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JP3547648B2 - 硬貨入出金機 - Google Patents

硬貨入出金機 Download PDF

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JP3547648B2
JP3547648B2 JP17343299A JP17343299A JP3547648B2 JP 3547648 B2 JP3547648 B2 JP 3547648B2 JP 17343299 A JP17343299 A JP 17343299A JP 17343299 A JP17343299 A JP 17343299A JP 3547648 B2 JP3547648 B2 JP 3547648B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投入された硬貨を入金させるとともにこれを必要に応じて出金させる還流式の硬貨入出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】
投入された硬貨を入金させるとともにこれを必要に応じて出金させる還流式の硬貨入出金機として、例えば、特開平10−97667号公報に開示されたものがある。
この硬貨入出金機は、入金のため投入された硬貨を一枚ずつ分離して機内に繰り出し、この繰り出された硬貨の真偽判別と、真と判別された硬貨の正損判別および金種鑑別とを入金鑑別部で行った後、正と判別された硬貨のみを硬貨分類部で金種別に選別分類する。そして、これら選別分類された硬貨を、一時貯留部の貯留部にて金種毎に一時貯留させるとともに、入金の承認操作が入力されると、一時貯留部からその下方に設けられた金種別の収納繰出部に硬貨を放出させ該金種別の収納繰出部で金種毎に収納する。これにより硬貨の入金が完了する。
また、金種別の収納繰出部には、収納された硬貨を載置させる傾斜配置されたベルトコンベアがそれぞれ設けられており、出金時には、必要なベルトコンベアを駆動させて、該ベルトコンベアに載置させた硬貨を金種別に一枚ずつ分離して機外に放出させることでその出金を可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような硬貨入出金機では、正貨と判別された硬貨が上記硬貨分類部で誤選別されてその金種に応じた収納繰出部に収納されずに、他の金種に応じた収納繰出部に収納されてしまうことがある。
しかしながら、還流式の硬貨入出金機では、入金させた硬貨を出金用として使用することになるため、上記のように金種別の収納繰出部に対応しない他金種となる異金種硬貨が混入したまま出金処理が継続的に行われると、その異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことになり、この場合、予め設定された出金金額と、実際に出金された金額とが異なってしまうことになる。しかも、機外に出金された後の硬貨の金額は、目視で再計数しない限り、その出金金額の違いを確認することはできないが、これは非現実的な作業であり、実際には、このように出金金額とは異なる金額の硬貨が出金されたとしてもこれに気付かずに使用されてしまう可能性が高い。
したがって、本発明は、正の硬貨を金種別に収納する収納繰出部に、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、当該異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを未然に防止することが可能な硬貨入出金機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の硬貨入出金機は、入金された硬貨を金種別に選別分類して金種別の収納繰出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を金種別の収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金機であって、前記金種別の収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別部と、前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬貨を一時貯留させるとともに、該一時貯留させた一時貯留硬貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能な出金一時貯留部と、該出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する出金搬送部と、前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェクトボックスと、出金処理時に、前記金種別の収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせる制御手段と、を具備し、前記出金一時貯留部は、一時貯留させた一時貯留硬貨を前記第1の方向および前記第2の方向に加えて、これらの方向とは異なる第3の方向に振り分け可能とされるとともに、前記出金一時貯留部で前記第3の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な回収ボックスを有し、前記制御手段は、回収処理時に、対象となる収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第3の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせることを特徴としている。
【0005】
これにより、制御手段が、出金処理時に、金種別の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第1の方向に振り分け、出金搬送部を介して出金口に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
制御手段が、回収処理時に、対象となる金種の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第3の方向に振り分け回収ボックスに収納させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分けさせ、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、回収する硬貨を鑑別し、適正である場合のみ回収ボックスに回収させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
【0006】
本発明の請求項2記載の硬貨入出金機は、請求項1記載のものに関し、前記制御手段は、前記回収処理時において、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づく前記一時貯留硬貨の硬貨枚数に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することを特徴としている。
このように、制御手段が、回収処理時に、出金鑑別部の鑑別結果に基づく一時貯留硬貨の硬貨枚数に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することになるため、一時貯留硬貨が適正であるか否かの判定を容易に行うことができる。
【0008】
本発明の請求項3記載の硬貨入出金機は、入金された硬貨を金種別に選別分類して金種別の収納繰出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を金種別の収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金機において、前記金種別の収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別部と、前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬貨を一時貯留させるとともに、該一時貯留させた一時貯留硬貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能な出金一時貯留部と、該出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する出金搬送部と、前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェクトボックスと、出金処理時に、前記金種別の収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせる制御手段と、を具備し、前記出金一時貯留部は、一時貯留させた一時貯留硬貨を前記第1の方向および前記第2の方向に加えて、これらの方向とは異なりかつ金種別に設けられたさらに複数の各金種別方向に振り分け可能とされるとともに、前記出金一時貯留部で各金種別方向に振り分けられた硬貨を金種別に収納可能な金種別の回収ボックスを有し、前記制御手段は、回収処理時に、対象となる一金種の収納繰出部から硬貨を繰り出させ、該収納繰出部から繰り出され前記搬送手段で搬送される硬貨がすべて前記出金鑑別部で前記一金種の硬貨と鑑別された場合、これら硬貨を前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記金種別方向のうち対応する金種の方向に振り分けさせる一方、前記一金種の収納繰出部から繰り出され前記搬送手段で搬送される硬貨のうちの一つが前記出金鑑別部で前記一金種の硬貨でないと鑑別された場合、該鑑別に基づき前記収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、すでに繰り出された硬貨を前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させた後、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせることを特徴としている。
【0009】
これにより、制御手段が、出金処理時に、金種別の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第1の方向に振り分け、出金搬送部を介して出金口に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
制御手段は、回収処理時に、対象となる一金種の収納繰出部から硬貨を繰り出させ、該収納繰出部から繰り出され搬送手段で搬送される硬貨がすべて出金鑑別部で前記一金種の硬貨と鑑別された場合、これら硬貨を出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で金種別方向のうち対応する金種の方向に振り分け、対応する金種の回収ボックスに収納させる一方、前記一金種の収納繰出部から繰り出され搬送手段で搬送される硬貨のうちの一つが出金鑑別部で前記一金種の硬貨でないと鑑別された場合、該鑑別に基づき収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、すでに繰り出された硬貨を出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させた後、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、回収する硬貨を鑑別し、適正である場合のみ対応する金種の回収ボックスに回収させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
【0010】
本発明の請求項4記載の硬貨入出金機は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のものに関し、前記出金一時貯留部は、出金一時貯留ボックスと該出金一時貯留ボックスの下部開口を開閉させるスライドシャッタとを有するとともに、前記一時貯留硬貨が、待機位置で待機している前記出金一時貯留ボックス内に落とし込まれ該出金一時貯留ボックスの下部開口を閉塞させている前記スライドシャッタ上に一時貯留され、さらに、前記一時貯留硬貨が適正である場合は前記出金一時貯留ボックスを前記待機位置に位置させた状態のまま前記スライドシャッタを開作動させることを特徴としている。
【0012】
本発明の請求項5記載の硬貨入出金機は、請求項1乃至4のいずれか一項のものに関し、前記回収処理においては、包装されて棒金とされる包装単位枚数の硬貨を回収することを特徴としている。
【0013】
このように、回収処理においては、包装されて棒金とされる包装単位枚数の硬貨を回収することになるため、回収した硬貨を包装して棒金とする場合に、硬貨が余ってしまうことがない。
【0014】
本発明の請求項6記載の硬貨入出金機は、入金された硬貨を金種別に選別分類して金種別の収納繰出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を金種別の収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金機において、前記金種別の収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別部と、前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬貨を一時貯留させるとともに、該一時貯留させた一時貯留硬貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能な出金一時貯留部と、該出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する出金搬送部と、前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェクトボックスと、出金処理時に、前記金種別の収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせる制御手段と、具備し、前記出金一時貯留部は、出金一時貯留ボックスと該出金一時貯留ボックスの下部開口を開閉させるスライドシャッタとを有するとともに、前記一時貯留硬貨が、待機位置で待機している前記出金一時貯留ボックス内に落とし込まれ該出金一時貯留ボックスの下部開口を閉塞させている前記スライドシャッタ上に一時貯留され、さらに、前記一時貯留硬貨が適正である場合は前記出金一時貯留ボックスを前記待機位置に位置させた状態のまま前記スライドシャッタを開作動させることを特徴としている。
【0015】
これにより、制御手段が、出金処理時に、金種別の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第1の方向に振り分け、出金搬送部を介して出金口に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を図1〜図18を参照して以下に説明する。
この硬貨入出金機11は、入金された硬貨を収納させるとともに必要に応じて出金させるいわゆる還流式のもので、主に銀行等の金融機関において、他の紙幣入出金機等と組み合わせられて出納機として用いられ、同じく出納機を構成するとともに硬貨入出金機11および紙幣入出金機等を管理する上位機12(図17参照)からの指令に基づいて入金処理あるいは出金処理等の各処理を行い、その処理結果等の情報を上位機12に送るように構成されている。このため、この硬貨入出金機11に関する操作入力およびデータ表示はこの上位機12に設けられた図示せぬ操作部および表示部によって行われるようになっている。
【0017】
なお、以下における機体前側、機体後側、機体前後、機体最前部、機体最後部等の表現は、機体13の前後方向における前側、後側、前後、最前部、最後部等の略であり、機体左側、機体右側、機体左右等は、機体13を前方から見たときの機体における左側、右側、左右等の略である。
【0018】
「全体外観」
まず、機体13の外観側の構成について主に図1を参照して説明する。
この硬貨入出金機11は、入金されたバラ硬貨を取り込んでその真偽と真である場合の正損および金種等とを鑑別し、これを金種別に選別分類する入金選別ユニット(選別部)14と、該入金選別ユニット14で金種別に分類された硬貨を各金種別に収納させるとともに、このように収納させた硬貨を上位機12からの出金処理の指令に基づいて出金用硬貨として繰り出す収納出金ユニット15と、該収納出金ユニット15から繰り出された硬貨を運ぶ出金リフト部(出金搬送部)16とを有している。
【0019】
入金選別ユニット14および収納出金ユニット15は、機体13の上側に入金選別ユニット14が、機体13の下側に収納出金ユニット15がそれぞれ位置するように互いに重なり合って配置されており、入金選別ユニット14は単独で、収納出金ユニット15は、機体左側に設けられる出金リフト部16とともに機体13に対し引き出し自在に設けられている。
【0020】
機体13の上部には、入金のため投入されるバラ硬貨を受け入れ可能な入金口18と、機体前後方向にスライドすることにより入金口18を開閉可能なスライドシャッタ19とが設けられている。また、入金口18には、閉状態のスライドシャッタ19で覆われない位置に、点灯表示を行う表示ランプ20が設けられている。この表示ランプ20は、例えば、入金口18に硬貨の投入を促す状態等において点滅を行う。
【0021】
入金選別ユニット14の機体前側には、入金口18に投入されたバラ硬貨のうち、鑑別の結果、判別不能を含む偽と判定された偽硬貨が送り込まれる入金リジェクトボックス22と、真と判定されたものの再使用に不適な汚損と判別された汚損硬貨が送り込まれる汚損収納ボックス23と、入金処理が取り消された場合に、該入金処理のために取り込んだ硬貨が返却のため送り込まれる返却ボックス24とが設けられており、これら入金リジェクトボックス22、汚損収納ボックス23および返却ボックス24は、必要に応じて入金選別ユニット14から引き出し可能とされている。
【0022】
入金選別ユニット14の機体前面には、点灯表示を行う表示ランプ26が入金リジェクトボックス22の横に隣接配置されており、また、点灯表示を行う表示ランプ27が汚損収納ボックス23の横に隣接配置されていて、さらに、点灯表示を行う表示ランプ28が返却ボックス24の横に隣接配置されている。これらの表示ランプ26〜28は、それぞれ隣接するボックスからの硬貨の取り出しを促す状態等において点滅を行う。
【0023】
収納出金ユニット15の機体前面側には、出金処理時に搬送不良や判別不能等が原因となって出金途中の硬貨の計数が確定できなくなった場合に、このような硬貨を機械側管理の硬貨として保管しておくための出金リジェクトボックス30が設けられている。この出金リジェクトボックス30も収納出金ユニット15から必要に応じて引き出し可能とされている。
また、収納出金ユニット15の機体前面側には、点灯表示を行う表示ランプ31が出金リジェクトボックス30の上側に隣接配置されている。この表示ランプ31も、出金リジェクトボックス30からの硬貨の取り出しを促す状態等において点滅を行う。
【0024】
入金選別ユニット14および収納出金ユニット15に隣り合う機体13の前面側上部位置には、出金リフト部16で搬送される出金硬貨を外部に対し取り出し可能とする出金口32と、機体上下方向にスライドすることにより出金口32を開閉可能なスライドシャッタ33とが設けられている。
【0025】
「入金選別ユニット」
次に、入金選別ユニット14の詳細について主に図2〜図7,図16,図17を参照して説明する。
【0026】
入金選別ユニット14は、図2に示すように、上記した入金口18と、該入金口18を開閉するスライドシャッタ19と、制御部(制御手段)35(図17参照)で駆動および停止が制御されてスライドシャッタ19を開閉させる正逆回転可能な入金口モータ36(図17参照)と、入金口18の直下位置に設けられて、操作者により入金口18に投入されたバラ硬貨を案内するホッパ37と、制御部35で制御されて、該ホッパ37で案内された硬貨の真偽(偽には判別不能を含む)、正損、金種等を鑑別し、偽と判別された硬貨と、真かつ汚損と判別された硬貨と、さらに真かつ正と判定された硬貨とに選別分類し、真かつ正と判定された硬貨のみを金種別に選別分類する入金選別部38と、入金選別部38で偽と判別されて選別分類された硬貨を収納させる上記した入金リジェクトボックス22と、制御部35で制御されて、入金選別部38で真かつ汚損と判別されて選別分類された硬貨をその入金処理が確定するまで一時貯留させる汚損一時貯留部39と、該汚損一時貯留部39に一時貯留された硬貨を、操作者による上位機12への入金処理確定操作の入力で収納させる上述した汚損収納ボックス23と、制御部35で制御されて、入金選別部38で真かつ正と判別されて金種別に選別分類された硬貨を金種別に一時貯留させる入金一時貯留部40と、汚損一時貯留部39および入金一時貯留部40から硬貨を操作者による上位機12への入金処理キャンセル操作の入力で受け入れる上記した返却ボックス24と、入金一時貯留部40から放出された金種別の硬貨を金種別に収納出金ユニット15に案内する金種別収納シュート41とを有している。
【0027】
{入金選別部}
以下、入金選別部38について説明する。
入金選別部38には、図4に示すように、ホッパ37からのバラ硬貨を受け入れる供給円盤43と、制御部35で駆動および停止が制御されて供給円盤43を回転させる正逆回転可能な供給円盤モータ44(図17参照)と、供給円盤43の横に隣接配置された回転円盤45と、制御部35で駆動および停止が制御されて回転円盤45を回転させる正逆回転可能な回転円盤モータ46(図17参照)と、回転円盤45に隣接配置された硬貨通路47とが設けられている。回転円盤45は、供給円盤43から回転時の遠心力で繰り出されるバラ硬貨を受け入れるとともに、この受け入れた硬貨を回転時の遠心力で図示せぬ分離部を通過させることにより一枚ずつ硬貨通路47に繰り出させる。
【0028】
硬貨通路47は、回転円盤45から繰り出される硬貨を両側の一段高いガイド49,50の間の通路面51で案内するもので、回転円盤45をほぼ囲むように水平配置されている。
硬貨通路47は、回転円盤45に接続される第1直線部53と、この第1直線部53の回転円盤45に対し反対側に接続された第1屈曲部54と、この第1屈曲部54の第1直線部53に対し反対側に接続された第2直線部55と、この第2直線部55の第1屈曲部54に対し反対側に接続された第2屈曲部56と、この第2屈曲部56の第2直線部55に対し反対側に接続された第3直線部57とを有している。
【0029】
硬貨通路47の上方には、硬貨通路47上の硬貨を該硬貨通路47に沿って搬送する搬送部59が設けられている。この搬送部59は、通路面51に対し硬貨の一枚分の厚みより小さい間隔をなして配置されることにより、回転円盤45から繰り出された硬貨に上側から当接してこれを摩擦力で、第1直線部53、第1屈曲部54および第2直線部55の一部に沿って搬送する搬送ベルト60と、該搬送ベルト60で搬送されてきた硬貨を同様にしてさらに第2直線部55の後端位置まで搬送する搬送ベルト61と、制御部35で駆動および停止が制御されてこれら搬送ベルト60,61を走行させる正逆回転可能な入金第1モータ62(図17参照)と、搬送ベルト61で搬送されてきた硬貨を同様にしてさらに第2屈曲部56および第3直線部57で搬送する搬送ベルト63と、制御部35で駆動および停止が制御されて搬送ベルト63を走行させる正逆回転可能な入金第2モータ64(図17参照)とを有している。
【0030】
回転円盤45と硬貨通路47の第1直線部53との間であって、一方のガイド49の先端部位置には、このガイド49の先端部に衝突して滞留する硬貨を、回転円盤45内へ戻すか、硬貨通路47へ導きやすくするための、回転自在のガイドローラ65を有している。
