本発明の硬貨処理機の一実施形態である貨幣入出金機を図面を参照して以下に説明する。なお、図2〜図8,図10〜図17においては、矢印X方向が、操作を行う操作員側すなわち前方(正面側)を示す。また、以下における「前」は操作員側、「後」は操作員に対し反対側であり、左右は、操作員側から見たときの左右である。
図1は、本実施形態の貨幣入出金機を含む現金処理システム1を示すものであり、この現金処理システム1は、銀行等の金融機関の窓口に設置されて二人のテラーと呼ばれる窓口操作員A,Bによって使用されるものとなっている。
現金処理システム1は、左側の操作員Aに対して専用で設けられた左側の窓口操作機2Aと、右側の操作員Bに対して専用で設けられた右側の窓口操作機2Bと、これら左右二台の窓口操作機2A,2Bにインターフェースを介して接続されこれら窓口操作機2A,2Bで制御される本実施形態の貨幣入出金機3とを有している。窓口操作機2A,2Bは、言い換えれば、一台の貨幣入出金機3を共用するこの貨幣入出金機3に対する上位機となっている。
左右の窓口操作機2A,2Bは、いずれもパーソナルコンピュータからなるもので、左側の窓口操作機2Aは、左側の操作員Aに対して設けられた左側のカウンタ4Aの上に設置され、右側の窓口操作機2Bは、右側の操作員Bに対して設けられた右側のカウンタ4Bの上に設置される。
窓口操作機2Aは、操作員Aにより操作入力が行われるキーボード、マウスおよびカードリーダ等からなる操作部(第1の操作手段)5Aと、操作員Aに対し表示を行う液晶モニタ等からなる表示部(報知手段)6Aと、操作部5Aからの指令信号に基づいて、表示部6Aの表示画面を制御し指令信号等を貨幣入出金機3に送信する本体7Aとを有している。本体7Aは、図示は略すが各部を制御する制御部と各種情報を記憶する記憶部とを備えている。
窓口操作機2Bは、操作員Bにより操作入力が行われるキーボード、マウスおよびカードリーダ等からなる操作部(第2の操作手段)5Bと、操作員Bに対し表示を行う液晶モニタ等からなる表示部(報知手段)6Bと、操作部5Bからの指令信号に基づいて、表示部6Bの表示画面を制御し指令信号等を貨幣入出金機3に送信する本体7Bとを有している。本体7Bも、図示は略すが各部を制御する制御部と各種情報を記憶する記憶部とを備えている。なお、窓口操作機2A,2Bには、それぞれ個別の識別番号が割り当てられており、本体7A,7Bには、それぞれ割り当てられた識別番号が表示されている。
貨幣入出金機3は、入出金機本体(処理機本体)10と、入出金機本体10とは別体に設けられた2つの受皿(第1の受皿)11Aおよび受皿(第2の受皿)11Bとからなっている。入出金機本体10は、左右2つのカウンタ4A,4Bの境界位置の下側に配置されている。入出金機本体10は、一台が、左右の二人の操作員A,Bによって共用して使用されるものであり、使用時には左右の二人の操作員A,Bのいずれか一人に占有使用されることになる。これに対して、一方の受皿11Aは左側の操作員Aに対して専用で設けられ、他方の受皿11Bは右側の操作員Bに対して専用で設けられている。
受皿11A,11Bは、互いに視覚的に異なっており、例えば、形状および大きさは同じとされ、一方はピンクで他方はブルー等、互いに異なる色で形成されている。図2に示すように、受皿11A,11Bには、識別表示が、例えば前端上面の識別表示部11Aa,11Baに表示されている。また、受皿11A,11Bは、個別のICタグ(被検出手段)11Ab,11Bbを後端上面にそれぞれ備えており、ICタグ11Ab,11Bbはそれぞれが他のICタグと識別可能となっている。例えば、受皿11Aの識別表示部11Aaには「左テラー用」の識別表示と窓口操作機2Aの個別の識別番号とが表示されており、受皿11AのICタグ11Abには、窓口操作機2Aの識別番号が記憶されている。受皿11Bの識別表示部11Baには「右テラー用」の識別表示と窓口操作機2Bの識別番号とが表示されており、受皿11BのICタグ11Bbには、窓口操作機2Bの識別番号が記憶されている。
貨幣入出金機3は、硬貨の入金、収納、回収および出金等、硬貨に関する各処理を行う硬貨入出金部12と、紙幣の入金、収納、回収および出金等、紙幣に関する各処理を行う紙幣入出金部13とが一体的に設けられたものである。硬貨入出金部12は、入出金機本体10における上部に配置されており、紙幣入出金部13は、入出金機本体10における中間部から下部に配置されている。なお、硬貨入出金部12および紙幣入出金部13は、入出金機本体10の前面側に引き出し可能となっている。
貨幣入出金機3には、その入出金機本体10の上面の前面側且つ左側に、左側の操作員Aにより各処理の操作が入力される操作部(第1の操作手段)14Aと、左側の操作員Aに対する表示を行う複数のランプからなる表示ランプ部(報知手段)15Aとが設けられており、入出金機本体10の上面の前面側且つ右側に、右側の操作員Bにより各処理の操作が入力される操作部(第2の操作手段)14Bと、右側の操作員Bに対する表示を行う表示ランプ部(報知手段)15Bとが設けられている。また、入出金機本体10には、右側にのみ、エラー復帰処理のガイドメニュー、処理状態および処理結果等を表示する表示パネル(報知手段)16が設けられ、左右方向の中間部に音声を発生させる音声発生部(報知手段)24が設けられている。なお、これら操作部14A,14B、表示ランプ部15A,15B、表示パネル16および音声発生部24は、硬貨入出金部12および紙幣入出金部13に対し共用とされている。
入出金機本体10の上面の左右方向の中央には、硬貨入出金部12に機外から入金硬貨を投入するための硬貨入金口17が設けられており、硬貨入金口17の上部にはスライド開閉するシャッタ17aが設けられている。硬貨入出金部12の下部すなわち紙幣入出金部13側には、入出金機本体10の前面側に開口部18aを有し入出金機本体10の奥側(後側)に向けて凹む受皿挿入口18が設けられている。この受皿挿入口18に対しては、開口部18aを介して受皿11A,11Bのうちの選択された一方のみが、前から後に向けて挿入されたり、後から前に向けて抜き取られたりする。硬貨入出金部12は、このように受皿挿入口18に挿入され受皿挿入口18における所定のセット位置に配置された状態の受皿11A,11Bに硬貨を放出することになる。受皿挿入口18は、受皿11A,11Bを二つ同時には挿入できないように開口部18aの大きさ等が設定されている。
紙幣入出金部13の硬貨入出金部12よりも前面側に突出する部分の上面には、その最も前面側の左右方向の中央に、紙幣入出金部13の内部から紙幣が送り出される紙幣出金口20が設けられるとともに、この紙幣出金口20の後に、入金する紙幣が操作員A,Bによりセットされる紙幣入金口21が設けられている。なお、紙幣出金口20には、これを開閉するシャッタ22が設けられている。ここで、紙幣入出金部13のこれら紙幣出金口20および紙幣入金口21と隣り合う側方位置には、硬貨入出金部12の一部である硬貨一括金庫23が設けられている。この硬貨一括金庫23は硬貨を収納するもので、入出金機本体10から着脱可能とされている。紙幣入出金部13の下部前面には電源スイッチ27が設けられている。
紙幣入出金部13は、紙幣入金口21にその長手方向を左右方向とした状態でセットされる紙幣を入金させて収納する入金処理を行うとともに、収納した紙幣を必要に応じて紙幣出金口20ヘ出金させる出金処理等の紙幣における各処理を行う。
以下に、本発明の要部である硬貨入出金部12について説明する。
図3に示すように、硬貨入出金部12は、入金硬貨が投入される硬貨投入部30と、硬貨投入部30に投入された硬貨を一枚ずつに分離して繰り出し搬送する繰出搬送部31と、この繰出搬送部31上に設けられて入出金機本体10内に受け入れる硬貨の真偽および金種を識別する硬貨識別部(識別手段)32とがその上部に設けられている。
硬貨投入部30は、硬貨入出金部12の前部の左右方向におけるほぼ中央部に、図2に示す硬貨入金口17のほぼ直下に位置して、投入された入金硬貨を受け取るとともに、水平回転する回転円盤34を有しており、さらに回転円盤34の下側に設けられてこれを回転させる図示せぬ駆動機構部等を有している。
繰出搬送部31は、硬貨入出金部12の前部かつ回転円盤34よりも左側に、回転円盤34から接線方向かつ左右方向に沿って水平延在する硬貨識別通路35を有しており、この硬貨識別通路35は、鉛直に立設された壁部35a,35a間に形成されている。
また、繰出搬送部31は、回転円盤34の硬貨識別通路35側に、回転円盤34の遠心力で硬貨識別通路35側に送り出される硬貨を一枚ずつに分離する隙間規制部材37を有しており、さらに、硬貨識別通路35の上側に、隙間規制部材37により一枚ずつに分離して繰り出された硬貨を、上側から押圧しつつ硬貨識別通路35に沿って回転円盤34に対し反対方向に搬送する搬送ベルト38を有している。
硬貨識別部32は、硬貨識別通路35の搬送方向における中間位置に設けられており、上記したようにこれを通過する硬貨の真偽及び金種などを判別する。硬貨識別部32は、周知のように、例えば、光学センサを用いた硬貨径判別手段、磁気センサを用いた硬貨材質判別手段、硬貨厚み判別手段、硬貨表面パターン判別手段、硬貨表面汚損状態判別手段、硬貨周縁ギザ判別手段およびこれらの適宜の組み合わせによって構成される。
硬貨識別通路35の回転円盤34に対し反対側の端部には、硬貨識別部32の識別結果に応じて硬貨を選別するリジェクト・一時貯留振分ゲート40が設けられている。このリジェクト・一時貯留振分ゲート40は、硬貨識別通路35から硬貨を落下させるとともに、硬貨の落下方向を前方および後方の一方に選択的に切り換える。
リジェクト・一時貯留振分ゲート40で前方に振り分けられた硬貨は、図2に示す着脱可能なリジェクトボックス41に排出される。一方、リジェクト・一時貯留振分ゲート40で後方に振り分けられた硬貨は、図3に示す一時貯留部42に送り込まれる。リジェクト・一時貯留振分ゲート40は、硬貨識別部32で判別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨、つまり正常と識別されなかったリジェクト硬貨をリジェクトボックス41に案内して機外に取り出し可能に排除する一方、硬貨識別部32で真硬貨、つまり正常と識別された硬貨を一時貯留部42に案内する。
一時貯留部42は、硬貨識別部32で識別された硬貨のうち真硬貨を金種混合状態のまま一括して一時貯留させるもので、硬貨入出金部12のほぼ全高さ範囲に設けられており、しかも、硬貨入出金部12の前後方向に延在する形状をなしている。一時貯留部42は、前後方向および上下方向に沿い、しかも互いに左右方向に所定の間隔をあけて配置された一対の壁部43,43と、これら壁部43,43間に配置された部分が一時貯留部42の底部を形成する図4に示すコンベアタイプの搬送ベルト44と、壁部43,43間に配置された部分が一時貯留部42の前部を形成する入金ガイド壁部45とを有している。
入金ガイド壁部45は、後側ほど下側に位置するように傾斜しており、リジェクト・一時貯留振分ゲート40で後側に振り分けられた硬貨を一時貯留部42の搬送ベルト44上に案内する。
搬送ベルト44は、後側ほど上側に位置するように傾斜しており、入金ガイド壁部45を介して投入された硬貨を回転することで後方かつ上方に搬送する。
また、一時貯留部42は、搬送ベルト44の後部側の上側位置に、隙間規制ローラ47を有している。この隙間規制ローラ47は、搬送ベルト44で後方に搬送される集積状態の硬貨の集積を、下部が前方に移動するように回転することにより崩し一枚ずつに分離して後方に繰り出す。ここで、この隙間規制ローラ47と搬送ベルト44とは、搬送ベルト44の傾斜により形成される後部下側のスペースに配置された共用のモータ48で複数のギア49を介して駆動される。
さらに、一時貯留部42は、搬送ベルト44の隙間規制ローラ47よりも後側に、ゲートストッパ51を有している。このゲートストッパ51はオンされると、そのストッパ部材52が搬送ベルト44に近接して搬送ベルト44上の硬貨のストッパ部材52を越えての後方への移動を規制する閉状態となる。また、このゲートストッパ51はオフされると、先端のストッパ部材52が搬送ベルト44から離間して、搬送ベルト44上の硬貨のストッパ部材52より後方への移動を許容する開状態となる。
ここで、ゲートストッパ51がオンされた状態では、回転する搬送ベルト44により硬貨が隙間規制ローラ47側に徐々に集積されてしまい、その後、ゲートストッパ51がオフされると集積された硬貨が一度に移動することで隙間規制ローラ47にジャム等を生じることがある。このため、一時貯留部42は、搬送ベルト44を下方から叩くベルト叩き機構54を有している。
このベルト叩き機構54は、搬送ベルト44の隙間規制ローラ47よりも前側に配置されており、搬送ベルト44の上辺側を下から叩くベルト叩きプッシャ55と、このベルト叩きプッシャ55を上下に往復動させるベルト叩きソレノイド56とを有している。ベルト叩きプッシャ55は、搬送ベルト44を叩く側が、該搬送ベルト44に平行な平板部57とされており、ベルト叩きソレノイド56は、この平板部57に直交する方向にこの平板部57を短いストロークで往復動させる。
上記の一時貯留部42の後方には、図3に示すように、硬貨入出金部12の上部となる位置に、一時貯留部42の搬送ベルト44からゲートストッパ51を越えて後方に送り出された硬貨をさらに後方に搬送した後、右方向に向きを変えて搬送する搬送部59が設けられている。この搬送部59は、硬貨入出金部12の後側かつ左側において後方に延在した後、さらに右方に延在する硬貨通路60を有しており、この硬貨通路60は、鉛直に立設された壁部60a,60a間に形成されている。
また、搬送部59は、硬貨通路60の上側に、一時貯留部42から一枚ずつに分離されて繰り出された硬貨を、上方から押圧しつつ硬貨通路60に沿って搬送する屈曲形状の搬送ベルト61を有している。
搬送部59の硬貨通路60の前後に沿う部分には、一時貯留部42に近接して、通過する硬貨の金種を判別する硬貨判別部63が設けられている。この硬貨判別部63は、基本的にはすでに硬貨識別部32で真偽が識別されて真のみとされた硬貨の金種を判別するものであるので、例えば、光学センサを用いた硬貨径判別手段等が用いられる。
搬送部59の硬貨通路60の前後に沿う部分には、硬貨判別部63の後方に、硬貨判別部63の判別結果等に応じて硬貨を選別する収納振分ゲート65が設けられている。この収納振分ゲート65は、硬貨をこの収納振分ゲート65を越えてそのまま硬貨通路60で搬送させる状態、および硬貨通路60から硬貨を落下させる状態の一方に選択的に切り換えられるもので、硬貨通路60から落下させた硬貨は、右方に案内する。このように右方に案内された硬貨は、後述する返却搬送路67に送り込まれる。すなわち、収納振分ゲート65は一時貯留部42から繰り出された硬貨を返却搬送路67に案内可能なものである。ここで、収納振分ゲート65は、入金時に一時貯留部42に一時貯留された硬貨を、操作員A,Bの操作により返却させる場合等は硬貨通路60から落下させ、操作員A,Bの操作により機内に確定収納する場合は落下させることなく硬貨通路60上で後方の後述する金種振分部68に案内する。
金種振分部68は、硬貨入出金部12の上部かつ後部となる位置に左右方向に延在して設けられており、一時貯留部42から繰り出された硬貨を金種別に振り分けるものである。
金種振分部68は、搬送部59の硬貨通路60に連続する硬貨分類通路70と、この硬貨分類通路70に沿って硬貨を上方から押圧しつつ搬送する搬送ベルト71とを有しており、硬貨分類通路70は、鉛直に設けられた壁部70a,70a間に設けられている。硬貨分類通路70には、搬送される硬貨を金種別に分類して落下させる分類孔72A〜72Fが、硬貨径の小さい順に配置されており、各分類孔72A〜72Fのそれぞれの直前には通過する硬貨を検出する硬貨検出センサ73が対応配置されている。そして、硬貨検出センサ73のうち隣り合う前後のものをそれぞれ通過した硬貨数の差が、分類孔72A〜72Fのうち、その間に位置するものに分類された枚数として計数されるように構成されている。
