以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「透明基材シート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、「透明基材シート」は、「透明基材板(透明基板)」や「透明基材フィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図18は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1はタッチパネル装置および画像表示装置を概略的に示す図であり、図2は図1のタッチパネル装置のタッチパネルセンサを示す平面図であり、図3は、タッチパネルセンサの縦断面図である。
図1に示されたタッチパネル装置20は、静電容量結合方式として構成され、タッチパネル装置20への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置を検出可能に構成されている。なお、静電容量結合方式のタッチパネル装置20の検出感度が優れている場合には、外部導体がタッチパネル装置に接近しただけで当該外部導体がタッチパネル装置のどの領域に接近しているかを検出することができる。このような現象にともなって、ここで用いる「接触位置」とは、実際には接触していないが位置を検出され得る接近位置を含む概念とする。
図1に示すように、タッチパネル装置20は、画像表示機構(例えば液晶表示装置)12とともに組み合わせられて用いられ、表示装置10を構成している。図示された画像表示機構12は、一例としてフラットパネルディスプレイ、より具体的には液晶表示装置として構成されている。画像表示機構12は、映像を表示することができる表示領域A1と、表示領域A1を取り囲むようにして表示領域A1の外側に配置された非表示領域(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部13は、表示されるべき画像に関する情報を処理し、画像情報に基づいて画像表示機構12を制御する。画像表示機構12は、表示制御部13の制御信号により、所定の映像を表示面12aに表示するようになる。すなわち、画像表示機構12は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
次に、タッチパネル装置20について説明する。タッチパネル装置20は、タッチパネルセンサ30と、タッチパネルセンサ30に接続された検出制御部21と、を有している。タッチパネルセンサ30は、画像表示機構12の表示面12aに対面する位置に配置されている。上述したように、タッチパネル装置20は、容量結合方式のタッチパネル装置として構成されており、情報を入力する入力装置としての役割を担っている。
タッチパネル装置20の検出制御部21は、タッチパネルセンサ30に接続され、タッチパネルセンサ30へ入力された情報を処理する。具体的には、検出制御部21は、タッチパネル装置20へ外部導体(例えば、人間の指)が接触している際に、タッチパネル装置20への外部導体の接触位置を特定し得るように構成された回路(検出回路)を含んでいる。また、検出制御部21は、画像表示機構12の表示制御部13と接続され、処理した入力情報を表示制御部13へ送信することもできる。この際、表示制御部13は、入力情報に基づいた映像情報を作成し、入力情報に対応した映像を画像表示機構12に表示させることができる。
次に、タッチパネルセンサ30について、詳述する。図2および図3に示すように、タッチパネルセンサ30は、透明基材シート32と、透明基材シート32上に設けられたパターン導電体40と、を含んでいる。なお、実際のタッチパネル装置としては、タッチパネルセンサに、パターン導電体側から、接着材や粘着材を含む接合層、および、ガラス板や樹脂フィルムで形成される透明カバー等が積層され、タッチパネルセンサを含む積層構造体として用いられることが多い。
また、図2に示すように、タッチパネルセンサ30は、画像表示機構12から出射する画像光が透過する表示領域A3と、表示領域A3に隣接する非表示領域A4と、を含んでいる。とりわけ図示された例では、タッチパネルセンサ30の表示領域A3は、画像表示機構12の表示領域A1に対応する領域を占めている。また、図示された例では、タッチパネルセンサ30の表示領域A3は、タッチパネルセンサ30においてタッチ位置を検出され得る領域、いわゆるアクティブエリアに対応している。一方、非表示領域A4は、矩形状の表示領域A3の周縁部を四方から周状に取り囲むように、言い換えると、額縁状に形成されている。この非表示領域A4は、画像表示機構12の非表示領域A2に対応する領域に形成されている。
透明基材シート32は、パターン導電体40を支持する基材として機能する。表示領域Va1を介して画像表示機構12の画像を観察することができるよう、透明基材シート32は、透明または半透明となっている。透明基材シート32は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であることがより好ましい。なお、透明基材シート32の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
透明基材シート32は、例えばガラスや樹脂の板、シートまたはフィルムから構成され得る。樹脂フィルムとしては、光学部材の基材として使用されている種々の樹脂フィルムを好適に用いることができる。一例として、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステル樹脂を透明基材シート32として用いることができる。他の例として、安価で安定性に優れたポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂を、透明基材シート32として用いることができる。ポリエステル樹脂フィルムは、吸湿性が低く、高温多湿の環境化においても変形等が生じ難いといった利点を有している。
