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JP5851351B2 - 硬貨処理機 - Google Patents

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JP5851351B2
JP5851351B2 JP2012129785A JP2012129785A JP5851351B2 JP 5851351 B2 JP5851351 B2 JP 5851351B2 JP 2012129785 A JP2012129785 A JP 2012129785A JP 2012129785 A JP2012129785 A JP 2012129785A JP 5851351 B2 JP5851351 B2 JP 5851351B2
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本発明は、硬貨処理機に関する。
硬貨放出機において、硬貨放出口に受皿の有無を検出する検出器を設けて、硬貨放出口に受皿がセットされたことを検出器が検出すると放出動作を開始する技術がある(例えば特許文献1参照)。
実開昭54−130498号公報
上記の硬貨放出機においては、硬貨放出口に受皿が有ることを検出器で検出するだけではなく、この検出器を併用して、逆に放出動作終了後に、硬貨放出口に受皿が無いことを検出したら、受皿が抜き取られたと判定して硬貨放出取引を完了するようにできる。
ところが、この検出器による受皿の有無検出位置は、放出動作中の硬貨が受皿からこぼれ落ちることがないように、硬貨放出口の奥側限度近傍位置に受皿があることを検出する位置に設定されている。このため、受皿を硬貨放出口から完全に手前方向に抜き取った場合だけでなく、硬貨放出口内で有無検出位置から外れる少し手前方向にずらした場合にも、受皿が無いように検出されてしまう。つまり、この検出器では、受皿が奥側限度近傍位置に無いことは検出できても、受皿を適切な位置まで抜き取ったか否かの検出まではできない。検出器が受皿を検出しなくなっても、受皿を適切な位置まで抜き取っていない場合には、受皿の全体が操作者の目視の範囲に露出しない可能性があり、このような状態では、操作者が受皿上の硬貨を一部取り忘れてしまう操作ミスを起こす可能性がある。なお、操作員が受皿上の硬貨を正しく全部受け取らない操作ミスをした場合には、受け取り忘れた受皿上の硬貨と次の取引において放出された別の硬貨とが受皿に混在することになり、現金取引違算が発生する原因となってしまう可能性がある。
したがって、本発明は、受皿上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる硬貨処理機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、機体前面側に開口部を有し機体奥側に向けて凹む挿入口と、該挿入口に対し前記開口部を介して挿入および抜き取り可能な受皿と、前記挿入口に配置された状態の前記受皿に硬貨を放出する放出手段と、前記挿入口の機体奥側に設けられて、前記放出手段から放出される硬貨を受け入れ可能な位置に前記受皿があるか否かを検出する受皿配置検出手段と、前記挿入口の前記開口部側に設けられて、前記挿入口から前記受皿が抜き取られたか否かを検出する受皿抜取検出手段と、前記放出手段で硬貨を放出する放出処理において、放出すべき全ての硬貨を前記放出手段から放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記放出処理が終了したものと判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記受皿配置検出手段が前記受皿を検出したとき、前記受皿抜取検出手段も前記受皿を検出する位置に、これら受皿配置検出手段および受皿抜取検出手段が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記受皿抜取検出手段は、機体前後方向に交差して光軸を配した光学センサであることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記光学センサは、前記開口部の所定の高さ位置にて水平方向に光軸を配していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記放出手段は、機内に確定収納された硬貨を前記挿入口に配置された状態の前記受皿に出金する出金手段であり、前記判定手段は、前記出金手段で硬貨を出金する出金処理において、出金すべき全ての硬貨を前記出金手段が放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記出金処理が終了したものと判定することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、機内に受け入れる硬貨を識別する識別手段を備え、前記放出手段は、前記識別手段で正常と識別されて機内に一時貯留された確定収納前の硬貨を前記挿入口に配置された状態の前記受皿に返却する返却手段であり、前記判定手段は、前記返却手段で硬貨を返却する返却処理において、返却すべき全ての硬貨を前記返却手段が放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記返却処理が終了したものと判定することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に係る発明において、機内に受け入れる硬貨を識別する識別手段を備え、前記放出手段は、前記識別手段で正常と識別されなかったリジェクト硬貨を前記挿入口に配置された状態の前記受皿に排除する排除手段であり、前記判定手段は、前記排除手段で硬貨を排除する排除処理において、排除すべき全ての硬貨を前記排除手段で放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記排除処理が終了したものと判定することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一項に係る発明において、取引処理中に異常が発生すると、その後の異常復旧の処理状況を確認する確認手段を備え、該確認手段は、前記異常復旧の処理を終了と判断する条件に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出することを含むことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に係る発明において、前記放出処理において、放出すべき全ての硬貨を前記放出手段から放出した後に、前記受皿配置検出手段が、前記放出手段から放出される硬貨を受け入れ可能な位置に前記受皿がないことを検出した後、所定時間経過しても前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出しない場合に、警告を行う警告手段を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、挿入口の機体奥側に設けられた受皿配置検出手段が、放出手段から放出される硬貨を受け入れ可能な位置に受皿があるか否かを検出するため、放出手段で硬貨を放出する放出処理において、放出手段からの硬貨を受け入れ可能な位置に受皿があることを受皿配置検出手段が検出していることを条件に、硬貨を放出することができる。よって、適正に受皿に硬貨を放出することができる。また、放出手段で硬貨を放出する放出処理において、判定手段は、放出すべき全ての硬貨を放出手段から放出した後に、受皿配置検出手段とは別に挿入口の開口部側に設けられた受皿抜取検出手段が受皿の挿入口からの抜き取りを検出すると、放出処理が終了したものと判定する。言い換えれば、挿入口の開口部側に設けられた受皿抜取検出手段が受皿の挿入口からの抜き取りを検出しなければ(つまり受皿が挿入口の開口部側を越える位置まで抜き取られていなければ)、放出処理が終了したものと判定しない。つまり、受皿の略全体が操作者の目視の範囲に露出し、操作者が受皿上の硬貨を一部取り忘れてしまう操作ミスを起こす可能性を減らせる状態となってから、放出処理が終了したものと判定する。したがって、受皿上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、受皿配置検出手段が受皿を検出したとき、受皿抜取検出手段も受皿を検出する位置に、これらが設けられているため、受皿が適正に抜き取られれば、受皿配置検出手段が受皿を検出する状態から、受皿配置検出手段が受皿を検出せず且つ受皿抜取検出手段が受皿を検出する状態となり、その後、受皿抜取検出手段が受皿を検出しない状態となる。これに対し、例えば、受皿が挿入口から途中まで引き出された後に多少戻されると、受皿配置検出手段が受皿を検出する状態から、受皿配置検出手段が受皿を検出せず且つ受皿抜取検出手段が受皿を検出する状態となり、その後、この状態が維持されることになる。よって、受皿が適正に抜き取られた場合と、途中まで引き出された後に多少戻された場合とを区別できる。したがって、受皿が挿入口から途中まで引き出された後に多少戻されたことを、受皿が挿入口から抜き取られたと誤判断することを防止できる。より具体的に、受皿配置検出手段が受皿を検出したとき、受皿抜取検出手段が受皿を検出しない位置に、これらが設けられていると、受皿が適正に抜き取られても、途中まで引き出された後に多少戻されても、同様に、受皿配置検出手段が受皿を検出し且つ受皿抜取検出手段が受皿を検出しない状態から、受皿配置検出手段が受皿を検出せず且つ受皿抜取検出手段が受皿を検出する状態となり、その後、受皿配置検出手段が受皿を検出せず且つ受皿抜取検出手段が受皿を検出しない状態となる可能性があるが、このような検出に基づく誤判断を防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、受皿抜取検出手段が、機体前後方向に交差して光軸を配した光学センサであるため、安価かつ簡素な構成で受皿の挿入口からの抜き取りを検出することができる。
請求項4に係る発明によれば、光学センサが、開口部の所定の高さ位置にて水平方向に光軸を配しているため、受皿が、丸形、円形、方形等のいずれの形状であっても、また開口部の幅寸法と受皿の幅寸法との差の条件を問わずに、受皿の挿入口からの抜き取りを検出することができる。
請求項5に係る発明によれば、放出手段が、機内に確定収納された硬貨を、挿入口に配置された状態の受皿に出金する出金手段であるため、出金手段で硬貨を出金する出金処理において、受皿上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
請求項6に係る発明によれば、放出手段が、識別手段で正常と識別されて機内に一時貯留された確定収納前の硬貨を、挿入口に配置された状態の受皿に返却する返却手段であるため、返却手段で硬貨を返却する返却処理において、受皿上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。したがって、入金処理ができ入金処理において一時貯留した硬貨を受皿に返却するものであっても、受皿上の返却硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
請求項7に係る発明によれば、放出手段が、識別手段で正常と識別されなかったリジェクト硬貨を、挿入口に配置された状態の受皿に排除する排除手段であるため、排除手段で硬貨を排除する排除処理において、受皿上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。したがって、入金処理あるいは整理計数処理ができ入金処理あるいは整理計数処理において発生したリジェクト硬貨を受皿に排除するものであっても、受皿上のリジェクト硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
請求項8に係る発明によれば、確認手段が、異常復旧の処理を終了と判断する条件に、受皿抜取検出手段が受皿の挿入口からの抜き取りを検出することを含むため、異常復旧処理(例えば放出手段で詰まったジャム硬貨の除去等)の際に、異常発生時点で既に受皿上に放出済みの硬貨や、ジャム解消時に受皿に落下した硬貨についての取り忘れミスの発生を抑制することができる。
請求項9に係る発明によれば、放出処理において、放出すべき全ての硬貨を放出手段から放出した後に、受皿配置検出手段が、放出手段から放出される硬貨を受け入れ可能な位置に受皿がないことを検出した後、所定時間経過しても受皿抜取検出手段が受皿の挿入口からの抜き取りを検出しない場合、つまり、受皿の挿入口からの抜き取り開始を検出した後、所定時間経過しても抜き取り完了を検出しなければ、警告手段が警告を行う。よって、操作者に、受皿の硬貨の取り忘れミスの発生の可能性を警告音や警告表示で警告して、受皿を完全に抜き取るように操作を促すことができる。