各分類孔72A〜72Fの下側には、これらすなわち金種振分部68で振り分けられた硬貨をそれぞれ収納可能であるとともに収納している硬貨つまり機内に確定収納された硬貨を後述する放出口75に繰出可能な金種別の収納繰出部76A〜76Fが設けられている。具体的には、最も一時貯留部42に近接する側の分類孔72Aの下側にはこの分類孔72Aから落下させられる1円硬貨を収納する収納繰出部76Aが、その隣りの分類孔72Bの下側にはこの分類孔72Bから落下させられる50円硬貨を収納する収納繰出部76Bが、その隣りの分類孔72Cの下側にはこの分類孔72Cから落下させられる5円硬貨を収納する収納繰出部76Cが、その隣りの分類孔72Dの下側にはこの分類孔72Dから落下させられる100円硬貨を収納する収納繰出部76Dが、その隣りの分類孔72Eの下側にはこの分類孔72Eから落下させられる10円硬貨を収納する収納繰出部76Eが、その隣りの分類孔72Fの下側にはこの分類孔72Fから落下させられる500円硬貨を収納する収納繰出部76Fが、それぞれ設けられている。
これら金種別の収納繰出部76A〜76Fと一時貯留部42との隙間部分には、収納繰出部76A〜76Fとほぼ同じ構成であって、一時貯留部42から繰り出され、金種振分部68よりも搬送方向手前の収納振分ゲート65で右方に振り分けれた硬貨を後述する放出口75に返却可能な上記した返却搬送路67が設けられている。ここで、これら収納振分ゲート65と返却搬送路67とで、一時貯留部42から繰り出された硬貨を放出口75に返却する硬貨返却部77が構成されている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、硬貨入出金部12の上下方向のほぼ全高さ範囲に設けられており、しかも、硬貨入出金部12の前後方向に延在する形状をなしている。その結果、金種別の収納繰出部76A〜76Fは、それぞれが互いに並列に配置されており、一時貯留部42とも平行をなしている。また、返却搬送路67は、金種別の収納繰出部76A〜76Fの側方(具体的には左方)に、これら収納繰出部76A〜76Fと並列に配置されている。さらに、返却搬送路67の金種別の収納繰出部76A〜76Fに対し反対側に、これら金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67と並列に一時貯留部42が配置されている。ここで、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、全て前後方向および高さ方向の位置を一致させた状態で並列に配置されている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、前後方向および上下方向に沿い、しかも互いに左右方向に所定の間隔をあけて配置された一対の壁部80,80と、これら壁部80,80間に配置された部分が底部を形成する図5および図6に示すコンベアタイプの搬送ベルト81と、壁部80,80間に配置された部分が後部を形成する後壁部82とを有している。ここで、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の搬送ベルト81は、同一の駆動源で同時に駆動されるようになっている。
後壁部82は、後側ほど上側に位置するように傾斜しており、金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいては、分類孔72A〜72Fのうち対応するもので落下させられた硬貨を搬送ベルト81上に案内する。
なお、返却搬送路67においては、収納振分ゲート65側の壁部80に収納振分ゲート65で落下させられた硬貨が放出される振分口83が設けられており、この振分口83から硬貨が搬送ベルト81上に放出させられる。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のそれぞれにおいて搬送ベルト81は、前側ほど上側に位置するように傾斜しており、金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいては分類孔72A〜72Fから、返却搬送路67においては振分口83から放出された硬貨を回転することで硬貨入出金部12の前方かつ上方に搬送する。
また、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、搬送ベルト81の前部側の上側位置に、隙間規制ローラ85を有している。この隙間規制ローラ85は、搬送ベルト81で前方に搬送される集積状態の硬貨の集積を、下部が後方に移動するように回転することにより崩し一枚ずつに分離して前方に繰り出す。
さらに、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、搬送ベルト81の隙間規制ローラ85よりも前方に、搬送ベルト81に沿って延在する通路部87と、この通路部87の上側に設けられて硬貨を上側から押圧しつつ前方に搬送する搬送ベルト88とを有している。これら搬送ベルト88は全て同一のモータで同時に駆動されるようになっている。図7に示すように、通路部87は鉛直立設する壁部87a,87a間に設けられるもので、図5および図6に示すように、通路部87の前端部および搬送ベルト88の前端部によって硬貨を繰り出す繰出口89が形成されている。なお、金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいて壁部87a,87a間の間隔は、収納対象硬貨よりも大径の異金種硬貨のみが通過できないように設定されている。すなわち、収納繰出部76Aの壁部87a,87aは1円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Bの壁部87a,87aは50円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Cの壁部87a,87aは5円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Dの壁部87a,87aは100円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Eの壁部87a,87aは10円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Fの壁部87a,87aは500円硬貨より大径の偽硬貨の通過を規制する。ここで、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は搬送ベルト88が共用のモータで同時に駆動されるようになっている。
加えて、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、通路部87にゲートストッパ91を有している。このゲートストッパ91は、図8に示すように、オンされると先端のストッパ部材92が通路部87から突出して、通路部87上の硬貨のストッパ部材92を越えての前方への移動を規制する閉状態となる。また、このゲートストッパ91はオフされると先端のストッパ部材92が通路部87から引っ込んで、通路部87上の硬貨のストッパ部材92よりも前方への移動を許容する開状態となる。
加えて、金種別の収納繰出部76A〜76Fのうち、最小径硬貨を除く硬貨を収納させる収納繰出部76B〜76Fには、図7に示すように、異金種硬貨が誤って混入してしまった場合のために、通路部87に収納対象硬貨よりも小径の硬貨のみを落下させる出金選別孔94B〜94Fがゲートストッパ91と繰出口89との間に形成されている。すなわち、収納繰出部76Bには出金選別孔94Bが、収納繰出部76Cには出金選別孔94Cが、収納繰出部76Dには出金選別孔94Dが、収納繰出部76Eには出金選別孔94Eが、収納繰出部76Fには出金選別孔94Fが、それぞれ設けられている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいては、図8に示すように各出金選別孔94B〜94Fとそれぞれに対応するゲートストッパ91との間に、硬貨を検出する発光素子95aおよび受光素子95bからなる硬貨検出センサ95が設けられている。また、各出金選別孔94B〜94Fの下側には、この出金選別孔94B〜94Fから落下する硬貨を案内するシュートガイド96が設けられている。
図3に示す金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれの図8に示す繰出口89の前後方向位置および高さ方向位置を揃えており、各繰出口89よりゲートストッパ91側には、それぞれ対応する繰出口89から繰り出される硬貨を検出する発光素子98aおよび受光素子98bからなる硬貨検出センサ98が設けられている。ここで、上記出金選別孔94B〜94Fは、図7に示すように、それぞれ対応する硬貨検出センサ95と硬貨検出センサ98との間に設けられており、対応する硬貨検出センサ95,98の検出に基づいて出金選別孔94B〜94Fの対応するものからの硬貨の落下を検出する。すなわち、硬貨検出センサ95で検出された硬貨が硬貨検出センサ98で検出されなければこの硬貨が出金選別孔94B〜94Fの対応するものから落下したと判断し、硬貨検出センサ95で検出された硬貨が硬貨検出センサ98で検出されるとこの硬貨が出金選別孔94B〜94Fの対応するものから落下していないと判断する。
図3に示す金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の全ての図8に示す繰出口89の下側には、これらから繰り出された硬貨を一時貯留部42および硬貨一括金庫23に案内可能なコンベア式の正逆回転可能な搬送ベルト100を有する硬貨搬送路101が設けられている。この硬貨搬送路101は、図3に示すように左右方向に沿っており、その結果、金種別の収納繰出部76A〜76F、返却搬送路67および一時貯留部42に対し直交する方向に平行をなしている。この硬貨搬送路101で一時貯留部42側に搬送された硬貨は、図4に示す一時貯留部42の壁部43の前後方向における中間位置に形成された硬貨搬送路出口102から一時貯留部42に放出されることになる。なお、図8に示すように、出金選別孔94B〜94Fの下側に設けられたシュートガイド96で案内される硬貨はこの硬貨搬送路101上に落下させられる。
また、図3に示す金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の全ての図8に示す繰出口89の若干下側の前方位置には、上記した受皿挿入口18に開口し、受皿11A,11Bのうちの受皿挿入口18の所定のセット位置に配置された一方に硬貨を案内するためのシュートガイド103が設けられている。このシュートガイド103の下端部が、硬貨を、受皿11A,11Bのうちの受皿挿入口18の所定のセット位置に配置された一方に放出する上記した放出口75となっている。
そして、図3に示す金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の全ての図8に示す繰出口89とシュートガイド103との間には、図示略のソレノイドで駆動されて図3に示す金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67から繰り出された硬貨を図8に示す放出口75および硬貨搬送路101のいずれか一方に選択的に案内する出金側ゲート104が設けられている。すなわち、図8において実線で示す出金側ゲート104の状態が硬貨を硬貨搬送路101に案内せず放出口75に案内する状態であり、図8において二点鎖線で示す出金側ゲート104の状態が硬貨を放出口75に案内せず硬貨搬送路101に案内する状態である。
以上において、金種別の収納繰出部76A〜76Fと出金側ゲート104とシュートガイド103とが、入出金機本体10内に確定収納している硬貨を放出口75を介して機外、つまり受皿11A,11Bのうちの受皿挿入口18の所定のセット位置に配置された一方に、出金のため放出する出金処理を行う出金機構(放出手段,出金手段)205を構成している。また、収納振分ゲート65と返却搬送路67とからなる硬貨返却部77と出金側ゲート104とシュートガイド103とが、後述する入金処理の入金計数処理において機外から投入され硬貨識別部32で正常と識別されて入出金機本体10内の一時貯留部42に一時貯留された確定収納前の硬貨を放出口75を介して機外、つまり受皿11A,11Bのうちの受皿挿入口18の所定のセット位置に配置された一方に、返却のため放出する返却処理を行う返却機構(放出手段,返却手段)206を構成している。
図3に示すように、硬貨搬送路101の一時貯留部42に対し反対側には、硬貨搬送路101で搬送された硬貨を収納する上記した硬貨一括金庫23が設けられている。すなわち、硬貨搬送路101の一時貯留部42に対し反対側の端部の前側には、硬貨搬送路101からの硬貨を受け入れて硬貨一括金庫23に案内する金庫案内部106が設けられており、この金庫案内部106の下側に、硬貨搬送路101よりも前方に位置して硬貨一括金庫23が設けられている。
ここで、硬貨搬送路101が一時貯留部42の前後方向における中間位置に接続されることで、一時貯留部42は、硬貨搬送路101の一端側で硬貨搬送路101よりも前方に突出することになり、一方で、硬貨搬送路101よりも前方に硬貨一括金庫23が設けられていて、これらの間に、上記した硬貨投入部30は設けられている。すなわち、図示は略すが、これらの間に、硬貨投入部30の回転円盤34を駆動するための駆動機構部等が配置されているのである。
図2に示すように受皿11Aおよび受皿11Bのうちの選択された一方が開口部18aを介して挿入および抜き取り可能となる受皿挿入口18は、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが挿入された場合でも、図9に示すように、挿入された受皿を載置させる載置面210と、載置面210の左右に立設されて挿入された受皿の左右両側を案内する一対の側壁面211と、受皿挿入口18の奥側に立設された奥壁面212と、上記したシュートガイド103の放出口75が配置された天井部213とを有している。
ここで、受皿挿入口18は、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが挿入された場合でも、挿入された受皿が奥壁面212に当接すると、これが左右方向のいずれの位置にあっても、シュートガイド103の放出口75からの硬貨を適正に受け取ることができるように寸法関係が設定されている。言い換えれば、受皿挿入口18の奥壁面212に当接する位置が、受皿11A,11Bの上記した所定のセット位置となっている。さらに言い換えれば、受皿11A,11Bは、所定のセット位置に配置されると、図8に示すように出金機構205および返却機構206から放出された硬貨を受け入れる。セット位置、出金機構205および返却機構206も、左右の二人の操作員A,Bによって共用して使用されるものであり、使用時には左右の二人の操作員A,Bのいずれか一人に占有使用されることになる。