硬貨通路47の第1直線部53には、該第1直線部53上で搬送される硬貨の磁気的性質を検出する磁気センサ66が配置されている。なお、該磁気センサ66の両側には、該磁気センサ66による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ67,67が設けられている。すなわち、これら硬貨検知センサ67,67で共に硬貨が検出された時点で磁気センサ66は検出データを取り込んで制御部35に出力する。
【0031】
また、硬貨通路47の第2直線部55の前部には、該第2直線部55で搬送される硬貨の画像を検出する画像検出部68が配置されている。なお、画像検出部68の両側には、該画像検出部68による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ69,69が設けられている。すなわち、これら硬貨検知センサ69,69で共に硬貨が検出された時点で画像検出68は検出データを取り込んで制御部35に出力する。
これら磁気センサ66および画像検出部68が、入金された硬貨を鑑別する入金鑑別部70を構成している。
【0032】
ここで、磁気センサ66および画像検出部68の出力は制御部35に入力されることになり、制御部35では、例えば、上流側の磁気センサ66の検出データを各金種の硬貨の材質別の磁気の基準データと順に比較し、磁気の検出データがいずれの金種の硬貨の基準データとも一致しないと判定した場合には、その時点で偽硬貨と判別する。他方、いずれかの金種の基準データと一致したと判定した場合には、次に、該一致した金種の硬貨の画像の基準データを読み出し、この画像の基準データと、同じ検出硬貨に対する画像検出部32の検出データとを比較して、これらが一致しているか否かを検出する。そして、これら画像の基準データおよび検出データが一致していると判定した場合には、該硬貨が検出された金種の真の硬貨であると判定し同時に計数を行う一方、これら画像の基準データおよび検出データが一致していないと判定した場合には、該硬貨が判別不可であると判定する。さらに、画像の基準データおよび検出データが一致していると判定した場合において、一致度が所定のしきい値より高い場合はその硬貨は再利用可能な正貨であると判定し、一致度が前記しきい値より低い場合はその硬貨は再利用不可な汚損硬貨であると判定する。
【0033】
第2直線部55の後部には、磁気センサ66および画像検出部68の検出結果で判別不能を含む偽と判別された硬貨、さらには汚損硬貨と判別された硬貨を硬貨通路47から排除させるためのリジェクト孔72が通路面51に形成されている。該リジェクト孔72の硬貨搬送方向における上流側には、第2直線部55内に単独で突出することにより、硬貨をリジェクト孔72に落下させる第1のストッパ部材73が設けられている。この第1のストッパ部材73は制御部35に制御されるロータリソレノイド74(図17参照)で駆動されて突出・引込みが切り換えられる。また、この第1のストッパ部材73に対向する位置には、第2直線部55内に単独で突出することにより、第2直線部55で第1のストッパ部材73とは反対の側を搬送される小径の硬貨状異物などをリジェクト孔72に落下させる第2のストッパ部材75が設けられている。この第2のストッパ部材75は、制御部35に制御されるロータリソレノイド76(図17参照)で駆動されて突出・引込みが切り換えられる。
【0034】
そして、第1のストッパ部材73および第2のストッパ部材75が同時に第2直線部55内に突出することにより、第2直線部55を搬送される硬貨の通過が阻止される。これにより、制御部35は、搬送される硬貨が、いずれの金種の正硬貨であるとも、または、偽硬貨であるとも判別できなかった硬貨の場合には、第1のストッパ部材73および第2のストッパ部材75を同時に第2直線部55内に突出させることで、その通過ないしはリジェクトを阻止することができ、搬送ベルト60,61を逆転させて、この硬貨を、再判別のために、回転円盤45内に戻すことができる。勿論、最終的に、この硬貨のみが判別できない状態で残されてしまうこともあるため、例えばこのような硬貨が所定回数連続で検出される場合に、制御部35は、これを判別不能硬貨としてリジェクト孔72に落下させることになる。
【0035】
さらに、リジェクト孔72の硬貨搬送方向における上流側には、第1のストッパ部材73および第2のストッパ部材75を駆動するタイミングなどを得るための硬貨検知センサ77が設けられている。
【0036】
第3直線部57には、磁気センサ66および画像検出部68の検出結果に基づいて真かつ正と判別された硬貨を金種別に選別する金種別選別部86が設けられている。この金種別選別部86は、搬送される硬貨を金種別に選別して落下させる各金種別の複数(具体的には、日本国内で流通する硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円、500円の6種であるため、6つ)の選別孔87a〜87fを有しており、これら選別孔87a〜87fは、硬貨径の小さいものから順に落下させるように配置されている。すなわち、機体最前部にある選別孔87aは1円硬貨を、その機体後側に隣接する選別孔87bは50円硬貨を、その機体後側に隣接する選別孔87cは5円硬貨を、その機体後側に隣接する選別孔87dは100円硬貨を、その機体後側に隣接する選別孔87eは10円硬貨を、機体最後部にある選別孔87fは500円硬貨を、それぞれ落下させるようになっている。
【0037】
なお、各選別孔87a〜87fのそれぞれの直前には計数センサ88a〜88fが対応配置され、制御部35において、計数センサ88a〜88fのうち隣り合う前後のものをそれぞれ通過した硬貨数の差が、選別孔88a〜88fのうち、その間に位置するものに選別された枚数として計数されるようになっている。
【0038】
ここで、図2に示すように、入金選別部38の下側には、リジェクト孔72に落下された硬貨を異なる2方向の振り分けるように下部に一対の放出案内部80,81が形成された二股分岐形状のシュート82が配置されている。シュート82内の放出案内部80,81の分岐点の上側には、リジェクト孔72から落下する硬貨を放出案内部80,81のいずれか一方に選択的に案内する振分部材83が設けられており、該振分部材83は、制御部35に制御される振分ソレノイド84(図17参照)で駆動されて、放出案内部81に硬貨を案内することなく放出案内部80に硬貨を案内する状態と、放出案内部80に硬貨を案内することなく放出案内部81に硬貨を案内する状態とに切り換えられる。このシュート82の一方の放出案内部80の下側には、入金リジェクトボックス22が配置されており、リジェクト孔72から判別不能を含む偽硬貨を落下させる場合は、制御部35が振分ソレノイド84を制御して、該硬貨を放出案内部80で案内させて入金リジェクトボックス22に収納させることになる。また、他方の放出案内部81の下側には、汚損一時貯留部39が配置されており、リジェクト孔72から真かつ汚損の硬貨を落下させる場合は、制御部35が振分ソレノイド84を制御して、該硬貨を放出案内部81で案内させて汚損一時貯留部39に貯留させることになる。
【0039】
{汚損一時貯留部}
以下、汚損一時貯留部39について説明する。
汚損一時貯留部39は、リジェクト孔72に通じるシュート82の片側の放出案内部81で案内される硬貨を受け入れるとともに上下に開口する形状をなす汚損硬貨一時貯留ボックス90と、この汚損硬貨一時貯留ボックス90の底部開口を閉塞可能な位置固定の底板91と、底板91の上側に機体左右方向に離間して配置された一対のプーリ92,93と、これらプーリ92,93に掛けられるとともに汚損硬貨一時貯留ボックス90に一部固定される駆動ベルト94と、制御部35に制御されてプーリ92,93の一方を回転させることにより駆動ベルト94を走行させて汚損硬貨一時貯留ボックス90を機体左右方向に移動させる正逆回転可能な汚損移動モータ95(図17参照)と、底板91の機体右側に配置されたシュート96と、底板91の機体左側に配置されたシュート97とを有している。
【0040】
ここで、一方のシュート96の直下には返却ボックス24が設けられており、他方のシュート97の直下には汚損収納ボックス23が設けられている。
そして、制御部35は、操作者による上位機12への操作で入金処理が確定またはキャンセルされるまでは、入金選別部38で選別された汚損硬貨を一時貯留させるため、汚損硬貨一時貯留ボックス90を底板91上に配置させており、入金処理をキャンセルする操作が上位機12に入力されると、汚損移動モータ95により汚損硬貨一時貯留ボックス90を機体右方に移動させることにより、汚損硬貨一時貯留ボックス90に一時貯留させていた当該入金処理における汚損硬貨を移動させてシュート96を通じ返却ボックス24に落下させる。また、制御部35は、入金処理を確定する操作が上位機12に入力されると、汚損移動モータ95により汚損硬貨一時貯留ボックス90を機体左方に移動させることにより、汚損硬貨一時貯留ボックス90に一時貯留させていた当該入金処理における汚損硬貨を移動させてシュート97を通じ汚損収納ボックス23に落下させる。
【0041】
{入金一時貯留部}
以下、入金一時貯留部40について説明する。
入金一時貯留部40は、選別孔87a〜87fの下側に配置されている。図3および図5に示すように、この入金一時貯留部40は上から順に、選別孔87a〜87fで金種別に選別分類された硬貨を金種別に分けたまま案内するため各選別孔87a〜87fに一対一で対応する案内部99(図5において一つのみ図示)を有する金種別シュート100と、金種別シュート100で案内された硬貨を金種別に受け入れるために各案内部99に一対一で対応する一時貯留空間部101a〜101fを有する入金一時貯留ボックス102と、底板103と、仕切板104とを有している。具体的に、選別孔87aは一時貯留空間部101aに、選別孔87bは一時貯留空間部101bに、選別孔87cは一時貯留空間部101cに、選別孔87dは一時貯留空間部101dに、選別孔87eは一時貯留空間部101eに、選別孔87fは一時貯留空間部101fに、それぞれ硬貨を落下させるようになっており、その結果、入金一時貯留ボックス102の機体最前部にある一時貯留空間部101aは1円硬貨を、その機体後側に隣接する一時貯留空間部101bは50円硬貨を、その機体後側に隣接する一時貯留空間部101cは5円硬貨を、その機体後側に隣接する一時貯留空間部101dは100円硬貨を、その機体後側に隣接する一時貯留空間部101eは10円硬貨を、機体最後部にある一時貯留空間部101fは500円硬貨を、それぞれ一時貯留させるようになっている。
【0042】
図6,図7に示すように、鉛直に沿いかつ機体前後方向に沿うように配置される一対の壁部105,106が、互いに左右方向に間隔をあけた状態で位置固定で配置されており、これら壁部105,106間には、一対のガイド軸107,108が機体左右方向に沿って固定されている。これらガイド軸107,108は、互いに機体前後に離間して配置されており、これらガイド軸107,108に入金一時貯留ボックス102が機体左右方向に移動可能に支持されている。
【0043】
ここで、ガイド軸107,108に支持された状態で、入金一時貯留ボックス102は、上下に開口する形状をなしている。入金一時貯留ボックス102は、選別孔87a〜87fから落下された硬貨を金種別に受け入れるため、各選別孔87a〜87fに対応した一時貯留空間部101a〜101fが機体前後方向に配列されるように仕切られている。
【0044】
鉛直に沿いかつ機体左右方向に沿うように配置される一対の壁部109,110が、互いに機体前後方向に間隔をあけた状態で配置されている。そして、壁部109の壁部110側には、機体左右方向に離間して一対のプーリ111,112が配置されており、これらプーリ111,112にはベルト113が掛けられている。他方、壁部110の壁部109側にも、機体左右方向に互いに離間してプーリ114,115が配置されており、これらプーリ114,115にはベルト116が掛けられている。
【0045】
左側のプーリ111,114同士は機体前後方向に延在する駆動軸117で連結されており、該駆動軸117にはプーリ118が固定されている。このプーリ118は、制御部35に制御される正逆回転可能な貯留箱駆動モータ119の回転軸に固定されたプーリ120とベルト121で連結されている。そして、入金一時貯留ボックス102は、ベルト113,116の一部に固定されている。これにより、貯留箱駆動モータ119を正逆回転させることで、入金一時貯留ボックス102がガイド軸107,108に沿って機体左右方向に移動する。
【0046】
入金一時貯留ボックス102の機体後部には、検知片123が固定されている。そして、入金一時貯留ボックス102が機体右側の所定の貯留箱第1位置に位置するとき検知片123を検知し、該貯留箱第1位置から離れると検知片123を検出しなくなる位置に貯留箱第1位置検知センサ124が設けられている。また、入金一時貯留ボックス102が機体左側の所定の貯留箱第2位置に位置するとき検知片123を検知し、該貯留箱第2位置から離れると該検知片123を検知しなくなる位置に貯留箱第2位置検知センサ125が設けられている。ここで、貯留箱第1位置に位置するとき、入金一時貯留ボックス102は、各選別孔87a〜87fから金種別の硬貨を各一時貯留空間部101a〜101fに金種別に分けた状態で受け入れ可能となる。
【0047】
図6に示すように、壁部109,110の所定位置には、機体左右方向に図示せぬガイド溝がそれぞれ形成されており、これらガイド溝により、底板103が機体左右移動可能に支持されている。ここで、底板103は、入金一時貯留ボックス102との相対位置関係によって該入金一時貯留ボックス102の下部開口部を開閉可能とされている。
そして、壁部109の壁部110に対し反対側には、機体左右方向に互いに離間してプーリ126,127が配置されており、これらプーリ126,127にはベルト128が掛けられている。他方、壁部110の壁部109に対し反対側にも、機体左右方向に互いに離間してプーリ129,130が配置されており、これらプーリ129,130にはベルト131が掛けられている。
【0048】
左側のプーリ126,129同士は前後方向に延在する駆動軸132で連結されており、該駆動軸132にはプーリ133が固定されている。このプーリ133は、制御部35に制御される正逆回転可能な底板駆動モータ134の回転軸に固定されたプーリ135とベルト136で連結されている。そして、底板103はベルト128,131の一部に固定されている。これにより、底板駆動モータ134を正逆回転させることで、底板103が機体左右方向に移動する。
【0049】
底板103には検知片138が固定されている。そして、底板103が機体右側の所定の底板第1位置に位置するとき該検知片138を検知し、該底板第1位置から離れると該検知片138を検知しなくなる位置に、底板第1位置検知センサ139が設けられている。また、底板103が機体左側の所定の底板第2位置に位置するとき該検知片138を検知し、該底板第2位置から離れると該検知片103を検知しなくなる位置に、底板第2位置検知センサ140が設けられている。
【0050】
図5に示すように、仕切板104は、貯留箱第1位置に位置する一時貯留ボックス102の各一時貯留空間部101a〜101fと一対一で水平方向の位置を合わせるように複数(図5において一つのみ図示)の硬貨投入孔141が形成されており、また、貯留箱第2位置に位置する一時貯留ボックス102の各一時貯留空間部101a〜101fと一対一で水平方向の位置を合わせるように複数(図5において一つのみ図示)の硬貨投入孔142が形成されている。
【0051】
ここで、底板103は、底板第1位置に位置するとき仕切板104の右側の硬貨投入孔141をすべて閉塞させるとともに左側の硬貨投入孔142をすべて開放させる。このとき、入金一時貯留ボックス102が右側の貯留箱第1位置に位置すると、その下部開口部は底板103で全面的に閉塞させられることになり、この状態から入金一時貯留ボックス102が左側の貯留箱第2位置に位置すると、その下部開口部は全面的に開放させられて硬貨投入孔142に連通させられることになる。
【0052】
また、底板103は、底板第2位置に位置するとき仕切板104の左側の硬貨投入孔142をすべて閉塞させるとともに右側の硬貨投入孔141をすべて開放させる。このとき、入金一時貯留ボックス102が左側の貯留箱第2位置に位置すると、その下部開口部は底板103で全面的に閉塞させられることになり、この状態から入金一時貯留ボックス102が右側の貯留箱第1位置に位置すると、その下部開口部は全面的に開放させられて硬貨投入孔141に連通させられることになる。
【0053】
仕切板104の硬貨投入孔141の下側には、該硬貨投入孔141を介して落下される硬貨を一括して収容させる上記した返却ボックス24が設けられている。
また、仕切板104の硬貨投入孔142の下側には、一時貯留空間部101a〜101fに一対一で対応する各金種別のシュート部144a〜144fを機体前後方向に配列させた金種別収納シュート41が配置されている。すなわち、図3に示すように、一時貯留空間部101aはシュート部144aに、一時貯留空間部101bはシュート部144bに、一時貯留空間部101cはシュート部144cに、一時貯留空間部101dはシュート部144dに、一時貯留空間部101eはシュート部144eに、一時貯留空間部101fはシュート部144fに、それぞれ連通可能となっている。
【0054】
そして、制御部35は、入金処理が確定またはキャンセルされるまでは、入金選別部38で選別された硬貨を一時貯留させるため、入金一時貯留ボックス102が貯留箱第1位置にあり、かつ底板103が底板第1位置にある状態とさせており、入金処理をキャンセルする操作が上位機12に入力されると、底板駆動モータ134により底板103を機体左方すなわち底板第2位置に移動させることにより、入金一時貯留ボックス102の下部開口部を開放させて、入金一時貯留ボックス102に一時貯留させていた当該入金処理における真かつ正の硬貨を返却ボックス24に一括して落下させる。
【0055】
また、制御部35は、入金処理を確定する操作が上位機12に入力されると、底板駆動モータ134および貯留箱駆動モータ119を同期駆動させて、底板103および入金一時貯留ボックス102を一体に機体左方にすなわち底板第2位置および貯留箱第2位置に移動させ、その後、底板駆動モータ134のみを逆転させて、底板103のみを底板第1位置に戻すことで、入金一時貯留ボックス102の下部開口部を開放させて、入金一時貯留ボックス102に一時貯留させていた当該入金処理における真かつ正の硬貨を、金種別収納シュート41を介して金種別に分けた状態で収納出金ユニット15に落下させる。
【0056】
「収納出金ユニット」
次に、収納出金ユニット15の詳細について主に図2,図3,図8〜図18を参照して説明する。
収納出金ユニット15は、大きく分けると、図3に示すように、上記した入金選別ユニット14の入金一時貯留部40から金種別収納シュート41を介して落とし込まれた硬貨を金種別に収納するとともに出金処理の指令等に基づいて収納している硬貨を出金用硬貨として機体左方に繰り出し可能な機体前後方向に並列された複数の収納繰出部150a〜150gと、図8に示すように、各収納繰出部150a〜150gから繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して機体左側において機体前方に向け搬送する第1搬送部(搬送手段)152と、該第1搬送部152によって搬送される硬貨を受け取るとともにこれを機体前側位置において機体右方向に搬送し、この搬送中に硬貨の金種等を鑑別し鑑別結果に基づいて硬貨を出金・回収・出金リジェクト用方向および精査用方向の異なる2方向に振り分ける第2搬送部(搬送手段,振分手段)153と、該第2搬送部153で精査用方向に振り分けられた硬貨を受け取り、これを機体右側において機体後方に搬送させて再び各収納繰出部150a〜150gに選択的に戻す第3搬送部(戻搬送手段)154とを有している。
【0057】
また、収納出金ユニット15は、図3に示すように、第2搬送部153で出金・回収・出金リジェクト用方向に振り分けられた硬貨を受け取ってこれを一時貯留させるとともに、機体前後方向に移動することによって一時貯留させた硬貨を出金用方向(第1の方向)、回収用方向(第3の方向)および出金リジェクト用方向(第2の方向)の異なる3方向に振り分け可能な出金一時貯留部155と、出金一時貯留部155の下側に設けられ、該出金一時貯留部155で出金リジェクト用方向に振り分けられた硬貨(出金エラー、回収エラーおよび精査処理エラーとなった硬貨)を収納する上記した出金リジェクトボックス30と、出金一時貯留部155の下側かつ出金リジェクトボックス30の機体後方に設けられ、各収納繰出部150a〜150gに収納される各金種硬貨を金種別に回収する際に出金一時貯留部155で回収用方向に振り分けられた硬貨を金種別に収納可能な金種別の回収ボックス156a〜156fとを有している。
【0058】
{収納繰出部}
以下、収納繰出部150a〜150gについて説明する。
収納繰出部150a〜150gは、図3に示すように、金種別収納シュート41の下側に設けられるもので、機体前後方向に並列配置された複数のものである。
【0059】
ここで、収納繰出部150a〜150gは、図3,図8に示すように、取り扱う金種数より一つ多く設けられている。具体的には、日本国内で流通する硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円、500円の6種であるため、収納繰出部150a〜150gは7つ設けられている。そして、機体最後部の収納繰出部150gは、金種別収納シュート41とは連通しておらず、これを除く機体前部側の6つが、金種別収納シュート41の各金種別のシュート部144a〜144fに一対一で連通している。すなわち、シュート部144aに収納繰出部150aが、シュート部144bに収納繰出部150bが、シュート部144cに収納繰出部150cが、シュート部144dに収納繰出部150dが、シュート部144eに収納繰出部150eが、シュート部144fに収納繰出部150fが、それぞれ連通させられている。
【0060】
これにより、上記した入金選別ユニット14の入金一時貯留部40の一時貯留空間部101a〜101fから金種別収納シュート41の各金種別のシュート部144a〜144fを介して落とし込まれた硬貨は、機体前側の6つの収納繰出部150a〜150fに金種別に収納されることになる。その結果、機体最前部にある収納繰出部150aは1円硬貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150bは50円硬貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150cは5円硬貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150dは100円硬貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150eは10円硬貨を、その機体後側に隣接する収納繰出部150fは500円硬貨を、それぞれ収納させるようになっている。なお、機体最後部の収納繰出部150gは、本実施の形態においては、精査処理時に使用される精査用のもので、精査処理時以外は空とされている。
【0061】
図8に示すように、各収納繰出部150a〜150gは、互いに同じ構成とされており、それぞれ、硬貨を収納させる収納部158と、該収納部158の第1搬送部152側に設けられて硬貨を第1搬送部152に向け繰り出すための繰出部159とを有している。
【0062】
各収納繰出部150a〜150gの収納部158は、図9に示すように、それぞれを構成する筐体160自体が内側に、硬貨を収納するための収納空間161を形成している。また、収納部158の上部には、金種別収納シュート41のシュート部144a〜144fの対応する一のものから硬貨を収納空間161内に受け入れるための入金用取込口162が形成されており(ただし、第1の実施の形態において、機体最後部の収納繰出部150gの入金用取込口162にはこのような硬貨の受け入れはない)、該入金用取込口162の第1搬送部152側(機体左側)に、収納空間161内の硬貨を繰出部159に繰り出すための供給口163が設けられている。さらに、入金用取込口162の第3搬送部154側(機体右側)に、第3搬送部154から収納空間161内に硬貨を取り込むための精査用取込口164が設けられている。