本発明の硬貨処理機の一実施形態としての貨幣入出金機を示す斜視図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の内部構造を示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部のリジェクト機構等を示す正面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の一時貯留部を示す側断面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の返却搬送路を示す側断面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の収納繰出部を示す側断面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の収納繰出部を示す部分拡大平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の収納繰出部等を示す部分拡大側断面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の受皿挿入口等を示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の入金処理ルートを示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の出金処理ルートを示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の収納処理ルートを示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の返却処理ルートを示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の金庫回収処理ルートを示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の第1精査処理ルートを示す平面図である。 同貨幣入出金機における硬貨入出金部の第2精査処理ルートを示す平面図である。
本発明の硬貨処理機の一実施形態である貨幣入出金機を図面を参照して以下に説明する。なお、各図における矢印X方向が、操作を行う操作者側すなわち前方(正面側)を示す。また、以下における「前」は操作者側、「後」は操作者に対し反対側であり、左右は、操作者側から見たときの左右である。
この貨幣入出金機は、銀行等の金融機関のテラーカウンタの下側に配置され、左右の二人のテラー等の操作者に共用で使用可能とされるとともに、使用時には左右の二人の操作者のいずれか一人に占有使用されるものであって、図1に示すように、紙幣の入金、収納、回収および出金等、紙幣に関する各処理を行う紙幣入出金部11と、硬貨の入金、収納、回収および出金等、硬貨に関する各処理を行う硬貨入出金部12とが一体的に設けられたものである。貨幣入出金機は、左右の二人の操作者のそれぞれに対して設けられた図示略の上位機と接続されて用いられる。
硬貨入出金部12は、機体10における上部に主として配置されており、紙幣入出金部11と硬貨入出金部12の一部とが、機体10における下部に硬貨入出金部12の他の部分よりも前方に突出するように配置されている。なお、硬貨入出金部12および紙幣入出金部11は、機体10の前面側に引き出し可能となっており、これらを機体10に対しロックおよびロック解除する引出キー13が紙幣入出金部11の前面側に設けられている。
貨幣入出金機には、その機体10の上面の前面側の左右両側に、上方に向いて、左右の操作者により各処理の操作が入力される操作部14と処理状態等を表示する表示ランプ部15とが設けられており、また、右側にのみ、処理のガイドメニュー、処理状態および処理結果等を表示する表示パネル(警告手段)16および音声発生部(警告手段)24が設けられている。なお、これら操作部14、表示ランプ部15、表示パネル16および音声発生部24は、硬貨入出金部12および紙幣入出金部11に対し共用とされている。
また、機体10の上面の前面より若干後側の左右方向における中央には、硬貨入出金部12に入金硬貨を投入するための硬貨入金口17が設けられており、硬貨入出金部12の下部すなわち紙幣入出金部11側には、機体10の前面側に開口部18aを有し機体10の奥側(後側)に向けて凹む受皿挿入口(挿入口)18が設けられている。この受皿挿入口18に対しては、開口部18aを介して受皿19が前から後に向けて挿入されたり、後から前に向けて抜き取られたりする。硬貨入出金部12は、このように受皿挿入口18に挿入され配置された状態の受皿19に硬貨を放出することになる。
紙幣入出金部11の硬貨入出金部12よりも前面側に突出する部分の上面には、その最も前面側の左右方向の中央に、紙幣入出金部11の内部から紙幣が送り出される紙幣出金口20が設けられるとともに、この紙幣出金口20の後に、入金する紙幣が操作者によりセットされる紙幣入金口21が設けられている。なお、紙幣出金口20には、これを開閉するシャッタ22が設けられている。ここで、紙幣入出金部11のこれら紙幣出金口20および紙幣入金口21と隣り合う側方位置には、硬貨入出金部12の一部である硬貨一括金庫23が設けられている。この硬貨一括金庫23は硬貨を収納するもので、機体10に対し着脱可能とされており、この硬貨一括金庫23の前面側には、これを機体10に対しロックおよびロック解除する取出キー23aが設けられている。また、紙幣入出金部11の下部前面には電源スイッチ27が設けられている。
紙幣入出金部11は、紙幣入金口21にその長手方向を左右方向とした状態でセットされる紙幣を入金させて収納する入金処理を行うとともに、収納した紙幣を必要に応じて紙幣出金口20ヘ出金させる出金処理等の紙幣における各処理を行う。
以下に、本発明の要部である硬貨入出金部12について説明する。
図2に示すように、硬貨入出金部12は、入金硬貨が投入される硬貨投入部30と、硬貨投入部30に投入された硬貨を一枚ずつに分離して繰り出し搬送する繰出搬送部31と、この繰出搬送部31上に設けられて機内に受け入れる硬貨の真偽および金種を識別する硬貨識別部(識別手段)32とがその上部に設けられている。
硬貨投入部30は、硬貨入出金部12の前部の左右方向におけるほぼ中央部に、図1に示す硬貨入金口17のほぼ直下に位置して、投入された入金硬貨を受け取るとともに、水平回転する回転円盤34を有しており、さらに回転円盤34の下側に設けられてこれを回転させる図示せぬ駆動機構部等を有している。
繰出搬送部31は、硬貨入出金部12の前部かつ回転円盤34よりも左側に、回転円盤34から接線方向かつ左右方向に沿って水平延在する硬貨識別通路35を有しており、この硬貨識別通路35は、鉛直に立設された壁部35a,35a間に形成されている。
また、繰出搬送部31は、回転円盤34の硬貨識別通路35側に、回転円盤34の遠心力で硬貨識別通路35側に送り出される硬貨を一枚ずつに分離する隙間規制部材37を有しており、さらに、硬貨識別通路35の上側に、隙間規制部材37により一枚ずつに分離して繰り出された硬貨を、上側から押圧しつつ硬貨識別通路35に沿って回転円盤34に対し反対方向に搬送する搬送ベルト38を有している。
硬貨識別部32は、硬貨識別通路35の搬送方向における中間位置に設けられており、上記したようにこれを通過する硬貨の真偽及び金種などを判別する。硬貨識別部32は、周知のように、例えば、光学センサを用いた硬貨径判別手段、磁気センサを用いた硬貨材質判別手段、硬貨厚み判別手段、硬貨表面パターン判別手段、硬貨表面汚損状態判別手段、硬貨周縁ギザ判別手段およびこれらの適宜の組み合わせによって構成される。
硬貨識別通路35の回転円盤34に対し反対側の端部には、硬貨識別部32の識別結果に応じて硬貨を選別するリジェクト・一時貯留振分ゲート40が設けられている。このリジェクト・一時貯留振分ゲート40は、硬貨識別通路35から硬貨を落下させるとともに、硬貨の落下方向を前方および後方の一方に選択的に切り換える。
リジェクト・一時貯留振分ゲート40で前方に振り分けられた硬貨は、図3に示すリジェクト貯留部201内に落下する。リジェクト貯留部201は、その底板202が図示略のソレノイドで駆動されてスライドすることにより下部開口部203が開閉されることになる。リジェクト貯留部201は、下部が開放されると、受皿挿入口18に挿入された受皿19に硬貨を放出することになり、操作者は受皿19を受皿挿入口18から引き抜いて硬貨を取り出すことになる。リジェクト・一時貯留振分ゲート40およびリジェクト貯留部201が、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に硬貨を放出するリジェクト機構(放出手段,排除手段)204を構成している。一方、リジェクト・一時貯留振分ゲート40で後方に振り分けられた硬貨は、図1に示すように一時貯留部42に送り込まれる。リジェクト機構204のリジェクト・一時貯留振分ゲート40は、硬貨識別部32で判別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨、つまり正常と識別されなかったリジェクト硬貨をリジェクト貯留部201に案内して、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に排除する一方、硬貨識別部32で真硬貨、つまり正常と識別された硬貨を一時貯留部42に案内する。
一時貯留部42は、硬貨識別部32で識別された硬貨のうち真硬貨を金種混合状態のまま一括して一時貯留させるもので、硬貨入出金部12のほぼ全高さ範囲に設けられており、しかも、硬貨入出金部12の前後方向に延在する形状をなしている。一時貯留部42は、前後方向および上下方向に沿い、しかも互いに左右方向に所定の間隔をあけて配置された一対の壁部43,43と、これら壁部43,43間に配置された部分が一時貯留部42の底部を形成する図4に示すコンベアタイプの搬送ベルト44と、壁部43,43間に配置された部分が一時貯留部42の前部を形成する入金ガイド壁部45とを有している。
入金ガイド壁部45は、後側ほど下側に位置するように傾斜しており、リジェクト・一時貯留振分ゲート40で後側に振り分けられた硬貨を一時貯留部42の搬送ベルト44上に案内する。
搬送ベルト44は、後側ほど上側に位置するように傾斜しており、入金ガイド壁部45を介して投入された硬貨を回転することで後方かつ上方に搬送する。
また、一時貯留部42は、搬送ベルト44の後部側の上側位置に、隙間規制ローラ47を有している。この隙間規制ローラ47は、搬送ベルト44で後方に搬送される集積状態の硬貨の集積を、下部が前方に移動するように回転することにより崩し一枚ずつに分離して後方に繰り出す。ここで、この隙間規制ローラ47と搬送ベルト44とは、搬送ベルト44の傾斜により形成される後部下側のスペースに配置された共用のモータ48で複数のギア49を介して駆動される。
さらに、一時貯留部42は、搬送ベルト44の隙間規制ローラ47よりも後側に、ゲートストッパ51を有している。このゲートストッパ51はオンされると、そのストッパ部材52が搬送ベルト44に近接して搬送ベルト44上の硬貨のストッパ部材52を越えての後方への移動を規制する閉状態となる。また、このゲートストッパ51はオフされると、先端のストッパ部材52が搬送ベルト44から離間して、搬送ベルト44上の硬貨のストッパ部材52より後方への移動を許容する開状態となる。
ここで、ゲートストッパ51がオンされた状態では、回転する搬送ベルト44により硬貨が隙間規制ローラ47側に徐々に集積されてしまい、その後、ゲートストッパ51がオフされると集積された硬貨が一度に移動することで隙間規制ローラ47にジャム等を生じることがある。このため、一時貯留部42は、搬送ベルト44を下方から叩くベルト叩き機構54を有している。
このベルト叩き機構54は、搬送ベルト44の隙間規制ローラ47よりも前側に配置されており、搬送ベルト44の上辺側を下から叩くベルト叩きプッシャ55と、このベルト叩きプッシャ55を上下に往復動させるベルト叩きソレノイド56とを有している。ベルト叩きプッシャ55は、搬送ベルト44を叩く側が、該搬送ベルト44に平行な平板部57とされており、ベルト叩きソレノイド56は、この平板部57に直交する方向にこの平板部57を短いストロークで往復動させる。
上記の一時貯留部42の後方には、図2に示すように、硬貨入出金部12の上部となる位置に、一時貯留部42の搬送ベルト44からゲートストッパ51を越えて後方に送り出された硬貨をさらに後方に搬送した後、右方向に向きを変えて搬送する搬送部59が設けられている。この搬送部59は、硬貨入出金部12の後側かつ左側において後方に延在した後、さらに右方に延在する硬貨通路60を有しており、この硬貨通路60は、鉛直に立設された壁部60a,60a間に形成されている。
また、搬送部59は、硬貨通路60の上側に、一時貯留部42から一枚ずつに分離されて繰り出された硬貨を、上方から押圧しつつ硬貨通路60に沿って搬送する屈曲形状の搬送ベルト61を有している。
搬送部59の硬貨通路60の前後に沿う部分には、一時貯留部42に近接して、通過する硬貨の金種を判別する硬貨判別部63が設けられている。この硬貨判別部63は、基本的にはすでに硬貨識別部32で真偽が識別されて真のみとされた硬貨の金種を判別するものであるので、例えば、光学センサを用いた硬貨径判別手段等が用いられる。
