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JP6358893B2 - ロック装置 - Google Patents

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JP6358893B2 JP2014166135A JP2014166135A JP6358893B2 JP 6358893 B2 JP6358893 B2 JP 6358893B2 JP 2014166135 A JP2014166135 A JP 2014166135A JP 2014166135 A JP2014166135 A JP 2014166135A JP 6358893 B2 JP6358893 B2 JP 6358893B2
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Description

この発明は、グローブボックスなどの車両搭載装置に用いることができるロック装置に関するものである。
多くの自動車には、インストルメントパネルの助手席側に、車検証や身の回りの小物等の物品を収納できるグローブボックスが取り付けられている。グローブボックスは、インストルメントパネルに収容された閉成姿勢から乗員室側に回動させて物品を出し入れし、該グローブボックスに配設されたロック装置により閉成姿勢で保持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のロック装置は、グローブボックスの表側に揺動可能に配設された操作ノブを備え、操作ノブは、該操作ノブに取り付けられたコイルばねの付勢によって押圧開始位置に保持されている。また、ロック装置は、グローブボックスの裏側に配設され、回動軸から半径方向に延出する受圧部と2つの入力部とを持ち、該回動軸を中心として回動するリンク部材を備え、このリンク部材がコイルばねにより所定方向に付勢されている。更に、ロック装置は、一方の入力部の突出端に右端が回転可能に接続されて左方に延在する第1閂部と、他方の入力部の突出端に左端が回転可能に接続されて右方に延在する第2閂部とを備え、グローブボックスの両側部から突出する左右の閂部がインストルメントパネルに引っ掛かるようになっている。
特許文献1のロック装置は、使用者が操作ノブを揺動操作することで、操作ノブの押圧部によりリンク部材の受圧部が押されてリンク部材が回動し、リンク部材の回動に伴って左右の閂部がインストルメントパネルから退避するように同期して移動する。また、ロック装置は、一方の閂部がインストルメントパネルから退避するように押された場合であっても、リンク部材が回動することで他方の閂部が同期してインストルメントパネルから退避するように移動する。このように、特許文献1のロック装置は、左右の閂部が同期して動作するので、一方の閂部がインストルメントパネルに引っ掛かっているが、他方の閂部がインストルメントパネルに引っ掛からない不具合の発生を回避できる。
特開2009−235794号公報
特許文献1のロック装置は、リンク部材の回動軸から半径方向外側に延出する入力部が該回動軸を中心として揺動するのに対して、該入力部の突出端に接続される閂部が左右方向にスライド移動するようになっている。すなわち、リンク部材の入力部と閂部との接続部位は、固定することはできず、前後方向の軸周りに揺動する入力部と左右方向にスライド移動する閂部との動きの差を吸収する余裕(遊び)を持たせて、入力部に閂部が軸支されている。このため、入力部と閂部との接続部位で生じる遊びにより、自動車走行時の振動などで異音が発生したり、その遊び分、左右の閂部の同期がずれるなどの不具合が考えられる。
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、構成が簡単で、不具合の発生を防止し得るロック装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る発明のロック装置は、
夫々がスライド移動可能に配設された一対のロック体を有し、その移動方向に並ぶ両ロック体における互いに反対を向く一端部が連動して係合対象に係脱するように構成されたロック装置において、
前記ロック体の移動方向に並べて、夫々回動可能に支持された一対の回動体と、
前記両回動体の夫々に設けられ、両回動体の間で互いに噛み合って該両回動体を連動して回動させる一対の連動歯部と、
前記各回動体における該回動体の回動中心を中心とする円弧状に延在する円弧状周面に設けられた回動歯部と、
前記両ロック体の互いに隣接する他端部の夫々に湾曲変形可能に設けられると共に、前記回動体における連動歯部と回動歯部との間に接続されて、該ロック体の移動方向に沿う直線状態および前記円弧状周面に案内されて該円弧状周面に沿う湾曲状態に変形する変形部と、
前記変形部に設けられ、前記回動歯部と噛み合って前記回動体と前記ロック体とを連動させる変形歯部と、
前記ロック体の一端部が前記係合対象に係合する方向に移動するよう、前記ロック体または前記回動体を付勢する付勢手段とを備えたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、一対の回動体に夫々設けられた連動歯部同士の噛み合いによって両回動体を連動して回動し得ると共に、ロック体における変形部の変形歯部と回動体の回動歯部との噛み合いによって各ロック体と対応の回動体とを連動して作動し得る。すなわち、連動歯部、回動歯部および変形歯部の噛み合いによって連動して回動する一対の回動体で力の向きを変換して、一対のロック体を相反する方向に連動して移動させることでができる。そして、連動歯部、回動歯部および変形歯部の噛み合いによって一対の回動体および一対のロック体を連動させる構成であるから、ロック装置の構成部材同士を軸で接続して回動可能にリンクする構造と比べて構成を簡単にでき、接続部位で生じるガタツキ、干渉、異音やロック体の同期ずれなどの不具合の発生を回避できる。また、ロック体の変形部が回動体における連動歯部と回動歯部との間に接続されているので、変形部に設けられた変形歯部と回動体の回動歯部との滑りや外れを防ぎ、変形歯部と回動歯部との噛み合いを安定させることができる。従って、ロック体と対応の回動体とを適切に連動させて、一対のロック体の同期ずれを防止し得る。
