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JP6058016B2 - 両面粘着テープ - Google Patents

両面粘着テープ Download PDF

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JP6058016B2 JP2014537417A JP2014537417A JP6058016B2 JP 6058016 B2 JP6058016 B2 JP 6058016B2 JP 2014537417 A JP2014537417 A JP 2014537417A JP 2014537417 A JP2014537417 A JP 2014537417A JP 6058016 B2 JP6058016 B2 JP 6058016B2
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Description

本発明は、電子機器をはじめとする様々な部材の固定に使用可能な両面粘着テープに関する。
両面粘着テープは、例えば様々な電子機器の部材の固定に使用されている。具体的には、両面粘着テープは、携帯電話、カメラ、パソコンなどの小型電子機器を構成する画像表示部の保護パネルと筐体との固定や、外装部品、電池、各種部材モジュール等の剛体部品同士を固定する際に使用されることが多い。
前記小型電子機器等の部品の固定に好適に使用可能な両面粘着テープとしては、薄型で良好な追従性を有するものを好適に使用することができ、例えば、柔軟な発泡体を基材として使用した両面粘着テープが知られている(例えば、特許文献1または2参照。)。
一方、前記小型電子機器は、携帯して使用される機会が多く、それを落下させた際の衝撃により両面粘着テープが剥離し部品の欠落を引き起こす場合がある。そのため、前記両面粘着テープには、前記落下の衝撃に耐えうるレベルの耐衝撃性が求められている。
また、高機能化が進む携帯電子機器には、例えば画像表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池等の薄型の板状剛体などの高価な部品が多く使用されている。そのため、前記電子機器の不具合などが生じた際に、前記部品を電子機器から比較的容易に効率よく分離可能なレベルの解体性を有することが粘着テープに求められている。
特開2010−155969号公報 特開2010−260880号公報
本発明が解決しようとする課題は、好適な耐衝撃性を有すると共に、一定の力が加わった際に容易に解体することができる両面粘着テープを提供することである。
本発明は、発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであって、前記発泡体基材が、密度0.45g/cm以下、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層が、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの粘着剤層を設けて形成した粘着テープを、温度23℃及び相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に、2kgローラーを使用し一往復させることで圧着させ、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後に測定される剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が12N/20mm以上の粘着剤層であることを特徴とする両面粘着テープにより、上記課題を解決する。
本発明の両面粘着テープは、上記構成により、好適な耐衝撃性を有すると共に、一定の力が加わった際には発泡体基材が層間割れを生じて容易に解体することが可能である。このため、本発明の両面粘着テープが用いられた電子機器に落下等の衝撃が加わった際にも部品の脱離が生じにくく、また、一定の力で解体できることから、解体時に固定された部品の割れや歪みを抑制することができる。また、前記電子機器等の製造不良品やリサイクル品から特定の部品を解体する際にも効率よく解体することができる。前記したような本発明の両面粘着テープは、例えば小型電子機器の部品固定用途、特に小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池等の薄型の板状剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
耐衝撃試験用の試験に用いた試験片を上面から見た概念図である。 耐衝撃試験用の試験に用いた試験片を上面から見た概念図である。 耐衝撃試験の試験方法の概念図である。
本発明の両面粘着テープは、発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであって、前記発泡体基材が、密度0.45g/cm以下、層間強度10N/cm以上の発泡体基材であり、前記粘着剤層が、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの粘着剤層を設けて形成した粘着テープを、温度23℃及び相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に、2kgローラーを使用し一往復させることで圧着させ、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後に測定される剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が12N/20mm以上の粘着剤層であることを特徴とするものである。
[発泡体基材]
本発明に使用する発泡体基材としては、密度が0.45g/cm以下、好ましくは0.1g/cm〜0.45g/cm、より好ましくは0.15g/cm〜0.42g/cmであるものを使用することができる。前記範囲の密度を有する発泡体基材を使用することによって、一定の力が加わった際の好適な解体性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
また、本発明で使用する発泡体基材としては、その層間強度が10N/cm以上、好ましくは10N/cm〜50N/cm、より好ましくは10N/cm〜25N/cmであるものを使用することができる。前記範囲の層間強度を備えた発泡体基材を使用することによって、好適な解体性と、好適な耐衝撃性とを両立でき、かつ、解体後に部品などの被着体の表面に残存した糊などの残存物を容易に剥離することが可能となる。
上記層間強度は、以下の方法により測定することができる。
発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性の粘着剤層(下記高速剥離試験によって被着体及び発泡体基材から剥離しないレベルの粘着性を備えた粘着剤層)を1枚ずつ貼り合わせたのち、40℃で48時間熟成することによって、層間強度測定用の両面粘着テープを作成する。
次に、前記層間強度測定用の両面粘着テープの片側の粘着剤層表面を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちし、発泡体基材の幅方向1cm及びその流れ方向15cmの大きさに裁断したものを、温度23℃及び相対湿度50%RH下、厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに貼付し、その表面を、2kgローラーを1往復させることで、それらを圧着した後、60℃の環境下に24時間静置し、次いで23℃で1時間静置することによって試験片を得る。
次に、温度23℃及び相対湿度50%RH下、前記試験片を構成する厚さ50μmmのポリエステルフィルム側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、前記試験片を構成する厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張ることで、前記試験片を構成する発泡体基材が引き裂かれた際の最大強度を測定する。
前記発泡体基材としては、25%圧縮強度が500kPa以下であるものを使用することが好ましく、10kPa〜300kPaであるものを使用することがより好ましく、10kPa〜200kPaであるものを使用することがより好ましく、30kPa〜180kPaであるものを使用することがさらに好ましく、50kPa〜150kPaであるものを使用することが特に好ましい。前記範囲の25%圧縮強度を有する発泡体基材を使用することによって、好適な耐衝撃性と解体性とを両立でき、かつ、被着体に対する好適な追従性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
