本発明の技術的思想は、あらゆる作業車両に適用することが可能である。以下では、代表的な作業車両であるトラクタを用いて説明する。
まず、トラクタ1について簡単に説明する。
図1は、トラクタ1を示している。図2は、図1の矢印Xから見た図であり、図3は、図1の矢印Yから見た図である。また、図4は、図1の矢印Zから見た図である。なお、図中には、トラクタ1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。
トラクタ1は、主に、フレーム11と、エンジン12と、トランスミッション13と、フロントアクスル14と、リヤアクスル15と、で構成されている。また、トラクタ1は、キャビン16を備えている。キャビン16は、その内側が操縦室になっており、運転座席161のほか、アクセルペダル162やシフトレバー163などが配置されている(図9参照)。
フレーム11は、トラクタ1の前部における骨格をなす。フレーム11は、トランスミッション13やリヤアクスル15とともにトラクタ1のシャシを構成する。以下に説明するエンジン12は、フレーム11によって支持される。
エンジン12は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。つまり、エンジン12は、燃料を燃やすことによって回転動力を生み出す。なお、エンジン12には、エンジン制御装置が接続されている(図示せず)。エンジン制御装置は、オペレータがアクセルペダル162(図9参照)を操作すると、その操作に応じてエンジン12の運転状態を変更する。また、エンジン12には、排気浄化装置12Eが備えられている。排気浄化装置12Eは、排気に含まれる微粒子や一酸化炭素、炭化水素などを酸化させる。
トランスミッション13は、エンジン12の回転動力をフロントアクスル14やリヤアクスル15に伝達する。トランスミッション13には、連結機構を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、トランスミッション13には、無段変速装置が備えられている(図示せず)。無段変速装置は、オペレータがシフトレバー163(図9参照)を操作すると、その操作に応じてトランスミッション13の作動状態を変更する。
フロントアクスル14は、エンジン12の回転動力をフロントタイヤ141に伝達する。フロントアクスル14には、トランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、フロントアクスル14には、操舵装置が並設されている(図示せず)。操舵装置は、オペレータがハンドル164(図9参照)を操作すると、その操作に応じてフロントタイヤ141の舵角を変更する。
リヤアクスル15は、エンジン12の回転動力をリヤタイヤ151に伝達する。リヤアクスル15には、トランスミッション13を介してエンジン12の回転動力が入力される。なお、リヤアクスル15には、PTO出力装置が設けられている(図示せず)。PTO出力装置は、オペレータがPTOスイッチ165(図9参照)を操作すると、その操作に応じて牽引する作業機械に回転動力を伝達する。また、リヤアクスル15には、リンク機構35が設けられている(図5参照)。
次に、トラクタ1のリンク機構35について説明する。
図5は、トラクタ1のリンク機構35を示している。以下では、リンク機構35にロータリー10が取り付けられた状態を想定する。なお、図6は、ロータリー10の高さ自動制御を示している。図7は、ロータリー10の傾き自動制御を示している。
リンク機構35は、ロータリー10の高さ自動制御や傾き自動制御を実現できる。リンク機構35は、トップブラケット351と、トップリンク352と、を具備している。また、リンク機構35は、ロワブラケット353と、ロワリンク354と、を具備している。更に、リンク機構35は、リフトアーム355と、昇降用アクチュエータ356と、リフトリンク357と、傾倒用アクチュエータ358と、を具備している。
トップブラケット351は、リヤアクスル15の後部に取り付けられている。トップブラケット351は、互いに平行となる二枚のプレートを溶接したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
トップリンク352は、トップブラケット351のヒンジ部に取り付けられている。トップリンク352は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とトップブラケット351のピン孔を重ね合わせた状態でピンP1が挿入されることにより、該ピンP1を中心として回動自在に連結されている。また、トップリンク352は、先端部に取り付けられたクレビスのピン孔とロータリー10のピン孔を重ね合わせた状態でピンが挿入されることにより、該ピン(図示せず)を中心として回動自在に連結されている。
