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JP5994669B2 - 光輝性トナー及びその製造方法、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 - Google Patents

光輝性トナー及びその製造方法、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光輝性トナー及びその製造方法、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置に関する。
金属光沢のごとき輝きを有する画像を形成する目的から、光輝性のトナーが用いられている。
金属光沢を有する静電荷像現像用トナーを提供するため、少なくとも結着樹脂と金属光沢を呈するのに十分な金属粉末とを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、優れた光輝性を有する画像を形成し得るトナーを提供するため、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であるトナーが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−067558号公報 特開2012−032765号公報
本発明は、粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成される光輝性トナーを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、請求項1に係る発明は、
光輝性顔料と、結着樹脂と、水溶性ケイ酸化合物とを含有し、前記水溶性ケイ酸化合物が前記結着樹脂に分散している光輝性トナーである。
請求項2に係る発明は、
前記水溶性ケイ酸化合物が、オルトケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の光輝性トナーである。
請求項3に係る発明は、
前記水溶性ケイ酸化合物の含有量が、0.005質量%以上0.5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナーである。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーを少なくとも含む現像剤である。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーを収容するトナーカートリッジである。
請求項6に係る発明は、
請求項4に記載の現像剤を収容すると共に、前記現像剤を保持して搬送する現像剤保持体を備えるプロセスカートリッジである。
請求項7に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を請求項4に記載の現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
前記像保持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
を有する画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーを製造する過程で、前記水溶性ケイ酸化合物の水溶液を使用する光輝性トナーの製造方法である。
請求項1〜請求項3に係る発明によれば、水溶性ケイ酸化合物を含有しない場合に比較して、粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成される光輝性トナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、水溶性ケイ酸化合物を含有しない場合に比較して、粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成される現像剤が提供される。
請求項5に係る発明によれば、水溶性ケイ酸化合物を含有しない場合に比較して、粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成される光輝性トナーを収容したトナーカートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によれば、水溶性ケイ酸化合物を含有しない場合に比較して、粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成される光輝性トナーを収容するプロセスカートリッジが提供される。
請求項7に係る発明によれば、水溶性ケイ酸化合物を含有しない場合に比較して、粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成される光輝性トナーを用いた画像形成装置が提供される。
請求項8に係る発明によれば、水溶性ケイ酸化合物を含有する光輝性トナーが容易に得られる。
本実施形態のトナーを概略的に示す断面図である。 本実施形態のトナーの製造に用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の光輝性トナー及びその製造方法、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ並びに画像形成装置の実施形態について詳細に説明する。
<光輝性トナー及びその製造方法>
本実施形態の光輝性トナー(以下、本実施形態のトナーと称することがある。)は、光輝性顔料と、結着樹脂と、水溶性ケイ酸化合物とを含有する。
なお、本実施形態において「光輝性」とは、本実施形態の光輝性トナーによって形成された画像を視認した際に金属光沢のごとき輝きを有することを表す。
本実施形態の光輝性トナーを用いることにより、粒状感に優れる光輝性カラー画像が形成される。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
従来、トナー中に扁平形状の光輝性顔料を含有した光輝性トナーが知られている。
光輝性顔料を用いた銀トナー(光輝性トナー)とカラートナーとを併用して電子写真方式にて光輝性カラー画像を形成する際には、光輝性トナーを用いて光輝性トナー像を現像する現像工程や、光輝性トナーの上にカラートナーを重ねた多重トナー層を一括転写する転写工程が含まれる。光輝性顔料は金属製が一般的である。そのため現像工程や転写工程において、光輝性顔料は静電誘導を起こしやすい。該静電誘導の影響により光輝性顔料を含む光輝性トナーの長手方向が、現像電界や転写電界に沿いやすい。現像電界や転写電界に対して光輝性トナーの長手方向が沿うために、像保持体(感光体)、中間転写体、記録媒体(用紙)のそれぞれの面に対して光輝性トナーが立ちあがってしまう状態になりやすい。特に、光輝性顔料を含む光輝性トナーのトナー層の上にさらにカラートナー層を形成して一括転写する場合、転写電圧に起因する静電誘導によって光輝性顔料を含むトナー層とカラートナー層の配置が部分的に乱れ、顔料の配向性が悪化し、結果としてベタ画像等において粒状感に劣る画像となってしまうことがある。
本実施形態の光輝性トナーは、水溶性ケイ酸化合物を含有するものであるところ、トナー中にケイ酸イオンのモノマーやオリゴマーが存在することで、光輝性トナー中において部分的に電気抵抗が低下し、導体である光輝性顔料が電気抵抗の低下した部位で取り囲まれる。すると現像電界、転写電界に対して静電遮蔽効果が生じ、光輝性顔料への静電誘導が緩和される。この効果によりトナー層の乱れや光輝性トナーの配向性の悪化が防止され、粒状感に優れる光輝性カラー画像が形成されるものと推察される。
本実施形態のトナーは、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であることが望ましい。
比(A/B)が2以上であることは、入射光が入射する側(角度−側)への反射よりも入射する側とは反対側(角度+側)への反射が多いことを表し、即ち入射した光の乱反射が抑制されていることを表す。入射した光が様々な方向へ反射する乱反射が生じた場合、その反射光を目視にて確認すると色がくすんで見える。そのため、比(A/B)が2未満である場合、その反射光を視認しても光沢が確認できず光輝性に劣る場合がある。
一方、比(A/B)が100を超えると、反射光を視認し得る視野角が狭くなり過ぎ、正反射光成分が大きいために見る角度によって黒っぽく見えてしまう場合がある。また、比(A/B)が100を超えるトナーは、製造も困難である。
尚、上記比(A/B)は、50以上100以下であることがより望ましく、60以上90以下であることが更に望ましく、70以上80以下であることが特に望ましい。
・変角光度計による比(A/B)の測定
ここで、まず入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。
また、受光角を−30°および+30°とするのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
次いで、比(A/B)の測定方法について説明する。
本実施形態においては、比(A/B)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、定着温度190℃、定着圧力4.0kg/cmにて、トナー載り量が4.5g/cmのベタ画像を形成する。尚、前記「ベタ画像」とは印字率100%の画像を指す。
