JP6301144B2 - ロック装置 - Google Patents
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Description
4本の連係部が端部で繋がると共に該連係部の端部が繋がる結合部位が対角に位置する閉環状に形成され、対角に位置する結合部位が相反する方向に変位するよう変形可能に構成された連係構造体と、
前記連係構造体の対角に位置する2つの結合部位の夫々に連ねて設けられ、該連係構造体の変形に伴い相反する方向に往復移動して対応の係合対象に係脱する一対の閂部とを備え、
前記連係構造体は、曲げ変形可能な前記連係部が該連係構造体の内側に向けた凸になるよう湾曲した状態で配設されると共に、合流する2本の連係部の端が一体的に繋がるよう形成されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、ロック装置は、連係構造体の変形により、該連係構造体の対角に位置する結合部位に繋げた一対の閂部を同期して移動させることができる。ここで、連係構造体は、4本の連係部が端部で繋がる閉環状に形成されて、対角に位置する結合部位が相反する方向に変位するよう変形可能に構成されているから、1つの結合部位から入力された力を2つのルートから対角に位置する他方の結合部位に伝達することができる。すなわち、ロック装置は、連係構造体によって安定した力の伝達を達成し得るので、一方の閂部の移動に伴う連係構造体を介する他方の閂部の移動を円滑に行うことができ、異音の発生や同期ズレなどを抑えることができる。また、連係構造体は、1つの結合部位に対して2本の連係部から力を伝達することができるので、連係部による力の向きの変換に伴う力の偏りを抑えることができ、より安定した力の伝達を達成し得る。更に、連係構造体は曲げ変形可能な連係部により結合部位にかかる力の向きを変換し得るから、各部材を軸で接続して回動可能にするリンク構造と比べて構成を簡易にすることができ、接続部位で生じるガタツキ、干渉、異音などの不具合の発生を回避できる。
請求項2に係る発明によれば、案内手段によって連係部の移動経路を規定することで、連係構造体をスムーズに変形させることができる。
請求項3に係る発明によれば、閂部と連係構造体とを一体形成することで、構成をより簡易できると共に、部品点数を削減できる。
請求項4に係る発明によれば、付勢手段によって閂部の移動を補助し得る。
請求項5に係る発明によれば、閂部をロック解除する際に閂部が係合対象からずれるように案内する押出部によって、ロック装置が配設されたリッド等の開放を行い易くすることができる。
次に、実施例に係るロック装置20の作用について説明する。使用者が作動部30の操作片44を付勢手段32の付勢に抗して押し下げることで、受け部40に引っ張られて連係構造体26における下側の縦結合部位が下方へ移動する。これにより、下側の縦結合部位に繋がる2本の連係部28,28が湾曲変形しつつ移動し、左右の横結合部位が互いに近接するように移動することで、左右の閂部24,24がロック位置からロック解除位置に向けて同期して移動し、各閂部24が係合開口13から外れてリッド16の開放が許容される。この際に、連係構造体26は、左右の横結合部位の近接移動に伴って、上側の縦結合部位に繋がる2本の連係部28,28が湾曲変形しつつ移動し、これに伴い上側の縦結合部位および押出部38が上方へ移動する。押出部38のテーパ面38aが誘導部12aに当接しつつ押出部38が上方へ移動することで、押出部38が誘導部12aによって前側に押されるから、閂部24が係合開口13から前側にずれるように案内されると共に、閉成姿勢にあるリッド16を開放姿勢に向けて付勢することができる。このように、左右の閂部24,24のロック解除方向への移動に連動して突出する押出部38によってリッド16の開放を補助し得るので、使用者によるリッド16の開放操作を小さい力で行うことができ、使い勝手を向上し得る。リッド16の開放姿勢で使用者が操作片44を離せば、受け部40が付勢手段32に付勢されて下方位置から上方位置に移動することで、受け部40に押されて連係構造体26における下側の縦結合部位が上方へ移動する。これにより、下側の縦結合部位に繋がる2本の連係部28,28が湾曲変形しつつ移動し、左右の横結合部位が互いに離間するように移動することで、左右の閂部24,24がロック解除位置からロック位置に向けて同期して移動する。このように、ロック装置20は、パンタグラフ状に構成された連係構造体26の対角に位置する結合部位に、一対の閂部24,24を連なるように設けているので、一対の閂部24,24を互いに近接または離間するように同期して移動することができる。