搬送部59の硬貨通路60の前後に沿う部分には、硬貨判別部63の後方に、硬貨判別部63の判別結果等に応じて硬貨を選別する収納振分ゲート65が設けられている。この収納振分ゲート65は、硬貨をこの収納振分ゲート65を越えてそのまま硬貨通路60で搬送させる状態、および硬貨通路60から硬貨を落下させる状態の一方に選択的に切り換えられるもので、硬貨通路60から落下させた硬貨は、右方に案内する。このように右方に案内された硬貨は、後述する返却搬送路67に送り込まれる。すなわち、収納振分ゲート65は一時貯留部42から繰り出された硬貨を返却搬送路67に案内可能なものである。ここで、収納振分ゲート65は、入金時に一時貯留部42に一時貯留された硬貨を、操作者の操作により返却させる場合等は硬貨通路60から落下させ、操作者の操作により機内に確定収納する場合は落下させることなく硬貨通路60上で後方の後述する金種振分部68に案内する。
金種振分部68は、硬貨入出金部12の上部かつ後部となる位置に左右方向に延在して設けられており、一時貯留部42から繰り出された硬貨を金種別に振り分けるものである。
金種振分部68は、搬送部59の硬貨通路60に連続する硬貨分類通路70と、この硬貨分類通路70に沿って硬貨を上方から押圧しつつ搬送する搬送ベルト71とを有しており、硬貨分類通路70は、鉛直に設けられた壁部70a,70a間に設けられている。硬貨分類通路70には、搬送される硬貨を金種別に分類して落下させる分類孔72A〜72Fが、硬貨径の小さい順に配置されており、各分類孔72A〜72Fのそれぞれの直前には通過する硬貨を検出する硬貨検出センサ73が対応配置されている。そして、硬貨検出センサ73のうち隣り合う前後のものをそれぞれ通過した硬貨数の差が、分類孔72A〜72Fのうち、その間に位置するものに分類された枚数として計数されるように構成されている。
各分類孔72A〜72Fの下側には、これらすなわち金種振分部68で振り分けられた硬貨をそれぞれ収納可能であるとともに収納している硬貨つまり機内に確定収納された硬貨を後述する放出口75に繰出可能な金種別の収納繰出部76A〜76Fが設けられている。具体的には、最も一時貯留部42に近接する側の分類孔72Aの下側にはこの分類孔72Aから落下させられる1円硬貨を収納する収納繰出部76Aが、その隣りの分類孔72Bの下側にはこの分類孔72Bから落下させられる50円硬貨を収納する収納繰出部76Bが、その隣りの分類孔72Cの下側にはこの分類孔72Cから落下させられる5円硬貨を収納する収納繰出部76Cが、その隣りの分類孔72Dの下側にはこの分類孔72Dから落下させられる100円硬貨を収納する収納繰出部76Dが、その隣りの分類孔72Eの下側にはこの分類孔72Eから落下させられる10円硬貨を収納する収納繰出部76Eが、その隣りの分類孔72Fの下側にはこの分類孔72Fから落下させられる500円硬貨を収納する収納繰出部76Fが、それぞれ設けられている。
これら金種別の収納繰出部76A〜76Fと一時貯留部42との隙間部分には、収納繰出部76A〜76Fとほぼ同じ構成であって、一時貯留部42から繰り出され、金種振分部68よりも搬送方向手前の収納振分ゲート65で右方に振り分けれた硬貨を後述する放出口75に返却可能な上記した返却搬送路67が設けられている。ここで、これら収納振分ゲート65と返却搬送路67とで、一時貯留部42から繰り出された硬貨を放出口75に返却する硬貨返却部77が構成されている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、硬貨入出金部12の上下方向のほぼ全高さ範囲に設けられており、しかも、硬貨入出金部12の前後方向に延在する形状をなしている。その結果、金種別の収納繰出部76A〜76Fは、それぞれが互いに並列に配置されており、一時貯留部42とも平行をなしている。また、返却搬送路67は、金種別の収納繰出部76A〜76Fの側方(具体的には左方)に、これら収納繰出部76A〜76Fと並列に配置されている。さらに、返却搬送路67の金種別の収納繰出部76A〜76Fに対し反対側に、これら金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67と並列に一時貯留部42が配置されている。ここで、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、全て前後方向および高さ方向の位置を一致させた状態で並列に配置されている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、前後方向および上下方向に沿い、しかも互いに左右方向に所定の間隔をあけて配置された一対の壁部80,80と、これら壁部80,80間に配置された部分が底部を形成する図5および図6に示すコンベアタイプの搬送ベルト81と、壁部80,80間に配置された部分が後部を形成する後壁部82とを有している。ここで、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の搬送ベルト81は、同一の駆動源で同時に駆動されるようになっている。
後壁部82は、後側ほど上側に位置するように傾斜しており、金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいては、分類孔72A〜72Fのうち対応するもので落下させられた硬貨を搬送ベルト81上に案内する。
なお、返却搬送路67においては、収納振分ゲート65側の壁部80に収納振分ゲート65で落下させられた硬貨が放出される振分口83が設けられており、この振分口83から硬貨が搬送ベルト81上に放出させられる。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のそれぞれにおいて搬送ベルト81は、前側ほど上側に位置するように傾斜しており、金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいては分類孔72A〜72Fから、返却搬送路67においては振分口83から放出された硬貨を回転することで硬貨入出金部12の前方かつ上方に搬送する。
また、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、搬送ベルト81の前部側の上側位置に、隙間規制ローラ85を有している。この隙間規制ローラ85は、搬送ベルト81で前方に搬送される集積状態の硬貨の集積を、下部が後方に移動するように回転することにより崩し一枚ずつに分離して前方に繰り出す。
さらに、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれ、搬送ベルト81の隙間規制ローラ85よりも前方に、搬送ベルト81に沿って延在する通路部87と、この通路部87の上側に設けられて硬貨を上側から押圧しつつ前方に搬送する搬送ベルト88とを有している。これら搬送ベルト88は全て同一のモータで同時に駆動されるようになっている。図7に示すように、通路部87は鉛直立設する壁部87a,87a間に設けられるもので、図5および図6に示すように、通路部87の前端部および搬送ベルト88の前端部によって硬貨を繰り出す繰出口89が形成されている。なお、金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいて壁部87a,87a間の間隔は、収納対象硬貨よりも大径の異金種硬貨のみが通過できないように設定されている。すなわち、収納繰出部76Aの壁部87a,87aは1円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Bの壁部87a,87aは50円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Cの壁部87a,87aは5円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Dの壁部87a,87aは100円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Eの壁部87a,87aは10円硬貨より大径の硬貨の通過を規制し、収納繰出部76Fの壁部87a,87aは500円硬貨より大径の偽硬貨の通過を規制する。ここで、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は搬送ベルト88が共用のモータで同時に駆動されるようになっている。
加えて、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、通路部87にゲートストッパ91を有している。このゲートストッパ91は、図8に示すように、オンされると先端のストッパ部材92が通路部87から突出して、通路部87上の硬貨のストッパ部材92を越えての前方への移動を規制する閉状態となる。また、このゲートストッパ91はオフされると先端のストッパ部材92が通路部87から引っ込んで、通路部87上の硬貨のストッパ部材92よりも前方への移動を許容する開状態となる。
加えて、金種別の収納繰出部76A〜76Fのうち、最小径硬貨を除く硬貨を収納させる収納繰出部76B〜76Fには、図7に示すように、異金種硬貨が誤って混入してしまった場合のために、通路部87に収納対象硬貨よりも小径の硬貨のみを落下させる出金選別孔94B〜94Fがゲートストッパ91と繰出口89との間に形成されている。すなわち、収納繰出部76Bには出金選別孔94Bが、収納繰出部76Cには出金選別孔94Cが、収納繰出部76Dには出金選別孔94Dが、収納繰出部76Eには出金選別孔94Eが、収納繰出部76Fには出金選別孔94Fが、それぞれ設けられている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fにおいては、図8に示すように各出金選別孔94B〜94Fとそれぞれに対応するゲートストッパ91との間に、硬貨を検出する発光素子95aおよび受光素子95bからなる硬貨検出センサ95が設けられている。また、各出金選別孔94B〜94Fの下側には、この出金選別孔94B〜94Fから落下する硬貨を案内するシュートガイド96が設けられている。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67は、それぞれの繰出口89の前後方向位置および高さ方向位置を揃えており、各繰出口89よりゲートストッパ91側には、それぞれ対応する繰出口89から繰り出される硬貨を検出する発光素子98aおよび受光素子98bからなる硬貨検出センサ98が設けられている。ここで、上記出金選別孔94B〜94Fは、図7に示すように、それぞれ対応する硬貨検出センサ95と硬貨検出センサ98との間に設けられており、対応する硬貨検出センサ95,98の検出に基づいて出金選別孔94B〜94Fの対応するものからの硬貨の落下を検出する。すなわち、硬貨検出センサ95で検出された硬貨が硬貨検出センサ98で検出されなければこの硬貨が出金選別孔94B〜94Fの対応するものから落下したと判断し、硬貨検出センサ95で検出された硬貨が硬貨検出センサ98で検出されるとこの硬貨が出金選別孔94B〜94Fの対応するものから落下していないと判断する。
金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の全ての繰出口89の下側には、図1および図8に示すように、これらから繰り出された硬貨を一時貯留部42および硬貨一括金庫23に案内可能なコンベア式の正逆回転可能な搬送ベルト100を有する硬貨搬送路101が設けられている。この硬貨搬送路101は、左右方向に沿っており、その結果、金種別の収納繰出部76A〜76F、返却搬送路67および一時貯留部42に対し直交する方向に平行をなしている。この硬貨搬送路101で一時貯留部42側に搬送された硬貨は、図4に示す一時貯留部42の壁部43の前後方向における中間位置に形成された硬貨搬送路出口102から一時貯留部42に放出されることになる。なお、図8に示すように、出金選別孔94B〜94Fの下側に設けられたシュートガイド96で案内される硬貨はこの硬貨搬送路101上に落下させられる。
また、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の全ての繰出口89の若干下側の前方位置には、上記した受皿挿入口18に開口しこの受皿挿入口18に挿入された受皿19に硬貨を案内するためのシュートガイド103が設けられており、このシュートガイド103の下端部が硬貨を、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に放出する上記した放出口75となっている。
そして、金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67の全ての繰出口89とシュートガイド103との間には、図示略のソレノイドで駆動されて金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67から繰り出された硬貨を放出口75および硬貨搬送路101のいずれか一方に選択的に案内する出金側ゲート104が設けられている。すなわち、図8において実線で示す出金側ゲート104の状態が硬貨を硬貨搬送路101に案内せず放出口75に案内する状態であり、図8において二点鎖線で示す出金側ゲート104の状態が硬貨を放出口75に案内せず硬貨搬送路101に案内する状態である。
