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JP6654759B2 - 車両用リッドロック装置 - Google Patents

車両用リッドロック装置 Download PDF

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JP6654759B2 JP2016041225A JP2016041225A JP6654759B2 JP 6654759 B2 JP6654759 B2 JP 6654759B2 JP 2016041225 A JP2016041225 A JP 2016041225A JP 2016041225 A JP2016041225 A JP 2016041225A JP 6654759 B2 JP6654759 B2 JP 6654759B2
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Description

本発明は、車両用リッドロック装置に関するものである。
従来、例えば、給油口を覆うフューエルリッド等、車両の蓋部材を開動作不能にロックするリッドロック装置には、モータ等の駆動源を有して、そのロック部材を駆動するものがある。
例えば、特許文献1に記載のリッドロック装置は、一端側に蓋部材に対するロック係合部を有したロックシャフトと、このロックシャフトを軸方向に往復移動させるモータ駆動部と、を備えている。そして、これにより、そのロック係合部を蓋部材に係脱させることで、当該蓋部材をロックし、及びそのロック状態を解除する構成になっている。
また、このリッドロック装置は、操作ハンドルを有してロックシャフトの他端側に連結される手動操作用のロック解除部材(操作用牽引部材)を備えている。具体的には、この従来例において、ロック解除部材には、樹脂により形成された帯状のストラップが用いられている。そして、モータ駆動によるアンロック操作ができない状態となった場合には、このストラップの一端に設けられた操作ハンドルを引くことにより、そのロックシャフトを蓋部材から脱離する方向に牽引することが可能になっている。
特開2013−113059号公報
しかしながら、上記従来技術の構成では、操作ハンドルを引く方向がロックシャフトの牽引方向からズレている場合、そのロック解除部材を構成するストラップが撓んでしまうおそれがある。そして、これにより、その操作ハンドルに入力された引張力がロックシャフトに対して適切に伝達されない可能性があることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より安定的に、手動によるアンロック操作を行うことができる車両用リッドロック装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用リッドロック装置は、車両の蓋部材に対するロック係合部を有したロック部材と、前記ロック部材を駆動して前記蓋部材に係脱させる駆動部と、前記ロック部材に連結されるロック解除部材と、を備え、前記ロック解除部材は、第1端側に操作ハンドルを有したワイヤケーブルと、前記ワイヤケーブルの第2端側に設けられた係合部材と、を有し、前記操作ハンドルに入力される引張力に基づき前記係合部材が前記ロック部材側の連結部に係合することにより該ロック部材を牽引して前記蓋部材から脱離する方向に移動させるものであって、前記ロック部材側の連結部には、前記引張力に基づき移動する前記係合部材に当接することにより該係合部材を予め定められた係合位置に案内する案内部が設けられることが好ましい。
即ち、ワイヤケーブルをロック解除部材に用いることで、操作ハンドルを引く方向に依らず、効率よく、その引張力をロック部材に伝達することができる。そして、これにより、その引き手となる操作ハンドルの配置自由度が向上することで、優れた車両搭載性を実現することができる。
また、ロック部材側の連結部に案内部を設けて予め定められた係合位置に係合部材を係合させることで、そのワイヤケーブルを介して入力される引張荷重の偏向を抑制することができる。そして、これにより、応力の集中を緩和することで高い剛性を確保することができる。その結果、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用リッドロック装置は、前記ロック部材側の連結部は、前記ワイヤケーブルが挿通される挿通孔を有した係合壁を備えるとともに、前記係合部材が係合する前記係合壁の係合面には、前記係合部材に当接することにより該係合部材を前記係合位置に向かって移動させる斜面部が設けられることが好ましい。
即ち、係合部材が係合する係合壁の係合面に案内部となる斜面部を設けることで、効果的に、その係合部材を予め定められた係合位置に係合させることができる。そして、これにより、簡素な構成にて、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用リッドロック装置は、前記係合部材は、前記ワイヤケーブルの軸線に交差する柱形状を有するものであって、前記ロック部材側の連結部は、前記係合位置を挟んで前記係合壁の係合面に設けられた一対の前記斜面部を備えることが好ましい。
上記構成によれば、より効果的に、その両斜面部の間の係合位置に係合部材を案内することができる。また、ワイヤケーブルに軸線周りの回転力が生じ、係合部材の姿勢が傾いた場合には、柱状の係合部材が、その側方を挟む位置に設けられた両斜面部に当接する。そして、これにより、その係合位置における係合部材の姿勢を修正することができる。つまり、より好適に、引張荷重の偏向を抑制し、その応力の集中を緩和することができる。その結果、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用リッドロック装置は、前記各斜面部は、湾曲凹面形状を有することが好ましい。
上記構成によれば、より円滑に、係合部材を予め定められた係合位置に案内することができる。
上記課題を解決する車両用リッドロック装置は、前記ロック部材側の連結部は、前記係合壁に交差するとともに前記係合部材を挟んで互いに対向する一対の側壁部を備え、前記各斜面部は、前記係合壁と前記各側壁部との接続部に形成されることが好ましい。
上記構成によれば、これらの各案内部に当接した係合部材が、その側壁部から離間する方向に移動する。そして、これにより、簡素な構成にて、その予め定められた係合位置を挟む位置に一対の案内部を形成することができる。
