JP6315806B2 - 軽失禁パッド - Google Patents
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(1)本願発明に係る1つの態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシートと上記バックシートとの間に配置された吸収層と、を備える吸収性物品であって、上記吸収層は、フラップパルプと高吸収性樹脂を含有し、上層吸収体と上記上層吸収体よりも非肌当接面側に設けられた下層吸収体とが積層されて前部から股部を経由して後部まで配置され、上記下層吸収体は、上記上層吸収体よりも短い長手方向の最大長と、短い幅方向の最大幅で形成され、上記上層吸収体の厚さよりも薄い厚さと、上記上層吸収体の密度よりも高い密度を有することを特徴とする。
(2)上記(1)の構成において、下層吸収体は、上記上層吸収体よりも高い高吸収性樹脂の配合率を有していてもよい。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、さらに、平面視において、上記上層吸収体と上記下層吸収体が重なる領域にのみ、上記トップシートから上記下層吸収体に至るまで、チャネルエンボスが形成されていてもよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、さらに、上記トップシートと上記吸収層との間に、液拡散性シートを備え、上記液拡散性シートが親水性不織布であってもよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つの構成において、さらに、上記トップシートの肌当接面側の長手方向両側縁部に、上記長手方向に沿って、立体ギャザーを備えていてもよい。
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、さらに、上記下層吸収体と上記バックシートとの間にパルプ含有シートを備え、上記パルプ含有シートは、上記下層吸収体の幅よりも広い幅及び上記下層吸収体の長さよりも広い長さを有していてもよい。
図1及び図2に示すように、吸収性物品1は、肌当接面側に配された液透過性のトップシート200と、トップシート200に対向して配置された液不透過性のバックシート300と、トップシート200とバックシート300との間に配置された吸収層100と、を備える。これにより、吸収層100は、トップシート200とバックシート300の間に挟まれた構造となっている。
本実施形態のトップシート200の基材は、血液、体液等の液体が吸収層100へと移動するような液透過性を備えていればよく、例えば、エアースルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。なかでも、尿等の逆戻り防止の観点から、エアースルー不織布が好ましい。また、液透過性を向上させるために、トップシート2にエンボス加工や穿孔加工を施すことが好ましい。その加工方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。また、肌への刺激を低減させるために、トップシート200に、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させることも好ましい。さらに、強度および加工性の点から、トップシート200の坪量は、10g/m2以上50g/m2以下、さらに好ましくは18g/m2以上であることが好ましい。
吸収層100は、フラップパルプと高吸収性樹脂(高吸収性ポリマー)を含有する。吸収層100は、上層吸収体110と、上層吸収体110よりも非肌当接面側に設けられた下層吸収体120とが積層されて前部から股部を経由して後部まで配置されている。吸収層100が上下の吸収体構造により、上層で拡散、下層で液体の保持の役目を担い、拡散、ドライ性に優れる。
下層吸収体120は、下層吸収体の長手方向の最大長L2が上層吸収体の長手方向の最大長L1よりも短く、下層吸収体の幅方向の最大幅W2が上層吸収体の幅方向の最大幅W1よりも短く形成されている。上層吸収体110及び下層吸収体120の面積は、室温にて静置された吸収性物品1から、吸収層100を取出し、トップシート200、バックシート300といった吸収層100以外のものをなるべく排除したものを測定に使用した。吸収層の面積は、吸収体を上部より撮影し、三谷商事株式会社製画像処理ソフトWin ROOFを使用し、画像処理により測定することができる。