以上において、金種別の収納繰出部76A〜76Fと出金側ゲート104とシュートガイド103とが、機内に確定収納された硬貨を放出口75を介して、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に出金する出金機構(放出手段,出金手段)205を構成している。また、収納振分ゲート65と返却搬送路67とからなる硬貨返却部77と出金側ゲート104とシュートガイド103とが、硬貨識別部32で正常と識別されて機内の一時貯留部42に一時貯留された確定収納前の硬貨を放出口75を介して、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に返却する返却機構(放出手段,返却手段)206を構成している。
図2に示すように、硬貨搬送路101の一時貯留部42に対し反対側には、硬貨搬送路101で搬送された硬貨を収納する上記した硬貨一括金庫23が設けられている。すなわち、硬貨搬送路101の一時貯留部42に対し反対側の端部の前側には、硬貨搬送路101からの硬貨を受け入れて硬貨一括金庫23に案内する金庫案内部106が設けられており、この金庫案内部106の下側に、硬貨搬送路101よりも前方に位置して硬貨一括金庫23が設けられている。
ここで、硬貨搬送路101が一時貯留部42の前後方向における中間位置に接続されることで、一時貯留部42は、硬貨搬送路101の一端側で硬貨搬送路101よりも前方に突出することになり、一方で、硬貨搬送路101よりも前方に硬貨一括金庫23が設けられていて、これらの間に、上記した硬貨投入部30は設けられている。すなわち、図示は略すが、これらの間に、硬貨投入部30の回転円盤34を駆動するための駆動機構部等が配置されているのである。
図1に示すように受皿19が開口部18aを介して挿入および抜き取り可能となる受皿挿入口18は、図3に示すように、受皿19を載置させる載置面210と、載置面210の左右に立設されて受皿19の左右両側を案内する一対の側壁面211と、受皿挿入口18の奥側に立設された奥壁面212と、上記したリジェクト貯留部201の下部開口部203およびシュートガイド103の放出口75が配置された天井部213とを有している。ここで、受皿挿入口18および受皿19は、受皿19が奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入されていれば、左右方向のいずれの位置にあっても、シュートガイド103の放出口75およびリジェクト貯留部201の下部開口部203からの硬貨を適正に受け取ることができるように寸法関係が設定されている。
図8に示すように、受皿挿入口18には、その機体奥側となる奥壁面212の位置に、この奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入された受皿19を抜き取り不可にロックするソレノイド駆動式の受皿ロック機構216と、奥壁面212の位置における受皿19の有無を検出することで、受皿19が受皿ロック機構216によってロック可能な位置にあるか否かを検出する受皿配置検出センサ(受皿配置検出手段)217とが設けられている。
受皿ロック機構216は受皿挿入口18の天井部213に設けられており、そのロック部材218が下方に向け突出すると、受皿19の後壁部の前面に対向して、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを規制することになる。また、ロック部材218が上方に引っ込むと、受皿19より上方に位置して受皿19の抜き取りを可能とする。受皿ロック機構216は、受皿19が奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入されていれば、左右方向のいずれの位置にあっても、これをロック可能となっている。
受皿19が受皿ロック機構216によってロックされると、受皿19は、図3に示すリジェクト貯留部201の下部開口部203から放出される硬貨およびシュートガイド103の放出口75から放出される硬貨を共に受け入れ可能となる。よって、図8に示す受皿配置検出センサ217は、受皿19が、図3に示すリジェクト貯留部201の下部開口部203から放出される硬貨およびシュートガイド103の放出口75から放出される硬貨を共に受け入れ可能な位置にあるか否かを検出する。
この受皿配置検出センサ217は、図9に示すように受皿挿入口18の左右方向の中央位置に設けられており、受皿19が奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入されれば、左右方向のいずれの位置にあっても、これを検出可能となっている。受皿配置検出センサ217は、図8に示すように、揺動可能な検知片219に受皿19が当接するとオンされ、検知片219から受皿19が離間するとオフされるスイッチとなっている。なお、受皿配置検出センサ217としては、奥壁面212に設けられて受皿19との距離を検出する反射型の光学センサや、一対の側壁面211の奥壁面212側の位置に設けられて、受皿19で光軸が遮断される透過型の光学センサを用いることも可能である。
受皿挿入口18には、図9に示すように、その開口部18a側となる一対の側壁面211の機体前面側の位置に、この位置における受皿19の有無を検出することで、受皿挿入口18から受皿19が抜き取られたか否かを検出する受皿抜取検出センサ(受皿抜取検出手段)221が設けられている。この受皿抜取検出センサ221と、上記した受皿配置検出センサ217とは、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出したとき、この受皿19を受皿抜取検出センサ221が検出する位置に設けられている。つまり、受皿抜取検出センサ221および受皿配置検出センサ217は、一つの受皿19があることを同時に検出する位置に設けられている。
受皿抜取検出センサ221は、透過型の光学センサであり、受皿挿入口18の開口部18aの位置に機体前後方向に交差(具体的には直交)して光軸Aを配しており、図3に示すように、受皿挿入口18の所定の高さ位置にて水平方向に光軸Aを配している。つまり、受皿抜取検出センサ221は、一方の側壁面211側に配置された発光素子222と、他方の側壁面211側に配置された受光素子223とからなり、受皿挿入口18に受皿19が挿入されていると、発光素子222からの投光が、受皿19で遮光されて受光素子223で受光しないことになり、受皿挿入口18から受皿19が抜き取られていると、発光素子222からの投光を受光素子223で受光することになって、これらの違いで受皿挿入口18から受皿19が抜き取られたか否かを検出する。受皿抜取検出センサ221も、受皿19が奥壁面212に当接するまで受皿挿入口18に挿入されていれば、左右方向のいずれの位置にあっても、これを検出可能となっている。
受皿抜取検出センサ221は、その検出状態が受皿19がある状態からない状態に切り替わると、受皿19の硬貨が受皿19内のいずれの位置にあっても天井部213よりも機体前方に露出するように、天井部213および受皿19との位置関係が設定されている。なお、受皿抜取検出センサ221として、天井部213と載置面210とに、発光素子と受光素子とを配置し、鉛直方向に光軸を配する透過型の光学センサを用いても良い。
図1に示す制御部(判定手段,確認手段)230により制御される上記した硬貨入出金部12の各処理について説明する。
「入金処理(確定前)」
操作者により入金させる硬貨が硬貨入金口17に投入され、図示略の上位機または操作部14に「入金処理」の実行入力がなされると、制御部230は、硬貨投入部30の回転円盤34、搬送ベルト38を駆動する。すると、回転円盤34から隙間規制部材37で一枚ずつに分離された硬貨を搬送ベルト38で搬送させることになり、制御部230は、その途中の硬貨識別部32の識別結果に基づいてリジェクト機構204のリジェクト・一時貯留振分ゲート40で硬貨を振り分ける(図10に太線で示す入金処理ルート参照)。
すなわち、硬貨識別部32で識別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨、つまり正常と識別されなかったリジェクト硬貨を、放出処理の排除処理として、リジェクト機構204の、底板202により下部開口部203が閉塞された状態にあるリジェクト貯留部201へ落下させる。他方、硬貨識別部32で真硬貨と識別された硬貨、つまり正常と識別された硬貨を、一時貯留部42に落下させる。このとき、一時貯留部42においてはゲートストッパ51を閉状態とするとともに搬送ベルト44を駆動状態とし、さらに、ベルト叩き機構54のベルト叩きプッシャ55を往復動させる。これにより、一時貯留部42より下流側への硬貨の移動をゲートストッパ51で規制しつつ搬送ベルト44の駆動で入金ガイド壁部45側に硬貨が集中してしまうことを防止し、さらに、ベルト叩き機構54で硬貨が隙間規制ローラ47側に集中してしまうことを防止する。すなわち、硬貨を一時貯留部42で平均的に貯留させるのである。
そして、回転円盤34から全ての硬貨が一旦繰り出され、リジェクト機構204のリジェクト貯留部201および一時貯留部42のいずれかに送り込まれると、制御部230は、リジェクト貯留部201に正常と識別されなかったリジェクト硬貨があるか否かを硬貨識別部32の識別結果から判断する。
リジェクト貯留部201に正常と識別されなかったリジェクト硬貨がない場合、制御部230は、入金処理が終了したと判定して、硬貨識別部32の識別結果を図示略の上位機に表示させると共に、操作者による上位機または操作部14への、次の処理の開始操作である入金確定操作を受け付ける状態となって待機する。
他方、リジェクト貯留部201に正常と識別されなかったリジェクト硬貨がある場合、制御部230は、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しているか否かを判定する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出していなければ、図示略の上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18への挿入を促すガイド表示を表示させると共に、音声発生部24で警報音を発生させて、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出するまで待機する。この表示を見て操作者は、受皿19を受皿挿入口18へその奥側位置まで挿入する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している、あるいは検出する状態になると、制御部230は、ガイド表示および警告音を停止させるとともに、受皿ロック機構216で受皿19を抜き取り不可にロックする。
このように受皿ロック機構216により受皿19をロックした状態で、制御部230は、リジェクト貯留部201の底板202を開作動させて、リジェクト貯留部201のリジェクト硬貨を、受皿挿入口18に配置された受皿19に放出する。そして、制御部230は、図示略の上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。
上記のようにリジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨、つまり排除のため放出すべき全ての硬貨を、リジェクト機構204で受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、所定の待機時間内に受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、入金処理、言い換えればリジェクト機構204で硬貨を放出する放出処理としての排除処理が終了したと判定して、硬貨識別部32の識別結果を図示略の上位機に表示させると共に、操作者による上位機または操作部14への、次の処理の開始操作である入金確定操作を受け付ける状態となって待機する。
また、リジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨を受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)、つまり、受皿19が受皿挿入口18から抜き取られずにリジェクト機構204から硬貨を受け入れ可能な位置にあることを受皿配置検出センサ217が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19にリジェクト硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、リジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨を受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態、つまり、受皿19がリジェクト機構204から硬貨を受け入れ可能な位置にないことを受皿配置検出センサ217が検出し且つ受皿19が受皿挿入口18から抜き取られていないことを受皿抜取検出センサ221が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分にリジェクト硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、リジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨を受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態から、所定の待機時間の経過前に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出する状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)になった場合も、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分にリジェクト硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