更に、これらの各斜面部が係合壁の係合面と各側壁面の内壁面との間を連続的に接続することで、その斜面部と一体に側壁部の内壁面もまた案内部として機能するようになる。そして、これにより、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
上記課題を解決する車両用リッドロック装置は、前記ロック部材側の連結部は、前記係合壁に交差するとともに互いに交差する位置に配置された第1及び第2の保護壁を備えた箱形状を有するものであって、前記第1の保護壁には、前記連結部の内側に前記係合部材を挿入するための挿入孔が設けられ、前記第2の保護壁には、前記係合壁に設けられた前記挿通孔と前記第1の保護壁に設けられた前記挿入孔とを連通する連通孔が設けられるものであって、前記連通孔は、前記挿入孔の開口縁部における前記係合壁から最も離間した位置を含んで前記挿入孔に連通することが好ましい。
即ち、ロック部材に対するロック解除部材の連結作業は、その第1の保護壁に設けられた挿入孔を介して連結部の内側に係合部材を挿入した後、その挿入孔から連結部の外側に引き出されたワイヤケーブルを、第2の保護壁に設けられた連通孔を介して係合壁に設けられた挿通孔内に移動させることにより行われる。そして、これにより、連結部の内側に保持された係合部材の脱離を抑えつつ、その係合壁に接離する係合部材の移動を許容することができる。
また、連通孔が係合壁から最も離間した位置を含んで挿入孔に連通することで、ワイヤケーブルが挿通孔から挿入孔に戻り難い状態を維持しつつ、その連通孔を幅広に形成することができる。そして、これにより、そのロック部材に対するロック解除部材の連結作業を容易化することができる。
本発明によれば、より安定的に、手動によるアンロック操作を行うことができる。
リッドロック装置の側面図。 リッドロック装置の平面図。 リッドロック装置の正面図。 リッドロック装置の斜視図。 リッドロック装置の斜視図。 車体に設けられた取付孔に組み付けられたリッドロック装置の斜視図。 取付孔に挿入されたハウジングの筒状部及び当該筒状部を介してハウジング外に突出するロック部材のロック係合部を示す図(上面視)。 (a)は、ロック部材を構成するロックシャフトの側面図、(b)は、ロック部材を構成するロックシャフトの底面図(下面図)。 第2のハウジング部材を取り外した状態におけるリッドロック装置の側面図。 (a)は、ロック解除部材の斜視図、(b)は、係合部材が設けられた第2端側を拡大したワイヤケーブルの斜視図。 ロックシャフト側の連結部近傍を拡大したリッドロック装置の斜視図。 ロックシャフト側の連結部近傍を拡大したリッドロック装置の斜視図。 ロックシャフト側の連結部近傍を拡大したリッドロック装置の斜視図。 (a)は、ロックシャフト側の連結部の側面図、(b)は、ロックシャフト側の連結部の底面図(下面図)。 (a)〜(c)は、ロックシャフト側の連結部、及び当該連結部の内側に配置されたロック解除部材側の係合部材の平面図(上面図)。 ロックシャフト側の連結部についての別例を示す平面図(上面図)。 筒状部に設けられたスナップフィットの別例を示す図。
以下、車両用リッドロック装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1〜図5に示すように、車両用のリッドロック装置1は、扁平略箱状のハウジング2を備えている。具体的には、本実施形態のハウジング2は、その厚み方向(図2中、上下方向、図3中、左右方向)に分割成型された樹脂製の第1及び第2のハウジング部材5,6を組み付けることにより形成される。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、その第1のハウジング部材5を車幅方向外側(図1中、紙面手前側、図2中、下側、図3中、右側)に向けた姿勢で車両に搭載される構成になっている。
また、本実施形態のハウジング2には、車両に対する搭載状態において、その車両前後方向(図1及び図2中、左右方向)に延びる略円筒状の筒状部7が設けられている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、この筒状部7の先端から一端側が突出する状態でハウジング2内に収容されたロック部材10を備えている。
即ち、図1、図6及び図7に示すように、本実施形態のリッドロック装置1は、車体11に形成された取付孔12に対し、そのハウジング2に設けられた筒状部7が挿入される状態で車両に組み付けられる。具体的には、本実施形態の車両において、リッドロック装置1は、車体11側の取付孔12に筒状部7が挿入されることにより、その筒状部7から突出したロック部材10の一端側が、図示しない給油口が設けられたリッドボックス13内に配置される構成になっている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、このロック部材10の一端側をロック係合部15とすることにより、そのリッドボックス13の開口部に設けられた蓋部材としてのフューエルリッド20を開動作不能にロックすることが可能になっている。
詳述すると、本実施形態のリッドロック装置1において、車体11側の取付孔12に対する挿入部を構成する筒状部7の外周には、当該筒状部7の軸線方向に沿って延びる板バネ部21aと、この板バネ部21aの途中に設けられた係合爪21bと、を備えたスナップフィット21が設けられている。また、車体11側の取付孔12には、そのスナップフィット21に対する係合部22aを有した略筒状のコネクタ部22が設けられている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、これにより、その取付孔12(のコネクタ部22)内に挿入された筒状部7が車体11側に支持される状態で、車両に搭載される構成になっている。
具体的には、本実施形態のリッドロック装置1は、車両に対する搭載状態において、そのスナップフィット21が車両上方側(図1中、上側)に配置されるように構成されている。具体的には、このスナップフィット21は、板バネ部21aの基端側が筒状部7の外周に接続された構成を有している。即ち、このスナップフィット21は、板バネ部21aの開放端側を上側から押圧して当該板バネ部21aを撓めることにより、その係合爪21bと取付孔12側の係合部22aとの係合を解除することができる。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、これにより、容易に、その車体11からの取り外し作業を行うことが可能となっている。