ロワブラケット353は、リヤアクスル15の下部に取り付けられている。ロワブラケット353は、互いに平行となる二枚のプレートを溶接したヒンジ部を有している。ヒンジ部には、水平方向に二枚のプレートを貫くピン孔が設けられている。
ロワリンク354は、ロワブラケット353のヒンジ部に取り付けられている。ロワリンク354は、基端部に設けられたピン孔とロワブラケット353のピン孔を重ね合わせた状態でピンP2が挿入されることにより、該ピンP2を中心として回動自在に連結されている。また、ロワリンク354は、先端部に取り付けられたフックがロータリー10のロッド(図示せず)に掛けられることにより、該ロッドを中心として回動自在に連結されている。
リフトアーム355は、リヤアクスル15の側部に取り付けられている。リフトアーム355は、基端部に設けられたピン孔にリヤアクスル15のピンP3が嵌め込まれることにより、該ピンP3を中心として回動自在に連結されている。また、リフトアーム355は、先端部にクレビスが形成されており、該クレビスにユニバーサルジョイント355Jが取り付けられている。
昇降用アクチュエータ356は、リフトアーム355の中央部に取り付けられている。昇降用アクチュエータ356は、シリンダに取り付けられたクレビスのピン孔とリフトアーム355のピン孔を重ね合わせた状態でピンP4が挿入されることにより、該ピンP4を中心として回動自在に連結されている。また、昇降用アクチュエータ356は、ピストンロッドに取り付けられたクレビスのピン孔とロワブラケット353のピン孔を重ね合わせた状態でピンP5が挿入されることにより、該ピンP5を中心として回動自在に連結されている。
リフトリンク357は、左側のリフトアーム355とロワリンク354に取り付けられている。リフトリンク357は、基端部に取り付けられたクレビスのピン孔とユニバーサルジョイント355Jのピン孔を重ね合わせた状態でピンP6が挿入されることにより、該ピンP6を中心として回動自在に連結されている。また、リフトリンク357は、先端部に取り付けられたクレビスのピン孔とロワリンク354のピン孔を重ね合わせた状態でピンP7が挿入されることにより、該ピンP7を中心として回動自在に連結されている。
傾倒用アクチュエータ358は、右側のリフトアーム355とロワリンク354に取り付けられている。傾倒用アクチュエータ358は、シリンダに取り付けられたクレビスのピン孔とユニバーサルジョイント355Jのピン孔を重ね合わせた状態でピンP8が挿入されることにより、該ピンP8を中心として回動自在に連結されている。また、傾倒用アクチュエータ358は、ピストンロッドに取り付けられたクレビスのピン孔とロワリンク354のピン孔を重ね合わせた状態でピンP9が挿入されることにより、該ピンP9を中心として回動自在に連結されている。
このような構造により、昇降用アクチュエータ356のピストンロッドが摺動して押し出されると(昇降用アクチュエータ356が伸張すると)、リフトアーム355が上方へ回動することとなる。すると、リフトアーム355がリフトリンク357と傾倒用アクチュエータ358を介して左右のロワリンク354を引き上げるので、ロータリー10の高さが高くなるのである(図6(A)の矢印Ra参照)。従って、ロータリー10が沈み込む状況でかかる動作を実現すれば、耕耘深さが一定状態のまま維持されることとなる。
反対に、昇降用アクチュエータ356のピストンロッドが摺動して引き込まれると(昇降用アクチュエータ356が収縮すると)、リフトアーム355が下方へ回動することとなる。すると、リフトアーム355がリフトリンク357と傾倒用アクチュエータ358を介して左右のロワリンク354を押し下げるので、ロータリー10の高さが低くなるのである(図6(B)の矢印Rb参照)。従って、ロータリー10が浮き上がる状況でかかる動作を実現すれば、耕耘深さが一定状態のまま維持されることとなる。
加えて、傾倒用アクチュエータ358のピストンロッドが摺動して押し出されると(傾倒用アクチュエータ358が伸張すると)、傾倒用アクチュエータ358が取り付けられている右側のロワリンク354のみが下方へ回動することとなる。すると、左側のロワリンク354がそのまま維持されるのに対し、右側のロワリンク354が押し下げられるので、ロータリー10が右下がりに傾くのである(図7(A)の矢印Rc参照)。従って、トラクタ1が左側に傾いている状況でかかる動作を実現すれば、ロータリー10が水平状態のまま維持されることとなる。
