。例えば、ストッパー13の移動速度に制約がある場合、単純適応制御(SAC)の持つ高い制御能力を発揮できない場合がある。
一方、図17(b)に示す例では、適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxを設定し、適応ゲインKe(t)が過大になることを回避するため、湯面レベルのハンチングが抑制され、単純適応制御(SAC)を安定して実行することができる。
以上のように本実施形態では、理論的にASPR条件を満足することを示す制約要件を満たすようにPFCゲインβを導出する。また、プロセスモデル207の伝達関数P(s)に対して発振限界(ゲイン余裕=0、位相余裕=0)となる比例ゲインを、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempとして導出する。そして、適応ゲインKe(t)の仮の上限値Kemax_tempと、PFCゲインβとを前記導出した値で固定した上で、PFC極α1、α2を変更し、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|が0[dB]を上回る領域よりも低周波側の所定の周波数範囲において、感度関数SPI(s)、SSAC(s)の振幅|SPI(s)|、|SSAC(s)|の差が最小になるときのPFC極α1、α2を導出する。次に、PFC極α1、α2およびPFCゲインβを前記導出した値で固定した上で適応ゲインを変更し、感度関数SPI(s)の振幅|SPI(s)|が0[dB]を上回る領域よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限において、感度関数SPI(s)、SSAC(s)の振幅|SPI(s)|、|SSAC(s)|が一致するときの適応ゲインを適応ゲインKe(t)の上限値Kemaxとして導出する。
<変形例1>
本実施形態では、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)を(21)式で表現する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)は、(21)式に限定されない。並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)は、例えば、分母の次数が分子の次数よりも1大きく、且つ、分子の次数が1次以上である伝達関数とすることができる。さらに、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)を直達項がない形で表現することもできる。
本実施形態では、プロセスモデル207の伝達関数P(s)を(22)式で表現する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、プロセスモデル207の伝達関数P(s)は(22)式に限定されない。例えば、プロセスモデル207の伝達関数P(s)を以下の(47)式または(48)式で表現してもよい。
本実施形態では、(42)式に示す評価関数Jを最小にするPFC極α1を求める場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、(42)式に示す評価関数Jが最小になるように、SAC制御器の全てのパラメータを導出してもよい。このようにする場合の具体例を説明すると、ASPR条件を満足することを示す制約条件(例えば(29)式のただし書きに示すN0〜N5の全てが0(ゼロ)を上回るという制約条件)を満たす範囲で、(42)式に示す評価関数Jを最小にするPFC極α1、α2およびPFCゲインβを導出してもよい。尚、かかる導出は、例えば、公知の数理計画法における最適化計算の手法を用いることにより実現できる。また、このようにする場合、制御器パラメータ導出装置400は、第1のPFCパラメータ決定部403の機能を持たなくてもよい。また、並列前進補償器205の伝達関数PFC(s)を(21)式で表現しない場合においても、このようにしてSAC制御器の全てのパラメータを導出することができる。さらに、本実施形態で説明したように、湯面レベルを制御するための設備(油圧シリンダー300、レベル計19)の時定数TCYL、TSを0(ゼロ)にして、前記制約条件を定めることができる。
以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (8)
- 連続鋳造機におけるモールド内の金属溶湯の湯面レベルの目標値を入力として前記湯面レベルの検出値が追従すべき湯面レベルを出力する規範モデルと、
前記規範モデルの出力と前記湯面レベルの検出値との偏差に対する可変の適応ゲインと、
前記連続鋳造機のタンディッシュに貯留されている金属溶湯の前記モールド内への流入量を調節するストッパーの開度に関する指令を入力として前記湯面レベルの検出値を出力するプロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器(PFC)と、
を有する制御器であり、前記湯面レベルを単純適応制御により制御する制御器のパラメータを導出する制御器パラメータ導出方法であって、
前記湯面レベルの制御をPI制御により行う場合の感度関数である第1の感度関数の振幅の周波数特性をPI制御器設計手段により導出するPI制御器設計工程と、
前記適応ゲインの仮の上限値を適応ゲイン上限仮決定手段により決定する適応ゲイン上限仮決定工程と、
前記PI制御器設計工程により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記湯面レベルの制御を単純適応制御により行う場合の感度関数である第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記適応ゲイン上限仮決定工程により決定された前記適応ゲインの仮の上限値とを用いて、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータであって、初期値をゼロとした場合の前記ストッパーに対する開度に関する指令をラプラス変換した値に対する、前記湯面レベルの検出値に対する補償量をラプラス変換した値の比である伝達関数のパラメータを前記制御器のパラメータの1つとしてPFCパラメータ決定手段により決定するPFCパラメータ決定工程と、
前記前記PI制御器設計工程により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記PFCパラメータ決定工程により決定された前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとを用いて、前記適応ゲインの上限値を前記制御器のパラメータの1つとして適応ゲイン上限決定手段により決定する適応ゲイン上限決定工程と、を有し、
前記PFCパラメータ決定工程は、前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定工程で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の少なくとも1つのパラメータを異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータを特定し、
