図1は、本発明の実施の一形態である情報処理システム100の構成を示す図である。情報処理システム100は、情報処理装置1、サーバシステム60、電光掲示板70およびクライアント装置80を備える。情報処理装置1、サーバシステム60、電光掲示板70およびクライアント装置80は、インターネット90を介して接続される。
本実施の形態では、情報処理システム100は、車両50毎に搭載される情報処理装置1とサーバシステム60または各クライアント装置80とのデータ送受信のやり取り、および電光掲示板70のデータ送受信のやり取りをインターネット90経由で行うものである。図1では、情報処理システム100内の車両50が3つの場合を示すが、情報処理装置1および情報処理装置1が搭載される車両50の個数は、これに限定されない。
サーバシステム60は、共有情報用サーバ装置61および個人情報用サーバ装置63を備える。共有情報用サーバ装置61は、後述する共有情報を記憶する共有情報記憶用データベース(Data Base;略称:DB)62を備え、個人情報用サーバ装置63は、個人毎の情報(外部へ公開したくない個人情報)を記憶し、URL(Uniform Resource Locator)で管理している。以下の説明では、共有情報用サーバ装置61と個人情報用サーバ装置63とをまとめて、「サーバ装置」とし、常時インターネット90に接続しているコンピュータとする。
電光掲示板70は、サーバ装置61,63から与えられる事故情報に対応する画像を表示画面71に表示する。サーバ装置61,63から与えられる事故情報は、たとえば、簡略図および文字情報である。交通事故が発生した場合、電光掲示板70は、たとえば、共有情報用サーバ装置61から与えられる交通事故発生情報に基づいて、交通事故の発生場所、道路の状況などを表示画面71に表示する。
クライアント装置80は、たとえば、個人が所有しているパーソナルコンピュータ(Personal Computer;略称:PC)81,82によって実現される。クライアント装置80を設けることによって、個人がインターネット経由で自身の交通事故情報、ならびに交通事故多発地点および駐車場情報などのその他の共有情報を、会社および自宅などから容易に閲覧することができる。
また、クライアント装置80が官公庁たとえば警察に設置されるPCによって実現される場合、PCに接続されるシステムモニターに、交通事故情報、ならびに交通事故多発地点および駐車場情報などのその他の共有情報を随時表示することによって、どの地点で、どのような交通事故が発生したかを瞬時に見ることが可能となる。
詳細は後述するが、情報処理システム100では、情報処理装置1によって、情報処理装置1を搭載する各車両50の周辺の状況を表す周辺状況情報が取得される。周辺状況情報は、車両50の周辺で交通事故が発生したことを表す交通事故発生情報、車両50の周辺に存在する駐車場に関する駐車場情報、および車両50が道路を通行するための車両通行情報のうち、少なくとも1つを含む。
周辺状況情報は、後述するカメラ4によって撮影された画像を表す画像情報、CAN(Controller Area Network)情報、地図情報、ならびに日時、天候、速度および交通情報などの走行環境を表す走行環境情報などを含んでもよい。たとえば、交通事故発生情報は、事故の画像を表す事故画像情報を含んでもよい。また、駐車場情報は、駐車場の画像を表す駐車場画像情報を含んでもよい。画像情報は、映像を表す映像情報を含む。
情報処理装置1は、取得した周辺状況情報を、インターネット90を介して、外部のサーバ装置61,63に転送して、記憶させる。情報処理装置1は、サーバ装置61,63に転送した情報が交通事故発生情報である場合、電光掲示板70にも交通事故発生情報を転送し、発生した交通事故に関する情報を電光掲示板70の表示画面71に表示させる。
情報処理装置1が外部のサーバ装置61,63に転送する情報は、その内容によって、公開を前提とした共有情報と、非公開を前提とした個人情報とに分別される。個人情報は、たとえば、識別情報(identification data;略称:ID)とパスワードなどとによってアクセスが制限される。共有情報としては、交通事故の発生要因を表す情報、ならびに、情報処理装置1を搭載した車両50の周辺の駐車場情報および車両通行情報などがある。個人情報としては、たとえば、交通事故の過失割合を表す情報、および交通事故の態様を表す情報などがある。
サーバ装置61,63に転送された情報は、情報処理装置1および、インターネット90に接続可能な電子機器たとえばパーソナルコンピュータ、携帯電話機などから閲覧することができる。情報処理装置1は、各車両50からの情報を、経路探索および誘導にも活用することができる。
図2は、本発明の実施の一形態である情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、車両50に搭載され、車載用ナビゲーション装置として用いられる。本実施の形態では、情報処理装置1は、経路を案内するナビゲーション機能と、映像および音声の再生などを行うオーディオビジュアル(Audio Visual;略称:AV)機能とを有する車載用ナビゲーション複合装置である。
車両50は、情報処理装置1、通信機器3、カメラ4、全地球測位システム(Global Positioning System;略称:GPS)受信機5、自立航法センサ6、交通情報送受信部8、車載制御装置9、衝撃センサ10、スピーカ18およびディスプレイ20を備えて構成される。
情報処理装置1は、コントロールユニット2、現在位置検出部7、運転記録支援部11、指示入力部12、施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15、情報描画部16、音声制御部17、表示制御部19、情報記憶部21、情報更新部22および情報入力部23を備えて構成される。
コントロールユニット2は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)によって実現される。コントロールユニット2は、内蔵するメモリに記憶された制御プログラムに従って、情報処理装置1を構成する現在位置検出部7、運転記録支援部11、施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15、情報描画部16、音声制御部17、表示制御部19、情報記憶部21および情報更新部22を統括的に制御する。
通信機器3は、外部のサーバ装置61,63との情報の送受信を行う。すなわち、情報処理装置1を利用する使用者が設定した事象(イベント)が発生した時点で、通信機器3経由で外部サーバ装置61,63に情報を転送し、また、外部のサーバ装置61,63から情報を受信して、後述する運転記録支援部11の外部信号入力部112に与える。
カメラ4は、搭載される車両50の周囲の状況を撮影する。カメラ4は、撮影した画像を表す画像データを、後述する運転記録支援部11の外部信号入力部112に与える。
GPS受信機5は、GPS衛星から送信される電波信号を受信する。GPS受信機5は、受信した電波信号を現在位置検出部7に与える。現在位置検出部7に与えられた電波信号は、衛星航法システムを適用して、搭載される車両50の現在位置を測定するときに用いられる。