上記したエラー表示および警告音の発生後、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、エラー表示および警告音を停止させるとともに、入金処理、言い換えればリジェクト機構204で硬貨を放出する放出処理としての排除処理が終了したと判定して、硬貨識別部32の識別結果を図示略の上位機に表示させると共に、操作者による上位機または操作部14への、次の処理の開始操作である入金確定操作を受け付ける状態となって待機する。
なお、上記において、放出すべき硬貨を全て受皿19に放出した後、受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態で所定の待機時間が経過すると、この所定の待機時間の経過の間に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出し続けていれば、受皿19の硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させるようにし、この所定の待機時間の経過の間に、一度でも受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態が発生すると、受皿19の硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させるようにしても良い(後述の出金処理、整理計数処理および返却処理についても同様)。
上記した上位機の表示から操作者が、後述の「収納処理」の開始操作である入金確定操作を上位機または操作部14に入力すると、制御部230は、後述の「収納処理」を行うことになる。他方、操作者が、後述の「返却処理」の開始操作である入金キャンセル操作を上位機または操作部14に入力すると、制御部230は、後述の「返却処理」を行うことになる。
「出金処理」
操作者により図示略の上位機または操作部14に「出金処理」の実行入力がなされると、制御部230は、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しているか否かを判定する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出していなければ、制御部230は、上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18への挿入を促すガイド表示を表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させて受皿配置検出センサ217が受皿19を検出するまで待機する。この表示を見て操作者は、受皿19を受皿挿入口18へその奥側位置まで挿入する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している、あるいは検出する状態になると、制御部230は、ガイド表示および警告音を停止させるとともに、受皿ロック機構216で受皿19を抜き取り不可にロックする。
そして、制御部230は、上記のように受皿ロック機構216により受皿19をロックした状態で、出金機構205の一部構成としての出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨をシュートガイド103に案内する状態とし、搬送ベルト81および搬送ベルト88を駆動するとともに、各ゲートストッパ91をそれぞれ個別に開閉制御することで、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を硬貨検出センサ95,98で計数しつつ繰出口89から繰り出し、シュートガイド103の放出口75から受皿挿入口18に挿入されている受皿19に放出させる(図11に太線で示す出金処理ルート参照)。
出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を受皿19に放出する、つまり出金のため放出すべき全ての硬貨を出金機構205で受皿19に放出すると、制御部230は、図示略の上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。その後、所定の待機時間の間に、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、出金機構205で硬貨を放出する放出処理としての出金処理が終了したと判定して、次の処理の入力を受け付ける状態となって待機する。
他方、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を全て受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)、つまり、受皿19が受皿挿入口18から抜き取られずに出金機構205から硬貨を受け入れ可能な位置にあることを受皿配置検出センサ217が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19に出金硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を全て受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態、つまり、受皿19が出金機構205から硬貨を受け入れ可能な位置にないことを受皿配置検出センサ217が検出し且つ受皿19が受皿挿入口18から抜き取られていないことを受皿抜取検出センサ221が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分に出金硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、出金機構205の金種別の収納繰出部76A〜76Fがそれぞれ必要な枚数の硬貨を全て受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態から、所定の待機時間の経過前に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出する状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)になった場合も、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分に出金硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
上記したエラー表示および警告音の発生後、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、エラー表示および警告音を停止させるとともに、出金機構205で硬貨を放出する出金処理が終了したと判定して、次の処理を受け付ける状態となって待機する。
なお、この出金処理において、万が一、異金種硬貨が収納繰出部76A〜76Fのいずれかに混入していた場合、大径の異金種硬貨であると、壁部87a,87a間を通過できないことから、制御部230は、ゲートストッパ91を開放しているのに硬貨検出センサ95で硬貨の繰り出しが検出されないことよりこれを検出する。この場合は、出金処理を一旦停止させて操作者に対し異金種硬貨の排除作業を行う旨の表示を行う。
一方、小径の異金種硬貨の場合は、出金選別孔94B〜94Fのいずれかから落下させられることになり、硬貨検出センサ95,98の検出結果からこのことがわかると、制御部230は、この異金種硬貨の分多く硬貨を繰り出させることで必要な枚数の硬貨を出金させる。一方で、出金選別孔94B〜94Fのいずれかから落下した硬貨は、シュートガイド96で案内されて硬貨搬送路101上に落下することになるため、制御部230は、硬貨検出センサ95,98の検出結果から異金種硬貨を検出した場合、これを硬貨搬送路101で一時貯留部42側に搬送して後述の「収納処理」を行う。なお、この場合は、一時貯留部42において一時貯留させることなく、そのまま硬貨判別部63、金種振分部68へと連続的に搬送する。
「収納処理」
上記した「入金処理」の後、入金確定操作が入力された場合、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とし、搬送ベルト44、搬送ベルト61、搬送ベルト71、搬送ベルト81および搬送ベルト100を駆動するとともに(搬送ベルト100は硬貨一括金庫23の方向に駆動する)、ゲートストッパ51を開状態とし、さらに、収納繰出部76A〜76Fの全てのゲートストッパ91を閉状態とし、返却搬送路67のゲートストッパ91を開状態とする。そして、硬貨判別部63の判別結果に基づいて収納振分ゲート65の切り換えタイミングを適宜制御することで、一時貯留部42から繰り出される硬貨を振り分ける。すなわち、収納繰出部76A〜76Fに収納しない硬貨、例えば、収納繰出部76A〜76Fに収納しきれないオーバーフロー硬貨や新旧二種類が流通している場合における旧硬貨等は、返却搬送路67に落下させ、返却搬送路67から硬貨搬送路101を介して硬貨一括金庫23に収納する。一方、それ以外の硬貨は、金種振分部68に送り、分類孔72A〜72Fの対応するものから落下させる。これにより、一時貯留部42から繰り出された硬貨は金種別の収納繰出部76A〜76Fの対応する金種のものに収納される(図12に太線で示す収納処理ルート参照)。
なお、入金処理における硬貨識別部32の識別結果と、収納処理時における硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果と、出金処理時における硬貨検出センサ95,98の検出結果と等から、制御部230は、硬貨入出金部12の金種別の収納繰出部76A〜76Fおよび硬貨一括金庫23の硬貨収納量をほぼ把握している。
「整理計数処理」
複数金種混在した硬貨から指定した金種を計数しつつ分離する場合等の処理であり、操作者により硬貨が硬貨入金口17に投入され、図示略の上位機または操作部14に「整理計数処理」の実行入力がなされると、制御部230は、硬貨投入部30の回転円盤34、搬送ベルト38を駆動する。すると、回転円盤34から隙間規制部材37で一枚ずつに分離された硬貨を搬送ベルト38で搬送させることになり、その途中の硬貨識別部32の識別結果に基づいてリジェクト機構204のリジェクト・一時貯留振分ゲート40で振り分ける(図10に太線で示す入金処理ルート参照)。
すなわち、識別不能硬貨を含む偽硬貨と識別された硬貨および整理計数対象金種以外の硬貨、つまり正常と識別されなかったリジェクト硬貨を、放出処理の排除処理として、リジェクト機構204の、底板202により下部開口部203が閉塞された状態にあるリジェクト貯留部201へ落下させる。他方、真硬貨で整理計数対象金種と識別された硬貨、つまり正常と識別された硬貨を、一時貯留部42に落下させる。このときも、入金処理時と同様、一時貯留部42においてはゲートストッパ51をオンするとともに搬送ベルト44を駆動状態とし、さらに、ベルト叩き機構54のベルト叩きプッシャ55を往復動させる。
そして、回転円盤34から全ての硬貨が一旦繰り出され、リジェクト機構204のリジェクト貯留部201および一時貯留部42のいずれかに送り込まれると、制御部230は、リジェクト貯留部201に正常と識別されなかったリジェクト硬貨があるか否かを硬貨識別部32の識別結果から判断する。
リジェクト貯留部201に正常と識別されなかったリジェクト硬貨がない場合、制御部230は、整理計数処理が終了したと判定して、硬貨識別部32の識別結果を図示略の上位機に表示させると共に、操作者による上位機または操作部14への、次の処理の開始操作である整理計数完了確認操作を受け付ける状態となって待機する。