下層吸収体の厚さT2は、上層吸収体の厚さT1よりも薄く形成されている。上層吸収体110及び下層吸収体120の厚さは、面積の測定と同様に、吸収性物品1から吸収層100を取出したものを測定に使用した。吸収層の厚さは、荷重下35gf/cm2にて、ハイトゲージ(株式会社ミツトヨ製)等の測定機器の使用により、測定することができる。下層吸収体120が小さく、薄いため、上下層段差によりフィット感を損ねることがない。
下層吸収体120は、上層吸収体110の密度よりも高い密度を有する。このことにより、吸収性物品1は、繰り返し体液が吸収される状況であっても、吸収速度の低下が抑制される。同時に、上層吸収体110の密度が低いため、装着する際に、柔らかい触感となる。
下層吸収体120は、上層吸収体110よりも高い高吸収性樹脂の配合率を有するのが好ましい。下層吸収体120が液体の保持の役目を担っているため、加圧下の最大吸収量が増加するとともに、装着時のフィット感の悪化が避けられることとなる。
また、吸収層100とバックシート300との間にパルプ含有シート500を備え、パルプ含有シート500は、下層吸収体120の幅よりも広い幅及び下層吸収体120の長さよりも広い長さを有する。パルプ含有シート500の素材は、木材パルプ主体のエアーレイ不織布、ハイドロニット不織布、クレープ紙で坪量は、20g/m2以上60g/m2以下のものが使用できるが、好ましくは、30g/m2以上50g/m2以下の坪量である。立体ギャザー210、液拡散性シート400、パルプ含有シート500により、吸収速度に優れ、初期漏れを防止することができる。
なお、上記ハイドロニット不織布とは、米国キンバリークラーク社の商品名で、米国特許第5284703号明細書に開示されているように、ポリプロピレン不織布にパルプを、バインダー(接着剤)を使わずに、高水圧(ウォータージェット)で強固に絡めてシート化したもので、強度、吸収性に優れた素材である。
実施例1では、吸収層100のサイズは、上層吸収体110が幅100mm×長さ270mm、下層吸収体120が幅65mm×長さ210mm、上層吸収体110の面積を217cm2、下層吸収体120の面積を121cm2、上下2層の面積比を(下層/上層×100)55.7%、フラッフパルプは、NBKPを用い、上層吸収体110の重量を9.8g、下層吸収体120の重量を6.1g、合計15.9g、SAPは、ポリアクリル酸重合体を用い、上層吸収体110の重量を3.3g、下層吸収体120の重量を2.5g、合計5.8g、上層吸収体110の厚さを4.5mm、下層吸収体120の厚さを3.5mm、上層吸収体110の密度を0.13g/cm3、下層吸収体120の密度を0.20g/cm3、SAPの配合は、上層吸収体110が25.2%、下層吸収体120が29.1%とした。
また、トップシート200、上層吸収体110及び下層吸収体120を図2のようにチャネルエンボス50a〜50gを施し、バックシート300を積層したものの周囲は、ホットメルト系接着剤を用いて固定し、吸収性物品1を作成した。
あらかじめ重量を測定した吸収性物品1を、生理食塩水に完全に浸かるように5分間浸漬させる。5分後、吸収性物品のトップシート200を下にして金網の上において30秒水切りをして、吸収後の重量を測定し、吸収前後の重量差を総吸収可能量とした。
底面積16.8cm2の円柱の中央に内径19mmの穴が開いており、重さを755.6gとした測定冶具を、吸収性物品1の長手方向、かつ幅方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水それぞれ5mlを投下し、生理食塩水が吸収性物品1に接触した時点から治具中央円内の円周に液体が完全に吸い込まれるところを終点として時間を計測した(1回目)。そして3分経過後に同様の時間を計測する(2回目)、同様に3回目を計測した。
吸収性物品1の長手方向、かつ幅方向中央部に生理食塩水所定量を注入し、10分経過後に、あらかじめ重量を測定した濾紙(ADVANTEC社製No.2濾紙、直径55mm)を注入場所中心におき、その上に687gの錘を乗せた(35g/cm2)。錘を乗せてから1分経過後、濾紙の重量を測り、濾紙の重量差をその所定注入量での逆流量とした。
逆流量が1.0gになる注入量をその製品の最大注入量とした。
吸収層100の面積は、吸収層を上部より撮影し、画像解析ソフトであるWin ROOF(三谷商事株式会社製)を用いて画像処理を行い、測定した。
吸収層100の厚さは、ハイトゲージ(株式会社ミツトヨ製)を用いて行った。35gf/cm2の荷重条件下で、円形の錘(50mmφ)を吸収層の中央部に載せ、ハイトゲージで錘の上面までの厚みを測定した後、錘の厚みを差引いて厚みを測定した。
