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JP2000322106A - 連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法 - Google Patents

連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法

Info

Publication number
JP2000322106A
JP2000322106A JP11132143A JP13214399A JP2000322106A JP 2000322106 A JP2000322106 A JP 2000322106A JP 11132143 A JP11132143 A JP 11132143A JP 13214399 A JP13214399 A JP 13214399A JP 2000322106 A JP2000322106 A JP 2000322106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
molten metal
casting machine
continuous casting
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11132143A
Other languages
English (en)
Inventor
Fukoku Ou
赴国 王
Hiroshi Mizuno
浩 水野
Kenzo Nonami
健蔵 野波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP11132143A priority Critical patent/JP2000322106A/ja
Publication of JP2000322106A publication Critical patent/JP2000322106A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造機の数式モデルに誤差が存在して
も、また連続鋳造機の周波数特性が未知であっても、従
来よりも効果的にモールド内湯面レベルの変動を抑制す
ることができる制御方法。 【解決手段】 連続鋳造機モールド3内の湯面レベルを
レベルセンサ4で計測し、この計測値の設定値に対する
偏差をフィードバック制御器6と外乱推定型適応コント
ローラ7に供給する。外乱推定型適応コントローラ7は
前記偏差から周期性外乱を推定し、これを打ち消す適応
制御操作量を出力し、フィードバック制御器6はフィー
ドバック制御操作量を出力する。この2つの制御操作量
が加算され、この加算値がアクチュエータ5に供給され
る。そしてアクチュエータ5の駆動出力によりスライデ
ィングノズル2の開度が調節され、モールド3内の湯面
レベルが制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造プロセス
において、タンディッシュから鋳型内へ注入する溶鋼給
湯量をスライディングノズルの開度により調整し、モー
ルド内の湯面レベルを制御する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機においては、タンディッシュ
から鋳型(以下モールドという)内へ注入する溶鋼給湯
量をスライディングノズルの開度により調整し、モール
ド内の湯面レベルが設定レベルと一致するように制御を
行っている。このモールド内の溶鋼湯面レベルの変動
は、パウダー巻き込みなどによる製品表面欠陥発生の主
原因となっており、湯面レベルを一定に制御することは
歩留まり向上及び製品品質向上に直結する重要な技術で
ある。従来、連続鋳造機においてモールド内の溶鋼レベ
ル制御として、例えば特開昭64−53747号に開示
されているようなPID制御(比例動作、積分動作、微
分動作の組合せ制御)が一般的である。
【0003】しかし、連続鋳造機においては、表層面が
凝固した溶鋼をモールドから引き抜く際の引き抜き速度
変動による湯面変動外乱、タンディッシュ内溶鋼流量の
変動による湯面変動、バルジングと呼ばれるピンチロー