他方、リジェクト貯留部201に正常と識別されなかったリジェクト硬貨がある場合、制御部230は、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しているか否かを判定する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出していなければ、図示略の上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18への挿入を促すガイド表示を表示させると共に、音声発生部24で警報音を発生させて、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出するまで待機する。この表示を見て操作者は、受皿19を受皿挿入口18へその奥側位置まで挿入する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している、あるいは検出する状態になると、制御部230は、ガイド表示および警告音を停止させるとともに、受皿ロック機構216で受皿19を抜き取り不可にロックする。
このように受皿ロック機構216により受皿19をロックした状態で、制御部230は、リジェクト貯留部201の底板202を開作動させて、リジェクト貯留部201のリジェクト硬貨を、受皿挿入口18に配置された受皿19に放出する。そして、制御部230は、図示略の上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。
上記のようにリジェクト機構204のリジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨、つまり排除のため放出すべき全ての硬貨を、リジェクト機構204で受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、所定の待機時間内に受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、整理計数処理、言い換えればリジェクト機構204で硬貨を放出する放出処理としての排除処理が終了したと判定して、硬貨識別部32の識別結果を図示略の上位機に表示させると共に、操作者による上位機または操作部14への、次の処理の開始操作である整理計数完了確認操作を受け付ける状態となって待機する。この上位機の表示から操作者が、後述の「返却処理」の開始操作である整理計数完了確認操作を上位機または操作部14に入力すると、制御部230は、後述の「返却処理」を行うことになる。
また、リジェクト機構204のリジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨を受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)、つまり、受皿19が受皿挿入口18から抜き取られずにリジェクト機構204から硬貨を受け入れ可能な位置にあることを受皿配置検出センサ217が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19にリジェクト硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、リジェクト機構204のリジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨を受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態、つまり、受皿19がリジェクト機構204から硬貨を受け入れ可能な位置にないことを受皿配置検出センサ217が検出し且つ受皿19が受皿挿入口18から抜き取られていないことを受皿抜取検出センサ221が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分にリジェクト硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、リジェクト機構204のリジェクト貯留部201の全てのリジェクト硬貨を受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態から、所定の待機時間の経過前に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出する状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)になった場合も、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分にリジェクト硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
上記したエラー表示および警告音の発生後、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、エラー表示および警告音を停止させるとともに、整理計数処理、言い換えればリジェクト機構204で硬貨を放出する放出処理としての排除処理が終了したと判定して、硬貨識別部32の識別結果を図示略の上位機に表示させると共に、操作者による上位機または操作部14への、次の処理の開始操作である整理計数完了確認操作を受け付ける状態となって待機する。この上位機の表示から操作者が、後述の「返却処理」の開始操作である整理計数完了確認操作を上位機または操作部14に入力すると、制御部230は、後述の「返却処理」を行うことになる。
「返却処理」
上記「入金処理」の結果の図示略の上位機の表示に基づいて操作者が入金キャンセル操作を上位機または操作部14に入力した場合、および、上記「整理計数処理」が完了した旨の上位機の表示から操作者が整理計数完了確認操作を上位機または操作部14に入力した場合、制御部230は、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しているか否かを判定する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出していなければ、上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18への挿入を促すガイド表示を表示させると共に、音声発生部24で警告音を発生させて、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出するまで待機する。この表示を見て操作者は、受皿19を受皿挿入口18へその奥側位置まで挿入する。受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している、あるいは検出する状態になると、制御部230は、ガイド表示および警告音を停止させるとともに、受皿ロック機構216で受皿19を抜き取り不可にロックする。
そして、制御部230は、上記のように受皿ロック機構216により受皿19をロックした状態で、返却機構206の一部構成としての出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨をシュートガイド103に案内する状態とし、搬送ベルト44、搬送ベルト61、搬送ベルト81および搬送ベルト88を駆動する。それとともに、金種別の収納繰出部76A〜76Fのゲートストッパ91は、全て閉状態とし、返却搬送路67のゲートストッパ91のみ開状態とし、さらに、収納振分ゲート65を、全ての硬貨を返却搬送路67に落下させる状態とする。以上により、一時貯留部42から一枚ずつ繰り出された硬貨が、硬貨判別部63で判別されながら、収納振分ゲート65から落下し、返却搬送路67の繰出口89からシュートガイド103を介して、受皿挿入口18に挿入された受皿19に放出される(図13に太線で示す返却処理ルート参照)。
返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て受皿挿入口18に配置された受皿19に放出する、つまり返却のため放出すべき全ての硬貨を返却機構206で受皿19に放出すると、制御部230は、図示略の上位機および表示パネル16に、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを促す表示を表示させる。その後、所定の待機時間の間に、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、返却機構206で硬貨を放出する放出処理としての返却処理が終了したと判定して、次の処理の入力を受け付ける状態となって待機する。
他方、返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)、つまり、受皿19が受皿挿入口18から抜き取られずに返却機構206から硬貨を受け入れ可能な位置にあることを受皿配置検出センサ217が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19に返却硬貨の取り忘れがあると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態、つまり、受皿19が返却機構206から硬貨を受け入れ可能な位置にないことを受皿配置検出センサ217が検出し且つ受皿19が受皿挿入口18から抜き取られていないことを受皿抜取検出センサ221が検出している状態で、所定の待機時間が経過すると、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分に返却硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
また、返却機構206の一時貯留部42の硬貨を全て受皿挿入口18に配置された受皿19に放出した後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出しない状態となり且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出している状態から、所定の待機時間の経過前に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出している状態(受皿抜取検出センサ221も受皿19を検出している)になった場合も、制御部230は、受皿19が受皿挿入口18から完全には抜き取られておらず、受皿19の天井部213に隠れた部分に返却硬貨の取り忘れの可能性があると判断して、その旨のエラー表示を図示略の上位機および表示パネル16に表示させると共に音声発生部24で警告音を発生させることになる。
上記したエラー表示および警告音の発生後、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出した場合に、制御部230は、エラー表示および警告音を停止させるとともに、返却機構206で硬貨を放出する返却処理が終了したと判定して、次の処理を受け付ける状態となって待機する。
「入金口補充処理」
収納繰出部76A〜76Fのいずれかの硬貨収納量が少なくなってきた場合は、操作者が上記「入金処理」および「収納処理」を同時に実行することで硬貨を補充する(図10に太線で示す入金処理ルートおよび図12に太線で示す収納処理ルート参照)。
「金庫回収処理」
硬貨入出金部12の硬貨を全て回収する場合には、操作者により図示略の上位機または操作部14に「金庫回収処理」の実行入力がなされると、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とし、搬送ベルト81、搬送ベルト88および搬送ベルト100を駆動するとともに(搬送ベルト100は硬貨一括金庫23の方向に駆動)、金種別の収納繰出部76A〜76Fの全てのゲートストッパ91を開状態とすることで、金種別の収納繰出部76A〜76Fから硬貨を全て繰り出し出金側ゲート104で硬貨搬送路101に案内しつつ硬貨搬送路101で硬貨一括金庫23に収納させる(図14に太線で示す金庫回収処理ルート参照)。その後、硬貨一括金庫23を機外に取り外すことで硬貨が回収される。
「精査処理」
まず、例として、収納繰出部76Aについて収納している硬貨(1円硬貨)を全て一旦繰り出しこの収納繰出部76A以外の一時貯留場所に一時貯留させる一方、この収納繰出部76Aに確定した枚数の硬貨を戻すことにより収納枚数を確定させる精査処理を行う場合について説明する。
ここで、上述したように、入金処理における硬貨識別部32の識別結果と、収納処理時における硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果と、出金処理時における硬貨検出センサ95,98の検出結果とから、制御部230は、硬貨入出金部12の各部の硬貨収納量をほぼ把握しており、精査処理前に認識していた収納繰出部76Aの収納枚数に応じて、一時貯留場所を変更する。
すなわち、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数以下の場合は、収納繰出部76Aの全ての硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を一旦一時貯留部42のみに一時貯留させる一方、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、収納繰出部76Aの全ての硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を一時貯留部42および返却搬送路67に一時貯留させる。なお、上記所定枚数は、良好に繰り出し等を行うことができる枚数が設定されることになる。具体的には、上記一時貯留部42の硬貨の収納量は、500円硬貨は100枚、それ以外の硬貨は160枚とされており、一時貯留部42に硬貨を放出する硬貨搬送路101からの硬貨搬送路出口102が一時貯留部42の収納スペースのほぼ中央に位置しているため、最も大きさの大きい500円硬貨に対応して上記所定枚数を収納量の半分の50枚と設定する。