また、図1〜図6に示すように、本実施形態のリッドロック装置1は、把持部23aを有してハウジング2の側面、詳しくは、その第2のハウジング部材6側(図2中、上側、図3中、左側)に固定された保持ブラケット23を備えている。本実施形態のリッドロック装置1において、この保持ブラケット23は、金属板を折曲加工することにより形成されている。また、この保持ブラケット23は、その保持ブラケット23単体としての重心位置が、当該保持ブラケット23を外したリッドロック装置1の重心位置と近い位置に設定されている。そして、本実施形態の保持ブラケット23は、ハウジング2に対する固定状態において、その把持部23aが、第2のハウジング部材6側からハウジング2の上方(図1及び図3中、上側)に延びる構成になっている。
即ち、本実施形態のリッドロック装置1は、保持ブラケット23に設定された把持部23aを持ち手として、その車両に対する着脱作業を行う構成になっている。そして、これにより、容易且つ安定的に、その着脱作業を行うことが可能になっている。
さらに詳述すると、図8(a)(b)及び図9に示すように、本実施形態のリッドロック装置1は、そのロック部材10として、長尺軸状の外形を有したロックシャフト30をハウジング2内に保持する。具体的には、図9に示すように、本実施形態のリッドロック装置1において、第1のハウジング部材5は、略有底箱状に形成されている。尚、第2のハウジング部材6は、この略有底箱形状の開口部を閉塞する蓋状に形成されている。そして、本実施形態のハウジング2は、その筒状部7の基端側が第1のハウジング部材5の内側に開口する態様で当該第1のハウジング部材5と筒状部7とが一体に形成された構造を有している。
即ち、本実施形態のリッドロック装置1において、ロックシャフト30は、そのフューエルリッド20に対するロック係合部15となる第1端部30a側が筒状部7に挿通されるとともに、他端となる第2端部30b側が第1のハウジング部材5に保持された状態でハウジング2内に収容される。また、このロックシャフト30は、筒状部7の内周面7aに案内される形で、その軸方向移動が許容されている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、このロックシャフト30の軸方向移動に基づいて、その第1端部30aに設けられたロック係合部15をフューエルリッド20に係脱させる構成になっている。
詳述すると、本実施形態のリッドロック装置1は、ハウジング2内に収容された捩りコイルバネ31を備えている。具体的には、この捩りコイルバネ31は、第1のハウジング部材5に設けられた軸状部5aに嵌挿されている。また、この捩りコイルバネ31は、一方のバネ端部31aがロックシャフト30に対して係合するとともに、他方側のバネ端部31bが第1のハウジング部材5に対して係止されている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、この捩りコイルバネ31の弾性力に基づいて、そのロック係合部15が筒状部7の先端から突出する方向(図9中、右側)にロックシャフト30を付勢する構成になっている。
また、本実施形態のリッドロック装置1は、そのハウジング2内に駆動源となるモータ32を保持する。更に、このリッドロック装置1は、ハウジング2内に、モータ32の回転を減速するウォーム33及びホイール34を保持する。尚、本実施形態のホイール34には、扇状の外形を有するセクターギヤが用いられている。また、このホイール34には、ロックシャフト30に対する係合部34aが設けられている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、これにより、そのモータ32の駆動力に基づいてロックシャフト30を軸方向移動させることが可能となっている。
具体的には、本実施形態のリッドロック装置1において、ホイール34は、図9中、反時計回り方向に回動することにより、そのロックシャフト30に対する係合部34aが、上記筒状部7から離間する方向に移動する構成になっている。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、これにより、ロックシャフト30の第2端部30b側を牽引するかたちで、そのロック係合部15が筒状部7内に没入する方向(図9中、左側)に、当該ロックシャフト30を軸方向移動させることが可能になっている。
さらに詳述すると、図7に示すように、本実施形態のリッドロック装置1が搭載された車両のフューエルリッド20は、その外表面35aが車体11の外側面11sと略面一となる状態でリッドボックス13の開口部を閉塞する蓋部35を備えている。また、このフューエルリッド20は、図7中、右側となる位置に図示しないヒンジを有して回動可能に構成されている。そして、そのヒンジを支点として、同図中、時計回り方向に蓋部35が回動するかたちで開動作する構成になっている。
また、このフューエルリッド20は、その蓋部35の裏面35bからリッドボックス13内に突出する係合部36を備えている。更に、この係合部36は、フューエルリッド20が閉動作することにより、上記取付孔12に挿入された筒状部7を介してリッドボックス13内に突出するロック部材10のロック係合部15に対し、その先端に設けられた斜面部37が当接するように構成されている。具体的には、この斜面部37は、ロック係合部15に当接する状態で係合部36が閉方向移動(図7中、下側への移動)することにより、当該ロック係合部15を筒状部7内に押し戻す方向の押圧力を発生する。そして、この係合部36には、フューエルリッド20がリッドボックス13の開口部を閉塞する閉状態にある場合において、そのリッドロック装置1側のロック係合部15に対向する位置に配置される係合凹部38が設けられている。
即ち、本実施形態のリッドロック装置1において、ロックシャフト30は、フューエルリッド20の閉動作に伴い当該フューエルリッド20の係合部36(の斜面部37)にロック係合部15が押圧されることにより、捩りコイルバネ31の弾性力に抗してロック係合部15が筒状部7内に没入する方向(図7及び図9中、左側)に軸方向移動する。更に、このロックシャフト30は、フューエルリッド20が閉状態となり、当該フューエルリッド20の係合部36に設けられた係合凹部38がロック係合部15に対向する位置に配置されることによって、捩りコイルバネ31の弾性力に基づいて、そのロック係合部15が筒状部7の先端から突出する方向(図7及び図9中、右側)に軸方向移動する。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、これによりリッドボックス13内に突出したロック係合部15がフューエルリッド20側の係合凹部38に係合し、その係合部36の開方向移動(図7中、上側への移動)を規制することで、フューエルリッド20を開動作不能にロックすることが可能な構成になっている。
