JP6277839B2 - 太陽電池封止材およびこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
[1]下記(A)、(B−1)および(B−2)を含有する接着層を最外層に1層以上有し、かつ下記条件(i)を満たすことを特徴とする、太陽電池封止材、
(A)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃未満のポリオレフィン系樹脂
(B−1)シラン変性ポリオレフィン系樹脂
(B−2)エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂
(i)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)が1.5〜30J/g
[2]上記(B−1)が、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有することを特徴とする、[1]に記載の太陽電池封止材、
[3]上記(B−2)が、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のエポキシ変性ポリエチレン系樹脂を含有することを特徴とする、[1]または[2]に記載の太陽電池封止材、
[4]上記接着層が更に下記(C)を含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽電池封止材、
(C)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂
[5]更に上記接着層以外の層を有し、該接着層以外の層が、下記(D)および(E)を含有し、下記条件(ii)を満たすことを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池封止材、
(D)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃未満のポリオレフィン系樹脂
(E)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂
(ii)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)が1.5〜30J/g
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の太陽電池封止材を用いた太陽電池モジュール。
本明細書において、「主成分」とは、本発明の封止材の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。更に、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、構成成分全体の50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
本発明の太陽電池封止材は、下記(A)、(B−1)および(B−2)を含有する接着層を1層以上有し、条件(i)を満たす。
(A)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点90℃未満のポリオレフィン系樹脂
(B−1)シラン変性ポリオレフィン系樹脂
(B−2)エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂
条件(i)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)が1.5〜30J/g
(A)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点90℃未満のポリオレフィン系樹脂
本発明に用いられる(A)の種類は、融点が90℃未満であれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー等の1種または2種以上を主成分とすることが好ましい。中でも、柔軟性、耐候性、透明性に優れる点から、ポリエチレン系樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレン/α−オレフィン共重合体)などが挙げられる。これらの中でも、結晶性が低く、光透過率および柔軟性に優れる観点からエチレン/α−オレフィン共重合体が好ましく、該共重合体の中でも、エチレン/α−オレフィンランダム共重合体がより好ましい。本発明に用いられる(A)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、エチレンと共重合するα−オレフィン由来の単量体単位の含有量は、エチレン/α−オレフィン共重合体の融点が90℃未満であることを確保できれば、特に限定されるものではないが、エチレン/α−オレフィン共重合体を構成する全単量体単位を100質量%とした場合、5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることがさらに好ましい。α−オレフィン由来の単量体単位の含有量が5質量%以上であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより、透明性(例えば、全光線透過率など)が向上するとともに、融点を下げることができる。また、α−オレフィン由来の単量体単位の含有量が50質量%以下であれば、全ての材料を混合してペレットを作製する場合には、原料ペレットのブロッキングの発生等が抑制されるため好ましい。なお、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類および含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)測定装置、その他の機器分析装置で分析することができる。
また、本発明に用いられる(A)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、透明性や柔軟性を良好にする観点から、1.0J/g以下であることが好ましく、0.1J/g以下であることがより好ましく、0.01J/g以下であることがさらに好ましい。なお、90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、実施例に記載する方法で測定することができる。
公知の重合方法としては、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒、並びにメタロセン系触媒およびポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等が挙げられ、さらには、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
本発明に用いられる(A)は、比較的軟質の樹脂であることが好ましいが、その一方で、原料ペレットのブロッキングを抑制できることが好ましい。このため、(A)は、低分子量の成分が少なく分子量分布の狭い樹脂が得られるシングルサイト触媒を用いて製造することが好ましい。
