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JP6040973B2 - 液体現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、液体現像剤に関する。
特許文献1(特開2013−3197号公報)には、ポリエステル樹脂を含むトナー粒子が記載されている。この文献には、液体現像剤を乾燥させて得られる固形物の融点が55℃以上であればドキュメントオフセットを防止できるということが記載されており、酸成分構成単位とアルコール成分構成単位との両構成単位に占める脂肪族系モノマーに由来する構成単位の全量を30モル%以上とすれば液体現像剤の固形物の融点が55℃以上となることが記載されている。
特開2013−3197号公報
特許文献1には、トナー粒子を記録媒体に180℃で定着させることが記載されているが、液体現像剤には、より低温での定着(低温定着性)が求められている。液体現像剤では、乾式現像剤とは異なり、トナー粒子の粒径を2μm以下に制御できる。そのため、記録媒体への液体現像剤の付着量を記録媒体への乾式現像剤の付着量よりも大幅に低減できる。このことは、低温定着性に対して優位に働く。また、低温での定着を実現させる方法として、トナー粒子に含まれる樹脂の溶融性を高めること、又は、シャープメルト性の高い樹脂(例えばポリエステル樹脂)を用いること等が提案されている。
トナー粒子に含まれる樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、非晶性ポリエステル樹脂の分子量等を調整すれば、その軟化点を低下させることができる。よって、低温での定着(例えば90℃での定着)が可能となる。しかし、非晶性ポリエステル樹脂の軟化点が低下すると、そのガラス転移点も低下するので、トナー粒子の耐熱性の低下を引き起こす。例えばトナー粒子の耐熱温度を50℃以上とすることが困難となる。
一方、結晶性ポリエステル樹脂の融点は非晶性ポリエステル樹脂の軟化点よりも低い。そのため、トナー粒子に含まれる樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を用いると、トナー粒子の耐熱性を低下させることなく低温での定着が可能となる。よって、トナー粒子に含まれる樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
ところで、結晶性ポリエステル樹脂は主として脂肪族系モノマーから構成され、非晶性ポリエステル樹脂は主として芳香族系モノマーから構成される。ここで、脂肪族系モノマーからなる樹脂は、芳香族系モノマーからなる樹脂よりも柔らかいので、ストレスに対して弱いという傾向を有する。そのため、トナー粒子に含まれる樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合、現像器でのストレス付与によって当該トナー粒子が凝集することがある。トナー粒子の凝集は、現像器におけるNIP部、ローラとローラとの間、又は、ローラとブレードとの間において、顕著となる。
また、液体現像剤では、トナー粒子に含まれる樹脂は絶縁性液体に接している。一般的に、トナー粒子に含まれる樹脂は、絶縁性液体に膨潤して可塑化するので、ストレスに対して弱くなる。そのため、トナー粒子の凝集が起こり易くなる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的はトナー粒子の低温定着性の向上とトナー粒子の耐凝集性の向上とを両立させることである。
芳香族系モノマーからなる樹脂は脂肪族系モノマーからなる樹脂よりも硬い。そのため、トナー粒子に含まれる樹脂として芳香族ポリエステル樹脂を用いれば、トナー粒子の耐凝集性を高めることができると考えられる。しかし、トナー粒子に含まれる樹脂として芳香族ポリエステル樹脂のみを用いて低温での定着を試みると、トナー粒子の耐熱性の低下を引き起こす。
一方、トナー粒子に含まれる樹脂として脂肪族ポリエステル樹脂のみを用いる場合には、トナー粒子に含まれる樹脂として結晶性ポリエステル樹脂のみを用いることとなる。そのため、トナー粒子の耐熱性を低下させることなくトナー粒子を低温で定着できる。しかし、トナー粒子の耐凝集性が低下する。
以上のことから、本発明者らは、トナー粒子に含まれる樹脂として脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリステル樹脂との両方を用いれば、トナー粒子の耐熱性を低下させることなくトナー粒子を低温で定着でき、更には、トナー粒子の耐凝集性を向上させることができるのではないかと考えた。そこで、脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリステル樹脂との両方を用いてトナー粒子を形成し、トナー粒子の特性を調べた。すると、トナー粒子が凝集する場合があることが分かった。
本発明者らは、このような結果が得られた原因を突き止めるために、凝集しなかったトナー粒子と凝集したトナー粒子とを分析した。その結果、凝集しなかったトナー粒子では脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリステル樹脂とが相溶していなかったのに対し、凝集したトナー粒子では脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリステル樹脂とが相溶していた。更に、本発明者らは、脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリステル樹脂とが相溶している場合には、脂肪族ポリエステル樹脂の添加に起因して樹脂が柔らかくなるのでトナー粒子の耐凝集性が低下するのではないか、と考えた。以上の考察をふまえ、本発明の液体現像剤が完成した。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体と、絶縁性液体に分散されたトナー粒子とを備える。トナー粒子は、樹脂と着色剤とを有する。樹脂は、5質量%以上30質量%以下の脂肪族ポリエステル樹脂と、70質量%以上95質量%以下の芳香族ポリエステル樹脂とを含む。脂肪族ポリエステル樹脂の酸価と芳香族ポリエステル樹脂の酸価との差が15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。
「脂肪族ポリエステル樹脂」とは、脂肪族ポリエステル樹脂において、アルコール成分に由来する構成単位と酸成分に由来する構成単位との両構成単位における脂肪族系モノマーに由来する構成単位の含有割合が90質量%以上であることを意味する。「アルコール成分に由来する構成単位」とは、アルコールの末端から水素原子が外れたものを意味し、アルコールの各末端から1つの水素原子が外れたもの、及び、アルコールの片方の末端から1つの水素原子が外れたものを含む。「酸成分に由来する構成単位」とは、カルボン酸の末端からヒドロキシル基(OH基)が外れたものを意味し、カルボン酸の各末端から1つのヒドロキシル基が外れたもの、及び、カルボン酸の片方の末端から1つのヒドロキシル基が外れたものを含む。「脂肪族系モノマー」には、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸の低級アルキルエステル、脂肪族カルボン酸の酸無水物、及び、脂肪族アルコールが含まれる。「脂肪族カルボン酸」とは、ベンゼン環を主鎖にも側鎖にも有さないカルボン酸を意味する。「脂肪族アルコール」とは、ベンゼン環を主鎖にも側鎖にも有さないアルコールを意味する。
