JP6233024B2 - タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサの製造方法およびタッチ位置検出機能付き表示装置 - Google Patents
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以下、図1乃至図7(a)〜(e)を参照して、本発明の第1の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
はじめに図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
次に図2を参照して、タッチパネルセンサ30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネルセンサ30を示す平面図である。
基材32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。なお第1検出パターン41、第2検出パターン46、額縁配線43,48や端子部44,49を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネルセンサ30を構成する第1検出パターン41や第2検出パターン46などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
次に図3A乃至図5を参照して、第1検出パターン41について説明する。図3Aは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第1検出パターン41を、観察者側から見た場合を示す平面図であり、図3Bは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2検出パターン46を、観察者側から見た場合、すなわち基材32を透かして第2検出パターン46を見た場合を示す平面図である。また図3Cは、図3Aに示す第1検出パターン41および図3Bに示す第2検出パターン46を重ねて示す平面図である。また図4および図5はそれぞれ、タッチパネルセンサ30を図3CのIV線およびV線に沿って切断した場合を示す断面図である。なお図3Cにおいては、第1導線51が実線で示され、第2導線56が点線で示されている。
第1導線51の場合と同様に、第2導線56においても、第2検出パターン46全体の面積のうち開口部56aによって占められる面積の比率を十分に確保することができる限りにおいて、第2導線56の寸法や形状が特に限られることはない。例えば図3Bおよび図3Cに示す例において、第2検出パターン46は、菱形に形成された第2導線56を第2方向に沿って並べることによって構成されている。この場合、菱形の内角のうち鈍角になる内角が第2方向に沿って並ぶよう、第2導線56が構成されている。
次に図6を参照して、第1検出パターン41を構成する第1導線51および第2検出パターン46を構成する第2導線56の層構成について説明する。なお図6は、第1導線51および第2導線56の層構成を説明するために描かれた図であり、実際のタッチパネルセンサ30における第1導線51および第2導線56の位置関係には必ずしも対応していない。
図6に示すように、第1導線51は、金属からなる第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層62と、第1本体層61と第1被覆層62との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層64と、第1本体層61よりも表示装置側に設けられ、第1本体層61よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層63と、を含んでいる。
図6に示すように、第1被覆層62の表面には多数の凹凸62aが形成されている。このため後述するように、第1被覆層62が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。このような凹凸62aは、第1被覆層62を溶解することができる第1被覆層用のエッチング液を用いて第1被覆層62の表面を荒らすことによって形成される。
次に第1下地層63について説明する。第1下地層63は、その銅の含有量が、第1本体層61における銅の含有量よりも少なくなるよう構成された層である。例えば第1下地層63は、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。このため、第1下地層63における金属光沢は、第1本体層61における金属光沢に比べて軽減されており、特に、銅に特有の赤味を帯びた色が軽減されている。具体的には、波長600nmの光を第1本体層61および第1下地層63に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR12とする場合、R12≦0.5×R10の関係が成立している。反射率は、上述の第1被覆層62の場合と同様に、村上色彩技術研究所(株)製の反射・透過率計HR−100型を用いて測定することができる。
次に第2導線56について説明する。図6に示すように、第2導線56は、金属からなる第2本体層66と、第2本体層66よりも観察者側に設けられ、金属からなる第2下地層68と、第2本体層66よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層67と、第2本体層66と第2被覆層67との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層69と、を含んでいる。
第1検出パターン41に接続されている第1額縁配線43および第1端子部44、並びに、第2検出パターン46に接続されている第2額縁配線48および第2端子部49は、第1検出パターン41並びに第2検出パターン46からの信号をタッチパネルセンサ30の外部に取り出すために設けられたものである。信号を適切に伝達することができる限りにおいて、第1額縁配線43および第1端子部44並びに第2額縁配線48および第2端子部49の具体的な構成が特に限られることはない。例えば第1額縁配線43および第1端子部44は、第1導線51と同一の層構成で第1導線51と同時に形成されるものであってもよい。同様に、第2額縁配線48および第2端子部49は、第2導線56と同一の層構成で第2導線56と同時に形成されるものであってもよい。
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ30を製造する方法について、図7(a)〜(e)を参照して説明する。
第1感光層71は、第1導線51のパターンに対応したパターンで形成されている。また第2感光層76は、第2導線56のパターンに対応したパターンで形成されている。感光層71,76は、例えば、はじめに、積層体60の表面上にコーターを用いて感光性材料をコーティングするか、または、ラミネート装置を用いて、感光性材料からなるシートを積層体60の表面上にラミネートし、次に、感光性材料を所定のパターンで露光して現像することによって形成される。
この場合、第1導線51に到達した外光L1は、第1導線51の第1被覆層62によって反射されて反射光L1’となる。ここで上述のように、第1被覆層62の表面には凹凸62aが形成されている。従って、凹凸62aによる散乱のため、反射光L1’は様々な方向に向かうことになる。このため、観察者からは第1被覆層62の色味が見えにくくなる。例えば、散乱によって第1被覆層62が白っぽく見えるようになる。すなわち、第1被覆層62を構成する銅の色が薄くなる。このことにより、第1導線51が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。
また、第2導線56に到達した外光L2は、第2導線56の第2下地層68によって反射されて反射光L2’となる。ここで上述のように第2下地層68は、波長600nmの光に対する反射率R22が、第2本体層66における反射率R20の0.5以下になるよう構成されたものである。このため、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを抑制することができる。このことにより、第2導線56が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。