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。尚、反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とした。これらの測定結果から比(A/B)が算出される。
<トナーの構成>
本実施形態のトナーは、前述の比(A/B)を満たす観点から下記(1)乃至(2)の要件を満たすことが望ましい。
(1)トナーの平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長い
(2)トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上である
ここで、図1に上記(1)乃至(2)の要件を満たすトナーを概略的に示す断面図を示す。尚、図1に示す概略図は、トナーの厚さ方向への断面図である。
図1に示すトナー2は、厚さLよりも円相当径が長い扁平状のトナーであり、鱗片状の顔料粒子4(光輝性顔料に相当)を含有している。
図1に示すごとく、トナー2が厚さLよりも円相当径が長い扁平状であると、画像形成の現像工程や転写工程において、トナーが像保持体や中間転写体、記録媒体等に移動する際、このトナーの電荷を最大限打ち消すように移動する傾向にあるため、付着する面積が最大となるようトナーが並ぶと考えられる。即ち、最終的にトナーが転写される記録媒体上において、扁平状のトナーはその扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。また画像形成の定着工程においても、定着する際の圧力によって、扁平状のトナーはその扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。
そのため、このトナー中に含有される鱗片状の顔料粒子のうち上記(2)に示される「トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲にある」との要件を満たす顔料粒子は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する顔料粒子の割合が抑制されるため、前述の比(A/B)の範囲が達成されるものと考えられる。また、入射光に対して乱反射する顔料粒子の割合が抑制されると、見る角度により反射光強度が大きく変化するため、より理想的な光輝性が得られる。
次いで、本実施形態のトナーを構成する成分について説明する。
−光輝性顔料−
本実施形態に用いられる光輝性顔料としては、例えば、以下のものが用いられる。アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛などの金属粉末等である。
前記金属粉末の表面は、シリカ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等で被覆されていてもよい。
本実施形態のトナーにおける、前記光輝性顔料の含有量としては、後述の結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上70質量部以下が望ましく、5質量部以上50質量部以下がより望ましい。
−結着樹脂−
本実施形態に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂;ポリスチレン、α−ポリメチルスチレン等のスチレン系樹脂;ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの共重合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、定着画像の表面の平滑性が高く、さらなる光輝性が実現されるポリエステル樹脂を用いることが望ましい。
以下においては、特に望ましく用いられるポリエステル樹脂について説明する。
本実施形態のポリエステル樹脂とは、例えば、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。
前記多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられ、これらの多価カルボン酸が1種または2種以上用いられる。
これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を用いることが望ましい。また、良好なる定着性を確保するため、架橋構造又は分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが望ましい。
前記多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種または2種以上が用いられる。
これら多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が望ましく、このうち芳香族ジオールがより望ましい。また、より良好なる定着性を確保するため、架橋構造又は分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
(ポリエステル樹脂の製造方法)
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造される。例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、高分子量化するためには通常1/1程度が望ましい。
ポリエステル樹脂の製造の際に使用し得る触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;およびアミン化合物等が挙げられる。
−水溶性ケイ酸化合物−
本実施形態に用いられる水溶性ケイ酸化合物としては、例えば、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水ガラス、ケイ酸カリウム、三ケイ酸マグネシウム等が挙げられるが、これら具体例に限定されるものではない。水溶性ケイ酸化合物は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本実施形態においてケイ酸化合物が「水溶性」であるとは、25℃の水100gへ溶解する量が0.1g以上のことをいう。このとき所望の溶解量を得るために、水溶液のpHを調整してもよい。
本実施形態に用いられる水溶性ケイ酸化合物としては、オルトケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましく、メタケイ酸ナトリウムであることがより好ましい。
本実施形態に用いられるケイ酸化合物は水溶性であることが必要である。ケイ酸化合物が水溶性であれば、ケイ酸イオンをモノマーからオリゴマー状態でトナー中に存在させることが容易になり、トナー中に、部分的に電気抵抗が低下した部位を形成しやすくなると推察される。その結果、本実施形態の効果である粒状感に優れる光輝性カラー画像の形成が達成されるものと考えられる。トナー中にケイ酸イオンをモノマーからオリゴマー状態で存在させるためには、トナーを製造する過程で、水溶性ケイ酸化合物の水溶液を使用することが望ましい。例えば、ケイ酸化合物を水溶液の状態で添加する工程を有することが望ましい。
このような工程を経ることで、水溶性ケイ酸化合物を結着樹脂中に分散させやすくなる。
一方、ケイ酸化合物が不溶性の場合、トナー中に、部分的に電気抵抗が低下した部位を形成することは困難であると考えられる。ケイ酸イオンをモノマーからオリゴマー状態でトナー中に存在させることが困難となるからである。不溶性ケイ酸化合物として、例えば、シリカ粒子をトナー中に内添剤として添加した場合、トナーの溶融粘度が上昇し、定着における光輝性顔料の配向性が妨げられ、本実施形態のトナーを用いて形成されたトナー像が光輝性を発現しにくくなることがある。
本実施形態のトナーに含有される水溶性ケイ酸化合物の含有量としては、0.005質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下であることが更に好ましい。
水溶性ケイ酸化合物の含有量は、下記方法により測定される。
本実施形態のトナーを、結着樹脂に対して良溶媒と、水溶性であって結着樹脂に対して貧溶媒と、の混合溶媒に溶解させて溶解液を調製し、該溶解液にアンモニアを添加してアルカリ性とする。次いで、アルカリ性とされた溶解液に超純水を滴下してトナー乳化液を調製する。このトナー乳化液を遠心分離又はろ過することで、水溶性ケイ酸化合物を含む水溶液を得る。該水溶液に溶解している水溶性ケイ酸化合物の種類及び含有量をICP発光分析装置や、ろ紙に吸収させて蛍光X線分析装置で測定することにより、水溶液中のケイ素原子量を測定し、二酸化ケイ素量として換算することで、本実施形態のトナーに含有される水溶性ケイ酸化合物の含有量が求められる。