ル間での未凝固体積変動による周期的湯面変動などさま
ざまな外乱が存在し、また、スライディングノズル内の
アルミナの付着、脱落によるノズル内の溶鋼流量特性の
変動、モデル化が困難な場合の波立ちの発生、スライデ
ィングノズルの非線形流量特性など制御対象のパラメー
タ変動及び寄生要素の影響などがあり通常のPID制御
では湯面レベル変動を小さくすることが困難となってい
る。上述したような問題に対して、例えば特開平7−2
32252号公報では、外乱オブザーバを用いた自動チ
ューニング法を提案し、また特開平9−146608号
公報では上述制御対象の特性変動に対して安定で、かつ
上述外乱に対して湯面変動量の抑制を実現する制御系を
ロバスト(H∞)制御理論の混合感度問題の解として決
定する方法により解決を試みている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
いずれの公報においても、制御対象の数式モデルに基づ
いてコントローラを導いているため、正確な数式モデル
が得られている場合はその効果を発揮するものの、正確
な数式モデル化が困難の場合や、また、制御対象に変動
要因が存在する場合においては制御効果が十分発揮でき
ない。さらに、連続鋳造機の湯面レベル制御系では、ス
ライディングノズルの特性が非線形であり、動作点によ
り流量係数が変動する。また、スライディングノズル内
のアルミナ付着、脱落やタンディッシュ内溶鋼流量の変
動といった現象も流量係数の変化をもたらすため、ロバ
スト(H∞)制御理論に基づく制御系の構成は、モデル
誤差の存在する制御系の性能を設計段階で決定できない
という問題が存在する。
【0005】本発明は上記のような問題点を回避し、従
来のフィードバック制御に適応フィードフォワード制御
を加えた制御系構成により、制御対象に如何なる不確定
な要素が存在しても、制御対象のモデル誤差の影響を受
けることなく、バルジングなどの外乱による湯面レベル
の変動を効果的に抑制する連続鋳造機モールド内湯面レ
ベル制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法は、連続鋳造
機モールド内湯面レベルを計測し、該計測値の設定値に
対する偏差をフィードバック制御器に入力し、該フィー
ドバック制御器の制御出力によりアクチュエータを操作
し、該アクチュエータの駆動出力によりタンディッシュ
に設けられ溶鋼給湯を行うスライディングノズルの開度
を調節し、前記湯面レベルを制御する方法において、前
記湯面レベル計測値の設定値に対する偏差から湯面レベ
ル変動を生じる周期性外乱を推定し、該推定した周期性
外乱による湯面レベル変動を打ち消す適応制御操作量を
演算する推定・演算工程と、前記演算された適応制御操
作量を、前記スライディングノズル開度変更のフィード
フォワード量として、前記フィードバック制御器の制御
出力に加算して前記アクチュエータを操作する操作工程
とを有するものである。
【0007】本発明の請求項2に係る連続鋳造機モール
ド内湯面レベル制御方法は、前記請求項1に係る連続鋳
造機モールド内湯面レベル制御方法において、前記連続
鋳造機の周波数特性が既知の場合、前記推定・演算工程
は、連続鋳造機モデルの伝達関数G(jω)をG(j
ω)=Ae(但しωは湯面レベル振動の角周波数を
示す)、湯面レベル計測値の設定値に対する偏差をe
(t)(但しtは時間を示す)、前記連続鋳造機モデル
へのフィードフォワード制御入力rをr=α(t)sin
(ωt)+β(t)cos(ωt)としたときに、前記e
(t)に個別にsin(ωt)、cos(ωt)を乗算し、こ
れらの積を個別に低域濾波処理した出力n1(t)、n
2(t)をそれぞれ求め、次に前記n1(t)、n2(t)を
安定にする前記入力rのフーリエ係数α(t)、β
(t)を次式(a)、(b)(但しkはサンプリングカ
ウント数を示す)で求める線形的適応アルゴリズムを用
いるものである。 α(k+1)=α(k)−(cos(θ)n1(k) +sin(θ)n2(k))/A …(a) β(k+1)=β(k)−(cos(θ)n2(k) +sin(θ)n1(k))/A …(b)
【0008】本発明の請求項3に係る連続鋳造機モール