受皿挿入口18には、その機体奥側となる奥壁面212の位置に、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが挿入された場合でも、挿入された受皿が奥壁面212に当接するセット位置にあるとこれを抜き取り不可にロックするソレノイド駆動式の受皿ロック機構(ロック手段)216と、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが挿入された場合でも、奥壁面212の位置における受皿の有無を検出することで、挿入された受皿が、出金機構205および返却機構206から放出された硬貨を受け入れる所定のセット位置にあるか否かを検出する受皿配置検出センサ(受皿配置検出手段)217とが設けられている。出金機構205および返却機構206から放出された硬貨を受け入れる受皿11A,11Bの所定のセット位置は、受皿ロック機構216によってロック可能な位置であり、よって、受皿配置検出センサ217は、受皿11A,11Bが、受皿ロック機構216によってロック可能な所定のセット位置にあるか否かをも検出する。
受皿ロック機構216は、受皿挿入口18の天井部213に設けられており、そのロック部材218が下方に向け突出すると、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、挿入されている受皿の後壁部の前面に対向して、その受皿挿入口18からの抜き取りを規制することになる。また、ロック部材218が上方に引っ込むと、挿入されている受皿より上方に位置してその抜き取りを可能とする。受皿ロック機構216は、受皿11A,11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、挿入されている受皿が奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入されていれば、左右方向のいずれの位置にあっても、これをロック可能となっている。言い換えれば、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、挿入されている受皿は、受皿ロック機構216によってロックされると、シュートガイド103の放出口75から放出される硬貨を受け入れ可能となる。よって、受皿配置検出センサ217は、受皿が、シュートガイド103の放出口75から放出される硬貨を受け入れ可能な位置にあるか否かを検出する。
この受皿配置検出センサ217は、図10に示すように受皿挿入口18の左右方向の中央位置に設けられており、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、受皿が奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入されれば、左右方向のいずれの位置にあっても、これを検出可能となっている。受皿配置検出センサ217は、図8に示すように、揺動可能な検知片219に受皿11A,11Bが当接するとオンされ、検知片219から受皿11A,11Bが離間するとオフされるスイッチとなっている。なお、受皿配置検出センサ217としては、奥壁面212に設けられて受皿11A,11Bとの距離を検出する反射型の光学センサや、一対の側壁面211の奥壁面212側の位置に設けられて、受皿11A,11Bで光軸が遮断される透過型の光学センサを用いることも可能である。
また、受皿挿入口18には、その機体奥側となる奥壁面212の位置に、セット位置に配置された受皿が、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれであるかを判別するためにICタグ11Ab,11Bbを検出するタグリーダ(判別検出手段)220が設けられている。つまり、タグリーダ220は、ICタグ11Abを検出すると受皿11Aがセット位置にあることを検出し、ICタグ11Bbを検出すると受皿11Bがセット位置にあることを検出する。
受皿挿入口18には、図10に示すように、その開口部18a側となる一対の側壁面211の機体前面側の位置に、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、この位置における受皿の有無を検出することで、受皿挿入口18から受皿が抜き取られたか否かを検出する受皿抜取検出センサ221が設けられている。この受皿抜取検出センサ221と、上記した受皿配置検出センサ217とは、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、受皿配置検出センサ217が受皿を検出したとき、この受皿を受皿抜取検出センサ221が検出する位置に設けられている。つまり、受皿抜取検出センサ221および受皿配置検出センサ217は、一つの受皿があることを同時に検出する位置に設けられている。
受皿抜取検出センサ221は、透過型の光学センサであり、受皿挿入口18の開口部18aの位置に機体前後方向に交差(具体的には直交)して光軸Yを配しており、図9に示すように、受皿挿入口18の所定の高さ位置にて水平方向に光軸Yを配している。つまり、受皿抜取検出センサ221は、一方の側壁面211側に配置された発光素子222と、他方の側壁面211側に配置された受光素子223とからなり、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に対し抜き差しされる場合でも、受皿挿入口18に受皿が挿入されていると、発光素子222からの投光が、受皿で遮光されて受光素子223で受光しないことになり、受皿挿入口18から受皿が抜き取られていると、発光素子222からの投光を受光素子223で受光することになって、これらの違いで受皿挿入口18から受皿が抜き取られたか否かを検出する。受皿抜取検出センサ221も、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、この受皿が奥壁面212に当接するまで挿入されていれば、左右方向のいずれの位置にあっても、これを検出可能となっている。
受皿抜取検出センサ221は、受皿11Aおよび受皿11Bのいずれが受皿挿入口18に挿入されている場合でも、その検出状態が受皿がある状態からない状態に切り替わると、受皿の硬貨が受皿内のいずれの位置にあっても天井部213よりも機体前方に露出するように、天井部213および挿入される受皿11A,11Bとの位置関係が設定されている。なお、受皿抜取検出センサ221として、天井部213と載置面210とに、発光素子と受光素子とを配置し、鉛直方向に光軸を配する透過型の光学センサを用いても良い。
次に、図2に示す制御部(占有設定手段,制御手段)230により制御される上記した硬貨入出金部12の各処理について説明する。なお、硬貨入出金部12は紙幣入出金部13と関連して制御されるものであるが、ここでは、硬貨入出金部12のみが処理を行う場合、つまり紙幣の処理がなく硬貨の処理のみを行う場合を例にとり説明する。
制御部230は、窓口操作機2A,2Bの本体7A,7Bに通信可能に接続されており、窓口操作機2A,2Bからの指令信号を個別に受信したり、窓口操作機2A,2Bに指令信号を個別に出力したりする。
制御部230は、入出金機本体10を、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付け且つ窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付けない第1の占有状態に設定したり、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付け且つ窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付けない第2の占有状態に設定したり、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号と窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号とを選択的に受け付け可能な非占有状態に設定したりする。第1の占有状態は、言い換えれば、入出金機本体10が操作員Aに占有される状態であり、第2の占有状態は、入出金機本体10が操作員Bに占有される状態であって、非占有状態は、入出金機本体10が操作員A,Bのいずれにも占有されない状態である。
入出金機本体10において、硬貨入出金部12は、後述する入金処理(入金計数処理、入金収納処理および返却処理)、出金処理、整理処理(整理計数処理および返却処理)、入金口補充処理、金庫回収処理および精査処理の各硬貨処理を行うことになる。これらの硬貨処理が行われていない待機状態にあるとき、制御部230は、硬貨入金口17のシャッタ17aを閉じている。この待機状態で、受皿挿入口18の所定のセット位置に、受皿11A,11Bがいずれも配置されていなければ、制御部230は、入出金機本体10を非占有状態に設定している。
このように入出金機本体10が非占有状態にあるとき、受皿挿入口18の所定のセット位置に受皿11A,11Bのいずれか一方がセットされると、この受皿で受皿配置検出センサ217の検知片219が押圧され、受皿配置検出センサ217がオンされることになり、これにより制御部230が受皿の所定のセット位置への配置を検出する。すると、制御部230は、タグリーダ220を駆動することになり、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出すると、制御部230は、非占有状態を解除して、入出金機本体10を、操作員Aが占有する第1の占有状態に設定する。他方、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出すると、制御部230は、非占有状態を解除して、入出金機本体10を、操作員Bが占有する第2の占有状態に設定する。なお、制御部230は、受皿配置検出センサ217が受皿のセット位置への配置を検出しなければ、タグリーダ220を駆動することはなく、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出することもない。
制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態および第2の占有状態のいずれか一方に設定した状態であって各硬貨処理が行われていない待機状態において、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態になると、設定していた占有状態を解除して入出金機本体10を非占有状態に設定する。つまり、待機状態において、受皿挿入口18の所定のセット位置から、それまで挿入されていた受皿11A,11Bが抜き取り方向にずらされることにより、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態になると、設定していた占有状態を解除して入出金機本体10を非占有状態とする。言い換えれば、受皿11A,11Bの所定のセット位置への配置が解除されたことを検出すると、制御部230は、設定していた占有状態を解除して入出金機本体10を非占有状態に設定する。なお、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態になることにかえて、受皿配置検出センサ217がオフ状態になったことを検出しても良い。
制御部230は、後述する入金処理、出金処理、整理処理、入金口補充処理、金庫回収処理および精査処理の各硬貨処理のうち、出金機構205および返却機構206のいずれかにより硬貨を放出口75から放出する三つの、入金処理、出金処理および整理処理を放出有処理とし、出金機構205および返却機構206のいずれからも硬貨を放出口75から放出することがない三つの、入金口補充処理、金庫回収処理および精査処理を、放出無処理として区別して制御を行う。
窓口操作機2A,2Bは、入出金機本体10を自身により占有し且つ各硬貨処理を行わせている状態、以外の状態にあれば、各硬貨処理を行うにあたっての硬貨処理の選択入力およびデータ入力等の事前処理がそれぞれ個別に入力可能となっている。そして、事前処理が完了した状態で硬貨処理実行の操作が、窓口操作機2Aの操作部5A、入出金機本体10の操作部14A、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bのいずれかに対して行われる。
(操作員Aによる操作の一例)
例えば、入出金機本体10が、各硬貨処理が行われていない待機状態にあるとき、操作員Aによって窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aのいずれかに硬貨処理実行の操作入力がなされて硬貨処理実行の指令信号が出力されると、制御部230は、選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認し、放出有処理である場合に限り、入出金機本体10の占有状態が、第1の占有状態、第2の占有状態および非占有状態のいずれに設定されているかを確認する。
それ以前にタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出しており、第1の占有状態に入出金機本体10が設定されている場合、制御部230は、設定されている占有状態が適正であると判断して、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第1の占有状態つまり操作員Aによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。このとき、制御部230は、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付けることはなく、この指令信号に基づいて各硬貨処理を行うことはない。なお、第1の占有状態にあることの表示は、例えば、窓口操作機2Aの表示部6Aに「入出金機を占有しています。」の文字情報を、窓口操作機2Bの表示部6Bに「入出金機を占有できません。」の文字情報を表示させ、表示ランプ部15Aの占有状態を示すランプを点灯させ、表示ランプ部15Bの占有状態を示すランプを消灯させる等である。
他方、それ以前にタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出しており、第2の占有状態に入出金機本体10が設定されている場合、制御部230は、指令信号の出力元とセットされている受皿との対応が適正でないと判断して、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付けることなく、硬貨処理を開始させることはない。但し、このとき、入出金機本体10が各硬貨処理を行っていない待機状態にあることを条件に、制御部230は、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Bではなく受皿11Aをセット位置に配置するように受皿の交換を促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。このときの受皿の交換を促すエラー表示は、例えば、窓口操作機2Aの表示部6Aに「左テラー用の受皿(ピンク)をセットして下さい。」の文字情報を表示させ、表示ランプ部15Aに受皿のセット異常を示すランプを点滅させる等である。
このエラー表示を見て、操作員Aが受皿挿入口18から受皿11Bを抜き取ると、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態となるため、制御部230は、入出金機本体10を一旦非占有状態に設定することになる。その後、操作員Aが、自分用の受皿11Aを挿入すると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出することになり、制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態に設定することになる。この状態で、再び、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aのいずれかに硬貨処理実行の操作入力がなされると、制御部230は、設定されている占有状態が適正であると判断して、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第1の占有状態つまり操作員Aによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
