JP6205995B2 - タッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置 - Google Patents
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はじめに図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
次に図2を参照して、タッチパネルセンサ30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネルセンサ30を示す平面図である。
基材32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。なお第1電極41、第2電極46、額縁配線43,48や端子部44,49を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば基材32は、タッチパネルセンサ30における光の反射率や透過率を調整するためのインデックスマッチング層をさらに含んでいてもよい。他にも、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネルセンサ30を構成する第1電極41や第2電極46などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
次に図3および図4を参照して、第1電極41について説明する。図3は、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図であり、図4は、タッチパネルセンサ30を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
次に図3および図5を参照して、第2電極46について説明する。図5は、タッチパネルセンサ30を図3のV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
次に、第1電極41の第1透明導電層51および第2電極46の第2透明導電層56の寸法および位置に関して詳細に説明する。図3および図4において、第1電極41の第1透明導電層51の幅が上述のように符号W1で表されており、隣接する2つの第1透明導電層51の間の間隔が符号S1で表されている。また、図3および図5において、第2電極46の第2透明導電層56の幅が符号W2で表されており、隣接する2つの第2透明導電層56の間の間隔が符号S2で表されている。
まず上述のように、第1電極41は基材32の観察者側の第1面32aに設けられており、一方、第2電極46は、基材32の表示装置側の第2面32bに設けられている。この場合、観察者側にある外部導体と第2電極46の第2透明導電層56との間での結合容量は、第2透明導電層56のうち平面視において第1電極41の第1透明導電層51と重なっていない部分と、外部導体との間で形成される。すなわち、第2透明導電層56のうち平面視において第1透明導電層51によって覆われている部分は、外部導体との間での静電容量(結合容量)の形成に寄与することができない。
ところで上述のように、第1電極41および第2電極46は、すなわち第1透明導電層51および第2透明導電層56は、それぞれ予め定められた所定の配列ピッチで配置されている。従って、第1透明導電層51の幅W1が小さくなるにつれて、隣接する2つの第1透明導電層51の間の間隔S1は大きくなる。また、第2透明導電層56の幅W2が大きくなるにつれて、基材32の表示装置側の第2面32bのうち第2透明導電層56によって占められている領域の比率は大きくなる。このため、上述のように第2透明導電層56の幅W2を第1透明導電層51の幅W1よりも大きくすることは、隣接する2つの第1透明導電層51の間に位置し、外部導体との間で静電容量を形成することができる第2透明導電層56の領域を、より大きく確保することができる、ということを導く。このことにより、第2透明導電層56に基づいて検出される、第1方向における外部導体の位置を、より精度良く算出することが可能になる。
第2電極46に接続されている第2額縁配線48および第2端子部49は、タッチ位置を検出するための駆動信号を第2電極46に伝達するために設けられたものである。また第1電極41に接続されている第1額縁配線43および第1端子部44は、第1電極41からの検出信号をタッチパネルセンサ30の外部に取り出すために設けられたものである。検出信号並びに駆動信号を適切に伝達することができる限りにおいて、第1額縁配線43および第1端子部44並びに第2額縁配線48および第2端子部49の具体的な構成が特に限られることはない。例えば第1額縁配線43および第1端子部44は、第1電極41を構成する透明導電材料や金属材料と同一の材料を用いて第1電極41と同時に形成されるものであってもよい。同様に、第2額縁配線48および第2端子部49は、第2電極46を構成する透明導電材料と同一の材料を用いて第2電極46と同時に形成されるものであってもよい。また第2額縁配線48および第2端子部49の導電性を高めるため、第2額縁配線48および第2端子部49を構成する透明導電材料の層の上に、後述するように、金属材料からなる金属層がさらに設けられていてもよい。
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ30を製造する方法について、図6(a)〜(f)を参照して説明する。なお図6(a)〜(f)は、各製造工程において基材32を図3のIV線に沿って切断した場合を示す断面図である。
アクティブエリアAa1に配置される第1感光層61は、第1電極41を構成する第1透明導電層51のパターンに対応したパターンで形成されている。また、アクティブエリアAa1に配置される第2感光層66は、第2電極46を構成する第2透明導電層56のパターンに対応したパターンで形成されている。感光層61,66は、例えば、はじめに、積層体50の表面上にコーターを用いて感光性材料をコーティングし、次に、感光性材料を所定のパターンで露光して現像することによって形成される。
なお上述のエッチング工程では、金属層52,57と透明導電層51,56とが別々の工程でエッチングされる例を示したが、これに限られることはなく、金属層52,57および透明導電層51,56の両方を溶解することができるエッチング液を用いて、金属層52,57および透明導電層51,56を同時にエッチングしてもよい。
また、第1透明導電層51の幅W1を小さくすることが可能であるため、第1電極41および第2電極46のパターンの設計の自由度が高くなっている。従って、第1電極41および第2電極46の電気抵抗値を仕様に沿って柔軟に設定することができ、このことにより、第1電極41および第2電極46それぞれに基づくタッチ位置の検出精度を適切に確保することができる。このため本実施の形態によれば、大型化およびタッチ位置の検出精度の確保という2つの要求に応えるタッチパネルセンサ30を提供することができる。
まず第1の変形例として、タッチパネルセンサ30が、隣接する2つの第1電極41の間に設けられ、かつ第1電極41および第1額縁配線43のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターン42をさらに備える例について説明する。図7は、本変形例におけるタッチパネルセンサ30を示す平面図である。図8は、図7において符号VIIIが付された一点鎖線で囲まれた部分を拡大して示す平面図であり、図9は、タッチパネルセンサ30を図8のIX線に沿って切断した場合を示す断面図である。図9に示すように、ダミーパターン42は、第1電極41と同様に、基材32の第1面32a上に設けられている。
