JP5001097B2 - 生理用ナプキン - Google Patents
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Description
また特許文献2には、後方フラップに吸収層(フラップ吸収層)を設け、吸収性本体から溢れた体液を後方フラップにおいて吸収できるようにすることで、全体としての防漏性を向上させた吸収性物品が記載されている。
また、特許文献2記載の吸収性物品は、幅広のウイング部用吸収体の上に幅狭の本体吸収体を積層した構成を有しており、肌当接面側における本体吸収体とウイング部用吸収体との境界に段差が形成されているため、装着時において後方フラップと装着者の身体との間に隙間が生じやすく、フィット性の点、ひいては後漏れの防止の点で改良の余地があった。
図1及び図2には、本発明の吸収性物品の第1実施形態としての生理用ナプキンが示されている。
ナプキン1は、装着時に装着者の排泄部位に対向配置される前方部Aと、装着時に該前方部Aより背側(後方)に配される後方部Bとを、長手方向に有している。第1実施形態における前方部Aと後方部Bとの境界は、ナプキン1の長手方向の略中央部に存する。
上記厚みの変化率は、吸収性物品の装着時の圧力や、装着者の歩く/座る等の動作によって生じる圧縮力に起因する後方吸収体41の変形の程度を示す。上記厚みの変化率が上記範囲にある後方吸収体41は、適度な剛性を有しているため、後述するように、ナプキン装着時に上層吸収体42(中高部)が体圧等により下方に沈み込みにくくなり、これにより、上層吸収体42の身体(股間部)に対するフィット性が高まる。
後方吸収体41の上記厚み変化率A及びBがそれぞれ上記範囲にあることにより、厚み変化率Aが特定範囲にあることによる上述した効果に加え、厚み変化率Bが特定範囲にあることによる効果として、高圧力下での上層吸収体42(中高部)の沈み込みが起こりやすさから、装着感を更に向上することができる。
尚、前記ハンディ圧縮試験機KES−G5による厚みの測定は、KES−G5ハンディ圧縮プログラムによる自動計測により行うことができ、その測定条件は次の通りである。試料:布・フィルム(後方吸収体41の形成材料)、SENS:2、SPEE DRANGE:0.1cm/sec、DEF感度:5(必要に応じて変更可能)、加圧面積:2cm2、測定加重:0.5、30、50(g/cm2)
同様の観点から、後方吸収体41の坪量は、好ましくは40〜150g/m2、更に好ましくは50〜100g/m2である。
以上の効果を確実に奏させるようにする観点から、後方吸収体41における、上層吸収体42と下層吸収体40との間に挟まれた部分の面積は、後方吸収体41の肌当接面側の全面積に対して、好ましくは5〜30%、更に好ましくは10〜20%である。
同様の観点から、上層吸収体42の坪量は、好ましくは150〜500g/m2、更に好ましくは200〜400g/m2である。
下層吸収体40の無荷重下における厚みは、液引き込み性及び液保持性の観点から、好ましくは1.5〜6mm、更に好ましくは2.5〜4.5mmである。
同様の観点から、下層吸収体40の坪量は、好ましくは150〜500g/m2、更に好ましくは200〜400g/m2である。また、下層吸収体40は、上層吸収体42よりも高密度であることが好ましい。吸収体の密度は、例えばエンボス処理のような圧縮手段を用いることにより、高めることができる。
そして、第1実施形態のナプキン1によれば、上述の如く構成されているので、後方フラップ41Fが装着者の肌に隙間無くフィットし、良好な装着感が得られると共に、後漏れが効果的に防止される。これに対し、例えば上述した特許文献2に記載の吸収性物品、即ち、第1実施形態のナプキン1とは逆に、幅広のウイング部用吸収体の上(肌当接面側)に該ウイング部用吸収体よりも幅狭の本体吸収体を積層した構成を有する後方フラップ付きのナプキンでは、後方フラップの付け根に段差が形成されるため、後方フラップの身体に対するフィット性に劣り、本発明の第1実施形態と同等の効果は到底得られない。
更に、上層吸収体42(中高部)の一部が後方部Bに位置し、該一部と下層吸収体40との間に後方吸収体41が介在されていることにより、後方部Bにおける液の吸収効率が一層向上すると共に、中高部の体圧等による沈み込みが抑制され、中高部の身体に対するフィット性が一層高まる。
また、上述した防漏溝6の存在により、後方部Bにおける吸収体4(吸収層)の厚み方向の液の伝達性が一層高まると共に、吸収体4の厚み方向と直交する方向(平面方向)の液の拡散が効果的に抑制され、更には、後方部Bの上向きの可撓性が高まり、後方部Bの身体に対するフィット性が一層高まる。特に、後方吸収体41が上層吸収体42及び下層吸収体40とは異なる材料から形成されている場合は、吸収体4の厚み方向における材質の連続性が後方吸収体41において途切れることとなるため、吸収体4の厚み方向の液の伝達性の低下が懸念されるところ、防漏溝6が形成されていることにより、この材質の異なる後方吸収体41に起因する液の伝達性の低下分は充分にカバーされる。
例えば、ウイング部5には吸収体が設けられていても良い。また、ウイング部5自体が無くても良い。
また、前記実施形態では、本発明の吸収性物品の適用例の一つとして生理用ナプキンを挙げたが、例えばパンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等にも適用できる。
2 表面シート(表面層)
3 裏面シート(防漏層)
4 吸収体(吸収層)
40 下層吸収体
41 後方吸収体
41F 後方フラップ
41C 後方吸収体の幅方向中央部
42 上層吸収体
5 ウイング部
6 表面層と後方吸収体と下層吸収体とが一体的に圧密化されて形成された防漏溝
7 表面層と下層吸収体とが一体的に圧密化されて形成された防漏溝
A 前方部
B 後方部
P ナプキン装着者の排泄部位
Claims (1)
- 肌に当接する表面層、防漏層、及びこれら両層間に介在された吸収層を備え、装着時に装着者の排泄部位に対向配置される前方部と、該前方部より背側に配される後方部とを、長手方向に有する生理用ナプキンであって、
前記吸収層は、前記前方部から前記後方部に延びる縦長の下層吸収体と、前記後方部における該下層吸収体の肌当接面側に配置された後方吸収体と、前記前方部における該下層吸収体の肌当接面側に配置された上層吸収体とを具備し、
前記後方吸収体は、平坦な一枚の板状部材から形成され、且つ前記下層吸収体の前記後方部における左右両側縁それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップを有しており、
前記上層吸収体は、縦長で且つ前記下層吸収体よりも幅狭であり、且つ前記生理用ナプキンの装着時に装着者の排泄部位を跨ぐように配置されており、
前記上層吸収体の一部が前記後方部に位置しており、該一部と前記下層吸収体との間に前記後方吸収体が介在されており、
前記表面層の肌当接面側に、該表面層と前記後方吸収体と前記下層吸収体とが一体的に圧密化されて形成された防漏溝が形成されており、該防漏溝にて該表面層、該後方吸収体及び該下層吸収体が接合されており、
前記防漏溝は、前記生理用ナプキンの後端側に向けて凸の略U字状に形成され、且つ前記上層吸収体の長手方向後端部を囲んでおり、該防漏溝の該凸の頂部は、該生理用ナプキンの幅方向中央に位置している生理用ナプキン。
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