請求項2に係る発明は、前記連動歯部は、前記円弧状周面を延長するように、前記回動体の本体から延出して湾曲変形可能に形成された連係部に設けられ、
前記両回動体に設けられた一対の連係部は、該回動体の本体からの延出端が該本体間で互いに接続されると共に、互いの前記連動歯部が該本体間で噛み合うように構成されたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、一対の回動体の本体から夫々延出する連係部の延出端が該本体間で互いに接続されると共に、各連係部に設けられた連動歯部が、回動体の本体間で噛み合うよう構成されているので、連動歯部が互いに滑ったり外れるのを防ぎ、連動歯部同士の噛み合いを安定させることができる。従って、一対の回動体を適切に連動させて、一対のロック体の同期ずれを防止し得る。
請求項3に係る発明は、前記一対の連係部は、前記回動体の本体から互いに接続する延出端側に向かうにつれて弾性変形しつつ合流するよう構成されたことを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、一対の連係部が弾性変形しつつ合流するよう構成されているので、弾性変形した連係部によって生じる反力を、連動歯部が互いに噛み合うように作用させることができ、連動歯部同士の噛み合いをより安定させることができる。従って、一対の回動体を適切に連動させて、一対のロック体の同期ずれを防止し得る。
請求項4に係る発明は、前記回動体および前記変形部は、インテグラルヒンジで接続されると共に、前記一対の連係部の延出端は、インテグラルヒンジで接続され、
前記一対のロック体および前記一対の回動体は、一体的に形成されたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、一対のロック体および一対の回動体が、一体的に形成されて1つの部材としているので、部品点数を減少して、組み付け作業効率を向上させ得る。また、ロック体の変形部と回動体とがインテグラルヒンジで接続されると共に、一対の回動体における連係部の延出端がインテグラルヒンジで接続されているので、インテグラルヒンジで折り曲げてロック体と回動体との位置関係を変えることができる。これにより、一対のロック体および一対の回動体を備える部材を製造する際の自由度を高くすることができる。
請求項5に係る発明は、前記付勢手段は、前記一対の回動体における前記変形歯部および前記回動歯部の噛み合い部位と回動中心を挟んで反対側の間に架設されて、両回動体を引き合う方向に付勢するよう構成したことを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、付勢手段によって一対の回動体を繋いでいるので、一対の回動体を適切に連動させることができ、一対のロック体の同期ずれを防止し得る。一対の回動体に架設された付勢手段が、該回動体間での連動歯部の噛み合いを保つよう作用するので、連動歯部同士の噛み合いをより安定させることができる。
本発明に係るロック装置によれば、簡単な構成で不具合の発生を防止できる。
本発明の実施例に係るロック装置を備えたグローブボックスが配設されたインストルメントパネルの一部を示す概略斜視図であり、(a)はグローブボックスが閉成姿勢にあり、(b)はグローブボックスが開放姿勢にある。 実施例に係るロック装置が配設されたグローブボックスを分解した状態で示す斜視図である。 実施例に係るロック装置の要部を示す背面図であり、(a)はロック体がロック位置にあり、(b)はロック体が解除位置にある。 実施例に係るロック装置を示す斜視図であり、(a)はロック体がロック位置にあり、(b)はロック体が解除位置にある。 実施例に係るロック装置の動作を示す要部説明図であって、(a)はロック体がロック位置にあり、(b)はロック体が解除位置にある。 実施例に係るロック部材を示す背面図であり、(a)は成形態様を示し、(b)は設置態様を示す。
本発明に係るロック装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
実施例では、図1に示すように、車両内装部材であるインストルメントパネル10に設けられたグローブボックス20に配設されるロック装置40を例示する。なお、以下の説明において、前後とは、インストルメントパネル10を基準として指称するものとし、インストルメントパネル10の乗員室側(車両後方側)を前側とし、インストルメントパネル10のエンジンルーム側(車両前方側)を後側とする。また、左右とは、インストルメントパネル10を前面(乗員室側)から見た左右方向を基準として指称する。
図1および図2に示すように、グローブボックス20は、インストルメントパネル10の助手席側の下部に該グローブボックス20を収容可能な大きさに形成された設置部12に配設されている。グローブボックス20は、インストルメントパネル10の意匠面を構成する第1パネル22と、該第1パネル22の裏側に取り付けられる第2パネル24とを備え、第2パネル24の後側に、上方に開口した物品収納部26が設けられている。また、グローブボックス20は、第1パネル22と第2パネル24との間に物品収納部26の上側に位置して、ロック装置40が設置される装置設置部28が画成されている(図2および図3参照)。グローブボックス20は、その下部が、インストルメントパネル10の設置部12に回動可能に支持されて、第1パネル22が該インストルメントパネル10に整合した閉成姿勢(図1(a))および該第1パネル22が前方へ傾動した開放姿勢(図1(b))に姿勢変位するよう構成される。グローブボックス20は、前記装置設置部28の側面を画成する第2パネル24の左右の側壁部上部に左右に開口するよう形成された閂開口29から、該装置設置部28内に配設されたロック装置40の一対のロック体42,42が夫々進退移動可能に突出するようになっている。そして、グローブボックス20は、設置部12における左右の側壁上部に形成された開口状の係合部(係合対象)14(図3参照)に挿入されたロック装置40の一対のロック体42,42により、閉成姿勢で回動規制される。また、グローブボックス20は、ロック装置40を操作して両ロック体42,42を係合部14から抜き出すことで、ロック装置40による回動規制が解除されて開放姿勢への姿勢変位が許容される。