なお、(A)には、シラン変性ポリオレフィン系樹脂や、エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂は含まれないものとする。
(B−1)の種類は、特に限定されないが、柔軟性や相溶性の観点から、少なくともエチレン由来の単量体単位と、1種以上のエチレン性不飽和シラン化合物由来の単量体単位を含有する共重合体である、シラン変性ポリエチレン系樹脂を主成分として含有するのが好ましい。なお、エチレン性不飽和シラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランなどが挙げられる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂、エチレン性不飽和シラン化合物およびラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。また、本発明に用いられるシラン変性ポリエチレン系樹脂中のエチレン性不飽和シラン化合物由来の単量体単位の含有量は、特に限定されるものではないが、接着性を良好にするために、シラン変性ポリエチレン系樹脂を構成する全単量体単位を100質量%とした場合、0.05質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましい。また、原料ペレットのブロッキング防止等の観点から、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−1)中のエチレン性不飽和シラン化合物量は、0.05〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることがさらに好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂を構成する各種単量体単位の種類と含有量は、周知の方法、例えば、NMR測定装置、その他の機器分析装置で分析することができる。本発明に用いられる(B−1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いられる(B−1−1)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点は、90℃未満であれば特に限定されないが、透明性や柔軟性を良好にする観点から、85℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがさらに好ましい。また、封止材のブロッキング防止等の観点から、40℃以上であることが好ましく、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−1−1)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点の範囲は、45℃〜85℃が好ましく、50℃〜80℃がより好ましい。
本発明に用いられる(B−1−2)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点は、90℃以上であれば特に限定されないが、耐熱性の観点から、100℃以上であることがより好ましく、110℃以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性や透明性の観点から、160℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−1−2)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点の範囲は、100℃〜150℃がより好ましく、110℃〜140℃がさらに好ましい。
また、より高い耐熱性を確保する観点から、90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、10J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、30J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧90℃は、130J/g以下であることが好ましく、110J/g以下であることがより好ましく、100J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−1−2)の示差走査熱量測定における90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)の範囲は、10〜130J/gであることが好ましく、20〜110J/gであることがより好ましく、30〜100J/gであることがさらに好ましい。
また、120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)は、5J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、15J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧120℃は、100J/g以下であることが好ましく、50J/g以下であることがより好ましく、45J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−1−2)の示差走査熱量測定における120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)の範囲は、5〜100J/gであることが好ましく、10〜50J/gであることがより好ましく、15〜45J/gであることがさらに好ましい。
なお、ある温度(90℃や120℃)以上の結晶融解熱量は、実施例に記載する方法で測定することができる。
本発明に用いられる(B−2)の種類は、特に限定されないが、柔軟性や相溶性の観点から、少なくともエチレン由来の単量体単位と、1種以上のエポキシ基含有オレフィン由来の単量体単位を含有する共重合体である、エポキシ変性ポリエチレン系樹脂を主成分として含有するのが好ましい。なお、エポキシ基含有オレフィンとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどが挙げられる。エポキシ変性ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、エチレンにエポキシ基含有オレフィンを共重合することで、製造することができる。また、本発明に用いられるエポキシ変性ポリエチレン系樹脂中のエポキシ基含有オレフィン由来の単量体単位の含有量は、特に限定されるものではないが、接着性を良好にするために、エポキシ変性ポリエチレン系樹脂を構成する全単量体単位を100質量%とした場合0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、1.2質量%以上であることが更に好ましい。また、原料ペレットのブロッキング防止等の観点から、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−2)中のポキシ基含有オレフィン由来の単量体単位の含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、1.2〜20質量%であることがさらに好ましい。