なお、上記のように選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認した際に、選択された硬貨処理が放出無処理である場合、制御部230は、入出金機本体10の占有状態を、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aのいずれかからの硬貨処理実行の指令信号に基づいて、強制的に第1の占有状態に設定して、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第1の占有状態つまり操作員Aによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
(操作員Bによる操作の一例)
例えば、入出金機本体10が、各硬貨処理が行われていない待機状態にあるとき、操作員Bによって窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bのいずれかに硬貨処理実行の操作入力がなされて硬貨処理実行の指令信号が出力されると、制御部230は、選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認し、放出有処理である場合に限り、入出金機本体10の占有状態が、第1の占有状態、第2の占有状態および非占有状態のいずれに設定されているかを確認する。
それ以前にタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出しており、第2の占有状態に入出金機本体10が設定されている場合、制御部230は、設定されている占有状態が適正であると判断して、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第2の占有状態つまり操作員Bによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。このとき、制御部230は、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付けることはなく、この指令信号に基づいて各硬貨処理を行うことはない。なお、第2の占有状態にあることの表示は、例えば、窓口操作機2Bの表示部6Bに「入出金機を占有しています。」の文字情報を、窓口操作機2Aの表示部6Aに「入出金機を占有できません。」の文字情報を表示させ、表示ランプ部15Bの占有状態を示すランプを点灯させ、表示ランプ部15Aの占有状態を示すランプを消灯させる等である。
他方、それ以前にタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出しており、第1の占有状態に入出金機本体10が設定されている場合、制御部230は、指令信号の出力元とセットされている受皿との対応が適正でないと判断して、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付けることはなく、硬貨処理を開始させることはない。但し、このとき、入出金機本体10が各硬貨処理を行っていない待機状態にあることを条件に、制御部230は、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Aではなく受皿11Bをセット位置に配置するように受皿の交換を促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。このときの受皿の交換を促すエラー表示は、例えば、窓口操作機2Bの表示部6Bに「右テラー用の受皿(ブルー)をセットして下さい。」の文字情報を表示させ、表示ランプ部15Bに受皿のセット異常を示すランプを点滅させる等である。
このエラー表示を見て、操作員Bが受皿挿入口18から受皿11Aを抜き取ると、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態となるため、制御部230は、入出金機本体10を一旦非占有状態に設定することになる。その後、操作員Bが、自分用の受皿11Bを挿入すると、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出することになり、制御部230は、入出金機本体10を第2の占有状態に設定することになる。この状態で、再び、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bのいずれかに硬貨処理実行の操作入力がなされると、制御部230は、設定されている占有状態が適正であると判断して、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第2の占有状態つまり操作員Bによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
なお、上記のように選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認した際に、選択された硬貨処理が放出無処理である場合、制御部230は、入出金機本体10の占有状態を、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bのいずれかからの硬貨処理実行の指令信号に基づいて、強制的に第2の占有状態に設定して、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が操作員Bによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
以上により、第1の占有状態に設定されていて待機状態にある場合に入出金機本体10は、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付け且つ窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付けない状態となる。また、入出金機本体10を第1の占有状態に設定した待機状態で窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受けた場合に、制御部230が指令信号に基づいて硬貨処理を実行する。さらに、入出金機本体10を第2の占有状態に設定した待機状態で窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受けた場合に、制御部230が音声発生部24等にエラーを報知させる。
また、第2の占有状態に設定されていて待機状態にある場合に入出金機本体10は、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付け且つ窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付けない状態となる。また、入出金機本体10を第2の占有状態に設定した待機状態で窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受けた場合に、制御部230が指令信号に基づいて硬貨処理を実行する。さらに、入出金機本体10を第1の占有状態に設定した待機状態で窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受けた場合に、制御部230が音声発生部24等にエラーを報知させる。
(操作員Aによる操作の他の例)
例えば、操作員Aによって窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aのいずれかに、硬貨処理実行の操作入力がなされて硬貨処理実行の指令信号が出力されたとき、入出金機本体10の占有状態が、非占有状態に設定されていると、制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態に設定する。それとともに、選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認し、放出有処理である場合に限り、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに受皿11Aのセット位置への配置を促す表示を表示させる。このときの受皿11Aのセットを促すエラー表示は、例えば、窓口操作機2Aの表示部6Aに「左テラー用の受皿(ピンク)をセットして下さい。」の文字情報を表示させ、表示ランプ部15Aに受皿のセット異常を示すランプを点滅させる等である。
そして、受皿挿入口18の所定のセット位置に受皿がセットされ、この受皿で受皿配置検出センサ217がオンされると、制御部230は、タグリーダ220を駆動することになる。タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出すると、設定されている第1の占有状態と受皿11Aとの対応が適正であるため、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第1の占有状態つまり操作員Aによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
他方、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出すると、制御部230は、設定されている第1の占有状態と受皿11Bとの対応が適正でないため、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付けることはなく、硬貨処理を開始させることはない。但し、このとき、入出金機本体10が硬貨処理を行っていない待機状態にあることを条件に、制御部230は、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Bではなく受皿11Aをセット位置に配置するように受皿の交換を促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。
このエラー表示を見て、操作員Aが受皿挿入口18から受皿11Bを抜き取ると、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態となるが、この場合、制御部230は、入出金機本体10を非占有状態にすることなく第1の占有状態に設定し続けることになる。その後、操作員Aが、自分用の受皿11Aを挿入すると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出することになり、制御部230は、設定されている第1の占有状態と受皿11Aとの対応が適正となるため、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第1の占有状態つまり操作員Aによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
つまり、制御部230は、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aのいずれかから出力された硬貨処理実行の指令信号を受けて入出金機本体10を第1の占有状態に設定すると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出していることを条件に、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号に基づいて、選択された硬貨処理を開始させる。また、制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出していない場合に、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに報知を行わせる。
なお、上記のように選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認した際に、選択された硬貨処理が放出無処理である場合、制御部230は、受皿11Aのセット位置への配置を促す表示を表示させることなく、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第1の占有状態つまり操作員Aによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
(操作員Bによる操作の他の例)
例えば、操作員Bによって窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bのいずれかに、硬貨処理実行の操作入力がなされて硬貨処理実行の指令信号が出力されたとき、入出金機本体10の占有状態が、非占有状態に設定されていると、制御部230は、入出金機本体10を第2の占有状態に設定する。それとともに、選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認し、放出有処理である場合に限り、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに受皿11Bのセット位置への配置を促す表示を表示させる。このときの受皿11Bのセットを促すエラー表示は、例えば、窓口操作機2Bの表示部6Bに「右テラー用の受皿(ブルー)をセットして下さい。」の文字情報を表示させ、表示ランプ部15Bに受皿のセット異常を示すランプを点滅させる等である。
そして、受皿挿入口18の所定のセット位置に受皿がセットされ、この受皿で受皿配置検出センサ217がオンされると、制御部230は、タグリーダ220を駆動することになる。タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出すると、設定されている第2の占有状態と受皿11Bとの対応が適正であるため、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第2の占有状態つまり操作員Bによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
他方、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出すると、制御部230は、設定されている第2の占有状態と受皿11Aとの対応が適正でないため、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付けることはなく、硬貨処理を開始させることはない。但し、このとき、入出金機本体10が硬貨処理を行っていない待機状態にあることを条件に、制御部230は、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Aではなく受皿11Bをセット位置に配置するように受皿の交換を促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。