図3に示すように、前記ロック装置40は、装置設置部28にグローブボックス20に対して夫々左右方向にスライド移動可能に配設された一対のロック体42,42と、装置設置部28の前面を画成する第1パネル22の裏面に突出形成された支持部30に夫々回動可能に支持された一対の回動体44,44とを備えている。ロック装置40は、両ロック体42,42が、該ロック体42の移動方向である左右方向に直列する状態で並べて配置されると共に、両ロック体42,42における互いに反対を向く一端部を構成する閂部46の先端が係合部14に夫々係脱するようになっている。また、ロック装置40は、両ロック体42,42における互いに隣接する他端部側に、一対の回動体44,44が左右方向に並べて配置され、両回動体44,44が互いに連動して回動するよう連係されると共に、対応する側のロック体42と回動体44とが互いに連動して作動するように夫々連係されている。すなわち、ロック装置40は、右側のロック体42の左端部側が右側の回動体44に連係すると共に、左側のロック体42の右端部側が左側の回動体44に連係しており、実施例では、一対のロック体42,42および一対の回動体44,44が、1つのロック部材41として構成されている。なお、ロック装置40は、一対のロック体42,42、一対の回動体44、連動歯部58(連係部56)、変形部48、変形歯部50からなる両ロック体42,42を連動させるための基本構成が、一対の回動体44,44の回動中心を結んだ仮想線中央で左右方向(ロック体42の移動方向)に対称な関係になっている。
前記各ロック体42は、左右方向(該ロック体の移動方向)に長手が延在する長尺な棒状に形成された閂部46を本体とし、実施例の閂部46は断面略矩形状に形成されている(図3および図4参照)。ロック体42は、装置設置部28の前面を画成する第1パネル22の裏面から裏側に向けて立設された保持部32に左右に開口するよう開設された保持開口33(図2参照)に、閂部46を挿通している。そして、ロック体42は、保持開口33によって、左右方向の移動が許容される一方で、装置設置部28の外側に臨む前記一端部側が前後および上下の移動が規制された状態で保持されている。また、ロック体42は、装置設置部28の内側に位置する他端部側が、対応する側の回動体44に変形部48を介して繋がり、装置設置部28の支持部30に回動可能に支持された回動体44によって支持されている。なお、保持部32は、装置設置部28の側面を画成する第2パネル24の側壁部の内側に重なるように設けられて、保持部32の保持開口33が第2パネル24における側壁部の閂開口29に整合しており、保持開口33で挿通保持された閂部46が閂開口29を介して外側方へ臨むようになっている。そして、一対のロック体42,42は、互いに離間して夫々の閂部46が対応する側の係合部14に係合可能なロック位置と、互いに近接して夫々の閂部46が対応の係合部14から外れる解除位置との間を左右にスライド移動するようになっている。以下の説明では、各ロック体42が解除位置からロック位置へ向かう方向をロック方向といい、各ロック体42がロック位置から解除位置へ向かう方向を解除方向という。すなわち、左側のロック体42では、左向きがロック方向で右向きが解除方向となり、右側のロック体42では、右向きがロック方向で左向きが解除方向となる。
前記閂部46は、ロック位置で係合部14に引っ掛かったり、係合部14への係脱に際して設置部12等に干渉しても変形しない剛性を備えている。また、閂部46は、その先端に前側から後側に向かうにつれて他端部側である解除方向に傾斜するテーパ面46aが形成されている(図4参照)。そして、グローブボックス20を開放姿勢から閉成姿勢へ姿勢変位させる際に、閂部46のテーパ面46aが設置部12における左右の側壁に当接して、ロック位置にあるロック体42が解除方向へ移動するよう案内される。
前記各ロック体42には、係合部14に係合する一端部と反対側の他端部に、湾曲変形可能な変形部48が設けられている(図3〜図5参照)。変形部48は、閂部46よりも薄肉に形成することで、前記回動体44の回転半径方向へ湾曲変形し得るよう構成されている。実施例の変形部48は、左右方向に延在する閂部46に対して直列するように揃って該閂部46の移動方向に沿う直線状態と、該直線状態から上側に向けて湾曲した湾曲状態との間で曲げ伸ばし可能になっている。変形部48は、閂部46と反対側の端が、回動体44に対して第1接続部49を介して接続されている。変形部48は、その湾曲状態および直線状態の変形によって、回動体44の回動に連動してロック体42(閂部46)を左右方向に移動させると共に、ロック体42(閂部46)の左右方向の移動に連動して回動体44を回動させるように、力の向きを変換するようになっている。また、変形部48は、弾性変形するよう構成され、湾曲状態とした際に該湾曲状態から直線状態に戻る方向に力が働くように設定されている。ここで、回動体44および変形部48は、第1接続部49で折り曲げ可能に接続されており(図6参照)、実施例では第1接続部49に1箇所のインテグラルヒンジが設けられている。
図5に示すように、前記変形部48には、回動体44と相対する面に変形歯部50が設けられ、この変形歯部50と回動体44に設けられた後述する回動歯部60とが噛み合うようになっている。変形歯部50は、変形部48の延在方向に並ぶ複数の歯で構成され、実施例では変形部48の上側に配置される回動体44に対応して変形部48の上面に形成されている。変形歯部50は、変形部48の延在方向全体または一部範囲に亘って設けられ、実施例では変形部48における閂部46側の端から延在方向中央を超えた途中位置までの範囲(第1接続部49側の端を除く範囲)に亘って形成されている。なお、変形歯部50は、ロック体42のロック位置および解除位置間の移動距離以上の範囲に亘って変形部48に形成される。