【0063】
収納部158の供給口163側には、収納空間161内の硬貨を供給口163に向けて搬送する供給ベルト機構166が設けられている。この供給ベルト機構166は、収納部158の上部および下部に配置される一対のプーリ167,168と、これらプーリ167,168に掛けられることで収納空間161の一部を画成する供給ベルト169と、下側のプーリ168を固定支持する軸170に固定されたギア171と、該ギア171に噛み合う位置に配置されたギア172と、該ギア172を固定支持する軸173に固定されたベベルギア174と、該ベベルギア174に噛み合う位置に配置されたベベルギア175と、該ベベルギア175をその駆動軸に固定する正逆回転可能な供給モータ176とを有しており、この供給モータ176が制御部35による制御で一定方向へ駆動されることにより、供給ベルト169をその収納空間161側が下から上へ移動する方向(図9における反時計回り方向)に回転させるようになっている。なお、プーリ167,168の配置により、供給ベルト169は、上側に位置するほど水平方向において供給口163側に位置するように傾斜している。
【0064】
この供給ベルト169の外側には、収納空間161内の硬貨を掬い上げるための複数の突起177,177,…が所定間隔毎に設けられており、該供給ベルト169が回転することによって突起177,177,…が硬貨を掬い上げて上昇させ、供給口163から繰出部159に向け送り出すことになる。
また、収納部158の供給ベルト169に対し反対側には、下側に位置するほど水平方向において供給ベルト169側に位置するよう傾斜するとともに収納空間161の一部を画成する傾斜面178が形成されており、この傾斜面178に沿って移動することにより収納空間161内の硬貨は自重で供給ベルト169側に案内されることになる。
【0065】
この傾斜面178の下側には、固定軸179を中心に回動自在に支持される押圧部材180が設けられており、該押圧部材180には、ON/OFFされることにより、該押圧部材180の上部の押圧面181を、傾斜面178と同一平面に位置させる状態と、該傾斜面178の延長線から上方に突出させる状態とに切り換え駆動する押圧ソレノイド182が連結されている。この押圧ソレノイド182は、各収納繰出部150a〜150gに応じて設けられており、硬貨を供給するときの収納繰出部150a〜150gの押圧部材180のみを駆動する。なお、制御部35は、硬貨の供給が開始されてから予め設定された所定時間毎に押圧ソレノイド182をON/OFFし、押圧面181が傾斜面178の延長線上に一致した状態にあった押圧部材180を、上方に突出させた後、元に戻すことで、供給ベルト169の突起177に掬い上げられにくい姿勢になっている硬貨を強制的に持ち上げてその姿勢を変え、その結果、供給ベルト169で硬貨を効率良く繰出部159に供給させるようになっている。
【0066】
各収納繰出部150a〜150gの繰出部159は、図8に示すように収納繰出部150a〜150gの同じものを構成する収納部158と一対一で対応して設けられており、図9〜図12に示すように、収納空間161から供給口163を介して放出される硬貨を上面の載置面184上に載置させる回転円盤185と、該回転円盤185の接線方向に延在し該回転円盤185の回転による遠心力で送り出される硬貨を案内する硬貨通路186と、回転円盤185から該硬貨通路186に送り出される硬貨の複数重なり合った状態での通過を規制し該硬貨を一枚ずつに分離して通過させる厚み規制部材187と、硬貨通路186上の硬貨を第1搬送部152に向け搬送する硬貨搬送部188と、回転円盤185と硬貨搬送部188をともに駆動する駆動機構部189と、硬貨通路186の途中に設けられ、該硬貨通路186で搬送される硬貨の通過を検出しその数を計数する硬貨計数部190と、硬貨通路186の硬貨計数部190よりも第1搬送部152側に設けられて、必要に応じて硬貨通路186から第1搬送部152への硬貨の送り出しを規制する送出規制部191と、硬貨通路186から繰り出された硬貨を第1搬送部152に案内するガイド部材192と、回転円盤185上の硬貨がフル状態にあるか否かを検出するフル検知センサ193と、回転円盤185上に硬貨が存在するか否かを検出する残留センサ194とを有している。
【0067】
硬貨通路186は、図12に示すように、回転円盤185の載置面184と同じ高さの上面196を有し、回転円盤185から繰り出された硬貨を前記上面196上で搬送させる搬送底部材195と、図10に示すように、該搬送底部材195の両側に配置されて該搬送底部材195の上面196上に繰り出された硬貨の搬送を両側からガイドするガイド部材197,198とで形成されている。ここで、図11に示すように、厚み規制部材187は、搬送底部材195と両ガイド部材197,198とで、硬貨を一枚ずつ繰り出させるための繰出口199を画成する。なお、繰出口199の高さは、取り扱うすべての金種の硬貨を一枚ずつのみ通過させることができる高さとされており、また、硬貨通路186の通路幅すなわちガイド部材197,198同士の間隔は、取り扱うすべての金種の硬貨を搬送可能な幅とされている。
【0068】
硬貨搬送部188は、図12に示すように、搬送底部材195に形成された切欠201からその外周面の上部を突出させることにより、搬送底部材195上の硬貨を載せて第1搬送部152の方向に送る搬送ローラ202と、図10,図11に示すように、該搬送ローラ202に対向する上方位置に設けられて、搬送ローラ202で送られる硬貨の姿勢をガイドするガイドローラ203と、該ガイドローラ203を回転自在に支持するとともに該ガイドローラ203を搬送ローラ202と所定の間隔を維持するよう付勢する板バネ204とを有している。なお、ガイドローラ203と搬送ローラ202との間隔は、これらの間を通過する硬貨の厚みより小さくかつ互いに当接することがない間隔とされている。また、ガイドローラ203の中心軸線と搬送ローラ202の中心軸線とは、互いに平行な水平面内に配置されつつ平行ではなく若干角度をもち、さらにガイドローラ203の中心軸線上における軸線方向の中点と搬送ローラ202の中心軸線上における軸線方向の中点とを結んだ線が鉛直に沿いかつ通路幅の中心位置を通過するよう配置されている。
【0069】
駆動機構部189は、図11,図12に示すように、回転円盤185の下側に設けられその駆動軸に直接回転円盤185を固定支持する正逆回転可能な繰出モータ206と、回転円盤185の底部に固定され該回転円盤185と一体に回転するベベルギア207と、機体フレームに支持された回転軸208と、該回転軸208の一端側に固定されてベベルギア207に噛み合うベベルギア209と、回転軸208の他端側に固定されたギア210と、該回転軸208と平行をなすように機体フレームに支持されるとともに搬送ローラ202が固定される回転軸211と、該回転軸211に固定されたギア212と、ギア210とギア212との間に張り渡される駆動伝達ベルト213とを有しており、これにより、制御部35が繰出モータ206を駆動させることにより、回転円盤185が回転するとともに搬送ローラ202が回転する。ここで、回転円盤185が硬貨通路186に硬貨を繰り出す方向に駆動される状態では搬送ローラ202は硬貨を第1搬送部152に向けて繰り出す方向に駆動され、逆に、搬送ローラ202が硬貨を回転円盤185に戻す方向に駆動される状態では回転円盤185は硬貨通路186から硬貨を受け入れる方向に駆動されることになる。
【0070】
硬貨計数部190は、搬送底部材195の切欠201の第1搬送部152側端部とほぼ位置を合わせて形成された二カ所のセンサ孔214,215と、各センサ孔214,215上を通過する硬貨の有無をそれぞれ検出する二つの硬貨検知センサ216,217とを有している。
ここで、硬貨検知センサ216,217は、硬貨通路186を搬送される全金種の硬貨を、搬送方向に直交する方向のいずれの位置にあっても検知可能とされている。
なお、制御部35は、これら硬貨検知センサ216,217の検知結果に基づいて、第1搬送部152へ繰り出す硬貨を計数することになるが、これに加えて、該検知結果で送出規制部191で硬貨の搬送を規制するタイミングも取ることになる。
【0071】
送出規制部191は、図10,図12に示すように、搬送底部材195とガイド部材192との間に上下動可能に設けられ、上昇し搬送底部材195の上面196に対し上側に突出することにより硬貨の周面に当接してその移動を規制する一方、搬送底部材195の上面196より下まで下降して硬貨の通過を許容する一対の規制片219,219を上部に有するストッパ220と、このような上下動が可能となるようにストッパ220を支持するガイド部材221と、ON/OFFによりストッパ220を上下動させる規制ソレノイド222とを有している。ここで、このストッパ220の規制片219,219同士は取り扱うすべての金種の硬貨の移動を規制可能な幅(すなわち取り扱う最小径の硬貨より狭い幅)となっており、通路幅方向に対し左右対称位置に配置されている。
【0072】
硬貨の搬送を規制する際の制御部35による規制ソレノイド222の駆動タイミングは、硬貨検知センサ216,217が硬貨を検知した後、いずれの硬貨検知センサ216,217も当該硬貨を検知しなくなってから所定時間経過後(図13に示す硬貨C1の位置に硬貨が位置するタイミング)とされており、このタイミングで規制ソレノイド222を駆動すると、規制片219,219が搬送底部材195から突出して、前記検知〜非検知となった硬貨よりも後続の硬貨(図13,図14に示す硬貨C2)の移動をタイミングよく規制するようになっている。
ここで、規制ソレノイド222を駆動するタイミングすなわち前記所定時間は、金種によって硬貨の径が異なることから、制御部35は、全金種について金種に応じた最適な前記所定時間を予めROMに記憶させており、ROMから各繰出部159,159,…で繰り出す硬貨の最適な所定時間をそれぞれ読み出しこれらに基づいてそれぞれの規制ソレノイド222を駆動することになる。
【0073】
上記したガイドローラ203は、図14に示すように、ストッパ220が硬貨の搬送を規制した状態で搬送ローラ202が硬貨を搬送しようとした際に、搬送する硬貨の搬送方向前方が上方に向いてストッパ220を飛び越えてしまうことを防止するためのものであり、ガイドローラ203と搬送ローラ202とストッパ220との位置関係は、ガイドローラ203と搬送ローラ202との間に硬貨を取り込む際にガイドローラ203が取り込みに支障を及ぼすことがなく、かつガイドローラ203と搬送ローラ202との間で硬貨を挟持した状態で該硬貨を水平に維持しストッパ220が該硬貨の移動を規制するように設定されている。これにより、上記のようにストッパ220を乗り越えて硬貨が移動してしまうことがなく、確実に硬貨の移動を規制することができる。
【0074】
{第1搬送部}
以下、第1搬送部152について説明する。
第1搬送部152は、図2,図3,図8に示すように、収納繰出部150a〜150gの両端側であって繰出部159の収納部158に対し反対側に設けられた一対の回転軸224および従動軸225と、これら回転軸224および従動軸225に固定された一対のプーリ226,227と、これらプーリ226,227に張り渡されることで、すべての繰出部159,159,…の側方にこれら繰出部159,159,…の配列方向に沿って延在するよう配置された搬送ベルト228と、回転軸224に固定されたベベルギア229と、該ベベルギア229に噛み合うベベルギア230と、該ベベルギア230をその駆動軸に固定させた正逆回転可能な第1搬送モータ231とを有しており、該第1搬送モータ231の回転で搬送ベルト228を回転させる。
【0075】
ここで、搬送ベルト228は、その上に、すべての繰出部159,159,…から繰り出された硬貨を載置可能とされており、第1搬送モータ231の一方向の回転で搬送ベルト228を、載置させた硬貨を機体前方に移動させるように回転させることになる。なお、搬送ベルト228の両側には、搬送ベルト228の回転による該搬送ベルト228に載置された硬貨の移動を案内するガイドフレーム232,233が設けられており、回転軸224および従動軸225は、ガイドフレーム232,233に回転自在に支持されている。
【0076】
搬送ベルト228の収納繰出部150a〜150gよりも機体前側には、該搬送ベルト228の上側に分離ローラ234が、硬貨一枚のみが通過可能な隙間をあけて設けられている。
この分離ローラ234は支持軸235に固定されており、該支持軸235にはプーリ236が固定されている。また、上述した従動軸225にはプーリ237が固定されており、該プーリ237と前記プーリ236とに駆動伝達ベルト238が張り渡されている。
【0077】
これにより、制御部35が第1搬送モータ231の一方向の回転で搬送ベルト228を、載置させた硬貨を機体前方に移動させるように回転させると、分離ローラ234は、搬送ベルト228に対向する側を搬送ベルト228の移動方向に対し逆方向に移動させるように回転することになる。その結果、この分離ローラ234で、搬送ベルト228に接する硬貨の上に積み重なる硬貨の通過を規制し、該搬送ベルト228に接する硬貨のみを分離ローラ234と搬送ベルト228との隙間に通過させる。よって、第1搬送部152は、各収納繰出部150a〜150gから繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送することになる。
【0078】
搬送ベルト228の搬送方向最下流側位置には、上記分離ローラ234で一枚ずつに分離されて搬送される硬貨を第2搬送部153に案内する傾斜面240を有するガイド部材241が設けられている。
【0079】
{第2搬送部}
以下、第2搬送部153について説明する。
図8に示すように、第2搬送部153は、第1搬送部152の搬送ベルト228と同じ高さの上面243を有し、該搬送ベルト228から送り込まれた硬貨を前記上面243上で搬送させる搬送底部材244と、該搬送底部材244の両側に配置されることにより、該搬送底部材244の上面243に送り込まれた硬貨の搬送を両側からガイドするガイド部材245,246とで構成される硬貨通路247を有している。この硬貨通路247は、最も機体前側の収納繰出部150aより機体前側で機体左右方向に延在している。
また、第2搬送部153は、硬貨通路247上の硬貨を第3搬送部154に向け搬送する硬貨搬送部248と、硬貨搬送部248を駆動する駆動機構部249とを有している。
【0080】
硬貨搬送部248は、硬貨通路247の両端の上方に配置された一対のプーリ250,251と、これらプーリ250,251の間位置に設けられたプーリ252と、プーリ250とプーリ251とに張り渡される搬送ベルト253と、プーリ251とプーリ252とに張り渡される搬送ベルト254とを有している。なお、搬送ベルト253,254と搬送底部材244の上面243とは硬貨の一枚分の厚みより小さい間隔とされており、これにより、搬送ベルト253,254は、搬送底部材244上の硬貨に上側から当接してこれを摩擦力で搬送するようになっている。
【0081】
駆動機構部249は、中間のプーリ252を固定支持する回転軸256に固定されたベベルギア257と、このベベルギア257に噛み合うベベルギア258と、このベベルギア258を駆動軸に固定させた正逆回転可能な第2搬送モータ259とを有しており、これにより、制御部35が第2搬送モータ259を駆動することで搬送ベルト253,254が回転する。
【0082】
第2搬送部153には、搬送中に硬貨の金種等を鑑別する出金鑑別部261が設けられている。以下、この出金鑑別部261について説明する。
出金鑑別部261は、第2搬送部153の硬貨通路247の第1搬送部152側に設けられた磁気センサ262およびラインセンサ263を有しており、磁気センサ262は硬貨の材質に応じた磁気的性質を検出して硬貨の金種を判別し、ラインセンサ263は硬貨の径等を判別する。これら磁気センサ262およびラインセンサ263の検出結果により硬貨の真偽判別と、真と判別された硬貨の正損判別および金種鑑別とを行う。具体的には、例えば、一の硬貨について磁気的性質で判別された金種と径で判別された金種とが一致し、しかも径の基準データに対する相違量が小さい場合、当該金種の真かつ正の硬貨と判定する。また、一の硬貨について磁気的性質で判別された金種と径で判別された金種とが一致し、しかも径の基準データに対する相違量が若干大きい場合、当該金種の真かつ損の硬貨と判定する。さらに、一の硬貨について磁気的性質で判別された金種と径で判別された金種とが一致しない場合さらには対応する金種がない場合、偽硬貨と判定する。
【0083】
第2搬送部153には、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて硬貨を出金・回収・出金リジェクト用方向および精査用方向の異なる2方向に振り分ける振分部(振分手段)264が設けられている。以下、この振分部264について説明する。
振分部264は、図8に示すように、第2搬送部153の搬送底部材244の、出金鑑別部261より下流側すなわち第3搬送部154側に機体前後方向に沿うように形成された振分溝部265と、搬送底部材244と同一平面に配置された状態で該振分溝部265内で該振分溝部265の延在方向にスライド可能に設けられた振分部材266と、該振分部材266をスライドさせる開閉駆動部267とを有している。
【0084】
開閉駆動部267は、振分部材266に一端側が回転自在に支持された駆動アーム268と、該駆動アーム268の他端側を駆動軸に固定させた正逆回転可能な振分モータ269(図17参照)とを有しており、この振分モータ269で駆動アーム268を回動させることで振分部材266を振分溝部265内で機体前後方向に移動させる。そして、制御部35が振分モータ269で振分部材266を振分溝部265内において最も機体前側に位置させる(図8における実線で示す振分部材266の状態)と、振分溝部265の硬貨通路247に位置する部分を閉塞させることになり、その結果、硬貨が振分部材266を越えて第3搬送部154方向に移動する。この状態が振分部264の待機状態となる。他方、制御部35が振分モータ269で振分部材266を振分溝部265内において最も機体後側に位置させる(図8における一点鎖線で示す振分部材266の状態)と、振分溝部265の硬貨通路247に位置する部分を開放させることになり、その結果、硬貨が振分溝部265から落下する。
【0085】
なお、第3搬送部154の方向が精査用方向であり、振分溝部265からの落下方向が出金・回収・出金リジェクト用方向である。
そして、振分溝部265の下側には、図2に示すように、該振分溝部265から落とし込まれた硬貨を下側の出金一時貯留部155に一括して案内するシュート270が設けられている。
【0086】
さらに、第2搬送部153には、図8に示すように、搬送中に出金鑑別部261で鑑別された硬貨を必要に応じて停止させる搬送規制部272が設けられている。以下、この搬送規制部272について説明する。
搬送規制部272は、第2搬送部153の振分部264より下流側すなわち第3搬送部154側に、回転することにより硬貨通路247側に突出・引込み可能に設けられたストッパ273と、該ストッパ273を回転させるロータリソレノイド274(図17参照)と、硬貨通路247で搬送される硬貨の通過を確認するとともにロータリソレノイド274の駆動タイミングをはかるためのタイミングセンサ275,275とを有している。ここで、制御部35がタイミングセンサ275,275で硬貨が検出されてから所定時間経過後にロータリソレノイド274でストッパ273を硬貨通路247に突出させると、該ストッパ273は、前記タイミングセンサ275,275で検出された硬貨とこれより上流側にある硬貨の下流側への移動を規制することになり、他方、制御部35がロータリソレノイド274でストッパ273を硬貨通路247から引込ませると、該ストッパ273は、それより上流側にある硬貨の下流側への移動を許容することになる。なお、この搬送規制部272は、精査処理中に出金鑑別部261の鑑別結果から処理対象外となる金種の硬貨が確認された場合に、該硬貨のそれ以上の搬送方向下流への移動を停止させるものである。
【0087】
{第3搬送部}
以下、第3搬送部154について説明する。
図2,図8に示すように、第2搬送部153の最下流位置には、収納繰出部150a〜150gの両端側であって収納部158の繰出部159に対し反対側に設けられた一対の軸277,278と、これら軸277,278に固定された一対のプーリ279,280と、これらプーリ279,280に張り渡されることで、すべての収納繰出部150a〜150gの側方にこれら収納繰出部150a〜150gの配列方向に沿って延在するよう配置された搬送ベルト281と、一方のプーリ280を支持する軸278に固定されたプーリ283と、該プーリ283を駆動する正逆回転可能な第3搬送モータ284(図17参照)とを有しており、第3搬送モータ284の回転で搬送ベルト281を回転させる。
【0088】
ここで、搬送ベルト281は、その上に第2搬送部153から送り出された硬貨が載置されることになり、かつその上の硬貨をすべての収納繰出部150a〜150gの精査用取込口164に送り込み可能とされている。そして、第3搬送モータ284の一方向の回転で搬送ベルト281を、載置させた硬貨を機体後方に移動させるように回転させることになる。なお、搬送ベルト281の両側には、搬送ベルト281の回転による該搬送ベルト281上に載置された硬貨の移動を案内するガイドフレーム285,286が設けられており、一対の軸277,278は、ガイドフレーム285,286に回転自在に支持されている。
【0089】
また、機体最後部の収納繰出部150gを除くすべての収納繰出部150a〜150fの精査用取込口164には、それぞれ対応する精査用取込口164に搬送ベルト281上の硬貨を必要に応じて送り込むための取込部材288が設けられている。この取込部材288は、対応する精査用取込口164の機体後側において支持軸289に固定されており、該支持軸289の回転によりこれと一体に回転する。この支持軸289には、図9,図15に示すように、この取込部材288を回転させるための入力カム290が固定されている。
【0090】
そして、搬送ベルト281の近傍に、各取込部材288,288,…をそれぞれ、精査用取込口164を閉塞させ搬送ベルト281上の硬貨に干渉しないように搬送ベルト281に沿わせる待機状態と、精査用取込口164を開放させ該精査用取込口164に搬送ベルト281上の硬貨を取り込むように搬送ベルト281の幅方向に斜めに突出させる取込状態とに切り換える取込駆動部291を有している。
【0091】
この取込駆動部291は、搬送ベルト281の内側部分と高さ位置を合わせて搬送ベルト281に沿って配置された一対の摺動軸292,293と、搬送ベルト281の内側部分に位置するように一対の摺動軸292,293に摺動自在に支持された摺動ブロック294と、該摺動ブロック294に固定された支持部材295と、該支持部材295に回転自在に支持されて上記した入力カム290に接触し入力を行う押圧ローラ296と、搬送ベルト281の両端側であって収納部158に対し反対側に設けられた一対の回転軸297,298と、これら回転軸297,298に固定された一対のプーリ299,300と、これらプーリ299,300に張り渡されるとともに摺動ブロック294に一部固定された搬送ベルト287と、一方のプーリ299を駆動する正逆回転可能な取込駆動モータ301とを有している。
【0092】
そして、この取込駆動モータ301の駆動で摺動ブロック294すなわち押圧ローラ296を機体前後方向に移動させ、該押圧ローラ296が近接する一の入力カム290を押圧してこれに固定された取込部材288を回動させる。