第1電極41の第1金属層52の表面や側面に施される低反射処理として、図10に示すように、第1金属層52の表面や側面を荒らして凹凸を設けるという処理が採用されてもよい。この場合、観察者側からの外光L1や表示装置からの映像光L2が第1金属層52の表面や側面に到達すると、これらの光L1,L2は、第1金属層52の表面や側面の凹凸形状によって様々な方向に散乱される。このため、第1金属層52の表面や側面に現れる金属光沢を抑制することができ、このことにより、第1金属層52が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。第1金属層52の表面や側面を荒らす方法としては、例えば、ギ酸を含む液を用いて第1金属層52を構成する金属材料の結晶粒界をエッチングするという方法を採用することができる。第1金属層52の表面や側面の凹凸形状の程度は、求められる散乱の程度に応じて適切に設定されるが、例えば第1金属層52の表面や側面の算術表面平均粗さ(Ra)は70〜100nmの範囲内になっている。
上述の本実施の形態においては、第1電極41の第1金属層52が第1方向D1に沿って直線状に延びている例を示した。しかしながら、第1金属層52によって第1電極41の電気抵抗値を十分に低減することができる限りにおいて、第1金属層52のパターンが特に限られることはない。例えば図11に示すように、第1電極41の第1金属層52は、第1方向D1における第1透明導電層51の一端から他端に向かって蛇行状に線状に延びていてもよい。第1金属層52をこのように蛇行状に形成することの利点について、以下に説明する。
上述の本実施の形態においては、第1電極41の第1金属層52が、第1透明導電層51の観察者側の面上に積層されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図12に示すように、第1電極41の第1金属層52は、第1透明導電層51と基材32との間に設けられていてもよい。すなわち、第1電極41の第1金属層52は、第1透明導電層51の表示装置側の面上に積層されていてもよい。
また上述の本実施の形態において、基材32の観察者側に設けられるとともに第1透明導電層51および第1金属層52を含む第1電極41が、検出電極として機能し、基材32の表示装置側に設けられるとともに第2透明導電層56を含む第2電極46が、駆動電極として機能する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1電極41が、駆動電極として機能し、第2電極46が検出電極として機能してもよい。すなわち、駆動信号が第1電極41に印加され、この駆動信号が、第1電極41と第2電極46との間の容量結合を介して第2電極46に伝達されてもよい。
15 表示装置
16 表示パネル
16a 表示面
30 タッチパネルセンサ
32 基材
41 第1電極
42 ダミーパターン
43 第1額縁配線
44 第1端子部
46 第2電極
48 第2額縁配線
49 第2端子部
50 積層体
51 第1透明導電層
52 第1金属層
56 第2透明導電層
Claims (10)
- 静電容量方式のタッチパネルセンサであって、
観察者側を向く第1面および前記第1面に対向して表示装置側を向く第2面を含む基材と、
前記基材の前記第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、
前記基材の前記第2面上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備え、
前記第1電極は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、前記第1透明導電層の観察者側の面上または表示装置側の面上に積層された第1金属層と、を有し、
前記第2電極は、前記第2方向に帯状に延びる第2透明導電層を有するが金属層を有さず、
前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びており、
前記第1電極の前記第1透明導電層の幅が、前記第2電極の前記第2透明導電層の幅の10〜30%の範囲内になっている、タッチパネルセンサ。 - 隣接する2つの前記第1電極の前記第1透明導電層の間の間隔が、前記第1透明導電層の幅よりも大きくなっている、請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
- 隣接する2つの前記第2電極の前記第2透明導電層の間の間隔が、30μm以下になっている、請求項1または2に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第1金属層の表面または側面に、低反射処理が施されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって蛇行状に線状に延びている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記タッチパネルセンサは、アクティブエリアと、前記アクティブエリアの周辺に位置する非アクティブエリアと、に区画され、
前記アクティブエリアには、前記第1電極および前記第2電極が設けられており、
前記タッチパネルセンサは、前記非アクティブエリアに設けられ、前記第1電極に電気的に接続された複数の第1額縁配線をさらに備え、
隣接する2つの前記第1電極の間には、前記第1電極および前記第1額縁配線のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターンが設けられており、
前記ダミーパターンは、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成された層を含んでいる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。 - 前記ダミーパターンは、金属材料から構成された層をさらに含んでいる、請求項6に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第1金属層は、前記第1透明導電層の観察者側の面上に積層されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第1金属層は、前記第1透明導電層の表示装置側の面上に積層されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
- 表示装置と、
前記表示装置の表示面上に配置された静電容量方式のタッチパネルセンサと、を備え、
前記タッチパネルセンサは、
観察者側を向く第1面および前記第1面に対向して前記表示装置側を向く第2面を含む基材と、
前記基材の前記第1面上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1電極と、
前記基材の前記第2面上に設けられ、前記第1方向に交差する第2方向に延びる複数の第2電極と、を備え、
前記第1電極は、前記第1方向に帯状に延びる第1透明導電層と、前記第1透明導電層の観察者側の面上または表示装置側の面上に積層された第1金属層と、を有し、
前記第2電極は、前記第2方向に帯状に延びる第2透明導電層を有するが金属層を有さず、
前記第1金属層は、前記第1方向における前記第1透明導電層の一端から他端に向かって線状に延びており、
前記第1電極の前記第1透明導電層の幅が、前記第2電極の前記第2透明導電層の幅の10〜30%の範囲内になっている、タッチ位置検出機能付き表示装置。
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