なお、前記25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定することができる。具体的には、25角に切断した前記両面粘着テープ試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせる。前記両面粘着テープ試料より大きな面積のステンレス板で前記両面粘着テープ試料の積層体をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で前記試料の積層体を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定する。
前記発泡体基材としては、その流れ方向と幅方向の引張強さを特に限定するものではないが、500N/cm〜1300N/cmである引張強さを有するものを使用することが好ましく、600N/cm〜1200N/cmである引張強さを有するものを使用することがより好ましい。
なお、前述の発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張強さは、JISK6767に準じて測定することができる。具体的には、標線長さ2cm及び幅1cmの大きさに裁断した前記両面粘着テープ試料を、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RHの環境下において、引張速度300mm/minの測定条件で測定した最大強度である。
また、前記発泡体基材としては、前記引張試験によって測定される前記発泡体基材の切断時の引張伸度を特に限定するものではないが、流れ方向の引張伸度が100%〜1200%であるものを使用することが好ましく、100%〜1000%であるものを使用することがより好ましく、200%〜600%であるものを使用することがさらに好ましい。
前記範囲の引張強さ及び引張伸度を有する発泡体基材を使用することによって、良好な加工性や貼付作業性を備え、かつ、より一層良好な解体性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
前記発泡体基材の流れ方向および幅方向の平均気泡径は、特に制限されないが、10μm〜500μmの範囲であることが好ましく、30μm〜400μmの範囲であることがより好ましく、50μm〜300μmの範囲であることがさらに好ましい。流れ方向および幅方向の平均気泡径が前記範囲の発泡体基材を使用することによって、被着体との密着性により一層優れ、かつ、耐衝撃性により一層優れた両面粘着テープを得ることができる。
前記発泡体基材の流れ方向と幅方向の平均気泡径の比(流れ方向における平均気泡径/幅方向における平均気泡径)は、特に限定されないが、0.2〜4の範囲であることが好ましく、0.3〜3の範囲であることがより好ましく、0.4〜1の範囲であることがさらに好ましい。前記範囲の比を備えた発泡体基材を使用することによって、流れ方向と幅方向の柔軟性や引張強さのばらつきの抑制された両面粘着テープを得ることができる。
前記発泡体基材の厚さ方向の平均気泡径は、3μm〜100μmであることが好ましく、5μm〜80μmであることがより好ましく、5μm〜50μmであることがさらに好ましい。また、前記厚さ方向の平均気泡径は、発泡体基材の厚さの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることが好ましい。前記範囲の厚さ方向の平均気泡径を有する発泡体基材を使用することによって、発泡体基材の密度及び引張強さを好適な範囲に調整することができ、その結果、より一層優れた解体性及び耐衝撃性と、被着体として剛体を用いた場合であっても、より一層優れた密着性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
前記発泡体基材としては、その厚さ方向の平均気泡径に対する、その流れ方向の平均気泡径の比(流れ方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径)、及び、その厚さ方向の平均気泡径に対する、その幅方向の平均気泡径の比(幅方向の平均気泡径/厚さ方向の平均気泡径)が、いずれも1以上であるものを使用することが好ましく、3以上であるものを使用することがより好ましく、4〜25であるものを使用することがさらに好ましい。
前記平均気泡径の比を備えた発泡体基材を使用することによって、厚さ方向の柔軟性に優れ、かつ、被着体として剛体を用いた場合であっても、より一層優れた密着性を備えた両面粘着テープを得ることが得ることができる。
なお、前記発泡体基材の幅方向の平均気泡径、流れ方向のの平均気泡径、及び、厚さ方向の平均気泡径は、下記の要領で測定することができる。
はじめに、発泡体基材を幅方法1cm及び流れ方向1cmの大きさに切断する。
次に、デジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)を倍率200倍に設定し、前記発泡体基材の幅方向または流れ方向の切断面を観察する。その際、前記発泡体基材の切断面の厚さ方向の全長を観察する。前記観察では、前記切断面の流れ方向または幅方向に2mmの範囲に存在する気泡の気泡径をすべて測定する。次に、前記2mmの範囲を変更し、任意の10か所の範囲に存在する気泡の気泡径をすべて測定する。
前記で測定した気泡径の平均値を算出することによって得られた値を、上記平均気泡径とした。
前記発泡体基材としては、独立気泡構造を有するものを使用することが、発泡体基材の切断面からの浸水または粉じんを効果的に防ぐことができるため好ましい。前記独立気泡構造を形成する気泡の形状としては、その流れ方向または幅方向もしくはその両方向の平均気泡径が、その厚さ方向の平均気泡径よりも大きい形状であることが、被着体に対する適度な追従性とクッション性とを備えた両面粘着テープを得るうえで好ましい。
前記発泡体基材としては、その厚さが250μm以下であるものを使用することが好ましく、50μm〜250μmであるものを使用することがより好ましく、80μm〜200μmであるものを使用することがさらに好ましく、100μm〜150μmであるものを使用することが、薄型であってもより一層優れた耐衝撃性と解体性とを備えた両面粘着テープを得るうえで特に好ましい。
発泡体基材の密度、層間強度、圧縮強度および引張強さなどは、使用する発泡体基材の素材や発泡構造により適宜調整することができる。
前記発泡体基材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなるポリオレフィンを用いて得られるポリオレフィン系発泡体、ポリウレタン系発泡体、アクリル系発泡体、その他のゴム系発泡体等を使用することができる。
前記発泡体基材としては、前記したなかでも、被着体の表面凹凸に好適に追従でき耐衝撃性に優れた独立気泡構造の発泡体基材を作製しやすいため、ポリオレフィン系発泡体を使用することが好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体基材としては、ポリエチレン系樹脂を用いて得られた発泡体基材を使用することが、比較的均一な厚さで、かつ、より一層好適な柔軟性を備えるため好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂に含まれる前記ポリエチレン系樹脂の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
また、前記ポリオレフィン系発泡体の製造に使用可能なポリエチレン系樹脂としては、例えば直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体等を、単独で使用または二種以上併用することができる。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、特には限定されず、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
前記ポリエチレン系樹脂としては、前記したなかでも重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られる分子量分布の狭いポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。また、前記方法で得られるポリエチレン系樹脂は、いずれの分子量を有するポリエチレン系樹脂であっても、その共重合成分の共重合割合をほぼ等しく調整することができ、その結果、ほぼ均一に架橋されたポリオレフィン系発泡体を得ることができる。前記ほぼ均一に架橋されたポリオレフィン系発泡体は、延伸させやすく、また、その厚さを全体的に均一なものとしやすい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたもの以外の、他の製造方法で得られたポリオレフィン系樹脂を使用してもよい。
前記ポリオレフィン系発泡体基材は、架橋構造を有していてもよい。ポリオレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤などで発泡させることによってポリオレフィン系発泡体を製造する場合は、前記架橋構造を形成すべく設計することが好ましい。架橋度は5質量%〜60質量%の範囲であることが好ましく、10質量%〜55質量%の範囲であることが、粘着剤層との良好な密着性と、耐衝撃性とをより一層向上するうえでより好ましい。