「芳香族ポリエステル樹脂」とは、芳香族ポリエステル樹脂において、アルコール成分に由来する構成単位と酸成分に由来する構成単位との両構成単位における芳香族系モノマーに由来する構成単位の含有割合が90質量%以上であることを意味する。「芳香族系モノマー」には、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸の低級アルキルエステル、芳香族カルボン酸の酸無水物、及び、芳香族アルコールが含まれる。「芳香族カルボン酸」とは、ベンゼン環を主鎖又は側鎖に有するカルボン酸を意味する。「芳香族アルコール」とは、ベンゼン環を主鎖又は側鎖に有するアルコールを意味する。
「脂肪族ポリエステル樹脂の酸価」とは、JIS K 0070:1992(化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法)に記載の方法に準拠して測定された脂肪族ポリエステル樹脂の酸価を意味し、脂肪族ポリエステル樹脂に含まれるカルボキシル基の量に相当する。「脂肪族ポリエステル樹脂に含まれるカルボキシル基」とは、脂肪族ポリエステル樹脂を合成する際の縮合重合反応においてヒドロキシル基と反応しなかったカルボキシル基残渣の量に相当する。
「芳香族ポリエステル樹脂の酸価」とは、上記JIS K 0070:1992に記載の方法に準拠して測定された芳香族ポリエステル樹脂の酸価を意味し、芳香族ポリエステル樹脂に含まれるカルボキシル基の量に相当する。「芳香族ポリエステル樹脂に含まれるカルボキシル基」とは、芳香族ポリエステル樹脂を合成する際の縮合重合反応においてヒドロキシル基と反応しなかったカルボキシル基残渣の量に相当する。
好ましくは、樹脂の酸価は20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。「樹脂の酸価」とは、上記JIS K 0070:1992に記載の方法に準拠して測定された樹脂(液体現像剤に含まれる樹脂成分)の酸価を意味し、かかる樹脂成分に含まれるカルボキシル基の量に相当する。液体現像剤に含まれる樹脂成分には、上記脂肪族ポリエステル樹脂と上記芳香族ポリエステル樹脂とが含まれる。
好ましくは、脂肪族ポリエステル樹脂の酸価と芳香族ポリエステル樹脂の酸価との差は20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。好ましくは、樹脂は5質量%以上25質量%以下の脂肪族ポリエステル樹脂を含む。
本発明では、トナー粒子の低温定着性の向上とトナー粒子の耐凝集性の向上とを両立できる。
液体現像剤の耐凝集性を評価するために用いた装置の側面図である。 電子写真方式の画像形成装置の一部の概略概念図である。
[液体現像剤の構成]
本実施形態の液体現像剤は、複写機、プリンタ、デジタル印刷機若しくは簡易印刷機等の電子写真方式の画像形成装置(後述)において用いられる電子写真用液体現像剤、塗料、静電記録用液体現像剤、インクジェットプリンタ用油性インク、又は、電子ペーパー用インクとして有用である。本実施形態の液体現像剤は、絶縁性液体と絶縁性液体に分散されたトナー粒子とを備え、好ましくは10〜50質量%のトナー粒子と50〜90質量%の絶縁性液体とを備える。本実施形態の液体現像剤は、絶縁性液体及びトナー粒子とは異なる任意の成分を含んでいても良い。かかる任意の成分としては、例えば、トナー分散剤、荷電制御剤又は増粘剤等が挙げられる。
<トナー粒子>
本実施形態のトナー粒子は、樹脂と樹脂に分散された着色剤とを有し、好ましくは50〜90質量%の樹脂と10〜50質量%の着色剤とを有する。本実施形態のトナー粒子は、樹脂及び着色剤とは異なる任意の成分を含んでいても良い。かかる任意の成分としては、例えば、顔料分散剤、ワックス又は荷電制御剤等が挙げられる。
好ましくは、トナー粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメジアン径D50(以下では「トナー粒子のメジアン径D50」と記す)は0.5μm以上5.0μm以下である。このメジアン径は、従来の乾式現像剤に含まれるトナー粒子の粒径よりも小さく、本実施形態の特徴の一つである。トナー粒子のメジアン径D50が0.5μm以上であれば、トナー粒子の粒径を確保できるので、電界でのトナー粒子の移動性が改善され、よって、現像性を高めることができる。トナー粒子のメジアン径D50が5μm以下であれば、トナー粒子の分散性を確保できるので、画質を高めることができる。より好ましくは、トナー粒子のメジアン径D50は1.0μm以上2.0μm以下である。
好ましくは、トナー粒子の平均円形度は0.85以上0.95以下であり、トナー粒子の円形度の標準偏差は0.01以上0.1以下である。これにより、転写性とクリーニング性とが向上する。なお、「円形度」とは、2次元に投影した粒子面積と等しい面積の円の周囲長を粒子周囲長で除した数値を意味する。「平均円形度」とは、算出された円形度の相加平均値を意味する。
例えばフロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製の「FPIA−3000S」(品番))等を用いて、トナー粒子のメジアン径D50、トナー粒子の平均円形度、及び、トナー粒子の円形度の標準偏差を計測可能である。この分析装置では、溶剤をそのまま分散媒体として使用することが可能である。よって、この分析装置を用いれば、水系で測定するよりも実際の分散状態に近い状態におけるトナー粒子の状態を計測できる。
<樹脂>
(脂肪族ポリエステル樹脂の含有率と芳香族ポリエステル樹脂の含有率)
トナー粒子に含まれる樹脂は、5質量%以上30質量%以下の脂肪族ポリエステル樹脂と、70質量%以上95質量%以下の芳香族ポリエステル樹脂とを含む。脂肪族ポリエステル樹脂の含有率(トナー粒子に含まれる樹脂の質量に対する脂肪族ポリエステル樹脂の質量の割合)が5質量%以上であれば、融点が低い樹脂(脂肪族ポリエステル樹脂)の含有量を確保できるので、低温での定着が可能となる。脂肪族ポリエステル樹脂の含有率が30質量%以下であれば、硬い樹脂(芳香族ポリエステル樹脂)の含有量を確保できるので、トナー粒子の耐凝集性を高めることができる。好ましくは、脂肪族ポリエステル樹脂の含有率が5質量%以上25質量%以下である。これにより、硬い樹脂の含有量を更に確保できるので、トナー粒子の耐凝集性を更に高めることができる。
芳香族ポリエステル樹脂の含有率(トナー粒子に含まれる樹脂の質量に対する芳香族ポリエステル樹脂の質量の割合)が70質量%以上であれば、硬い樹脂(芳香族ポリエステル樹脂)の含有量を確保できるので、トナー粒子の耐凝集性を高めることができる。芳香族ポリエステル樹脂の含有率が95質量%以下であれば、融点が低い樹脂(脂肪族ポリエステル樹脂)の含有量を確保できるので、低温での定着が可能となる。