エポキシ変性ポリエチレン系樹脂の各種単量体単位の種類と含有量は、周知の方法、例えば、NMR測定装置、その他の機器分析装置で分析することができる。本発明に用いられる(B−2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いられる(B−2−1)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点は、90℃未満であれば特に限定されないが、透明性や柔軟性を良好にする観点から、85℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがさらに好ましい。また、封止材のブロッキング防止等の観点から、40℃以上であることが好ましく、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−2−1)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点の範囲は、45〜85℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
本発明に用いられる(B−2−2)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点は、90℃以上であれば特に限定されないが、耐熱性の観点から100℃以上がより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性や透明性の観点から、160℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−2−2)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点の範囲は、100℃〜150℃がより好ましく、105℃〜140℃がさらに好ましい。
なお、本発明に用いられる(B−2−2)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量の範囲は、90〜160J/gであることが好ましく、100〜150J/gであることがより好ましく、105〜140J/gであることがさらに好ましい。
また、より高い耐熱性を確保する観点から、90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、10J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、30J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧90℃は、130J/g以下であることが好ましく、110J/g以下であることがより好ましく、100J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(B−2−2)の示差走査熱量測定における90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)の範囲は、10〜130J/gであることが好ましく、20〜110J/gであることがより好ましく、30〜100J/gであることがさらに好ましい。
また、120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)は、5J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、15J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧120℃は、100J/g以下であることが好ましく、50J/g以下であることがより好ましく、45J/g以下であることがさらに好ましい。ある温度(90℃や120℃)以上の結晶融解熱量は、実施例に記載する方法で測定することができる。なお、本発明に用いられる(B−2−2)の示差走査熱量測定における120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)の範囲は、5〜100J/gであることが好ましく、10〜50J/gであることがより好ましく、15〜45J/gであることがさらに好ましい。
本発明の太陽電池封止材の接着層における(A)、(B−1)及び(B−2)の含有量は、接着性およびコストの観点から、接着層中、(A)40〜98質量%、(B−1)1〜50質量%及び(B−2)1〜50質量%であるのが好ましく、(A)50〜95質量%、(B−1)2.5〜40質量%及び(B−2)2.5〜40質量%であるのがより好ましく、(A)60〜90質量%、(B−1)5〜30質量%及び(B−2)5〜30質量%であるのがさらに好ましい。
本発明に用いられる(C)は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のもので、シラン変性やエポキシ変性がされていないものであれば、特に限定されるものではない。たとえば、低密度ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが挙げられる。なかでも、柔軟性および耐熱性を両立しやすい観点から、(C−1)エチレン/α−オレフィンブロック共重合体、および(C−2)エチレン/α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。なお、(C−1)エチレン/α−オレフィンブロック共重合体および(C−2)エチレン/α−オレフィンランダム共重合体の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点は、耐熱性の観点から100℃以上であることがより好ましく、110℃以上であることがさらに好ましい。また、柔軟性や透明性の観点から、160℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(C−1)および(C−2)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点の範囲は、100℃〜150℃がより好ましく、110℃〜140℃がさらに好ましい。
ここで、太陽電池封止材の透明性を最も重視する際には(C−1)エチレン/α−オレフィンブロック共重合体を使用するのが好ましく、コストを最も重視する際には(C−2)エチレン/α−オレフィンランダム共重合体を使用することが好ましい。なお、本発明に用いられる(C)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における(C)の含有量は、耐熱性と透明性との両立の観点から、接着層中、0〜30質量%が好ましく、0〜20質量%が好ましく、0〜10質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられる(C−1)において、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、通常、炭素数が3〜20のものが好適に用いられ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手のしやすさ、諸特性(柔軟性、耐熱性、透明性、耐衝撃性)、経済性等の観点から、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適である。α−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなエチレン/α−オレフィンブロック共重合体は、非晶性のソフトセグメントと、高結晶性のハードセグメントとが混在することにより、融点を高くして耐熱性を良好にしつつ、柔軟性を付与できる点で好適である。