ここで、摺動ブロック294には、図15に示すように、その位置すなわち押圧ローラ296の位置を検出させるための検知片302が設けられており、押圧ローラ296が各取込部材288を取込状態とさせる各位置および押圧ローラ296が最も機体前側にあってすべての取込部材288を待機状態とさせる位置には、それぞれの位置において検知片302を検出する位置検知センサ303a〜303f,303(図17参照)が設けられている。そして、制御部35は、この各位置検知センサ303a〜303f,303による検知片302の検出状態に基づいて取込駆動モータ301を制御する。
【0093】
ここで、具体的には、位置検知センサ303aは、押圧ローラ296が収納繰出部150aの取込部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303bは、押圧ローラ296が収納繰出部150bの取込部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303cは、押圧ローラ296が収納繰出部150cの取込部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303dは、押圧ローラ296が収納繰出部150dの取込部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303eは、押圧ローラ296が収納繰出部150eの取込部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303fは、押圧ローラ296が収納繰出部150fの取込部材288を取込状態とする位置にあることを、位置検知センサ303は、押圧ローラ296がすべての取込部材288を待機状態とする待機位置にあることを、それぞれ検出する。
【0094】
なお、図8に示すように、機体最後部の収納繰出部150gの精査用取込口164の近傍には、該精査用取込口164に搬送ベルト281上の硬貨を送り込むためのガイド面305を有するガイドフレーム304が固定されている。すなわち、上述したすべての取込部材288が待機状態にあるとき、搬送ベルト281で硬貨が機体後方に向けて搬送されると、ガイド面305ですべての硬貨が機体最後部の収納繰出部150gの精査用取込口164に送り込まれることになる。
【0095】
{出金一時貯留部}
以下、出金一時貯留部155について説明する。
図2,図3に示すように、振分部264の振分溝部265の下側に設けられたシュート270のさらに下方位置に、該シュート270を介して落とし込まれた硬貨を受け入れてこれを一時貯留する出金一時貯留部155が設けられている。
【0096】
この出金一時貯留部155は、上下方向に開口するとともにシュート270を介して落とし込まれた硬貨を上部開口から受け入れる出金一時貯留ボックス306と、該出金一時貯留ボックス306の下部開口を開閉させるスライドシャッタ307と、該スライドシャッタ307を駆動するシャッタ開閉モータ308と、これら出金一時貯留ボックス306、スライドシャッタ307およびシャッタ開閉モータ308を全体的に移動させる出金一時貯留駆動部309とを有している。
【0097】
出金一時貯留駆動部309は、シュート270の下側で機体前後方向に延在するよう配置された摺動軸310と、該摺動軸310に摺動自在に支持された摺動ブロック311と、機体前後に配置された一対のプーリ314,315と、これらプーリ314,315に張り渡されるとともに摺動ブロック311に一部固定された搬送ベルト316と、一方のプーリ314を駆動する正逆回転可能な出金移動モータ317とを有している。
【0098】
そして、摺動ブロック311が、出金一時貯留ボックス306の機体右側に固定されており、また、出金一時貯留ボックス306の機体左側に回転自在に取り付けられたローラ318が、支持フレーム319上を機体前後方向に移動可能とされている。これにより、出金移動モータ317の正逆回転で出金一時貯留ボックス306が摺動軸310と支持フレーム319とで案内されて機体前後方向に移動することになる。
【0099】
ここで、出金一時貯留ボックス306が各所定位置に位置するときこれを検出する位置検知センサ320,321,321a〜321f(図17参照)が設けられており、制御部35は、これら位置検知センサ320,321,321a〜321fの検出結果に基づいて出金移動モータ317を駆動制御し出金一時貯留ボックス306を目的の位置まで移動させることになる。なお、出金一時貯留ボックス306は、図3に示す機体最前部の位置が所定の待機位置となり、この待機位置の他に、後述する所定のリジェクト位置と、所定の各金種別回収位置とに移動することになる。なお、位置検知センサ320は、出金一時貯留ボックス306が待機位置に位置することを、位置検知センサ321は、出金一時貯留ボックス306がリジェクト位置に位置することを、位置検知センサ321a〜321fは、出金一時貯留ボックス306が各金種別回収位置に位置することを、それぞれ検出する。
【0100】
待機位置に位置する出金一時貯留ボックス306の直下には、スライドシャッタ307の開作動により該出金一時貯留ボックス306から落とし込まれた硬貨を受け入れてこれを機体左方の出金リフト部16に案内するリフト用シュート323が設けられている。なお、このときの出金一時貯留部155の硬貨の振り分け方向が、出金用方向となる。
【0101】
また、該リフト用シュート323の機体後側には、リジェクト位置に位置する出金一時貯留ボックス306の直下となる位置に、スライドシャッタ307の開作動により該出金一時貯留ボックス306から落とし込まれた硬貨を受け入れてこれをその直下の出金リジェクトボックス30に案内するリジェクト用シュート324が設けられている。なお、このときの出金一時貯留部155の硬貨の振り分け方向が、出金リジェクト用方向となる。
【0102】
{出金リジェクトボックス}
出金リジェクトボックス30は、出金処理時に搬送不良や判別不能等が原因となって出金途中の硬貨の計数が確定できなくなった場合に、このような硬貨を機械側管理の硬貨として保管しておくためのもので、リジェクト位置に位置する出金一時貯留ボックス306からスライドシャッタ307の開作動により落とし込まれた一時貯留硬貨をリジェクト用シュート324を介して受け入れる。出金リジェクトボックス30は、個別に収納出金ユニット15から引き出し可能とされている。
【0103】
{回収ボックス}
回収ボックス156a〜156fは、取り扱う金種数と同じ数分のみ設けられており、出金一時貯留ボックス306の移動方向すなわち機体前後方向に沿って並列されている。そして、これら回収ボックス156a〜156fは、収納出金ユニット15を機体13から引き出した状態で、それぞれ個別に収納出金ユニット15から取り外し可能とされている。各金種別回収位置に位置する出金一時貯留ボックス306の直下に、それぞれ、回収ボックス156a〜156fのうち対応する一つの回収ボックスが配置されることなり、各金種別回収位置のいずれかに位置する出金一時貯留ボックス306からスライドシャッタ307の開作動により落とし込まれた一時貯留硬貨を、各回収ボックス156a〜156fのうち出金一時貯留ボックス306の直下に位置する一つの回収ボックスで受け入れることになる。なお、このときの出金一時貯留部155の振り分け方向が、回収用方向となる。
【0104】
ここで、上記した位置検知センサ321aは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156aに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位置検知センサ321bは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156bに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位置検知センサ321cは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156cに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位置検知センサ321dは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156dに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位置検知センサ321eは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156eに硬貨を落とし込む位置に位置することを、位置検知センサ321fは、出金一時貯留ボックス306が回収ボックス156fに硬貨を落とし込む位置に位置することを、それぞれ検出することになる。
【0105】
「出金リフト部」
出金リフト部16は、図2に示すように、入金選別ユニット14および収納出金ユニット15の機体左側に配置されており、リフト用シュート323で案内されて落とし込まれた硬貨を収納可能な上方のみ開口する形状の出金箱326と、該出金箱326を昇降させる昇降機構部327とを有している。
【0106】
昇降機構部327は、鉛直方向に延在する摺動軸328と、該摺動軸328に摺動自在に支持される上下一対の摺動部材329,329と、これら摺動部材329,329に固定されるとともに出金箱326をその底面、側面および背面を囲むことにより着脱自在に載置させるリフト部材330と、上下に配置された一対のプーリ333,334と、これらプーリ333,334に張り渡されるとともにリフト部材330に一部固定された昇降ベルト335と、一方のプーリ333を駆動する正逆回転可能なリフトモータ336(図17参照)とを有している。
これにより、リフトモータ336の正逆回転でリフト部材330および出金箱326が摺動軸328で案内されて昇降移動することになる。
【0107】
ここで、リフト部材330が所定の下部位置にあって出金箱326が図2に示すリフト用シュート323から硬貨を受け入れ可能な下部の待機位置に位置するときと、該リフト部材330が所定の上部位置にあって出金箱326が出金口32を介して外部に取り出されることが可能となる上部の受渡位置に位置するときとを、それぞれ検出する位置検知センサ337,338(図17参照)が設けられており、制御部35は、これら位置検知センサ337,338の検出結果に基づいてリフトモータ336を駆動して、リフト部材330すなわち出金箱326を移動させる。
【0108】
なお、リフト部材330には、出金箱326の着脱状態を検出するための出金箱有無検知センサ339(図17参照)が設けられており、制御部35は、この出金箱有無検知センサ339の検出結果から、出金口32に設けられるスライドシャッタ33を開閉させる出金口シャッタモータ341(図17参照)および上記リフトモータ336の駆動タイミングをはかることになる。例えば、スライドシャッタ33が開かれ出金箱有無検知センサ339の検出結果から出金箱326がリフト部材330から取り外されたことが検知された後、再び出金箱有無検知センサ339の検出結果から出金箱326がリフト部材330に取り付けられたことが検知されると、制御部35は、スライドシャッタ33を出金口シャッタモータ341で閉作動させ、その後、リフトモータ336でリフト部材330を下降させる。
【0109】
次に、上記構成の硬貨入出金機11における各処理について説明する。
「入金処理」
まず、入金処理について説明する。
操作者が入金処理を選択する旨の入力を行うと、該上位機12から入金処理の指令が制御部35に出力されることになり、上位機12から入金処理の指令を受けると、制御部35は、入金口モータ36を駆動してスライドシャッタ19を移動させて入金口18を開放させるとともに、表示ランプ20を点滅させて、操作者に対し入金する硬貨の受け入れが可能であることを知らせる。
【0110】
この状態で、操作者が入金処理する硬貨を入金口18に投入させ、上位機12に入金処理を開始させる旨の入力を行うと、該上位機12から入金処理の開始指令が出力されることになり、制御部35は、該開始指令に基づいて、供給円盤モータ44および回転円盤モータ46を駆動して供給円盤43および回転円盤45を回転させることにより、供給円盤43から回転円盤45に該回転円盤45から図示せぬ分離部を通過させつつ硬貨通路47に、硬貨を一枚ずつ繰り出させる。それとともに、入金第1モータ62および入金第2モータ64を駆動して搬送ベルト60,61,63を駆動し、回転円盤45から繰り出された硬貨を硬貨通路47に沿って順次直列にならべた状態で搬送させる。
このように硬貨通路47に沿って搬送される硬貨は、入金鑑別部70の磁気センサ66で材質が検出された後に、同入金鑑別部70の画像検出部68で画像が検出される。
【0111】
ここで、磁気センサ66および画像検出部68の出力は、制御部35に入力されることになり、該制御部35では、上述したように判別を行う。すなわち、硬貨を、判別不能を含む偽硬貨と、真かつ汚損と判別された硬貨と、真かつ正と判別された各金種の硬貨とに分類する。そして、判別不能を含む偽硬貨と、真かつ汚損と判別された硬貨とを、硬貨検知センサ77の検出の基づくタイミングで駆動されるロータリソレノイド74,76による第1,第2のストッパ部材73,75の作動で硬貨通路47からリジェクト孔72に排除させることになり、制御部35は、振分ソレノイド84の駆動により、振分部材83を作動させて、判別不能を含む偽硬貨を放出案内部80を介して入金リジェクトボックス22に落とし込ませ収納させる一方、真かつ汚損と判別された硬貨を放出案内部81を介して汚損硬貨一時貯留ボックス90に落とし込ませ一時貯留させることになる。なお、制御部35は、真かつ汚損と判別された硬貨については金種別に計数することになり、また、入金リジェクトボックス22に硬貨が収納されると、表示ランプ26を点灯させて、硬貨が入金リジェクトボックス22内にあることを操作者に知らせる。
【0112】
一方、真かつ正と判別された各金種の硬貨は、それぞれ、金種別に計数されるとともに、硬貨通路47の第3直線部57において、選別孔87a〜87fの対応する一つの選別孔に落下させられ、金種別シュート100を介して、底板103で下部が閉塞された入金一時貯留ボックス102の金種別の一時貯留空間部101a〜101fの対応する一つに落とし込まれ一時貯留される。
【0113】
以上のようにして、入金口18から投入された当該入金処理に係る硬貨がすべて硬貨通路47からなくなると、制御部35は、この入金処理を行った真硬貨(真かつ正の硬貨および真かつ汚損の硬貨)のデータを上位機12に出力させる。すると、上位機12がこのデータを表示させることになり、操作者がこの表示を確認して、この入金処理を確定するかキャンセルするかの操作を行う。
【0114】
操作者による入金確定操作に伴う確定指令が上位機12から出力されると、制御部35は、汚損硬貨が汚損硬貨一時貯留ボックス90にある場合には、汚損一時貯留部39の汚損移動モータ95を駆動して汚損硬貨一時貯留ボックス90を機体左方に移動させ、汚損硬貨一時貯留ボックス90内のすべての汚損硬貨をシュート97を介して汚損収納ボックス23に収納させる。それとともに、制御部35は、底板駆動モータ134および貯留箱駆動モータ119を同期駆動させて、底板103および入金一時貯留ボックス102を一体に機体左方に移動させ、その後、底板駆動モータ134のみを逆転させて底板103のみを戻すことで、この入金一時貯留ボックス102のすべての金種別の硬貨を、金種別収納シュート41の金種別のシュート部144a〜114fを介して金種別の収納繰出部150a〜150f内に、それぞれ金種別に収納させることになる。
【0115】
他方、操作者による入金キャンセル操作に伴う返却指令が上位機12から出力されると、制御部35は、汚損硬貨が汚損硬貨一時貯留ボックス90にある場合には、汚損一時貯留部39の汚損移動モータ95を駆動して汚損硬貨一時貯留ボックス90を機体右方に移動させ、汚損硬貨一時貯留ボックス90内のすべての汚損硬貨をシュート96を介して返却ボックス24に収納させる。それとともに、制御部35は、入金一時貯留部40の底板駆動モータ134を駆動し、入金一時貯留ボックス102はそのままで底板103を機体左方に移動させることにより、この入金一時貯留ボックス102のすべての金種別の硬貨を、返却ボックス24に硬貨を一括して収納させることになる。これにより、入金処理にて受け入れた硬貨を返却ボックス24から操作者に返却することになる。
【0116】
「出金処理」
次に、出金処理について説明する。
操作者が上位機12に対し出金総金額の入力を含む出金処理の操作を行うと、該上位機12から操作に応じた出金処理の指令が制御部35に出力される。すると、制御部35は、まず出金総金額を含む出金処理の指令データに基づいて、出金させるべき各金種の硬貨を収納させている各収納繰出部150a〜150fの繰出部159の繰出モータ206と、第1搬送部152の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第2搬送モータ259および振分モータ269とを駆動させる。これにより、振分部材266を移動させ硬貨通路247の振分溝部265を開口させて該振分溝部265から硬貨を落とし込む状態にすることになり、それとともに、出金させるべき各金種の硬貨を有する各収納繰出部150a〜150fの回転円盤185から硬貨通路186に硬貨を繰り出させそれぞれ硬貨検知センサ216,217で計数しつつ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り出させることになる。ここで、硬貨検知センサ216,217で、出金処理の指令に基づく枚数の最後の硬貨が検出された繰出部159について、制御部35は、前記最後の硬貨が検出された後、この硬貨を第1搬送部152に送り出させ、かつこの硬貨の次の硬貨の第1搬送部152への送り出しを規制するタイミングで送出規制部191の規制ソレノイド222を駆動してストッパ220の規制片219,219を突出させるとともに、繰出モータ206を停止させ回転円盤185および搬送ローラ202を停止させて、それ以上の硬貨の第1搬送部152への硬貨の送り出しを停止させる。
【0117】
なお、上記のように繰出部159の回転円盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させている際に、フル検知センサ193で回転円盤185の硬貨が検出されず、該硬貨の残量が少なくなっていると判定されると、制御部35は、供給モータ176を駆動して供給ベルト169により収納部158から回転円盤185に硬貨を供給させることになり、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が再び検知されると、供給モータ176を停止させることになる。制御部35は、このように繰出部159の回転円盤185に十分な残量の硬貨が常に得られるように供給モータ176を制御する。勿論、例えば回転円盤185が非回転状態にある上でフル検知センサ193が所定時間硬貨を検出しない状態が続いたこと等により、収納部158側の硬貨が空になったことが検出されると、制御部35は供給モータ176を停止させることになり、他方、この状態から入金鑑別部70の鑑別結果等に基づいて収納部158に硬貨が収納されたと判断すると、供給モータ176を駆動させることになる。
【0118】
そして、第1搬送部152に送り出された硬貨は、第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送されるとともに、分離ローラ234で一枚ずつに分離された後に、第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部153の搬送ベルト253,254で硬貨通路247に押し付けられながら搬送される。この第2搬送部153の搬送ベルト253,254による搬送中に出金鑑別部261の磁気センサ262およびラインセンサ263でそれぞれ鑑別が行われ、制御部35は、この鑑別結果に基づいて、硬貨の真偽および金種等を確認し、この出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、出金される硬貨の総金額あるいは金種別枚数を計数する。
【0119】
このように出金鑑別部261で鑑別が行われた後の硬貨は、すべて第2搬送部153の出金鑑別部261より下流側の振分部264で、出金・回収・出金リジェクト用方向に振り分けられる。すなわち、振分部264の振分溝部265から出金一時貯留部155の待機位置で待機している出金一時貯留ボックス306内に落とし込まれ、その下部開口を閉塞させているスライドシャッタ307上に一時貯留されることになる。
【0120】
制御部35は、出金処理の指令データに基づいて各繰出部159から繰り出される予定の硬貨がすべて繰り出されてから、これら硬貨がすべて出金一時貯留ボックス306に一時貯留されるのに十分な時間が経過すると、当該出金処理において、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することになる。
【0121】
すなわち、例えば、出金鑑別部261の鑑別結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれている場合は、該一時貯留硬貨が適正でないと判定する。
また、一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれていないことを条件に、さらに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づく、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨の金額と、上位機12からの出金指令データに基づく出金金額とを比較して、これらが一致した場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であると判定する一方、これらが不一致の場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でないと判定する。
【0122】
なお、一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれていないことを条件に、さらに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づく、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨の金種別枚数と、上位機12からの出金指令データに基づく金種別枚数とを比較して、これらが一致した場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であると判定する一方、これらが不一致の場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でないと判定してもよい。
【0123】
そして、制御部35は、上記判定結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で出金用方向に振り分けさせる。すなわち、出金一時貯留ボックス306を待機位置に位置させた状態のまま、シャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨は、リフト用シュート323を介して、待機位置に位置する出金箱326にすべて収納される。
【0124】
制御部35は、スライドシャッタ307を開放させてから出金箱326に硬貨が収納されるのに十分な時間が経過すると、再びシャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を閉位置に戻すとともに、出金リフト部16のリフトモータ336を駆動して、リフト部材330とともに出金箱326を上昇させ、位置検知センサ338から出金箱326が受渡位置すなわち出金口32から取り出し可能な位置に位置したことが検出されると、リフトモータ336の駆動を停止させるとともに、出金口シャッタモータ341を駆動して出金口32を閉鎖していたスライドシャッタ33を移動させて出金口32を開放させる。これにより、出金口32を介して出金箱326が操作者により取り出し可能となる。