なお、脂肪族ポリエステル樹脂の含有率及び芳香族ポリエステル樹脂の含有率は、フーリエ変換核磁気共鳴装置(FT−NMR)(商品名:「Lambda400」、日本電子社製)を用いて1H−NMR分析を行い、その積分比より決定できる。測定溶媒はクロロホルム−d(重クロロホルム)溶剤を用いることができる。アルコール成分に由来する構成単位と酸成分に由来する構成単位との両構成単位における脂肪族系モノマーに由来する構成単位の含有割合、及び、アルコール成分に由来する構成単位と酸成分に由来する構成単位との両構成単位における芳香族系モノマーに由来する構成単位の含有割合についても、同様の方法で測定できる。
(酸価の差)
脂肪族ポリエステル樹脂の酸価と芳香族ポリエステル樹脂の酸価との差(以下では「酸価の差」と記すことがある)が15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。酸価の差が15mgKOH/g以上であれば、脂肪族ポリエステル樹脂に含まれるカルボキシル基の量と芳香族ポリエステル樹脂に含まれるカルボキシル基の量との差が大きくなるので、脂肪族ポリエステル樹脂のSP(Solubility Parameter)値と芳香族ポリエステル樹脂のSP値との差が大きくなる。これにより、脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリエステル樹脂との親和性が低下する。つまり、脂肪族ポリエステル樹脂と芳香族ポリエステル樹脂とが相溶し難くなる。
ここで、脂肪族ポリエステル樹脂の含有率は芳香族ポリエステル樹脂の含有率よりも低い。そのため、脂肪族ポリエステル樹脂(柔らかい樹脂)が芳香族ポリエステル樹脂(硬い樹脂)で囲まれるようになり(海島構造の形成)、これによって、トナー粒子の耐凝集性が高められる。好ましくは、酸価の差が20mgKOH/g以上である。
なお、脂肪族ポリエステル樹脂のSP値と芳香族ポリエステル樹脂のSP値との差を大きくする方法としては、種々の方法が考えられる。しかし、酸価の差を大きくすれば、脂肪族ポリエステル樹脂のSP値と芳香族ポリエステル樹脂のSP値との差を効果的に大きくできる。
酸価の差が100mgKOH/g以下であれば、トナー粒子に含まれる樹脂においてカルボキシル基による三次元的な構造(架橋構造)の形成を防止できる。よって、トナー粒子に含まれる樹脂の低温での溶融性を確保できるので、低温での定着が可能となる。なお、実際、酸価の差を100mgKOH/gよりも大きくすることは難しい。
酸価の差が15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であれば、脂肪族ポリエステル樹脂の酸価の方が芳香族ポリエステル樹脂の酸価よりも大きくても良いし、芳香族ポリエステル樹脂の酸価の方が脂肪族ポリエステル樹脂の酸価よりも大きくても良い。
ポリエステル樹脂は、カルボン酸(酸成分に由来する構成単位)とアルコール(アルコール成分に由来する構成単位)との重縮合反応により合成されるものである。そのため、カルボン酸に由来する部分が酸成分に由来する構成単位となり、アルコールに由来する部分がアルコール成分に由来する構成単位となり、これらの構成単位が繰り返されることによってポリエステル樹脂が構成される。
脂肪族ポリエステル樹脂の酸価を調整する方法としては、例えば、アルコール成分に由来する構成単位の種類又は酸成分に由来する構成単位の種類を変更する、アルコール成分に由来する構成単位となるモノマーと酸成分に由来する構成単位となるモノマーとの混合モル比を変更する、又は、縮合反応の条件を変更する等が挙げられる。同様の方法で芳香族ポリエステル樹脂の酸価を調整できる。これらのいずれかの方法を採用することによって、酸価の差を15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下に調整できる。芳香族ポリエステル樹脂の場合、3つ以上のカルボキシル基を含むモノマー(酸成分に由来する構成単位となるモノマー)を用いることによって、芳香族ポリエステル樹脂の酸価を高めることができる。
(樹脂の酸価)
好ましくは、樹脂の酸価が20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。樹脂の酸価が20mgKOH/g以上であれば、絶縁性液体に分散した状態におけるトナー粒子と記録媒体との接着性を確保できる。これにより、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を確保できる。脂肪族ポリエステル樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂のうちの少なくとも1つが、酸成分に由来する構成単位として、3つ以上の官能基を含む構成単位を有していれば、樹脂の酸価を20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下に容易に調整できる。なお、樹脂の酸価を100mgKOH/gよりも大きくすることは難しい。
(構成単位)
酸成分に由来する構成単位となる脂肪族系モノマーとしては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、又は、1,18−オクタデカンジカルボン酸等が挙げられる。これらの低級アルキルエステルを用いても良いし、これらの酸無水物を用いても良い。ポリエステル樹脂の結晶性が促進されるという観点では、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、又は、1,12−ドデカンジカルボン酸を用いることがより好ましい。このような脂肪族系モノマーとしては、上記のいずれかを単独で用いても良いし、上記のいずれかの2種以上を組み合わせて用いても良い。
アルコール成分に由来する構成単位となる脂肪族系モノマーとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、又は、1,20−エイコサンジオール等が挙げられる。ポリエステル樹脂の結晶性が促進されるという観点では、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、又は、1,10−デカンジオールを用いることが好ましい。このような脂肪族系モノマーとしては、上記のいずれかを単独で用いても良いし、上記のいずれかの2種以上を組み合わせて用いても良い。
酸成分に由来する構成単位となる芳香族系モノマーとしては、芳香族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル、又は、芳香族多価カルボン酸の酸無水物等を挙げることができる。具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、又は、トリメリット酸(官能基数が3個)等を挙げることができる。入手容易性の観点では、テレフタル酸、イソフタル酸、又は、5−tert−ブチルイソフタル酸を用いることが好ましい。