次に、透明基材シート32上に設けられたパターン導電体40について説明する。図2および図3に示されているように、透明基材シート32の一方の面側(片面側)に、パターン導電体40が設けられている。パターン導電体40は、複数の第1電極42(検出電極)と、複数の第2電極44(検出電極)と、複数の第1配線46(配線)と、複数の第2配線47(配線)と、複数のダミー電極48と、を有している。第1電極42、第2電極44およびダミー電極48は、透明基材シート32上の表示領域A3内に設けられている。また、第1配線46は、表示領域A3内の第1電極42から非表示領域A4内の端子部49にかけて延在している。同様に、第2配線47は、表示領域A3内の第2電極44から非表示領域A4内の端子部49にかけて延在している。なお、図2、図4および図5に示された例では、端子部49は、フレキシブルプリント基板(FPC)22を介して、検出制御部21に接続される。
図4は、図2に示したパターン導電体40のうち第1電極42および第1配線46のみを示したものである。図5は、図2に示したパターン導電体40のうち第2電極44および第2配線47のみを示す図である。図6は、図2に示したパターン導電体40の詳細を示す図である。図7は、図6に示したパターン導電体40のうち第1電極42および第1配線46のみを示す図である。図8は、図6に示したパターン導電体40のうち第2電極44および第2配線47のみを示す図である。図9は、図6に示したパターン導電体40のうちダミー電極48のみを示す図である。図10は、図6に示したパターン導電体40の一部を拡大して示す拡大図である。図11は、図10に示したパターン導電体40のうち第1電極42および第1配線46のみを示す拡大図である。図12は、図10に示したパターン導電体40のうち第2電極44および第2配線47のみを示す拡大図である。図13は、図10に示したパターン導電体40のうちダミー電極48のみを示す拡大図である。
なお、図2、図4および図5では、図が見づらくなることを避けるために、後述の第1小枝要素43cおよび第2小枝要素45cの図示を省略している。また、同様に、図が見づらくなることを避けるために、図2では、ダミー電極48をその外形のみで図示し、詳細な形状は省略している。
さらに、図6および図10では、第1電極42および第1配線46を、第2電極44、第2配線47およびダミー電極48と区別して理解しやすくするため、第2電極44、第2配線47およびダミー電極48よりも太い線で図示している。また、図8および図12では、一部の第2電極44および第2配線47を、他の第2電極44および第2配線47と区別して理解しやすくするため、他の第2電極44および第2配線47よりも太い線で図示している。これらはいずれも図の理解を助けるためのものであり、パターンの実際の太さの大小を反映したものではない。
パターン導電体40の一部をなす第1電極42および第1配線46について説明する。図2、図4、図6、図7、図10および図11に示された例では、透明基材シート32上の表示領域A3内に、複数の第1電極42が第1方向(X)に沿って配列されている。各第1電極42は、第1方向(X)と非平行な第2方向(Y)に沿って配列された複数の第1検出部43を有している。とりわけ図示された例では、第1方向(X)と第2方向(Y)とは直交している。
図示された例では、各第1検出部43は、第1配線46から延び出た第1幹要素43aと、第1幹要素43aから延び出た複数の第1枝要素43bと、第1枝要素43bから延び出た複数の第1小枝要素43cと、を有している。とりわけ、図示された例では、第1幹要素43aは、第1配線46から第1方向(X)に延び出し、第1枝要素43bは、第1幹要素43aから第2方向(Y)に延び出し、第1小枝要素43cは、第1枝要素43bから第1方向(X)に延び出している。また、第1幹要素43a、第1枝要素43b、第1小枝要素43cの延び出る方向は、この例に限られず、第1方向(X)や第2方向(Y)に対して傾斜した方向に延び出していてもよい。なお、本明細書では「配線」から延び出た要素を「幹要素」、「幹要素」から延び出た要素を「枝要素」、「枝要素」から延び出た要素を「小枝要素」と呼ぶ。すなわち、「幹要素」、「枝要素」および「小枝要素」の用語は、それぞれの要素の大小を示すものではない。したがって、「枝要素」が「幹要素」より大きくてもよいし、「小枝要素」が「幹要素」や「枝要素」より大きくてもよい。
図示された例では、各第1検出部43の各第1幹要素43aは、それぞれ同一の長さを有して第1配線46から第1方向(X)に沿って第1方向(X)の一方側に延びている。とりわけ図示された例では、すべての第1幹要素43aが、第1配線46に対して第1方向(X)の同じ側(一方側)に延びている。また、各第1検出部43の複数の第1幹要素43aは、それぞれ同一の間隔を有して第2方向(Y)に沿って配列されている。また、各第1幹要素43aから第2方向(Y)に沿って第2方向(Y)の一方側および他方側にそれぞれ複数の第1枝要素43bが伸びている。とりわけ図示された例では、第1枝要素43bは、それぞれ同一の間隔を有して第1方向(X)に沿って配列されている。また、各第1枝要素43bは、それぞれ長さが異なっており、とりわけ図示された例では、相対的に長い第1枝要素43bと、相対的に短い第1枝要素43bとが、第1方向(X)に沿って交互に配列されている。なお、図2および図4では、図の簡略化のために、第1枝要素43bをすべて同じ長さで図示している。