具体的には、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)以下の場合は、操作者により図示略の上位機または操作部14に収納繰出部76Aを精査処理する際の入力がなされると、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とするとともに、搬送ベルト81、搬送ベルト88および搬送ベルト100を駆動し(搬送ベルト100は一時貯留部42の方向に駆動)、一時貯留部42の搬送ベルト44を駆動するとともにゲートストッパ51を閉状態とし、さらに、収納繰出部76A〜76Fのうち収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態とする。これにより、収納繰出部76Aに収納されていた硬貨が全て一時貯留部42に一時貯留され、収納繰出部76Aは空となる。次に、制御部230は、ゲートストッパ51を開状態とし、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とする。これにより、一時貯留部42から硬貨が繰り出され、繰り出された硬貨を硬貨判別部63で判別しつつ、金種振分部68に送り、対応する分類孔72Aから落下させる。これにより、一時貯留部42から繰り出された硬貨は収納繰出部76Aに収納される(図15に太線で示す第1精査処理ルート参照)。以上のようにして、収納可能な硬貨が全て収納繰出部76Aに収納されると、硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果で収納繰出部76Aに収納された硬貨の枚数が確定する。なお、万が一異金種硬貨が混入していても、金種振分部68で分類孔72A〜72Fの対応するものから落下させられることになる。他方、硬貨判別部63の判別結果から、偽硬貨等の真硬貨でないものが混入していた場合には、直ちに装置を停止させ、エラー表示をする。この停止で、偽硬貨等の真硬貨でないものは、収納振分ゲート65より下流側かつ金種振分部68より上流で留まることになり、操作者による排除が円滑に行われる。
収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、この収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)を越えている場合は、操作者により図示略の上位機または操作部14に収納繰出部76Aを精査処理する際の入力がなされると、制御部230は、出金側ゲート104を繰出口89から繰り出される硬貨を硬貨搬送路101に案内する状態とするとともに、搬送ベルト81、搬送ベルト88および搬送ベルト100を駆動するとともに(搬送ベルト100は一時貯留部42の方向に駆動)、一時貯留部42のゲートストッパ51は開状態とし、さらに、収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のうち収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態として、収納振分ゲート65を返却搬送路67に硬貨を案内する状態とする。そして、硬貨検出センサ95,98で、繰出口89から、上記所定枚数を越える枚数の硬貨が繰り出されるまで収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態とし、繰り出された硬貨を全て硬貨搬送路101および一時貯留部42を介して一旦返却搬送路67に一時貯留させる。
繰出口89から上記所定枚数を越える枚数の硬貨が繰り出されたことが検出されると、制御部230は、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とし、繰り出された全ての硬貨が返却搬送路67に一時貯留されると、一時貯留部42のゲートストッパ51を閉状態とし収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のうち収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを再び開状態とする。これにより、残りの硬貨すなわち上記所定枚数と認識されていた硬貨を硬貨搬送路101を介して一旦一時貯留部42に一時貯留させる。これにより、収納繰出部76Aに収納されていた硬貨が全て一時貯留部42および返却搬送路67に一時貯留され、収納繰出部76Aは空となる。次に、制御部230は、一時貯留部42のゲートストッパ51を開状態とし、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とする。これにより、一時貯留部42から硬貨が繰り出され、繰り出された硬貨を、硬貨判別部63で判別しつつ、金種振分部68に送り、対応する分類孔72Aから落下させる。これにより、上記と同様、一時貯留部42から繰り出された硬貨は収納繰出部76Aに収納される(図16に太線で示す第2精査処理ルート参照)。この場合、偽硬貨等に対する対応は上記と同様である。ここで、上記一時貯留部42から金種振分部68への硬貨の繰り出しの開始に合わせて、返却搬送路67のゲートストッパ91を開状態とし、返却搬送路67に一時貯留させた硬貨を返却搬送路67から硬貨搬送路101を介して一時貯留部42に徐々に追加する。以上のようにして、収納可能な硬貨が全て収納繰出部76Aに収納されると、硬貨判別部63の判別結果および硬貨検出センサ73の検出結果で収納繰出部76Aに収納された硬貨の枚数が確定する。
なお、収納繰出部76Bすなわち50円硬貨に関して精査処理を行う場合も、上記と同様であり、具体的には、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Bに、分類孔72Aを分類孔72Bに、1円硬貨を50円硬貨に、それぞれ読み替えればよい。
同様に、収納繰出部76Cすなわち5円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Cに、分類孔72Aを分類孔72Cに、1円硬貨を5円硬貨に、それぞれ読み替えればよく、収納繰出部76Dすなわち100円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Dに、分類孔72Aを分類孔72Dに、1円硬貨を100円硬貨に、それぞれ読み替えればよい。また、収納繰出部76Eすなわち10円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Eに、分類孔72Aを分類孔72Eに、1円硬貨を10円硬貨に、それぞれ読み替えればよく、収納繰出部76Fすなわち500円硬貨に関して精査処理を行う場合は、上記収納繰出部76Aの精査処理に対し、収納繰出部76Aを収納繰出部76Fに、分類孔72Aを分類孔72Fに、1円硬貨を500円硬貨に、それぞれ読み替えればよい。
ここで、上記の精査処理は以下のように変更することも可能である。
例えば収納繰出部76Aを例にとり説明すると、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)以下の場合は、上記と同様とし、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、繰り出した硬貨を一時貯留部42および硬貨搬送路101に一時貯留させるようにしてもよい。
この場合、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、一時貯留部42のゲートストッパ51を閉状態としておくとともに、収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のゲートストッパ91の中では収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態とすることで、この所定枚数までの枚数の硬貨を収納繰出部76Aから繰り出し、この繰り出しが終わると、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とし、繰り出した硬貨を全て硬貨搬送路101を介して一旦一時貯留部42に一時貯留させる。そして、硬貨搬送路101を停止させた後、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態として、該所定枚数を越える枚数の硬貨を全て一旦硬貨搬送路101に一時貯留させる。このとき、硬貨搬送路101について一時貯留部42に硬貨が落下しない範囲で正転および逆転の少なくともいずれか一方を行って、硬貨を硬貨搬送路101上に無駄なスペースをつくることがないように集積させるようにする。例えば一時貯留部42への硬貨の落下防止の点から特に硬貨搬送路101の硬貨一括金庫23側を有効利用するように搬送ベルト100を硬貨一括金庫23側へ硬貨を搬送する方向に回転させる。以上の後、一時貯留部42から硬貨を金種振分部68を介して収納繰出部76Aに戻すのである。そして、この戻している最中に適宜のタイミングで硬貨搬送路101を駆動して一時貯留部42に硬貨を追加する。
さらに、上記を組み合わせてもよい。
すなわち、例えば収納繰出部76Aを例にとり説明すると、収納繰出部76Aに関して精査処理を行う際に、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数(50枚)より多い場合は、繰り出した硬貨を一時貯留部42と返却搬送路67と硬貨搬送路101とに一時貯留させるのである。
この場合、収納繰出部76Aについて精査処理前に認識していた収納枚数が予め設定された所定枚数より多い場合は、一時貯留部42のゲートストッパ51を開状態とするとともに、収納繰出部76A〜76Fおよび返却搬送路67のゲートストッパ91の中では収納繰出部76Aのゲートストッパ91のみを開状態とすることで、該所定枚数を越える枚数の硬貨の一部(例えば半分)を収納繰出部76Aから繰り出し、この繰り出しの後、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を一旦閉状態とするとともに、繰り出した硬貨を全て硬貨搬送路101および一時貯留部42を介して一旦返却搬送路67に一時貯留させる。次に、一時貯留部42のゲートストッパ51を閉じて、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態とし、上記の所定枚数までの枚数の硬貨を収納繰出部76Aから繰り出して、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を閉状態とし、繰り出した硬貨を全て硬貨搬送路101を介して一旦一時貯留部42に一時貯留させる。そして、硬貨搬送路101を停止させた後、収納繰出部76Aのゲートストッパ91を開状態として、該所定枚数を越える枚数の硬貨を全て一旦硬貨搬送路101に一時貯留させる。このとき、上記と同様、硬貨搬送路101について一時貯留部42に硬貨が落下しない範囲で正転および逆転の少なくともいずれか一方を行って、硬貨を硬貨搬送路101上に均等に集積させるようにする。その後、一時貯留部42から硬貨を繰り出し金種振分部68を介して収納繰出部76Aに戻すのである。そして、この戻している最中に適宜のタイミングで硬貨搬送路101を駆動して一時貯留部42に硬貨を追加するとともに、適宜のタイミングで返却搬送路67のゲートストッパ91を開状態として返却搬送路67から硬貨搬送路101を介して一時貯留部42に硬貨を追加する。
なお、制御部230は、上記した入金処理、出金処理、収納処理、整理計数処理、返却処理、入金口補充処理、金庫回収処理および精査処理等の取引処理中に異常が発生すると、表示パネル16に異常復旧のガイダンスを表示させるとともに、その後の異常復旧の処理状況を確認することになるが、この異常復旧の処理を終了と判断する条件に、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出することを含むようになっている。