アルコール成分に由来する構成単位となる芳香族系モノマーとしては、芳香族多価アルコール等を挙げることができる。具体的には、下記化学式(I)で表わされるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
Figure 0006040973
上記化学式(I)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数2又は3のアルキレン基を示す。m及びnは、それぞれ独立して、0又は正の整数を示す。mとnとの和は、1以上16以下である。
脂肪族ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は1000以上25000以下であることが好ましく、脂肪族ポリエステル樹脂の質量平均分子量(Mw)は2000以上200000以下であることが好ましい。芳香族ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は1000以上25000以下であることが好ましく、芳香族ポリエステル樹脂の質量平均分子量(Mw)は2000以上200000以下であることが好ましい。なお、数平均分子量及び質量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography、ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定できる。
トナー粒子に含まれる樹脂は、脂肪族ポリエステル樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂以外の他の樹脂を10質量%未満含んでも良い。脂肪族ポリエステル樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂以外の他の樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂等を挙げることができる。その含有率が10質量%以上となると、ポリエステル樹脂の分子鎖を規則的に配列し難くなることがある。
(結晶性)
DSC(Differential Scanning Calorimetry)法により測定された樹脂(トナー粒子に含まれる樹脂)の溶融熱が下記数式(1)及び(2)を満たす場合、その樹脂は結晶性樹脂であると定義される。
5≦H1≦100 ・・・数式(1)
0.2≦H2/H1≦1.0・・・数式(2)
上記数式(1)及び(2)において、H1は、DSC法による初回昇温時の融解熱(J/g)を表し、H2は、DSC法による2回目昇温時の融解熱(J/g)を表す。
H1は、樹脂の溶融速度の指標である。一般に、融解熱を有する樹脂は、シャープメルト性を有するため、少ないエネルギーで溶融する。樹脂のH1が70を超えると、定着エネルギーの低減を図ることが難しい。そのため、トナー粒子の定着性の低下を招く。一方、樹脂のH1が5未満であれば、定着エネルギーが少なくなり過ぎるため、ドキュメントオフセットが発生し易くなる。しかし、樹脂のH1が上記数式(1)を満たせば、ドキュメントオフセットの発生を防止でき、また、トナー粒子の定着性の低下を防止できる。好ましくは15≦H1≦80であり、より好ましくは35≦H1≦70である。
上記数式(2)におけるH2/H1は、樹脂の結晶化速度の指標である。一般に、樹脂からなる粒子(樹脂粒子)を溶融させた後に冷却して使用する場合、当該樹脂粒子中の結晶成分に結晶化されていない部分が存在していれば、当該樹脂粒子の抵抗値が下がる、又は、当該樹脂粒子が可塑化されるなどという不具合が生じる。このような不具合が発生すると、冷却により得られた樹脂粒子の性能が当初設計した性能と異なることがある。以上のことから、樹脂粒子中の結晶成分を速やかに結晶化させ、樹脂粒子の性能に影響を与えないようにする必要がある。H2/H1は、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.4以上である。また、樹脂の結晶化速度が速ければ、H2/H1は1.0に近づくため、H2/H1は、1.0に近い値を取ることが好ましい。
なお、上記数式(2)におけるH2/H1は、理論的には1.0を超えないが、DSC法による実測値では1.0を超えることがある。DSC法による実測値(H2/H1)が1.0を超えた場合も、上記数式(2)を満たすものとする。
H1及びH2は、JIS−K7122(1987)「プラスチックの転移熱測定方法」に準拠して測定することができる。具体的には、まず、樹脂を5mg採取して、アルミパンに入れる。示差走査熱量測定装置(例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の品番「RDC220」又はセイコーインスツル株式会社製の品番「DSC20」等)を用いて、昇温速度を毎分10℃として、溶融による樹脂の吸熱ピークにおける温度(融点)を測定し、吸熱ピークの面積S1を求める。そして、求められた吸熱ピークの面積S1から、H1を算出することができる。H1を算出してから、冷却速度を90℃/分として0℃まで冷却した後、昇温速度を毎分10℃として、溶融による樹脂の吸熱ピークにおける温度(融点)を測定し、吸熱ピークの面積S2を求める。そして、求められた吸熱ピークの面積S2から、H2を算出することができる。
H1及びH2は、示差走査熱量計(例えばセイコーインスツル株式会社製の品番「DSC210」)を用いて、以下に示す方法にしたがって測定することもできる。まず、0℃から180℃まで10℃/分の速度で標準試料と樹脂とを加熱し、標準試料の熱量と樹脂の熱量との差を測定する。測定された熱量の差が樹脂のDSC法による溶融熱H1である。その後、冷却速度を90℃/分として0℃まで冷却した後、0℃から180℃まで10℃/分の速度で標準試料と樹脂とを加熱し、標準試料の熱量と樹脂の熱量との差を測定する。測定された熱量の差が樹脂のDSC法による溶融熱H2である。
<着色剤>
着色剤は、脂肪族ポリエステル樹脂及び芳香族ポリエステル樹脂の少なくとも一方に分散されており、好ましくは0.3μm以下の粒径を有する。着色剤の粒径が0.3μm以下であれば、着色剤の分散性をより一層高めることができるので、画像の光沢度をより一層高めることができ、よって、所望の色目の実現が容易となる。
着色剤としては、従来公知の顔料等を特に限定されることなく使用できるが、コスト、耐光性、及び、着色性等の観点から以下の顔料を使用することが好ましい。なお、色彩構成上、これらの顔料は、通常、ブラック顔料とイエロー顔料とマゼンタ顔料とシアン顔料とに分類される。基本的には、ブラック以外の色彩(カラー画像)は、イエロー顔料、マゼンタ顔料又はシアン顔料の減法混色により調色される。以下に示す顔料を単独で用いても良いし、必要に応じて以下に示す顔料の2種以上を併用して用いても良い。
ブラック着色剤に含まれる顔料(ブラック顔料)としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック又はランプブラック等のカーボンブラックを用いても良いし、バイオマス由来のカーボンブラック等を用いても良いし、マグネタイト又はフェライト等の磁性粉を用いても良い。紫黒色染料であるニグロシン(アジン系化合物)を単独又は併用して用いても良い。ニグロシンとしては、C.I.ソルベントブラック7又はC.I.ソルベントブラック5等を用いることができる。