結着樹脂に対する良溶媒及び水溶性の貧溶媒の種類及び混合比率は、結着樹脂の種類により選択される。結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の良溶媒としては、例えば、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が挙げられる。具体的には、例えば、蟻酸、酢酸、酪酸等のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等エステル類、アセトン、MEK、MPK、MIPK、MBK、MIBK等のメチルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等のベンゼン類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などが挙げられる。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の水溶性の貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の短炭素鎖アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF、アセトンなどが挙げられる。
−その他の添加剤−
本実施形態においては、上記した成分以外にも、更に必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の種々の成分を用いてもよい。
本実施形態のトナーは、離型剤を含有してもよい。本実施形態において用いられる離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナバワックス;等が挙げられる。これらの離型剤の融解温度は、50℃以上100℃以下が望ましく、60℃以上95℃以下がより望ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。
帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体を含む染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
−トナーの特性−
・平均最大厚さCおよび平均円相当径D
前記(1)に示すとおり、本実施形態のトナーは、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことが望ましい。尚、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.500以下の範囲にあることがより望ましく、0.010以上0.200以下の範囲が更に望ましく、0.050以上0.100以下の範囲が特に望ましい。
比(C/D)が0.001以上であることにより、トナーの強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方0.500以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
上記平均最大厚さCおよび平均円相当径Dは、以下の方法により測定される。
トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1000個のトナーについて、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」(キーエンス社製)により1000倍に拡大して最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
・トナーの断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度
前記(2)に示すとおり、トナーの厚さ方向への断面を観察した場合に、トナーの該断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数が、観察される全顔料粒子のうち60%以上であることが望ましい。更には、上記数が70%以上95%以上であることがより望ましく、80%以上90%以下であることが特に望ましい。
上記の数が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
ここで、トナー断面の観察方法について説明する。
トナーをビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機(本実施形態においては、LEICAウルトラミクロトーム(日立テクノロジーズ社製)を使用)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。この観察サンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率5000倍前後でトナー粒子の断面を観察する。観察された1000個のトナーについて、トナーの断面における長軸方向と顔料粒子の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる顔料粒子の数を、画像解析ソフトを用いて数えその割合を計算する。
尚、「トナーの断面における長軸方向」とは、前述の平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いトナーにおける厚さ方向と直行する方向を表し、また「顔料粒子の長軸方向」とは、顔料粒子における長さ方向を表す。
また、本実施形態のトナーの体積平均粒子径は1μm以上30μm以下であることが望ましく、より望ましくは3μm以上20μm以下である。
なお、上記体積平均粒子径D50vは、マルチサイザーII(コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒子径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒子径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒子径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v1/2として算出される。
本実施形態のトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して外添剤を添加することで作製してもよい。
トナー粒子の製造方法は特に限定されず、公知である混練・粉砕法等の乾式法や、乳化凝集法や溶解懸濁法等の湿式法等によって作製される。
本実施形態のトナーの製造方法は、光輝性トナーを製造する過程で水溶性ケイ酸化合物の水溶液を使用するものであることが好ましい。水溶性ケイ酸化合物の水溶液を使用することにより、トナーの結着樹脂中に水溶性ケイ酸化合物をケイ酸イオンのモノマーやオリゴマーとして分散させることが容易になる。
混練・粉砕法は、光輝性顔料等の各材料を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練して、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で粉砕し、風力分級機により、目的とする粒子径のトナー粒子を得る方法である。
混練・粉砕法は、より詳細には、光輝性顔料及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程と、前記混錬物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。本実施形態に係る混練・粉砕法では、混練工程において水溶性ケイ酸化合物の水溶液を添加(使用)することが望ましい。
混練・粉砕法に係る各工程について詳しく説明する。
−混錬工程−
混錬工程は、光輝性顔料及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する。
混錬工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。当該水系媒体の一部又は全部として水溶性ケイ酸化合物の水溶液を用いてもよい。
混錬工程に用いられる混錬機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混錬機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混錬機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
図2は、本実施形態のトナーの製造方法における混錬工程で用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混錬されて形成された混錬物を排出する排出口18と、から構成されている。
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混錬工程により溶融混錬するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混錬されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混錬工程により溶融混錬し混錬物を形成するニーディング部NB、及び形成された混錬物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお図2は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。
結着樹脂、光輝性顔料、及び必要に応じて離型剤等を含むトナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混錬される。結着樹脂及び離型剤は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。