前記架橋度の測定は以下の方法で行うことができる。40mm×50mm角の発泡体基材5枚一組を試料とし、その合計質量(G1)を測定する。次に、試料をキシレン中に120℃で24時間浸漬した後、キシレン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定する。以下の式に従って求めるキシレン不溶分を架橋度とする。
架橋度(質量%)=(G2/G1)×100
前記ポリオレフィン系発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40重量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤等を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによってポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、前記ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、前記ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向もしくは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートを延伸する工程を含有する方法が挙げられる。なお、発泡シートを延伸する工程は必要に応じて行われればよく、複数回行われてもよい。
前記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡体の製造に用いられているものであれば特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N‘−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられ、中でもアゾジカルボンアミドが好ましい。なお、熱分解型発泡剤は単独でも二種類以上が併用されていてもよい。
前記熱分解型発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系発泡体の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部であることが好ましく、1質量部〜30質量部であることが、発泡倍率、引張強さ、圧縮回復率などを所望の範囲に調整しやすいためより好ましい。
ポリオレフィン系発泡体基材を架橋させる方法としては、例えば、ポリオレフィン系発泡体基材に電離性放射線を照射する方法、ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られたポリオレフィン系発泡体基材を加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系発泡体基材の架橋度が前記の好ましい範囲になるように適宜調整できるが、5kGy〜200kGyの範囲であることが好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な発泡状態を得やすいことから、ポリオレフィン系発泡体基材の両面に照射するのが好ましく、両面に照射する線量を同じにするのがより好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
前記有機過酸化物は、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜3質量部の範囲であることが、前記有機過酸化物の分解残渣の残留を抑制するうえでより好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらは併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系発泡体基材の表裏面の外観の差異が少なくなるため好ましい。
前記発泡体基材は、延伸されていてもよい。前記延伸は、ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後に行ってもよいし、ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる際に行ってもよい。
ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後、発泡体基材を延伸する場合、発泡体基材を冷却することなく発泡時の溶融状態を維持したまま続けて発泡体基材を延伸しても、発泡体基材を冷却した後、再度、発泡シートを加熱して溶融又は軟化状態とした上で発泡体基材を延伸してもよい。
前記発泡体基材の溶融状態とは、発泡体基材を、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点以上に加熱した状態をいう。また、発泡体基材の軟化とは、発泡体基材を構成しているポリオレフィン系樹脂の軟化点以上融点未満までの温度に加熱した状態をいう。上記発泡体基材を延伸することによって、発泡体基材の気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となったポリオレフィン系発泡体を製造することができる。
前記発泡体基材の延伸方向は、長尺状のポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向であることが好ましい。なお、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、発泡体基材を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記発泡体基材を流れ方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状のポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状のポリオレフィン系樹脂シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法、得られた発泡体基材を延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡体基材を巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって流れ方向に膨張しやすいため、前記ポリオレフィン系樹脂シートを用いて得られた発泡体基材を流れ方向に延伸する場合には、ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による流れ方向への膨張分を考慮し、その膨張分以上に、ポリオレフィン系樹脂シートが流れ方向に延伸されるように、発泡体基材の供給速度と巻取り速度とを調整することが好ましい。
前記発泡体基材を幅方向に延伸する方法としては、発泡体基材の幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによって発泡体基材を幅方向に延伸させる方法が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、発泡体基材を幅方向に延伸する場合には、ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上に発泡体基材が幅方向に延伸されるように調整することが好ましい。
前記発泡体基材の流れ方向における延伸倍率は1.1〜5倍が好ましく、1.3〜3.5倍がより好ましい。また、その幅方向における延伸倍率は1.2〜4.5倍が好ましく、1.5倍〜3.5倍であることがより好ましい。前記範囲の延伸倍率を備えた発泡体基材を使用することによって、良好な柔軟性と引張強さとを維持することができる。
前記発泡体基材としては、意匠性、遮光性、隠蔽性、光反射性、耐光性等を備えた粘着テープを得るうえで、着色された発泡体基材を使用してもよい。前記着色の際には、従来知られる着色剤を、単独または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性や隠蔽性や耐光性を付与する場合、前記発泡体基材としては、黒色に着色されたものを使用することが好ましい。
前記黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、前記着色剤としては、コスト、入手性、絶縁性、ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐えうるレベルの耐熱性の観点から、カーボンブラックを使用することが好ましい。
また、前記粘着テープに意匠性や光反射性などを付与する場合、前記発泡体基材としては、白色に着色されたものを使用することが好ましい。