このエラー表示を見て、操作員Bが受皿挿入口18から受皿11Aを抜き取ると、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態となるが、この場合、制御部230は、入出金機本体10を非占有状態にすることなく第2の占有状態に設定し続けることになる。その後、操作員Bが、自分用の受皿11Bを挿入すると、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出することになり、制御部230は、設定されている第2の占有状態と受皿11Bとの対応が適正となるため、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第2の占有状態つまり操作員Bによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
つまり、制御部230は、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bのいずれかから出力された硬貨処理実行の指令信号を受けて入出金機本体10を第2の占有状態に設定すると、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出していることを条件に、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号に基づいて、選択された硬貨処理を開始させる。また、制御部230は、入出金機本体10を第2の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出していない場合に、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに報知を行わせる。
なお、上記のように選択された硬貨処理が放出有処理であるか放出無処理であるかを確認した際に、選択された硬貨処理が放出無処理である場合、制御部230は、受皿11Bのセット位置への配置を促す表示を表示させることなく、窓口操作機2Aの表示部6A、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15A,15Bに、入出金機本体10が第2の占有状態つまり操作員Bによる占有状態にあることを表示しつつ、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの硬貨処理実行の指令信号を受け付け、これにしたがって、選択された硬貨処理を開始させる。
「入金処理の入金計数処理(確定前)」
制御部230は、受け付けた入金処理実行の指令信号にしたがって、入金処理の入金計数処理を開始させると、硬貨入金口17のシャッタ17aを開き、硬貨投入部30の回転円盤34、搬送ベルト38を駆動する。すると、操作者が硬貨入金口17に硬貨を投入することになり、投入された硬貨が、回転円盤34から隙間規制部材37で一枚ずつに分離されて搬送ベルト38で搬送されることになる。制御部230は、その途中の硬貨識別部32の識別結果に基づいてリジェクト・一時貯留振分ゲート40で硬貨を振り分ける(図11に太線で示す入金処理の入金計数処理ルート参照)。
すなわち、硬貨識別部32で識別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨、つまり正常と識別されなかったリジェクト硬貨を、リジェクトボックス41へ落下させる。他方、硬貨識別部32で真硬貨と識別された硬貨、つまり正常と識別された硬貨を、一時貯留部42に落下させる。このとき、一時貯留部42においてはゲートストッパ51を閉状態とするとともに搬送ベルト44を駆動状態とし、さらに、ベルト叩き機構54のベルト叩きプッシャ55を往復動させる。これにより、一時貯留部42より下流側への硬貨の移動をゲートストッパ51で規制しつつ搬送ベルト44の駆動で入金ガイド壁部45側に硬貨が集中してしまうことを防止し、さらに、ベルト叩き機構54で硬貨が隙間規制ローラ47側に集中してしまうことを防止する。すなわち、硬貨を一時貯留部42で平均的に貯留させるのである。
回転円盤34から全ての硬貨が一旦繰り出され、リジェクトボックス41および一時貯留部42のいずれかに送り込まれると、制御部230は、リジェクトボックス41に残存硬貨がないことを図示略のセンサにより検出していることを条件に、入金処理の入金計数処理が終了したと判定する。
そして、制御部230は、第1の占有状態にある場合は、硬貨識別部32の識別結果を窓口操作機2Aの表示部6Aに表示させると共に、操作員Aによる窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aへの、次の硬貨処理の開始操作である入金確定操作を受け付ける状態となって待機する。そして、操作員Aが、後述の「入金処理の入金収納処理」の開始操作である入金確定操作を窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aへ入力すると、これにしたがって、制御部230は、後述の「入金処理の入金収納処理」を行うことになる。他方、操作員Aが、後述の「返却処理」の開始操作である入金キャンセル操作を窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aに入力して返却処理実行の指令信号を出力させると、制御部230は、現在の占有状態が第1の占有状態にあることからタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出する状態にあることを条件に、指令信号にしたがって、入金処理の一部として後述の「返却処理」を行うことになる。
他方、制御部230は、第2の占有状態にある場合は、硬貨識別部32の識別結果を窓口操作機2Bの表示部6Bに表示させると共に、操作員Bによる窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bへの、次の硬貨処理の開始操作である入金確定操作を受け付ける状態となって待機する。そして、操作員Bが、後述の「入金処理の入金収納処理」の開始操作である入金確定操作を窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bへ入力すると、これにしたがって、制御部230は、後述の「入金処理の入金収納処理」を行うことになる。他方、操作員Bが、後述の「返却処理」の開始操作である入金キャンセル操作を窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bに入力して返却処理実行の指令信号を出力させると、制御部230は、現在の占有状態が第2の占有状態にあることからタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出する状態にあることを条件に、指令信号にしたがって、入金処理の一部として後述の「返却処理」を行うことになる。
なお、以上の入金処理の入金計数処理中、言い換えれば入金処理の返却処理前に、受皿11A,11Bが受皿挿入口18から抜き出されると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abおよび受皿11BのICタグ11Bbのいずれも検出しない状態になる。すると、制御部230は、現在の占有状態を解除不能な状態とすることで解除することなく、現在の占有状態が第1の占有状態にあるときには、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Aをセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。他方、現在の占有状態が第2の占有状態にあるときには、制御部230は、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Bをセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。
また、以上の入金処理の入金計数処理中、言い換えれば入金処理の返却処理前に、受皿11A,11Bが受皿挿入口18から抜き出された後、セット位置に配置された受皿が現在の占有状態と対応しないこともある。よって、制御部230は、現在の占有状態が第1の占有状態にあるときに、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出する状態になると、現在の占有状態を解除不能に維持しながら、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Bから受皿11Aへ交換してセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。他方、現在の占有状態が第2の占有状態にあるときに、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出する状態になると、制御部230は、現在の占有状態を解除不能に維持しながら、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Aから受皿11Bへ交換してセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。
なお、入金処理の入金計数処理中に、現在の占有状態が第1の占有状態にあってタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出しない状態になると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出する状態になるまで、後述の「返却処理」の実行前の状態で待機することになり、現在の占有状態が第2の占有状態にあってタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出しない状態になるとタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出する状態になるまで、後述の「返却処理」の実行前の状態で待機することになる。
「出金処理」
制御部230は、出金処理実行の指令信号を、入出金機本体10が第1の占有状態にある場合にはタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出している場合に受け付け、入出金機本体10が第2の占有状態にある場合にはタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出している場合に受け付けることになり、受け付けた出金処理実行の指令信号にしたがって、出金処理を開始させる。すると、制御部230は、まず、受皿ロック機構216で受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿を抜き取り不可にロックする。具体的に、第1の占有状態では受皿11Aを、第2の占有状態では受皿11Bを抜き取り不可にロックする。つまり、制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出している場合と、入出金機本体10を第2の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出している場合とに、受皿ロック機構216で、受皿11A,11Bのセット位置にあるものをロックさせる。
そして、制御部230は、上記のように受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に配置されている受皿を受皿ロック機構216によりロックした状態で、出金機構205の一部構成としての出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨をシュートガイド103に案内する状態とし、搬送ベルト81および搬送ベルト88を駆動するとともに、各ゲートストッパ91をそれぞれ個別に開閉制御することで、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ、第1の占有状態では窓口操作機2Aの操作部5Aからの出金処理実行の指令信号に基づいて、第2の占有状態では窓口操作機2Bの操作部5Bからの出金処理実行の指令信号に基づいて、指令信号に含まれるデータから必要な枚数の硬貨を硬貨検出センサ95,98で計数しつつ繰出口89から繰り出し、シュートガイド103の放出口75から、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿に放出させる(図12に太線で示す出金処理ルート参照)。つまり、入出金機本体10を第1の占有状態に設定すると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出していることを条件に、窓口操作機2Aの操作部5Aからの出金処理実行の指令信号に基づいて出金機構205から硬貨を放出させる一方、入出金機本体10を第2の占有状態に設定すると、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出していることを条件に、窓口操作機2Bの操作部5Bからの出金処理実行の指令信号に基づいて、出金機構205から硬貨を放出させる。
出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿に放出する、つまり出金のため放出すべき全ての硬貨を出金機構205で、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿に放出すると、制御部230は、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Aの受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。他方、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Bの受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。その後、所定の待機時間の間に、受皿抜取検出センサ221が、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、出金機構205で硬貨を放出する放出処理としての出金処理が終了したと判定して、次の硬貨処理の入力を受け付ける状態となって待機する。
他方、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿に放出した後、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出している状態(受皿抜取検出センサ221もこの受皿を検出している)、つまり、この受皿が受皿挿入口18から抜き取られずに出金機構205から硬貨を受け入れ可能な位置にあることを受皿配置検出センサ217が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿に出金硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、それぞれ表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿に放出した後、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221がこの受皿を検出している状態、つまり、この受皿が出金機構205から硬貨を受け入れ可能な位置にないことを受皿配置検出センサ217が検出し且つこの受皿が受皿挿入口18から抜き取られていないことを受皿抜取検出センサ221が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿の天井部213に隠れた部分に出金硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、それぞれ表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18に挿入されている受皿に放出した後、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221がこの受皿を検出している状態から、所定の待機時間の経過前に、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出する状態(受皿抜取検出センサ221もこの受皿を検出している)になった場合も、制御部230は、受皿が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿の天井部213に隠れた部分に出金硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、それぞれ表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させることになる。