次に、ニーディング部NAにおける混錬を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また図2では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、トナー形成材料の温度が保たれる。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混錬されて形成された混錬物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図2に示したスクリュー押出機11を用いた混錬工程が行われる。
−冷却工程−
冷却工程は、上記混錬工程において形成された混錬物を冷却する工程であり、冷却工程では、混錬工程終了の際における混錬物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混錬物の冷却速度が遅い場合、混錬工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(光輝性顔料と、必要に応じてトナー粒子内に内添される離型剤等の内添剤との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混錬工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混錬工程終了の際における混錬物の温度(例えば図2のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混錬物の供給量、混錬物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが好ましい。
−粉砕工程−
冷却工程により冷却された混錬物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
−分級工程−
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
−外添工程−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着させてもよい。外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲が望ましく、0.3質量部以上2質量部以下の範囲がより望ましい。
−篩分工程−
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
本実施形態においては、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、コアシェル構造などトナー粒子構造の制御範囲も広い乳化凝集法を用いてもよい。以下、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
本実施形態の乳化凝集法はトナー粒子を構成する原料を乳化して樹脂粒子(乳化粒子)等を形成する乳化工程と、該樹脂粒子の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを有する。本実施形態に係る乳化凝集法では、凝集工程又は融合工程において水溶性ケイ酸化合物の水溶液を添加(使用)することが望ましい。
(乳化工程)
樹脂粒子分散液の作製は一般的な重合法による樹脂粒子分散液作製、例えば乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法などを用いる他にも、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより乳化して行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。さらに、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水であることが望ましい。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
前記乳化液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒子径)は1.0μm以下が望ましく、60nm以上300nm以下の範囲であることがより望ましく、さらに望ましくは150nm以上250nm以下の範囲である。60nm以上では、樹脂粒子が分散液中で不安定な粒子となりやすいため、該樹脂粒子の凝集が容易となる場合がある。また1.0μm以下であると、トナーの粒子径分布が狭くなる場合がある。
離型剤分散液の調製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の融解温度以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力が付与されるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理する。このような処理を経ることにより、離型剤分散液が得られる。分散処理の際、ポリ塩化アルミニウム等の無機化合物を分散液に添加してもよい。望ましい無機化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、高塩基性ポリ塩化アルミニウム(BAC)、ポリ水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が望ましい。上記離型剤分散液は乳化凝集法に用いられるが、トナーを懸濁重合法により製造する際にも上記離型剤分散液を用いてもよい。
分散処理により、体積平均粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液が得られる。なお、より望ましい離型剤粒子の体積平均粒子径は、100nm以上500nm以下である。
体積平均粒子径が100nm以上では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれやすくなる。また、500nm以下の場合には、トナー中の離型剤の分散状態が良好となる。
光輝性顔料分散液の調製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。光輝性顔料は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。分散させた光輝性顔料の体積平均粒子径は20μm以下であればよいが、3μm以上16μm以下の範囲であれば、凝集性を損なうことなく且つトナー中の光輝性顔料の分散が良好で望ましい。
また、光輝性顔料と結着樹脂とを溶剤に分散・溶解して混合し、転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、結着樹脂で被覆された光輝性顔料の分散液を調製してもよい。
(凝集工程)
凝集工程においては、樹脂粒子の分散液、光輝性顔料分散液、離型剤分散液等を混合して混合液とし、樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。前記撹拌条件により比(C/D)を好ましい範囲にすることが可能となる。より具体的には凝集粒子を形成する段階で撹拌を高速に、かつ加熱することによって比(C/D)を小さくすることができ、撹拌をより低速に、かつより低温で加熱することによって比(C/D)を大きくすることができる。なおpHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
また、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、複数回に分割して添加しても良い。
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
前記無機金属塩としては、特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。より狭い粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
また、前記凝集粒子が所望の粒子径になったところで樹脂粒子分散液を追添加することで(被覆工程)、コア凝集粒子の表面を樹脂で被覆した構成のトナーを作製しても良い。この場合、離型剤や光輝性顔料がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
(融合工程)
融合工程においては、前記凝集工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。
本実施形態においては、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させるためのアルカリ成分として、水溶性ケイ酸化合物の水溶液を添加(使用)してもよい。
また、前記樹脂で被覆した場合には、該樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、樹脂のガラス転移温度近傍(ガラス転移温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