前記白色着色剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、前記着色剤としては、コスト、入手性、色調、ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性の観点から、酸化チタンや酸化アルミニウムや酸化亜鉛を使用することが好ましい。
前記発泡体基材は、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物等の充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラーなどの公知のものを含有するものであってもよい。
なお、前記着色剤や熱分解性発泡剤や発泡助剤等は、色の濃淡ムラなどの外観不良や、過剰な発泡や無発泡などの発泡不良を防止するうえで、ポリオレフィン系樹脂、または、前記ポリオレフィン系樹脂と相溶しやすい他の熱可塑性樹脂によってマスターバッチ化されていることが好ましい。
前記発泡体基材としては、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、易接着処理等の表面処理の施されたものを使用することができる。
前記表面処理された発泡体基材の表面は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上であることが好ましく、40mN/m以上であることが好ましく、48mN/m以上であることが、粘着剤層等との良好な密着性を維持するうえでさらに好ましい。
密着性を向上させた発泡体基材は、連続工程で粘着剤層と貼り合わされてもよい。また、密着性を向上させた発泡体基材は一旦巻き取り加工をして保管したのち、後日粘着剤層と貼り合わされてもよい。
なお、密着性を向上させた発泡体基材を一旦巻き取る場合、前記発泡体基材のブロッキングを防止するうえで、紙やポリエチレンやポリプロピレンやポリエステル等からなるフィルムを介して巻き取ることが好ましい。前記フィルムは、厚さ25μm以下のポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムであることが好ましい。
[粘着剤層]
本発明の両面粘着テープが有する粘着剤層は、発泡体基材の表裏面(両面)に設けられる。各面に設けられる粘着剤層のうち、少なくとも一方、好ましくは両方の粘着剤層は、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に厚さ25μmの粘着剤層を設けて形成した粘着テープを、温度23℃及び相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に、2kgローラーを使用し一往復させることで圧着させ、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後に測定される剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が12N/20mm以上の粘着剤層である。前記特定の粘着剤層を使用することによって、解体時に一定の力を加えることで発泡体基材の層間割れを実現でき、かつ優れた耐衝撃性を備えた両面粘着テープを得ることができる。
前記粘着剤層としては、10N/20mm以上の180°引き剥がし接着力を有するものを使用することが好ましく、12N/20mm以上の180°引き剥がし接着力を有するものを使用することが、解体時に一定の力を加えることで発泡体基材の層間割れを実現でき、かつ優れた耐衝撃性を備えた両面粘着テープを得るうえで好ましい。
前記180°引き剥がし接着力の上限は、特に制限されないが、25N/20mm以下であることが好ましく、20N/20mm以下であることがより好ましい。
前記粘着剤層を形成可能な粘着剤組成物としては、例えば(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を使用することができる。なかでも、前記粘着剤組成物としては、アクリル系重合体をベースポリマーとし、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤を含有するアクリル系粘着剤組成物を使用することが、所望の180°引き剥がし接着力等を備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
前記アクリル系重合体の製造に使用可能な(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。なかでも、炭素原子数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数4〜8の直鎖または分岐したアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することがより好ましく、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートからなる群より選ばれる1種以上を使用することが、所望の180°引き剥がし接着力等を備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
前記炭素原子数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、前記アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の全量に対して、60質量%以上使用することが好ましく、80質量%〜98.5質量%使用することがより好ましく、90質量%〜98.5質量%使用することがさらに好ましい。
前記アクリル系重合体を製造する際には、単量体成分として高極性ビニル単量体を使用することができる。前記高極性ビニル単量体としては、水酸基を有するビニル単量体、カルボキシル基を有するビニル単量体、アミド基を有するビニル単量体等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
水酸基を有するビニル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等などの水酸基を有する(メタ)アクリレートを使用できる。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用することができ、なかでもアクリル酸を使用することが好ましい。
アミド基を有するビニル単量体としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等を使用することができる。
その他の高極性ビニル単量体としては、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基を有するビニル単量体等を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体は、前記アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の全量に対して1.5質量%〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1.5質量%〜10質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%〜8質量%の範囲で使用することが、所望の180°引き剥がし接着力等を備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
また、前記粘着剤組成物として、前記アクリル系重合体とともにイソシアネート系架橋剤を使用する場合、そのイソシアネート基と反応する官能基を有するアクリル系重合体を使用することが好ましい。
その際に使用可能な単量体成分としては、例えば水酸基を有するビニル単量体を使用することが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等を使用することがより好ましい。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の合計に対して0.01質量%〜1.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.03質量%〜0.3質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル系重合体は、前記単量体成分を重合させることによって製造することができる。前記重合方法としては、溶液重合法、隗状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法が挙げられ、良好な耐水性を備えた粘着剤組成物を得るうえで、溶液重合法または塊状重合法を採用することが好ましい。
前記重合は、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系熱重合開始剤、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いる方法、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いる方法、電子線を照射する方法によって開始し、進行させることができる。