図6、図7、図10および図11に示された例では、各第1検出部43の各第1枝要素43bから第1方向(X)に沿って第1方向(X)の一方側および他方側にそれぞれ複数の第1小枝要素43cが伸びている。とりわけ図示された例では、第1小枝要素43cは、それぞれ同一の間隔を有して第2方向(Y)に沿って配列されている。また、各第1小枝要素43cは、それぞれ長さが異なっており、とりわけ図示された例では、相対的に長い第1小枝要素43cと、相対的に短い第1小枝要素43cとが、第2方向(Y)に沿って交互に配列されている。
各第1電極42に対応して第1配線46がそれぞれ設けられている。図2および図4に示された例では、各第1配線46は、第2方向(Y)に沿って配列された一群の第1検出部43を有する第1電極42に接続され、表示領域A3から非表示領域A4まで延びている。また、第1配線46は、それぞれの対応する第1電極42の複数の第1検出部43の列に沿うように第2方向(Y)に延びている。したがって、第1方向(X)に配列された複数の第1電極42に対応して、複数の第1配線46が第1方向(X)に配列され、各第1配線46は第2方向(Y)に延びている。また、第1配線46は、非表示領域A4内において、端子部49に接続されている。
次に、パターン導電体40の一部をなす第2電極44および第2配線47について説明する。図2、図5、図6、図8、図10および図12に示された例では、透明基材シート32上の表示領域A3内に、複数の第2電極44が第2方向(Y)に沿って配列されている。各第2電極44は、第1方向(X)に沿って配列された複数の第2検出部45を有している。
図示された例では、各第2検出部45は、第2配線47から延び出た第2幹要素45aと、第2幹要素45aから延び出た複数の第2枝要素45bと、第2枝要素45bから延び出た複数の第2小枝要素45cと、を有している。とりわけ、図示された例では、第2幹要素45aは、第2配線47から第1方向(X)に延び出し、第2枝要素45bは、第2幹要素45aから第2方向(Y)に延び出し、第2小枝要素45cは、第2枝要素45bから第1方向(X)に延び出している。なお、第2幹要素45a、第2枝要素45b、第2小枝要素45cの延び出る方向は、この例に限られず、第1方向(X)や第2方向(Y)に対して傾斜した方向に延び出していてもよい。
図示された例では、各第2検出部45の各第2幹要素45aは、それぞれ同一の長さを有して第2配線47から、第1方向(X)に沿って延びている。上述のように、各第1検出部43の各第1幹要素43aは、第1配線46から第1方向(X)に沿って第1方向(X)の一方側に延びている。一方、各第2検出部45の各第2幹要素45aは、第2配線47から第1方向(X)に沿って第1方向(X)の一方側とは反対の他方側に延びている。とりわけ図示された例では、すべての第2幹要素45aが、第2配線47に対して第1方向(X)の同じ側(他方側)に延びている。また、各第2検出部45の複数の第2幹要素45aは、それぞれ同一の間隔を有して第1方向(X)に沿って配列されている。また、各第2幹要素45aから第2方向(Y)に沿って第2方向(Y)の一方側および他方側にそれぞれ複数の第2枝要素45bが伸びている。とりわけ図示された例では、第2枝要素45bは、それぞれ同一の間隔を有して第1方向(X)に沿って配列されている。また、各第2枝要素45bは、それぞれ長さが異なっており、とりわけ図示された例では、相対的に長い第2枝要素45bと、相対的に短い第2枝要素45bとが、第1方向(X)に沿って交互に配列されている。なお、図2および図5では、図の簡略化のために、第2枝要素45bをすべて同じ長さで図示している。
図6、図8、図10および図12に示された例では、各第2検出部45の各第2枝要素45bから第1方向(X)に沿って第1方向(X)の一方側および他方側にそれぞれ複数の第2小枝要素45cが伸びている。とりわけ図示された例では、第2小枝要素45cは、それぞれ同一の間隔を有して第2方向(Y)に沿って配列されている。また、各第2小枝要素45cは、それぞれ長さが異なっており、とりわけ図示された例では、相対的に長い第2小枝要素45cと、相対的に短い第2小枝要素45cとが、第2方向(Y)に沿って交互に配列されている。
各第2電極44に対応して第2配線47がそれぞれ設けられている。図2および図5に示された例では、各第2配線47は、第2電極44の第1方向(X)に沿って配列された各第2検出部45に接続されている。1つの第2電極44に対応した第2配線47は、表示領域A3内の各第2検出部45から非表示領域A4まで延びる複数の引出配線471と、非表示領域A4内で各引出配線471および端子部49を接続する接続配線472とを有している。
図2および図5に示された例では、第2配線47の各引出配線471は、第2方向(Y)に沿って延びる第1部分471aを1つまたは複数含んでいる。さらに、第1部分471aを複数含む引出配線471は、隣接する第1部分471aどうしを接続し、第1方向(X)に沿って延びる第2部分471bを1つまたは複数含んでいる。図示された例では、第1部分471aを複数含む引出配線471は、第2方向(Y)に沿って第2方向(Y)の一方側に延びる第1部分471aと、この第1部分471aに接続され、第1方向(X)に沿って第1方向(X)の一方側に延びる第2部分471bと、が繰り返し配置されている。そして、各引出配線471は、互いから離間し、全体として第2方向(Y)に沿って延在している。