マゼンタ着色剤に含まれる顔料(マゼンタ顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、又は、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
イエロー着色剤に含まれる顔料(イエロー顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、又は、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
シアン着色剤に含まれる顔料(シアン顔料)としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、又は、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
<トナー粒子における任意の成分(顔料分散剤)>
トナー粒子における任意の成分の一例として、顔料分散剤が挙げられる。顔料分散剤は、トナー粒子において着色剤(顔料)を均一に分散させる作用を有するものであり、塩基性分散剤であることが好ましい。塩基性分散剤とは、以下に定義されるものをいう。すなわち、顔料分散剤0.5gと蒸留水20mlとをガラス製スクリュー管に入れ、そのガラス製スクリュー管をペイントシェーカーを用いて30分間振り混ぜた後、ろ過した。このようにして得られたろ液のpHをpHメータ(商品名:「D−51」、堀場製作所社製)を用いて測定し、そのpHが7より大きい場合を塩基性分散剤とする。なお、そのpHが7より小さい場合は、酸性分散剤と呼ぶものとする。
このような塩基性分散剤の種類は特に限定されない。塩基性分散剤は、例えば、アミン基、アミノ基、アミド基、ピロリドン基、イミン基、イミノ基、ウレタン基、四級アンモニウム基、アンモニウム基、ピリジノ基、ピリジウム基、イミダゾリノ基、又は、イミダゾリウム基等の官能基を分子内に有する化合物であることが好ましい。なお、分散剤としては、通常、分子中に親水性部分と疎水性部分とを有するいわゆる界面活性剤が該当する。しかし、トナー粒子において着色剤(顔料)を均一に分散させる作用を有するのであれば、界面活性剤に限定されず、種々の化合物を用いることができる。
このような塩基性分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ株式会社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)又は「アジスパーPB−881」(商品名)等を用いても良いし、日本ルーブリゾール株式会社製の「ソルスパーズ28000」(商品名)、「ソルスパーズ32000」(商品名)、「ソルスパーズ32500」(商品名)、「ソルスパーズ35100」(商品名)又は「ソルスパーズ37500」(商品名)等を用いても良い。
顔料分散剤としては、絶縁性液体に溶解しないものを選択することがより好ましい。この点を考慮すれば、味の素ファインテクノ株式会社製の「アジスパーPB−821」(商品名)、「アジスパーPB−822」(商品名)又は「アジスパーPB−881」(商品名)等を用いることがより好ましい。詳細なメカニズムは不明であるが、このような顔料分散剤を使用すると、所望の形状を有するトナー粒子が得られ易くなる。
このような顔料分散剤は、着色剤(顔料)に対して、1〜100質量%添加されていることが好ましく、1〜40質量%添加されていることがより好ましい。顔料分散剤の添加量が1質量%以上であれば、着色剤(顔料)の分散性を確保できるので、必要なID(画像濃度)を達成でき、また、定着強度を確保できる。顔料分散剤の添加量が100質量%以下であれば、顔料分散剤の添加量が過剰となることを防止できるので、顔料分散剤の余剰分が絶縁性液体へ溶解することを防止でき、よって、トナー粒子の荷電性又はトナー粒子の定着強度等を良好な状態に維持できる。上記顔料分散剤を単独で用いても良いし、必要に応じて上記顔料分散剤の2種以上を併用しても良い。
<絶縁性液体>
絶縁性液体は、その抵抗値が静電潜像を乱さない程度(1011〜1016Ω・cm程度)であることが好ましく、臭気及び毒性が低い溶媒であることが好ましい。絶縁性液体としては、一般的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素又はポリシロキサン等が挙げられる。特に、低臭気、低害性、低コスト等の観点から、絶縁性液体としては、ノルマルパラフィン系溶媒又はイソパラフィン系溶媒を用いることが好ましい。より好ましくは、モレスコホワイト(商品名、松村石油株式会社製)、アイソパー(商品名、エクソンモービル製)又はシェルゾール(商品名、シェルケミカルズジャパン株式会社製)等を用いることであり、IPソルベント1620、IPソルベント2028又はIPソルベント2835(いずれも商品名、出光興産株式会社製)等を用いることである。
<液体現像剤における任意の成分(トナー分散剤)>
液体現像剤における任意の成分の一例として、トナー分散剤が挙げられる。トナー分散剤は、液体現像剤においてトナー粒子を均一に分散させる作用を有するものであり、塩基性高分子分散剤を含むことを必須とする。その理由は次に示すとおりである。
トナー粒子に含まれる樹脂は、その末端にカルボキシル基を有している。そのため、トナー分散剤として塩基性高分子分散剤を用いると、そのカルボキシル基と塩基性高分子分散剤との相互作用によってトナー粒子の良好な分散状態を長期間にわたって維持できる。
また、トナー分散剤を介して絶縁性液体がトナー粒子に捕捉されることとなるので、一般的には、トナー分散剤の添加量を少量に抑えることが望まれている。トナー分散剤の添加量が増加すると、トナー粒子の定着後にトナー粒子とともに記録媒体に残存する絶縁性液体の量が増加する。これによって、トナー粒子が可塑化されるので、ドキュメントオフセットが発生し易くなる。
しかし、トナー分散剤として塩基性高分子分散剤を用いれば、トナー粒子と樹脂との間で上記相互作用が発生する。そのため、トナー分散剤の添加量が少量であるにも関わらず、液体現像剤におけるトナー粒子の分散性を高めることができる。よって、トナー粒子に捕捉される絶縁性液体の量が減少するので、ドキュメントオフセットの発生を極めて有効に防止できる。
さらに、塩基性高分子分散剤は、トナー粒子の定着時における熱によって、トナー粒子から容易に乖離すると考えられる。この点からも、トナー粒子に捕捉される絶縁性液体の量が減少するので、ドキュメントオフセットの発生を有効に防止できる。
このような塩基性高分子分散剤としては、例えば、アミン基、アミド基、イミン基、ピロリドン基、又は、ウレタン基等を分子内に有する含窒素樹脂であることが好ましい。特にアミド基、ピロリドン基又はウレタン基のいずれかを分子内に含む含窒素樹脂が好適である。トナー分散剤としてこのような塩基性高分子分散剤を用いれば、トナー分散剤の添加量をより一層少なく抑えることができる。