ド内湯面レベル制御方法は、前記請求項1に係る連続鋳
造機モールド内湯面レベル制御方法において、前記連続
鋳造機の周波数特性が未知の場合、前記推定・演算工程
は、連続鋳造機モデルの伝達関数G(jω)をG(j
ω)=Ae(但しωは湯面レベル振動の角周波数を
示す)、湯面レベル計測値の設定値に対する偏差をe
(t)(但しtは時間を示す)、前記連続鋳造機モデル
へのフィードフォワード制御入力rをr=α(t)sin
(ωt)+β(t)cos(ωt)としたときに、前記e
(t)に個別にsin(ωt)、cos(ωt)を乗算し、こ
れらの積を個別に低域濾波処理した出力n1(t)、n
2(t)をそれぞれ求め、次に前記n1(t)、n2(t)を
安定にする前記入力rのフーリエ係数α(t)、β
(t)を次式(c)、(d)(但しkはサンプリングカ
ウント数を示す)で求め、該式(c)、(d)のμ1
μ2はステップサイズとして次式(e)、(f)で求め
る非線形的適応アルゴリズムを用いるものである。 α(k+1)=α(k)−μ1(k+1)n1(k) …(c) β(k+1)=β(k)−μ2(k+1)n2(k) …(d) μ1(k+1)=μ1(k)sgn(n1 2(k−1)−n1 2(k)) …(e) μ2(k+1)=μ2(k)sgn(n2 2(k−1)−n2 2(k)) …(f)
【0009】その結果、制御対象である連続鋳造機の数
式モデルに誤差が存在する場合にも従来のように制御性
能の悪化を招くことなく、また連続鋳造機の周波数特性
が既知又は未知の場合に、それぞれの場合のフィードフ
ォワード制御操作量求めて、従来のフィードバック制御
操作量に加算してアクチュエータを操作することによ
り、従来よりも効果的に湯面レベルの変動を抑制するこ
とができ、製品の品質及び歩留の向上に貢献できる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係る連
続鋳造システムの全体を示す図であり、図の1はタンデ
ィッシュ、2は溶鋼流量を調整するスライディングノズ
ル、3はモールド、4は湯面レベル計測用のレベルセン
サ、5はノズル開度調整用のアクチュエータ、6は従来
のフィードバック制御器(例えばPID制御器等)、7
は本発明の外乱推定型適応コントローラ、8は例えば水
冷の冷却器、18はロールである。図2〜図5は、図1
のシステムの各部分の具体的な構成を示すブロック図で
あり、以下各図の構成を先に説明する。
【0011】図2は図1の外乱推定型適応コントローラ
による制御系を示す図であり、図の9は連続鋳造機モデ
ル、10は周期性外乱推定型適応アルゴリズム、dは湯
面変動外乱、eは湯面レベル変動誤差信号、rはフィー
ドフォワード適応制御入力、yは連続鋳造機モデルの出
力である。また周期性外乱推定型適応アルゴリズム10
に入力するsin(ωt)、cos(ωt)のωは、湯面レベ
ル振動の角周波数、例えばバルジング性湯面変動角周波
数であり、このωの値は既知、または計測可能とする。
【0012】図3は図1のフィードバック制御器による
連続鋳造機制御モデルを示す図であり、図は鋳造動作点
(湯面高さ−80mm)付近で線形化したモデルを示し
ている。図3において、11は無駄時間のPade近
似、12はスライディングノズル系の一次遅れ特性、
(t1はアクチュエータ時定数)、13はスライディン
グノズル開度係数Ka、14はモールド端面積KA 、1
5はモールドの積分特性、16は湯面レベルセンサの一
次遅れ特性(t2は湯面レベルセンサ時定数)、17は
フィードバック制御器(例えばPID制御器等)、yは
湯面レベル計測値である。
【0013】図3の制御系において、入力信号を溶鋼注
入流量、出力信号を湯面レベルとするモールドは積分系
であり、スライディングノズル系の動特性を一次遅れ+
無駄時間とする(時定数:0.1s、無駄時間:0.4
s)。湯面レベルセンサの動特性を一次遅れと設定する
(時定数:0.15s)。出力信号は湯面レベル計測値
の目標値からの偏差で、制御入力はノズルの開度操作量
である。この制御系には下記の外乱、変動要因が存在す
るとする。 (a)オシレーションによる波立ち(周波数範囲:2〜
3Hz) (b)浸漬ノズルの移動で励起される定在波(周波数範