得られたトナー粒子には、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物等が外添剤として添加付着される。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行うことができ、段階を分けて付着させてもよい。外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲が望ましく、0.3質量部以上2質量部以下の範囲がより望ましい。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いてもよい。
また、上述した無機酸化物等以外にも、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を外添剤として添加させてもよい。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、無色または淡色のものが望ましく使用される。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される粒子が挙げられる。なお、これらの無機粒体や有機粒体は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用される。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
次いで、溶解懸濁法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
溶解懸濁法は、結着樹脂、光輝性顔料、及び、必要に応じて用いられる離型剤等のその他の成分を含む材料を、前記結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解又は分散させた液を、無機分散剤を含有する水媒体中で造粒した後、前記溶媒を除去することでトナー粒子を得る方法である。本実施形態に係る溶解懸濁法では、前記結着樹脂が溶解可能な溶媒中又は無機分散剤を含有する水媒体中に、水溶性ケイ酸化合物の水溶液を添加(使用)することが望ましい。また、本実施形態に係る溶解懸濁法では、無機分散剤を含有する水媒体中に固形の水溶性ケイ酸化合物を添加することで、水溶性ケイ酸化合物を水溶液として使用してもよい。
溶解懸濁法に用いられるその他の成分としては、離型剤の他、帯電制御剤、有機粒子等の種々の成分が挙げられる。
本実施形態において、これらの結着樹脂、光輝性顔料、及び、必要に応じて用いられるその他の成分は、結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解または分散される。結着樹脂が溶解可能か否かは、結着樹脂の構成成分、分子鎖長、三次元化の度合いなどに依存するので一概に言い切れないが、一般的にはトルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のアルコールまたはエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジメチルオキシド、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトンまたはアセタールなどが使用される。
これらの溶媒は結着樹脂を溶解するものであり、光輝性顔料及びその他の成分を溶解する必要はない。光輝性顔料及びその他の成分は結着樹脂溶液中に分散できればよい。溶媒の使用量には制限がないが、水媒体中に造粒できる粘度であればよい。結着樹脂、光輝性顔料及びその他の成分を含む材料(前者)と溶媒(後者)との比で、10/90乃至50/50(前者/後者の質量比)が造粒し易さ及び最終的なトナー粒子の収率の点で好ましい。
溶媒中に溶解または分散された結着樹脂、光輝性顔料及びその他の成分の液(トナー母液)は無機分散剤を含有する水媒体中で予め定められた粒径になるように造粒される。水媒体は、主に水が用いられる。水媒体とトナー母液の混合比は、水媒体/母液=90/10乃至50/50(質量比)が好ましい。無機分散剤としてはリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン及びシリカ粉末から選択されるものが好ましい。無機分散剤の使用量は造粒される粒子の粒子径に応じて決定されるが、一般的にはトナー母液に対して0.1質量%以上15質量%以下の範囲で用いられるのが好ましい。0.1質量%以上であれば造粒が良好に行われやすく、15質量%以下であれば不必要な微細粒子が発生しづらく目的の粒子が高収率で得られやすい。
無機分散剤を含有する水媒体中でトナー母液を良好に造粒するために、水媒体中に助剤を加えてもよい。かかる助剤としては公知の陽イオンタイプ、陰イオンタイプ及びノニオンタイプの界面活性剤があり、特に陰イオンタイプのものが好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム、アルキルスルフォン酸ナトリウム等があり、これらはトナー母液に対して1×10-4質量%以上0.1質量%以下の範囲で用いられるのが好ましい。
無機分散剤を含有する水媒体中でのトナー母液の造粒は剪断下で行われるのが好ましい。水媒体中に分散されるトナー母液は望ましくは平均粒子径が20μm以下に造粒される。特に3μm以上15μm以下が好ましい。
剪断機構を備えた装置としては各種の分散機があり、なかでもホモジナイザーが好ましい。ホモジナイザーを用いることで、互いには相溶しない物質(本実施形態では無機分散剤を含有する水媒体とトナー母液)をケーシングと回転するロータとの間隙を通過させることで、ある液体中にその液体とは相溶しない物質を粒子状に分散させられる。係るホモジナイザーとしてはTKホモミキサー、ラインフローホモミキサー、オートホモミキサー(以上、特殊機化工業株式会社製)、シルバーソンホモジナイザー(シルバーソン社製)、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ(KINEMATICA)AG社製)などがある。
ホモジナイザーを用いた撹拌条件は、ロータの羽根の周速で2m/秒以上が好ましい。周速が2m/秒以上であれば粒子化が良好となる傾向にある。本実施形態では無機分散剤を含有する水媒体中でトナー母液を造粒した後に溶媒を取り除く。溶媒の除去は常温(25℃)、常圧で行ってもよいが、除去までに長い時間を要するため、溶媒の沸点より低く、かつ沸点との差が80℃以下の範囲の温度条件で行うのが好ましい。圧力は常圧でも減圧でもよいが、減圧する際は20mmHg以上150mmHg以下で行うのが好ましい。
本実施形態のトナーは溶媒除去後に、塩酸等で洗浄するのが好ましい。これによりトナー粒子表面に残存する無機分散剤を除去して、トナー粒子本来の組成にして特性を向上させることができる。ついで、脱水、乾燥すれば粉体のトナー粒子を得ることができる。
溶解懸濁法により得られたトナー粒子には、乳化凝集法の場合と同様、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物等が外添剤として添加付着される。また、上述した無機酸化物等以外にも、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を外添剤として添加させてもよい。
<現像剤>
本実施形態のトナーは、そのまま一成分現像剤として用いてもよく、またキャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲にあり、望ましくは30μm以上100μm以下の範囲にある。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤における本実施形態のトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下の範囲が望ましく、3:100以上20:100以下の範囲がより望ましい。
<トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を本実施形態の現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、前記像保持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、を有するものである。
本実施形態の画像形成装置は、例えば、像保持体上に保持された各トナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す画像形成装置や、各色毎の現像手段を備えた複数の像保持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型画像形成装置等であってもよい。
なお、本実施形態の画像形成装置において、例えば、本実施形態の現像剤を収納した現像手段を含む部分が画像形成装置に対して脱着するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。本実施形態のプロセスカートリッジは、現像剤を収容すると共に、前記現像剤を保持して搬送する現像剤保持体を備えるプロセスカートリッジであってもよい。また、現像手段に供給する補充用のトナーとして本実施形態のトナーを収納する部分が画像形成装置に対して脱着するカートリッジ構造(トナーカートリッジ)であってもよい。
