JP7077797B2 - 複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法、装置及びプログラム - Google Patents
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複層鋳片の連続鋳造プロセスでは、表層の溶融金属(溶鋼)と内層の溶鋼とを上下に分離する境界の位置(以下、境界層レベルと呼ぶ)を静磁場帯に留めるために、表層用の浸漬ノズルによる溶鋼供給流量及び内層用の浸漬ノズルによる溶鋼供給流量を適切に制御する必要がある。
この課題に対して、例えば特許文献2には、内層溶鋼注入量および外層溶鋼注入量の比を一定に保ちつつ、注入量和操作によりモールド湯面レベルを制御する方式が開示されている。
[1] 表層ノズル及び内層ノズルから鋳型内に溶融金属を注入し、前記鋳型内において表層の溶融金属と内層の溶融金属とを境界を挟んで上下に分離して、表層の組成と内層の組成とが異なる複層鋳片を製造する連続鋳造プロセスの制御方法であって、
前記鋳型内の湯面の位置である表層レベルを測定する湯面レベル計と、前記表層ノズルの溶融金属の供給流量である表層流量を測定する表層用の流量計と、前記内層ノズルの溶融金属の供給流量である内層流量を測定する内層用の流量計とを用い、
少なくとも、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルであり、前記境界の位置である境界層レベルの変動が、前記内層流量を、前記鋳型の横断面における前記内層の断面積で除算した上で、鋳造速度を減算した式で表されるモデルを利用して、前記境界層レベルを推定する推定ステップと、
前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値、及び前記モデルによる前記境界層レベルの推定値をそれぞれの目標値に保つように、前記表層流量、及び前記内層流量を制御する制御ステップとを行うことを特徴とする複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
[2] 前記モデルを利用してオブザーバが構成され、
前記推定ステップでは、前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値と、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、前記オブザーバにより前記境界層レベルを推定することを特徴とする[1]に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
[3] 前記オブザーバとして、前記モデルを線形近似した線形近似モデルを利用して、ルーエンバーガー型のオブザーバが構成されることを特徴とする[2]に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
[4] 前記オブザーバは、前記表層レベルと、前記境界層レベルと、溶融金属体積収支外乱とを状態変数とすることを特徴とする[2]又は[3]に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
[5] 前記溶融金属体積収支外乱として、ステップ状外乱又はランプ状流量外乱を与えることを特徴とする[4]に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
[6] 表層ノズル及び内層ノズルから鋳型内に溶融金属を注入し、前記鋳型内において表層の溶融金属と内層の溶融金属とを境界を挟んで上下に分離して、表層の組成と内層の組成とが異なる複層鋳片を製造する連続鋳造プロセスの制御装置であって、
湯面レベル計による前記鋳型内の湯面の位置である表層レベルの測定値と、表層用の流量計による前記表層ノズルの溶融金属の供給流量である表層流量の測定値と、内層用の流量計による前記内層ノズルの溶融金属の供給流量である内層流量の測定値とを入力する入力手段と、
少なくとも、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルであり、前記境界の位置である境界層レベルの変動が、前記内層流量を、前記鋳型の横断面における前記内層の断面積で除算した上で、鋳造速度を減算した式で表されるモデルを利用して、前記境界層レベルを推定する推定手段と、
前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値、及び前記推定手段による前記境界層レベルの推定値をそれぞれの目標値に保つように、前記表層流量、及び前記内層流量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御装置。
[7] 表層ノズル及び内層ノズルから鋳型内に溶融金属を注入し、前記鋳型内において表層の溶融金属と内層の溶融金属とを境界を挟んで上下に分離して、表層の組成と内層の組成とが異なる複層鋳片を製造する連続鋳造プロセスを制御するためのプログラムであって、
湯面レベル計による前記鋳型内の湯面の位置である表層レベルの測定値と、表層用の流量計による前記表層ノズルの溶融金属の供給流量である表層流量の測定値と、内層用の流量計による前記内層ノズルの溶融金属の供給流量である内層流量の測定値とを入力する入力手段と、