囲:0.6〜0.9Hz) (c)定常及び非定常バルジング性湯面変動(周波数範
囲:0.05〜0.15Hz)
【0014】図4は図1の外乱推定型適応コントローラ
の構成例を示す図であり、図の21は湯面レベル変動誤
差信号濾波処理装置、22は適応推定装置、23は適応
制御出力装置である。なお、湯面レベル変動誤差信号濾
波処理装置21の出力するn1(t)、n2(t)は、後述
する図5の低域通過フィルタ31,32の出力信号であ
り、tは時間である。また適応推定装置22の入出力信
号の()内のkは、サンプリングカウント数である。即
ちサンプリング周期(ΔT)毎にデータをサンプリング
すると、サンプリング周期ΔTとサンプリングカウント
数kとの積ΔT・kが前記時間tとなる関係にある。ま
た適応制御出力装置23の出力r(t)は、r(t)=
α(t)sin(ωt)+β(t)cos(ωt)として出力
され、α(t)、β(t)は適応推定装置22における
適応則のフーリエ係数である。
【0015】図5は図4の湯面レベル変動誤差信号濾波
処理装置の構成例を示す図であり、図の31,32はそ
れぞれ独立した低域通過フィルタ(LPF)である。図
5においては、湯面レベルの計測値の設定値に対する偏
差e(t)に個別にsin(ωt)、cos(ωt)を乗算
し、これらの積を個別に低域濾波処理した出力をn
1(t)、n2(t)として出力している。
【0016】最初に図1の動作を概略説明する。連続鋳
造システムでは、図1に示したように、溶鋼はタンディ
ッシュ1から、アクチュエータ5の駆動出力によって溶
鋼給湯量が調整されるスライディングノズル2を介して
モールド3内へ注入される。モールド3内の湯面レベル
は、レベルセンサ4により計測され、この計測値の設定
値に対する偏差が、従来のフィードバック制御器6と本
発明の外乱推定型コントローラ7の両方に入力される。
フィードバック制御器6は、図3の制御系モデルに基づ
くフィードバック制御出力をスライディングノズル開度
指令として出力し、外乱推定型適応コントローラ7は、
後述する適応制御操作量をスライディングノズル開度変
更のフィードフォワード量として出力する。
【0017】フィードバック制御器6と外乱推定型適応
コントローラ7がそれぞれ出力する2つの制御出力は加
算され、その加算値がアクチュエータ5に供給される。
アクチュエータ5はこの加算結果の操作入力に基づく駆
動出力によりスライディングノズル2の開度を調整し、
モールド3内に注入される溶鋼給湯量を制御する。この
ようにしてモールド3内の湯面レベルが一定に制御され
る。モールド3内で冷却器8により冷却(例えば水冷)
され、表層面が凝固した溶鋼はロール18により順次引
き抜かれる。以下図2〜図5により、前記外乱推定型適
応コントローラ7の動作を主として、本発明の実施形態
を説明する。
【0018】図2において、本発明で提案した連続鋳造
機モールド内湯面レベル変動制御系は、周期性外乱推定
型適応アルゴリズム10を用いることにより、測定湯面
レベルの設定湯面レベルに対する偏差eから外乱(振動
幅及び位相)を直接推定し、前記外乱による湯面レベル
の変動を打ち消すためのスライディングノズルの開度操
作量rをフィードフォワード的に決定して制御を行うよ
うになっている。
【0019】次に、制御系の設計法について述べる。図
2の制御ブロック線図において、周期性外乱dを次式
(1)のように仮定する。 d=αdsin(ωt)+βdcos(ωt) …(1) ここでωは前記湯面レベル振動の角周波数、例えばバル
ジング性湯面変動角周波数であり、その値は既知、また
は計測可能とする。連続鋳造機モデル9の伝達関数が次
式(2)であるとする。 G(jω)=Ae …(2) 連続鋳造機モデル9へのフィードフォワード制御入力r
は次式(3)のように与える。 r=α(t)sin(ωt)+β(t)cos(ωt) …(3)
【0020】上式の入力に対して、連続鋳造機モデル9
の定常出力yは次式(4)のようになり、また定常出力
yに式(1)の外乱dを加えた誤差信号eは次式(5)
のようになる。 y=A(α(t)sin(ωt+θ)+β(t)cos(ωt+θ)) …(4) e=A(α(t)sin(ωt+θ)+β(t)cos(ωt+θ)) +αdsin(ωt)+βdcos(ωt) …(5) ここでθは、式(2)に示されたように連続鋳造機モデ