また、上記のように、本実施形態のリッドロック装置1は、ハウジング2内に収容されたモータ32の駆動力に基づいて、そのロックシャフト30をアンロック動作方向、即ち第1端部30aに設けられたロック係合部15を筒状部7内に没入させる方向(図7及び図9中、左側)に軸方向移動させることが可能となっている。そして、これにより、そのロック係合部15をフューエルリッド20側の係合凹部38から脱離させることで、当該フューエルリッド20の開動作を許容するアンロック状態に移行する構成になっている。
尚、本実施形態のリッドロック装置1が設けられた車両において、フューエルリッド20は、手動により蓋部35の外表面35aを押圧することで閉動作する構成になっている。また、このフューエルリッド20は、図示しない弾性部材によって開動作方向に付勢されている。そして、リッドロック装置1がアンロック状態に移行した場合には、その弾性部材の付勢力に基づいて開動作する構成になっている。
(手動操作用のロック解除部材及びその連結構造)
次に、本実施形態のリッドロック装置1に設けられた手動操作用のロック解除部材およびその連結構造について説明する。
図1、図2、図4及び図5に示すように、本実施形態のリッドロック装置1は、モータ駆動によりロックシャフト30をアンロック動作させることができない場合に、手動により、そのロック部材10としてのロックシャフト30をアンロック動作方向、つまりフューエルリッド20から脱離する方向に移動させるロック解除部材40を備えている。
詳述すると、図10(a)(b)に示すように、本実施形態のロック解除部材40は、その一端(第1端41a)側に操作ハンドル42が設けられたワイヤケーブル41と、このワイヤケーブル41の他端(第2端41b)側に設けられた係合部材43と、を備えている。具体的には、本実施形態のワイヤケーブル41は、外皮となるチューブ44内をケーブル本体45が摺動する可撓性を有した周知の構成となっている。即ち、このワイヤケーブル41は、操作ハンドル42を介して第1端41a側からケーブル本体45が引かれることにより、第2端41b側において、そのケーブル本体45がチューブ44内に引き込まれる構成になっている。また、本実施形態のロック解除部材40は、このワイヤケーブル41の第2端41b側に設けられた係合部材43がロックシャフト30側の連結部50に対して連結される。そして、これにより、その操作ハンドル42に入力された引張力に基づいて、ロックシャフト30をアンロック動作方向に移動させることが可能になっている。
さらに詳述すると、図11〜図13に示すように、本実施形態のリッドロック装置1において、第1のハウジング部材5には、当該第1のハウジング部材5と一体にハウジング2を構成する筒状部7の軸線方向(図1〜図5参照)に延びるスリット状の長孔48が設けられている。そして、本実施形態のロックシャフト30は、この長孔48を介してロック解除部材40に対する連結部50が外側に突出する状態で、そのハウジング2内に収容されている。
図8に示すように、本実施形態のリッドロック装置1において、ロックシャフト30側の連結部50は、上記ロック係合部15が設けられた第1端部30aとは反対の第2端部30b側、即ちロックシャフト30におけるアンロック動作方向(図8中、右側)側の端部に設けられている。具体的には、この連結部50は、そのロック及びアンロック動作方向、つまりはフューエルリッド20に対する係脱移動方向に延びるロックシャフト本体51の軸方向に沿った有底略四角長箱形状を有している。そして、ロックシャフト30の第2端部30bには、この連結部50とロックシャフト本体51とを接続する略平板状の接続部52が設けられている。
即ち、本実施形態のリッドロック装置1において、ロックシャフト30側の連結部50は、接続部52を介してロックシャフト本体51に支持された状態で、そのロックシャフト30の第2端部30b、つまりはアンロック動作方向側の端部に設けられている。そして、図13に示すように、そのロックシャフト本体51との接続部52が第1のハウジング部材5に設けられた長孔48を挿通する状態でハウジング2の外側に配置される構成になっている。
また、本実施形態のロックシャフト30は、この状態において、その連結部50が車両上方側に開口するように構成されている。そして、本実施形態のロック解除部材40は、その係合部材43がロックシャフト30側の連結部50内に配置された状態で、当該連結部50に対して連結される構成になっている。
詳述すると、図13〜図15に示すように、本実施形態の連結部50において、そのロックシャフト30のアンロック動作方向(図14及び図15中、右側)に位置する第1側壁部53aには、ロック解除部材40を構成するワイヤケーブル41の第2端41b、詳しくはそのケーブル本体45が挿通されるスリット状の挿通孔54が設けられている。具体的には、この挿通孔54は、第1側壁部53aに交差する第2側壁部53b側の端部から略中央位置まで、その第1側壁部53aを連結部50の幅方向(図15中、上下方向)に切り欠くことにより形成されている。
また、図10、図12及び図15に示すように、本実施形態のロック解除部材40において、ワイヤケーブル41の第2端41bに設けられた係合部材43は、この連結部50の第1側壁部53aに設けられた挿通孔54を通過することのできない略円柱状の外形を有している。具体的には、この係合部材43は、その軸線がワイヤケーブル41の軸線に交差する状態で当該ワイヤケーブル41の第2端41bを構成するケーブル本体45の一端に固定されている。そして、その軸線が車両上下方向(図15中、紙面に直交する方向)に延びる状態で、連結部50の内側に配置される構成になっている。
更に、図1及び図2に示すように、上記筒状部7が設けられたロックシャフト30のロック動作方向側(図1及び図2中、左側)をハウジング2の前端側とした場合、本実施形態の保持ブラケット23は、そのロックシャフト30側の連結部50が配置されたハウジング2の後端部よりも更に後方側に延設されている(後方延設部23b)。そして、図11及び図12に示すように、本実施形態のロック解除部材40は、この保持ブラケット23の後方延設部23bに設けられたケーブル保持部55に、そのワイヤケーブル41の第2端41b側、詳しくは、その外皮を構成するチューブ44が係止される構成になっている。