本実施形態の画像形成装置により、像保持体表面を帯電する帯電工程と、前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を本実施形態の現像剤によりトナー像として現像する現像工程と、前記像保持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写工程と、を有する本実施形態の画像形成方法が実施される。
以下に、図面を参照しながら本実施形態の画像形成装置について説明する。
図3は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。本実施形態の画像形成装置は、像保持体としての感光体が複数、即ち画像形成ユニット(画像形成手段)が複数設けられたタンデム型の構成に係るものである。
本実施形態の画像形成装置は、図3に示すように、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンそしてブラックの各色のトナー画像を形成する4つの画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kと、光輝性トナー画像を形成する画像形成ユニット50Bが、間隔をおいて並列的に(タンデム状に)配置されている。なお、各画像形成ユニットは、中間転写ベルト33の回転方向上流側から、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50K、50Bの順に配列されている。
ここで、各画像形成ユニット50Y、50M、50C、50K、50Bは、収納されている現像剤中のトナーの色を除き同様の構成を有しているため、ここではイエロー画像を形成する画像形成ユニット50Yについて代表して説明する。尚、画像形成ユニット50Yと同様の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、銀(B)を付した参照符号を付すことにより、各画像形成ユニット50M、50C、50K、50Bの説明を省略する。
イエローの画像形成ユニット50Yは、像保持体としての感光体21Yを備えており、この感光体21Yは、図示の矢印A方向に沿って図示しない駆動手段によって予め定められたプロセススピードで回転駆動されるようになっている。感光体21Yとしては、例えば、赤外領域に感度を持つ有機感光体が用いられる。
感光体21Yの上部には、帯電ロール(帯電手段)28Yが設けられており、帯電ロール28Yには、不図示の電源により予め定められた電圧が印加され、感光体21Yの表面が予め定められた電位に帯電される。
感光体21Yの周囲には、帯電ロール28Yよりも感光体21Yの回転方向下流側に、感光体21Yの表面を露光して静電潜像を形成する露光装置(静電潜像形成手段)19Yが配置されている。なお、ここでは露光装置19Yとして、スペースの関係上、小型化が実現されるLEDアレイを用いているが、これに限定されるものではなく、他のレーザービーム等による静電潜像形成手段を用いても勿論問題無い。
また、感光体21Yの周囲には、露光装置19Yよりも感光体21Yの回転方向下流側に、イエロー色の現像剤を保持する現像剤保持体を備える現像装置(現像手段)20Yが配置されており、感光体21Y表面に形成された静電潜像を、イエロー色のトナーによって顕像化し、感光体21Y表面にトナー画像を形成する構成になっている。
感光体21Yの下方には、感光体21Y表面に形成されたトナー画像を一次転写する中間転写ベルト(一次転写手段)33が、5つの感光体21Y,21M,21C,21K、21Bの下方に渡るように配置されている。この中間転写ベルト33は、一次転写ロール17Yによって感光体21Yの表面に押し付けられている。また、中間転写ベルト33は、駆動ロール22、支持ロール23及びバイアスロール24の3つのロールによって張架され、感光体21Yのプロセススピードと等しい移動速度で、矢印B方向に周動されるようになっている。中間転写ベルト33表面には、イエローのトナー画像が一次転写され、更にマゼンタ、シアン、ブラック、及び銀(光輝性)の各色のトナー画像が順次一次転写され、積層される。
また、感光体21Yの周囲には、一次転写ロール17Yよりも感光体21Yの回転方向(矢印A方向)下流側に、感光体21Yの表面に残留したトナーやリトランスファーしたトナーを清掃するためのクリーニング装置15Yが配置されている。クリーニング装置15Yにおけるクリーニングブレードは、感光体21Yの表面にカウンター方向に圧接するように取り付けられている。
中間転写ベルト33を張架するバイアスロール24には、中間転写ベルト33を介して二次転写ロール(二次転写手段)34が圧接されている。中間転写ベルト33表面に一次転写され積層されたトナー画像は、バイアスロール24と二次転写ロール34との圧接部において、図示しない用紙カセットから給紙される記録紙(記録媒体)P表面に、静電的に転写される。この際、中間転写ベルト33上に転写、積層されたトナー画像は銀トナー画像が一番上(最上層)になっているため、記録紙P表面に転写されたトナー画像では、銀トナー画像が一番下(最下層)になる。
また、二次転写ロール34の下流には、記録紙P上に多重転写されたトナー画像を、熱及び圧力によって記録紙P表面に定着して、永久像とするための定着器(定着手段)35が配置されている。
なお、定着器35としては、例えば、表面にフッ素樹脂成分やシリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を用い、ベルト形状を有する定着ベルト、及び、表面にフッ素樹脂成分やシリコーン系樹脂に代表される低表面エネルギー材料を用い、円筒状の定着ロールが挙げられる。
次に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、そして銀(光輝性)の各色の画像を形成する各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50K、50Bの動作について説明する。各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50K、50Bの動作は、それぞれ同様であるため、イエローの画像形成ユニット50Yの動作を、その代表として説明する。
イエローの現像ユニット50Yにおいて、感光体21Yは、矢印A方向に予め定められたプロセススピードで回転する。帯電ロール28Yにより、感光体21Yの表面は予め定められた電位にマイナス帯電される。その後、感光体21Yの表面は、露光装置19Yによって露光され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。続いて、現像装置20Yによりマイナス帯電されたトナーが反転現像され、感光体21Yの表面に形成された静電潜像は感光体21Y表面に可視像化され、トナー画像が形成される。その後、感光体21Y表面のトナー画像は、一次転写ロール17Yにより中間転写ベルト33表面に一次転写される。一次転写後、感光体21Yは、その表面に残留したトナー等の転写残留成分がクリーニング装置15Yのクリーニングブレードにより掻き取られ、清掃され、次の画像形成工程に備える。
以上の動作が各画像形成ユニット50Y,50M,50C,50K、50Bで行われ、各感光体21Y,21M,21C,21K、21B表面に可視像化されたトナー画像が、次々と中間転写ベルト33表面に多重転写されていく。カラーモード時は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、そして銀(光輝性)の順に各色のトナー画像が多重転写されるが、二色、三色モード時のときもこの順番で、必要な色のトナー画像のみが単独又は多重転写されることになる。その後、中間転写ベルト33表面に単独又は多重転写されたトナー画像は、二次転写ロール34により、図示しない用紙カセットから搬送されてきた記録紙P表面に二次転写され、続いて、定着器35において加熱・加圧されることにより定着される。二次転写後に中間転写ベルト33表面に残留したトナーは、中間転写ベルト33用のクリーニングブレードで構成されたベルトクリーナ26により清掃される。
なお、イエローの画像形成ユニット50Yは、イエロー色の現像剤を保持する現像剤保持体を含む現像装置20Yと感光体21Yと帯電ロール28Yとクリーニング装置15Yとが一体となって画像形成装置本体から着脱するプロセスカートリッジとして構成されている。また、画像形成ユニット50B、50K、50C及び50Mも画像形成ユニット50Yと同様にプロセスカートリッジとして構成されている。
また、トナーカートリッジ40Y、40M、40C、40K及び40Bは、各色のトナーが収納され、画像形成装置に着脱するカートリッジであり、それぞれの色に対応した現像装置と、図示しないトナー供給管で接続されている。そして、各トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジの交換がなされる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
[実施例1]
−乳化凝集法によるトナー製造−
<結着樹脂の合成>
・アジピン酸ジメチル:74部
・テレフタル酸ジメチル:192部
・ビスフェノールAエチレンオキシド付加物:216部
・エチレングリコール:38部
・テトラブトキシチタネート(触媒):0.037部、