【0125】
制御部35は、出金箱有無検知センサ339の検知結果から、待機位置にあった出金箱326がリフト部材330から取り外された後に再びリフト部材330に戻されたことを確認すると、リフトモータ336を駆動して出金口32をスライドシャッタ33で閉塞させるとともに、出金箱326およびリフト部材330を待機位置まで下降させて出金処理を終了させる。
【0126】
他方、制御部35は、上記判定結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306をリジェクト位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨は、リジェクト用シュート324を介して、下部の出金リジェクトボックス30にすべて収納される。
この後、制御部35は、スライドシャッタ307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機位置に戻した後、再度上記出金指令データに基づいて出金処理をやり直す。
【0127】
「回収処理」
次に、回収処理について説明する。
この回収処理には、いずれかの収納部158に収納された硬貨の量が多くなったと判定される場合に、制御部35が自動的に硬貨量が多くなった硬貨量過多状態の収納部158内の硬貨を操作者に回収させる自動満杯硬貨回収処理や、上位機12に操作者が操作入力することにより該上位機12から出力された回収指令に基づいて指定された金種の硬貨を指定された枚数だけ回収させる手動回収処理、業務終了時に上位機12に操作者が操作入力することにより該上位機12から出力された回収指令に基づいて各収納部158に収納された全ての硬貨を操作者に金種別に回収させる業務終了時回収処理等がある。
【0128】
ここで、上位機12には、手動回収処理等において、回収する硬貨の金種および枚数が操作者の入力で任意に指定可能でありこのように指定された金種および枚数を含む回収指令データを制御部35に出力させることができる。すなわち、上位機12は、操作者に回収する金種を選択指定させるための、各金種別に設けられた「金種選択キー」と、枚数を任意で入力させるための「テンキー」とを有しており、これらの操作に基づいて回収指令データを作成する。
【0129】
また、回収された硬貨の多くは硬貨包装機で包装硬貨とされることが多いことから、上記に加えて、回収する枚数として、包装されて棒金とされる包装単位枚数(日本国内においては50枚)の選択指定も可能とされている。すなわち、上位機12は、操作者が枚数として包装単位枚数をワンタッチで入力可能な「包装単位枚数キー」を有しており、「金種選択キー」および「包装単位枚数キー」の操作に基づいて回収指令データを作成する。
【0130】
なお、使用上、回収枚数が包装単位枚数だけに限られる場合は、上位機12には「金種選択キー」のみを設け、該「金種選択キー」のみを操作すれば、回収枚数は自動的に包装単位枚数が指定されるようにしてもよい。
【0131】
このように指定された包装単位枚数からなる回収枚数を含む回収指令データを制御部35に出力させることができるようになっている。そして、制御部35では、このように上位機12から出力された回収指令データの回収枚数を回収させるように制御を行う。
【0132】
また、上記した自動満杯硬貨回収処理の際の回収枚数としては、予め包装単位枚数が制御部35に設定記憶されており、自動満杯硬貨回収処理の際には、制御部35が、自動的に硬貨量過多状態の金種の収納繰出部から設定された包装単位枚数で硬貨を回収させるように制御を行う。
【0133】
制御部35は、指定された金種および枚数を含む回収指令データを上位機12からの受けた場合、収納繰出部150a〜150fのうちこの指定された一金種の収納繰出部から指定された枚数の硬貨を繰り出させることになり、また、収納繰出部150a〜150fのうちいずれかの収納繰出部が硬貨量過多状態の状態にある場合、当該一金種の収納繰出部から設定された包装単位枚数の硬貨を繰り出させることになる。
【0134】
すなわち、制御部35は、収納繰出部150a〜150fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収納させている一つの収納繰出部の繰出モータ206と、第1搬送部152の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第2搬送モータ259および振分モータ269とを駆動させる。これにより、振分部材266を移動させ硬貨通路247の振分溝部265を開口させて該振分溝部265から硬貨を落とし込む状態にすることになり、それとともに、収納繰出部150a〜150fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収納させている一つの収納繰出部の回転円盤185から硬貨通路186に硬貨を繰り出させ硬貨検知センサ216,217で計数しつつ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り出させることになる。
【0135】
なお、出金処理と同様に、収納繰出部150a〜150fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収納させている一つの収納繰出部の回転円盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させている際に、フル検知センサ193で該回転円盤185の硬貨が検出されず、その残量が少なくなっていると判定されると、制御部35は、供給モータ176を駆動して供給ベルト169により収納部158から回転円盤185に硬貨を供給させ、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が再び検知されると供給モータ176を停止させることにより、回転円盤185に常に十分な残量の硬貨が得られるように供給モータ176を制御する。
【0136】
ここで、残留センサ194および硬貨検知センサ216,217で硬貨が検出されなくなってから所定時間が経過する状態が生じると、制御部35は、対象となる収納繰出部に硬貨がなくなったものと判断し、送出規制部191の規制ソレノイド222を駆動してストッパ220の規制片219,219を突出させるとともに、繰出モータ206を停止させ回転円盤185および搬送ローラ202を停止させる。
【0137】
第1搬送部152に送り出された硬貨は、第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送されるとともに、分離ローラ234で一枚ずつに分離された後に、第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部153の搬送ベルト253,254で硬貨通路247に押し付けられながら搬送される。この第2搬送部153の搬送ベルト228による搬送中に出金鑑別部261の磁気センサ262およびラインセンサ263でそれぞれ鑑別が行われ、制御部35は、この鑑別結果に基づいて、硬貨の真偽および金種等を確認するとともに、回収される硬貨の枚数の最終的な計数を行う。
【0138】
このように出金鑑別部261で鑑別が行われた後の硬貨は、すべて第2搬送部153の出金鑑別部261より下流側の振分部264で出金・回収・出金リジェクト用方向に振り分けられる。すなわち、振分部264の振分溝部265から出金一時貯留部155の待機位置で待機していた出金一時貯留ボックス306内に落とし込まれ、その下部開口を閉塞させているスライドシャッタ307上に一時貯留されることになる。
【0139】
制御部35は、収納繰出部150a〜150fのうち回収対象となる一金種の硬貨を収納させている一つの収納繰出部から繰り出されるべき硬貨がすべて繰り出されてから、これら硬貨がすべて出金一時貯留ボックス306に一時貯留されるのに十分な時間が経過すると、第1搬送部152の第1搬送モータ231および第2搬送部153の第2搬送モータ259の駆動を停止させるとともに、当該回収処理において、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することになる。
【0140】
すなわち、例えば、出金鑑別部261の鑑別結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれている場合は、該一時貯留硬貨が適正でないと判定する。
そして、上位機12から受けた回収指令データに基づいて回収を行う手動回収処理の場合、一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれていないことを条件に、さらに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づく出金一時貯留ボックス306に一時貯留された所定の一金種の一時貯留硬貨の枚数と、回収指令データに含まれる指定枚数とを比較して、これらが一致した場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であると判定する一方、これらが不一致の場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でないと判定する。
【0141】
また、硬貨量過多状態の収納部158内の硬貨について自動的に回収を行う自動満杯硬貨回収処理の場合、一時貯留硬貨に偽硬貨や汚損硬貨が含まれていないことを条件に、出金鑑別部261の鑑別結果に基づく出金一時貯留ボックス306に一時貯留された所定の一金種の一時貯留硬貨の枚数と、予め設定された回収枚数とを比較して、これらが一致した場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正であると判定する一方、これらが不一致の場合には出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でないと判定する。
【0142】
そして、制御部35は、上記判定結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で回収用方向に振り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306を、回収ボックス156a〜156fのうち回収した所定の一金種用の回収ボックスの直上となる金種別回収位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨は、回収ボックス156a〜156fのうちの対応する金種のものにすべて収納される。
この後、制御部35は、スライドシャッタ307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機位置に戻した後、必要に応じて次の回収処理を行うか、回収処理を終了させる。
【0143】
他方、制御部35は、上記判定結果から、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306を、リジェクト用シュート324の直上となるリジェクト位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨は、出金リジェクトボックス30にすべて収納される。
【0144】
この後、制御部35は、スライドシャッタ307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機位置に戻した後、手動回収処理の場合は回収処理をやり直し、自動満杯硬貨回収処理の場合は、硬貨量過多状態にあった収納繰出部が硬貨量過多状態から脱した場合は、回収処理を終了させる一方、硬貨量過多状態から脱しない場合は回収処理をもう一度行う。
【0145】
なお、回収枚数が、出金一時貯留ボックス306の収納量を越えている場合には、複数回に分け一連の回収処理として処理を行うことになる。
また、収納繰出部150a〜150fの対応するものが回収枚数を繰り出す前に空となってしまったことが検出されると、最後の繰り出し硬貨が第1搬送部152に確実に繰り出されるタイミングで該収納繰出部の繰出モータ206の駆動を停止させるとともに、繰り出された最後の硬貨が出金一時貯留ボックス306に確実に収納されるタイミングで、第1搬送部152の第1搬送モータ231および第2搬送部153の第2搬送モータ259の駆動を停止させて、回収処理を終了させることになる。
さらに、上記自動満杯硬貨回収処理等において回収対象となる金種が複数ある場合には、各金種毎に上記した回収処理を行うことになる。
【0146】
ここで、上記回収処理の実行中に、収納繰出部150a〜150fのうち回収対象となる所定の一金種の硬貨を収納させている一つの収納繰出部から繰り出され第1搬送部152および第2搬送部153で搬送される硬貨のうちの一つが出金鑑別部261で回収対象となる所定の一金種の硬貨でない異金種硬貨と鑑別された場合、制御部35は、このとき回転円盤185が硬貨を繰り出している状態にある場合には、硬貨検知センサ216,217でその直後の硬貨が検出された後、この硬貨を第1搬送部152に送り出させ、かつこの硬貨の次の硬貨の第1搬送部152への送り出しを規制するタイミングで、送出規制部191の規制ソレノイド222を駆動してストッパ220の規制片219,219を突出させるとともに、繰出モータ206を停止させ回転円盤185および搬送ローラ202を停止させて、それ以上の硬貨の第1搬送部152への硬貨の送り出しを停止させる。
【0147】
また、異金種硬貨が鑑別された場合、制御部35は、すでに収納繰出部から繰り出されて第1搬送部152上および第2搬送部153上にある硬貨が、すべて、振分部264の振分溝部265から出金一時貯留部155の待機位置で待機していた出金一時貯留ボックス306内に落とし込まれ、その下部開口を閉塞させているスライドシャッタ307上に一時貯留されるタイミングで、出金一時貯留部155に一時貯留された上記異金種硬貨を含む一時貯留硬貨を、リジェクト用方向に振り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306を、リジェクト用シュート324の直上となるリジェクト位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨は、出金リジェクトボックス30にすべて収納される。
【0148】
この後、制御部35は、スライドシャッタ307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機位置に戻した後、手動回収処理の場合は回収処理をやり直し、自動満杯硬貨回収処理の場合は、硬貨量過多状態にあった収納繰出部が硬貨量過多状態から脱した場合は、回収処理を終了させる一方、硬貨量過多状態から脱しない場合は回収処理をもう一度行う。
【0149】
なお、上述した業務終了時回収処理を行う操作入力がなされると、上位機12は、スライドシャッタ307で下部が閉じられた出金一時貯留ボックス306の最大収納量を回収枚数とし予め定められた順番の金種を選択した回収指令データを自動的に制御部35に出力して、残量がなくなるまですべての収納繰出部150a〜150fについて、それぞれ、回収ボックス156a〜156fの対応する一つに硬貨を送り込む回収処理を行うことになる。
【0150】
「精査処理」
次に、精査処理について説明する。
この精査処理は、各金種別の収納繰出部150a〜150fにおけるそれぞれの硬貨の収納枚数を確認する処理である。すなわち、上述したように入金鑑別部70の鑑別結果と出金鑑別部261の鑑別結果とから、収納繰出部150a〜150fおよび出金リジェクトボックス30内に収納された硬貨の全体の金種別枚数は管理可能であるものの、搬送不良や収納繰出部150a〜150fに対応しない異金種硬貨が混入した場合等に出金処理エラーや回収処理エラーが生じると、各収納繰出部150a〜150fおよび出金リジェクトボックス30のそれぞれの硬貨の正確な管理ができなくなってしまう。このため、特に各処理において正確な硬貨枚数を把握しておかなければならない各収納繰出部150a〜150fのそれぞれの硬貨の正確な硬貨枚数をこの精査処理によって確認するのである。なお、制御部35は、この精査処理を、他の処理が行われていないことを前提に、定期的に、あるいは出金処理エラーや回収処理エラーが生じる毎に、あるいは操作者による入力に基づく上位機12からの指令を受けたタイミング等で行う。
【0151】
上記のようなタイミングで精査処理を開始すると、制御部35は、第1搬送部152の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第2搬送モータ259と、第3搬送部154の第3搬送モータ284とを駆動させる。なお、この精査処理の開始時において、振分部264は待機状態すなわち振分部材266で振分溝部265を閉塞させた状態となっており、第2搬送部153で搬送される硬貨を第3搬送部154のの方向すなわち精査用方向に振り分けるようになっている。精査処理は、以下のように各収納繰出部150a〜150f毎に行われる複数の精査作動からなる。
【0152】
上記第1搬送モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆動の後、制御部35は、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行う所定の一つの収納繰出部(繰出元収納繰出部)の繰出部159の繰出モータ206を駆動させる。これにより、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行う一つの収納繰出部の回転円盤185から硬貨通路186に硬貨を繰り出させ硬貨検知センサ216,217で計数しつつ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り出させることになる。
【0153】
このように、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行う一つの収納繰出部の回転円盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させている際に、フル検知センサ193で該回転円盤185の硬貨が検出されず、その残量が少なくなっていると判定されると、制御部35は、出金処理と同様、供給モータ176を駆動して供給ベルト169により収納部158から回転円盤185に硬貨を供給させるとともに、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が再び検知されると供給モータ176を停止させることになり、回転円盤185に常に十分な残量の硬貨が得られるように供給モータ176を制御する。
【0154】
そして、以上のようにして、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行う所定の一つの収納繰出部からすべての硬貨が第1搬送部152に繰り出されたことが、繰出部159の残留センサ194の検出結果に基づき検出されると、その繰出部159の繰出モータ206を停止させるとともに、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が検知されないことから回転状態に維持されていた収納部158の供給モータ176の駆動をも停止させる。
【0155】
第1搬送部152に送り出された硬貨は、第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送されるとともに、分離ローラ234で一枚ずつに分離された後に、第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部153の搬送ベルト253,254で硬貨通路247に押し付けられながら搬送される。この第2搬送部153の搬送ベルト253,254による搬送中に出金鑑別部261の磁気センサ262およびラインセンサ263でそれぞれ鑑別が行われることになる。制御部35は、この出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、出金処理と同様に、硬貨の真偽および金種等を確認するとともに、その硬貨が精査作動を行っているものと同じであると判断されると、さらに搬送方向下流側に設けられたタイミングセンサ275,275で該硬貨の通過を確認後、該硬貨を確定して加算計数する。
【0156】
そして、このように確定された確定硬貨は、そのまま第2搬送部153の硬貨通路247から第3搬送部154の搬送ベルト281上に受け渡され、該搬送ベルト281によって機体後方に向け搬送される。
このように第3搬送部154の搬送ベルト281で搬送された硬貨を、第3搬送部154の最下流側に設けられたガイドフレーム304のガイド面305で案内して、当該精査処理前に空状態であった機体最後部に位置する収納繰出部(予備収納繰出部)150gの収納部158に精査用硬貨取込口164を介して投入させる。このようにして、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行う所定の一つの収納繰出部に収納されていたすべての硬貨の計数を行う。
【0157】
そして、制御部35は、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行う一つの収納繰出部についてすべての硬貨が機体最後部の収納繰出部150gに一時貯留されたことを確認する(この確認は、当該精査作動を行っている収納繰出部の残留センサ194の検出結果および出金鑑別部261の検出結果から行い、具体的には、残留センサ194で硬貨が検出されなくなった後に出金鑑別部261で硬貨が検出されなくなり該出金鑑別部261で最後に鑑別した硬貨が収納繰出部150gに収納されるのに十分な時間が経過したことの検出により行う)と、収納繰出部150g内の硬貨を再度、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行った一つの収納繰出部に戻す。
【0158】
すなわち、収納繰出部150gの供給モータ176を駆動してその収納部158内に一時貯留された硬貨を繰出部159に送り出すとともに、該繰出部159で残留センサ194が硬貨を検出すると、該繰出部159の繰出モータ206を駆動させて、上記と同様にして、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、この繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303,303a〜303fの検出結果に基づいて第3搬送部154の取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行った一つの収納繰出部に付設された取込部材288を搬送ベルト281上に突出させる取込位置に位置させる。
【0159】
これにより、収納繰出部150gにあった硬貨が、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を最初に行った一つの収納繰出部(元の収納繰出部)に収納されることになる。
ここで、収納繰出部150gからすべての硬貨が第1搬送部152に繰り出されたことが、その繰出部159の残留センサ194の検出結果に基づき検出されると、その繰出部159の繰出モータ206を停止させるとともに、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が検知されないことから回転状態に維持されていた収納部158の供給モータ176の駆動をも停止させる。
【0160】
そして、制御部35は、収納繰出部150gのすべての硬貨が元の収納繰出部に戻ったことを、収納繰出部150gの残留検知194センサの検出結果および出金鑑別部261の検出結果から、上記と同様にして確認すると、取込駆動モータ301を駆動制御して、押圧ローラ296および摺動ブロック294を待機位置に戻し、取込部材288を搬送ベルト281上から逃がして、最初の一つの金種の硬貨の精査作動が完了する。