自立航法センサ6は、搭載される車両50の方位を検出する方位センサ、および搭載される車両50の車輪の回転数を検出して走行距離を検出する走行距離センサを備える。自立航法センサ6は、方位センサによって検出された方位を表す情報(以下「方位情報」という)、および走行距離センサによって検出された走行距離を表す情報(以下「走行距離情報」という)を、現在位置検出部7に与える。現在位置検出部7に与えられた方位情報および走行距離情報は、自立航法システムを適用して、搭載される車両50の現在位置および方位を検出するときに用いられる。
現在位置検出部7は、GPS受信機5から与えられる電波信号、ならびに自立航法センサ6から与えられる方位情報および走行距離情報に基づいて、衛星航法システムと自立航法システムとを併用し、かつ地図情報に基づくマップマッチングを行うことによって、搭載される車両50の現在位置および進行方向を検出する。
ここで、「マップマッチング」とは、地図情報に含まれる道路情報と、右左折を含む車両50の走行軌跡などとを勘案し、検出された車両50の現在位置と対比して一番確からしい位置を車両50の現在位置として割出す方法の1つである。本実施の形態では、衛星航法システムおよび自立航法システムの両方を併用するハイブリッド方式を採用する場合を説明するが、いずれか一方の航法システムのみを採用してもよい。
交通情報送受信部8は、コントロールユニット2との間で、交通情報を送受信する。詳細に述べると、交通情報送受信部8は、逐次または予め定めるタイミングで、交通情報を受信または送信する。交通情報送受信部8は、受信した交通情報を、後述する運転記録支援部11の外部信号入力部112に与える。
交通情報送受信部8は、たとえば道路交通情報通信システム(Vehicle Information and Communication System;略称:VICS(登録商標))から、FM多重放送、電波ビーコンまたは光ビーコンによって提供される交通情報を受信する。交通情報は、各道路の渋滞状況、渋滞距離、通行規制および走行所要時間などの情報を含む。
交通情報送受信部8は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)による通信が可能に構成される。DSRCは、5.8GHz帯域の電波を使う狭域無線技術である。DSRCを、路側機と車載機器である情報処理装置1との間の双方向通信または一方向通信に用いることによって、種々のサービスを使用者へ提供することができる。
交通情報送受信部8が、交通情報を送信する送信機として機能する場合としては、搭載される車両50に関する情報、たとえば現在位置、走行速度、およびその他のプローブ情報と呼ばれる情報を送信する場合などがある。交通情報を双方向で授受しない場合は、交通情報送受信部8は、交通情報受信部に代えることができる。
車載制御装置9は、CANなどの車載ネットワークを介して、各種の車両信号を取得する。具体的には、車載制御装置9は、たとえば、搭載される車両50の速度(以下「車速」という場合がある)を表す信号、運転操作を表す信号、ブレーキ操作を表す信号、および方向指示を表す信号などの車両信号を入力する装置である。車載制御装置9は、取得した車両信号を、後述する運転記録支援部11の外部信号入力部112に与える。
衝撃センサ10は、急ブレーキ、急ハンドル、および追突などの、衝撃を与える事象を検出する。衝撃センサ10は、検出結果を、後述する運転記録支援部11の衝撃検知部115に与える。
指示入力部12は、たとえば、使用者によって操作されるハードウェアの操作スイッチ、後述するディスプレイ20に表示されるタッチスイッチ、車両50のハンドルなどに設置されるリモートコントローラ、または使用者の音声による指示を認識する音声認識機能を有する音声認識装置などによって構成される。
指示入力部12は、使用者が数字情報、文字情報および情報処理装置1への指示情報などの情報を入力するときに用いられる。使用者によって指示入力部12が操作されると、指示入力部12は、使用者の操作に応じた指示を表す指示信号を生成して、施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15および情報描画部16の少なくともいずれか1つに与える。
施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15および情報描画部16は、指示入力部12から与えられた指示信号をコントロールユニット2に与える。したがって情報処理装置1の使用者は、指示入力部12を操作することによって、その操作に応じた指示を施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15、情報描画部16およびコントロールユニット2に与えることができる。
情報記憶部21は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;略称:HDD)装置によって実現される。情報記憶部21は、ナビゲーション機能およびエンターテイメント機能などの各種の機能に必要な情報を記憶する。
具体的には、情報記憶部21は、地図情報記憶部211およびAV情報記憶部212を備える。地図情報記憶部211は、地図を表す地図情報を記憶する。AV情報記憶部212は、AV情報、具体的には音声もしくは映像、またはその両方の情報を記憶する。本実施の形態の情報処理装置1は、地図情報記憶部211に記憶された地図情報に基づいて動作する独立方式のナビゲーション装置である。
地図情報記憶部211は、地図情報として、予め定められた縮尺に対応する複数の地図を階層化して備えている。これらの地図情報は、地図表示情報を含む。地図表示情報とは、地図を表示するための情報であり、道路に関する「道路情報」、施設の種別、名称および位置などを表す「施設情報」、地名、施設名、交差点名および道路名などを表す「各種文字情報」、ならびに施設および道路番号などを表す「各種アイコン情報」のうちの少なくともいずれか1つを含む。地図表示情報は、ディスプレイ20に表示される。
地図情報記憶部211には、誘導案内部15で用いるための誘導用情報、およびディスプレイ20に表示されない情報なども記憶される。誘導用情報は、所定の要所の位置情報、所定の要所における描画情報、および音声案内情報などを含む。ディスプレイ20に表示されない情報は、たとえば、道路を、リンクと呼ばれる線分と、ノードと呼ばれる点とで表現した情報、リンクを走行するために要する負荷としてのリンクコストの情報などを含む。ディスプレイ20に表示されない情報は、これらに限定されるものではなく、これら以外の種々の情報を含んでもよい。
情報記憶部21に記憶される地図情報およびAV情報は、変更可能なものであり、コントロールユニット2からの指示に基づいて、情報更新部22によって一部更新、一部追加、一部削除、全削除または全面更新などの変更が可能である。
情報更新部22は、コントロールユニット2からの指示に基づいて、情報記憶部21に記憶されている地図情報およびAV情報などの情報を更新する。
情報入力部23には、情報処理装置1の外部から、地図情報およびAV情報などの情報が入力される。情報処理装置1の外部から情報入力部23に与えられる情報は、情報記憶部21に記憶されている情報を更新するときに用いられる。
情報入力部23は、たとえば、記憶媒体を挿抜可能な挿入部として構成される。記憶媒体は、地図情報およびAV情報などの情報を記憶している。記憶媒体としては、たとえば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)およびDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)などのディスクメディア、ならびにSD(Secure Digital)カードなどの半導体メディアが挙げられる。