次に図11乃至図13を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11乃至図13に示す第2の実施の形態において、タッチ位置を検出するための検出パターンは、基材の観察者側の面上にのみ設けられており、基材の表示装置側の面上には設けられていない。図11乃至図13に示す第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
例えば、被覆層62,67が99重量%以上の銅を含む場合、被覆層用エッチング液は、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなっていてもよい。
第1額縁配線43と同様に、第2額縁配線48も、金属からなる第2本体層66と、第2本体層66よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層67と、第2本体層66と第2被覆層67との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層69と、を含んでいてもよい。この場合も、第2額縁配線48上に設けられるオーバーコート層に対する、第2額縁配線48の密着性を高めることができる。
15 表示装置
30 タッチパネルセンサ
30A 第1タッチパネルセンサ
30B 第2タッチパネルセンサ
32 基材
33 基材
41 第1検出パターン
46 第2検出パターン
51 第1導線
56 第2導線
60 積層体
61 第1本体層
62 第1被覆層
62a 凹凸
63 第1下地層
64 第1耐薬層
66 第2本体層
67 第2被覆層
67a 凹凸
68 第2下地層
69 第2耐薬層
Claims (13)
- タッチパネルセンサであって、
観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、を備え、
前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、
前記第1導線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、
前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、
第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチパネルセンサ。 - 前記第1被覆層の表面には、黒化処理が施されている、請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液からなる、請求項1または2に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、
前記第1被覆層用エッチング液は、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、請求項1または2に記載のタッチパネルセンサ。 - 前記第1導線は、前記第1本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層をさらに含み、
前記第1下地層は、50重量%以下の銅を含み、
波長600nmの光を前記第1本体層および前記第1下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR12とする場合、
R12≦0.5×R10
の関係が成立する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。 - 前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンをさらに備え、
前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、
前記第2導線は、金属からなる第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2下地層と、を含み、
波長600nmの光を前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR20およびR22とする場合、
R22≦0.5×R20
の関係が成立する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。 - 前記第1耐薬層および前記第2下地層が、同一の材料によって構成されている、請求項6に記載のタッチパネルセンサ。
- 前記第2導線は、前記第2本体層よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層と、前記第2本体層と前記第2被覆層との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層と、をさらに含み、
前記第2被覆層の表面には凹凸が形成されており、
第2被覆層用エッチング液に対する前記第2耐薬層の溶解速度は、前記第2被覆層用エッチング液に対する前記第2被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
前記第2被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
前記第2被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、請求項6または7に記載のタッチパネルセンサ。 - 網目状に配置された第1導線からなる第1検出パターンを備えたタッチパネルセンサの製造方法であって、
観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面側に設けられ、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層の観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含む積層体を準備する工程と、
前記積層体の観察者側の面上に、前記第1導線に対応したパターンを有する第1感光層を形成する工程と、
前記第1感光層をマスクとして、前記第1被覆層、前記第1耐薬層および前記第1本体層をエッチングする工程と、
前記第1感光層を除去する工程と、
第1被覆層用エッチング液を用いて前記第1被覆層をエッチングすることにより、前記第1被覆層の表面に凹凸を形成する工程と、を備え、
第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下である、タッチパネルセンサの製造方法。 - 前記第1被覆層の表面に黒化処理を施す工程をさらに含む、請求項9に記載のタッチパネルセンサの製造方法。
- 前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、
前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、請求項9または10に記載のタッチパネルセンサの製造方法。 - 表示装置と、
前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、
前記タッチパネルセンサは、
観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、を備え、
前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、
前記第1導線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、
前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、
第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチ位置検出機能付き表示装置。 - タッチパネルセンサであって、
タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、を含む基材と、
前記アクティブエリアに配置された第1検出パターンと、
前記非アクティブエリアに配置され、前記第1検出パターンに電気的に接続された第1額縁配線と、
前記第1額縁配線を覆うオーバーコート層と、を備え、
前記第1額縁配線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、
前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、
第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチパネルセンサ。
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