図3および図4に示すように、前記各回動体44は、前後方向に貫通形成された軸孔44aを、装置設置部28に突設された支持部30に嵌め合わせて、ロック体42の移動方向である左右方向と交差する前後方向の軸周りに回動可能に配設されている。回動体44は、ロック体42より上側に設けられた支持部30に支持されて、ロック体42の他端部に設けられた変形部48の上側に重なるように配置されている。図5に示すように、回動体44は、該回動体44の回動中心を中心とする円弧状に延在する円弧状周面53を有する扇状部52と、左右に隣り合う相手側の回動体44との間に設けられる連動歯部58と、該円弧状周面53に設けられた回動歯部60とを備えている。扇状部52は、軸孔44aが設けられた上部から下方(変形部48側)に向かうにつれて左右方向に広がる扇状に形成されて、回動体44の本体を構成している。ここで、実施例の扇状部52は、変形部48に相対する下部に延在形成される円弧状周面53が半円よりも小さく、ロック体42のロック位置と解除位置との移動距離よりも円弧状周面53が大きくなるように設定されている。また、回動体44は、軸孔44aを挟んで扇状部52と反対側となる上方へ延びる腕部54を有し、この腕部54の延出端に突設された取付ボスに、付勢手段62としてのコイルばねの一端が取り付けられている。
図2に示すように、実施例の支持部30は、第1パネル22の裏面に裏側へ突設された円柱形状の支持台30aと、この支持台30aから裏側へ突設され、該支持台30aより小径の円柱形状の支持軸30bと、この支持軸30bの延出端に半径方向外側へ延出形成された支持爪30cとを備えている。また、支持軸30bの延出端部は、二股に分割した割りピン構造になっており、回動体44の軸孔44aに支持軸30bを嵌め合わせて、支持台30aと支持爪30cとの間に回動体44を前後に挟んで、回動体44を第1パネル22の裏面から離間させた状態で回転可能に支持するようになっている。また、左右の支持部30,30の離間間隔は、回動体44の回動中心から円弧状周面53に設けられた回動歯部60の歯先までの回動体半径の2倍程度に設定されて、左右一対の回動体44の回動中心の間隔が該回動体半径の2倍程度となっている(図5参照)。なお、以下の説明では、各回動体44において、対応のロック体42のロック方向への移動に伴い回動する方向をロック回動方向といい、各回動体44において、対応のロック体42の解除方向への移動に伴い回動する方向を解除回動方向という。
図5に示すように、左右一対の回動体44,44は、該両回動体44,44の夫々に設けられて、両回動体44,44の間で互いに噛み合う左右の連動歯部58,58によって互いに連動して回動するよう構成される。ここで、各連動歯部58は、円弧状周面53を延長するように、扇状部52(回動体44の本体)から延出して湾曲変形可能に形成された連係部56に設けられている。連係部56は、扇状部52の円弧状周面53における相手側の回動体44と隣接する側(閂部46から遠い側)の端部から延出して、左右に離間配置された回動体44,44の扇状部52,52間に配置されている。連係部56は、扇状部52より薄肉に形成された板状部分であって、扇状部52に対して接離するように湾曲変形し得るよう構成されている。また、実施例の連係部は、扇状部52から離れるにつれて上方へ向けて延出するように形成されて、延出端(扇状部52と反対側の端:実施例では上端)が最も下方に位置する状態(ロック体42のロック位置に対応する状態)であっても、回動体44の回動中心と同じ上下位置または該回動中心よりも上側にあるように設定されている。左右の扇状部52,52の夫々から該扇状部52,52間に延出する左右の連係部56,56は、扇状部52から離れるにつれて互いに近づきて合掌状に合流して、その延出端同士が、第2接続部57を介して接続されている。ここで、左右の連係部56,56は、第2接続部57で折り曲げ可能に接続されており(図6参照)、実施例では第2接続部57に2箇所のインテグラルヒンジが設けられている。
図5に示すように、前記連係部56には、相手側の連係部56と相対する面(扇状部52の円弧状周面53に連なる面)に連動歯部58が設けられている。連動歯部58は、連係部56,56が互いに合掌状に合流する部分において、相手側の連係部56に設けられた連動歯部58と噛み合うようになっている。連動歯部58は、連係部56の延出方向に並ぶ複数の歯で構成され、実施例では円弧状周面53の端部から連係部56に亘って形成されている。なお、連動歯部58は、ロック体42のロック位置および解除位置間の移動距離以上の範囲に亘って形成される。実施例では、左右の回動体44,44の連動歯部58,58が、該両回動体44,44における回動中心の左右方向中央で互いに噛み合うようになっている。
前記左右の連係部56,56は、円弧状周面53を通る円弧ラインに沿うように下から上に向かうにつれて互いに近づくように湾曲する分岐状態と、左右の扇状部52,52の間(回動体44,44の回動中心間)で、互いの連動歯部58,58が噛み合うように合掌状に合流して、上下方向に直線的に延在する合流状態との間で曲げ伸ばし可能になっている(図5参照)。ここで、ロック体42がロック位置にある際には、左右の連係部56,56における合流状態にある範囲が最小になっており(図5(a)参照)、ロック体42が解除方向に向かうにつれて左右の連係部56,56における分岐状態にある範囲が減って合流状態にある範囲が増えるように、第2接続部57が左右の扇状部52,52の間で上下変位するようになっている。すなわち、左右の回動体44,44は、左右の連係部56,56における分岐状態および合流状態の長さの変化(連動歯部58,58の噛み合い範囲の大小)によって、相反する回動方向に連動して回動するように、力の向きを変換するようになっている。連係部56は、力が加わってない自然な状態で、扇状部52から延出する延出端が回動体44の回動中心から前記回動体半径以上離れるように設定されており、左右の回動体44,44を支持部30,30に取り付けた際に、左右の連係部56,56の少なくとも延出端が互いに干渉した状態で突き合わせられる。このように、左右の連係部56,56は、互いの連動歯部58,58が噛み合う合流状態において弾性変形するように構成され、左右の連動歯部58,58が噛み合う方向(左右の連係部56,56が互いに近づく方向)に、弾性変形した連係部56の反力が作用するようになっている。