また、より高い耐熱性を確保する観点から、90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、10J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、30J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧90℃は、90J/g以下であることが好ましく、80J/g以下であることがより好ましく、60J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(C−1)の90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)の範囲は、10〜90J/gであることが好ましく、20〜80J/gであることがより好ましく、30〜60J/gであることがさらに好ましい。
また、120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)は、5J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、15J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧120℃は、80J/g以下であることが好ましく、50J/g以下であることがより好ましく、45J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(C−1)の120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)の範囲は、5〜80J/gであることが好ましく、10〜50J/gであることがより好ましく、15〜45J/gであることがさらに好ましい。
本発明に用いられる(C−2)において、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、通常、炭素数が3〜20のものが好適に用いられ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手のしやすさ、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンが好ましい。エチレンと共重合するα−オレフィンは、1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、より高い耐熱性を確保する観点から、90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、10J/g以上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、30J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧90℃は、130J/g以下であることが好ましく、110J/g以下であることがより好ましく、100J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(C−2)の90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)の範囲は、10〜130J/gであることが好ましく、20〜110J/gであることがより好ましく、30〜100J/gであることがさらに好ましい。
また、120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)は、5J/g以上が好ましく、10J/g以上がより好ましく、15J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧120℃は、100J/g以下であることが好ましく、50J/g以下であることがより好ましく、45J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明に用いられる(C−2)の120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)の範囲は、5〜100J/gであることが好ましく、10〜50J/gであることがより好ましく、15〜45J/gであることがさらに好ましい。
本発明の太陽電池封止材における接着層の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量は、本発明の太陽電池封止材が条件(i)を満たせば特に制限されないが、透明性や柔軟性を良好にする観点から、100J/g以下であることが好ましく、90J/g以下であることがより好ましく、80J/g以下であることがさらに好ましい。結晶融解熱量を該範囲内にするため、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃未満の成分(前述した(A)、(B−1−1)、および(B−2−1))の含有量の合計が、接着層中60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましい。また、ハンドリング性やブロッキング抑制の観点から、接着層の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量は、10J/g以上であることが好ましく、20J/g以上であることがより好ましく、30J/g以上であることがさらに好ましい。なお、本発明の太陽電池封止材における接着層の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量の範囲は、10〜100J/gであることが好ましく、20〜90J/gであることがより好ましく、30〜80J/gであることがさらに好ましい。
これは、接着層を構成する成分の種類や含有量等により調整できる。
また、より高い耐熱性の観点から、接着層の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)は、0.01J/g以上が好ましく、0.1J/g以上がより好ましく、0.4J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧120℃は、20.0J/g以下であることが好ましく、10.0J/g以下であることがより好ましく、5.0J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明の太陽電池封止材における接着層のΔH≧120℃の範囲は、0.01〜20.0J/gであることが好ましく、0.1〜10.0J/gであることがより好ましく、0.4〜5.0J/gであることがさらに好ましい。