【0161】
そして、制御部35は、以上のような精査作動を精査用収納繰出部150gを除くすべての収納繰出部150a〜150fについて順次行って精査処理を完了することになる。すなわち、例えば、収納繰出部150f〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150fに硬貨を移動させつつの500円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印X1,X2で示す)、収納繰出部150e〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150eに硬貨を移動させつつの10円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印X3,X4で示す)、収納繰出部150d〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150dに硬貨を移動させつつの100円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印X5,X6で示す)、収納繰出部150c〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150cに硬貨を移動させつつの5円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印X7,X8で示す)、収納繰出部150b〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150bに硬貨を移動させつつの50円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印X9,X10で示す)、収納繰出部150a〜精査用収納繰出部150g〜元の収納繰出部150aに硬貨を移動させつつの1円硬貨についての精査作動(このときの硬貨の流れを図18において矢印X11,X12で示す)というように、収納繰出部150a〜150fの機体後側から順に精査作動を行うのである。勿論、収納繰出部150a〜150fについて一つずつ行えば、その順番はどのように変更することもでき、例えば、機体前側から順に行ってもよい。
そして、すべての収納繰出部150a〜150fの精査作動が終了すると、制御部35は、第1搬送モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆動を停止させる。
【0162】
一方、上記した各金種別の精査作動中に、出金鑑別部261による鑑別結果から、精査を行っている金種とは異なる金種の硬貨を確認した場合、つまり、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を行っている収納繰出部に収納されていた硬貨の中に異金種硬貨が混入しており、これを出金鑑別部261による鑑別結果から確認した場合、この異金種硬貨をそのまま搬送させると、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を行っている収納繰出部に異金種硬貨が混在した状態のままとされ、出金処理時あるいは回収処理時にエラーが発生してしまうことになるため、第2搬送部153のタイミングセンサ275,275がこの異金種硬貨を検出したタイミングで、制御部35は、搬送規制部272のロータリソレノイド274を駆動してストッパ273を硬貨通路247内に突出させ、異金種硬貨の搬送を停止させるとともに、収納繰出部150a〜150fのうち精査作動を行っている繰出部159の回転円盤185について、硬貨検知センサ216,217でその直後の硬貨が検出された後、この硬貨を第1搬送部152に送り出させ、かつこの硬貨の次の硬貨の第1搬送部152への送り出しを規制するタイミングで、送出規制部191の規制ソレノイド222を駆動してストッパ220の規制片219,219を突出させるとともに、繰出モータ206を停止させ回転円盤185および搬送ローラ202を停止させて、それ以上の硬貨の第1搬送部152への硬貨の送り出しを停止させるとともに第1搬送部152の第1搬送モータ231を停止させる。
【0163】
この後、ストッパ273よりも下流側すなわち第3搬送部154側に位置する確定硬貨がすべて第3搬送部154に確実に受け渡されるタイミングで、制御部35は、第2搬送部153の第2搬送モータ259および第3搬送部154の第3搬送モータ284を停止させてその精査作動を一時中断させる。
これにより、第1搬送部152にある硬貨は、まだ出金鑑別部261で鑑別されていない硬貨であり、第3搬送部154にある硬貨は確定硬貨だけとなるため、第2搬送部153の硬貨通路247上にある硬貨のみが確定不明な硬貨ということになる。精査作動を再開させるために、この確定不明な硬貨を次のように排除する。
【0164】
すなわち、まず、ロータリソレノイド274を駆動してストッパ273を硬貨通路247から退避させるとともに、振分部264の振分モータ269を駆動して振分部材266を移動させ振分溝部265を開口させる。その後、第2搬送部153の第2搬送モータ259を、第2搬送部153に残された硬貨をすべて確実に振分溝部265に落とし込むことができる予め定められた所定量正逆回転させる。これにより、第2搬送部153の硬貨通路247上にあった確定不明な硬貨がすべて振分部264で出金・回収・出金リジェクト用方向に振り分けられる。すなわち、振分部264の振分溝部265から出金一時貯留部155の待機位置で待機していた出金一時貯留ボックス306内に落とし込まれ、その下部開口を閉塞させているスライドシャッタ307上に一時貯留されることになる。
【0165】
制御部35は、第2搬送部153の硬貨通路247上にあった確定不明な硬貨がすべて出金一時貯留ボックス306に一時貯留されるのに十分な時間が経過すると、出金一時貯留ボックス306に一時貯留された一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分けさせる。すなわち、スライドシャッタ307を閉状態としたまま出金移動モータ317を駆動して出金一時貯留ボックス306をリジェクト位置に位置させ、この状態でシャッタ開閉モータ308を駆動してスライドシャッタ307を開作動させ、該スライドシャッタ307上にあった硬貨を下方に放出させる。このように放出された硬貨は、リジェクト用シュート324を介して、下部の出金リジェクトボックス30にすべて収納される。
この後、制御部35は、振分部264の振分モータ269を駆動して振分部材266を移動させ振分溝部265を閉塞させるとともに、スライドシャッタ307を閉位置に戻し出金一時貯留ボックス306を待機位置に戻した後、中断した精査作動を再開させる。
【0166】
そして、制御部35は、精査処理が完了すると、入金鑑別部70および出金鑑別部261のそれぞれの鑑別結果に基づく収納中の全硬貨の金種別の硬貨枚数と、上記精査処理による出金鑑別部261の鑑別結果に基づく各収納繰出部150a〜150fの金種別の硬貨枚数とから、出金リジェクトボックス30に収納された硬貨の金種別の硬貨枚数を割り出すことになる。
【0167】
以上に述べた第1の実施の形態によれば、制御部35が、出金処理時に、金種別の収納繰出部150a〜150fから硬貨を第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに出金一時貯留部155に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で出金用方向に振り分け、出金リフト部16を介して出金口32に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分け、出金リジェクトボックス30に収納させることになる。
【0168】
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口32に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックス30に収納させることになるため、収納繰出部150a〜150fに、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、出金時に当該異金種硬貨が、収納繰出部150a〜150fのうち出金を行う収納繰出部に対応する金種の硬貨として出金口32に繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。
【0169】
また、制御部35は、出金処理時には、出金鑑別部261の鑑別結果に基づく一時貯留硬貨の総金額に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することになるため、一時貯留硬貨が適正であるか否かの判定を容易に行うことができる。
【0170】
さらに、制御部35が、回収処理時に、対象となる金種の収納繰出部から硬貨を第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに出金一時貯留部155に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で回収用方向に振り分けて回収ボックス156a〜150fの対応する金種のものに収納させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分けて出金リジェクトボックス30に収納させることになる。
【0171】
このように、回収する硬貨を鑑別し、適正である場合のみ回収ボックス156a〜150fの対応する金種のものに回収させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックス30に収納させることになるため、収納繰出部150a〜150fに、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、回収時に当該異金種硬貨が、収納繰出部150a〜150fのうち回収を行っている収納繰出部に対応する金種の硬貨として回収ボックス156a〜150fのいずれかに繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。
【0172】
加えて、制御部35は、回収処理時には、出金鑑別部261の鑑別結果に基づく一時貯留硬貨の硬貨枚数に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することになるため、一時貯留硬貨が適正であるか否かの判定を容易に行うことができる。
【0173】
さらに、制御部35は、回収処理時に、収納繰出部150a〜150fのうち対象となる一金種の収納繰出部から硬貨を繰り出させ、該収納繰出部から繰り出され第1搬送部152および第2搬送部153で搬送される硬貨がすべて出金鑑別部261で前記一金種の硬貨と鑑別された場合、これら硬貨を出金一時貯留部155に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、さらに、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155で金種別方向のうち対応する金種の方向に振り分けて、回収ボックス156a〜156fのうち対応する金種の回収ボックスに収納させる一方、前記一金種の収納繰出部から繰り出され第1搬送部152および第2搬送部153で搬送される硬貨のうちの一つが出金鑑別部261で前記一金種の硬貨でないと鑑別された場合、前記一金種の収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、すでに繰り出された硬貨を出金一時貯留部155に一時貯留硬貨として一時貯留させた後、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部155でリジェクト用方向に振り分け、出金リジェクトボックス30に収納させることになる。
このように、異金種硬貨を出金鑑別部261で鑑別した場合に収納繰出部150a〜150fのうち回収を行っている収納繰出部を停止させるため、出金リジェクトボックス30に収納させる硬貨が不要に増えてしまうことがない。
【0174】
加えて、回収処理においては、包装されて棒金とされる包装単位枚数の硬貨を回収することになるため、回収した硬貨を包装して棒金とする場合に、硬貨が余ってしまうことがない。
【0175】
また、収納繰出部150a〜150gとこれらを取り扱う金種数より一つ多く設けて、空状態の予備の収納繰出部150gを存在させ、制御部35が、収納繰出部150a〜150fのうちの一つの収納繰出部から硬貨をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264で精査用方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて予備の収納繰出部150gに収納させるとともに、出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて前記一つの収納繰出部の硬貨の計数を行う。そして、このような鑑別および計数を全金種の収納繰出部150a〜150fについて行うことで、異金種硬貨を見つけることができる上、各収納繰出部150a〜150fにおける硬貨のデータを機械側自身によって精査し確認することが可能となる。
したがって、上記精査確認により、収納繰出部150a〜150fに混入した異金種硬貨が該収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを防止可能となり、業務終了後に機械側が管理する各金種毎の枚数データと機内にある硬貨の枚数とが一致しない状態が生じることを防止可能となる。
【0176】
加えて、制御部35が、収納繰出部150a〜150fのうちの一つの繰出元収納繰出部から硬貨をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264で精査用方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて空状態にあった一つの予備の収納繰出部150gに収納させるとともに出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、前記繰出元収納繰出部の硬貨について計数を行うことになり、計数を行った後の予備の収納繰出部150gのすべての硬貨を、その後、第1搬送部152、第2搬送部153、振分部264および第3搬送部154を介して繰出元の収納繰出部に戻す。そして、このような精査作動を、予備の収納繰出部150gを除くすべての収納繰出部150a〜150fについて順次行うことで、各収納繰出部150a〜150fにおける硬貨のデータを機械側自身によって精査し確認することが可能となる。
したがって、精査のため収納繰出部150a〜150fから繰り出した硬貨を精査後に元の収納繰出部に戻すため、金種別の収納繰出部150a〜150fの位置が変わることがなく、よって、入金された硬貨を選別分類して各収納繰出部150a〜150fに収納させる入金選別ユニット14が、選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの収納先である収納繰出部を変更させる必要がなく、その結果、該入金選別ユニット14を簡素な構成にできる。
【0177】
さらに、制御部35が、精査処理中に、出金鑑別部261の鑑別結果から精査中の金種以外の異金種硬貨を確認すると、搬送規制部272により該異金種硬貨の搬送を停止させるとともに送出規制部191により収納繰出部150a〜150fのうち精査処理をおこなっているものからの硬貨の繰り出しを停止させ、さらに、第2搬送部153において該異金種硬貨より下流側にあった硬貨をすべて第3搬送部154側に搬送させた状態で、振分部264および第2搬送部153により該異金種硬貨を含む第2搬送部153上に残存する硬貨のみをリジェクト用方向に振り分けることで、異金種硬貨を出金リジェクトボックス30に収納させる。
これにより、異金種硬貨確認時において第2搬送部153上にあった、異金種硬貨を含む該異金種硬貨より上流側の残存硬貨のみを出金リジェクトボックス30に収納させることになり、よって、出金リジェクトボックス30に収納させる硬貨を少なく抑えることができる。
【0178】
また、制御部35が、機外から入金された硬貨枚数および機外に出金させた硬貨枚数に相当する入金鑑別部70および出金鑑別部261のそれぞれの鑑別結果に基づいて現在の収納繰出部150a〜150fおよび出金リジェクトボックス30に収納中の全硬貨の金種別の硬貨枚数を把握する一方、精査処理による出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて各収納繰出部150a〜150fの金種別の硬貨枚数を把握し、これらから、金種別に引算を行うことにより、出金リジェクトボックス30に収納された硬貨の金種別の硬貨枚数を割り出すことになる。
したがって、各収納繰出部150a〜150fおよび出金リジェクトボックス30に収納された硬貨の金種別の硬貨枚数をすべて把握することができる。
【0179】
次に、本発明の第2の実施の形態の硬貨入出金機について、図8、図19〜図21を主に参照して、第1の実施の形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対し入金選別ユニット14の金種別収納シュートが異なっている。すなわち、第2の実施の形態の金種別収納シュート(切換手段)350は、入金選別部38で選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの収納先である収納繰出部150a〜150gを変更可能となっている。
【0180】
すなわち、金種別収納シュート350は、図19に示すように、機体左右方向における両側に配置される一対(一方のみ図示)の側板部351と、側板部351の間に互いに間隔をあけて機体前後方向に配置される、取り扱う金種数より一つ多い複数の仕切板352,352,…とを有している。仕切板352,352,…は、すべて上部の支持軸353において側板部351に回動自在に支持されており、一対の側板部351と、隣り合う仕切板352,352同士とで、それぞれ、内側に硬貨を通過させるシュート部354a〜354fが構成されることになる。このようなシュート部354a〜354fは金種数と同じ6つ形成され、隣り合うシュート同士は仕切板352を共用している。
【0181】
そして、すべての仕切板352,352,…は、それぞれの中間位置に設けられた連結軸355,355,…を介して一つの連結部材356に回動自在に連結されており、この状態で仕切板352,352,…はすべて平行をなしている。また、端の仕切板352には、長穴357を有する取付部材358が支持軸353より下側に固定されており、該取付部材358の長穴357には、切換ソレノイド(駆動源)359の係合軸360が係合されている。
これにより、切換ソレノイド359の駆動により連結部材356を介してすべての仕切板352,352,…が互いに平行な状態で下部を前後に移動させることになる。
【0182】
そして、各シュート部354a〜354fの上部開口部は、それぞれ入金一時貯留ボックス102の金種別の一時貯留空間部101a〜101fすなわち入金選別部38の各金種別の選別孔87a〜87fに一対一で対応し、選別孔87a〜87fのうち対応する一つから硬貨を受け入れるようになっている。 具体的には、機体最前部のシュート部354aは常に一時貯留空間部101aを介して選別孔87aのみから、機体最前部側から数えて2番目のシュート部354bは常に一時貯留空間部101bを介して選別孔87bのみから、同様に3番目のシュート部354cは常に一時貯留空間部101cを介して選別孔87cのみから、4番目のシュート部354dは常に一時貯留空間部101dを介して選別孔87dのみから、5番目のシュート部354eは常に一時貯留空間部101eを介して選別孔87eのみから、シュート部354fは常に一時貯留空間部101fを介して選別孔87fのみから、それぞれ硬貨を受け入れるようになっている。
【0183】
これに対し、切換ソレノイド359の駆動で、シュート部354a〜354fの下部開口部は、全体として機体前後に移動することになり、図20(a)に示すように、全体として機体前側に位置した状態では、シュート部354aが収納繰出部150aの入金用取込口162のみに、シュート部354bが収納繰出部150bの入金用取込口162のみに、シュート部354cが収納繰出部150cの入金用取込口162のみに、シュート部354dが収納繰出部150dの入金用取込口162のみに、シュート部354eが収納繰出部150eの入金用取込口162のみに、シュート部354fが収納繰出部150fの入金用取込口162のみに、それぞれ硬貨を落とし込むことになり、収納繰出部150gは、シュート部354a〜354fのいずれからも硬貨が落とし込まれない状態となる。このような金種別収納シュート350の状態を、前方案内状態と称す。
【0184】
他方、切換ソレノイド359の駆動で、図20(b)に示すように、シュート部354a〜354fの下部開口部が全体として機体後側に位置した状態では、シュート部354aが収納繰出部150bの入金用取込口162のみに、シュート部354bが収納繰出部150cの入金用取込口162のみに、シュート部354cが収納繰出部150dの入金用取込口162のみに、シュート部354dが収納繰出部150eの入金用取込口162のみに、シュート部354eが収納繰出部150fの入金用取込口162のみに、シュート部354fが収納繰出部150gの入金用取込口162のみに、それぞれ硬貨を落とし込むことになり、収納繰出部150aは、シュート部354a〜354fのいずれからも硬貨が落とし込まれない状態となる。このような金種別収納シュート350の状態を、前方案内状態と称す。このような金種別収納シュート350の状態を、後方案内状態と称す。
【0185】
このように、第2の実施の形態の金種別収納シュート350は、切換ソレノイド359の駆動で各金種別のシュート部354a〜354fが、取り扱う金種数より一つ多い収納繰出部150a〜150gのうち一端側のものを除く残りのものに対し一体一で対応する状態と、すべて一つずれて、収納繰出部150a〜150gのうち他端側のものを除く残りのものに対し一体一で対応する状態とに切り換わることになる。すなわち、この金種別収納シュート350は、隣り合う収納繰出部150a,150b同士、収納繰出部150b,150c同士、収納繰出部150c,150d同士、収納繰出部150d,150e同士、収納繰出部150e,150f同士、収納繰出部150f,150g同士に対し、それぞれ選択的に硬貨を導入させる、取り扱う金種数と同数のシュート部354a〜354fと、これらシュート部354a〜354fを切り換えのため揺動させる一つの切換ソレノイド359とを具備している。
【0186】
そして、このような金種別収納シュート350の採用により制御部35は、主に精査処理を第1の実施の形態に対し以下のように変更して行うようになっている。
【0187】
ここで、それまで、金種別収納シュート350が前方案内状態にあって出金処理あるいは回収処理を行っていたとすると、収納繰出部150aで1円硬貨が、収納繰出部150bで50円硬貨が、収納繰出部150cで5円硬貨が、収納繰出部150dで100円硬貨が、収納繰出部150eで10円硬貨が、収納繰出部150fで500円硬貨が、それぞれ収納および繰り出しされており、収納繰出部150gでは硬貨の収納および繰り出しは行われていない状態にある。
【0188】
逆に、金種別収納シュート350が後方案内状態にあったとすると、収納繰出部150bで1円硬貨が、収納繰出部150cで50円硬貨が、収納繰出部150dで5円硬貨が、収納繰出部150eで100円硬貨が、収納繰出部150fで10円硬貨が、収納繰出部150gで500円硬貨が、それぞれ収納および繰り出しされており、収納繰出部150aでは硬貨の収納および繰り出しは行われていない状態にある。