即ち、図15(a)(b)に示すように、本実施形態のリッドロック装置1において、ロック解除部材40は、ワイヤケーブル41の第1端41a側に設けられた操作ハンドル42を引くことにより、そのワイヤケーブル41の第2端41b側に設けられた係合部材43がロックシャフト30のアンロック動作方向に移動するように構成されている。また、ロックシャフト30側の連結部50は、このアンロック動作方向に移動する係合部材43が、その係合壁としての第1側壁部53aに係合するように構成されている。尚、本実施形態の連結部50は、このとき、そのロックシャフト30の軸線に沿って延びる第2側壁部53b及び第3側壁部53cが、このアンロック動作方向に移動するロック解除部材40側の係合部材43を案内する構成になっている(ロック動作方向への移動時も同様)。そして、本実施形態のロック解除部材40は、これにより、その係合部材43とロックシャフト30側の連結部50とが一体移動することで、当該ロックシャフト30をアンロック動作方向に牽引することが可能な構成になっている。
尚、図15(c)に示すように、モータ駆動によるロックシャフト30のアンロック動作時には、その連結部50内に配置されたロック解除部材40側の係合部材43が、見かけ上、そのワイヤケーブル41の挿通孔54が設けられた第1側壁部53a側から離間する方向、即ち第1側壁部53aに対向する第4側壁部53d側に向かって相対移動する。また、本実施形態のリッドロック装置1においては、フューエルリッド20の閉動作に伴いロックシャフト30がアンロック動作方向に移動する場合も同様に、見かけ上、そのロックシャフト30側の連結部50内をロック解除部材40側の係合部材43が相対移動する。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、これにより、そのロック解除部材40が、通常時におけるロックシャフト30のロック及びアンロック動作を阻害しない構成になっている。
さらに詳述すると、図13及び図14(a)(b)に示すように、本実施形態のリッドロック装置1において、連結部50の底壁部56には、当該連結部50の内側にロック解除部材40側の係合部材43を挿入するための挿入孔57が設けられている。そして、連結部50の第2側壁部53bには、その連結部50の第1側壁部53aに設けられた挿通孔54と連結部50の底壁部56に設けられた挿入孔57との間を連通する連通孔58が設けられている。
即ち、本実施形態のリッドロック装置1は、先ず、その底壁部56に設けられた挿入孔57を介してロック解除部材40側の係合部材43をロックシャフト30側の連結部50内に挿入する。次に、この係合部材43が設けられたワイヤケーブル41の第2端41b側、詳しくは、その挿入孔57から連結部50の外側に引き出されたケーブル本体45を、連結部50の第2側壁部53bに設けられた連通孔58を介して第1側壁部53aに設けられた挿通孔54内に移動させる。そして、本実施形態のリッドロック装置1は、この状態で、その連結部50の後方に位置するケーブル保持部55(図11及び図12参照)に、ワイヤケーブル41のチューブ44を固定することにより、そのロックシャフト30に対するロック解除部材40の連結作業を行う構成になっている。
ここで、図14に示すように、本実施形態の連結部50において、第2の保護壁を構成する第2側壁部53bに形成された連通孔58は、第1の保護壁を構成する底壁部56に開口する挿入孔57の開口縁部57aにおける上記第1側壁部53aから最も離間した位置Pを含んで当該挿入孔57に連通する。
具体的には、本実施形態の連通孔58は、略円形状の開口縁部57aを有して底壁部56に開口する挿入孔57に対し、上記挿通孔54が設けられた第1側壁部53aに対応する短辺56aと平行な接線Lに沿って底壁部56の一部を切り欠くことにより形成されている。そして、本実施形態の連結部50は、これにより、その連通孔58を介して挿入孔57から挿通孔54に移動させたワイヤケーブル41(のケーブル本体45)が、再び挿通孔54から挿入孔57に戻り難い状態を維持しつつ、その略L字状に延びる連通孔58の挿入孔57に連通する側の端部を幅広に形成することが可能になっている。
また、図15に示すように、本実施形態の連結部50において、係合壁を構成する第1側壁部53aと当該第1側壁部53aに交差して互いに対向する第2側壁部53b及び第3側壁部53cとの各接続部には、それぞれ、断面円弧状の湾曲凹面(R形状部)60が形成されている。そして、本実施形態の連結部50は、ロック解除部材40を用いた手動によるアンロック動作時、これらの湾曲凹面60に対し、その操作ハンドル42に入力される引張力に基づき移動するロック解除部材40側の係合部材43が当接することにより、この係合部材43を予め定められた係合位置Xに案内する構成になっている。
詳述すると、本実施形態の連結部50において、上記各湾曲凹面60は、それぞれ、その係合部材43の円柱形状と略等しい曲率半径を有して第1側壁部53aの内壁面Saと第2側壁部53bの内壁面Sbとの間及び第1側壁部53aの内壁面Saと第3側壁部53cの内壁面Scとの間を連続的に接続する構成になっている。
即ち、これらの各湾曲凹面60は、それぞれ、アンロック動作方向に移動するロック解除部材40側の係合部材43が当接することにより当該係合部材43を第2側壁部53b及び第3側壁部53cから離間する方向、即ち連結部50の幅方向中央側に向かって移動させるような斜面部61となっている。そして、本実施形態の連結部50は、これらの各斜面部61が案内部70として機能することで、当該連結部50の幅方向における中央位置X0を予め定められた係合位置Xとして、その係合面となる第1側壁部53aの内壁面Saにロック解除部材40側の係合部材43が係合する構成になっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ロック解除部材40は、操作ハンドル42に入力される引張力に基づき係合部材43がロック部材10を構成するロックシャフト30側の連結部50に係合することにより当該ロックシャフト30を牽引してアンロック動作方向に移動させる。そして、ロックシャフト30側の連結部50には、その引張力に基づき移動する係合部材43に当接することにより当該係合部材43を予め定められた係合位置X(X0)に案内する案内部70が設けられる。