図2、図6、図10に示された例では、第1検出部43の第1幹要素43aおよび第2検出部の第2幹要素45aは、第2方向(Y)に交互に配列されている。また、第1検出部43の第1枝要素43bおよび第2検出部の第2枝要素45bは、第1方向(X)に交互に配列されている。さらに、1つの第1小枝要素43cと、当該第1小枝要素43cに対して当該第1小枝要素43cの延在方向(図示された例では第1方向(X))に隣り合う1つの第2小枝要素45cとは、1本の仮想線上に位置するように、配置されている。とりわけ図示された例では、1つの第1小枝要素43cと、当該第1小枝要素43cに対して当該第1小枝要素43cの延在方向(第1方向(X))に隣り合う1つの第2小枝要素45cとは、第1方向(X)へ延びる1本の仮想直線上に位置するように、配置されている。さらに、図示された例では、相対的に長い第1小枝要素43cと、相対的に短い第2小枝要素45cとが、第1方向(X)へ延びる仮想直線上に交互に位置するように、配置されている。また、相対的に短い第1小枝要素43cと、相対的に長い第2小枝要素45cとが、第1方向(X)へ延びる仮想直線上に交互に位置するように、配置されている。
各第1電極42に接続される各第1配線46は、それぞれ複数の引出導線46aを含み、各第2電極44に接続される各第2配線47は、それぞれ複数の引出導線47aを含む。図6〜図8および図10〜図12に示した例では、各第1配線46は、それぞれ2本の引出導線46aを含み、各第2配線47は、それぞれ2本の引出導線47aを含んでいる。また、複数の引出導線46aは、少なくとも表示領域A3内において、それぞれ互いから離間しており、複数の引出導線47aは、少なくとも表示領域A3内において、それぞれ互いから離間している。すなわち、お互いに交差または接触しないように配置されている。
各第1配線46は、少なくとも表示領域A3内において、複数の引出導線46aのうちの少なくとも2つを連結する少なくとも1つの連結導線46bをさらに含み、各第2配線47は、少なくとも表示領域A3内において、複数の引出導線47aのうちの少なくとも2つを連結する少なくとも1つの連結導線47bをさらに含んでいる。とりわけ図6〜図8および図10〜図12に示した例では、各第1配線46には、2本の引出導線46aを連結する多数の連結導線46bが設けられ、各第2配線47には、2本の引出導線47aを連結する多数の連結導線47bが設けられている。また、複数の連結導線46bは、それぞれ互いから離間し、複数の連結導線47bは、それぞれ互いから離間している。すなわち、お互いに交差または接触しないように配置されている。
なお、配線46,47における、非表示領域A4内に配置されている部分は、必ずしも複数の引出導線46a,47aを含まなくてもよい。非表示領域A4内では配線46,47の不可視化を図る必要がないことから、引出導線46a,47aよりも幅太のベタ金属パターンで配線46,47を形成してもよい。ベタ金属パターンの利用は、抵抗値の低減に有効である。
また、各第1幹要素43aは、それぞれ複数の幹導線43a1を含み、各第2幹要素45aは、それぞれ複数の幹導線45a1を含む。図6〜図8および図10〜図12に示した例では、各第1幹要素43aは、それぞれ2本の幹導線43a1を含み、各第2幹要素45aは、それぞれ2本の幹導線45a1を含んでいる。また、複数の幹導線43a1は、それぞれ互いから離間しており、複数の幹導線45a1は、それぞれ互いから離間している。すなわち、お互いに交差または接触しないように配置されている。
各第1幹要素43aは、複数の幹導線43a1のうちの少なくとも2つを連結する少なくとも1つの連結導線43a2をさらに含み、各第2幹要素45aは、複数の幹導線45a1のうちの少なくとも2つを連結する少なくとも1つの連結導線45a2をさらに含んでいる。とりわけ図6〜図8および図10〜図12に示した例では、各第1幹要素43aには、2本の幹導線43a1を連結する多数の連結導線43a2が設けられ、各第2幹要素45aには、2本の幹導線45a1を連結する多数の連結導線45a2が設けられている。また、複数の連結導線43a2は、それぞれ互いから離間し、複数の連結導線45a2は、それぞれ互いから離間している。すなわち、お互いに交差または接触しないように配置されている。
このような例によれば、配線(46,47)および幹要素(43a,45a)が、それぞれ引出導線(46a,47a)または幹導線(43a1,45a1)を複数備えていることにより、複数の引出導線または幹導線の一部に断線等が起こったとしても、他の引出導線または幹導線により導通が確保される。さらに、複数の引出導線または幹導線を連結する連結導線(46b,47b,43a2,45a2)を備えていることにより、複数の引出導線または幹導線に断線等が起こっても、連結導線を経由して、引出導線または幹導線の断線等の箇所を迂回するようにして、導通を確保することができる。したがって、引出導線または幹導線の断線等により検出電極が機能しなくなる事態を回避することができ、これにより検出電極が配列されたタッチパネルセンサ30に、検出感度および検出精度の安定性を付与することができる。
次に、基準パターン50について説明する。パターン導電体40、すなわち第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48は、基準パターン50に断線箇所56を設けてなるパターンを有している。