コントロールユニット2は、挿入部に挿入された記憶媒体から、前述の地図情報またはAV情報などの情報を読み出す。挿入部に挿入された記憶媒体から読み出された地図情報またはAV情報などの情報は、情報記憶部21に記憶される。また情報入力部23は、情報記憶部として機能するように構成されてもよい。
情報入力部23は、USB(Universal Serial Bus)などの接続端子として構成されてもよい。この場合、接続端子である情報入力部23と、情報を有する携帯型の記憶媒体とが直接または有線で接続される。携帯型の記憶媒体は、携帯型の楽曲プレイヤー、またはその機能を搭載したものであってもよい。
また携帯型の記憶媒体は、携帯電話機または携帯型タブレットなどの携帯型情報通信機器であってもよい。携帯型情報通信機器と情報入力部23とは、有線で接続されていてもよいが、物理的に接続されている必要はなく、無線で情報の授受をするものであってもよい。ここで、無線とは、有線に対して、線で接続されていないものという意味であり、その情報授受の方式、たとえば電波方式か、または光方式かなどは問わない。
また、情報入力部23は、別途設置された情報センターと情報の授受を行う通信機器を内蔵し、この通信機器によって、たとえば、前述の地図情報、AV情報のいずれかの情報あるいは他の情報などを授受するものであってもよい。この通信機器を内蔵する代わりに、前述の携帯型情報通信機器を用いるものであってもよい。
施設検索部13は、地図情報記憶部211に記憶されている施設情報から、所望の施設を検索する。具体的には、施設検索部13は、指示入力部12から与えられた使用者の指示に基づいて、地図情報記憶部211に記憶されている地図情報を検索して、使用者が所望する施設および場所などを検索する。施設検索部13によって検索された結果は、コントロールユニット2および表示制御部19を介して、ディスプレイ20に与えられ、ディスプレイ20に表示される。
経路計算部14は、使用者が所望する地点に到達するための望ましい経路を計算する。具体的には、経路計算部14は、指示入力部12から与えられる指示信号に基づいて、車両50の現在位置から、使用者が設定した目的地および経由地などの地点までの経路として推奨される経路(以下「推奨経路」という)を計算する。推奨経路とは、たとえば、走行距離が最も短くなる最短経路、所要時間が最も短くなる最速経路、有料道路の費用も含めて最も安価になる安価経路、最も燃費が良い低燃費経路、または時間と費用とのバランスが良い標準経路をいう。推奨経路は、これらの経路の中から選択可能に構成されてもよい。
経路計算部14は、コントロールユニット2を介して、現在位置検出部7から車両50の現在位置を取得する。また経路計算部14は、指示入力部12から入力された地点情報と、地図情報記憶部211から取得した地図情報とに基づいて、推奨経路を計算する。経路計算部14によって計算された推奨経路は、コントロールユニット2および表示制御部19を介して、ディスプレイ20に与えられ、ディスプレイ20に表示される。
経路計算部14が経路計算をするときには、たとえば、各道路を線分で表したリンクにそれぞれ割り当てられたリンクコストを累積し、最小のリンクコストとなる経路を演算する公知のダイクストラ法などが用いられる。
誘導案内部15は、指示入力部12から与えられる指示信号に基づいて、誘導用情報をコントロールユニット2に提供して、予め定める要所で使用者の運転操作を補助する。たとえば、誘導案内部15は、推奨経路を走行中に、交差点もしくは分岐路などの進路変更すべき地点、または、間違えやすい地点を表す誘導用情報を提供する。また、誘導案内部15は、複数車線を有する道路を走行中に、その先の右左折を加味して、予め定める車線に車線変更しておくように誘導する地点を表す誘導用情報を提供する。
誘導案内部15は、コントロールユニット2を介して、現在位置検出部7から車両50の現在位置を取得する。また誘導案内部15は、コントロールユニット2を介して、経路計算部14から推奨経路を取得する。また誘導案内部15は、コントロールユニット2を介して、地図情報記憶部211から、地図情報に含まれる誘導用情報を取得する。
誘導案内部15は、車両50が予め定める要所、たとえば交差点に到達したときに、たとえば交差点において進むべき方向を矢印または道路への塗色などによって可視的に付与し、かつ、拡大または拡大変形した拡大案内図をディスプレイ20に表示するように、コントロールユニット2を介して表示制御部19に指示する。または、誘導案内部15は、進むべき方向を可視的に付与し、かつ、要所の実際の画像またはこれに類似した画像をディスプレイ20に表示するように、コントロールユニット2を介して表示制御部19に指示する。
情報描画部16は、地図情報および誘導用情報などの使用者が所望する各種情報をディスプレイ20に描画するための情報処理を行う。また情報描画部16は、情報処理装置1が有する各種機能の設定などをメニュー画面としてディスプレイ20に描画するための情報処理を行う。
具体的には、情報描画部16は、地図描画部161およびメニュー描画部162を備える。地図描画部161は、指示入力部12から与えられる指示信号に基づいて、地図情報記憶部211に記憶されている地図情報を処理して、所望の地図をディスプレイ20に描画するための情報処理を行う。メニュー描画部162は、指示入力部12から与えられる指示信号に基づいて、メニュー画面の状態を管理し、メニュー画面をディスプレイ20に描画するための情報処理を行う。
地図描画部161は、地図情報記憶部211、現在位置検出部7、施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15およびメニュー描画部162から必要な情報を取得し、指示入力部12から与えられる指示に基づいて、ディスプレイ20に表示すべき情報を処理する。地図描画部161は、ディスプレイ20に描画すべき地図に関する描画情報を、コントロールユニット2を介して表示制御部19に与える。
メニュー描画部162は、指示入力部12から与えられる指示に基づいて、ディスプレイ20に描画すべきメニュー画面に関する描画情報を、コントロールユニット2を介して表示制御部19に与える。メニュー画面の描画には、ディスプレイ20の表示画面上に設定されるタッチスイッチの設定が含まれる。使用者がタッチスイッチを操作した場合には、その操作が指示入力部12で認識されるようになっている。
音声制御部17は、AV情報などの音声に関する情報(以下「音声データ」という)が入力されると、情報処理装置1に接続されているスピーカ18から音声を出力させる。具体的には、音声制御部17は、コントロールユニット2から与えられる制御指令に基づいて、コントロールユニット2から与えられる音声データを、スピーカ18で取り扱い可能な音声信号に変換して、スピーカ18に与える。これによって、スピーカ18から音声が出力される。
音声制御部17は、誘導案内部15からコントロールユニット2を介して誘導用情報が入力されると、入力された誘導用情報を音声で出力するように、スピーカ18に出力指示することができる。具体的には、音声制御部17は、誘導用情報として音声データが入力されると、入力された音声データを、スピーカ18で取り扱い可能な音声信号に変換して、スピーカ18に与える。これによって、スピーカ18から音声として誘導用情報が出力される。