ウレタン基を分子内に含む含窒素樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基を末端に有する化合物とイソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られた化合物と、長鎖アルキル基を有するビニル化合物との共重合物等を挙げることができる。ヒドロキシル基を末端に有する化合物としては、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート又はヒドロキシエチルアクリレート等を挙げることができる。イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
塩基性高分子分散剤の具体例としては、例えば、BYK Chemie社製の「Disperbyk−109(アルキロールアミノアマイド)」(商品名)又は「Disperbyk−130(不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド)」(商品名)等が挙げられ、日本ルーブリゾール社製の「ソルスパーズ13940(ポリエステルアミン系)」(商品名)、「ソルスパーズ17000」(商品名)、「ソルスパーズ18000」(商品名)、「ソルスパーズ19000(脂肪酸アミン系)」(商品名)又は「ソルスパーズ11200」(商品名)等が挙げられる。
塩基性高分子分散剤の更に好ましい例としては、下記化学式(II)と下記化学式(III)との共重合体(すなわち長鎖アルキル基を有するビニル化合物とポリビニルピロリドンとの共重合体)を挙げることができる。このような共重合体としては、例えば、GAF/ISP Chemicals社製の「Antaron V−216」(商品名)、「Antaron V−220」(商品名)又は「Antaron W−660」(商品名)が挙げられる。
Figure 0006040973
上記化学式(II)中、R3は炭素数10〜30のアルキル基を示す。化学式(II)の化合物と化学式(III)の化合物との共重合比(モル比)は、特に限定されないが、20:80〜90:10の範囲とすることが好ましく、50:50〜90:10の範囲とすることがより好ましい。化学式(III)の化合物の割合が低くなると、トナー粒子の分散性が悪化することがある。化学式(II)のR3の炭素数が10未満では、トナー粒子の分散性が悪化することがある。化学式(II)のR3の炭素数が30を超えると、塩基性高分子分散剤が絶縁性液体に溶解し難くなることがある。
なお、塩基性高分子分散剤としては、上記材料を単独で用いても良いし、上記材料の2種以上を組み合わせて用いても良い。また、トナー分散剤としては、塩基性低分子分散剤又は酸性分散剤等のような他の分散剤を塩基性高分子分散剤と併用しても良い。
<トナー粒子の製造>
本実施形態のトナー粒子の製造方法は特に限定されないが、例えば造粒法又は粉砕法等の従来公知の技法に基づいて本実施形態のトナー粒子を製造できる。
粉砕法は、樹脂と顔料等の着色剤とを溶融混合してから粉砕するという方法である。この粉砕は、乾式状態又は絶縁性液体中での湿式状態で行われる。
造粒法には、トナー粒子の形成機構の違いから、懸濁重合法、乳化重合法、微粒子凝集法、樹脂溶液に貧溶媒を添加してトナー粒子を析出させる方法、又は、スプレードライ法等が含まれる。
小径でシャープな粒度分布を有するトナー粒子を得るためには、粉砕法よりも造粒法を採用することが好ましい。溶融性の高い樹脂又は結晶性の高い樹脂は、常温でも柔らかく粉砕され難い。そのため、粉砕法では、トナー粒子の粒径を所望の粒径に制御できないことがある。しかし、造粒法では、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることができる。
より好ましくは、樹脂溶液に貧溶媒を添加してトナー粒子を析出させる方法を採用する。この方法では、まず、樹脂を良溶媒に溶解させて樹脂溶液を得る。この樹脂溶液を界面張力調整剤(トナー分散剤)とともに貧溶媒(SP値が良溶媒とは異なる)に混合した後、せん断を与えて液滴を形成する。その後、良溶媒を揮発させると、トナー粒子が得られる。この方法では、せん断の与え方、界面張力差、又は、界面張力調整剤(トナー分散剤)を適宜調整することにより、トナー粒子の粒度又はトナー粒子の形状を高度に制御できる。よって、この方法は、所望の粒度分布及び所望の形状を有するトナー粒子を得る方法として好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に限定されない。
<製造例1:ビスフェノールAのPO(propylene oxide)付加物の合成>
撹拌及び温度調節機能を備えたオートクレープに、ビスフェノールA(228g)と水酸化カリウム(2g)とを入れ、135℃まで昇温した後、0.1〜0.4MPaの圧力条件下でプロピレンオキサイド(139g)を導入し、その後3時間に亘って反応させた。こうして得られた反応生成物に吸着剤(商品名「キョーワード600」、協和化学工業株式会社製)(16g)を投入し、90℃に保持しながら30分に亘って攪拌し熟成させた。その後ろ過を行い、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を得た。このプロピレンオキサイド付加物は、上記化学式(I)のmとnとの和(m+n)が2の化合物と、上記化学式(I)のmとnとの和(m+n)が3の化合物との混合物であった。
<製造例2:脂肪族ポリエステル樹脂A〜Cの合成>
かきまぜ棒とパーシャルコンデンサーと窒素ガス用導入管と温度計とが取り付けられた四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオール(脂肪族系モノマー、アルコール成分に由来する構成単位)とアジピン酸(脂肪族系モノマー、酸成分に由来する構成単位)とを入れた(モル比が約1:1)。攪拌しながら窒素ガスを導入し、重合触媒としてテトラブトキシチタネートを添加し、約170℃の温度で5時間、縮合重合させた。得られる脂肪族ポリエステル樹脂Aに対して0.2質量%のテトラブトキシチタネート(重合触媒)を添加した。
次に、温度を100℃程度にまで下げ、生成物100質量部に対してヒドロキノン(重合禁止剤)を0.012質量部添加して、縮合重合を停止させた。このようにして脂肪族ポリエステル樹脂Aを得た。
1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸との混合モル比を変更し、縮合重合の条件を変更して、脂肪族ポリエステル樹脂B及び脂肪族ポリエステル樹脂Cを得た。
JIS K 0070:1992(化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法)に記載の方法に準拠して脂肪族ポリエステル樹脂A〜Cの酸価を測定した。その結果を表1に示す。
GPCにより脂肪族ポリエステル樹脂A〜CのMnを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006040973