ル9の位相である。
【0021】式(5)で得られた誤差信号eに対して図
5のようにそれぞれsin(ωt)とcos(ωt)を乗算し
て、これらの積を低域通過フィルタ31,32により処
理し、高周波数成分を除去する。低域通過フィルタ3
1,32の定常状態の出力は近似的に次式(6)、
(7)のようになる。 n1(t)=0.5(Aαcos(θ)+αd−Aβsin(θ)) …(6) n2(t)=0.5(Aβcos(θ)+βd−Aαsin(θ)) …(7) ただし、低域通過フィルタ31,32のカットオフ周波
数ωBは次式(8)を満足するように設計する。 ωB <<2ω …(8) 上記式(6)、(7)の処理は、図4の湯面レベル変動
誤差信号濾波処理装置21において行われる。
【0022】次に図4の適応推定装置22における処
理、即ち前記式(6)、(7)を安定にする適応則(前
記式(3)で示された入力rのフーリエ係数α(t)、
β(t))の求め方を説明する。(A)連続鋳造機モデ
ルの位相θが既知の場合連続鋳造機モデルの周波数特性
が同定できる場合、適応修正係数は次式(9)、(1
0)のように求める。 α(k+1)=α(k)−(cos(θ)n1(k) +sin(θ)n2(k))/A …(9) β(k+1)=β(k)−(cos(θ)n2(k) +sin(θ)n1(k))/A …(10) なお上記()内のkは、前記サンプリングカウント数で
ある。上式の適応則を用いた制御系の内部フィルタの出
力は次式(11)、(12)のようになる。 n1(k+1)=0.5n1(k) …(11) n2(k+1)=0.5n2(k) …(12) 式(11)、(12)により、この系は線形であり、固
有値は全部−0.5で漸近安定であることがわかる。
【0023】(B)連続鋳造機モデルの位相θが未知の
場合連続鋳造機モデルの周波数特性が得られない場合、
また、この周波数特性が得られても、位相が周波数に依
存する非線形対象の場合、さらに、位相に不確かさが存
在する場合には、式(9)、(10)の適応則は不安定
になる恐れがある。これを防ぐために、連続鋳造機モデ
ルの位相特性に依存しない以下の適応則を用いる。 α(k+1)=α(k)−μ1(k+1)n1(k) …(13) β(k+1)=β(k)−μ2(k+1)n2(k) …(14) ただし、式中のμ1、μ2はステップサイズであり、次式
(15)、(16)のように求める。
【0024】 μ1(k+1)=μ1(k)sgn(n1 2(k−1)−n1 2(k)) …(15) μ2(k+1)=μ2(k)sgn(n2 2(k−1)−n2 2(k)) …(16) なお上記「sgn」は「シグナム」と呼ばれ、sgnxは、sg
n0=0、x≠0に対してはsgnx=x/|x|となる。
以上の式(13)〜(16)によりこの系は非線形であ
り、シミュレーションにより、いろいろな位相θに対し
てこの非線形系の位相平面軌跡を調べた結果、次式(1
7)のパラメータ範囲内でこの非線形系の漸近安定性が
保証できる。 |μ1|<1/A, i=1,2 …(17)
【0025】図4の適応制御出力装置23では、前記適
応推定装置22が演算した前記線形制御系の場合の式
(9)、(10)、または非線形制御系の場合の式(1
3)、(14)に基づくα(k)、β(k)について、
まずサンプリング周期ΔTとサンプリングカウント数k
の積の各時間tを求め、順次α(t)、β(t)を求め
る。次に前記式(3)により順次r(t)を算出し、こ
のr(t)をフィードフォワード適応制御操作量として
順次出力する。このフィードフォワード適応制御操作量
が図1のフィードバック制御器6の出力するフィードバ
ック制御操作量に加算されてアクチュエータ5に供給さ
れる。その結果、前記のようにモールド3内の湯面レベ
ルの変動が抑制される。
【0026】以上の適応アルゴリズムを用い、連続鋳造
機モールド内湯面レベルの実測データに対する制御効果
を次に示す。制御系は図1のように構成し、モールド内
湯面レベル変動に対するシミュレーションは次のパラメ
ータを用いて行った。 外乱周波数:0.0851Hz 初期値:n1(0)=n2(0)=0, α(0)=6,
β(0)=0 ステップサイズ:|μ1|<0.6/A, i=1,2