前述した構成に限定されず、例えば以下のようにも変更することが可能である。
(1)実施例では、ロック部材22の各部を一体成形したが、別体に形成した各部を剛接合することで一体的に繋げる構成であってもよい。ここで、「一体的に繋がる」とは、ロック部材22を構成する各部を一体成形したものであること(実施例)や、または各部が別体であっても、隣り合う部分が固定的に接続されることをいう。なお、ロック部材22は、中継部36や押出部38などを省略してもよい。また、連係構造体の変形部位は、連係部に限られず、結合部分で変形してもよい。
(2)実施例では、ロック部材22が対称である構成を説明したが、これに限られず、例えば一方の閂部24を他方の閂部24より長くしてもよい。
(3)連係部28を予め湾曲した状態で形成し、連係部28の反力がかからない構成としてもよい。
(4)ロック装置の操作構成は、実施例に限定されず、操作片を回動するノブ式や、摘みを回す形式や、ボタンと押圧する形式など、各種構成を採用し得る。また、作動部を操作する構成ではなく、ロック部材22に操作部を設けてロック部材22を直接操作する構成など、操作部を設ける部分も特に限定されない。
(5)案内手段としては、壁状の案内片に限られず、柱形状、ロック部材22に当接する回転体など、その他のものであってもよい。また、凸側湾曲案内片52および凹側湾曲案内片54の一方を省略したり、直線案内片56を省略するなど、案内する箇所を適宜選択し得る。
(6)付勢手段32を省略して、ロック部材22をロック解除する際に移動させるだけでなく、ロック部材22をロックする際にも使用者が操作する構成であってもよい。
(7)付勢手段は、実施例のように、連係構造体において一対の閂部が設けられる対角と異なる対角の結合部位の一方に連なる受け部に接続し、他方の対角に向けて受け部を付勢する構成に限られず、例えば中継部36や閂部24を押して付勢する構成であってもよい。
(8)実施例ではロック装置をボックスに適用する例を説明したが、グローブボックスや、コンソールボックスのコンソールリッドを開放規制する場合や、小物入れの蓋を開放規制する場合など、各種の車両搭載装置に本発明に係るロック装置を適用可能である。
52 凸側湾曲案内片(案内手段),54 凹側湾曲案内片(案内手段),
56 直線案内片(案内手段)
Claims (5)
- 4本の連係部が端部で繋がると共に該連係部の端部が繋がる結合部位が対角に位置する閉環状に形成され、対角に位置する結合部位が相反する方向に変位するよう変形可能に構成された連係構造体と、
前記連係構造体の対角に位置する2つの結合部位の夫々に連ねて設けられ、該連係構造体の変形に伴い相反する方向に往復移動して対応の係合対象に係脱する一対の閂部とを備え、
前記連係構造体は、曲げ変形可能な前記連係部が該連係構造体の内側に向けた凸になるよう湾曲した状態で配設されると共に、合流する2本の連係部の端が一体的に繋がるよう形成された
ことを特徴とするロック装置。 - 前記連係部との当接により前記連係構造体の変形を規定する案内手段を備えた請求項1記載のロック装置。
- 前記連係構造体および前記閂部が、一体形成された請求項1または2記載のロック装置。
- 前記閂部を係合対象に係合するロック方向に移動させるよう、前記連係構造体を付勢する付勢手段を備えた請求項1〜3の何れか一項に記載のロック装置。
- 前記連係構造体において前記一対の閂部が設けられる対角と異なる対角の結合部位に連なるように設けられ、閂部がロック解除方向に移動する該連係構造体の変形時に、該閂部が係合対象からずれるように案内する押出部を備えた請求項1〜4の何れか一項に記載のロック装置。
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