図5に示すように、前記回動歯部60は、扇状部52の円弧状周面53に設けられ、変形歯部50と回動歯部60との噛み合いによりロック体42と回動体44とを連動させるようになっている。回動歯部60は、円弧状周面53の周方向に並ぶ複数の歯で構成され、回動体44の回動中心を基準とする周方向において連動歯部58よりも係合部14側(ロック体42の一端部側)に設けられている。実施例の回動歯部60は、円弧状周面53における閂部46に近い側に、該円弧状周面53の略半分の範囲に亘って形成され、変形部48の上側に配置されている。なお、回動歯部60は、ロック体42のロック位置および解除位置間の移動距離以上の範囲に亘って円弧状周面53に形成される。回動歯部60と変形歯部50とは、ロック体42がロック位置にある際に、回動体44の回動中心の真下において互いの前記解除方向の端部が噛み合うように設定されている(図5(a)参照)。回動歯部60と変形歯部50とは、ロック体42がロック位置から解除位置に向かうにつれて、互いの噛み合い範囲が増えるよう構成される(図5(b)参照)。そして、連動歯部58と回動歯部60との間で扇状部52に接続された変形部48は、回動体44の回動に伴って、ロック体42の移動方向である左右方向に沿う直線状態から円弧状周面53に案内されて該円弧状周面53に沿う湾曲状態に変形するようになっている。このように、変形部48は、解除方向への変位成分を有する解除回動方向への回動体44の回動に伴う該回動体44に繋がる第1接続部49の上方変位によって円弧状周面53に案内されて湾曲状態となり、ロック方向への変位成分を有するロック回動方向への回動体44の回動に伴う第1接続部49の下方変位によって直線状態に戻る。
前記ロック装置40は、ロック体42の閂部46を係合部14に係合するロック方向に移動するよう、回動体44または/およびロック体42を付勢する付勢手段62を有し、実施例では、付勢手段62によって両回動体44,44をロック回動方向に向けて回動させるように付勢している(図3〜図5参照)。具体的に説明すると、付勢手段62は、一対の回動体44,44において変形歯部50および回動歯部60の噛み合い部位と該回動体44の回動中心を挟んで反対側(上方)に延びる腕部54,54の間に架設されたコイルばねである。そして、付勢手段62は、両回動体44,44の腕部54,54を互いに引き合う方向(近付ける方向)に付勢するよう構成されている。このように、ロック装置40は、付勢手段62により回動体44をロック回動方向に付勢して、該回動体44に繋がる対応のロック体42をロック方向に向けて間接的に付勢するようになっている。ここで、付勢手段62は、回動体44の下側で回動歯部60と変形歯部50とが噛み合っているので、回動体44の回転中心よりも上側で左右の回動体44,44間に架設されている。そして、両回動体44,44の腕部54,54を互いに近づけるように付勢する付勢手段62の引っ張る方向と、両回動体44,44の間で互いに噛み合う連動歯部58,58の噛み合い方向とを同じになるように設定している。ロック装置40は、一対のロック体42,42がロック位置にある回動体44,44の姿勢において、付勢手段62が両腕部54,54を少し引っ張るように設定してある。そして、非操作状態にある操作部64の押圧片65(後述)が、右側のロック体42に設けられた作動部43の連係面43aに当接して、該ロック体42のロック方向への移動を規制するようになっている。これによって、両ロック体42,42をロック位置で保持するよう構成している。また、ロック装置40は、左右の連係部56,56の延出端を接続する第2接続部57によっても、ロック体42がロック位置にある回動体44の姿勢を超えて該回動体44がロック回動方向に回動しないように回動規制することができる。
図2および図3に示すように、前記装置設置部28には、回動歯部60と変形歯部50との噛み合い部を、回動体44の円弧状周面53との間に上下(ロック体42の移動方向および回動体44の軸線方向と交差する方向)に挟むガイド34が設けられている。ガイド34は、装置設置部28の前面を構成する第1パネル22の裏面から裏側に突出するよう形成された板状片であり、そのガイド面が左右方向(ロック体42の移動方向)に沿って直線的に延在している。ガイド34は、回動歯部60と変形歯部50との噛み合い部を、変形部48における直線状態にある部分で案内するように配置され、実施例では回動体44の回転中心の直下に左右方向に延在するように設けられている。ガイド34は、延出端に上方(回動体44側)へ鉤状に突出形成されたガイド爪34aを有している。ガイド34は、変形部48における直線状態にある部分を下方(回動体44から離れる方向)への変位を規制すると共に、変形部48の後面に引っ掛けたガイド爪34aによって前方(回動体44の軸線方向)への変位を規制するようになっている。このように、実施例のロック装置40は、変形部48の直線状態にある部分を案内するガイド34を有している。
前記グローブボックス20には、ロック装置40のロック体42を解除方向へ移動させるための操作部64が設けられている(図2および図3参照)。操作部64は、第1パネル22に設けられた凹部23に収容されて、該凹部23で左右方向の軸周りに回動可能に支持されている。操作部64は、該操作部64の上部から後方へ延出し、凹部23の上部に開設された操作開口23aを介して装置設置部28に挿入される押圧片65を備え、押圧片65が右側のロック体42に設けられた作動部43に連係するようになっている。作動部43は、操作開口23aの下側に延在するロック体42の閂部46から上方に突出するように形成され、閂部46から上方に向かうにつれて解除方向に傾斜する連係面43aに操作部64の押圧片65が当接するようになっている。操作部64は、非操作状態(図3(a),図4(a))から手前側に引いた操作状態(図3(b),図4(b))とすることで、押圧片65が下方変位し、これにより押圧片65によって作動部43の連係面43aを押して該連係面43aの傾斜で案内して右側のロック体42を解除方向へ移動させるようになっている。操作部64は、トーションばねからなる操作付勢部66によって非操作状態に向けて付勢されており、使用者が操作していないときは非操作状態で保持される。そして、ロック装置40は、操作部64から手を離すと、押圧片65による連係面43aの押圧状態が解除され、右側のロック体42が付勢手段62の付勢により解除位置からロック位置に戻るようになっている。