スピーカ18は、音声制御部17から与えられる音声信号が表す音声を出力する。本実施の形態では、複数のスピーカ18が備えられている。音声制御部17は、入力される音声データが誘導用情報である場合、複数のスピーカ18のうち、運転席に近いスピーカから誘導用情報を出力するように、スピーカ18を制御する。
複数のスピーカ18は、全て同じ構造でもよいし、異なる構造でもよい。たとえば、高音を主として出力する構造、中音を主として出力する構造、低音を主として出力する構造など、異なる構造のスピーカで役割分担されていてもよい。誘導用情報の出力に用いられるスピーカ18は、聞き取りやすさを考慮して、中音を主として出力する構造が望ましい。
また音声制御部17は、AV情報記憶部212または情報入力部23から得られた音声情報を各スピーカ18に適切な配分で与えて出力指示する。
表示制御部19は、コントロールユニット2から与えられる制御指令に従って、コントロールユニット2を介して情報描画部16から与えられる描画情報を、ディスプレイ20で取り扱い可能な映像信号に変換して、ディスプレイ20に、描画情報が表す画像を表示する指示を与える。また表示制御部19は、AV情報記憶部212に記憶されている画像情報をディスプレイ20に描画するように指示することができる。
ディスプレイ20は、たとえば液晶ディスプレイによって実現される。ディスプレイ20は、表示制御部19から与えられる指示に基づいて、表示画面上に描画情報が表す画像を表示する。
AV情報記憶部212または情報入力部23から得られた情報が、テレビジョン放送またはDVDなどの、音声情報と映像情報との両方を含む情報である場合は、音声制御部17が、得られた音声情報をスピーカ18に与えて出力指示するとともに、表示制御部19が、得られた映像情報をディスプレイ20に与えて出力指示する。このように音声制御部17と表示制御部19とが協働して動作して、エンターテイメント機能を実現する。
本実施の形態では、代表的な各機能をコントロールユニット2とはそれぞれ独立して構成される場合について説明したが、これらの各機能、たとえば現在位置検出部7、情報更新部22、施設検索部13、経路計算部14、誘導案内部15、情報描画部16、音声制御部17および表示制御部19の機能は、コントロールユニット2に内蔵された構成となってもよく、たとえばマイクロコンピュータによって実現されている構成であってもよい。また、情報描画部16と表示制御部19とは、一体に構成されてもよい。
前述のように、本実施の形態では、情報処理装置1は、地図情報記憶部211に記憶された地図情報に基づいて動作する独立方式のナビゲーション装置である。情報処理装置1は、これに限定されるものではなく、たとえば、必要なときに、必要な範囲の地図情報を通信によって取得し、取得した地図情報を、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などで構成される内部のワークメモリ装置に一時的に記憶して使用する通信方式のナビゲーション装置であってもよい。
図3は、図2の情報処理装置1に含まれる運転記録支援部11の構成を示すブロック図である。運転記録支援部11は、車両50の運転中に発生する事故などの画像および音声を記録するドライブレコーダに相当する。すなわち、情報処理装置1は、ドライブレコーダの機能を有する。
運転記録支援部11は、画像認識部111、外部信号入力部112、情報編集部113、情報記録部114、衝撃検知部115、事故要因分析部116および過失割合算出部117を備えて構成される。
画像認識部111は、カメラ4によって撮影された画像を認識する。画像認識部111は、認識した画像を表す画像情報を外部信号入力部112に与える。
外部信号入力部112は、GPS受信機5、自立航法センサ6、交通情報送受信部8および車載制御装置9から、搭載される車両50の走行中に得られた各種情報が入力される。たとえば、外部信号入力部112は、搭載される車両50の位置、車速、ならびにバック、ブレーキ操作および方向指示などの運転操作に関する信号などの各種車両信号が入力される。外部信号入力部112は、入力された各種情報を情報編集部113および事故要因分析部116に与える。
情報編集部113は、外部信号入力部112から与えられた各種情報を、情報処理装置1で再利用するために編集する。情報編集部113は、編集した各種情報を情報記録部114に与える。
衝撃検知部115は、衝撃センサ10から与えられる検出結果に基づいて、搭載される車両50の衝撃および加速度を検知する。衝撃検知部115は、検知結果に基づいて、搭載される車両50が交通事故を起こしたか否かを判断する。衝撃検知部115は、検知結果および判断結果を事故要因分析部116に与える。
事故要因分析部116は、衝撃検知部115によって、搭載される車両50が交通事故を起こしたと判断されると起動される。事故要因分析部116は、搭載される車両50が交通事故を起こした場合に、交通事故の発生要因(以下「事故要因」という場合がある)を分析する。事故要因分析部116は、事故要因の分析結果を、情報記録部114および過失割合算出部117に与える。
過失割合算出部117は、交通事故の相手が存在する場合、事故要因分析部116から与えられる事故要因の分析結果を用いて、交通事故の相手の種別(以下「相手種別」という場合がある)、交通事故の態様、および道路交通法上の優劣の少なくともいずれか1つに基づいて、客観的な指標として、交通事故の過失割合を算出する。交通事故の相手としては、車両だけでなく、歩行者および自転車を含む。過失割合算出部117は、算出した過失割合を情報記録部114に与える。
情報記録部114は、情報編集部113から与えられる各種情報、および事故要因分析部116から与えられる分析結果などの情報を、備え付けの記憶媒体に記憶させることによって記録する。記憶媒体は、たとえばSDカード、HDD装置などによって実現される。情報記録部114は、記憶部に相当する。
情報記録部114によって記憶媒体に記録された情報は、必要の都度、通信機器3を介して、インターネット90上のフォルダ、具体的にはサーバ装置61,63などの外部装置内のフォルダに記憶される。情報記録部114は、たとえばコントロールユニット2からの指示に従って、記憶媒体に記録された情報を、通信機器3を介して、サーバ装置61,63などの外部装置に送信して記憶させる。
本実施の形態では、運転記録支援部11が情報処理装置1に内蔵されて構成される場合について説明したが、運転記録支援部11が情報処理装置1の外部から接続されるように構成されてもよい。
情報処理装置1が取得した情報をサーバ装置61,63に転送する条件である転送条件は、たとえば使用者によって設定される。図4は、自動転送設定画面30の一例を示す図である。図4では、情報処理装置1が取得した情報を、自動で、すなわち使用者の操作を要することなく、転送する自動転送モードの転送条件を設定する自動転送設定画面30を示す。使用者は、一切の情報を自動転送させたくない場合には、図4に示す自動転送設定画面30において、「自動転送しない」を選択することによって、全ての情報を自動転送させないようにすることができる。
ディスプレイ20の表示画面20aに、自動転送設定画面30が表示される。表示画面20aには、タッチパネルが重ねて設置されており、使用者は、表示画面20aを通してタッチパネルの所望の位置に触れることによって、所望の指示を入力することができる。