前記アクリル系重合体としては、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量が40万〜300万の範囲であるものを使用することが好ましく、80万〜250万の範囲であるものを使用することがより好ましい。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
本発明に使用する粘着剤組成物としては、被着体との密着性や面接着強度をより一層向上させることを目的として、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂としては、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート樹脂系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂を単独または2種以上組み合わせ使用することが好ましい。
前記粘着剤組成物としてエマルジョン型の粘着剤組成物を使用する場合、前記粘着付与樹脂としては、エマルジョン型の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、30℃〜180℃の軟化点を有するものを使用することが好ましく、70℃〜140℃の軟化点を有するものを使用することが、所望の180°引き剥がし接着力等を備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。前記(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂を使用する場合、前記(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂としては、30℃〜200℃のガラス転移温度を有するものを使用することが好ましく、50℃〜160℃のものを使用することがより好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル系重合体100質量部に対して、5質量部〜65質量部の範囲で使用することが好ましく、8質量部〜55質量部の範囲で使用することが、所望の180°引き剥がし接着力等を備えた粘着剤層を形成するうえで好ましい。
前記粘着剤組成物としては、前記アクリル系重合体や粘着付与樹脂の他に、必要に応じて架橋剤を含有するものを使用することが、凝集力の高い粘着剤層を形成するうえで好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。
なかでも、前記架橋剤としては、アクリル系重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を単独または組み合わせ使用することが好ましく、イソシアネート系架橋剤を使用することが、粘着剤層と発泡体基材との密着性をより一層向上できるため好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができる。なかでも、前記イソシアネート系架橋剤としては、イソシアネート基を3つ以上有するものを使用することが好ましく、具体的には、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
前記粘着剤組成物としては、前記した成分の他に必要に応じて可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維、バルーン、ビーズ、金属粉末、金属酸化物、金属窒化物等の充填剤、顔料や染料等の着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層としては、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)のピーク値を示す温度が−40℃〜15℃の範囲であるものを使用することが、所望の180°引き剥がし接着力を備え、常温下での被着体との良好な密着性を付与するうえで好ましい。一方、前記粘着剤層としては、前記温度が−35℃〜10℃であるものを使用することが、所望の180°引き剥がし接着力を備え、常温下での被着体との良好な密着性を備え、かつ、低温環境下での耐衝撃性をより一層向上させるうえで好ましく、−30℃〜6℃であるものを使用することがより好ましい。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G”/G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、厚さ約2mmに形成した粘着剤層を同試験機の測定部である直径8mmの平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
前記粘着剤層の厚さは、所望の180°引き剥がし接着力を備え、その結果、被着体との密着性をより一層向上させるうえで5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、10μm〜80μmの範囲であることがより好ましく、15μm〜80μmの範囲であることがさらに好ましい。
[両面粘着テープ]
本発明の両面粘着テープは、例えば、発泡体基材に直接、または、発泡体基材上に積層された他の層の表面に、粘着剤を塗布して乾燥させる直写法、剥離シートに粘着剤を塗布して乾燥させた後、発泡体基材や他の層表面に貼り合せる転写法によって製造することができる。
前記粘着剤組成物として架橋剤を含有するものを使用する場合、前記架橋反応を進行させるうえで、両面粘着テープを好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは23℃〜45℃の環境下で2〜7日間の熟成させることが、所望の180°引き剥がし接着力を備え、かつ、発泡体基材と粘着剤層との密着性をより一層向上できる。
前記剥離シートとしては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されたものを使用することができる。
なかでも、前記剥離シートとしては、厚さ10〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙、ポリエステルフィルムの基材の片面または両面に、シリコーン系剥離処理を施されたもの等を使用することが好ましい。
本発明の粘着テープの実施形態としては、発泡体基材を中芯とし、発泡体基材の少なくとも一面、好ましくは両面に粘着剤層が設けられた構成を基本構成とする。発泡体基材と粘着剤層とは、直接積層されていても、他の層を介して積層されていてもよい。
前記粘着テープは、前記発泡体基材及び粘着剤層以外に、必要に応じて他の層を有していてもよい。前記他の層としては、寸法安定性や引張強さやリワーク適性を備えた粘着テープを得る場合には、ポリエステルフィルムなどのラミネート層が挙げられる。また、前記他の層としては、遮光性または光反射性を備えた粘着テープを得る場合には印刷層、電磁波シールド特性や面方向の熱伝導性を備えた粘着テープを得る場合には、金属箔や金属メッシュ導電性の金属をメッキした不織布からなる層を有していてもよい。
ラミネート層としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のフィルムを使用することができる。
前記ラミネート層の厚さは、特に規定されないが、発泡体基材に対する良好な追従性を確保するうえで、1μm〜25μmの範囲であることが好ましく、2μm〜12μmの範囲であることがより好ましい。発泡体基材とラミネート層とを接着する場合、従来公知の粘着剤やドライラミネート用の接着剤を使用することができる。
遮光層としては、顔料等の着色剤を含有するインキによって印刷された層が挙げられ、黒インキを用いて印刷された層を好ましく使用することができる。
前記反射層としては、顔料等の着色剤を含有するインキによって印刷された層が挙げられ、白色インキを用いて印刷された層を好ましく使用することができる。
前記遮光層や反射層の厚さは、2μm〜20μmであることが好ましく、4μm〜6μmであることが、前記インキの硬化収縮に起因した粘着テープのカール発生を抑制することができるため好ましい。
前記方法で得られた本発明の両面粘着テープの総厚さは、使用する態様によって適宜調整すればよいが、300μm以下であることが好ましく、80μm〜300μmであることがより好ましく、100μm〜300μmであることが、薄型で、かつ、優れた耐衝撃性と解体性とを両立でき、小型電子端末の薄型化に貢献できるためさらに好ましい。
本発明の粘着テープは、上記構成により好適な耐衝撃性と解体性とを有することから、小型電子機器の部品、例えば、小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池、スピーカー、レシーバー、圧電素子、プリント基板、フレキシブルプリント基板(FPC)、デジタルカメラモジュール、センサー類、その他のモジュールや、ポリウレタンやポリオレフィン系などのクッション材ゴム製部材、加飾用部品や各種部材の固定などに好適に適用できる。特に小型電子機器の情報表示部の保護パネルや画像表示モジュール、薄型電池等の薄型の板状剛体部品の固定用途に好適に適用できる。