前記ロック装置40は、回動体44と対応するロック体42の変形部48とを折り曲げ可能なインテグラルヒンジを有する第1接続部49で接続すると共に、左右の回動体44,44の連係部56,56を折り曲げ可能なインテグラルヒンジを有する第2接続部57で接続して、一対のロック体42,42および一対の回動体44,44を1つのロック部材41として構成している(図6参照)。また、ロック部材41は、インジェクション成形のような合成樹脂の型成形により、ロック体42、回動体44、連係部56、連動歯部58、回動歯部60、変形部48、変形歯部50の各部を一体的に形成している。ロック部材41は、接続部49,57においてインテグラルヒンジを構成する合成樹脂の靱性により、該インテグラルヒンジを支点として折り曲げ変形可能となっている。すなわち、ロック部材41は、第1接続部49で折り曲げてロック体42の変形部48が回動体44の円弧状周面53に相対するように配置されて、左右のロック体42,42が左右方向に直列状態で並ぶと共に、第2接続部57で折り曲げて左右の連動歯部58,58が噛み合う装置設置部28への設置態様(図3,図6(b)参照)に、該設置態様と異なる態様(成形態様:図6(a))から接続部49,57の折り曲げにより変化させることができる。ロック部材41は、図6(b)に示すように装置設置部28に配設される位置関係でロック体42や回動体44などの各部を型成形することに限られず、接続部49,57に設けられたインテグラルヒンジの折り曲げによる調節可能な範囲で、ロック体42や回動体44等の各部を型構造などの都合のよい位置関係で成形することができる。
実施例では、図6(a)に示すように、一対のロック体42,42が平行になるように並列配置すると共に、一対の回動体44,44の連動歯部58,58が離間するように配置した成形態様でロック部材41が型成形される。そして、ロック部材41は、一対の回動体44,44を支持部30に夫々取り付けることで、第2接続部57のインテグラルヒンジで折れ曲がって、左右の連係部56,56が互いに近づいて左右の連動歯部58,58が噛み合うようになっている。また、ロック部材41は、第1接続部49のインテグラルヒンジで折り曲げて、ロック体42の変形部48をガイド34と回動体44との間に通すことができると共に、ロック体42の閂部46を保持開口33および閂開口29に通すことができ、前記成形態様から設置態様に変化可能になっている。
(実施例の作用)
前記ロック装置40のロック解除時およびロック時の各構成要素の動きを説明する。なお、ロック装置40の動作説明を判り易くするために、ロック体42や回動体44等の各構成要素が順番に作動するように記載しているが、実際には各構成要素がタイムラグなく連動して、一対のロック体42,42が同期してロック位置および解除位置の間で移動するようになっている。
前記ロック装置40を解除してグローブボックス20を開ける場合には、使用者が操作部64を手前側へ引くように回動操作することで、操作部64の押圧片65に作動部43が押されて右側のロック体42がロック位置から解除位置に向けて移動される。右側のロック体42が解除方向に移動すると、該ロック体42の変形部48の移動に伴って該変形部48の変形歯部50と回動歯部60で噛み合う右側の回動体44が、付勢手段62の付勢に抗して解除回動方向に回動される。ここで、右側の変形部48は、右側の回動体44に第1接続部49で繋がっているので、右側のロック体42の解除方向への移動に伴って右側の回動体44を解除回動方向へ押すことができる。右側の回動体44が解除回動方向に回動するにつれて、右側の連係部56が上方変位して、左右の連動歯部58,58の噛み合いにより左側の連係部56が一緒に上方変位することで、左側の回動体44についても解除回動方向に回動される。ここで、左右の連係部56,56は、第2接続部57で繋がっているので、右側の連係部56の変位につれて左側の連係部56も引っ張られて変位することになる。左側の回動体44が解除回動方向に回動すると、左側の回動体44の回動歯部60と変形歯部50で噛み合った変形部48の変位により左側のロック体42が解除方向に移動される。ここで、左側の変形部48は、第1接続部49を介して左側の回動体44と接続されているので、該回動体44の解除回動方向への回動に伴い引っ張られる。このように、操作部64によるロック解除操作により、左右のロック体42,42がロック位置から解除位置に向けて同期して移動し、各閂部46の先端が係合部14から外れてグローブボックス20の開放が許容される。
前記グローブボックス20の開放姿勢で使用者が操作部を離せば、操作部64が非操作状態に戻ると共に、左右の回動体44,44が付勢手段62の付勢によってロック回動方向に回動されることで、回動体44の回動歯部60と変形歯部50で噛み合った変形部48の変位により左右のロック体42,42がロック方向に同期して移動される。ここで、左右の回動体44,44が付勢手段62の付勢によってロック回動方向に回動される際には、左右の連動歯部58,58の噛み合いによって、左右の回動体44,44が同期して同じ回動角度まで回動するように制御される。そして、左右のロック体42,42は、ロック位置で保持される。
前記グローブボックス20を開放姿勢から閉成姿勢に戻す際には、左右のロック体42,42における閂部46,46の先端が設置部12の側壁に夫々当接することで、ロック位置から解除位置に向けて押し込まれる。これにより、ロック体42の変形歯部50と回動体44の回動歯部60との噛み合い、これに加えて第1接続部49を介するロック体42から回動体44への力の伝達により、回動体44が解除回動方向へ向けて夫々回動される。ここで、左右の回動体44,44がロック体42の移動に伴って回動される際には、左右の連動歯部58,58の噛み合いによって、左右の回動体44,44が同期して同じ回動角度まで回動するように制御される。そして、左右のロック体42,42の閂部46,46が対応の係合部14に挿入されれば、左右の回動体44,44が付勢手段62の付勢によってロック回動方向に回動されることで、回動体44の回動歯部60と変形歯部50で噛み合った変形部48の変位により左右のロック体42,42がロック方向に同期して移動され、ロック位置で保持される。