自動転送設定画面30は、転送条件の一覧を表す転送条件リスト31、転送条件リスト31の上方を表示するように指示する上表示ボタン32、転送条件リスト31の下方を表示するように指示する下表示ボタン33、特定地点を設定するための設定ボタン34、情報取得設定ボタン35、初期値を設定するための初期値ボタン36、転送先を設定するための転送先設定ボタン37、および使用者が任意のタイミングで情報を転送するための手動転送ボタン38を備える。
情報取得設定ボタン35は、交通事故多発地点を表す情報、駐車場情報などを取得するときに、使用者によって操作される。転送先設定ボタン37が操作されて設定される転送先は、図1に示す共有情報用サーバ装置61および個人情報用サーバ装置63である。
自動転送モードにおける転送条件である自動転送条件は、たとえば、図4に示すように、時期的条件として、たとえば「エンジン終了時」、「メディア容量満杯時」、「交通事故発生時」、「特定地点到達時」などがあり、そのうち、少なくとも1つ以上を選択可能とする。
「エンジン終了時」は、転送条件として、車両50のエンジンが停止されたことを設定する場合に選択される。「エンジン終了時」が選択された場合、車両50のエンジンが停止された時点で転送が行われる。
「メディア容量満杯時」は、転送条件として、記憶部たとえばSDカードなどの記録媒体(以下「メディア」という場合がある)に記憶された情報の量が、記憶部の記憶容量に達したこと、すなわち記憶部の記憶容量が満杯になったことを設定する場合に選択される。「メディア容量満杯時」が選択された場合、記憶部たとえばメディアに記憶された情報の量が、そのメディアの記憶容量に達した時点で転送が行われる。
「交通事故発生時」は、転送条件として、交通事故が発生したことを設定する場合に選択される。「交通事故発生時」が選択された場合、交通事故が発生した時点で転送が行われる。
「特定地点到達時」は、転送条件として、車両50が、予め定める地点(以下「特定地点」という場合がある)に到達したことを設定する場合に選択される。「特定地点到達時」が選択された場合、車両50が特定地点に到達した時点で転送が行われる。設定ボタン34の操作によって、特定地点を「目的地/経由地/登録地」、「見通しの悪い道路」、「公園」、「スーパーマーケット」、「テーマパーク・遊園地」など、使用者の好みで選択可能とする。
このように本実施の形態では、情報処理装置1は、転送条件として、車両50のエンジンが停止されたこと、記憶部に記憶された情報の量が記憶部の記憶容量に達したこと、交通事故が発生したこと、および車両50が予め定める地点に到達したことのうち、少なくともいずれか1つを設定可能に構成される。自動転送モードにおける転送条件である自動転送条件は、これらに限定されるものではなく、使用者によって設定される他の条件を含んでもよい。
情報処理装置1による情報の転送は、使用者の指示に従って転送が行われる手動転送モードで行われてもよい。手動転送モードにおける転送条件である手動転送条件は、たとえば、使用者によって、転送を指示する手動転送ボタン38が操作されたことを含む。
図5は、情報取得設定画面40の一例を示す図である。図4に示す自動転送設定画面30で、使用者によって情報取得設定ボタン35が操作されると、情報取得設定画面40が表示画面20aに表示される。情報取得設定画面40は、取得項目表示部41、詳細設定ボタン42、詳細設定表示部43、情報取得ボタン44および初期値ボタン45を備える。
取得項目表示部41には、取得項目として、たとえば「交通事故多発地点」、「施設内駐車場情報」、「車両通行情報」が表示される。使用者は、各取得項目の詳細設定ボタン42を操作することによって、取得地域、期間、日付、時刻および天候などの取得条件を設定することが可能である。
図6は、情報処理装置1における情報転送に関するフローチャートである。図6に示すフローチャートの各処理は、情報処理装置1のコントロールユニット2および運転記録支援部11によって実行される。図6に示すフローチャートは、電源から情報処理装置1に電力が供給されると開始され、ステップa1に移行する。
ステップa1において、外部信号入力部112は、交通情報を取得する。交通情報としては、たとえば写真映像、走行経路、走行速度、地名、標識および道路形状などの情報を含む地図情報、交通規制情報および渋滞情報を含むVICS情報、ならびにブレーキ操作および方向指示などの運転操作情報を含むCAN情報が挙げられる。外部信号入力部112は、取得した情報を、コントロールユニット2、情報編集部113および事故要因分析部116に与える。
ステップa2において、コントロールユニット2は、転送条件を満足するか否か、すなわち転送条件に一致するか否かを判断する。転送条件は、手動転送条件および自動転送条件を含む。
手動転送条件は、たとえば、使用者によって、前述の手動転送ボタン38が操作されたこと、すなわち転送が指示されたことである。自動転送条件は、たとえば、車両50のエンジンが停止されたこと、車両50のアクセサリ(ACC)キーがオフにされたこと、SDカードなどの記憶媒体の記憶容量が満杯になったこと、交通事故が発生したことなどである。
転送条件に一致した場合はステップa3に移行し、転送条件に一致しない場合はステップa1の処理に戻る。
ステップa3において、コントロールユニット2は、転送条件が交通事故の発生によるものか否か、すなわち交通事故が発生したか否かを判断する。交通事故が発生したか否かの判断は、衝撃検知部115によって検知される情報、および外部信号入力部112に入力される各情報に基づいて行われる。交通事故が発生したと判断された場合は、ステップa4に移行する。
ステップa4において、事故要因分析部116は、後述する図7に示すフローチャートに従って、事故要因、すなわち交通事故の発生要因を分析する。ステップa4の処理が終了すると、ステップa5に移行する。
ステップa5において、過失割合算出部117は、後述する図8に示すフローチャートに従って、交通事故の過失割合を算出する。ステップa5の処理が終了すると、ステップa6に移行する。
ステップa4において、転送条件が交通事故の発生によるものでないと判断された場合、すなわち交通事故が発生していないと判断された場合は、ステップa4およびステップa5の処理を行わずに、ステップa6に移行する。
ステップa6において、コントロールユニット2は、情報記録部114に記憶されている情報のうち、転送する情報を、共有情報と個人情報とに振り分ける。ステップa7において、コントロールユニット2は、振り分けた共有情報および個人情報を、通信機器3を介してサーバ装置61,63に転送する。
ステップa8において、コントロールユニット2は、予め定める送信先にメールを送信するか否かを判断する。メールを送信すると判断された場合は、ステップa9に移行する。ステップa9において、コントロールユニット2は、メールを、通信機器3を介して、予め定める送信先に送信する。ステップa9の処理が終了すると、全ての処理を終了する。
ステップa8においてメールを送信しないと判断された場合は、全ての処理を終了する。
図7は、情報処理装置1における交通事故の要因分析に関するフローチャートである。図7に示すフローチャートの各処理は、図6のステップa4の処理の具体的な内容に相当する。図7に示すフローチャートの各処理は、情報処理装置1のコントロールユニット2および運転記録支援部11によって実行される。図7に示すフローチャートは、図6のステップa3において、転送条件が交通事故の発生によるものと判断される、すなわち交通事故が発生したと判断されると開始され、ステップb1に移行する。