上記したエラー表示および警告音の発生後、受皿抜取検出センサ221が受皿の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、エラー表示および警告音を停止させるとともに、出金機構205で硬貨を放出する出金処理が終了したと判定して、次の硬貨処理を受け付ける状態となって待機する。
なお、この出金処理において、万が一、異金種硬貨が収納繰出部76A〜76Fのいずれかに混入していた場合、大径の異金種硬貨であると、壁部87a,87a間を通過できないことから、制御部230は、ゲートストッパ91を開放しているのに硬貨検出センサ95で硬貨の繰り出しが検出されないことよりこれを検出する。この場合は、出金処理を一旦停止させて操作員A,Bに対し異金種硬貨の排除作業を行う旨の表示を行う。
一方、小径の異金種硬貨の場合は、出金選別孔94B〜94Fのいずれかから落下させられることになり、硬貨検出センサ95,98の検出結果からこのことがわかると、制御部230は、この異金種硬貨の分多く硬貨を繰り出させることで必要な枚数の硬貨を出金させる。一方で、出金選別孔94B〜94Fのいずれかから落下した硬貨は、シュートガイド96で案内されて硬貨搬送路101上に落下することになるため、制御部230は、硬貨検出センサ95,98の検出結果から異金種硬貨を検出した場合、これを硬貨搬送路101で一時貯留部42側に搬送して後述の「入金処理の入金収納処理」を行う。なお、この場合は、一時貯留部42において一時貯留させることなく、そのまま硬貨判別部63、金種振分部68へと連続的に搬送する。
「入金処理の入金収納処理」
上記した「入金処理の入金計数処理」の後、入金確定操作が入力された場合、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とし、搬送ベルト44、搬送ベルト61、搬送ベルト71、搬送ベルト81および搬送ベルト100を駆動するとともに(搬送ベルト100は硬貨一括金庫23の方向に駆動する)、ゲートストッパ51を開状態とし、さらに、収納繰出部76A〜76Fの全てのゲートストッパ91を閉状態とし、返却搬送路67のゲートストッパ91を開状態とする。そして、硬貨判別部63の判別結果に基づいて収納振分ゲート65の切り換えタイミングを適宜制御することで、一時貯留部42から繰り出される硬貨を振り分ける。すなわち、収納繰出部76A〜76Fに収納しない硬貨、例えば、収納繰出部76A〜76Fに収納しきれないオーバーフロー硬貨や新旧二種類が流通している場合における旧硬貨等は、返却搬送路67に落下させ、返却搬送路67から硬貨搬送路101を介して硬貨一括金庫23に収納する。一方、それ以外の硬貨は、金種振分部68に送り、分類孔72A〜72Fの対応するものから落下させる。これにより、一時貯留部42から繰り出された硬貨は金種別の収納繰出部76A〜76Fの対応する金種のものに収納される(図13に太線で示す入金処理の入金収納処理ルート参照)。
なお、入金処理の入金計数処理における硬貨識別部32の識別結果と、入金処理の入金収納処理時における硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果と、出金処理時における硬貨検出センサ95,98の検出結果と等から、制御部230は、硬貨入出金部12の金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび硬貨一括金庫23の硬貨収納量をほぼ把握している。
「整理処理の整理計数処理」
複数金種混在した硬貨から指定した金種を計数しつつ分離する場合等の処理であり、制御部230は、整理処理実行の指令信号にしたがって、整理処理の整理計数処理を開始させると、硬貨入金口17のシャッタ17aを開き、硬貨投入部30の回転円盤34、搬送ベルト38を駆動する。すると、操作者が硬貨入金口17に硬貨を投入することになり、投入された硬貨が、回転円盤34から隙間規制部材37で一枚ずつに分離されて搬送ベルト38で搬送されることになる。制御部230は、その途中の硬貨識別部32の識別結果に基づいてリジェクト・一時貯留振分ゲート40で振り分ける(図11に太線で示す入金処理の入金計数処理ルート参照)。
すなわち、識別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨および整理計数対象金種以外の硬貨、つまり正常と識別されなかったリジェクト硬貨をリジェクトボックス41へ落下させる。他方、真硬貨で整理計数対象金種と識別された硬貨、つまり正常と識別された硬貨を、一時貯留部42に落下させる。このときも、入金処理の入金計数処理時と同様、一時貯留部42においてはゲートストッパ51をオンするとともに搬送ベルト44を駆動状態とし、さらに、ベルト叩き機構54のベルト叩きプッシャ55を往復動させる。
回転円盤34から全ての硬貨が一旦繰り出され、リジェクトボックス41および一時貯留部42のいずれかに送り込まれると、制御部230は、リジェクトボックス41に残存硬貨がないことを図示略のセンサにより検出していることを条件に、整理計数処理が終了したと判定する。
そして、制御部230は、第1の占有状態にある場合は、硬貨識別部32の識別結果を窓口操作機2Aの表示部6Aに表示させると共に、操作員Aによる窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aへの、次の硬貨処理の開始操作である整理計数完了確認操作を受け付ける状態となって待機する。そして、操作員Aが、後述の「返却処理」の開始操作である整理計数完了確認操作を窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aへ入力して返却処理実行の指令信号を出力させると、制御部230は、現在の占有状態が第1の占有状態にあることからタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出する状態にあることを条件に、指令信号にしたがって、整理処理の一部として後述の「返却処理」を行うことになる。
他方、制御部230は、第2の占有状態にある場合は、硬貨識別部32の識別結果を窓口操作機2Bの表示部6Bに表示させると共に、操作員Bによる窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bへの、次の硬貨処理の開始操作である整理計数完了確認操作を受け付ける状態となって待機する。そして、操作員Bが、後述の「返却処理」の開始操作である整理計数完了確認操作を窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bへ入力して返却処理実行の指令信号を出力させると、制御部230は、現在の占有状態が第2の占有状態にあることからタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出する状態にあることを条件に、指令信号にしたがって、整理処理の一部として後述の「返却処理」を行うことになる。
なお、以上の整理処理の整理計数処理中、言い換えれば整理処理の返却処理前に、受皿11A,11Bが受皿挿入口18から抜き出されると、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbのいずれも検出しない状態になる。すると、制御部230は、現在の占有状態を解除不能な状態とすることで解除することなく、現在の占有状態が第1の占有状態にあるときには、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Aをセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。他方、現在の占有状態が第2の占有状態にあるときには、制御部230は、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Bをセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。
また、以上の整理処理の整理計数処理中、言い換えれば整理処理の返却処理前に、受皿11A,11Bが受皿挿入口18から抜き出された後、セット位置に配置された受皿が現在の占有状態と対応しないこともある。よって、制御部230は、現在の占有状態が第1の占有状態にあるときに、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出する状態になると、現在の占有状態を解除不能に維持しながら、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Bから受皿11Aへ交換してセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。他方、現在の占有状態が第2の占有状態にあるときに、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出する状態になると、制御部230は、現在の占有状態を解除に維持しながら、音声発生部24にエラー音声を発生させてエラーである旨の報知を行うとともに、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Aから受皿11Bへ交換してセット位置に配置するように促すエラー表示を表示させてエラーである旨の報知を行う。
なお、整理処理の整理計数処理中に、現在の占有状態が第1の占有状態にあってタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出しない状態になると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出する状態になるまで、後述の「返却処理」の実行前の状態で待機することになり、現在の占有状態が第2の占有状態にあってタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出しない状態になるとタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出する状態になるまで、後述の「返却処理」の実行前の状態で待機することになる。
「返却処理」
第1の占有状態にあって上記「入金処理の入金計数処理」の終了にあたって入金キャンセル操作が窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aに入力された場合と、第2の占有状態にあって上記「入金処理の入金計数処理」の終了にあたって入金キャンセル操作が窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bに入力された場合と、第1の占有状態にあって上記「整理処理の整理計数処理」の終了にあたって整理計数完了確認操作が窓口操作機2Aの操作部5Aまたは入出金機本体10の操作部14Aに入力された場合と、第2の占有状態にあって上記「整理処理の整理計数処理」の終了にあたって整理計数完了確認操作が窓口操作機2Bの操作部5Bまたは入出金機本体10の操作部14Bに入力された場合とに出力される返却処理実行の指令信号にしたがって、制御部230は、返却処理を開始させる。その際に、まず、受皿ロック機構216で受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿を抜き取り不可にロックする。すると、上記したように、第1の占有状態にあるときには受皿11Aが受皿挿入口18のセット位置に配置されており、第2の占有状態にあるときには受皿11Bが受皿挿入口18のセット位置に配置されているため、第1の占有状態では受皿11Aを、第2の占有状態では受皿11Bを抜き取り不可にロックする。
ここで、返却処理実行の指令信号は、入出金機本体10が第1の占有状態にあるときにはタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出している場合に受け付け、入出金機本体10が第2の占有状態にあるときにはタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出している場合に受け付けることになり、この返却処理実行の指令信号にしたがって、制御部230は、まず、上記のように受皿ロック機構216で受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿を抜き取り不可にロックする。つまり、制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出している場合と、入出金機本体10を第2の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出している場合とに、受皿ロック機構216で、受皿11A,11Bのセット位置にあるものをロックする。
そして、制御部230は、上記のように受皿ロック機構216により、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿をロックした状態で、返却機構206の一部構成としての出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨をシュートガイド103に案内する状態とし、搬送ベルト44、搬送ベルト61、搬送ベルト81および搬送ベルト88を駆動する。それとともに、金種別の収納繰出部76A〜76Fのゲートストッパ91は、全て閉状態とし、返却搬送路67のゲートストッパ91のみ開状態とし、さらに、収納振分ゲート65を、全ての硬貨を返却搬送路67に落下させる状態とする。以上により、一時貯留部42から一枚ずつ繰り出された硬貨が、硬貨判別部63で判別されながら、収納振分ゲート65から落下し、返却搬送路67の繰出口89からシュートガイド103を介して、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿に放出される(図14に太線で示す返却処理ルート参照)。つまり、制御部230は、入出金機本体10を第1の占有状態に設定すると、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出していることを条件に、窓口操作機2Aの操作部5Aあるいは入出金機本体10の操作部14Aからの返却処理実行の指令信号に基づいて、返却機構206から硬貨を放出させる一方、入出金機本体10を第2の占有状態に設定すると、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出していることを条件に、窓口操作機2Bの操作部5Bあるいは入出金機本体10の操作部14Bからの返却処理実行の指令信号に基づいて、返却機構206から硬貨を放出させる。