以上に述べた本実施形態によれば、受皿挿入口18の機体奥側に設けられた受皿配置検出センサ217が、リジェクト機構204の末端位置を構成する下部開口部203と、出金機構205および返却機構206のそれぞれの末端位置を構成する放出口75とから放出される硬貨を受け入れ可能な位置に受皿19があるか否かを検出するため、リジェクト機構204、出金機構205および返却機構206のいずれか一つで硬貨を放出する放出処理において、硬貨を受け入れ可能な位置に受皿19があることを受皿配置検出センサ217が検出していることを条件に、硬貨を放出することができる。よって、適正に受皿19に硬貨を放出することができる。また、リジェクト機構204、出金機構205および返却機構206のいずれか一つで硬貨を放出する放出処理において、制御部230は、放出すべき全ての硬貨を放出した後に、受皿配置検出センサ217とは別に受皿挿入口18の開口部18a側に設けられた受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出すると、放出処理が終了したものと判定する。言い換えれば、受皿挿入口18の開口部18a側に設けられた受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出しなければ(つまり受皿19が受皿挿入口18の開口部18a側を越える位置まで抜き取られていなければ)、放出処理が終了したものと判定しない。つまり、受皿19の略全体、少なくとも硬貨が存在可能な範囲全体が操作者の目視の範囲に露出し、操作者が受皿19上の硬貨を一部取り忘れてしまう操作ミスを起こす可能性を減らせる状態となってから、放出処理が終了したものと判定する。したがって、受皿19上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
また、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出したとき、受皿抜取検出センサ221もこの受皿19を検出する位置に、これらが設けられているため、受皿19が適正に抜き取られれば、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出する状態から、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出せず且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出する状態となり、その後、受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出しない状態となる。これに対し、例えば、受皿19が受皿挿入口18から途中まで引き出された後に多少戻されると、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出する状態から、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出せず且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出する状態となり、その後、この状態が維持されることになる。よって、受皿19が適正に抜き取られた場合と、途中まで引き出された後に多少戻された場合とを区別できる。したがって、受皿19が受皿挿入口18から途中まで引き出された後に多少戻されたことを、受皿19が受皿挿入口18から抜き取られたと誤判断することを防止できる。
より具体的に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出したとき、受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出しない位置に、これらが設けられていると、受皿19が適正に抜き取られても、途中まで引き出された後に多少戻されても、同様に、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出し且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出しない状態から、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出せず且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出する状態となり、その後、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出せず且つ受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出しない状態となる可能性があるが、このような検出に基づく誤判断を防止することができる。また、受皿配置検出センサ217が受皿19を検出したとき、受皿抜取検出センサ221が受皿19を検出しない位置に、これらが設けられていると、受皿19の抜き取り途中で、電源の瞬断があった場合にも同様の誤判断を生じる可能性があるが、この誤判断を防止することができる。
また、受皿抜取検出センサ221が、機体前後方向に交差して光軸Aを配した光学センサであるため、安価かつ簡素な構成で受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出することができる。
また、光学センサである受皿抜取検出センサ221が、受皿挿入口18の開口部18aの所定の高さ位置にて水平方向に光軸Aを配しているため、受皿19が、丸形、円形、方形等のいずれの形状であっても、また開口部18aの幅寸法と受皿19の幅寸法との差の条件を問わずに、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出することができる。
また、出金機構205が、機内に確定収納された硬貨を、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に出金する出金処理において、受皿19上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
また、返却機構206が、硬貨識別部32で正常と識別されて機内に一時貯留された確定収納前の硬貨を、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に返却する返却処理において、受皿19上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。したがって、入金処理ができ、入金処理において一時貯留した硬貨を受皿19に返却するものであっても、受皿19上の返却硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
また、リジェクト機構204が、硬貨識別部32で正常と識別されなかったリジェクト硬貨を、受皿挿入口18に配置された状態の受皿19に排除する排除処理において、受皿19上の硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。したがって、入金処理あるいは整理計数処理ができ、入金処理あるいは整理計数処理において発生したリジェクト硬貨を受皿19に排除するものであっても、受皿19上のリジェクト硬貨の取り忘れミスの発生を抑制することができる。
また、制御部230が、異常復旧の処理を終了と判断する条件に、受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出することを含むため、異常復旧処理(例えば、リジェクト機構204や、出金機構205、返却機構206で詰まったジャム硬貨の除去等)の際に、異常発生時点で既に受皿19上に放出済みの硬貨や、ジャム解消時に受皿19に落下した硬貨についての取り忘れミスの発生を抑制することができる。
また、リジェクト機構204、出金機構205および返却機構206のいずれかで、放出すべき全ての硬貨を放出した後に、受皿配置検出センサ217が、放出される硬貨を受け入れ可能な位置に受皿19がないことを検出した後、所定の待機時間が経過しても受皿抜取検出センサ221が受皿19の受皿挿入口18からの抜き取りを検出しない場合、つまり、受皿19の受皿挿入口18からの抜き取り開始を検出した後、所定の待機時間が経過しても抜き取り完了を検出しなければ、処理未完了の状態であるため、制御部230が表示パネル16および音声発生部24に警告を行わせる。よって、操作者に、受皿19の硬貨の取り忘れミスの発生の可能性を警告音および警告表示で警告して、受皿19を受皿挿入口18から完全に抜き取るように操作を促すことができる。
また、リジェクト機構204、出金機構205および返却機構206のいずれかで、放出すべき全ての硬貨を放出するまで、受皿19を受皿挿入口18にロックする受皿ロック機構216が設けられているため、放出途中で受皿19が誤って受皿挿入口18から抜き取られて硬貨が受皿挿入口18にこぼれ落ちることを防止できる。
10 機体
16 表示パネル(警告手段)
18 受皿挿入口(挿入口)
18a 開口部
19 受皿
24 音声発生部(警告手段)
32 硬貨識別部(識別手段)
204 リジェクト機構(放出手段,排除手段)
205 出金機構(放出手段,出金手段)
206 返却機構(放出手段,返却手段)
217 受皿配置検出センサ(受皿配置検出手段)
221 受皿抜取検出センサ(受皿抜取検出手段)
230 制御部(判定手段,確認手段)
A 光軸

Claims (9)

  1. 機体前面側に開口部を有し機体奥側に向けて凹む挿入口と、
    該挿入口に対し前記開口部を介して挿入および抜き取り可能な受皿と、
    前記挿入口に配置された状態の前記受皿に硬貨を放出する放出手段と、
    前記挿入口の機体奥側に設けられて、前記放出手段から放出される硬貨を受け入れ可能な位置に前記受皿があるか否かを検出する受皿配置検出手段と、
    前記挿入口の前記開口部側に設けられて、前記挿入口から前記受皿が抜き取られたか否かを検出する受皿抜取検出手段と、
    前記放出手段で硬貨を放出する放出処理において、放出すべき全ての硬貨を前記放出手段から放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記放出処理が終了したものと判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする硬貨処理機。
  2. 前記受皿配置検出手段が前記受皿を検出したとき、前記受皿抜取検出手段も前記受皿を検出する位置に、これら受皿配置検出手段および受皿抜取検出手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。
  3. 前記受皿抜取検出手段は、機体前後方向に交差して光軸を配した光学センサであることを特徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
  4. 前記光学センサは、前記開口部の所定の高さ位置にて水平方向に光軸を配していることを特徴とする請求項3記載の硬貨処理機。
  5. 前記放出手段は、機内に確定収納された硬貨を前記挿入口に配置された状態の前記受皿に出金する出金手段であり、
    前記判定手段は、前記出金手段で硬貨を出金する出金処理において、出金すべき全ての硬貨を前記出金手段が放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記出金処理が終了したものと判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の硬貨処理機。
  6. 機内に受け入れる硬貨を識別する識別手段を備え、
    前記放出手段は、前記識別手段で正常と識別されて機内に一時貯留された確定収納前の硬貨を前記挿入口に配置された状態の前記受皿に返却する返却手段であり、
    前記判定手段は、前記返却手段で硬貨を返却する返却処理において、返却すべき全ての硬貨を前記返却手段が放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記返却処理が終了したものと判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の硬貨処理機。
  7. 機内に受け入れる硬貨を識別する識別手段を備え、
    前記放出手段は、前記識別手段で正常と識別されなかったリジェクト硬貨を前記挿入口に配置された状態の前記受皿に排除する排除手段であり、
    前記判定手段は、前記排除手段で硬貨を排除する排除処理において、排除すべき全ての硬貨を前記排除手段で放出した後に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出すると、前記排除処理が終了したものと判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の硬貨処理機。
  8. 取引処理中に異常が発生すると、その後の異常復旧の処理状況を確認する確認手段を備え、
    該確認手段は、前記異常復旧の処理を終了と判断する条件に、前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出することを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載の硬貨処理機。
  9. 前記放出処理において、放出すべき全ての硬貨を前記放出手段から放出した後に、前記受皿配置検出手段が、前記放出手段から放出される硬貨を受け入れ可能な位置に前記受皿がないことを検出した後、所定時間経過しても前記受皿抜取検出手段が前記受皿の前記挿入口からの抜き取りを検出しない場合に、警告を行う警告手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の硬貨処理機。
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