(粘着剤組成物(A)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート97.97質量部、アクリル酸2.0質量部、4−ヒドロキブチルアクリレート0.03質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が200万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、前記アクリル系重合体100質量部に対し、「スーパーエステルA100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンのグリセリンエステル)25質量部と、「ペンセルD135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)5質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、スチレン系石油樹脂)20質量部とを添加し、さらに酢酸エチルを加えて均一に混合することによって、不揮発分40質量%の粘着剤組成物(a)を得た。
次に、前記粘着剤組成物(a)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(A)を得た。前記粘着剤組成物(A)の180°引き剥がし接着力は、12N/20mmであった。前記180°引き剥がし接着力は、後述する方法で測定した値である。
[粘着剤層の180°引き剥がし接着力]
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmとなるように前記粘着剤組成物(A)を塗工し、80℃で3分乾燥した後、40℃の環境下で48時間熟成することによって粘着テープを得た。
前記粘着テープを、温度23℃及び相対湿度65%RHの環境下で、アルミニウム板に貼付し、前記粘着テープの上面(ポリエチレンテレフタレート基材側の面)を、2kgローラーを使用し一往復させることでそれらを圧着した。
前記方法で圧着したものを、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後、剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がした時の強度を測定した。後述する粘着剤組成物(B)〜(D)を用いて形成された粘着剤層の180°引き剥がし接着力もまた、上記と同様の方法で測定した。
(粘着剤組成物(B)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート93.4質量部、アクリル酸3.5質量部、酢酸ビニル3質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が160万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、前記アクリル系重合体100質量部に対し、「スーパーエステルA100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンのグリセリンエステル)30質量部と、「ペンセルD135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)5質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、スチレン系石油樹脂)25質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加え均一に混合することによって、不揮発分38質量%の粘着剤組成物(b)を得た。
次に、前記粘着剤組成物(b)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(B)を得た。前記粘着剤組成物(B)の180°引き剥がし接着力は、13.7N/20mmであった。
(粘着剤組成物(C)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート93.4質量部、アクリル酸3.5質量部、酢酸ビニル3質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が160万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、前記アクリル系重合体100質量部に対し、「スーパーエステルA100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンのグリセリンエステル)20質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、スチレン系石油樹脂)20質量部と、「ハリタックPCJ」(ハリマ化成グループ株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)10質量部とを添加し、さらに酢酸エチルを加え均一に混合することによって、不揮発分38質量%の粘着剤組成物(c)を得た。
前記粘着剤組成物(c)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(C)を得た。前記粘着剤組成物(C)の180°引き剥がし接着力は、12.8N/20mmであった。
(粘着剤組成物(D)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート44.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、酢酸ビニル3質量部、アクリル酸2質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が120万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、前記アクリル系重合体100質量部に対し、「スーパーエステルA100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンのグリセリンエステル)30質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、スチレン系石油樹脂)25質量部と、「ペンセルD135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)5質量部とを添加し、さらに酢酸エチルを加え均一に混合することによって、不揮発分45質量%の粘着剤組成物(d)を得た。
前記粘着剤組成物(d)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(D)を得た。前記粘着剤組成物(D)の180°引き剥がし接着力は、13.2N/20mmであった。
(粘着剤組成物(E)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート63.4質量部、2−エチルヘキシルアクリレート30質量部、アクリル酸3質量部、酢酸ビニル3.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が140万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、前記アクリル系重合体100質量部に対し、「スーパーエステルA100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンのグリセリンエステル)30質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、スチレン系石油樹脂)25質量部と、「ペンセルD135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)5質量部とを添加し、さらに酢酸エチルを加え均一に混合することによって、不揮発分38質量%の粘着剤組成物(e)を得た。
前記粘着剤組成物(e)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.3質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(E)を得た。前記粘着剤組成物(E)の180°引き剥がし接着力は、12.3N/20mmであった。
(粘着剤組成物(F)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート44.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、酢酸ビニル3質量部、アクリル酸2質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が120万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、アクリル系重合体100質量部に対し、「ペンセルD135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)10質量部を添加し、さらに酢酸エチルを加え均一に混合することによって、不揮発分45質量%の粘着剤組成物(f)を得た。