なお、ΔH≧90℃およびΔH≧120℃は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上の成分(前述した(B−1−2)、(B−2−2)、および(C))の種類や含有量により調整できる。融点が90℃以上の成分の含有量の合計は、結晶融解熱量を上記範囲内にするため、接着層中、1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましい。また、透明性やコストの観点から、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。なお、融点が90℃以上の成分の含有量の合計の範囲は、1〜40質量%であることが好ましく、1.5〜30質量%であることがより好ましく、2〜25質量%であることがさらに好ましい。
本発明の太陽電池封止材は、(i)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)が1.5〜30J/gを満たすものである。該結晶融解熱量(ΔH≧90℃)は、耐熱性の観点から、2.0J/g以上がより好ましく、3.0J/g以上がさらに好ましい。また、透明性の観点から、20.0J/g以下であることがより好ましく、10.0J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本発明の太陽電池封止材のΔH≧90℃は、2.0〜20.0J/gであることが好ましく、3.0〜10.0J/gであることがより好ましい。
本発明の太陽電池封止材は、上述した接着層1層以上からなる、接着層のみの構成であってもよいし、上述した接着層を最外層に1層以上積層した、接着層と接着層以外の層との積層構成であってもよい。なお、コストや生産性の観点から、接着層を両最外層(表裏層)とした3層以上の積層構成とすることが好ましい。
結晶融解熱量を該範囲内にするため、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃未満の成分(前述した(D))の含有量が、本層中、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましい。
これは、本層を構成する成分の種類や含有量等により調整できる。
また、より高い耐熱性の観点から、本層の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される120℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧120℃)は、0.01J/g以上が好ましく、0.1J/g以上がより好ましく、0.4J/g以上がさらに好ましい。また透明性の観点から、ΔH≧120℃は、20.0J/g以下であることが好ましく、10.0J/g以下であることがより好ましく、5.0J/g以下であることがさらに好ましい。なお、本層のΔH≧120℃の範囲は、0.01〜20.0J/gであることが好ましく、0.1〜10.0J/gであることがより好ましく、0.4〜5.0J/gであることがさらに好ましい。
なお、ΔH≧90℃およびΔH≧120℃は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上の成分(前述した(E))の種類や含有量により調整できる。なお、融点が90℃以上の成分の含有量の合計は、結晶融解熱量を上記範囲内にするため、本層中、1質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることがさらに好ましい。また、透明性やコストの観点から、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。なお、融点が90℃以上の成分の含有量の合計の範囲は、本層中、1〜40質量%であることが好ましく、1.5〜30質量%であることがより好ましく、2〜25質量%であることがさらに好ましい。
また、粘着付与樹脂は、主に分子量により種々の軟化温度を有するものが得られるが、上述のポリオレフィン系樹脂と混合した場合の相溶性、経時的なブリード性、色調または熱安定性等の観点から、軟化温度が100〜150℃の脂環式石油樹脂の水素添加誘導体を用いることが好ましい。前記軟化温度は、120〜140℃であることがより好ましい。粘着付与樹脂の含有量は、封止材の各層を構成する全樹脂の合計量の20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
モノフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ]5,5−ウンデカン等が挙げられる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール(ビタミンE)等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート等が挙げられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノおよび/またはジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
なお、ΔH≧90℃およびΔH≧120℃は、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上の成分(前述した(B−1−2)、(B−2−2)、(C)、(E))の種類や含有量により調整できる。融点が90℃以上の成分の含有量の合計は、結晶融解熱量を上記範囲内にするため、封止材中、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。また、透明性やコストの観点から、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。なお、融点が90℃以上の成分の含有量の合計の範囲は、封止材中、1〜40質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、3〜25質量%であることがさらに好ましい。
これは、太陽電池封止材を構成する成分の種類や含有量等により調整できる。
メルトフローレートは、太陽電池封止材を構成する成分の種類や含有量により調整できる。
本発明の太陽電池封止材は、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等の溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法、カレンダー法およびインフレーション法等の方法で製造することができる。本発明においては、ハンドリング性や生産性等の面からTダイを用いる押出キャスト法が好適に用いられる。
また、封止材が多層構造である場合は、押出機を用いて多層Tダイにより共押出キャストすることにより製造できる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね130〜300℃、好ましくは、150〜250℃である。