一方のロック体42の閂部46だけが解除位置に向けて押された場合であっても、解除位置に向けて移動する一方のロック体42が対応の回動体44を解除回転方向に回動させることにより、左右の連動歯部58,58の噛み合いによって他方の回動体44も解除回転方向に連動して回動する。これにより、押されていない他方のロック体42についても、一方のロック体42の動きに連動して解除位置に向けて移動する。また、一方のロック体42への解除位置に向けた押圧状態が解除されると、前述したように付勢手段62の付勢によって連動してロック回動方向に回動する左右の回動体44,44によって、左右のロック体42,42がロック位置に向けて同期して移動する。このように、ロック装置40は、一方のロック体42だけが押される場合であっても、該一方のロック体42に連動して他方のロック体42も解除位置に移動される。
このように前述したロック装置40によれば、一対の回動体44,44に夫々設けられた連動歯部58,58同士の噛み合いによって両回動体44,44を連動して回動し得ると共に、ロック体42における変形部48の変形歯部50と回動体44の回動歯部60との噛み合いによって各ロック体42と対応の回動体44とを連動して作動し得る。すなわち、ロック装置40は、連動歯部58、回動歯部60および変形歯部50の噛み合いによって連動して回動する一対の回動体44,44で力の向きを変換して、一対のロック体42,42を相反する方向に連動して移動させることでができる。そして、連動歯部58、回動歯部60および変形歯部50の噛み合いによって一対の回動体44,44および一対のロック体42,42を連動させる構成であるから、ロック装置の構成部材同士を軸で接続して回動可能にリンクする構造と比べて構成を簡単にでき、接続部位で生じるガタツキ、干渉、異音やロック体の同期ずれなどの不具合の発生を回避できる。
前記ロック装置40は、ロック体42における変形部48の変形歯部50と回動体44の回動歯部60との噛み合いだけではなく、変形部48が回動体44における連動歯部58と回動歯部60との間に接続されているので、回動体44の回動に合わせて変形し得る変形部48を介して回動体44とロック体42との間で力を伝達することができる。また、変形部48を回動体44に接続してあるので、変形部48に設けられた変形歯部50と回動体44の回動歯部60との滑りや外れを防ぐことができ、変形歯部50と回動歯部60との噛み合いを安定させることができる。ここで、変形部48は、回動体44に繋がる第1接続部49を介して該回動体44の回動につれて追従して変位した際に、円弧状周面53に案内されて該円弧状周面53に沿うように変形するので、円弧状周面53に設けられた回動歯部60と変形した変形部48の変形歯部50とが互いに噛み合う方向に力を作用させることができ、変形歯部50と回動歯部60との噛み合いをより安定させることができる。しかも、変形部48は、第1接続部49で回動体44と接続されて該回動体44の回動変位によって直線状態と湾曲状態とに変形される構成であるから、変形部48を湾曲状態に変形するための壁等の案内手段を省略することが可能となり、案内手段で変形部48を湾曲状態とするときのように摺動負荷がかからないので、ロック体42を円滑に移動させることができる。従って、ロック体42と対応の回動体44とを適切に連動させて、一対のロック体42,42の同期ずれを防止し得る。
前記ロック装置40は、一対の回動体44,44の扇状部52,52から夫々延出する連係部56,56の延出端が該扇状部52,52間で互いに接続されると共に、各連係部56に設けられた連動歯部58,58同士が、扇状部52,52間で噛み合うよう構成されているので、連動歯部58,58が互いに滑ったり外れるのを防ぎ、連動歯部58,58同士の噛み合いを安定させることができる。また、ロック装置40は、扇状部52,52間で一対の連係部56,56が弾性変形しつつ合掌状に合流するよう構成されているので、弾性変形した連係部56,56によって生じる反力を、連動歯部58,58が互いに噛み合うように作用させることができ、連動歯部58,58同士の噛み合いをより安定させることができる。従って、一対の回動体44,44を適切に連動させて、一対のロック体42,42の同期ずれを防止し得る。しかも、一対の連係部56,56は、第2接続部57で延出端が互いに接続されると共に、扇状部52の回動に伴って互いに接離して合掌状に合流または分離する構成であるので、連係部56の移動経路を規定するための壁等の案内手段を省略することが可能となり、案内手段で連係部56を移動規制するときのように摺動負荷がかからないので、連係部56および回動体44を円滑に移動させることができる。従って、一対の回動体44,44とを適切に連動させて、一対のロック体42,42の同期ずれを防止し得る。また、ロック部材41は、一対の回動体44,44の扇状部52,52から夫々延出する連係部56,56の延出端が互いにインテグラルヒンジで接続されると共に、各ロック体42の変形部48が対応する側の回動体44における連係歯部58と回動歯部60との間にインテグラルヒンジで夫々接続されているので、一体成形が可能となり、1つの部材として構成できる。
前記ロック装置40は、付勢手段62によって一対の回動体44,44を繋いでいるので、一対の回動体44,44をより適切に連動させることができ、一対のロック体42,42の同期ずれをより好適に防止し得る。しかも、一対の回動体44,44に架設された付勢手段62が、該回動体44,44間での連動歯部58,58の噛み合いを保つよう作用するので、連動歯部58,58同士の噛み合いをより安定させることができる。