少なくとも、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルであり、前記境界の位置である境界層レベルの変動が、前記内層流量を、前記鋳型の横断面における前記内層の断面積で除算した上で、鋳造速度を減算した式で表されるモデルを利用して、前記境界層レベルを推定する推定手段と、
前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値、及び前記推定手段による前記境界層レベルの推定値をそれぞれの目標値に保つように、前記表層流量、及び前記内層流量を制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
(第1の実施形態)
図1に、複層鋳片を鋳造する連続鋳造設備の概要を示す。
吐出位置を鋳造方向に異ならせた2本の浸漬ノズル(以下、表層ノズル1及び内層ノズル2と呼ぶ)を備え、組成の異なる溶鋼がそれぞれ表層タンディッシュ3、内層タンディッシュ4から表層ノズル1、内層ノズル2を介して鋳型5内に注入される。
図2を参照して、第1の実施形態において複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御装置として機能するコントローラ14の機能構成を説明する。
入力部201は、湯面レベル計9による表層レベルの測定値と、表層用の流量計10による表層流量の測定値と、内層用の流量計11による内層流量の測定値とを入力する。
複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルは、例えば特許文献3や非特許文献1に示されている。
このモデルでは、表層流量Q1(t)、内層流量Q2(t)の変動に応じて、メニスカス位置(表層レベル)y1(t)、境界層レベルy2(t)は、式(1)-式(5)に従って変動する。図1にも示すように、s(t)は表層厚、A1(t)は表層断面積、A2(t)は内層断面積、Aは複層鋳片の総断面積(A1(t)+A2(t))である。また、Vcは鋳造速度である。また、Wはモールド幅、Dはモールド厚、Kは凝固係数である。
ここで、内層断面積A2(t)、表層厚s(t)は、式(3)、式(4)に従って変動する。τはメニスカス位置から境界層レベルまで引き抜かれるまでのむだ時間であり、式(5)を満たす。
図3に示すように、表層レベルy1を測定し、表層レベル目標値(y1目標値)と比較して、コントローラ14の制御下、その差に見合った表層ストッパー12の開度調整を行うフィードバック制御を実行する。式(1)に表わされるように、表層レベルy1の変動は、表層流量Q1と内層流量Q2との和を面積Aで除算した上で、鋳造速度Vcを減算した式で表わされる。これに準じて、ブロック線図では、表層ストッパー12の開度に応じて制御される表層流量Q1と内層流量Q2との和に1/Aを乗算した上で、鋳造速度Vcを減算した値を積分したものが表層レベルy1となる構成となっている。
第1の実施形態では、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルを直接的に利用して、境界層レベルを推定するようにした。
第2の実施形態では、複層鋳片の連続鋳造プロセスの線形近似モデルを利用して、ルーエンバーガー(Luenberger)型のオブザーバ(状態観測器)を構成し、このオブザーバにより境界層レベルを推定する例を説明する。
以下では、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
入力部201は、湯面レベル計9による表層レベルの測定値と、表層用の流量計10による表層流量の測定値と、内層用の流量計11による内層流量の測定値とを入力する。
ルーエンバーガー型のオブザーバを構成するため、式(1)-式(4)、式(7)の非線形モデルの線形近似モデルを導出する。
設定値近傍での各状態変数の摂動量(y1 ~(t)、y2 ~(t)、s~(t)、A2 ~(t)、Q1 ~(t)、Q2 ~(t))を以下のように定義する。なお、例えばy1 ~(t)の表記は、y1の上に~が付されているものとする。
ルーエンバーガー型のオブザーバを構成し、直接測定できない境界層レベルを推定する。
オブザーバは、表層レベルの測定値と、表層流量の測定値と、内層流量の測定値とを入力として、表層レベル、境界層レベル、流量外乱の推定値をそれぞれ計算し出力する。なお、最小次元オブザーバを構成することで、表層レベルについては推定を省略してもよい。
鋳型内溶鋼の凝固収縮、非定常バルジングに伴う体積変動等の溶鋼体積収支外乱を補償するよう、ステップ状の流量外乱d2^(t)を考慮しオブザーバを構成する。なお、^はオブザーバの状態変数であることを区別するために付しており、例えばd2^(t)の表記は、d2の上に^が付されているものとする。鋳型内溶鋼の凝固収縮量は鋳造速度Vcに依存するが、この定式化ではVcが異なる場合であっても対応できる。
式(15)、式(16)の状態空間モデルでは、不安定極0に対し、式(21)のようになり、可検出性を満たすので、式(17)により構成したオブザーバの推定誤差は漸近的に0に近付けることができる。