上記成分を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち攪拌しながら昇温した後、160℃で7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂を合成した。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(島津社製:DSC−50)を用い、室温(25℃)から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移温度は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とした。結着樹脂のガラス転移温度は63.5℃であった。
<樹脂粒子分散液の調製>
・結着樹脂:160部
・酢酸エチル:233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
上記成分を1000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学(株)製)により撹拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに90rpmで撹拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(固形分濃度:30%)を得た。
<離型剤分散液の調製>
・カルナウバワックス(東亜化成(株)製、RC−160 ):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.0部
・イオン交換水:200部
以上を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で360分間の分散処理をして、離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度:20%)を調製した。
<金属酸化物により表面を被覆された光輝性顔料(シリカで被覆されたアルミニウム顔料)の作製>
メタノール500部にアルミニウム顔料(昭和アルミニウム(株)品番2173、固形分65%)を154部(アルミ分として100部)加え、60℃で1.5時間撹拌した。その後、スラリーにアンモニアを加えスラリーのpH値を8.0に調整した。次に、pH調整したスラリーにテトラエトキシシラン50部を加え、さらに60℃で5時間撹拌した。その後、スラリーをろ過し、得られた被覆されたアルミニウム顔料を含むスラリーを110℃で3時間乾燥し、シリカで被覆されたアルミニウム顔料を得た。
<光輝性顔料分散液の調製>
・シリカで被覆されたアルミニウム顔料:100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) :1.5部
・イオン交換水 :900部
以上を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製、CR1010)を用いて1時間分散して、シリカで被覆されたアルミニウム顔料を分散させてなる光輝性顔料分散液(固形分濃度:10%)を調製した。
<光輝性トナー1の作製>
・光輝性顔料分散液:400部
・樹脂粒子分散液:375部
・離型剤分散液:50部
上記成分を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、攪拌回転数を1000rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2乃至3.5の範囲に制御した。上記pHの範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は10.4μmであった。
次に、樹脂粒子分散液:125部を追添加し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。さらに56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、凝集粒子を融合させるために0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液を100部添加してpHを8.0に上げた後、67.5℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、67℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後40μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.2μmであった。
トナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)を1.5部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)を1.0部とを、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分して光輝性トナー1を作製した。
光輝性トナー1の体積平均粒子径は12.2μmであった。結果をまとめて下記表1に示す。
−ケイ酸化合物の含有量の測定−
光輝性トナー1の10部を、結着樹脂に対して良溶媒であるMEKを10部と水溶性であって結着樹脂に対して貧溶媒である2−プロパノールを3部との混合溶媒に撹拌して溶解させて光輝性トナー1の溶解液を調製した。該溶解液に10%アンモニア0.5部を撹拌しながら添加してアルカリ性とした。次いで、アルカリ性とされた溶解液に超純水30部を滴下してトナー乳化液を調製した。このトナー乳化液を10000rpmで遠心分離することで、水相中に溶解したケイ酸化合物を抽出した水溶性ケイ酸化合物を含む水溶液を得た。該水溶液をろ紙に吸収させて蛍光X線分析装置(ZSX PrimusII リガク社製)で測定することにより、水溶液中のケイ素原子量を測定し、二酸化ケイ素量として換算することで、トナーに含有される水溶性ケイ酸化合物の含有量を求めた。
光輝性トナー1に係る水溶性ケイ酸化合物(メタケイ酸ナトリウム)の含有量は、0.025質量%であった。
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(体積平均粒子径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロアクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒子径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、パーフルオロアクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成用溶液を調合した。次いでこの被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
<現像剤の作製>
光輝性トナー1:36部とキャリア:414部とを、2リットルのVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して光輝性現像剤1を作製した。
(イエロー着色剤分散液の調製)
・C.I.Pigment Yellow74(大日精化製): 50部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬): 5部
・イオン交換水: 192.9部
上記成分を混合し、アルティマイザ(スギノマシン社製)により240MPaで10分処理し、イエロー着色剤分散液を得た。固形分濃度は20%だった。
(シアン着色剤分散液の調製)
着色剤をC.I.Pigment Yellow74からC.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)(大日精化製)に変更した以外はイエロー着色剤分散液の調製と同様にして、シアン着色剤分散液を調製した。固形分濃度は20%だった。
(マゼンタ着色剤分散液の調製)
着色剤をC.I.Pigment Yellow74からC.I.Pigment Red 122(キナクリドン)(大日精化製)に変更した以外はイエロー着色剤分散液の調製と同様にして、マゼンタ着色剤分散液を調製した。固形分濃度は20%だった。
<イエロートナーの製造>
・樹脂粒子分散液:400部
・イエロー着色剤分散液:35部
・離型剤分散液:80部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK):1.30部
上記原料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラララックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散混合した。ついで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.14部を滴下しはじめ、プレ凝集を促進した。
次に、攪拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒーターにて加熱し始め、52℃にて2時間保持し、凝集粒子の成長を促進させた。その後、樹脂粒子分散液:190部を追添加し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子径を確認しながら凝集粒子を整えた。