図6および図10に示された例では、基準パターン50は、格子配列状の規則的なメッシュパターンを有している。すなわち、第1方向(X)に沿って形成され、第1方向(X)と交差する第2方向(Y)に沿って複数本配置された第1接続要素541と、第2方向(Y)に沿って形成され、第1方向(X)に沿って複数本配置された第2接続要素542とにより、格子配列状の規則的な基準パターン50が形成されている。とりわけ、図6および図10に示した例では、複数の第1接続要素541は、それぞれ互いに平行に、且つ、第2方向(Y)に沿って互いに等間隔で配置されており、複数の第2接続要素542は、それぞれ互いに平行に、且つ、第1方向(X)に沿って互いに等間隔で配置されている。また、第1接続要素541と第2接続要素542とは、交差、とりわけ直交している。さらに、この格子配列状の規則的な基準パターン50により、第1方向(X)、および前記第1方向(X)に非平行な、とりわけ直交する、第2方向(Y)のそれぞれに配列された複数の開口58が画成されている。このように基準パターン50が表示領域A3内で規則的なパターンとなっている場合、パターン導電体40をなす、第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48が、互いに区別して視認されることを効果的に抑制することができる。
図6および図10に示されているように、基準パターン50内の、第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48となるべき領域の輪郭に沿って、断線箇所56が形成されている。そして、この断線箇所56で囲まれた領域が、第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48となる。言い換えると、第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48は、それぞれ断線箇所56を介して隣接している。
このような断線箇所56を有するパターン導電体40の例を、拡大して図14に示す。図14に示された例では、複数の接続要素54によって開口58を画成する基準パターン50を3つの断線箇所56(56a〜56c)で分断することにより、1つの第1枝要素43b、6つの第1小枝要素43c、1つの第2枝要素45bおよび6つの第2小枝要素45cが形成されている。図示された例では、1つの第1小枝要素43c1は、断線箇所56aで分断された1つの接続要素541の一方の部分と同一のパターンを有している。また、第1小枝要素43c1に対して当該第1小枝要素43c1の延在方向(図示された例では第1方向(X))に隣り合う1つの第2小枝要素45c1は、断線箇所56aで分断された1つの接続要素541の他方の部分と同一のパターンを有している。さらに、この第1小枝要素43c1と第2小枝要素45c1とは、1本の仮想線上に位置している。とりわけ図示された例では、この第1小枝要素43c1と第2小枝要素45c1とは、第1方向(X)へ延びる1本の仮想直線L1上に位置している。なお、この仮想線は直線に限られず、曲線や折れ線等であってもよい。
また、図14に示された例では、第2方向(Y)に連続して配列され、第2方向(Y)に非平行な第1方向(X)に延びる3つの接続要素54a〜54cに、それぞれ断線箇所56a〜56cが形成されている。このうち接続要素54bに形成された断線箇所56bは、他の2つの接続要素54a,54cに形成された断線箇所56a,56cを結ぶ仮想直線L2からずれた位置に配置されている。また、断線箇所56aは、他の2つの断線箇所56b,56cを結ぶ仮想直線からずれた位置に配置されており、断線箇所56cは、他の2つの断線箇所56a,56bを結ぶ仮想直線からずれた位置に配置されている。
3以上の複数の断線箇所が直線状に並んでいる場合、パターン導電体を、フォトリソグラフィー技術を用いて形成する際のエッチングによるパターン形成工程において、直線状に並んだ複数の断線箇所を通るエッチング液の流れが他の部分を通るエッチング液の流れに比べて速くなり、すなわち直線状に並んだ複数の断線箇所を有する領域では、その他の領域に比べてエッチングが大きく進行し、断線箇所周辺の導線が細くなる。これにより、直線状に並んだ複数の断線箇所を有する領域とそれ以外の領域との間で濃淡むらを生じる問題がある。
図6、図10および図14に示された例では、隣接する3以上の断線箇所56の少なくとも1つは、他の2以上の断線箇所を結ぶ仮想直線からずれた位置に配置されているので、隣接する3以上の断線箇所56が一直線上に並ぶことがない。これにより、隣接する3以上の断線箇所56を通るエッチング液の流れの速さを抑え、隣接する複数の断線箇所56を有する領域におけるエッチングの進行を適切に制御して、断線箇所56周辺の接続要素54が細くなることを防止することができる。したがって、隣接する複数の断線箇所を有する領域とそれ以外の領域との間で生じる濃淡むらを効果的に抑制することが可能となる。
さらに、図14に示された例では、第1方向(X)に延び且つ第2方向(Y)に隣り合う2つの接続要素54b,54cにそれぞれ形成された2つの断線箇所56b、56cを結ぶ仮想直線L3は、当該2つの接続要素54b,54cと分岐点52を共有するすべての他の接続要素(54d,54e,54f,54g,54h,54i,54j,54k,54m,54n)と非平行となっている。これにより、第1方向(X)に延び且つ第2方向(Y)に隣り合う2つの接続要素にそれぞれ形成された2つの断線箇所を結ぶ仮想直線が、当該2つの接続要素と分岐点を共有するいずれかの他の接続要素、とりわけ第2方向(Y)に延びる接続要素、と平行となっている場合と比較して、隣接する2つの断線箇所56b、56cの間隔が広くなる。これにより、隣接する2つの断線箇所56b、56cを通るエッチング液の流れの速さをさらに適切に制御して、隣接する複数の断線箇所56を有する領域におけるエッチングの進行を抑え、断線箇所56周辺の接続要素54が細くなることをさらに防止することができる。これにより、隣接する複数の断線箇所を有する領域とそれ以外の領域との間で生じる濃淡むらを、より効果的に抑制することが可能となる。