本発明の太陽電池封止材の厚みは特に限定されるものではないが、0.03〜1mmであることが好ましく、0.05〜0.7mmであることがより好ましく、0.10〜0.5mmであることがさらに好ましい。
本発明の太陽電池封止材の片面または両面には、ブロッキング防止等のためにエンボス加工が施されていることが好ましい。
本発明の太陽電池封止材を用いた太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができ、具体的には、上部保護材(フロントシート)/本発明の封止材/太陽電池素子/本発明の封止材/下部保護材(バックシート)の構成のもの、下部保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に本発明の封止材と上部保護材とを形成した構成のもの、上部保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作製したものの上に、本発明の封止材と下部保護材とを形成した構成のもの等を挙げることができる。また、太陽電池モジュールは、通常は、下部保護材の外面に、ジャンクションボックス(太陽電池セルから発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接続されている。より詳しくは、下部保護材に設けられた貫通孔に配線が通され、該配線により太陽電池セルとジャンクションボックスとが連結され、太陽電池セルの発電電流が外部に電導される。
上述した本発明の太陽電池モジュールは、例えば、上部保護材、封止材、太陽電池セル、封止材および下部保護材の順に積層する工程(工程1)と、該工程後に真空吸引して加熱圧着する工程(工程2)により製造することができる。また、本発明の太陽電池モジュールを製造するにあたり、バッチ式の製造設備やロール・トゥ・ロール式の製造設備等も適用することができる。
工程2では、真空ラミネーターを用い、以下の条件で行うことが好ましい。
温度:120〜180℃(より好ましくは125〜160℃、さらに好ましくは130℃〜150℃)
脱気時間:1〜15分(より好ましくは2〜10分、さらに好ましくは3〜8分)
プレス圧力:0.5〜1atm
プレス時間:1〜45分(より好ましくは2〜40分、さらに好ましくは3〜30分)
示差走査熱量計((株)パーキンエルマー社製、商品名:Pyris1 DSC)を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから融点(℃)を求めた。
(結晶融解熱量(ΔH))
示差走査熱量計((株)パーキンエルマー社製、商品名:Pyris1 DSC)を用いて、JIS K7122に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解熱量(J/g)、90℃以上の結晶融解熱量(J/g)、および120℃以上の結晶融解熱量(J/g)を求めた。
なお、あるX℃以上の結晶融解熱量は、X℃以上の融解ピーク面積から算出される。X℃以上の結晶融解熱量の計算方法について、図1を参照して説明する。
図1には3種類の計算方法(図1(1)融解ピーク温度>X℃の場合;図1(2)融解ピーク温度≒X℃の場合;図1(3)融解ピーク温度<X℃の場合)を示している。X℃以上の結晶融解熱量は、図1に示すサーモグラムにおける斜線の部分から計算される。
(メルトフローレート(MFR))
JISK7210に準じて、190℃、荷重21.18NにてMFR(g/10min)を測定した。
(密度)
JISK7112に準じて、密度勾配管法により密度を測定した。
(透明電極(ZnO)との接着性評価)
透明電極つきガラス(ジオマテック社製、10cm×10cm×1.1mm厚み)を15cm×15cm×3mm厚みのガラス板で裏打ちし、これの透明電極側に、実施例および比較例で作製した太陽電池封止材を乗せ、その上にバックシート(Covime社製、商品名:dyMat PYE、総厚295μm、積層構成EVA/EVA(白;酸化チタン含有)/EVA/PET/PET(白;硫酸バリウム含有))を乗せて、150℃10分(内訳、真空引き:5分、プレス:5分)の条件で真空プレスして試料を作製した。なお、このとき、剥離試験時の持ち手部分を作るためにZnOと封止材との間の一部に離型PETフィルムを挟んだ。次に、引張試験機(INTESCO社製、製品名:200X型試験機)を用いて、剥離角度180°、剥離速度50mm/分の条件で剥離試験を行った。剥離試験での最大検出荷重より、接着性を以下の基準で評価した。
(○)最大検出荷重が50N/cm以上
(×)最大検出荷重が50N/cm未満
また、上記評価で(○)になった試料に関しては、85℃85%Rhの恒温恒湿槽内に200時間静置後(ダンプヒート試験200時間後)、再度剥離試験を行い、接着性を評価した。
(ガラスとの接着性評価)
15cm×15cm×3mm厚みのエンボスガラス(旭硝子株式会社製、商品名:ソライト(Solite))のエンボス面に、実施例および比較例で作製した太陽電池封止材を乗せ、その上にバックシート(Covime社製、商品名:dyMat PYE、総厚295μm、積層構成EVA/EVA(白;酸化チタン含有)/EVA/PET/PET(白;硫酸バリウム含有))を乗せて、150℃10分(内訳、真空引き:5分、プレス:5分)の条件で真空プレスして試料を作製した。なお、このとき、エンボスガラスと封止材との間の一部に離型PETフィルムを挟んで、剥離試験時の持ち手部分を作った。次に、引張試験機(INTESCO社製、製品名:200X型試験機)を用いて、剥離角度180°、剥離速度50mm/分の条件で剥離試験を行った。剥離試験での最大検出荷重より、接着性を以下の基準で評価した。
(○)最大検出荷重が50N/cm以上
(×)最大検出荷重が50N/cm未満
また、上記評価で(○)になった試料に関しては、85℃85%Rhの恒温恒湿槽内に200時間静置後(ダンプヒート試験200時間後)、再度剥離試験を行い、接着性を評価した。
(透明性の評価)
厚み3mmの白板ガラス(SCHOTT社製、商品名:B270、サイズ:縦75mm、横25mm)2枚の間に、実施例および比較例で作製した太陽電池封止材を重ね、真空プレス機を用いて、設定温度150℃、真空時間5分、プレス時間30秒の条件で積層プレスした試料を作製し、JISK7105に準じてヘーズメーター(日本電色工業(株)社製、商品名:NDH−5000)を用いて、全光線透過率を測定し、下記の基準で評価した。
(◎)全光線透過率が89%以上
(○)全光線透過率が86%以上89%未満
(×)全光線透過率が86%未満
(耐熱性)
真空プレス機を用いて、150℃10分(内訳、真空引き:5分、プレス:5分)の条件で、熱板側から順に厚み3mmの白板ガラス101(サイズ;縦150mm、横50mm)、カットした厚み0.45mmのシート状の封止材102(サイズ;縦75mm、横26mm)、厚み1.1mmのスライドガラス103(サイズ:縦75mm、横26mm、質量5.4g)を重ね、積層プレスした。その後スライドガラス上にステンレス板104(サイズ:縦75mm、横26mm、質量28g)を貼り合わせ、クリープ試験用サンプル(封止材にかかる荷重:1.5g/cm2)を作製した(図2(a)および図2(b)参照)。このサンプルを90℃のオーブン中で、角度90°で20時間放置し、スライドガラス103のずれた距離から、耐熱性を以下のように判断した(図2(c)参照)。