反対に、傾倒用アクチュエータ358のピストンロッドが摺動して引き込まれると(傾倒用アクチュエータ358が収縮すると)、傾倒用アクチュエータ358が取り付けられている右側のロワリンク354のみが上方へ回動することとなる。すると、左側のロワリンク354がそのまま維持されるのに対し、右側のロワリンク354が引き上げられるので、ロータリー10が右上がりに傾くのである(図7(B)の矢印Rd参照)。従って、トラクタ1が右側に傾いている状況でかかる動作を実現すれば、ロータリー10が水平状態のまま維持されることとなる。
次に、ロータリー10を用いて圃場を均平にしているトラクタ1について説明する。
図8は、圃場を走行するトラクタ1を示している。
トラクタ1には、リンク機構35を介してロータリー10が取り付けられている。トラクタ1は、昇降用アクチュエータ356を作動することにより、ロータリー10を昇降できる。
レーザー光Lは、レーザー発振器63によって発射される。レーザー発振器63は、圃場の場外、例えば、畦Rに設置される。このとき、レーザー発振器63は、レーザー光を水平に発射できるように設置される必要がある。ここでは、水平に発射されたレーザー光によって形成される面を「基準面H」と定義する。
レーザー光Lは、レーザー受光器65によって検出される。レーザー受光器65は、ロータリー10の支柱64に取り付けられている。後述する制御装置3は、レーザー受光器65からの信号に基づいて昇降用アクチュエータ356を作動させる(図13参照)。このような構成により、トラクタ1は、レーザー光Lを基準面Hとして、ロータリー10の高さ位置を適宜調節することができる。
次に、トラクタ1の操縦室について説明する。
図9は、運転座席161とその周囲を示している。また、図10は、オペレータの視界を示している。
上述したように、キャビン16は、その内側が操縦室になっており、運転座席161のほか、アクセルペダル162やシフトレバー163などが配置されている。また、運転座席161の周囲には、ブレーキペダル166やクラッチペダル167、リバーサレバー168、スピードダイヤル169、インストルメントパネル170、コントロールパネル171などが配置されている。オペレータは、運転座席161に座った状態でアクセルペダル162やシフトレバー163などを操作し、トラクタ1を操縦することができる。
更に、本トラクタ1においては、運転座席161の近傍にディスプレイ2を具備している。ディスプレイ2は、オペレータが右手で操作できるよう、運転座席161の右前側に配置されている。以下に、トラクタ1の情報ネットワークについて簡単に説明するとともに、ディスプレイ2及び該ディスプレイ2に関する制御システムについて説明する。
図11は、トラクタ1の情報ネットワークを示している。また、図12は、ディスプレイ2を示している。そして、図13は、ディスプレイ2に関する制御システムを示している。
本トラクタ1は、最大限の性能を発揮できるよう、各所に情報ネットワークが張り巡らされている。具体的には、エンジン12のほか、トランスミッション13、インストルメントパネル170、コントロールパネル171、ディスプレイ2が互いに情報を共有できるコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)を構成している。
本トラクタ1において、ディスプレイ2は、サイドコンソールの上に配置されている(図9、図10参照)。ディスプレイ2は、液晶パネル21と、エンコーダダイヤル22と、エンターボタン23とを有している。また、ディスプレイ2は、五つのコマンドボタン24・25・26・27・28を有している。各ボタンには、LED(Light Emitting Diode)等を光源とするバックライト29が内蔵されている。
液晶パネル21は、ディスプレイ2の前面中央に設けられている。液晶パネル21は、制御装置3からの指示に基づいて所定の画面を表示できる。例えば、液晶パネル21は、制御装置3からの指示に基づいてオープニング画面S1を表示できる(図14参照)。また、液晶パネル21は、制御装置3からの指示に基づいてその他の画面を表示できる(図15〜図20参照)。なお、液晶パネル21は、いわゆるタッチパネルであっても良い。
エンコーダダイヤル22は、ディスプレイ2の上面右側に設けられている。エンコーダダイヤル22は、液晶パネル21に表示された要素の選択に際して、タブをスクロールさせる若しくはハイライトをトラバースさせる旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、エンコーダダイヤル22は、表示された数字や英文字の選択に際して、タブをスクロールさせる旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図15参照)。また、エンコーダダイヤル22は、表示されたアイコンの選択に際して、ハイライトをトラバースさせる旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16、図17参照)。