【0027】図6は本発明の実施形態に係る制御方法を
実施しない場合の湯面レベル変動を示す図であり、図7
は本発明の実施形態に係る制御方法を実施した場合の湯
面レベル変動のシミュレーション結果を示す図である。
図7の制御結果を示すシミュレーションから、制御開始
からの時間経過に従って湯面レベル変動の振幅が抑制さ
れ、一定時間経過後では制御開始時点のレベル変動の振
幅の5、6割を抑制できることが分かる。
【0028】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、連続鋳造におけるモールド内の湯面レベル制御方法
において、湯面レベルの計測値の設定値に対する偏差に
応じてタンディッシュに設置されたスライディングノズ
ルの開度指令による湯面レベル制御を行う制御系を設計
する際に、周期性外乱推定型適応アルゴリズムを適用
し、連続鋳造機の数式モデルの誤差の影響を受けること
なく、前記湯面レベル計測値の設定値に対する偏差から
湯面レベル変動を生じる周期性外乱(振動幅及び位相)
を推定し、この推定した周期性外乱による湯面レベル変
動を打ち消す適応制御操作量を求め、これをスライディ
ングノズル開度変更のフィードフォワード量として、従
来のフィードバック制御操作量に加算するようにしたの
で、従来の制御方法では問題のあった数式モデル誤差存
在下での制御性能悪化を招くこと無く、バルジング性の
湯面レベル変動を効果的に制御することを可能とし、製
品の品質及び歩留の向上に貢献できる。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、連続鋳造
機モールド内湯面レベルを計測し、該計測値の設定値に
対する偏差をフィードバック制御器に入力し、該フィー
ドバック制御器の制御出力によりアクチュエータを操作
し、該アクチュエータ駆動出力によりタンディッシュに
設けられ溶鋼給湯を行うスライディングノズルの開度を
調節し、前記湯面レベルを制御する方法において、前記
連続鋳造機の周波数特性が既知の場合には線形的適応ア
ルゴリズムを用い、また前記周波数特性が未知の場合に
は非線形的適応アルゴリズムを用いて、前記湯面レベル
計測値の設定値に対する偏差から湯面レベル変動を生じ
る周期性外乱を推定し、該推定した周期性外乱による湯
面レベル変動を打ち消す適応制御操作量をそれぞれ演算
し、該演算された適応制御操作量を、前記スライディン
グノズル開度変更のフィードフォワード量として、前記
フィードバック制御器の制御出力に加算して前記アクチ
ュエータを操作するようにしたので、制御対象である連
続鋳造機の数式モデルに誤差が存在する場合にも従来の
ような制御性能の悪化を招くことなく、従来よりも効果
的に湯面レベルの変動を抑制することができ、製品の品
質及び歩留の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る連続鋳造システムの全
体を示す図である。
【図2】図1の外乱推定型適応コントローラによる制御
系を示す図である。
【図3】図1のフィードバック制御器による連続鋳造機
制御モデルを示す図である。
【図4】図1の外乱推定型適応コントローラの構成例を
示す図である。
【図5】図4の湯面レベル変動誤差信号濾波処理装置の
構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御方法を実施しない
場合の湯面レベル変動を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る制御方法を実施した場
合の湯面レベル変動を示す図である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ 2 スライディングノズル3 モールド 4 レベルセンサ 5 アクチュエータ 6,17 フィードバック制御器 7 外乱推定型適応コントローラ 8 冷却器 9 連続鋳造機モデル 10 周期性外乱推定型適応アルゴリズム 18 ロール 21 湯面レベル変動誤差信号濾波処理装置 22 適応推定装置 23 適応制御出力装置 31,32 低域通過フィルタ