この例においては、検出電極をなす第1電極42および第2電極44を用いて、外部導体がタッチパネルセンサ30に接近した際に生じる静電容量の変化を検知する。すなわち、外部導体がタッチパネルセンサ30に接近すると、接近した箇所に対応する第1電極42と第2電極44との間の静電容量が変化する。したがって、静電容量が変化した第1電極42および第2電極44を特定することで、タッチパネルセンサ30における、外部導体が接近した位置を特定することができる。
次に、パターン導電体40の一部をなすダミー電極48について説明する。図2、図6、図9、図10および図13に示された例では、透明基材シート32上の表示領域A3内に、複数のダミー電極48が第1方向(X)に沿って配列されている。図6、図9、図10および図13に示されているように、ダミー電極48は、格子配列状の規則的なメッシュパターンを有する基準パターン50に、ダミー電極48が形成される領域の輪郭に沿って、断線箇所56を設けることによって形成される。そして、このダミー電極48が形成された領域がダミー領域A3bをなしている。したがって、表示領域A3は、パターン導電体40の検出電極(第1電極42および第2電極44)および検出電極に接続された配線(第1配線46および第2配線47)を含む検出領域A3aと、検出電極または配線と断線箇所56を介して離間したパターン導電体40のダミー電極48が配置されたダミー領域A3bと、に断線箇所56を介して区画されている。
図6、図9、図10および図13に示された例では、ダミー領域A3bの内部にも、多数の断線箇所56が設けられている。これにより、ダミー領域A3bの内部に断線箇所56が設けられていない場合と比較して、ダミー領域A3bが全体として黒く(暗く)見えてしまうことを防止できる。したがって、隣接する各検出電極および配線の間に多数の断線箇所56が形成された検出領域A3aと、ダミー領域A3bとの間で生じる濃淡むらを効果的に抑制することができる。
また、図6、図9、図10および図13に示された例では、隣接する3以上の断線箇所56が一直線上に並ぶことがないように、複数の断線箇所56が配置されている。言い換えると、隣接する3以上の断線箇所56の少なくとも1つは、他の2以上の断線箇所56を結ぶ仮想直線からずれた位置に配置されている。これにより、隣接する3以上の断線箇所56を通るエッチング液の流れの速さを抑え、隣接する複数の断線箇所56を有する領域におけるエッチングの進行を適切に制御して、断線箇所56周辺の接続要素54が細くなることを防止することができる。したがって、隣接する複数の断線箇所56を有する領域とそれ以外の領域との間で生じる濃淡むらを効果的に抑制することが可能となる。
次に、パターン導電体40の断面形状について説明する。図3は、厚さ方向に沿った断面において、タッチパネルセンサ30が示されている。ここで厚さ方向とは、シート状(フィルム状、板状、パネル状)からなるタッチパネルセンサ30のシート面(フィルム面、板面、パネル面)への法線方向に沿った断面のことを指す。ここで、シート面(フィルム面、板面、パネル面)とは、対象となるシート状(フィルム状、板状、パネル状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指している。そして、本実施の形態においては、透明基材シート32が一対の主面を有するシート状の形状を有している。したがって、本実施の形態では、厚さ方向に沿った断面とは、透明基材シート32の面への法線方向に沿った断面と一致する。
図3に示すように、透明基材シート32上に、パターン導電体40が形成されている。パターン導電体40は、透明基材シート32上に設けられた導電性金属層60と、導電性金属層60上に設けられた暗色層61とを含んでいる。言い換えると、暗色層61は、パターン導電体40を構成する接続要素54の長手方向に直交する断面において導電性金属層60を上側、すなわち透明基材シート32とは反対の側から覆っている。
ここで導電性金属層60は、高導電率を有した金属材料を用いて形成された層であり、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、および、これらの合金の一以上からなる層である。なお、導電性金属層60は、単層である必要はなく、異なる材料または同一の材料からなる複数の層として構成されていてもよい。
金属材料からなる導電性金属層60は、優れた導電率を有する反面、比較的高い反射率を呈する。そして、タッチパネルセンサ30のパターン導電体40をなす導電性金属層60によって外光が反射されると、タッチパネル装置20の表示領域A3を介して観察される画像表示機構12の画像コントラストが低下してしまう。そこで、暗色層61が、導電性金属層60の観察者側に配置されている。この暗色層61によって、画像のコントラストを向上させ、画像表示機構12によって表示される画像の視認性を改善することができる。すなわち、暗色層61は、黒色等の暗色の層であり、隣接する導電性金属層60よりも低反射率の層である。なお、暗色層61は、導電性金属層60の上面だけでなく、導電性金属層60の両側面にも形成することができる。この場合、傾斜した方向からの外光の反射も効果的に防止できる。
暗色層61としては、種々の既知の層を用いることができる。導電性金属層60をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電性金属層60をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる暗色層61を形成してもよい。また、暗色材料の塗膜や、ニッケルやクロム等のめっき層等のように、導電性金属層60上に暗色層61を設けるようにしてもよい。また、ここで用いる暗色層61とは、暗色化(黒化)された層のみでなく、粗化された層も含む。なお、第1配線46および第2配線47における、非表示領域A4内に配置されている部分には、必ずしも暗色層61を設けなくてもよい。