当然、制御部35はこのような各収納繰出部150a〜150gと各金種の対応に基づいて出金処理あるいは回収処理の制御を行っている。
【0189】
そして、例えば、金種別収納シュート350が前方案内状態で出金処理あるいは回収処理が行われていた状態で、第1の実施の形態と同様のタイミングで精査処理を開始すると、制御部35は、第1搬送部152の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第2搬送モータ259と、第3搬送部154の第3搬送モータ284とを駆動させる。なお、この精査処理の開始時において、振分部264は待機状態となっている。また、精査処理は、以下のように各収納繰出部150a〜150f毎に行われる複数の精査作動からなる。
【0190】
上記第1搬送モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆動の後、制御部35は、収納繰出部150f(この精査作動における繰出元収納繰出部)の繰出部159の繰出モータ206を駆動させる。これにより、該収納繰出部150fの回転円盤185から硬貨通路186に硬貨(500円硬貨)を繰り出させ硬貨検知センサ216,217で計数しつつ搬送ローラ202で第1搬送部152に送り出させることになる。
【0191】
このように、収納繰出部150fの回転円盤185から硬貨を硬貨通路186に繰り出させている際に、フル検知センサ193で該回転円盤185の硬貨が検出されず、その残量が少なくなっていると判定されると、制御部35は、第1の実施の形態と同様、供給モータ176を駆動して供給ベルト169により収納部158から回転円盤185に硬貨を供給させ、フル検知センサ193で硬貨のフル状態が再び検知されると供給モータ176を停止させることになり、回転円盤185に常に十分な残量の硬貨が得られるように供給モータ176を制御する。
そして、以上のようにして、収納繰出部150fからすべての硬貨が第1搬送部152に繰り出されたことが、残留センサ194の検出結果に基づき検出されると、繰出モータ206および供給モータ176の駆動を停止させる。
【0192】
一方、上記により第1搬送部152に送り出された硬貨は、第1搬送部152の搬送ベルト228で搬送されるとともに、分離ローラ234で一枚ずつに分離された後に、第2搬送部153に送り込まれ該第2搬送部153の搬送ベルト253,254で硬貨通路247に押し付けられながら搬送される。この第2搬送部153の搬送ベルト253,254による搬送中に出金鑑別部261の磁気センサ262およびラインセンサ263でそれぞれ鑑別が行われることになる。制御部35は、この出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて、硬貨の真偽および金種等を確認するとともに、その硬貨が精査作動を行っているものと同じであると判断されると、さらに搬送方向下流側に設けられたタイミングセンサ275,275で該硬貨の通過を確認後、該硬貨を確定して加算計数する。
【0193】
そして、このように確定された確定硬貨は、そのまま第2搬送部153の硬貨通路247から第3搬送部154の搬送ベルト281上に受け渡され、該搬送ベルト281によって機体後方に向け搬送される。
このように第3搬送部154の搬送ベルト281で搬送された硬貨を、第3搬送部154の最下流側に設けられたガイドフレーム304のガイド面305で案内して、当該精査作動前に空状態であった機体最後部に位置する収納繰出部150g(この精査作動における予備収納繰出部)の収納部158に投入させる。このようにして、機体最後部から2番目の収納繰出部150fに収納されていたすべての硬貨の計数を行う。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X13で示す。
【0194】
以上のようにして、制御部35は、収納繰出部150fについてすべての硬貨が収納繰出部150gに一時貯留されたことを確認する(この確認は、当該収納繰出部150fの残留センサ194の検出結果および出金鑑別部261の検出結果から行い、具体的には残留センサ194で硬貨が検出されなくなった後に出金鑑別部261で硬貨を検出しなくなり該出金鑑別部261で最後に鑑別した硬貨が収納繰出部150gに収納されるのに十分な時間が経過したことの検出により行う)と、収納繰出部150fの硬貨の精査作動を終了させる。
【0195】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150f(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150e(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納繰出部150eの硬貨(10円硬貨)の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150eの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303fで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150fに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0196】
これにより、収納繰出部150eにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、駆動状態が維持されている第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精査作動を行った収納繰出部150fに収納されることになる。そして、収納繰出部150eの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150eから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150fに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150eの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X14で示す。
【0197】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150e(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150d(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納繰出部150dの硬貨(100円硬貨)の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150dの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303eで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150eに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0198】
これにより、収納繰出部150dにあった硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精査作動を行った収納繰出部150eに収納されることになる。そして、収納繰出部150dの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150dから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150eに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150dの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X15で示す。
【0199】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150d(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150c(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納繰出部150cの硬貨(5円硬貨)の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150cの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303dで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150dに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0200】
これにより、収納繰出部150cにあった硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精査作動を行った収納繰出部150dに収納されることになる。そして、収納繰出部150cの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150cから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150dに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150cの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X16で示す。
【0201】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150c(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150b(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納繰出部150bの硬貨(50円硬貨)の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150bの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303cで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150cに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0202】
これにより、収納繰出部150bにあった硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精査作動を行った収納繰出部150cに収納されることになる。そして、収納繰出部150bの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150bから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150cに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150bの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X17で示す。
【0203】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150b(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150a(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨を移しつつ、該収納繰出部150aの硬貨(1円硬貨)の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150aの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該第1搬送モータ231の駆動開始と同時に、位置検知センサ303bで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150bに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0204】
これにより、収納繰出部150aにあった硬貨が、上記と同様に、第2搬送部153の出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、直前に精査作動を行った収納繰出部150bに収納されることになる。そして、収納繰出部150aの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150aから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150bに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150aの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(a)において矢印X18で示す。
【0205】
このようにして、すべての収納繰出部150a〜150fの精査作動が終了すると、制御部35は、取込駆動モータ301を駆動制御して、押圧ローラ296および摺動ブロック294を待機位置に戻し、取込部材288を搬送ベルト281上から逃がすとともに、第1搬送モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆動を停止させ、さらに、切換ソレノイド359を駆動して、前方案内状態にあった金種別収納シュート350を後方案内状態に切り換え、機体最前部側から数えて2番目の収納繰出部150bに対し1円硬貨、3番目の収納繰出部150cに対し50円硬貨、4番目の収納繰出部150dに対し5円硬貨、5番目の収納繰出部150eに対し100円硬貨、6番目の収納繰出部150fに対し10円硬貨、7番目の収納繰出部150gに対し500円硬貨と、各収納繰出部150a〜150gと各金種との対応関係を変更して以降の出金処理あるいは回収処理の制御を行うことになる。
【0206】
逆に、金種別収納シュート350が後方案内状態で出金処理あるいは回収処理が行われていた状態で、第1の実施の形態と同様にタイミングで精査処理を開始すると、制御部35は、上述と同様、第1搬送部152の第1搬送モータ231と、第2搬送部153の第2搬送モータ259と、第3搬送部154の第3搬送モータ284とを駆動させる。なお、この精査処理の開始時において、振分部264は待機状態となっている。また、精査処理は、以下のように各収納繰出部毎に行われる複数の精査作動からなる。
【0207】
上記第1搬送モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆動の後、制御部35は、空状態にある収納繰出部150a(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150b(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(1円硬貨)を移しつつ、該収納繰出部150bの硬貨の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150bの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303aで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150aに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0208】
これにより、収納繰出部150bにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150aに収納されることになる。そして、収納繰出部150bの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150bから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150aに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150bの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(b)において矢印X19で示す。
【0209】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150b(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150c(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(50円硬貨)を移しつつ、該収納繰出部150cの硬貨の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150cの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303bで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150bに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0210】
これにより、収納繰出部150cにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150bに収納されることになる。そして、収納繰出部150cの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150cから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150bに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150cの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(b)において矢印X20で示す。
【0211】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150c(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150d(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(5円硬貨)を移しつつ、該収納繰出部150dの硬貨の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150dの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303cで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150cに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0212】
これにより、収納繰出部150dにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150cに収納されることになる。そして、収納繰出部150dの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150dから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150cに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150dの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(b)において矢印X21で示す。
【0213】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150d(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150e(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(100円硬貨)を移しつつ、該収納繰出部150eの硬貨の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150eの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303dで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150dに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0214】
これにより、収納繰出部150eにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150dに収納されることになる。そして、収納繰出部150eの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150eから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150dに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150eの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(b)において矢印X22で示す。
【0215】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150e(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150f(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(10円硬貨)を移しつつ、該収納繰出部150fの硬貨の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150fの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303eで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150eに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0216】
これにより、収納繰出部150fにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150eに収納されることになる。そして、収納繰出部150fの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150fから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150eに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150fの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(b)において矢印X23で示す。
【0217】