エンターボタン23は、エンコーダダイヤル22と一体的に設けられている。エンターボタン23は、液晶パネル21に表示された要素のうち、一の要素を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、エンターボタン23は、表示された数字や英文字のうち、一の数字若しくは英文字を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図15参照)。また、エンターボタン23は、表示されたアイコンのうち、一のアイコンを決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16、図17参照)。なお、本ディスプレイ2において、エンターボタン23は、エンコーダダイヤル22自体が押し込まれる構造となっているが、該エンコーダダイヤル22の上端面に押しボタンを設けた構造であっても良い。
コマンドボタン24・25・26は、ディスプレイ2の前面上部に設けられている。コマンドボタン24・25・26は、液晶パネル21に所定の画面が表示されている場合において、他の画面に切り替える旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、コマンドボタン24・25は、液晶パネル21にホーム画面S3・S4が表示されている場合において、ショートカット画面(オペレータが任意に設定した画面)に切り替える旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16、図17参照)。また、コマンドボタン26は、液晶パネル21にレーザー画面S5、ONグレード幅画面S6又はオフセット位置画面S7が表示されている場合において、ホーム画面S3・S4に切り替える旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図18〜図20参照)。
コマンドボタン27も、ディスプレイ2の前面上部に設けられている。具体的には、コマンドボタン26に隣接した位置に設けられている。コマンドボタン27は、エンターボタン23と同様に、一の要素を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、コマンドボタン27は、表示された数字や英文字のうち、一の数字若しくは英文字を決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図15参照)。また、コマンドボタン27は、表示されたアイコンのうち、一のアイコンを決定した旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図16、図17参照)。更に、コマンドボタン27は、設定事項を記憶する旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図19、図20参照)。
コマンドボタン28も、ディスプレイ2の前面上部に設けられている。具体的には、コマンドボタン27に隣接した位置に設けられている。コマンドボタン28は、液晶パネル21に所定の画面が表示されている場合において、一つ前の画面に戻る旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる。例えば、コマンドボタン28は、液晶パネル21に別のホーム画面S4が表示されている場合において、ホーム画面S3に戻る旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図17参照)。また、コマンドボタン28は、液晶パネル21にONグレード幅画面S6又はオフセット位置画面S7が表示されている場合において、レーザー画面S5に戻る旨のオペレータの意思を制御装置3へ伝達できる(図19、図20参照)。
制御装置3は、処理部30と記憶部31とを備える。処理部30は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータを含む。
記憶部31は、ROM(Random Access Read Only Memory)等の情報の書き換えが不可であるメモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発メモリ、ハードディスクドライブ、及び、フラッシュメモリ等を含む。プログラムとマップ等の情報は、記憶部31に格納されている。処理部30は、ROMに格納されているプログラム等をRAM上に読み出したうえで、これを実行することができる。