ステップb1において、交通事故の関連情報を記憶する。交通事故の関連情報は、全て情報編集部113を経由して、情報記録部114に記憶される。
事故要因分析部116は、交通事故が発生した要因を導き出し、導き出した要因を情報記録部114に記憶する。交通事故の要因が速度超過であるか否かの判断をステップb2で行う。交通事故の要因の1つが速度超過である場合は、ステップb3で交通事故要因を情報記録部114に記憶する。
交通事故の要因が居眠りおよび酒酔いのいずれかであるか否かの判断をステップb4で行う。交通事故の要因の1つが居眠りおよび酒酔いのいずれかである場合は、ステップb5で交通事故要因を情報記録部114に記憶する。
交通事故の要因が前方不注意であるか否かの判断をステップb6で行う。交通事故の要因の1つが前方不注意である場合は、ステップb7で交通事故要因を情報記録部114に記憶する。
交通事故の要因が道路形状であるか否かの判断をステップb8で行う。交通事故の要因の1つが道路形状である場合は、ステップb9で交通事故要因を情報記録部114に記憶する。
交通事故の要因にその他要因が含まれているか否かの判断をステップb10で行う。交通事故の要因にその他要因が含まれていると判断された場合は、ステップb11で交通事故要因を情報記録部114に記憶する。そのあと、全ての処理を終了する。
図8は、情報処理装置1における交通事故の過失割合の算出に関するフローチャートである。図8に示すフローチャートの各処理は、図6のステップa5の処理の具体的な内容に相当する。図8に示すフローチャートの各処理は、情報処理装置1のコントロールユニット2および運転記録支援部11によって実行される。図8に示すフローチャートは、図6のステップa4の処理が終了すると開始され、ステップc1に移行する。
図8に示すフローチャートでは、歩行者および自転車を含む交通事故の相手が存在する場合、相手種別、交通事故の態様、および道路交通法上の優劣の少なくともいずれか1つに基づいて、客観的な指標として、交通事故の過失割合を算出する。
ステップc1において、過失割合算出部117は、交通事故の相手種別毎に、過失割合の初期値を設定する。相手種別の一例としては、バスおよびトラックなどの大型車、軽自動車を含む普通車、自動二輪車、ならびに自転車および歩行者が挙げられる。相手種別は、これらに限定されず、その他のものを含んでもよい。
ステップc2において、過失割合算出部117は、交通事故の相手の有無を判断する。すなわち、過失割合算出部117は、単独事故であるか否かを判断する。交通事故の相手が存在する場合、すなわち単独事故ではない場合は、ステップc3に移行する。
ステップc3において、過失割合算出部117は、交通事故の態様に応じて過失割合を算出する。具体的には、ステップc1で設定した過失割合の初期値に、交通事故の態様に対応して予め定められる乗算値を乗算した値を、交通事故の態様に応じた過失割合として算出する。交通事故の態様に応じた乗算値は、図9に示すようなテーブルから取得する。
図9は、交通事故の態様およびそれに対応する乗算値の一例を示す図である。交通事故の態様の一例としては、図9に示すように、自車追突、自車による車線逸脱、他車による車線逸脱、すれ違い接触、右折進行衝突、右折待ち衝突、出会衝突、横断歩道中の人身事故、通行中の人身事故などがある。
図8に戻って、ステップc4において、過失割合算出部117は、ステップc3で算出した過失割合およびその事由、具体的には交通事故の態様を情報記録部114に記憶させる。
ステップc2において、交通事故の相手が存在しない場合、すなわち単独事故であると判断された場合は、過失割合の計算をスキップし、本フローチャートの処理を終了する。
ステップc5において、過失割合算出部117は、道路交通法上の優劣があるか否かを判断する。道路交通法上の優劣がある場合は、ステップc6に移行する。
ステップc6において、過失割合算出部117は、道路交通法上の優劣に応じて過失割合を算出する。具体的には、ステップc1で設定した過失割合の初期値、またはステップc4で情報記録部114に記憶された過失割合に、道路交通法上の優劣に対応して予め定められる乗算値を乗算した値を、道路交通法上の優劣に応じた過失割合として算出する。
図10は、道路交通法上の優劣およびそれに対応する乗算値の一例を示す図である。道路交通法上の優劣の一例としては、走行速度、信号機表示、優先道路、標識およびその他がある。
図8に戻って、ステップc7において、過失割合算出部117は、ステップc6で算出した過失割合およびその事由、具体的には道路交通法上の優劣を情報記録部114に記憶させる。
ステップc5において、道路交通法上の優劣がないと判断された場合は、全ての処理を終了する。
過失割合は、警察または保険会社との現場検証および裁判などで客観的に見る指標とすることができる。過失割合の情報は、本実施の形態の情報処理装置1を搭載した車両50に有利な場合のみ提出することが多いので、個人情報として他から閲覧および改ざんがされないようにすることが好ましい。
図11は、情報処理装置1における情報の受信に関するフローチャートである。図11に示すフローチャートの各処理は、情報処理装置1のコントロールユニット2および運転記録支援部11によって実行される。図11に示すフローチャートは、電源から情報処理装置1に電力が供給されると開始され、ステップd1に移行する。
ステップd1において、コントロールユニット2は、自車周囲圏内で交通事故が発生したか否かを判断する。自車周囲圏内で交通事故が発生したと判断された場合は、ステップd2に移行し、自車周囲圏内で交通事故が発生していないと判断された場合は、ステップd4に移行する。
ステップd2において、運転記録支援部11は、交通事故情報を受信して、ステップd3に移行する。
ステップd3において、コントロールユニット2は、誘導案内部15によって事故発生案内を行うとともに、経路計算部14によって経路の再検索を行う。ステップd3の処理を終了した後は、ステップd4に移行する。
ステップd4において、コントロールユニット2は、過去の交通事故情報を取得するか否かを判断する。過去の交通事故情報を取得すると判断された場合は、ステップd5に移行し、過去の交通事故情報を取得しないと判断された場合は、ステップd6に移行する。
ステップd5において、コントロールユニット2は、運転記録支援部11から、指定期間の過去の交通事故情報を取得する。ステップd5の処理を終了した後は、ステップd6に移行する。
ステップd6において、コントロールユニット2は、駐車場情報を取得するか否かを判断する。駐車場情報を取得すると判断された場合は、ステップd7に移行し、駐車場情報を取得しないと判断された場合は、ステップd9に移行する。
ステップd7において、コントロールユニット2は、運転記録支援部11から、指定地域の駐車場情報を取得して、ステップd8に移行する。
ステップd8において、コントロールユニット2は、取得した駐車場情報を、情報描画部16によって簡略化する。ステップd8の処理を終了した後は、ステップd9に移行する。
ステップd9において、コントロールユニット2は、車両通行情報を取得するか否かを判断する。車両通行情報を取得すると判断された場合は、ステップd10に移行し、車両通行情報を取得しないと判断された場合は、全ての処理を終了する。ステップd10において、コントロールユニット2は、運転記録支援部11から、指定地域の車両通行情報を取得して、ステップd11に移行する。