その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.5に上げた後、90℃まで昇温させた。昇温後、90℃で3時間保持し、顕微鏡で粒子が融合したのを確認した後90℃で保持したまま、再度pHを6.5まで下げて、1時間後に加熱を止め、放冷した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥した。以上のように造粒したトナー粒子の体積平均粒子径は7.3μmであった。
得られたトナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)1.5部を、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してイエロートナーを調製した。
<イエロー現像剤の製造>
キャリアとイエロートナーとを、それぞれ100部:8部の割合で2リッターのVブレンダーで混合し、イエロー現像剤を製造した。
<シアントナー及びシアン現像剤の製造>
イエロー着色剤分散液をシアン着色剤分散液に変更した以外はイエロートナーの製造と同様にしてシアントナーを製造した。得られたシアントナーを用いてイエロー現像剤の場合と同様にしてシアン現像剤を製造した。
<マゼンタトナー及びマゼンタ現像剤の製造>
イエロー着色剤分散液をマゼンタ着色剤分散液に変更した以外はイエロートナーの製造と同様にしてマゼンタトナーを製造した。得られたマゼンタトナーを用いてイエロー現像剤の場合と同様にしてマゼンタ現像剤を製造した。
−評価−
光輝性現像剤1、イエロー現像剤、シアン現像剤及びマゼンタ現像剤を、富士ゼロックス(株)社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、記録紙(OKトップコート+紙、王子製紙(株)社製)上に、DocuCentre−III C7600を用いて、未定着の状態で出力した。次にこの未定着画像を定着温度190℃にて定着した。このときの定着圧力は4.0kg/cm、速度は160mm/sであった。また画像は最下層に光輝性トナー層を形成した。電子写真学会テストチャートNo.5−1(日本画像学会)を用い、カラー階調パッチ部分の青、緑、赤部分の最も濃い色の画像について、得られたベタ画像に対して、下記方法により粒状感を評価した。結果を表1に示す。
−粒状感−
G4:粒状感に問題は確認されない。
G3:僅かに粒状感が劣る。
G2:粒状感が劣るが、許容範囲である。
G1:粒状感が劣り、許容できない。
[実施例2]
0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液に替えて、0.1mol/Lのオルトケイ酸ナトリウム水溶液を用いてpH調整を行った以外は実施例1と同様にして光輝性トナー2及び光輝性現像剤2を得た。得られた光輝性トナー2及び光輝性現像剤2を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液に替えて、0.1mol/Lのケイ酸カリウム水溶液を用いてpH調整を行った以外は実施例1と同様にして光輝性トナー3及び光輝性現像剤3を得た。得られた光輝性トナー3及び光輝性現像剤3を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液を200部添加してpHを9.0に上げた以外は実施例1と同様にして光輝性トナー4及び光輝性現像剤4を得た。光輝性トナー1及び光輝性現像剤1に替えて、光輝性トナー4及び光輝性現像剤4を用いた以外は実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液を20部添加してpHを7.0に上げた以外は実施例1と同様にして光輝性トナー5及び光輝性現像剤5を得た。光輝性トナー1及び光輝性現像剤1に替えて、光輝性トナー5及び光輝性現像剤5を用いた以外は実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
−溶解懸濁法によるトナー製造−
・実施例1において合成した結着樹脂:100部
・シリカで被覆されたアルミニウム顔料:20部
・酢酸エチル:110部、
・カルナウバワックス:6部
・0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液:50部
上記成分をボールミルで48時間分散した(この液をA液とした。)。一方炭酸カルシウム(平均粒径80nm)120部、水80部をボールミルで48時間分散後、炭酸カルシウム分散液14部とカルボキシメチルセルロース(商品名「セロゲンBS−H」:第一工業製薬社製)の2%水溶液200部を攪拌した(この液をB液とした)。次に乳化機(商品名「オートホモミキサー」:特殊機化工業社製)でB液100部を攪拌し、その中にA液400部をゆっくり投入して混合液を懸濁した。その後減圧下で攪拌回転数を1000rpmにして溶媒を除去し、次いで6N塩酸を200部加えて炭酸カルシウムを除去し、さらに水洗し、乾燥及び分級してトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は12.5μmであった。
このトナー粒子を用いた以外は実施例1と同様にして光輝性トナー6及び光輝性現像剤6を得た。光輝性トナー1及び光輝性現像剤1に替えて、光輝性トナー6及び光輝性現像剤6を用いた以外は実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
−混練・粉砕法によるトナー製造−
・実施例1において合成した結着樹脂:600部
・シリカで被覆されたアルミニウム顔料:160部
・カルナウバワックス(東亜化成(株)製、RC−160):40部
以上を計量した後、ボールミルなどの粉体混合機で混合した。得られた混合物をスクリュー押出機(エクストルーダ)、ロールミル、ニーダなどで加熱溶融させて混練した。0.1mol/Lに調製したメタケイ酸ナトリウム水溶液35部を添加しながら、さらに混練した。混練の完了後、得られた混練物を冷却し、固化させた。固化した混練物を先ず最初にハンマーミル、カッターミルなどの粗粉砕機で粗粉砕し、さらに続けて、ジェットミルなどの微粉砕機で微粉砕した。微粉砕の完了後、微小粒子及び粗大粒子を除去するため、エルボージェットなどにより得られた微粉砕粒子を分級した。得られたトナー粒子の体積平均粒子径は13.2μmであった。
このトナー粒子を用いた以外は実施例1と同様にして光輝性トナー7及び光輝性現像剤7を得た。光輝性トナー1及び光輝性現像剤1に替えて、光輝性トナー7及び光輝性現像剤7を用いた以外は実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
0.1mol/Lのメタケイ酸ナトリウム水溶液に替えて、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整を行った以外は実施例1と同様にして光輝性トナー8及び光輝性現像剤8を得た。得られた光輝性トナー8及び光輝性現像剤8を用いた以外は実施例1と同様にして評価した。得られた結果を表1に示す。
2 トナー
4 顔料粒子
13 支持ロール
15 クリーニング装置
17 一次転写ロール
19 露光装置
20 現像装置
21 感光体
22 駆動ロール
24 バイアスロール
26 ベルトクリーナ
28 帯電ロール
34 二次転写ロール
35 定着器
40 トナーカートリッジ
50 画像形成ユニット

Claims (8)

  1. 光輝性顔料と、結着樹脂と、水溶性ケイ酸化合物とを含有し、前記水溶性ケイ酸化合物が前記結着樹脂に分散している光輝性トナー。
  2. 前記水溶性ケイ酸化合物が、オルトケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1に記載の光輝性トナー。
  3. 前記水溶性ケイ酸化合物の含有量が、0.005質量%以上0.5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の光輝性トナー。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーを少なくとも含む現像剤。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーを収容するトナーカートリッジ。
  6. 請求項4に記載の現像剤を収容すると共に、前記現像剤を保持して搬送する現像剤保持体を備えるプロセスカートリッジ。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体表面を帯電する帯電手段と、
    前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像を請求項4に記載の現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、
    前記像保持体表面に形成された前記トナー像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    を有する画像形成装置。
  8. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性トナーを製造する過程で、前記水溶性ケイ酸化合物の水溶液を使用する光輝性トナーの製造方法。
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