次に、制御部35は、上記した直前の精査作動で空状態となった収納繰出部150f(この精査作動の予備収納繰出部)に、収納繰出部150g(この精査作動の繰出元収納繰出部)の硬貨(500円硬貨)を移しつつ、該収納繰出部150gの硬貨の精査作動を行う。すなわち、上述と同様に、収納繰出部150gの繰出モータ206を駆動させて、その回転円盤185および搬送ローラ202で第1搬送部152に硬貨を繰り出させるとともに、該繰出モータ206の駆動開始と同時に、位置検知センサ303fで検出片302が検出される位置に摺動ブロック294を位置させるように取込駆動モータ301を駆動させて、収納繰出部150fに付設された取込部材288を取込位置に位置させる。
【0218】
これにより、収納繰出部150gにあった硬貨が、上記と同様に、出金鑑別部261でそれぞれ鑑別および計数が行われながら、第1搬送部152、第2搬送部153および第3搬送部154で搬送され、取込部材288に案内されて、収納繰出部150fに収納されることになる。そして、収納繰出部150gの残留センサ194および出金鑑別部261の検出結果から、該収納繰出部150gから全ての硬貨の繰り出され収納繰出部150fに収納されるのに十分な時間が経過したことを確認すると、該収納繰出部150gの精査作動を終了させる。
上記の硬貨の流れを図21(b)において矢印X24で示す。
【0219】
そして、すべての収納繰出部150b〜150gの精査作動が終了すると、制御部35は、取込駆動モータ301を駆動制御して、押圧ローラ296および摺動ブロック294を待機位置に戻し、取込部材288を搬送ベルト281上から逃がすとともに、第1搬送モータ231、第2搬送モータ259および第3搬送モータ284の駆動を停止させ、切換ソレノイド359を駆動して、前方案内状態にあった金種別収納シュート350を後方案内状態に切り換え、機体最前部の収納繰出部150aに対し1円硬貨、機体最前部側から数えて2番目の収納繰出部150bに対し50円硬貨、3番目の収納繰出部150cに対し5円硬貨、4番目の収納繰出部150dに対し100円硬貨、5番目の収納繰出部150eに対し10円硬貨、6番目の収納繰出部150fに対し500円硬貨と、各収納繰出部150a〜150gと各金種との対応関係を変更して以降の出金処理あるいは回収処理の制御を行うことになる。
【0220】
一方、第2の実施の形態においても、上述した各金種別の精査作動中に、出金鑑別部261による鑑別結果から、精査を行っている金種とは異なる金種の硬貨を確認した場合は、第1の実施の形態と同様にして、この異金種硬貨を、振分部264および出金一時貯留部155で出金リジェクトボックス30にリジェクトさせることになる。
【0221】
以上に述べた第2の実施の形態によれば、制御部35が、収納繰出部150a〜150gのうちの一つの収納繰出部から硬貨をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264で精査用方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて収納繰出部150a〜150gのうちの空状態にあった一つの予備収納繰出部に収納させるとともに出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて前記一つの収納繰出部についての計数を行う精査作動を実行することになり、次に、この精査作動で空となった前記一つの収納繰出部を新たな予備収納繰出部として、収納繰出部150a〜150gのうちの他の一つの収納繰出部から硬貨をすべて第1搬送部152に繰り出させ、該硬貨を第1搬送部152および第2搬送部153で搬送させつつ出金鑑別部261で鑑別させさらに振分部264で精査用方向に振り分け第3搬送部154で搬送させて前記新たな予備収納繰出部に収納させるとともに出金鑑別部261の鑑別結果に基づいて前記他の一つの収納繰出部についての計数を行う精査作動を実行することになって、このような精査作動を、すべての金種の収納繰出部について順次行う。そして、各収納繰出部150a〜150gの収納金種に合わせて、金種別収納シュート350を切換ソレノイド359で切り換えることにより、入金選別部38で選別分類した各金種の硬貨のそれぞれの収納先である収納繰出部を変更させる。
したがって、精査のため収納繰出部から繰り出し空の収納繰出部に収納させた硬貨を精査後に元の収納繰出部に戻すことがないため、精査処理に要する時間を短縮することができる。
【0222】
また、金種別収納シュート350は、隣り合う収納繰出部に対し選択的に硬貨を導入させる、取り扱う金種数と同数のシュート部354a〜354fと、これらシュート部354a〜354fを揺動させる一つの切換ソレノイド359とで構成されるため、構造の複雑化およびコスト増を抑制することができる。
【0223】
なお、以上の第1,第2の実施の形態によれば、精査処理において、出金鑑別部261の鑑別結果から、その処理中に異金種硬貨を確認した場合、少なくとも第2搬送部153にある異金種硬貨および計数不能硬貨を出金リジェクトボックス30に排除させる処理を行うようにしているが、さらに精査処理時間を短縮するために、制御部35が異金種硬貨を確認した場合であっても、この異金種硬貨を排除させずに、そのまま混入させた状態で収納部に収納させるようにしてもよい。これは、この硬貨入出金機が、その構成上、精査処理時にこの異金種硬貨を排除しなくても、出金処理および回収処理でこの異金種硬貨を確認した場合にこれを排除させることができるためである。このようにすれば、時間のかかる精査処理において時間短縮を優先させることができるのである。なお、この場合、後で異金種硬貨の混入を確認できるように、制御部35は、各収納繰出部単位での金種別硬貨枚数データを記憶しておくようにする。
【0224】
また、第1,第2の実施の形態は、上位機12に接続されるものを例にとり説明したが、上位機12に接続されるのではなく、単独で用いられる硬貨入出金機であっても、上位機12の操作部および表示部等の機能部がこの硬貨入出金機に組み込まれる以外は第1,第2の実施の形態と同様である。
【0225】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の硬貨入出金機によれば、制御手段が、出金処理時に、金種別の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第1の方向に振り分け、出金搬送部を介して出金口に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
したがって、収納繰出部に、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、出金時に当該異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。
制御手段が、回収処理時に、対象となる金種の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第3の方向に振り分け回収ボックスに収納させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分けさせ、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、回収する硬貨を鑑別し、適正である場合のみ回収ボックスに回収させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
したがって、収納繰出部に、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、回収時に当該異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。
本発明の請求項2記載の硬貨入出金機によれば、制御手段が、回収処理時に、出金鑑別部の鑑別結果に基づく一時貯留硬貨の硬貨枚数に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することになるため、一時貯留硬貨が適正であるか否かの判定を容易に行うことができる。
【0227】
本発明の請求項3記載の硬貨入出金機によれば、制御手段が、出金処理時に、金種別の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第1の方向に振り分け、出金搬送部を介して出金口に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
したがって、収納繰出部に、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、出金時に当該異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。
制御手段は、回収処理時に、対象となる一金種の収納繰出部から硬貨を繰り出させ、該収納繰出部から繰り出され搬送手段で搬送される硬貨がすべて出金鑑別部で前記一金種の硬貨と鑑別された場合、これら硬貨を出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で金種別方向のうち対応する金種の方向に振り分け、対応する金種の回収ボックスに収納させる一方、前記一金種の収納繰出部から繰り出され搬送手段で搬送される硬貨のうちの一つが出金鑑別部で前記一金種の硬貨でないと鑑別された場合、該鑑別に基づき収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、すでに繰り出された硬貨を出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させた後、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、回収する硬貨を鑑別し、適正である場合のみ対応する金種の回収ボックスに回収させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
したがって、収納繰出部に、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、回収時に当該異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。しかも、異金種硬貨を出金鑑別部で鑑別した場合に収納繰出部を停止させるため、出金リジェクトボックスに収納させる硬貨が不要に増えてしまうことがない。
【0229】
本発明の請求項5記載の硬貨入出金機によれば、回収処理においては、包装されて棒金とされる包装単位枚数の硬貨を回収することになるため、回収した硬貨を包装して棒金とする場合に、硬貨が余ってしまうことがない。
【0230】
本発明の請求項6記載の硬貨入出金機によれば、制御手段が、出金処理時に、金種別の収納繰出部から硬貨を搬送手段に繰り出させ、該硬貨を搬送手段で搬送させつつ出金鑑別部で鑑別させさらに出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第1の方向に振り分け、出金搬送部を介して出金口に出金させる一方、一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を出金一時貯留部で第2の方向に振り分け、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
このように、出金させる硬貨を鑑別し、適正である場合のみ出金口に出金させ、適正でない場合には、出金リジェクトボックスに収納させることになる。
したがって、収納繰出部に、収納する金種硬貨とは異なる異金種硬貨が混入してしまった場合にも、出金時に当該異金種硬貨が収納繰出部に対応する金種の硬貨として繰り出されてしまうことを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を示す斜視図。
【図2】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を示す正断面図。
【図3】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態を示す側断面図。
【図4】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の入金選別ユニットを示す平面図。
【図5】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の入金選別ユニットの部分拡大正断面図。
【図6】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の入金選別ユニットの底板等を示す平面図。
【図7】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の入金選別ユニットの入金一時貯留ボックス等を示す平面図。
【図8】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットを示す平面図。
【図9】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの収納繰出部を示す正断面図。
【図10】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの繰出部を示す平面図。
【図11】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの繰出部を示す正面図。
【図12】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの繰出部を示す側面図。
【図13】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの繰出部の部分拡大平面図。
【図14】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの繰出部の部分拡大側面図。
【図15】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の収納出金ユニットの第3搬送部の一部を示す平断面図。
【図16】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の硬貨の流れを示すブロック図。
【図17】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の制御系を示すブロック図。
【図18】本発明の硬貨入出金機の第1の実施の形態の精査処理時の硬貨流れを示す図。
【図19】本発明の硬貨入出金機の第2の実施の形態の入金選別ユニットの金種別収納シュートを示す側面図。
【図20】本発明の硬貨入出金機の第2の実施の形態の入金選別ユニットの金種別収納シュートの切換状態を示す側面図。
【図21】本発明の硬貨入出金機の第2の実施の形態の精査処理時の硬貨の流れを示す図。
【符号の説明】
11 硬貨入出金機
16 出金リフト部(出金搬送部)
30 出金リジェクトボックス
32 出金口
35 制御部(制御手段)
150a〜150g 収納繰出部
152 第1搬送部(搬送手段)
153 第2搬送部(搬送手段)
155 出金一時貯留部
156a〜156f 回収ボックス
261 出金鑑別部

Claims (6)

  1. 入金された硬貨を金種別に選別分類して金種別の収納繰出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を金種別の収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金機において、
    前記金種別の収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
    該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別部と、
    前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬貨を一時貯留させるとともに、該一時貯留させた一時貯留硬貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能な出金一時貯留部と、
    該出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する出金搬送部と、
    前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェクトボックスと、
    出金処理時に、前記金種別の収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせる制御手段と、
    を具備し、
    前記出金一時貯留部は、一時貯留させた一時貯留硬貨を前記第1の方向および前記第2の方向に加えて、これらの方向とは異なる第3の方向に振り分け可能とされるとともに、
    前記出金一時貯留部で前記第3の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な回収ボックスを有し、
    前記制御手段は、回収処理時に、対象となる収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第3の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせることを特徴とする硬貨入出金機。
  2. 前記制御手段は、前記回収処理時において、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づく前記一時貯留硬貨の硬貨枚数に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の硬貨入出金機。
  3. 入金された硬貨を金種別に選別分類して金種別の収納繰出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を金種別の収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金機において、
    前記金種別の収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
    該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別部と、
    前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬貨を一時貯留させるとともに、該一時貯留させた一時貯留硬貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能な出金一時貯留部と、
    該出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する出金搬送部と、
    前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェクトボックスと、
    出金処理時に、前記金種別の収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨 を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせる制御手段と、
    を具備し、
    前記出金一時貯留部は、一時貯留させた一時貯留硬貨を前記第1の方向および前記第2の方向に加えて、これらの方向とは異なりかつ金種別に設けられたさらに複数の各金種別方向に振り分け可能とされるとともに、
    前記出金一時貯留部で各金種別方向に振り分けられた硬貨を金種別に収納可能な金種別の回収ボックスを有し、
    前記制御手段は、回収処理時に、対象となる一金種の収納繰出部から硬貨を繰り出させ、該収納繰出部から繰り出され前記搬送手段で搬送される硬貨がすべて前記出金鑑別部で前記一金種の硬貨と鑑別された場合、これら硬貨を前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記金種別方向のうち対応する金種の方向に振り分けさせる一方、前記一金種の収納繰出部から繰り出され前記搬送手段で搬送される硬貨のうちの一つが前記出金鑑別部で前記一金種の硬貨でないと鑑別された場合、該鑑別に基づき前記収納繰出部からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、すでに繰り出された硬貨を前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させた後、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさせることを特徴とする硬貨入出金機。
  4. 前記出金一時貯留部は、出金一時貯留ボックスと該出金一時貯留ボックスの下部開口を開閉させるスライドシャッタとを有するとともに、前記一時貯留硬貨が、待機位置で待機している前記出金一時貯留ボックス内に落とし込まれ該出金一時貯留ボックスの下部開口を閉塞させている前記スライドシャッタ上に一時貯留され、さらに、前記一時貯留硬貨が適正である場合は前記出金一時貯留ボックスを前記待機位置に位置させた状態のまま前記スライドシャッタを開作動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の硬貨入出金機。
  5. 前記回収処理においては、包装されて棒金とされる包装単位枚数の硬貨を回収することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の硬貨入出金機。
  6. 入金された硬貨を金種別に選別分類して金種別の収納繰出部に収納させるとともに、必要に応じて該硬貨を金種別の収納繰出部から出金口に出金させる還流式の硬貨入出金機において、
    前記金種別の収納繰出部から繰り出された硬貨を一枚ずつ分離して搬送する搬送手段と、
    該搬送手段で搬送される硬貨の金種を鑑別する出金鑑別部と、
    前記搬送手段で搬送され前記出金鑑別部で鑑別された硬貨を一時貯留させるとともに、該一時貯留させた一時貯留硬貨を異なる第1の方向および第2の方向に振り分け可能な出金一時貯留部と、
    該出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けられた硬貨を前記出金口に搬送する出金搬送部と、
    前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けられた硬貨を収納可能な出金リジェクトボックスと、
    出金処理時に、前記金種別の収納繰出部から硬貨を前記搬送手段に繰り出させ、該硬貨を前記搬送手段で搬送させつつ前記出金鑑別部で鑑別させさらに前記出金一時貯留部に一時貯留硬貨として一時貯留させるとともに、前記出金鑑別部の鑑別結果に基づいて、前記一時貯留硬貨が適正であるか否かを判定し、該一時貯留硬貨が適正である場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第1の方向に振り分けさせる一方、前記一時貯留硬貨が適正でない場合、該一時貯留硬貨を前記出金一時貯留部で前記第2の方向に振り分けさ せる制御手段と、
    を具備し、
    前記出金一時貯留部は、出金一時貯留ボックスと該出金一時貯留ボックスの下部開口を開閉させるスライドシャッタとを有するとともに、前記一時貯留硬貨が、待機位置で待機している前記出金一時貯留ボックス内に落とし込まれ該出金一時貯留ボックスの下部開口を閉塞させている前記スライドシャッタ上に一時貯留され、さらに、前記一時貯留硬貨が適正である場合は前記出金一時貯留ボックスを前記待機位置に位置させた状態のまま前記スライドシャッタを開作動させることを特徴とする硬貨入出金機。
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