表1において、「脂肪族モノマーに由来する構成単位の含有割合(質量%)*11」とは、脂肪族ポリエステル樹脂において、アルコール成分に由来する構成単位と酸成分に由来する構成単位との両構成単位における脂肪族系モノマーに由来する構成単位の含有割合を意味する。
<製造例3:芳香族ポリエステル樹脂a、bの合成>
かきまぜ棒とパーシャルコンデンサーと窒素ガス用導入管と温度計とが取り付けられた四つ口フラスコに、製造例1で得られたビスフェノールAのPO付加物(芳香族系モノマー、アルコール成分に由来する構成単位)とイソフタル酸(芳香族系モノマー、酸成分に由来する構成単位)とを入れた(モル比が約1:1)。攪拌しながら窒素ガスを導入し、重合触媒としてテトラブトキシチタネートを添加し、約170℃の温度で5時間、縮合重合させた。得られる芳香族ポリエステル樹脂aに対して0.2質量%のテトラブトキシチタネート(重合触媒)を添加した。
次に、温度を100℃程度にまで下げ、生成物100質量部に対してヒドロキノン(重合禁止剤)を0.012質量部添加して、縮合重合を停止させた。このようにして芳香族ポリエステル樹脂aを得た。
ビスフェノールAのPO付加物とイソフタル酸との混合モル比を変更し、縮合重合の条件を変更して、芳香族ポリエステル樹脂bを得た。製造例2に記載の方法にしたがって、芳香族ポリエステル樹脂a、bの酸価及びMnを測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006040973
表2において、「芳香族モノマーに由来する構成単位の含有割合(質量%)*21」とは、芳香族ポリエステル樹脂において、アルコール成分に由来する構成単位と酸成分に由来する構成単位との両構成単位における芳香族系モノマーに由来する構成単位の含有割合を意味する。
<製造例4:芳香族ポリエステル樹脂c〜fの合成)
かきまぜ棒とパーシャルコンデンサーと窒素ガス用導入管と温度計とが取り付けられた四つ口フラスコに、製造例1で得られたビスフェノールAのPO付加物(芳香族系モノマー、アルコール成分に由来する構成単位)とイソフタル酸(芳香族系モノマー、酸成分に由来する構成単位)とトリメリット酸(芳香族系モノマー、酸成分に由来する構成単位)とを入れた(モル比が約1:0.95:0.05)。攪拌しながら窒素ガスを導入し、約170℃の温度で5時間、縮合重合させた。
次に、温度を100℃程度にまで下げ、生成物100質量部に対してヒドロキノン(重合禁止剤)を0.012質量部添加して、縮合重合を停止させた。このようにして芳香族ポリエステル樹脂cを得た。
ビスフェノールAのPO付加物とイソフタル酸とトリメリット酸との混合モル比を変更し、縮合重合の条件を変更して、芳香族ポリエステル樹脂d〜fを得た。製造例2に記載の方法にしたがって、芳香族ポリエステル樹脂c〜fの酸価及びMnを測定した。その結果を表2に示す。
<製造例5>(着色剤の分散液の製造)
ビーカーに、銅フタロシアニン(着色剤、商品名「FASTGEN Blue FDB−14」、DIC株式会社製)20質量部と、着色剤用分散剤(商品名「アジスパーPB−821」、味の素ファインテクノ株式会社製)5質量部と、アセトン75質量部とを入れた。銅フタロシアニンを均一に分散させた後、ビーズミルによって銅フタロシアニンを微分散した。このようにして着色剤の分散液を得た。着色剤の分散液における銅フタロシアニンの体積平均粒径は0.2μmであった。
<製造例6>(樹脂形成用溶液Y1の製造)
20質量部の脂肪族ポリエステル樹脂Aと80質量部の芳香族ポリエステル樹脂eとを150質量部のアセトンに溶解して樹脂形成用溶液Y1を得た。
<製造例7>(樹脂形成用溶液Y2の製造)
20質量部の脂肪族ポリエステル樹脂Bと80質量部の芳香族ポリエステル樹脂fとを150質量部のアセトンに溶解して樹脂形成用溶液Y2を得た。
<実施例1>
ヘンシェルミキサーを用いて、5質量部の脂肪族ポリエステル樹脂Aと、95質量部の芳香族ポリエステル樹脂eと、20質量部の銅フタロシアニン(着色剤、商品名「FASTGEN Blue FDB−14」、DIC株式会社製)とを十分に混合した。その後、二軸混練押出機を用いて溶融混合した後に冷却した。得られた固形物を粗粉砕した後、ジェット粉砕機を用いて微粉砕した。このようにして平均粒径が6μmであるトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子34質量部と、1質量部のトナー分散剤(塩基性高分子分散剤、商品名「Antaron V−216」、GAF/ISP Chemicals社製)と、100質量部の絶縁性液体(商品名「IPソルベント2028」、出光興産株式会社製)と、100質量部のジルコニアビーズとを混合してから、サンドミルを用いて50時間撹拌した。このようにして本実施例の液体現像剤が得られた。
<実施例2、4、6〜9、比較例1〜3>
表3に記載のように脂肪族ポリエステル樹脂の種類若しくは含有率又は芳香族ポリエステル樹脂の種類若しくは含有率を変更したことを除いては実施例1に記載の方法にしたがって、液体現像剤を製造した。
Figure 0006040973
<実施例3>
ビーカーに、40質量部の樹脂形成用溶液Y1と20質量部の着色剤の分散液(製造例5)とを入れた。TKオートホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて25℃で8000rpmで撹拌し、着色剤を均一に分散させた。このようにして樹脂溶液を得た。
次に、15質量部のトナー分散剤(塩基性高分子分散剤、商品名「ソルスパーズ11200」、(日本ルーブリゾール株式会社製)を85質量部の絶縁性液体(商品名「IPソルベント2028」、出光興産株式会社製)に溶解させた。このようにして分散剤溶液を得た。
別のビーカーに、67質量部の絶縁性液体(商品名「IPソルベント2028」、出光興産株式会社製)と11質量部の分散剤溶液とを入れて、均一に分散させた。その後、TKオートホモミキサーを用いて25℃で10000rpmで撹拌させながら60質量部の上記樹脂溶液を入れ、2分間撹拌させた。得られた混合液を、撹拌装置と加熱冷却装置と温度計と脱溶剤装置とが取り付けられた反応容器に入れた。35℃に昇温させた後、0.039MPaの減圧下でアセトン濃度が0.5質量%以下になるまでアセトンを留去した。このようにして液体現像剤を得た。
<実施例5>
樹脂形成用溶液Y1を樹脂形成用溶液Y2に変更したことを除いては実施例3に記載の方法にしたがって、液体現像剤を得た。
<トナー粒子の平均粒径の測定>
フロー式粒子像分析装置(商品名「FPIA-3000」、シスメックス株式会社製)を用いて、液体現像剤におけるトナー粒子の平均粒径を測定した。フロー溶媒としては、絶縁性液体と同じく商品名「IPソルベント2028」(出光興産株式会社製)を用いた。30mgの分散剤(商品名「ソルスパーズS13940」、日本ルーブリゾール株式会社製)を含むフロー溶媒(20g)に、50mgのトナー粒子を加えた。超音波分散器(商品名「ウルトラソニッククリーナーモデル VS-150」、ウエルボクリア社製)を用いて、得られた懸濁液に対して約5分間、分散処理を行なった。このようにして得られたサンプルを用いてトナー粒子のメジアン径D50を測定した。その結果を表3に示す。