前記適応ゲイン上限決定工程は、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記PFCパラメータ決定工程で導出された前記パラメータであるものとしたうえで、前記適応ゲインの値を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と一致する前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記適応ゲインを、前記適応ゲインの上限値として特定することを特徴とする制御器パラメータ導出方法。 - 前記PFCパラメータ決定工程は、
前記プロセスモデルの伝達関数と前記並列前進補償器の伝達関数との和がASPR(Almost Strictly Positive Real)条件を満足することを示す制約条件であって、前記プロセスモデルの伝達関数における設備の時定数を0(ゼロ)とした場合の制約条件を満たすように、前記並列前進補償器の伝達関数の分子の最高次数のラプラス演算子に乗算される係数を、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとして特定する第1のPFCパラメータ決定工程と、
前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定工程で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であり、且つ、前記係数が第1のPFCパラメータ決定工程で決定された前記係数であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の極を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数の極を、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとして特定する第2のPFCパラメータ決定工程と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の制御器パラメータ導出方法。 - 前記適応ゲイン上限仮決定工程は、前記湯面レベルの制御をP制御により行う場合の比例ゲインであって、前記プロセスモデルの伝達関数に対して発振限界となる比例ゲインを、前記適応ゲインの仮の上限値として導出することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の制御器パラメータ導出方法。
- 前記適応ゲイン上限決定工程は、前記適応ゲイン上限仮決定工程により導出された、前記適応ゲインの仮の上限値を初期値として、前記適応ゲインの値を異ならせて、前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性を導出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の制御器パラメータ導出方法。
- 連続鋳造機におけるモールド内の金属溶湯の湯面レベルの目標値を入力として前記湯面レベルの検出値が追従すべき湯面レベルを出力する規範モデルと、
前記規範モデルの出力と前記湯面レベルの検出値との偏差に対する可変の適応ゲインと、
前記連続鋳造機のタンディッシュに貯留されている金属溶湯の前記モールド内への流入量を調節するストッパーの開度に関する指令を入力として前記湯面レベルの検出値を出力するプロセスモデルの出力を補償する並列前進補償器(PFC)と、
を有する制御器であり、前記湯面レベルを単純適応制御により制御する制御器のパラメータを導出する制御器パラメータ導出装置であって、
前記湯面レベルの制御をPI制御により行う場合の感度関数である第1の感度関数の振幅の周波数特性を導出するPI制御器設計手段と、
前記適応ゲインの仮の上限値を決定する適応ゲイン上限仮決定手段と、
前記PI制御器設計手段により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記湯面レベルの制御を単純適応制御により行う場合の感度関数である第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記適応ゲイン上限仮決定手段により決定された前記適応ゲインの仮の上限値とを用いて、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータであって、初期値をゼロとした場合の前記ストッパーに対する開度に関する指令をラプラス変換した値に対する、前記湯面レベルの検出値に対する補償量をラプラス変換した値の比である伝達関数のパラメータを前記制御器のパラメータの1つとして決定するPFCパラメータ決定手段と、
前記前記PI制御器設計手段により導出された前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と、前記第2の感度関数の振幅の周波数特性と、前記PFCパラメータ決定手段により決定された前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータとを用いて、前記適応ゲインの上限値を前記制御器のパラメータの1つとして決定する適応ゲイン上限決定手段と、を有し、
前記PFCパラメータ決定手段は、前記適応ゲインが前記適応ゲイン上限仮決定手段で決定された前記適応ゲインの仮の上限値であるものとしたうえで、前記並列前進補償器の伝達関数の少なくとも1つのパラメータを異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲において前記第1の感度関数の振幅との差が所定の条件下で最小となる前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータを特定し、
前記適応ゲイン上限決定手段は、前記並列前進補償器の伝達関数のパラメータが前記PFCパラメータ決定手段で導出された前記パラメータであるものとしたうえで、前記適応ゲインの値を異ならせることにより導出される前記第2の感度関数の振幅の複数の周波数特性と、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性とを比較した結果に基づいて、前記第1の感度関数の振幅が0[dB]を上回る周波数よりも低周波側の所定の周波数範囲の上限と下限とのそれぞれにおける値が、前記第1の感度関数の振幅の周波数特性と一致する前記第2の感度関数の振幅の周波数特性を探索し、当該探索した前記第2の感度関数の振幅の周波数特性の導出に用いられる前記適応ゲインを、前記適応ゲインの上限値として特定することを特徴とする制御器パラメータ導出装置。 - 請求項1〜6の何れか1項に記載の制御器パラメータ導出方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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