即ち、ワイヤケーブル41をロック解除部材40に用いることで、操作ハンドル42を引く方向に依らず、効率よく、その引張力をロックシャフト30に伝達することができる。そして、これにより、その引き手となる操作ハンドル42の配置自由度が向上することで、優れた車両搭載性を実現することができる。
また、ロックシャフト30側の連結部50に案内部70を設けて予め定められた係合位置Xに係合部材43を係合させることで、そのワイヤケーブル41を介して入力される引張荷重の偏向を抑制することができる。そして、これにより、応力の集中を緩和することで高い剛性を確保することができる。その結果、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
(2)ロックシャフト30側の連結部50は、そのフューエルリッド20に対する係脱移動方向に沿って延びる有底略四角長箱形状を有する。また、連結部50の第1側壁部53aには、ロック解除部材40のワイヤケーブル41が挿通される挿通孔54が設けられる。そして、その引張力に基づき移動するロック解除部材40側の係合部材43が係合する第1側壁部53aの内壁面Saには、係合部材43に当接することにより当該係合部材43を係合位置Xに向かって移動させる斜面部61が設けられる。
即ち、係合部材43が係合する係合面に案内部70となる斜面部61を設けることで、効果的に、その係合部材43を予め定められた係合位置Xに係合させることができる。そして、これにより、簡素な構成にて、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
(3)係合部材43は、ワイヤケーブル41の軸線に交差する円柱形状を有する。そして、ロックシャフト30側の連結部50は、その予め定められた係合位置Xを挟んで第1側壁部53aの内壁面Saに設けられた一対の斜面部61を備える。
上記構成によれば、より効果的に、その両斜面部61の間の係合位置Xに係合部材43を案内することができる。また、ワイヤケーブル41に軸線周りの回転力が生じ、係合部材43の姿勢が傾いた場合には、円柱形状に形成された係合部材43が、その側方を挟む位置に設けられた両斜面部61に当接する。そして、これにより、その係合位置Xにおける係合部材43の姿勢を修正することができる。つまり、より好適に、引張荷重の偏向を抑制し、その応力の集中を緩和することができる。その結果、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
(4)係合壁を構成する第1側壁部53aと当該第1側壁部53aに交差して互いに対向する第2側壁部53b及び第3側壁部53cとの各接続部には、それぞれ、断面円弧状の湾曲凹面60が形成される。
上記構成によれば、これらの各湾曲凹面60に当接した係合部材43が第2側壁部53b及び第3側壁部53cから離間する方向に移動する。そして、これにより、簡素な構成にて、その予め定められた係合位置Xを挟む位置に案内部70となる一対の斜面部61を形成することができる。
特に、これらの各斜面部61が湾曲面形状を有することにより、より円滑に、係合部材43を予め定められた係合位置Xに案内することができる。そして、これらの各湾曲凹面60が第1側壁部53aの内壁面Saと第2側壁部53bの内壁面Sbとの間及び第1側壁部53aの内壁面Saと第3側壁部53cの内壁面Scとの間を連続的に接続することで、その斜面部61と一体に第2側壁部53b及び第3側壁部53cの各内壁面Sb,Scもまた案内部70として機能するようになる。その結果、より安定的に、その手動によるアンロック操作を行うことができる。
(5)連結部50の底壁部56には、当該連結部50の内側にロック解除部材40側の係合部材43を挿入するための挿入孔57が設けられる。また、連結部50の第2側壁部53bには、その連結部50の第1側壁部53aに設けられた挿通孔54と連結部50の底壁部56に設けられた挿入孔57との間を連通する連通孔58が設けられる。そして、この連通孔58は、挿入孔57の開口縁部57aにおける第1側壁部53aから最も離間した位置Pを含んで挿入孔57に連通する。
即ち、ロックシャフト30に対するロック解除部材40の連結作業は、先ず、その底壁部56に設けられた挿入孔57を介して連結部50の内側に係合部材43を挿入する。更に、その後、挿入孔57から連結部50の外側に引き出されたワイヤケーブル41を、第2側壁部53bに設けられた連通孔58を介して第1側壁部53aに設けられた挿通孔54内に移動させることにより行われる。そして、これにより、連結部50の内側に保持された係合部材43の脱離を抑えつつ、その係合壁を構成する第1側壁部53aに対して接離する係合部材43の移動を許容することができる。
また、連通孔58が第1側壁部53aから最も離間した位置Pを含んで挿入孔57に連通することで、ワイヤケーブル41が挿通孔54から挿入孔57に戻り難い状態を維持しつつ、その連通孔58を幅広に形成することができる。そして、これにより、そのロックシャフト30に対するロック解除部材40の連結作業を容易化することができる。
(6)リッドロック装置1は、車体11に設けられた取付孔12に対する挿入部となる筒状部7を有したハウジング2を備える。また、ロックシャフト30は、この筒状部7を介してハウジング2外にロック係合部15が突出可能な状態でハウジング2内に保持される。更に、筒状部7の外周には、その筒状部7が取付孔12に挿入された状態で当該取付孔12に係合するスナップフィット21が設けられる。そして、このスナップフィット21は、その筒状部7の車両上方側に設けられる。
上記構成によれば、スナップフィット21の視認性及び操作性を向上させることができる。そして、これにより、その車体11に対するリッドロック装置1の着脱作業を容易化することができる。
(7)ハウジング2は樹脂を用いて形成される。そして、リッドロック装置1は、このハウジング2よりも車両上方側に配置される把持部23aを有してハウジング2に固定される金属製の保持ブラケット23を備える。
上記構成によれば、保持ブラケット23の把持部23aを持ち手として、容易且つ安定的に、その車体11に対するリッドロック装置1の着脱作業を行うことができる。また、その「持ち手」を強度の高い金属で形成することにより、樹脂によりハウジング2と一体に形成した場合と比較して、サイズの小型化を図ることができる。そして、その把持部23aを持った状態でスナップフィット21の操作を行うことにより、そのスナップフィット21による係合が解除されたリッドロック装置1を落下させることなく、車体11から取り外すことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、リッドロック装置1は、車両の給油口を覆うフューエルリッド20を開動作不能にロックすることとした。しかし、これに限らず、例えば、給電プラグの差込口を覆う蓋体等、そのロック対象となる蓋部材は、どのようなものであってもよい。