<凝集性の評価>
図1に示す装置を用いてトナー粒子の凝集性を調べた。まず、上述の方法にしたがって、トナー粒子のメジアン径D50(回転前のメジアン径D50)を求めた。次に、200gの液体現像剤21を現像槽1に入れ、互いに同じ向きに回転する第1ローラ3及び第2ローラ5を図1に示すように配置した。図1に示す装置では、液体現像剤21は、第1ローラ3で汲み上げられて第2ローラ5へ送られる。このような第1ローラ3及び第2ローラ5を3時間回転させた後、トナー粒子のメジアン径D50(回転後のメジアン径D50)を求めた。下記数式を用いてトナー粒子のメジアン径D50の変化率を求めた。結果を表3に示す。
(トナー粒子のメジアン径D50の変化率)=(回転後のメジアン径D50)÷(回転前のメジアン径D50)。
表3では、トナー粒子のメジアン径D50の変化率が1.2未満であった場合に「A1」と記し、トナー粒子のメジアン径D50の変化率が1.2以上1.5未満であった場合に「B1」と記し、トナー粒子のメジアン径D50の変化率が1.5以上であった場合に「C1」と記す。トナー粒子のメジアン径D50の変化率が低いほどトナー粒子は凝集し難い、と言える。
<定着性の評価>
まず、後述の方法にしたがって、記録媒体(OKトップコートプラス、128g/m2、王子製紙株式会社製)に画像を形成した。記録媒体へのトナー粒子の付着量は3g/m2であった。その後、熱ローラ定着器を用いて、未定着画像を記録媒体に定着させた。ここで、ローラの設定温度は100℃であり、定着NIP時間は30msecであり、熱ローラ定着器を通過した直後の記録媒体の温度は80℃であった。
次に、画像が定着された記録媒体における測定対象部位にテープ(商品名「スコッチメンディングテープ」、住友スリーエム株式会社製)を貼り付けた後、そのテープを剥離させた。次に、反射濃度計(商品名:「X−Rite model 404」、X−Rite社製)を用いて、テープに剥離された画像の画像濃度(ID)を求めた。その結果を表3に示す。
表3では、画像濃度が0.1未満であった場合に「A2」と記し、画像濃度が0.1以上0.15未満であった場合に「B2」と記し、画像濃度が0.15以上であった場合に「C2」と記す。この画像濃度が低いほど、定着画像がテープによって剥離され難いので、トナー粒子の定着性に優れる、と言える。また、本実施例では定着時のローラの設定温度は100℃であり熱ローラ定着器を通過した直後の記録媒体の温度は80℃であるので、上記画像濃度が低ければ低温での定着が実現されていると言える。
<画像の形成>
図2に示す画像形成装置を用いて画像を形成した。図2に示す画像形成装置の構成を以下に示す。液体現像剤21は、アニロックスローラ23により現像槽22内から汲み上げられる。アニロックスローラ23上の余剰の液体現像剤21は、アニロックス規制ブレード24により掻き取られ、残余の液体現像剤21は、ならしローラ25に送られる。ならしローラ25上では、液体現像剤21は厚さが均一且つ薄くなるように調整される。
ならしローラ25上の液体現像剤21は、現像ローラ26へ送られる。現像ローラ26上の液体現像剤21は現像チャージャー28により帯電されて感光体29上に現像され、余剰の液体現像剤は現像クリーニングブレード27により掻き取られる。詳細には、感光体29の表面は、帯電部30により一様に帯電されており、感光体29の周囲に配置された露光部31は、所定の画像情報に基づく光を感光体29の表面に照射する。これにより、感光体29の表面には、所定の画像情報に基づく静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像されることにより、トナー像が感光体29上に形成される。なお、感光体29上の余剰の液体現像剤はクリーニングブレード32に掻き取られる。
感光体29上に形成されたトナー像は一次転写部37において中間転写体33に一次転写され、中間転写体33に転写された液体現像剤は二次転写部38において記録媒体40に二次転写される。二次転写されずに中間転写体33に残った液体現像剤は、中間転写体クリーニング部34により掻き取られる。
本実施例では、感光体29の表面は帯電部30によりプラスに帯電しており、中間転写体33の電位は−400Vであり、二次転写ローラ35の電位は−1200Vであった。記録媒体40の搬送速度は400mm/sであった。
<考察>
表3に示すように、比較例1では実施例1〜9に比べて定着性が低下した。この結果から、トナー粒子は脂肪族ポリエステル樹脂を5質量%以上含むことが好ましいと言える。
比較例2では、実施例1〜9に比べて、凝集性が低下した。この結果から、トナー粒子は脂肪族ポリエステル樹脂を30質量%以下含むことが好ましいと言える。
比較例3では、実施例1〜9に比べて、凝集性が低下した。この結果から、酸価の差が15mgKOH/g以上であることが好ましいと言える。
実施例1〜5、7及び8では、実施例6及び9に比べて、定着性に更に優れた。この結果から、樹脂の酸価は20mgKOH/g以上であることが更に好ましいと言える。
実施例1〜7及び9では、実施例8に比べて、凝集性に更に優れた。この結果から、酸価の差は20mgKOH/g以上であることが更に好ましいと言える。
今回開示された実施の形態及び実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 現像槽、3 第1ローラ、5 第2ローラ、21 液体現像剤、22 現像槽、23 アニロックスローラ、24 アニロックス規制ブレード、25 ならしローラ、26 現像ローラ、27 現像クリーニングブレード、28 現像チャージャー、29 感光体、30 帯電部、31 露光部、32 クリーニングブレード、33 中間転写体、34 中間転写体クリーニング部、35 二次転写ローラ、37 一次転写部、38 二次転写部、40 記録媒体。

Claims (4)

  1. 絶縁性液体と、前記絶縁性液体に分散されたトナー粒子とを備える液体現像剤であって、
    前記トナー粒子は、樹脂と着色剤とを有し、
    前記樹脂は、5質量%以上30質量%以下の脂肪族ポリエステル樹脂と、70質量%以上95質量%以下の芳香族ポリエステル樹脂とを含み、
    前記脂肪族ポリエステル樹脂の酸価と前記芳香族ポリエステル樹脂の酸価との差が15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である液体現像剤。
  2. 前記樹脂の酸価は20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記脂肪族ポリエステル樹脂の酸価と前記芳香族ポリエステル樹脂の酸価との差は20mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の液体現像剤。
  4. 前記樹脂は5質量%以上25質量%以下の前記脂肪族ポリエステル樹脂を含む請求項1〜3のいずれかに記載の液体現像剤。
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