このような構成からなるパターン導電体40において、接続要素54の幅(最大幅)W、すなわち透明基材シート32のシート面に沿った幅(最大幅)Wを1μm以上5μm以下とし、且つ、高さ(厚さ)H、すなわち、透明基材シート32のシート面への法線方向に沿った高さ(厚さ)Hを0.1μm以上3μm以下とすることが好ましい。このような寸法のパターン導電体40によれば、その接続要素54が十分に細線化されているので、パターン導電体40をなす、第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48を極めて効果的に不可視化することができる。同時に、断面形状において十分な高さを有するようになり、すなわち、接続要素54の断面形状のアスペクト比(H/W)が十分に大きくなり、高い導電性を有するようになる。
次に、図15〜20を参照して、タッチパネルセンサ30の製造方法の一例について説明する。図15〜20は、タッチパネルセンサ30の製造方法の一例を順に示す断面図である。
まず、図15に示すように、透明基材シート32を準備する。透明基材シート32は、例えばガラスや樹脂の板、シートまたはフィルムである。
次に、図16に示すように、透明基材シート32上に導電性金属層60を形成する。導電性金属層60は、上述したように、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、および、これらの合金の一以上からなる層である。導電性金属層60は、公知の方法で形成され得る。例えば、銅箔等の金属箔を貼着する方法、電解めっきおよび無電解めっきを含むめっき法、スパッタリング法、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、またはこれらの2以上を組み合わせた方法を採用することができる。
次に、図17に示すように、導電性金属層60上に暗色層61を形成する。暗色層61は、例えば導電性金属層60をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電性金属層60をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる暗色層61を形成することができる。また、暗色材料の塗膜や、ニッケルやクロム等のめっき層等のように、導電性金属層60上に暗色層61を設けるようにしてもよい。また、導電性金属層60の表面を粗化して暗色層61を設けるようにしてもよい。
次に、図18に示すように、暗色層61にレジストパターン62を形成する。最終的にパターン導電体40をなす、第1電極42、第2電極44、第1配線46、第2配線47およびダミー電極48となる箇所、および端子部49となる箇所の上にのみ、レジストパターン62が形成されるようにする。このレジストパターン62は、公知のフォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより形成することができる。
次に、図19に示すように、レジストパターン62をマスクとして、導電性金属層60をエッチングする。このエッチングにより、導電性金属層60がレジストパターン62と略同一のパターンにパターニングされる。エッチング方法は特に限られることはなく、公知の方法が採用できる。公知の方法としては、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが挙げられる。
ここで、エッチング液を用いるウェットエッチングにより導電性金属層60のパターニングを行う場合、基準パターン50に形成される上述の断線箇所56が3以上直線状に並んだパターン導電体40を作製しようとすると、この直線状に並ぶ複数の断線箇所56を通るエッチング液の流れが他の部分を通るエッチング液の流れに比べて速くなり、すなわち直線状に並んだ複数の断線箇所56を有する領域では、その他の領域に比べてエッチングが大きく進行し、断線箇所56周辺の導線が細くなる。これにより、直線状に並んだ複数の断線箇所56を有する領域とそれ以外の領域との間で濃淡むらを生じる問題がある。
一方、図6、図10および図14に示された例では、隣接する3以上の断線箇所56の少なくとも1つは、他の2以上の断線箇所56を結ぶ仮想直線からずれた位置に配置されているので、隣接する3以上の断線箇所56が一直線上に並ぶことがない。これにより、隣接する3以上の断線箇所56を通るエッチング液の流れの速さを抑え、隣接する複数の断線箇所56を有する領域におけるエッチングの進行を適切に制御して、断線箇所56周辺の接続要素54が細くなることを防止することができる。したがって、隣接する複数の断線箇所を有する領域とそれ以外の領域との間で生じる濃淡むらを効果的に抑制することが可能となる。
最後に、図20に示すように、レジストパターン62を除去する。これにより、透明基材シート32上に、パターニングされた導電性金属層60によって形成されたパターン導電体40および端子部49を有するタッチパネルセンサ30を得ることができる。
なお、上記では導電性金属層60をエッチングしてパターニングする、いわゆるサブトラクト法により各金属導線を形成する例を示したが、この方法に限らず、アディティブ法やセミアディティブ法を用いて各金属導線を形成してもよい。