ステップd11において、コントロールユニット2は、取得した車両通行情報を、情報描画部16によって簡略化する。ステップd11の処理を終了した後は、全ての処理を終了する。
情報処理装置1は、以上のようにして取得した交通事故情報、駐車場情報および車両通行情報などの情報を図12〜図17のようにして表示する。
図12は、交通事故多発地点表示画面300の一例を示す図である。交通事故情報は、たとえば交通事故多発地点表示画面300として、ディスプレイ20の表示画面20aに表示される。交通事故多発地点表示画面300は、交通事故多発地点の一覧を表示するように指示するための事故多発一覧ボタン301、および交通事故多発地点を表す多発地点表示線302,303,304,305を備える。
図13は、交通事故多発地点一覧画面310の一例を示す図である。図12に示す交通事故多発地点表示画面300において、使用者によって事故多発一覧ボタン301が操作されると、交通事故多発地点一覧画面310が表示画面20aに表示される。交通事故多発地点一覧画面310は、多発地点の地図311、検索起点312、事故多発地点リスト313、事故多発地点リストの表示を操作するための操作ボタン314、抽出ボタン321、地点住所322を含む。図13に示す例では、検索起点とともに、交通事故多発地点一覧画面310の内容を説明する表題が表示される。
操作ボタン314は、事故多発地点の件数を示す件数表示部315、事故多発地点リスト313の上方を表示するように指示する上方表示ボタン316,317、事故多発地点リスト313の下方を表示するように指示する下方表示ボタン318,319、事故多発地点リスト313内の表示位置を示す表示位置バー320を含む。
抽出ボタン321を操作することによって、特定の事故要因の一覧を表示することが可能となる。たとえば、抽出ボタン321を押下する毎に、「全件」、「速度超過」、「居眠り・酒酔い」、・・・の順にトグルで、抽出表示する事故要因を切り換える。図13では全件一覧表示中であり、抽出ボタン321は「速度超過」表示を一例として示している。抽出ボタン321を押下することによって、「速度超過」の要因を持つ交通事故地点のみを一覧表示することが可能となる。
図14は、交通事故多発地点の詳細情報画面330の一例を示す図である。図13に示す交通事故多発地点一覧画面310において、使用者が事故多発地点リスト313の中のいずれかの地点に触れて選択すると、選択された地点の交通事故情報の詳細を表示する詳細情報画面330が表示画面20aに表示される。図14では、一例として、図13に示す「××台」が選択された場合を示している。
詳細情報画面330は、多発地点の地図311、地点名331、詳細情報332、および操作ボタン333を含む。操作ボタン333は、詳細情報332の上方を表示するように指示する上方表示ボタン316,317、詳細情報332の下方を表示するように指示する下方表示ボタン318,319、詳細情報332内の表示位置を示す表示位置バー320を含む。
図15は、施設内駐車場情報表示画面350の一例を示す図である。情報処理装置1は、外部のサーバ装置61,63から駐車場情報を受信すると、受信した駐車場情報に基づいて、施設内駐車場情報表示画面350をディスプレイ20の表示画面20aに表示させる。施設内駐車場情報表示画面350は、駐車場アイコン351,352を含む。
図16は、施設内駐車場情報の詳細情報画面360の一例を示す図である。情報処理装置1は、図15に示す施設内駐車場情報表示画面350において、使用者が、いずれかの駐車場アイコン351,352に触れて選択すると、選択された駐車場アイコン351が示す駐車場の詳細情報を示す詳細情報画面360をディスプレイ20の表示画面20aに表示させる。詳細情報画面360は、施設内略図361、施設内駐車場情報362、操作ボタン363、施設周辺地図366および施設名称367を含む。操作ボタン363は、上方表示ボタン364および下方表示ボタン365を含む。
図17は、車両通行情報画面390の一例を示す図である。情報処理装置1は、サーバ装置61,63から車両通行情報を受信すると、たとえば図17に示す車両通行情報画面390をディスプレイ20の表示画面20aに表示させる。車両通行情報画面390は、交通標識などを表す交通情報アイコン391,392,393、および通行可能な路線を表す通行線アイコン394,395を含む。
図18は、交通事故過失割合画面400の一例を示す図である。メニュー画面において、使用者によって交通事故過失割合表示ボタンが操作されると、図18に示す交通事故過失割合画面400が表示画面20aに表示される。交通事故過失割合画面400は、表題表示部401、過失割合表示部402、事由表示部411、操作ボタン412、事故状況表示部420を含む。事故状況表示部420は、地図表示部421、アイコン表示部422、速度表示部423および動画表示部424を含む。
表題表示部401は、交通事故過失割合画面400の内容を説明する表題を表示する。過失割合表示部402は、交通事故の過失割合として、客観的な過失割合を表示する。具体的には、過失割合表示部402は、交通事故の過失割合を表す棒グラフ403を、過失割合の値たとえばパーセンテージとともに表示する。
事由表示部411は、過失割合の算出の根拠となる事由を、たとえばリスト(以下「事由リスト」という場合がある)として表示する。事由は、交通事故の相手種別、交通事故の態様、たとえば追突、車線逸脱など、および道路交通法上の優劣、たとえば速度、信号機などの情報を含む。事由は、たとえば、相手車両の走行速度、信号、対向車線からのはみ出し、横からの飛び出しなどである。事由は、走行映像と地図とに基づいて判断される。情報処理装置1は、自装置が搭載される車両(以下「自車」という場合がある)50に可能な限り有利な情報を集め、事由表示部411に表示する。
操作ボタン412は、事由表示部411に表示される事由リストの上方を表示するように指示する上方表示ボタン413、事由リストの下方を表示するように指示する下方表示ボタン414、事由リスト内の表示位置を示す表示位置バー415を含む。
地図表示部421は、事故発生地点付近の地図と、地図上の自車走行状態とを表示する。アイコン表示部422は、道路交通法上の優劣を判定するために、道路交通法上の優劣をアイコンで分かりやすく表示する。アイコンとしては、たとえば信号機、制限速度、横断歩道および道路優先などがある。速度表示部423は、自車の走行速度を表示する。動画表示部424は、交通事故が発生したときの映像を動画で表示する。
図19は、交通事故多発地点回避探索画面340の一例を示す図である。情報処理装置1は、図12〜図14などに示す交通事故発生情報に基づいて、使用者によって、交通事故多発地点を回避する経路の探索を行うように指示されると、交通事故多発地点回避探索画面340をディスプレイ20の表示画面20aに表示させる。交通事故多発地点回避探索画面340は、交通事故要因一覧341、操作ボタン333、探索開始ボタン342、初期値ボタン343、経路図344および経路情報345を含む。
図20は、施設内駐車場案内画面370の一例を示す図であり、スーパーマーケットおよび公園などの該当施設に自車が接近した際、本画面が自動で表示される。図20の施設内駐車場案内画面370では、施設周辺地図371、施設内走行案内図372および満車アイコン373を表示する。施設内走行案内図372は、空き状況画像を含む施設内駐車場画像を簡略化して出力したものである。具体的には、出力部である表示制御部19は、施設内走行案内図372において、施設内駐車場画像として、他の車両50に搭載された情報処理装置1から送られたカメラ4の画像データ、たとえばカメラ4で撮影された映像(以下「カメラ映像」という場合がある)のデータを簡略化して表示し、駐車場の空き状況を表す空き状況画像、たとえば満車であることを表す満車アイコン373を重畳表示する。