(◎)ずれた距離が1mm未満
(○)ずれた距離が1mm以上2mm未満
(×)ずれた距離が2mm以上
(ゲル分率)
実施例および比較例で得られた封止材約0.4gを、沸騰トルエン中で12時間抽出し、不溶成分の量からゲル分率を計算した。
融点90℃未満のポリオレフィン系樹脂(A):
(A)エチレン−オクテンランダム共重合体(三井化学製、商品名:タフマーH5030S、MFR:5、密度:0.870g/cm3、融点:59℃、結晶融解熱量:48J/g、90℃以上の結晶融解熱量:0J/g、オクテン含有量:32.4質量%)
シラン変性ポリオレフィン系樹脂(B−1):
(B−1−1)シラン変性エチレン−プロピレン−ヘキセン共重合体(三菱化学製、商品名:リンクロンSS732N、MFR:13、密度:0.885g/cm3、融点:60℃、結晶融解熱量:40J/g、プロピレン含有量:12質量%、ヘキセン含有量:8質量%、)
(B−1−2)シラン変性エチレン−ブテンランダム共重合体(三菱化学製、商品名:リンクロンXLE815N、MFR:0.5、密度:0.915g/cm3、融点:120℃、結晶融解熱量:110J/g、90℃以上の結晶融解熱量:78J/g、120℃以上の結晶融解熱量:16J/g、ブテン含有量:8質量%)
エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂(B−2):
(B−2−1)エチレン−メタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体(アルケマ社製、商品名:ロタダーGMA AX8900、MFR:6、密度:0.950g/cm3、融点:60℃、結晶融解熱量:48J/g、グリシジルメタクリレート含有量:8質量%、メタクリレート含有量:24質量%、90℃以上の結晶融解熱量:0J/g)
(B−2−2)エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(アルケマ社製、商品名:ロタダーGMA AX8840、MFR:5、密度:0.940g/cm3、融点:109℃、結晶融解熱量:105J/g、90℃以上の結晶融解熱量:50J/g、120℃以上の結晶融解熱量:0J/g、グリシジルメタクリレート含有量:8質量%)
融点90℃以上のポリオレフィン系樹脂(C):
(C−1)エチレン−オクテンマルチブロック共重合体(ダウ・ケミカル社製、商品名:Infuse9000、MFR:0.5、密度:0.875g/cm3、融点:120℃、結晶融解熱量:46J/g、90℃以上の結晶融解熱量:40J/g、120℃以上の結晶融解熱量:13J/g、オクテン含有量:30質量%)
(C−2)エチレン−ブテンランダム共重合体(プライムポリマー社製、商品名:NEOZEX0234N、MFR:2、密度:0.919g/cm3、融点:120℃、結晶融解熱量:106J/g、90℃以上の結晶融解熱量:85J/g、120℃以上の結晶融解熱量:15J/g、ブテン含有量:7質量%)
(A)80質量%、(B−1−1)5質量%、(B−1−2)5質量%、(B−2−1)10質量%の割合で混合した樹脂組成物を用いて、同方向二軸押出機を用いたTダイ法にて樹脂温180℃〜200℃で押出成形した後、25℃のキャストエンボスロールで急冷製膜し、総厚み450μmの単層の太陽電池封止材を得た。得られた封止材を用いて前述のとおり評価を行った。結果を表1に示す。
使用する樹脂組成物を表1に記載の配合に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(I)層として、(A)80質量%、(B−1−1)5質量%、(B−1−2)5質量%、(B−2−1)10質量%の割合で混合した樹脂組成物、また、(II)層として、(A)95質量%、(C−2)5質量%の割合で混合した樹脂組成物をそれぞれ用いて、(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなるように、同方向二軸押出機を用いたTダイ法にて樹脂温度180〜200℃で共押出成形した後、25℃のキャストエンボスロールで急冷製膜し、総厚み450μmの太陽電池封止材((I)層/(II)層/(I)層=45μm/360μm/45μm)を得た。得られた封止材を用いて前述のとおり評価を行った。結果を表1に示す。
使用する樹脂組成物を表1に記載の配合に変更した以外は、実施例4と同様にして封止材を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
使用する樹脂組成物を表1に記載の配合に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
102:封止材
103:スライドガラス
104:ステンレス板
Claims (6)
- 下記(A)、(B−1)および(B−2)を含有する接着層を最外層に1層以上有し、かつ下記条件(i)を満たすことを特徴とする、太陽電池封止材。
(A)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃未満のポリオレフィン系樹脂
(B−1)シラン変性ポリオレフィン系樹脂
(B−2)エポキシ変性ポリオレフィン系樹脂
(i)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)が1.5〜30J/g - 前記(B−1)が、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池封止材。
- 前記(B−2)が、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のエポキシ変性ポリエチレン系樹脂を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の太陽電池封止材。
- 前記接着層が更に下記(C)を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池封止材。
(C)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂 - 更に前記接着層以外の層を有し、該接着層以外の層が、下記(D)および(E)を含有し、下記条件(ii)を満たすことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池封止材。
(D)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃未満のポリオレフィン系樹脂
(E)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される融点が90℃以上のポリオレフィン系樹脂
(ii)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される90℃以上の結晶融解熱量(ΔH≧90℃)が1.5〜30J/g - 請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池封止材を用いた太陽電池モジュール。
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