フロントページの続き Fターム(参考) 4E004 MB02 MB09 5H004 GA07 GA40 GB03 HA05 HB05 JB30 KA31 KB02 KB04 KB06 KB33 KC33 KC55 LA01 LA03 LA13 MA12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造機モールド内湯面レベルを計測
    し、該計測値の設定値に対する偏差をフィードバック制
    御器に入力し、該フィードバック制御器の制御出力によ
    りアクチュエータを操作し、該アクチュエータの駆動出
    力によりタンディッシュに設けられ溶鋼給湯を行うスラ
    イディングノズルの開度を調節し、前記湯面レベルを制
    御する方法において、 前記湯面レベル計測値の設定値に対する偏差から湯面レ
    ベル変動を生じる周期性外乱を推定し、該推定した周期
    性外乱による湯面レベル変動を打ち消す適応制御操作量
    を演算する推定・演算工程と、 前記演算された適応制御操作量を、前記スライディング
    ノズル開度変更のフィードフォワード量として、前記フ
    ィードバック制御器の制御出力に加算して前記アクチュ
    エータを操作する操作工程とを有することを特徴とする
    連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記連続鋳造機の周波数特性が既知の場
    合、前記推定・演算工程は、 連続鋳造機モデルの伝達関数G(jω)をG(jω)=
    Ae(但しωは湯面レベル振動の角周波数を示
    す)、 湯面レベル計測値の設定値に対する偏差をe(t)(但
    しtは時間を示す)、 前記連続鋳造機モデルへのフィードフォワード制御入力
    rをr=α(t)sin(ωt)+β(t)cos(ωt)と
    したときに、 前記e(t)に個別にsin(ωt)、cos(ωt)を乗算
    し、これらの積を個別に低域濾波処理した出力n
    1(t)、n2(t)をそれぞれ求め、 次に前記n1(t)、n2(t)を安定にする前記入力rの
    フーリエ係数α(t)、β(t)を次式(a)、(b)
    (但しkはサンプリングカウント数を示す)で求める線
    形的適応アルゴリズムを用いることを特徴とする請求項
    1記載の連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法。 α(k+1)=α(k)−(cos(θ)n1(k) +sin(θ)n2(k))/A …(a) β(k+1)=β(k)−(cos(θ)n2(k) +sin(θ)n1(k))/A …(b)
  3. 【請求項3】 前記連続鋳造機の周波数特性が未知の場
    合、前記推定・演算工程は、 連続鋳造機モデルの伝達関数G(jω)をG(jω)=
    Ae(但しωは湯面レベル振動の角周波数を示
    す)、 湯面レベル計測値の設定値に対する偏差をe(t)(但
    しtは時間を示す)、 前記連続鋳造機モデルへのフィードフォワード制御入力
    rをr=α(t)sin(ωt)+β(t)cos(ωt)と
    したときに、 前記e(t)に個別にsin(ωt)、cos(ωt)を乗算
    し、これらの積を個別に低域濾波処理した出力n
    1(t)、n2(t)をそれぞれ求め、 次に前記n1(t)、n2(t)を安定にする前記入力rの
    フーリエ係数α(t)、β(t)を次式(c)、(d)
    (但しkはサンプリングカウント数を示す)で求め、該
    式(c)、(d)のμ1、μ2はステップサイズとして次
    式(e)、(f)で求める非線形的適応アルゴリズムを
    用いることを特徴とする請求項1記載の連続鋳造機モー
    ルド内湯面レベル制御方法。 α(k+1)=α(k)−μ1(k+1)n1(k) …(c) β(k+1)=β(k)−μ2(k+1)n2(k) …(d) μ1(k+1)=μ1(k)sgn(n1 2(k−1)−n1 2(k)) …(e) μ2(k+1)=μ2(k)sgn(n2 2(k−1)−n2 2(k)) …(f)
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