処理部30は、レーザー受光器65によって検出されるレーザー光Lの高さ位置を認識する。処理部30は、レーザー光Lの高さ位置の情報と記憶部31に格納された情報とに基づいて、昇降用アクチュエータ356の作動量を算出する。制御装置3は、この算出結果に基づいて、昇降用アクチュエータ356を作動させる。このようにして、制御装置3は、昇降用アクチュエータ356を作動させることによって、ロータリー10の高さ位置を調節するのである。
以下に、基準面Hに対する許容範囲(後述するONグレード幅Gw(図19参照))と、許容範囲の偏移量(後述するオフセット位置Os(図20参照))とを設定するための操作方法について説明する。
図14〜図20は、ディスプレイ2に表示される画面を示している。但し、各図は、本実施形態の説明に必要な部分のみを簡略的に表している。
まず、ディスプレイ2には、オープニング画面S1が表示される(図14参照)。オープニング画面S1では、中央付近にシンボルマークSmが表示される。シンボルマークSmは、サプライヤメーカを象徴する意匠である。シンボルマークSmは、黒色の背景画像に浮き上がり、オペレータに強い印象を与える。
次に、ディスプレイ2には、ロック解除画面S2が表示される(図15参照)。ロック解除画面S2では、横一列に暗証番号を入力するためのスクロールボックスSb1・Sb2・Sb3・Sb4が表示される。スクロールボックスSb1・Sb2・Sb3・Sb4は、選択されているいずれか一つがハイライトされる(図中のH部参照)。スクロールボックスSb1・Sb2・Sb3・Sb4は、0から9までの数字若しくはAからFまでの英文字をスクロールできる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって数字若しくは英文字を選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
なお、ロック解除画面S2においては、コマンドボタン25・26を押すことによって数字若しくは英文字を選択し、コマンドボタン27を押すことによって決定することができる。また、コマンドボタン28を押すことによって決定を取り消すこともできる。加えて、暗証番号を間違ったときは、その旨のメッセージが表示される。ロック解除画面S2では、オペレータの氏名が記されたダイアログボックスDb1と、作業予定が記されたダイアログボックスDb2と、が表示される。オペレータは、これらのダイアログボックスDb1・Db2から自身の作業予定を把握できる。
次に、ディスプレイ2には、ホーム画面S3が表示される(図16参照)。ホーム画面S3では、上下二列にメニューを選択するためのアイコンIa1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8が表示される。アイコンIa1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8は、選択されているいずれか一つがハイライトされる(図中のH部参照)。そして、ハイライトは、エンコーダダイヤル22の回転に応じてトラバースされる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって所望のアイコン(Ia1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8のいずれか)を選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
なお、ホーム画面S3においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってアイコン(Ia1・Ia2・Ia3・Ia4・・・Ia8のいずれか)を選択することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、コマンドボタン28を押すと、ロック解除画面S2に戻ることができる。加えて、『前ページ』と記されたボタンBa1若しくは『次ページ』と記されたボタンBa2を選択して決定したときは、別のホーム画面S4に切り替わる。選択できないアイコンについては、グレーアウトされる(図中のG部参照)。
ここでは、『次ページ』と記されたボタンBa2を選択して決定する。