・上記実施形態では、捩りコイルバネ31の弾性力に基づきロックシャフト30をロック動作方向に付勢する。そして、モータ駆動によりロックシャフト30をアンロック動作方向に移動させることとした。しかし、これに限らず、ロック部材10を駆動して蓋部材に係脱させる駆動部の構成については、任意に変更してもよい。例えば、捩りコイルバネ31以外の弾性部材を用いてもよい。そして、ロック部材10のロック及びアンロック動作をモータ駆動により行う構成でもよい。
・上記実施形態では、長尺軸状の外形を有したロックシャフト30をロック部材10に用いる。そして、このロックシャフト30の軸方向移動に基づいて、その一端側に設けられたロック係合部15をフューエルリッド20に係脱させることとした。しかし、これに限らず、その連結部50に連結されたロック解除部材40に牽引されることにより蓋部材から脱離する方向に移動するものであれば、ロック部材10の形状はどのようなものであってもよい。そして、その係脱移動方向についてもまた、例えば、回動を伴うもの等、必ずしも直線的な往復動でなくともよい。
・上記実施形態では、ロックシャフト30側の連結部50は、そのフューエルリッド20に対する係脱移動方向、即ちロック及びアンロック動作方向に沿った有底略四角長箱形状を有する。また、この連結部50の内側に配置された係合部材43が係合する第1側壁部53aと当該第1側壁部53aに交差して互いに対向する第2側壁部53b及び第3側壁部53cとの各接続部には、それぞれ、断面円弧状の湾曲凹面60が形成される。そして、連結部50は、これらの各湾曲凹面60が形成する一対の斜面部61を案内部70として、これらの各斜面部61に当接した係合部材43を予め定められた係合位置Xに案内することとした。
しかし、これに限らず、例えば、図16に示すように、その案内部70を構成する斜面部61が平面状の斜面61sを有する等、必ずしも湾曲凹面60を形成するものでなくともよい。尚、上記実施形態のように、各斜面部61が湾曲凹面形状を有する場合、各湾曲凹面60の曲率半径は、その係合部材43の曲率半径以上であることが望ましい。また、その面形状を問わず、案内部70を構成する斜面部が、係合部材43に対する係合面となる第1側壁部53aの内壁面Saにおいて、その第2側壁部53b及び第3側壁部53cとの各接続部以外の部位に設けられる構成であってもよい。そして、その案内部70を構成する斜面部が、第2側壁部53b及び第3側壁部53cの各内壁面Sb,Scに設けられる構成等、係合部材43に対する係合面以外の部位に設けられる構成についてもまた、これを排除しない。
・また、連結部50の箱形状を変更してもよい。例えば、その底壁部56に対向する上壁部を有する構成や、対向壁を構成する第4側壁部53dを有しない構成等であってもよい。また、連結部50の幅、即ち互いに対向する第2側壁部53bと第3側壁部53cとの間隔についても任意に変更してもよい。更に、その連結部50が四角長箱形状でない構成についても、これを排除しない。そして、ワイヤケーブル41を介して伝達される引張力に基づき移動する係合部材43を予め定められた係合位置Xに案内することが可能であれば、その案内部70の構成(数、配置、形状等)についてもまた、任意に変更してもよい。
・更に、結露等により内側に溜った水滴が外側に流れ出るような孔部を連結部50に設けるとよい。例えば、図16に示すように、対向壁を構成する第4側壁部53dと第2側壁部53b及び第3側壁部53cとの接続部に、上下方向に延びるスリット状の孔部71を形成するとよい。また、第4側壁部53dと底壁部56との接続部に孔部71を設けてもよい。これにより、その連結部50の内側を移動する係合部材43との干渉を避けることができる。
・また、上記実施形態では、ロック解除部材40側の係合部材43は、ワイヤケーブル41の軸線に交差する円柱形状を有することとした。しかし、これに限らず、係合部材43の形状については、ワイヤケーブル41の軸線に沿って延びる柱形状、或いはボール形状等、任意に変更してもよい。
但し、係合部材43を挟む位置に設けられた一対の斜面部61との当接による係合姿勢の修正機能を実現するためには、ワイヤケーブル41の軸線に交差する軸形状を有することが望ましい。そして、その柱形状の軸線が車両上下方向に延びる状態で係合部材43を連結部50の内側に配置することで、リッドロック装置1の幅方向サイズを抑えることができるという利点がある。
・上記実施形態では、ハウジング2の筒状部7に設けられたスナップフィット21は、その板バネ部21aの基端側が筒状部7の外周に接続された構成を有することとした。しかし、これに限らず、例えば、図17に示すスナップフィット21Bのように、その筒状部7の軸線方向に沿って延びる板バネ部21aの両端がハウジング2に接続された構成(所謂両繋ぎ形状)としてもよい。
このような構成を採用することで、その板バネ部21aを撓めることが可能な操作部位を広げることができる。そして、これにより、より容易に、その車体11からの取り外し作業を行うことができる。また、その板バネ部21aの寸法精度を向上させることができる。そして、これにより、板バネ部21aのバネ力を安定させることができる。その結果、より安定的に、そのリッドロック装置1を車体11に設けられた取付孔12に保持することができる。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想を効果とともに記載する。
(イ)車両の蓋部材に対するロック係合部を有したロック部材と、前記ロック部材を収容するハウジングと、を備え、前記ハウジングは、車体に設けられた取付孔に対する挿入部となる筒状部を有し、前記ロック部材は、前記筒状部を介して前記ハウジング外に前記ロック係合部が突出するように構成されるとともに、前記筒状部の外周には、該筒状部が前記取付孔に挿入された状態で該取付孔に係合するスナップフィットが設けられるものであって、前記スナップフィットは、前記筒状部における車両上方側に設けられる車両用リッドロック装置。
上記構成によれば、スナップフィットの視認性及び操作性を向上させることができる。そして、これにより、その車体に対するリッドロック装置の着脱作業を容易化することができる。