前記ロック装置40は、直線状態にある変形部48がガイド34により位置規制されるので、回動歯部60と変形歯部50との噛み合いを安定させ、回動体44とロック体42とをより確実に連動させることができる。
前記一対のロック体42,42および一対の回動体44,44を一体的に形成して、1つのロック部材41としているので、部品点数を減少して、組み付け作業効率を向上させ得る。しかも、実施例のロック部材41は、回動体44の軸孔44aを支持軸30bに嵌め合わせて、ガイド34にロック体42の変形部48を沿わせると共に、保持開口33および閂開口29にロック体42の閂部46を挿通するだけで装置設置部28に設置することができる。すなわち、ロック部材41は、ネジ等の締結具を用いることなく、装置設置部28に簡単に取り付けることができる。また、ロック体42の変形部48と回動体44とが第1接続部49のインテグラルヒンジで接続されると共に、一対の回動体44,44における連係部46,46の延出端が第2接続部57のインテグラルヒンジで接続されているので、インテグラレルヒンジで折り曲げてロック体42と回動体44との位置関係を変えることができる。これにより、一対のロック体42,42および一対の回動体44,44を備えるロック部材41を製造する際に、型構造などの自由度を高くすることができる。
前記ロック部材41は、装置設置部28への設置態様において、左右のロック体42,42が左右方向に直線的に並ぶように配置しており、左右方向に長手が延在するグローブボックス20に対応して左右のロック体42,42が左右に長く延在している。すなわち、ロック部材41を装置設置部28への設置態様で型成形すると比較的大型の型装置が必要になる。そこで、ロック部材41について、左右のロック体42,42を互いに並行するようにした前記成形態様(図6(a))で型成形することで、前記設置態様で成形する場合よりも型装置をコンパクトにすることができる。
(変更例)
前述した実施例の構成に限定されず、例えば以下のようにも変更可能である。
(1)実施例では、ロック体および回動体を一体形成すると共に一対の回動体を一体形成したが、別体の回動体の連係部同士を剛接合する構成であっても、別体の回動体とロック体とを別体に形成して回動体とロック体の変形部とを剛接合する構成であってもよい。
(2)実施例では、一対のロック体を並行させた形状でロック部材を成形したが、一対のロック体を設置態様と同じ姿勢でロック部材を成形してもよい。
(3)実施例では操作部の操作により一方のロック体を移動させる構成を例示したが、操作部の操作によって回動体の本体を回動させたり、回動体の連係部を変位させる構成等であってもよい。
(4)操作部は、左右の軸周りに回動する構成に限られず、上下の軸周りに回動する構成や、前後方向、上下または左右にプッシュする構成であってもよい。また、操作部は、ロック部材が配設されて位置規制する部材(実施例ではグローブボックス)に配設する構成に限られず、前記位置規制する部材を支持する別の部材(実施例ではインストルメントパネル)に操作部を設けて、該操作部の操作によりロック体を解除位置に向けて移動させる構成であってもよい。
(5)実施例ではロック装置をグローブボックスに適用する例を説明したが、コンソールボックスのコンソールリッドを開放規制する場合や、小物入れの蓋を開放規制する場合など、各種の車両搭載装置に本発明に係るロック装置を適用可能である。
(6)ロック装置は、両ロック体の長さが同じである対称な構成であっても、一方のロック体が他方のロック体より長かったり、および/またはロック体の形状が相違したりする、非対称の構成であってもよい。
14 係合部(係合対象),42 ロック体,44 回動体,48 変形部,
50 変形歯部,52 扇状部(回動体の本体),53 円弧状周面,
56 連係部,58 連動歯部,62 付勢手段

Claims (5)

  1. 夫々がスライド移動可能に配設された一対のロック体を有し、その移動方向に並ぶ両ロック体における互いに反対を向く一端部が連動して係合対象に係脱するように構成されたロック装置において、
    前記ロック体の移動方向に並べて、夫々回動可能に支持された一対の回動体と、
    前記両回動体の夫々に設けられ、両回動体の間で互いに噛み合って該両回動体を連動して回動させる一対の連動歯部と、
    前記各回動体における該回動体の回動中心を中心とする円弧状に延在する円弧状周面に設けられた回動歯部と、
    前記両ロック体の互いに隣接する他端部の夫々に湾曲変形可能に設けられると共に、前記回動体における連動歯部と回動歯部との間に接続されて、該ロック体の移動方向に沿う直線状態および前記円弧状周面に案内されて該円弧状周面に沿う湾曲状態に変形する変形部と、
    前記変形部に設けられ、前記回動歯部と噛み合って前記回動体と前記ロック体とを連動させる変形歯部と、
    前記ロック体の一端部が前記係合対象に係合する方向に移動するよう、前記ロック体または前記回動体を付勢する付勢手段とを備えた
    ことを特徴とするロック装置。
  2. 前記連動歯部は、前記円弧状周面を延長するように、前記回動体の本体から延出して湾曲変形可能に形成された連係部に設けられ、
    前記両回動体に設けられた一対の連係部は、該回動体の本体からの延出端が該本体間で互いに接続されると共に、互いの前記連動歯部が該本体間で噛み合うように構成された請求項1記載のロック装置。
  3. 前記一対の連係部は、前記回動体の本体から互いに接続する延出端側に向かうにつれて弾性変形しつつ合流するよう構成された請求項2記載のロック装置。
  4. 前記回動体および前記変形部は、インテグラルヒンジで接続されると共に、前記一対の連係部の延出端は、インテグラルヒンジで接続され、
    前記一対のロック体および前記一対の回動体は、一体的に形成された請求項2または3記載のロック装置。
  5. 前記付勢手段は、前記一対の回動体における前記変形歯部および前記回動歯部の噛み合い部位と回動中心を挟んで反対側の間に架設されて、両回動体を引き合う方向に付勢するよう構成した請求項1〜4の何れか一項に記載のロック装置。
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