図5に示すブロック線図では、図3に示す第1の実施形態におけるブロック線図と比較して、シミュレータがオブザーバに変更された点で相違する。オブザーバにより境界層レベル摂動量y2 ~を推定し、y2 ~に境界層レベル設定値を加えたもの(図5中にy2推定値と示す)と境界層レベル目標値(y2目標値)と比較して、コントローラ14の制御下、その差に見合った内層ストッパー13の開度調整を行うフィードバック制御を実行する。オブザーバは、表層レベルy1の測定値と、表層流量Q1の測定値と、内層流量Q2の測定値とを入力として、境界層レベル摂動量y2 ~を推定する。式(2)に表わされるように、境界層レベルy2の変動は、内層流量Q2を内層断面積A2で除算した上で、鋳造速度Vcを減算した式で表わされる。これに準じて、ブロック線図では、内層ストッパー13の開度に応じて制御される内層流量Q2に1/A2を乗算し、そこから鋳造速度Vcを減算して積分したものが境界層レベルy2となる構成となっている。
実施例1では、試験CC(Continuous casting)での複層鋳片の鋳造を想定し、流量特性変化時の制御シミュレーションを行い、本発明を適用する境界層レベル制御方式と、特許文献2に記載の方式に準じた流量比率一定制御方式とを比較した。
境界層レベル制御方式では、第1の実施形態で説明したようにシミュレータにより境界層レベルを推定するようにした。
流量比率一定制御方式では、表層レベル目標値と表層レベル実績値との偏差に基づいて、表層流量及び内層流量の合計注湯量目標値をPID制御により演算する。さらに、この合計注湯量目標値を表層流量及び内層流量の流量比率目標値に基づいて配分し、表層流量目標値、内層流量目標値をそれぞれ計算した上で、それぞれの流量目標値に一致するよう、PID制御により、表層ストッパー開度操作量、内層ストッパー開度操作量を演算することにより、表層流量、内層流量をそれぞれの流量目標値に保持し、表層レベル、境界層レベルを一定に保持する。
なお、境界層レベル制御方式では、表層レベル制御、境界層レベル制御ともにPI制御により行い、流量比率一定制御方式では、合計注湯量演算制御、表層流量目標値制御、内層流量目標値制御ともにPI制御により行う。
図6(b)に表層レベルの変動を、(c)に境界層レベルの変動を示す。また、図7(a)に表層流量Q1の変化を、(b)に内層流量Q2の変化を示す。図6及び図7の各特性図の横軸は時間[sec]である。図中の実線が境界層レベル制御方式による特性線を、点線が流量比率一定制御方式による特性線を示す。
図6(a)の内層ストッパーの流量特性変化に対して、図6(b)、(c)に示すように、境界層レベル制御方式では、表層レベル、境界層レベルともに略一定に保つことができている。これに対して、流量比率一定制御方式では、表層レベル、境界層レベルともに変動が大きく、特に境界層レベルの変動を抑制できていない。
一方、流量比率一定制御方式では、内層ストッパーの流量特性変化に伴う溶鋼供給流量の変化の結果生じる境界層レベルの変動に対し、溶鋼供給流量を目標値に回復させた上で複層鋳片の連続鋳造プロセスの自己修復機能により境界層レベルを目標値に回復させる、という間接的な制御方式となっており、境界層レベルの回復に長時間を要する。なお、流量目標値制御においては、積分時間を短くする等、制御ゲインをハイゲインにすることにより外乱抑制効果を高めることができるが、閉ループ系が不安定になるおそれがあるので、制御ゲインを過剰にハイゲインにすることは難しい。
連続鋳造プロセスの操業においては、鋳造中に鋳造速度Vcの変更操作が行われる。例えば湯上がり制御時から定常操業に向けて鋳造速度Vcを増速したり、湯面変動が激しくなった場合に鋳造速度Vcを減速したりする等の鋳造速度Vcの変更がある。このような状況を想定し、鋳造速度Vcの変更時の制御シミュレーションを行った。
なお、シミュレーション条件、制御パラメータについては、タンディッシュヘッドを一定に保持したことと、鋳造速度Vcを変更すること以外は実施例1と同様である。
図8(b)に表層レベルの変動を、(c)に境界層レベルの変動を示す。また、図9(a)に表層ストッパー開度の変化を、(b)に内層ストッパー開度の変化を示す。また、図10(a)に表層流量Q1の変化を、(b)に内層流量Q2の変化を示す。図8乃至図10の各特性図の横軸は時間[sec]である。図中の実線が境界層レベル制御方式による特性線を、点線が流量比率一定制御方式による特性線を示す。
図8(a)の鋳造速度Vcの変更に対して、図8(b)、(C)に示すように、境界層レベル制御方式では、表層レベル、境界層レベルともに変動を速やかに抑制し、表層レベル目標値に収束させることができる。これに対して、流量比率一定制御方式では、表層レベル、境界層レベルともに変動が大きく、特に境界層レベル目標値への回復が遅くなっている。
本発明を適用する複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御装置は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータにより実現可能である。
また、本発明は、本発明の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。
Claims (7)