返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿に放出する、つまり返却のため放出すべき全ての硬貨を返却機構206で、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿に放出すると、制御部230は、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿の受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。その後、所定の待機時間の間に、受皿抜取検出センサ221が受皿の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、返却機構206で硬貨を放出する放出処理としての返却処理が終了したと判定して、次の硬貨処理の入力を受け付ける状態となって待機する。
他方、返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿に放出した後、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出している状態(受皿抜取検出センサ221もこの受皿を検出している)、つまり、この受皿が受皿挿入口18から抜き取られずに返却機構206から硬貨を受け入れ可能な位置にあることを受皿配置検出センサ217が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿に返却硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、それぞれ表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿に放出した後、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221がこの受皿を検出している状態、つまり、この受皿が返却機構206から硬貨を受け入れ可能な位置にないことを受皿配置検出センサ217が検出し且つこの受皿が受皿挿入口18から抜き取られていないことを受皿抜取検出センサ221が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、この受皿が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、この受皿の天井部213に隠れた部分に返却硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、それぞれ表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て、受皿11A,11Bのうち受皿挿入口18のセット位置に配置されている受皿に放出した後、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221がこの受皿を検出している状態から、所定の待機時間の経過前に、受皿配置検出センサ217がこの受皿を検出している状態(受皿抜取検出センサ221もこの受皿を検出している)になった場合も、制御部230は、この受皿が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、この受皿の天井部213に隠れた部分に返却硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を、第1の占有状態では、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、第2の占有状態では、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、それぞれ表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させることになる。
上記したエラー表示および警告音の発生後、受皿抜取検出センサ221が受皿の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、エラー表示および警告音を停止させるとともに、返却機構206で硬貨を放出する返却処理が終了したと判定して、次の硬貨処理を受け付ける状態となって待機する。
「入金口補充処理」
収納繰出部76A〜76Fのいずれかの硬貨収納量が少なくなってきた場合は、操作員A,Bが上記「入金処理の入金計数処理」および「入金処理の入金収納処理」を同時に実行することで硬貨を補充する(図11に太線で示す入金処理の入金計数処理ルートおよび図13に太線で示す入金処理の入金収納処理ルート参照)。
「金庫回収処理」
硬貨入出金部12の硬貨を全て回収する場合には、窓口操作機2A,2Bの操作部5A,5Bのいずれかまたは入出金機本体10の操作部14A,14Bのいずれかに「金庫回収処理」の実行入力がなされると、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とし、搬送ベルト81、搬送ベルト88および搬送ベルト100を駆動するとともに(搬送ベルト100は硬貨一括金庫23の方向に駆動)、金種別の収納繰出部76A〜76Fの全てのゲートストッパ91を開状態とすることで、金種別の収納繰出部76A〜76Fから硬貨を全て繰り出し出金側ゲート104で硬貨搬送路101に案内しつつ硬貨搬送路101で硬貨一括金庫23に収納させる(図15に太線で示す金庫回収処理ルート参照)。その後、硬貨一括金庫23を機外に取り外すことで硬貨が回収される。
「精査処理」
まず、例として、収納繰出部76Aについて収納している硬貨(1円硬貨)を全て一旦繰り出しこの収納繰出部76A以外の一時貯留場所に一時貯留させる一方、この収納繰出部76Aに確定した枚数の硬貨を戻すことにより収納枚数を確定させる精査処理を行う場合について説明する。
ここで、上述したように、入金処理の入金計数処理における硬貨識別部32の識別結果と、入金処理の入金収納処理時における硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果と、出金処理時における硬貨検出センサ95,98の検出結果とから、制御部230は、硬貨入出金部12の各部の硬貨収納量をほぼ把握しており、精査処理前に認識していた収納繰出部76Aの収納枚数に応じて、一時貯留場所を変更する。
すなわち、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数以下の場合は、収納繰出部76Aの全ての硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を一旦一時貯留部42のみに一時貯留させる一方、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、収納繰出部76Aの全ての硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を一時貯留部42および返却搬送路67に一時貯留させる。なお、上記所定枚数は、良好に繰り出し等を行うことができる枚数が設定されることになる。具体的には、上記一時貯留部42の硬貨の収納量は、500円硬貨は100枚、それ以外の硬貨は160枚とされており、一時貯留部42に硬貨を放出する硬貨搬送路101からの硬貨搬送路出口102が一時貯留部42の収納スペースのほぼ中央に位置しているため、最も大きさの大きい500円硬貨に対応して上記所定枚数を収納量の半分の50枚と設定する。
具体的には、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)以下の場合は、窓口操作機2A,2Bの操作部5A,5Bのいずれかまたは入出金機本体10の操作部14A,14Bのいずれかに収納繰出部76Aを精査処理する際の入力がなされると、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とするとともに、搬送ベルト81、搬送ベルト88および搬送ベルト100を駆動し(搬送ベルト100は一時貯留部42の方向に駆動)、一時貯留部42の搬送ベルト44を駆動するとともにゲートストッパ51を閉状態とし、さらに、収納繰出部76A〜76Fのうち収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態とする。これにより、収納繰出部76Aに収納されていた硬貨が全て一時貯留部42に一時貯留され、収納繰出部76Aは空となる。次に、制御部230は、ゲートストッパ51を開状態とし、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とする。これにより、一時貯留部42から硬貨が繰り出され、繰り出された硬貨を硬貨判別部63で判別しつつ、金種振分部68に送り、対応する分類孔72Aから落下させる。これにより、一時貯留部42から繰り出された硬貨は収納繰出部76Aに収納される(図16に太線で示す第1精査処理ルート参照)。以上のようにして、収納可能な硬貨が全て収納繰出部76Aに収納されると、硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果で収納繰出部76Aに収納された硬貨の枚数が確定する。なお、万が一異金種硬貨が混入していても、金種振分部68で分類孔72A〜72Fの対応するものから落下させられることになる。他方、硬貨判別部63の判別結果から、偽硬貨等の真硬貨でないものが混入していた場合には、直ちに装置を停止させ、エラー表示をする。この停止で、偽硬貨等の真硬貨でないものは、収納振分ゲート65より下流側かつ金種振分部68より上流で留まることになり、操作員A,Bによる排除が円滑に行われる。
収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)を越えている場合は、窓口操作機2A,2Bの操作部5A,5Bのいずれかまたは入出金機本体10の操作部14A,14Bのいずれかに収納繰出部76Aを精査処理する際の入力がなされると、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とするとともに、搬送ベルト81、搬送ベルト88および搬送ベルト100を駆動するとともに(搬送ベルト100は一時貯留部42の方向に駆動)、一時貯留部42のゲートストッパ51は開状態とし、さらに、収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のうち収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態として、収納振分ゲート65を返却搬送路67に硬貨を案内する状態とする。そして、硬貨検出センサ95,98で、繰出口89から、上記所定枚数を越える枚数の硬貨が繰り出されるまで収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態とし、繰り出された硬貨を全て硬貨搬送路101および一時貯留部42を介して一旦返却搬送路67に一時貯留させる。
繰出口89から上記所定枚数を越える枚数の硬貨が繰り出されたことが検出されると、制御部230は、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とし、繰り出された全ての硬貨が返却搬送路67に一時貯留されると、一時貯留部42のゲートストッパ51を閉状態とし収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のうち収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを再び開状態とする。これにより、残りの硬貨すなわち上記所定枚数と認識されていた硬貨を硬貨搬送路101を介して一旦一時貯留部42に一時貯留させる。これにより、収納繰出部76Aに収納されていた硬貨が全て一時貯留部42および返却搬送路67に一時貯留され、収納繰出部76Aは空となる。次に、制御部230は、一時貯留部42のゲートストッパ51を開状態とし、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とする。これにより、一時貯留部42から硬貨が繰り出され、繰り出された硬貨を、硬貨判別部63で判別しつつ、金種振分部68に送り、対応する分類孔72Aから落下させる。これにより、上記と同様、一時貯留部42から繰り出された硬貨は収納繰出部76Aに収納される(図17に太線で示す第2精査処理ルート参照)。この場合、偽硬貨等に対する対応は上記と同様である。ここで、上記一時貯留部42から金種振分部68への硬貨の繰り出しの開始に合わせて、返却搬送路67のゲートストッパ91を開状態とし、返却搬送路67に一時貯留させた硬貨を返却搬送路67から硬貨搬送路101を介して一時貯留部42に徐々に追加する。以上のようにして、収納可能な硬貨が全て収納繰出部76Aに収納されると、硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果で収納繰出部76Aに収納された硬貨の枚数が確定する。
なお、収納繰出部76Bすなわち50円硬貨に関して精査処理を行う場合も、上記と同様であり、具体的には、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Bに、分類孔72Aを分類孔72Bに、1円硬貨を50円硬貨に、それぞれ読み替えればよい。
同様に、収納繰出部76Cすなわち5円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Cに、分類孔72Aを分類孔72Cに、1円硬貨を5円硬貨に、それぞれ読み替えればよく、収納繰出部76Dすなわち100円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Dに、分類孔72Aを分類孔72Dに、1円硬貨を100円硬貨に、それぞれ読み替えればよい。また、収納繰出部76Eすなわち10円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Eに、分類孔72Aを分類孔72Eに、1円硬貨を10円硬貨に、それぞれ読み替えればよく、収納繰出部76Fすなわち500円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Fに、分類孔72Aを分類孔72Fに、1円硬貨を500円硬貨に、それぞれ読み替えればよい。
ここで、上記の精査処理は以下のように変更することも可能である。
例えば収納繰出部76Aを例にとり説明すると、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)以下の場合は、上記と同様とし、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、繰り出した硬貨を一時貯留部42および硬貨搬送路101に一時貯留させるようにしてもよい。