次に、ディスプレイ2には、別のホーム画面S4が表示される(図17参照)。ホーム画面S4では、左右二列にメニューを選択するためのアイコンIb1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8が表示される。アイコンIb1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8は、選択されているいずれか一つがハイライトされる(図中のH部参照)。そして、ハイライトは、エンコーダダイヤル22の回転に応じてトラバースされる。オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによって所望のアイコン(Ib1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8のいずれか)を選択し、エンターボタン23を押すことによって決定できる。
なお、ホーム画面S4においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってアイコン(Ib1・Ib2・Ib3・Ib4・・・Ib8のいずれか)を選択することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、コマンドボタン28を押すと、ロック解除画面S2に戻ることができる。加えて、『前ページ』と記されたボタンBb1若しくは『次ページ』と記されたボタンBb2を選択して決定したときは、ホーム画面S3に切り替わる。選択できないアイコンについては、グレーアウトされる(図示せず)。
ここでは、『レーザー』と記されたアイコンIb2を選択して決定する。
ディスプレイ2には、レーザー画面S5が表示される(図18参照)。レーザー画面S5では、中央付近にダイアログボックスDb3が表示される。ダイアログボックスDb3には、基準面Hに対するロータリー10の高さ位置の値(単位はミリメートル(mm))が記される。「+」の記号は、基準面Hに対してロータリー10の高さ位置が上方にあることを示し、「−」の記号は、基準面Hに対してロータリー10の高さ位置が下方にあることを示す。
レーザー画面S5では、ダイアログボックスDb4が表示される。ダイアログボックスDb4には、『受光器が接続されていません』、『レーザー光を見失いました』、『レーザー制御を一時停止中です』及び『レーザー制御がOFFです』といった表記が、状況に応じて表示される。
また、レーザー画面S5では、指示画像IPが表示される。指示画像IPは、ロータリー10の高さ位置の変化に応じて点灯又は点滅する。指示画像IPは、指示部Pa・Pb・Pcを含む。指示部Paは、指示画像IPにおける直線部分である。指示部Pbは、指示画像IPにおける下向きの矢印部分である。指示部Pcは、指示画像IPにおける上向きの矢印部分である。指示部Pa・Pb・Pcは、複数のパターンで点灯若しくは点滅する。これについては後述する。
レーザー画面S5では、更に2つのアイコンIc1・Ic2が選択可能に表示される。アイコンIc1とアイコンIc2とは、選択されていることが分かるようにそれぞれハイライトされる。そして、ハイライトは、エンコーダダイヤル22の回転に応じてトラバースされる。『感度設定』と記されたアイコンIc1が選択及び決定される場合には、ONグレード幅Gwを設定するための画面が表示される。『オフセット位置』と記されたアイコンIc2が選択及び決定される場合には、オフセット位置Osを設定するための画面が表示される。
以下においては、アイコンIc1を選択して決定した場合について説明する。
ディスプレイ2には、ONグレード幅画面S6が表示される(図19参照)。ONグレード幅画面S6は、許容範囲を設定するための画面である。
ONグレード幅画面S6では、スライドバーP1と、インジケータSP1と、ダイアログボックスDb5とが表示される。
スライドバーP1は、下端から上端までが、レーザー受光器65における受光の範囲(上下方向の範囲)を示す。インジケータSP1は、下端から上端までが、基準面Hに対する許容範囲を示す。本願では、かかる許容範囲を「ONグレード幅」と称する。ONグレード幅とは、図19に示すGwである。一方、許容範囲の偏移量、つまり、基準面Hに対する許容範囲の上下のずれのことを「オフセット位置」と称する。オフセット位置とは、図20に示すOsである。なお、矢印Bは、基準面Hを表し、スライドバーP1の中心を指している。
オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによってONグレード幅の値をスクロールさせて選択する。エンコーダダイヤル22を時計方向に回転させると、ONグレード幅の値が増加し、エンコーダダイヤル22を反時計方向に回転させると、ONグレード幅の値が減少する。
ONグレード幅画面S6においては、±5mmごとにONグレード幅を設定することができる。設定された値は、ダイアログボックスDb5に表示される。本図においては、『±5mm』と表示されており、ONグレード幅が基準面Hから±5mmの範囲を有する。つまり、ロータリー10の高さ位置の許容範囲は10mmである。