高吸収性ポリマーの坪量は、高吸収性ポリマーの配合量(表1におけるSAP重量)を、上記で測定した吸収層の面積に基づいて、算出した。
吸収層100の密度は、上記で測定した吸収層の坪量及び厚みに基づいて、算出した。
20名のパネラーに対して、吸収性物品1である実施例1〜2及び比較例1〜4の使用時における触感やフィット性の観点から、不快感の官能評価を実施した。「(a)不快感がない」、「(b)どちらでもない」、「(c)不快感あり」のいずれかの評価を選択させた。(a)の評価が16〜20人のときを「◎」、(a)の評価が11〜15人のときを「○」、(a)の評価が6〜10人のときを「△」、(a)の評価が0〜5人のときを「×」で表示した。
吸収性物品1の吸収性能及び官能評価の結果を基に、総合評価を行った。吸収性物品として、非常に優れているものを「◎」、優れているものを「○」、普通のものを「△」、劣っているものを「×」で表示した。
50a〜50g チャネルエンボス
100 吸収層
110 上層吸収体
120 下層吸収体
200 トップシート
210 立体ギャザー
211 立体ギャザーシート
212 立体ギャザー用弾性部材
300 バックシート
400 液拡散性シート
500 パルプ含有シート
600 剥離紙
610 粘着剤
710 上キャリアシート
720 下キャリアシート
L1 上層吸収体の長手方向の最大長
L2 下層吸収体の長手方向の最大長
W1 上層吸収体の幅方向の最大幅
W2 下層吸収体の幅方向の最大幅
T1 上層吸収体の厚さ
T2 下層吸収体の厚さ
Claims (6)
- 液透過性のトップシートと、
液不透過性のバックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収層と、
を備える吸収性物品であって、
前記吸収層は、フラップパルプと高吸収性樹脂を含有し、
上層吸収体と、前記上層吸収体よりも非肌当接面側に設けられた下層吸収体とが積層されて前部から股部を経由して後部まで配置され、
前記下層吸収体は、前記上層吸収体よりも短い長手方向の最大長と、前記上層吸収体よりも短い幅方向の最大幅で形成され、
前記上層吸収体の厚さよりも薄い厚さと、前記上層吸収体の密度よりも高い密度を有し、
前記トップシート及び前記上層吸収体の間に、液拡散性シートが設けられており、
前記下層吸収体は、前記上層吸収体よりも高い高吸収性樹脂の配合率を有し、
前記上層吸収体中の高吸収性樹脂の坪量が、100g/m 2 以上500g/m 2 以下であり、前記下層吸収体中の高吸収性樹脂の坪量は、前記上層吸収体中の高吸収性樹脂の坪量よりも小さく、
前記下層吸収体中のフラッフパルプの坪量が、300g/m 2 以上600g/m 2 以下であり、前記上層吸収体中のフラッフパルプの坪量は、前記下層吸収体中のフラッフパルプの坪量よりも大きいことを特徴とする軽失禁パッド。 - さらに、平面視において、前記上層吸収体と前記下層吸収体が重なる領域にのみ、前記トップシートから前記下層吸収体に至るまで、チャネルエンボスが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軽失禁パッド。
- 前記チャネルエンボスとして、長手方向前方部に設けられた幅方向内側に湾曲する一対の第1チャネルエンボスと、長手方向後方部に設けられた幅方向外側に湾曲する一対の第2チャネルエンボスと、第2チャネルエンボスの内側に設けられた長手方向後方部に突出する略U字形状の第3チャネルエンボスと、長手方向両端部に設けられた長手方向外側に湾曲する一対の第4チャネルエンボスとが、それぞれ離間して形成されている、請求項2に記載の軽失禁パッド。
- 前記液拡散性シートが親水性不織布であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の軽失禁パッド。
- さらに、前記トップシートの肌当接面側の長手方向両側縁部に、前記長手方向に沿って、立体ギャザーを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の軽失禁パッド。
- さらに、前記下層吸収体と前記バックシートとの間にパルプ含有シートを備え、
前記パルプ含有シートは、前記下層吸収体の幅よりも広い幅及び前記下層吸収体の長さよりも広い長さを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軽失禁パッド。
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