(ロ)前記スナップフィットは、前記筒状部の軸線方向に延びる板バネ部と、該板バネ部に設けられた係合爪と、を有するものであって、前記スナップフィットの板バネ部は、前記ハウジングに対して両端部が接続された状態で前記筒状部の軸線方向に延設されること、を特徴とする車両用リッドロック装置。
上記構成によれば、その板バネ部を撓めることが可能な操作部位を広げることができる。そして、これにより、より容易に、そのリッドロック装置を車体から取り外すことができる。また、その板バネ部の寸法精度を向上させることができる。そして、これにより、板バネ部のバネ力を安定させることができる。その結果、より安定的に、そのリッドロック装置を車体に設けられた取付孔に保持することができる。
(ハ)樹脂製の前記ハウジングと、前記ハウジングよりも車両上方側に配置される把持部を有して前記ハウジングに固定される金属製の保持ブラケットと、を備えること、を特徴とする車両用リッドロック装置。
上記構成によれば、保持ブラケットの把持部を持ち手として、容易且つ安定的に、その車体に対するリッドロック装置の着脱作業を行うことができる。また、その「持ち手」を強度の高い金属で形成することにより、樹脂によりハウジングと一体に形成した場合と比較して、サイズの小型化を図ることができる。更に、スナップフィットの係合により車体にリッドロック装置を保持させる構成においては、その把持部を持った状態でスナップフィットを操作することができる。そして、これにより、そのスナップフィットによる係合が解除されたリッドロック装置を落下させることなく、車体から取り外すことができる。
(ニ)前記ロック部材側の連結部は、前記係合壁に対向する位置において第1及び第2の前記保護壁に交差する対向壁を備えるとともに、該対向壁と前記保護壁との接続部に設けられた孔部を有すること、を特徴とする車両用リッドロック装置。
上記構成によれば、例えば、結露等により連結部の内側に溜った水滴を外側に排出することができる。そして、この孔部を対向壁と前記保護壁との接続部に設けることにより、その連結部の内側を移動する係合部材との干渉を避けることができる。
1…リッドロック装置、2…ハウジング、5…第1のハウジング部材、6…第2のハウジング部材、7…筒状部(挿入部)、7a…内周面、10…ロック部材、11…車体、11s…外側面、12…取付孔、13…リッドボックス、15…ロック係合部、20…フューエルリッド(蓋部材)、21,21B…スナップフィット、21a…板バネ部、21b…係合爪、22…コネクタ部、22a…係合部、23…保持ブラケット、23a…把持部、23b…後方延設部、30…ロックシャフト、30a…第1端部、30b…第2端部、31…捩りコイルバネ(駆動部)、32…モータ(駆動部)、33…ウォーム(駆動部)、34…ホイール(駆動部)、34a…係合部(駆動部)、35…蓋部、36…係合部、37…斜面部、38…係合凹部、40…ロック解除部材、41…ワイヤケーブル、41a…第1端、41b…第2端、42…操作ハンドル、43…係合部材、44…チューブ、45…ケーブル本体、48…長孔、50…連結部、51…ロックシャフト本体、52…接続部、53a…第1側壁部(係合壁)、53b…第2側壁部(第2の保護壁)、53c…第3側壁部、53d…第4側壁部(対向壁)、54…挿通孔、55…ケーブル保持部、56…底壁部(第1の保護壁)、56a…短辺、57…挿入孔、57a…開口縁部、58…連通孔、60…湾曲凹面、61…斜面部、61s…斜面、70…案内部、71…孔部、X…係合位置、X0…中央位置、P…位置、L…接線、Sa〜Sc…内壁面。

Claims (6)

  1. 車両の蓋部材に対するロック係合部を有したロック部材と、
    前記ロック部材を駆動して前記蓋部材に係脱させる駆動部と、
    前記ロック部材に連結されるロック解除部材と、を備え、
    前記ロック解除部材は、
    第1端側に操作ハンドルを有したワイヤケーブルと、
    前記ワイヤケーブルの第2端側に設けられた係合部材と、を有し、
    前記操作ハンドルに入力される引張力に基づき前記係合部材が前記ロック部材側の連結部に係合することにより該ロック部材を牽引して前記蓋部材から脱離する方向に移動させるものであって、
    前記ロック部材側の連結部には、前記引張力に基づき移動する前記係合部材に当接することにより該係合部材を予め定められた係合位置に案内する案内部が設けられた
    車両用リッドロック装置。
  2. 請求項1に記載の車両用リッドロック装置において、
    前記ロック部材側の連結部は、前記ワイヤケーブルが挿通される挿通孔を有した係合壁を備えるとともに、
    前記係合部材が係合する前記係合壁の係合面には、前記係合部材に当接することにより該係合部材を前記係合位置に向かって移動させる斜面部が設けられること、
    を特徴とする車両用リッドロック装置。
  3. 請求項2に記載の車両用リッドロック装置において、
    前記係合部材は、前記ワイヤケーブルの軸線に交差する柱形状を有するものであって、
    前記ロック部材側の連結部は、前記係合位置を挟んで前記係合壁の係合面に設けられた一対の前記斜面部を備えること、を特徴とする車両用リッドロック装置。
  4. 請求項3に記載の車両用リッドロック装置において、
    前記各斜面部は、湾曲凹面形状を有すること、
    を特徴とする車両用リッドロック装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の車両用リッドロック装置において、
    前記ロック部材側の連結部は、前記係合壁に交差するとともに前記係合部材を挟んで互いに対向する一対の側壁部を備え、
    前記各斜面部は、前記係合壁と前記各側壁部との接続部に形成されること、
    を特徴とする車両用リッドロック装置。
  6. 請求項2〜請求項5の何れか一項に記載の車両用リッドロック装置において、
    前記ロック部材側の連結部は、前記係合壁に交差するとともに互いに交差する位置に配置された第1及び第2の保護壁を備えた箱形状を有するものであって、
    前記第1の保護壁には、前記連結部の内側に前記係合部材を挿入するための挿入孔が設けられ、
    前記第2の保護壁には、前記係合壁に設けられた前記挿通孔と前記第1の保護壁に設けられた前記挿入孔とを連通する連通孔が設けられるものであって、
    前記連通孔は、前記挿入孔の開口縁部における前記係合壁から最も離間した位置を含んで前記挿入孔に連通すること、を特徴とする車両用リッドロック装置。
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