前記粘着剤組成物(f)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)0.9質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(F)を得た。前記粘着剤組成物(F)の180°引き剥がし接着力は、8.5N/20mmであった。
(粘着剤組成物(G)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート93.4質量部、アクリル酸3.5質量部、酢酸ビニル3質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、70℃で12時間重合させることによって、重量平均分子量が160万(ポリスチレン換算)のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
次に、前記アクリル系重合体100質量部に対し、「スーパーエステルA100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンのグリセリンエステル)9.4質量部と、「ハリタックPCJ」(ハリマ化成グループ株式会社製、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)9.4質量部とを添加し、さらに酢酸エチルを加え均一に混合することによって、不揮発分38質量%の粘着剤組成物(g)を得た。
前記粘着剤組成物(g)100質量部と、「コロネートL−45」(日本ポリウレタン工業株式会社製、イソシアネート系架橋剤、不揮発分45質量%)1.1質量部とを混合し、15分攪拌することによって粘着剤組成物(G)を得た。前記粘着剤組成物(G)の180°引き剥がし接着力は、8.9N/20mmであった。
(実施例1)
前記粘着剤組成物(A)を厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥させることによって粘着剤層を形成した。前記粘着剤層のゲル分率は42.5質量%であった。
次に、黒色ポリオレフィン系発泡体(1)(厚さ100μm、密度0.40g/cm、層間強度12.6N/cm、25%圧縮強度:103kPa、流れ方向の引張強さ:1084N/cm、幅方向の引張強さ:790N/cm、である積水化学工業株式会社製の発泡体の表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)からなる基材の両面に、前記粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたのち、23℃下、線圧5kg/cmのロールで圧着させることによってそれらをラミネートし、40℃で48時間熟成させることによって、厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
(実施例2)
粘着剤層の乾燥後の厚さを25μmから15μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ130μmの両面粘着テープを得た。
(実施例3)
粘着剤層の乾燥後の厚さを25μmから50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(実施例4)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに、黒色ポリオレフィン系発泡体(2)(厚さ:80μm、密度0.40g/cm、層間強度10.2N/cm、25%圧縮強度:92kPa、流れ方向の引張強さ:1062N/cm、幅方向の引張強さ:962N/cm、である積水化学工業株式会社製の発泡体の表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用いること、及び、粘着剤層の乾燥後の厚さを25μmから15μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ110μmの両面粘着テープを得た。
(実施例5)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(3)(厚さ:100μm、密度0.45g/cm、層間強度16.2N/cm、25%圧縮強度:190kPa、流れ方向の引張強さ:964N/cm、幅方向の引張強さ:861N/cm、である積水化学工業株式会社製の発泡体の表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
(実施例6)
粘着剤層の乾燥後の厚さを15μmから50μmに変更したこと以外は、実施例5と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(実施例7)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(4)(厚さ:140μm、密度0.40g/cm、層間強度19.1N/cm、25%圧縮強度:130kPa、流れ方向の引張強さ:994N/cm、幅方向の引張強さ:713N/cm、である積水化学工業株式会社製の発泡体の表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用いること、及び、粘着剤層の乾燥後の厚さを15μmから30μmにしたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(実施例8)
粘着剤層の乾燥後の厚さを30μmから55μmに変更したこと以外は、実施例7と同様の方法で厚さ250μmの両面粘着テープを得た。
(実施例9)
粘着剤層の乾燥後の厚さを30μmから80μmに変更したこと以外は、実施例7と同様の方法で厚さ300μmの両面粘着テープを得た。
(実施例10)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(B)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た(粘着剤層のゲル分率40質量%)。
(実施例11)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(C)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た(粘着剤層のゲル分率43質量%)。
(実施例12)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(D)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た(粘着剤層のゲル分率25質量%)。
(実施例13)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(E)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た(粘着剤層のゲル分率39質量%)。
(比較例1)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(5)(厚さ:100μm、密度0.33g/cm、層間強度8.9N/cm、25%圧縮強度:70kPa、流れ方向の引張強さ:799N/cm、幅方向の引張強さ:627N/cm、である積水化学工業株式会社製の発泡体の表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
(比較例2)
黒色ポリオレフィン系発泡体(1)の代わりに黒色ポリオレフィン系発泡体(6)(厚さ:100μm、密度0.50g/cm、層間強度13.6N/cm、25%圧縮強度:270kPa、流れ方向の引張強さ:1456N/cm、幅方向の引張強さ:956N/cm、である積水化学工業株式会社製の発泡体の表面をコロナ処理で濡れ指数54mN/mとしたもの)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、厚さ150μmの両面粘着テープを得た。
(比較例3)
粘着剤層の乾燥後の厚さを15μmから50μmに変更したこと以外は、比較例2と同様にして厚さ200μmの両面粘着テープを得た。
(比較例4)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(F)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で厚さ150μmの両面粘着テープを得た(粘着剤層のゲル分率38質量%)。
(比較例5)