この場合、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、一時貯留部42のゲートストッパ51を閉状態としておくとともに、収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のゲートストッパ91の中では収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態とすることで、この所定枚数までの枚数の硬貨を収納繰出部76Aから繰り出し、この繰り出しが終わると、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とし、繰り出した硬貨を全て硬貨搬送路101を介して一旦一時貯留部42に一時貯留させる。そして、硬貨搬送路101を停止させた後、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態として、該所定枚数を越える枚数の硬貨を全て一旦硬貨搬送路101に一時貯留させる。このとき、硬貨搬送路101について一時貯留部42に硬貨が落下しない範囲で正転および逆転の少なくともいずれか一方を行って、硬貨を硬貨搬送路101上に無駄なスペースをつくることがないように集積させるようにする。例えば一時貯留部42への硬貨の落下防止の点から特に硬貨搬送路101の硬貨一括金庫23側を有効利用するように搬送ベルト100を硬貨一括金庫23側へ硬貨を搬送する方向に回転させる。以上の後、一時貯留部42から硬貨を金種振分部68を介して収納繰出部76Aに戻すのである。そして、この戻している最中に適宜のタイミングで硬貨搬送路101を駆動して一時貯留部42に硬貨を追加する。
さらに、上記を組み合わせてもよい。
すなわち、例えば収納繰出部76Aを例にとり説明すると、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)より多い場合は、繰り出した硬貨を一時貯留部42と返却搬送路67と硬貨搬送路101とに一時貯留させるのである。
この場合、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、一時貯留部42のゲートストッパ51を開状態とするとともに、収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のゲートストッパ91の中では収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態とすることで、該所定枚数を越える枚数の硬貨の一部(例えば半分)を収納繰出部76Aから繰り出し、この繰り出しの後、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を一旦閉状態とするとともに、繰り出した硬貨を全て硬貨搬送路101および一時貯留部42を介して一旦返却搬送路67に一時貯留させる。次に、一時貯留部42のゲートストッパ51を閉じて、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態とし、上記の所定枚数までの枚数の硬貨を収納繰出部76Aから繰り出して、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とし、繰り出した硬貨を全て硬貨搬送路101を介して一旦一時貯留部42に一時貯留させる。そして、硬貨搬送路101を停止させた後、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態として、該所定枚数を越える枚数の硬貨を全て一旦硬貨搬送路101に一時貯留させる。このとき、上記と同様、硬貨搬送路101について一時貯留部42に硬貨が落下しない範囲で正転および逆転の少なくともいずれか一方を行って、硬貨を硬貨搬送路101上に均等に集積させるようにする。その後、一時貯留部42から硬貨を繰り出し金種振分部68を介して収納繰出部76Aに戻すのである。そして、この戻している最中に適宜のタイミングで硬貨搬送路101を駆動して一時貯留部42に硬貨を追加するとともに、適宜のタイミングで返却搬送路67のゲートストッパ91を開状態として返却搬送路67から硬貨搬送路101を介して一時貯留部42に硬貨を追加する。
なお、制御部230は、上記した入金処理の入金計数処理、出金処理、入金処理の入金収納処理、整理計数処理、返却処理、入金口補充処理、金庫回収処理および精査処理等の取引処理中に異常が発生すると、表示パネル16に異常復旧のガイダンスを表示させるとともに、その後の異常復旧の処理状況を確認することになるが、この異常復旧の処理を終了と判断する条件に、受皿抜取検出センサ221が受皿11A,11Bの受皿挿入口18からの抜き取りを検出することを含むようになっている。
以上に述べた本実施形態によれば、互いに視覚的に異なる受皿11Aおよび受皿11Bを使用するため、受皿11Aを一方の操作員Aの専用とし、受皿11Bを他方の操作員Bの専用とすることで、硬貨の取り間違えを視覚的に防止することができる。この場合、受皿11Aおよび受皿11Bを色分けし、これに合わせて、窓口操作機2A,2Bを色分けしたり、入出金機本体10の操作部14A,14Bを色分けすれば、より好ましい。
また、一方の操作員A用の受皿11Aがセット位置に配置されると、タグリーダ220がこの受皿11AのICタグ11Abを検出し、これにより制御部230が入出金機本体10を、一方の操作員Aにより操作される窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付け且つ他方の操作員Bにより操作される窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付けない第1の占有状態に設定する。一方で、他方の操作員B用の受皿11Bが所定のセット位置に配置されると、タグリーダ220がこの受皿11BのICタグ11Bbを検出し、これにより制御部230が入出金機本体10を、他方の操作員Bにより操作される窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付け且つ一方の操作員Aにより操作される窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付けない第2の占有状態に設定する。このように、一方の操作員A用の受皿11Aをセット位置に配置すると、自動的に入出金機本体10が、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aを操作する一方の操作員Aの占有状態になり、他方の操作員B用の受皿11Bをセット位置に配置すると、自動的に入出金機本体10が、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bを操作する他方の操作員Bの占有状態になる。したがって、操作員A,Bによる硬貨の取り間違えをさらに防止することができる。また、これにより、二人の操作員A,Bそれぞれ用の占有設定釦を操作することなく、入出金機本体10を二人の操作員A,Bそれぞれの占有状態に設定できるため、占有状態の設定操作が容易となる。また、二人の操作員A,Bそれぞれ用の占有設定釦を廃止することが可能となるため、これら占有設定釦を廃止すれば、操作部14A,14Bのレイアウトの自由度が上がり、部品コストを低減できる。
また、受皿11A,11Bのセット位置への配置に基づいて入出金機本体10を第1の占有状態および第2の占有状態のいずれか一方に設定した待機状態において、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態になると、制御部230は、設定した占有状態を解除して入出金機本体10を非占有状態とすることになる。よって、セット位置に配置された受皿11Aあるいは受皿11Bの配置を解除することで、設定した占有状態を自動的に解除することができる。これにより、二人の操作員A,Bそれぞれ用の占有取消釦を操作することなく占有状態を解除できるため、占有状態の解除操作が容易となる。また、二人の操作員A,Bそれぞれ用の占有取消釦を廃止することが可能となるため、これら占有取消釦を廃止すれば、14A,14Bのレイアウトの自由度がさらに上がり、部品コストを低減できる。
また、受皿配置検出センサ217が受皿11A,11Bのセット位置への配置を検出すると、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出して、セット位置に配置されたものが受皿11Aおよび受皿11Bのいずれであるかを検出する。したがって、タグリーダ220が無駄にICタグ11Ab,11Bbの検出を試行し続ける必要がなくなり、電力消費を抑制することができる。
また、受皿11Aのセット位置への配置に基づいて入出金機本体10を第1の占有状態に設定した待機状態で窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bから指令信号を受けた場合には、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに、受皿11Aを受皿11Bに交換する旨の表示を行い、受皿11Bのセット位置への配置に基づいて入出金機本体10を第2の占有状態に設定した待機状態で窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aから指令信号を受けた場合には、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに、受皿11Bを受皿11Aに交換する旨の表示を行わせるため、適正な受皿への交換等を促すことができる。
また、入出金機本体10内に収納している硬貨を機外へ放出する出金処理を行う場合に、入出金機本体10内から出金される硬貨の操作員A,Bによる取り間違いを防止することができる。
また、第1の占有状態および第2の占有状態のいずれか一方の状態において、出金処理中に、受皿ロック機構216が、受皿11A,11Bのうちセット位置にある受皿をロックするため、受皿11A,11Bのセット位置への配置が出金処理中に解除されてしまうことを防止できる。
また、機外から投入され硬貨識別部32で正常と識別して入出金機本体10内に一時貯留した硬貨を機外へ返却する返却処理を行う場合に、入出金機本体10内から返却される硬貨の操作員A,Bによる取り間違いを防止することができる。
また、第1の占有状態および第2の占有状態のいずれか一方の状態において、入金処理の返却処理中に、受皿ロック機構216が、受皿11A,11Bのうちセット位置にある受皿をロックするため、受皿11A,11Bのセット位置への配置が返却処理中に解除されてしまうことを防止できる。
また、占有状態が設定されて入金処理が開始されると硬貨は入出金機本体10内に取り込まれ始めることになるが、このときに、タグリーダ220がICタグ11Ab,11Bbを検出しない状態になると、占有状態を解除せず、第1の占有状態では窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに受皿11Aをセット位置へ配置するように促し、第2の占有状態では窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに受皿11Bを、セット位置へ配置するように促す。つまり、受皿が取り除かれることで、占有状態を解除してしまうと、返って、処理が煩雑となるので、このような状況になることを防止しつつ、最適な状態にするように促すことができる。
また、占有状態が設定されて入金処理が開始されると硬貨は入出金機本体10内に取り込まれ始めることになるが、このときに、第1の占有状態ではタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを、第2の占有状態ではタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを、それぞれ検出すると、占有状態を解除せず、第1の占有状態では窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに受皿11Bを受皿11Aに交換するように促し、第2の占有状態では窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに受皿11Aを受皿11Bに交換するように促す。つまり、占有状態を解除してしまうと、返って、処理が煩雑となるので、このような状況になることを防止しつつ、最適な状態にするように促すことができる。
また、セット位置、出金機構205および返却機構206が、二人の操作員A,Bによって共用して使用されるため、操作員A,Bによる硬貨の取り間違えを特に生じやすい状況になり、よって、硬貨の取り間違えを防止することによる効果が高い。セット位置、出金機構205および返却機構206を二人の操作員A,Bに共用とすることで、機体を小型化でき、部品点数を低減できる。
以上に述べた本実施形態によれば、制御部230は、一方の操作員Aにより操作される窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aから指令信号を受けると、入出金機本体10を、他方の操作員Bにより操作される窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号を受け付けない第1の占有状態に設定し、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bから指令信号を受けると、入出金機本体10を、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号を受け付けない第2の占有状態に設定する。そして、制御部230は、入出金機本体10が第1の占有状態に設定されている場合、タグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出していることを条件に、窓口操作機2Aの操作部5Aおよび入出金機本体10の操作部14Aからの指令信号に基づいて出金機構205および返却機構206から硬貨を放出させる一方、入出金機本体10が第2の占有状態に設定されている場合、タグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出していることを条件に、窓口操作機2Bの操作部5Bおよび入出金機本体10の操作部14Bからの指令信号に基づいて出金機構205および返却機構206から硬貨を放出させる。したがって、占有状態と受皿11A,11Bとの対応を確認した上で、硬貨を受皿11A,11Bに放出させることになり、操作員A,Bによる硬貨の取り間違えをさらに防止することができる。
また、入出金機本体10を第1の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出していない場合には、制御部230が、窓口操作機2Aの表示部6Aおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Aに受皿11Aのセット位置への配置を促し、入出金機本体10を第2の占有状態に設定し且つタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出していない場合には、制御部230が、窓口操作機2Bの表示部6Bおよび入出金機本体10の表示ランプ部15Bに受皿11Bのセット位置への配置を促す報知を行わせるため、第1の占有状態ではセット位置への受皿11Aの配置を、第2の占有状態ではセット位置への受皿11Bの配置を、それぞれ促すことができる。
また、入出金機本体10が第1の占有状態に設定され且つタグリーダ220が受皿11AのICタグ11Abを検出している場合と、入出金機本体10が第2の占有状態に設定され且つタグリーダ220が受皿11BのICタグ11Bbを検出している場合とに、制御部230が、受皿ロック機構216により、受皿11A,11Bのうちセット位置にある受皿をロックするため、出金機構205および返却機構206による硬貨の放出中に、受皿のセット位置への配置が解除されてしまうことを防止できる。