また、ONグレード幅画面S6の下部には、ダイアログボックスDb5に記される値に関する説明として、『大きいほど鈍感、小さいほど敏感』、『標準は±5mm』、『±1〜20mmで調節可』といった表記が表示される。
また、ONグレード幅画面S6では、ONグレード幅の増減に伴って、インジケータSP1が拡大又は縮小する。ONグレード幅が増加すると、インジケータSP1の上限が上方に移動し且つ下限が下方に移動する。反対に、ONグレード幅の値が減少すると、インジケータSP1の上限が下方に移動し且つ下限が上方に移動する。
オペレータは、所望の値がダイアログボックスDb5に記されていることを確認したうえでエンターボタン23を押すことにより、ONグレード幅を設定できる。なお、ONグレード幅の標準は±5mmである。ONグレード幅は、±1mmから±20mmの範囲で設定することができる。
なお、ONグレード幅画面S6においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってONグレード幅の値を選択することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、ONグレード幅画面S6においては、コマンドボタン28を押すと、レーザー画面S5に戻ることができる。
続いて、レーザー画面S5においてアイコンIc2を選択して決定した場合について説明する。
ディスプレイ2には、オフセット位置画面S7が表示される(図20参照)。オフセット位置画面S7は、オフセット位置の値を設定するための画面である。
オフセット位置画面S7では、スライドバーP2と、インジケータSP2と、ダイアログボックスDb6とが表示される。
スライドバーP2は、下端から上端までが、レーザー受光器65における受光の範囲(上下方向の範囲)を示す。これは、ONグレード幅画面S6におけるスライドバーP1と同様である。インジケータSP2は、下端から上端までが、基準面Hに対する許容範囲を示す。これも、ONグレード幅画面S6におけるインジケータSP1と同様である。矢印Bは、基準面Hを表し、スライドバーP2の中心を指している。
本図においては、オフセット位置を示す線分として、二点鎖線HOを示す。この二点鎖線HOは、インジケータSP2の上下方向の中心に位置する。
オペレータは、エンコーダダイヤル22を回すことによってオフセット位置の値をスクロールさせて選択する。エンコーダダイヤル22を時計方向に回転させると、オフセット位置の値が増加し、エンコーダダイヤル22を反時計方向に回転させると、オフセット位置の値が減少する。
オフセット位置画面S7においては、±1mmごとにオフセット位置の値を調節することができる。設定された値は、ダイアログボックスDb6に表示される。本図においては、『+5mm』と表示されており、ONグレード幅の中心が基準面Hから「+5mm」上方に偏移している。つまり、許容範囲の偏移量は+5mmである。
また、オフセット位置画面S7の下部には、ダイアログボックスDb6に記される値に関する説明として、『標準は0mm』、『−50〜+50mmで調節可』といった表記が表示される。
また、オフセット位置画面S7では、オフセット位置の値の増減に伴って、インジケータSP2の位置が移動する。オフセット位置の値が増加すると、インジケータSP2が上方に移動する。反対に、オフセット位置の値が減少すると、インジケータSP2が下方に移動する。
オペレータは、所望の値がダイアログボックスDb6に記されていることを確認したうえでエンターボタン23を押すことにより、オフセット位置の値を設定できる。なお、オフセット位置の標準は±0mmであって、オフセット位置は、−50mm以上及び+50mm以下の範囲で設定することができる。
なお、オフセット位置画面S7においては、コマンドボタン(24・25・26・27・28のいずれか)を押すことによってオフセット位置の値を選択することはできないが、コマンドボタン27を押すことによって決定することはできる。また、オフセット位置画面S7においては、コマンドボタン28を押すと、レーザー画面S5に戻ることができる。
上述のように、レーザー画面S5には、指示部Pa・Pb・Pcを含む指示画像IPが表示されている。指示部Paが点灯する場合は、基準面Hに対するロータリー10の高さ位置が、ONグレード幅に収まっている状態を示す。指示部Pbが点滅する場合は、ONグレード幅から上方にロータリー10の高さ位置がはみ出した状態を示す。指示部Pcが点滅する場合は、ONグレード幅の範囲から下方にロータリー10の高さ位置がはみ出した状態を示す。
なお、このようなレーザーレベラの技術は、ロータリー10の他、ハロウ、レベラ及びスクレーパ等にも適用できる。