以上のように、本実施の形態によるタッチパネルセンサ30は、透明基材シート32と、透明基材シート32に支持されたパターン導電体40と、を備え、パターン導電体40は、第1方向(X)に配列された複数の第1電極42と、各第1電極42に対応して設けられ、対応する第1電極42と接続された複数の第1配線46と、第1方向(X)とは非平行な第2方向(Y)に配列された複数の第2電極44と、各第2電極44に対応して設けられ、対応する第2電極44と接続された複数の第2配線47と、を有し、各第1電極42は、当該第1電極42に対応する第1配線46に接続され、第2方向(Y)に配列された複数の第1検出部43を有し、各第1検出部43は、第1配線46から延び出た第1幹要素43aと、第1幹要素43aから延び出た複数の第1枝要素43bと、を有し、各第2電極44は、当該第2電極44に対応する第2配線47に接続され、第1方向(X)に配列された複数の第2検出部45を有し、各第2検出部45は、第2配線47から延び出た第2幹要素45aと、第2幹要素45aから延び出た複数の第2枝要素45bと、を有するので、パターン導電体40をなす、第1電極42、第2電極44、第1配線46および第2配線47の間に形成された間隙の存在、とりわけ直線状等の単純な形状に形成された間隙に起因して濃淡のむらが視認されることを、効果的に防止することができる。
また、本実施の形態によるタッチパネルセンサ30は、画像光が透過する表示領域A3と、表示領域A3に隣接する非表示領域A4と、を含み、透明基材シート32と、透明基材シート32に支持され、基準パターン50に断線箇所56を設けてなるパターンを有するパターン導電体40と、を備え、表示領域A3は、位置検出に用いられるパターン導電体40の検出電極42,44および検出電極42,44に接続された配線46,47を含む検出領域A3aと、検出電極42,44または配線46,47と断線箇所56を介して離間したパターン導電体40のダミー電極48が配置されたダミー領域A3bと、に断線箇所56を介して区画され、ダミー領域A3bの内部に、断線箇所56が設けられているので、ダミー領域A3bの内部に断線箇所56が設けられていない場合と比較して、ダミー領域A3bが全体として黒く(暗く)見えてしまうことを防止できる。したがって、隣接する各検出電極および配線の間に多数の断線箇所56が形成された検出領域A3aと、ダミー領域A3bとの間で生じる濃淡むらを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によるタッチパネルセンサ30は、画像光が透過する表示領域A3と、表示領域A3に隣接する非表示領域A4と、を含み、透明基材シート32と、透明基材シート32に支持されたパターン導電体40と、を備え、パターン導電体40は、分岐点52から延び出した複数の接続要素54を含み且つ複数の接続要素54によって開口58を画成する基準パターン50に断線箇所56を設けてなるパターンを有し、基準パターン50の、一方向に連続して配列され、当該一方向に非平行な方向に延びる3以上の接続要素54にそれぞれ形成された3以上の断線箇所56の少なくとも1つは、他の2以上の断線箇所56を結ぶ仮想直線からずれた位置に配置されているので、隣接する3以上の断線箇所56が一直線上に並ぶことがない。これにより、隣接する3以上の断線箇所56を通るエッチング液の流れの速さを抑え、隣接する複数の断線箇所56を有する領域におけるエッチングの進行を適切に制御して、断線箇所56周辺の接続要素54が細くなることを防止することができる。したがって、隣接する複数の断線箇所を有する領域とそれ以外の領域との間で生じる濃淡むらを効果的に抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
上述した実施の形態では、基準パターン50を、格子配列状の規則的なメッシュパターンを有しているものとしたが、これに限られず、格子配列以外の規則的なメッシュパターンを有していてもよいし、不規則的なメッシュパターンを有していてもよい。例えば、ハニカム状等の規則的なメッシュパターンや、ボロノイメッシュのような不規則的なメッシュパターンでもよい。また、上述した実施の形態では、基準パターン50をなす各接続要素54が、それぞれ1本の直線で構成されるものを示したが、これに限られず、各接続要素54が曲線や折れ線で構成されていてもよい。さらに、直線で構成された接続要素54、曲線で構成された接続要素54、折れ線で構成された接続要素54、の2種類以上が混在していてもよい。
上述した実施の形態では、各接続要素54の中間部、すなわち端部以外の部分に断線箇所56を形成した、言い換えると、1つの接続要素54を断線箇所56aで分断して1つの接続要素54から2つの小枝要素43c,45cを形成したが、これに限られず、各接続要素54の端部に断線箇所56を形成し、1つの接続要素54から1つの小枝要素43cまたは45cが形成されるようにしてもよい。
上述した実施の形態では、配線(46,47)および幹要素(43a,45a)が、それぞれ引出導線(46a,47a)または幹導線(43a1,45a1)を2本備えたものを示したが、これに限られず、配線(46,47)および幹要素(43a,45a)が、それぞれ引出導線(46a,47a)または幹導線(43a1,45a1)を3本以上備えていてもよい。
また、枝要素(43b,45b)や小枝要素(43c,45c)が、それぞれ複数の導線を備えるようにしてもよいし、この場合、さらに複数の導線を備える枝要素(43b,45b)や小枝要素(43c,45c)の当該複数の導線を連結する1以上の連結導線を備えるようにしてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。