- 表層ノズル及び内層ノズルから鋳型内に溶融金属を注入し、前記鋳型内において表層の溶融金属と内層の溶融金属とを境界を挟んで上下に分離して、表層の組成と内層の組成とが異なる複層鋳片を製造する連続鋳造プロセスの制御方法であって、
前記鋳型内の湯面の位置である表層レベルを測定する湯面レベル計と、前記表層ノズルの溶融金属の供給流量である表層流量を測定する表層用の流量計と、前記内層ノズルの溶融金属の供給流量である内層流量を測定する内層用の流量計とを用い、
少なくとも、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルであり、前記境界の位置である境界層レベルの変動が、前記内層流量を、前記鋳型の横断面における前記内層の断面積で除算した上で、鋳造速度を減算した式で表されるモデルを利用して、前記境界層レベルを推定する推定ステップと、
前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値、及び前記モデルによる前記境界層レベルの推定値をそれぞれの目標値に保つように、前記表層流量、及び前記内層流量を制御する制御ステップとを行うことを特徴とする複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。 - 前記モデルを利用してオブザーバが構成され、
前記推定ステップでは、前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値と、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、前記オブザーバにより前記境界層レベルを推定することを特徴とする請求項1に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。 - 前記オブザーバとして、前記モデルを線形近似した線形近似モデルを利用して、ルーエンバーガー型のオブザーバが構成されることを特徴とする請求項2に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
- 前記オブザーバは、前記表層レベルと、前記境界層レベルと、溶融金属体積収支外乱とを状態変数とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
- 前記溶融金属体積収支外乱として、ステップ状外乱又はランプ状流量外乱を与えることを特徴とする請求項4に記載の複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御方法。
- 表層ノズル及び内層ノズルから鋳型内に溶融金属を注入し、前記鋳型内において表層の溶融金属と内層の溶融金属とを境界を挟んで上下に分離して、表層の組成と内層の組成とが異なる複層鋳片を製造する連続鋳造プロセスの制御装置であって、
湯面レベル計による前記鋳型内の湯面の位置である表層レベルの測定値と、表層用の流量計による前記表層ノズルの溶融金属の供給流量である表層流量の測定値と、内層用の流量計による前記内層ノズルの溶融金属の供給流量である内層流量の測定値とを入力する入力手段と、
少なくとも、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルであり、前記境界の位置である境界層レベルの変動が、前記内層流量を、前記鋳型の横断面における前記内層の断面積で除算した上で、鋳造速度を減算した式で表されるモデルを利用して、前記境界層レベルを推定する推定手段と、
前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値、及び前記推定手段による前記境界層レベルの推定値をそれぞれの目標値に保つように、前記表層流量、及び前記内層流量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする複層鋳片の連続鋳造プロセスの制御装置。 - 表層ノズル及び内層ノズルから鋳型内に溶融金属を注入し、前記鋳型内において表層の溶融金属と内層の溶融金属とを境界を挟んで上下に分離して、表層の組成と内層の組成とが異なる複層鋳片を製造する連続鋳造プロセスを制御するためのプログラムであって、
湯面レベル計による前記鋳型内の湯面の位置である表層レベルの測定値と、表層用の流量計による前記表層ノズルの溶融金属の供給流量である表層流量の測定値と、内層用の流量計による前記内層ノズルの溶融金属の供給流量である内層流量の測定値とを入力する入力手段と、
少なくとも、前記表層用の流量計による前記表層流量の測定値と、前記内層用の流量計による前記内層流量の測定値とに基づいて、複層鋳片の連続鋳造プロセスを表現するモデルであり、前記境界の位置である境界層レベルの変動が、前記内層流量を、前記鋳型の横断面における前記内層の断面積で除算した上で、鋳造速度を減算した式で表されるモデルを利用して、前記境界層レベルを推定する推定手段と、
前記湯面レベル計による前記表層レベルの測定値、及び前記推定手段による前記境界層レベルの推定値をそれぞれの目標値に保つように、前記表層流量、及び前記内層流量を制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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