前記粘着剤組成物(A)の代わりに、前記粘着剤組成物(G)を使用すること以外は、実施例7と同様の方法で厚さ200μmの両面粘着テープを得た(粘着剤層のゲル分率48質量%)。
上記実施例及び比較例にて使用した発泡体基材、上記実施例及び比較例で得られた両面粘着テープについて、以下の評価を行った。得られた結果を表に示す。
[発泡体基材と粘着テープ厚さ]
発泡体基材の厚さは、尾崎製作所製のダイヤルシクネスゲージG型を用いて測定した。粘着テープの厚さは、剥離フィルムを剥がしたものの厚さを、ダイヤルシクネスゲージG型を用いて測定した。
[発泡体基材の密度]
発泡体基材の密度は、JISK6767に準じて測定した。具体的には、4cm×5cmの長方形に切断した発泡体基材を15cm分用意し、その質量を測定して密度を求めた。
[発泡体基材の層間強度]
発泡体基材の両面に、厚さ50μmの強粘着性(下記高速剥離試験時に被着体および発泡体基材から剥離しないもの)の粘着剤層を1枚ずつ貼り合わせたものを、40℃で48時間熟成することによって、層間強度測定用の両面粘着テープを作成した。
次に、前記両面粘着テープの片側の粘着面を、厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした後、発泡体基材の幅方向1cm及びその流れ方向15cmの大きさに裁断したものを、23℃及び相対湿度50%RH下、厚さ50μm、幅3cm、長さ20cmのポリエステルフィルムに貼付し、その表面を、2kgローラーを1往復させることで、それらを圧着した後、60℃の環境下に24時間静置し、次いで23℃で1時間静置することによって試験片を得た。
次に、23℃及び相対湿度50%RH下、前記試験片を構成する厚さ50μmmのポリエステルフィルム側を高速剥離試験機の取り付け治具に固定し、前記試験片を構成する厚さ25μmのポリエステルフィルムを引張速度15m/分で90度方向に引っ張ることで、前記試験片を構成する発泡体基材が引き裂かれた際の最大強度を測定した。
[発泡体基材の引張強さ]
発泡体基材の流れ方向と幅方向の引張強さは、JISK6767に準じて測定した。標線長さ2cm、幅1cmのサンプルを、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び相対湿度50%RHの環境下、引張速度300mm/minの測定条件で測定した。得られた測定値の最大強度がサンプルの引張強度である。
[発泡体基材の25%圧縮強度]
発泡体基材の25%圧縮強度は、JISK6767に準じて測定した。25角に切断した試料を厚さ約10mmになるまで重ね合わせた。試料より大きな面積のステンレス板で試料をはさみ、23℃下で10mm/分の速度で試料を約2.5mm(もとの厚さの25%分)圧縮した時の強度を測定した。
[発泡体基材の平均気泡径測定]
はじめに、発泡体基材を幅方法、流れ方向とも1cmに切断した。次に、切断した発泡体基材の切断面中央部分をデジタルマイクロスコープ(商品名「KH−7700」、HiROX社製)により、発泡体気泡部分を200倍に拡大したのち、発泡体基材の幅方向または流れ方向の断面を発泡体基材の切断面がその基材厚さ方向の全長を観察する。得られた拡大画像において、流れ方向または幅方向の拡大前の実際の長さが2mm分の切断面に存在する気泡の気泡径を全て測定し、その平均値から平均気泡径を算出した。任意の10カ所で測定した結果から平均気泡径を求めた。
[易解体性]
1)長さ2cm(発泡体基材の流れ方向)、幅1cmの試験片に加工した発泡体基材中芯の両面粘着テープを、縦2.5cm、横4.0cm、2mm厚のポリカーボネート板の中心に幅方向に2cmの間隔をあけて2枚貼付した。
2)長さ20cm、幅1.5cm、50μm厚のPETフィルムの端部を前記ポリカーボネート板のテープ貼付面の裏面に固定し、そのPETフィルムが2枚の両面粘着テープを通るように巻き付けた。その際、PETフィルムの幅の中心が、2枚の両面粘着テープの中心と一致するようにした。
3)前記PETフィルムを巻き付け固定したポリカーボネート板を、両面粘着テープが接するになるようにして、縦20cm、横20cmのアルミ板の表面に貼付固定し、2kgの重りを使用して加圧圧着した。23℃50%RH下で72時間静置して試験片とした。
4)前記試験片のPETフィルムの端部をアルミ板に対して90°方向に引きあげて、ポリカーボネート板を引きはがした。その際の両面粘着テープの剥離状態を観察した。
◎:両面粘着テープの全面が発泡体基材の層間で破壊して剥離された。
○:両面粘着テープの9割以上が発泡体基材の層間で破壊して剥離された。
×:両面粘着テープの発泡体基材の層間で破壊した部分が9割未満であった。
[耐衝撃性試験]
1)厚さ2mm、外形50mm×50mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)アクリライトL「商標名」、色相:透明)に、長さ40mm、幅5mmの2枚の両面粘着テープの弱粘着面を40mmの間隔をあけて平行に貼付(図1)したのち、厚さ2mm、外形150mm×100mmのABS板(住友ベークライト社製、タフエースR「商標名」色相:ナチュラル、シボなし、以下同じ)の中央部に貼付した(図2)。2kgローラーで1往復加圧したのち、23℃で1時間静置して試験片とした。
2)デュポン式衝撃試験機(テスター産業株式会社製)の台座の上に、長さ150mm、幅100mm、高さ45mmのコの字型測定台(厚さ5mmのアルミ製)を設置し、その上に試験片を、アクリル板を下向きにして載せた(図3)。ABS板側から直径25mm、質量300gのステンレス製の撃芯を、高さを10cmずつ変化させ、ABS板の中心部分に各高さから10秒間隔で5回落下させ、試験片にテープの剥がれや破壊が認められた時の高さを測定した。
○:高さ60cmでも試験後にテープの剥がれ又は破壊なし
×:高さ60cm以下でテープの剥がれ又は破壊が生じた
Figure 0006058016
Figure 0006058016
上記実施例1〜13のとおり、本発明の両面粘着テープは、被着体との優れた落下衝撃耐性、易解体性(層間割れ性)を有するものであった。一方、比較例1〜6の両面粘着テープは落下衝撃に対し充分な耐性が無い、あるいは易解体性(層間割れ性)に劣るものであった。
1 粘着テープ
2 アクリル板
3 ABS板
4 コの字型測定台
5 撃芯

Claims (7)

  1. 発泡体基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、アクリル系重合体と、架橋剤と、前記アクリル系重合体100質量部に対して50質量部〜65質量部の粘着付与樹脂とを含有する粘着剤組成物から形成されるものであり、
    前記発泡体基材が、密度0.15〜0.45g/cm 、層間強度10〜50N/cm、厚さ50〜250μm、25%圧縮強度10〜500kPa、流れ方向及び幅方向の引張強さ500〜1300N/cm 、流れ方向の引張伸度100〜1200%、流れ方向及び幅方向の平均気泡径10〜500μm、厚さ方向の平均気泡径3〜100μmのポリオレフィン系発泡体基材であり、
    前記粘着剤層が、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート基材に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmとなるように前記粘着剤組成物を塗工し、80℃で3分乾燥した後、40℃の環境下で48時間熟成することによって厚さ25μmの粘着剤層を設けて形成した粘着テープを、温度23℃及び相対湿度65%RHの環境下でアルミニウム板に、2kgローラーを使用し一往復させることで圧着させ、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下に1時間静置した後に測定される剥離速度300mm/minにおける180°引き剥がし接着力が12〜25N/20mmの粘着剤層であることを特徴とする両面粘着テープ。
  2. 前記粘着付与樹脂が、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂及び石油樹脂系粘着付与樹脂を含有するものである請求項1に記載の両面粘着テープ。
  3. 前記アクリル系重合体が80万〜300万の重量平均分子量を有するものである請求項1または2に記載の両面粘着テープ。
  4. 前記発泡体基材が、層間強度10N/cm〜25N/cmのポリオレフィン系発泡体基材である請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  5. 総厚さが300μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  6. 前記発泡体基材の引張強さが、500N/cm〜1300N/cmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
  7. 電子機器を構成する部品の固定に使用される請求項1〜6のいずれか1項に記載の両面粘着テープ。
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