図21は、施設内駐車場の空き状況取得に関する図であり、施設内駐車場の現場の空き状況380の一例を示す図である。図21では、施設内駐車場のうち、参照符号「381」で示す満車の駐車場に「満」と記載し、参照符号「382」で示す空車の駐車場に「空」と記載しているが、これは、駐車場の空き状況取得についての説明を分かりやすく記載するための明示的な表記である。各車両50の情報処理装置1からのカメラ映像が合成されて、駐車場の空き状況が判断される。このようにして取得された駐車場の空き状況に基づいて、前述の空き状況画像が表示される。また、施設内駐車場が1か所のみの場合において、空いている箇所をカメラ映像により部分的に表示してもよい。この場合、たとえば雨天時、できるだけ店舗入口の近くがよい場合などに便利がよいとされる。
以上のように本実施の形態によれば、情報処理装置1は、取得した周辺状況情報を外部のサーバ装置61,63に転送して適切に記憶させることができる。また情報処理装置1は、外部のサーバ装置61,63から与えられた外部生成情報に基づいて、適切な情報を提供することができる。
また本実施の形態では、周辺状況情報は、他の車両50と共有可能な共有情報と、他の車両50と共有不可能な非共有情報である個人情報とを含む。外部装置であるサーバ装置61,63は、共有情報を処理する共有情報用サーバ装置61と、非共有情報である個人情報を処理する個人情報用サーバ装置63とを含む。情報処理装置1は、送信部に相当する情報記録部114によって、共有情報を共有情報用サーバ装置61に送信し、個人情報を非共有情報用外部装置である個人情報用サーバ装置63に送信する。
これによって、交通事故の詳細な情報などの他人に見られたくないような情報については、個人情報として、パスワードおよびIDなどで保護し、他の車両50と共有しないようにすることができる。
また本実施の形態では、情報処理装置1は、転送条件として、車両50のエンジンが停止されたこと、記憶部に記憶された情報の量が記憶部の記憶容量に達したこと、交通事故が発生したこと、車両50が予め定める地点に到達したこと、および使用者によって転送が指示されたことのうち、少なくともいずれか1つを設定可能に構成される。これによって、使用者が所望するタイミングで、周辺状況情報を外部装置であるサーバ装置61,63に転送させることができる。したがって、使用者の利便性を向上させることができる。
また本実施の形態では、出力部に相当する表示制御部19は、受信部に相当する外部信号入力部112によって、交通事故発生情報から得られた外部生成情報が受信されると、ディスプレイ20を制御して、受信された外部生成情報に基づいて、交通事故の発生時刻および発生場所をディスプレイ20の表示画面20aに出力、すなわち表示する。これによって、交通事故の発生時刻および発生場所を使用者に通知することができるので、二次災害の発生を防ぐことができる。
また本実施の形態では、情報処理装置1は、運転記録支援部11内に、交通事故の要因を分析する事故要因分析部116を備える。交通事故発生情報は、事故要因分析部116によって分析された交通事故の要因を表す事故要因情報を含む。これによって、事故要因情報をサーバ装置61,63に転送することができる。したがって、事故発生情報から得られた外部生成情報を他の車両50に提供することができるので、他の車両50による二次災害の発生を、より確実に防ぐことができる。
また本実施の形態では、交通事故発生情報は、撮像部であるカメラ4によって撮像された事故画像情報を含む。これによって、事故要因分析部116において、交通事故の要因を、より容易に、また精度良く、分析することができる。したがって、二次災害の発生を、さらに確実に防ぐことができる。
また本実施の形態では、外部装置であるサーバ装置61,63に蓄積された事故要因情報に基づいて、予め設定される交通事故の要因毎に、交通事故多発地点の通過を回避するように、制御部であるコントロールユニット2によって制御される。これによって、交通事故の二次災害、ならびに渋滞および混雑を抑制することができる。
また本実施の形態では、過失割合算出部117によって、交通事故の相手の種別、交通事故の態様、および道路交通法上の優劣の少なくともいずれか1つに基づいて、交通事故の過失割合が算出される。これによって、交通事故現象を客観的に捉えた、交通事故の過失割合を利用することができる。
また本実施の形態では、過失割合算出部117は、交通事故の過失割合を算出する根拠となる事由を、撮像部であるカメラ4によって撮像された交通事故の映像から画像認識によって検索する。このようにして検出された事由は、出力部である表示制御部19によって、文字情報としてディスプレイ20に出力されて表示される。これによって、使用者は、交通事故の過失割合を算出する根拠となる事由を容易に把握することができる。
また本実施の形態では、出力部に相当する表示制御部19は、受信部に相当する外部信号入力部112によって、駐車場情報から得られた外部生成情報が受信されると、ディスプレイ20を制御して、受信された外部生成情報に基づいて、駐車場の位置および状況をディスプレイ20の表示画面に出力、すなわち表示する。たとえば、駐車場情報は、カメラ4によって撮像された駐車場画像情報であり、駐車場の空き状況を表す空き状況画像が表示される。具体的には、空き状況を含む施設内の駐車場の状況を表す施設内駐車場画像が表示される。施設内駐車場画像は、満車アイコン373などの空き状況画像を含み、簡略化して表示される。これによって、駐車場の位置および状況を使用者に通知し、スーパーマーケットおよび公園などの施設で空いている駐車場への誘導を行うことができる。
また本実施の形態では、情報処理装置1は、ドライブレコーダの機能を有し、記憶部に相当する情報記録部114によって、交通事故発生情報を記憶する。これによって、使用者は、交通事故が発生した場合に、交通事故の発生状況を確認することができる。また、情報記録部114によって記録された情報を、交通事故の発生状況の証拠として使用することができる。
以上に述べた本実施の形態の情報処理装置1は、車両に搭載されて使用されるナビゲーション装置だけでなく、車両に搭載可能な通信端末装置、およびサーバ装置などを適宜に組み合わせたシステムとして構築される情報処理装置にも適用することができる。通信端末装置は、たとえばサーバ装置と通信を行う機能を有するPND(Portable Navigation Device)および携帯通信装置である。携帯通信装置は、たとえば携帯電話機、スマートフォンおよびタブレット型端末装置である。
前述のように情報処理装置1と通信端末装置とサーバ装置とを備えて、システムが構築される場合、本実施の形態の情報処理装置1の各機能および各構成要素は、前記システムを構築する各装置に分散して配置される。
たとえば、以上の説明では、情報処理装置1を、ナビゲーション装置に適用した構成について説明したが、これに限定されるものではなく、PND、通信端末装置、およびサーバ装置のいずれかに適用してもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。