JP5982658B2 - カバー付き水栓 - Google Patents
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Description
この種の水栓では、壁裏の元配管に接続状態に壁に取り付けた水側及び湯側の一対のクランク脚によって水栓本体を支持することができる。
また水側及び湯側の左右一対のクランク脚を壁面と平行方向に回転させてその回転角度を調整し、また一対のクランク脚の元配管へのねじ込み量をそれぞれ調節することで、水栓本体を水平姿勢に姿勢調節したり、水栓本体と壁との間隔を左右(使用者から見た正面視において左右)均等にしたり、或いは水栓本体の、左右一対のクランク脚との接続部間の間隔と、壁側の水及び湯の元配管の接続部間の間隔のずれを吸収したりすることができる。
具体的にはカバー付き水栓の場合、カバーが水栓の外観を成すために水栓の本体ボデーに余剰の肉を付けてその外面を凹凸の無いフラットな形に形成したりしなくても良く、重量を軽量化することができる。
またカバーによって、使用者が直接本体ボデーに触れるのを防ぐことが可能となり、従来本体ボデーに設けていたウォータージャケット構造を省くことも可能となる。
更にカバー付き水栓にあっては、カバーの種類を変えることで様々な外観を水栓に与えることが可能となる。
例えば下記特許文献1,特許文献2にこの種のクランク脚付きのカバー付き水栓が開示されている。
但しこの場合、カバーの壁側の端と壁との間に、クランク脚の壁へのねじ込み量のばらつき等の施工上の誤差により隙間が生じ、その隙間が水栓の美観を損なう要因となる。
但しこの特許文献3に開示のものは、水栓カバー(30)の外面の外側に端部カバーを位置させて隙間を隠蔽するものであり、この場合、端部カバーの、水栓カバー(30)の外側に位置している部分が段付形状となって外側に現れてしまい、その段違い部分が外観上目立つ部分となって水栓の美観を損なってしまい、また水栓の品位を低下させてしまう。
更にこの特許文献3に開示のものは、水栓カバー(30)付きの状態で水栓本体を壁に固定するものであり、これらの点で本発明とは異なる。
またクランク脚に汚れが付き易かったり、またその汚れの掃除がしにくいことでクランク脚に汚れが付いたままとなり易く、そのことが水栓の美観を悪化させる問題を解決でき、クランク脚付きの水栓の美観を高めることができる。
また湯側のクランク脚をカバーの内側に覆っておくことができるため、使用者が意図しない動きで湯側のクランク脚に触れてしまって熱い思いをしたり、場合によって火傷をしてしまう恐れも無くすことができる。
ここで水栓主体は、水栓本体に固定された金属製等の剛性のブラケットを含んで構成しておくことができる。
そうすると本体カバーの上面カバー部に対して、隙間カバーの上面が相対的に大きく傾いてしまい、また隙間カバーが大きく傾くことで隙間カバーと壁との間に隙間を生ぜしめてしまい、そのことが水栓の美観を悪化させる要因となる。
ここで上面カバー部側の位置とは、本体カバーの全高に対して半分より上側の位置を意味するが、出来得る限り上面カバー部に近い位置であることが望ましい。
例えば本体カバーを樹脂の成形品となした場合、成形の際に一対の側面カバー部が開く方向に成形品、即ち本体カバーが反り変形してしまうことがある。
本体カバーがそのような反り変形を生じていると施工の仕上り状態が悪化し、水栓の美観が低下する。
そしてこれにより水栓設置状態の美観を良好に保持することができる。
即ち壁に対して隙間カバーを押し当てる作業を容易に行うことができ、作業が行い難いことによって隙間カバーと壁との間に隙間が生じてしまったり、或いはその隙間がばらついてしまったりするのを防ぐことができる。
特にそのような壁への当接状態で隙間カバーを水栓主体に固定する場合、片方の手(指)で開口部を通じ被押圧部を押して隙間カバーを壁に押し当てた状態で、もう片方の手で固定作業を行う際の作業がし易くなり、固定作業中に隙間カバーが壁から部分的に離れてしまって、壁との間に隙間を生じてしまった状態で隙間カバーを固定してしまうといったことを防ぐことができる。
図1〜図4において、10はクランク脚を備えた壁付きのカバー付き水栓(混合水栓)(以下単に水栓とすることがある)で、図7に示しているようにハウジングをなす本体ボデー12の内部に温調弁ユニット,切替弁ユニットその他の水栓機構部を内蔵した水栓本体14と、壁W(図5参照)裏に配管された給水用の元配管,給湯用の元配管からの水,湯をそれぞれ水栓本体14に供給する給水用の配管,給湯用の配管を兼ねた水側のクランク脚16,湯側のクランク脚18と、それらを囲い込むカバー(ここでは樹脂製)20を含んで構成されている。
ここで本体ボデー12は金属の鋳物から成っている。但し外面の研磨及びメッキ処理は施されておらず、外面は鋳肌そのままとなっている。
ここで水側のクランク脚16及び湯側のクランク脚18における一対の管体24は、正面視においてハ字状をなしている。
そしてこの袋ナット26により管体24の先端部が水栓本体14、詳しくは本体ボデー12に備えられた、外周面に雄ねじを有する水側,湯側の接続口28にねじ接続されている。
ここで袋ナット26及び接続口28は、それぞれその軸線が壁W(厳密にはその壁面)と直交する方向を向いている。
その際、クランク脚16,18の壁Wと平行方向の回転角度や壁Wへのねじ込み量の調整によって、水栓本体14が正しく水平姿勢で壁Wに取り付けられる。
また左右一対のクランク脚16,18のねじ込み量を調節することで、水栓本体14と壁Wとの間隔が左右均等に調整される。
尚図3,図6において、30は壁W裏の元配管とクランク脚16の管体22との接続部を覆って隠蔽する椀座である。
尚、カラン側の吐水口32の先端部には雄ねじ部が設けられていて、そこにキャップ35(図2参照)が螺着されている。
本体ボデー12にはまた、左右方向(使用者からの正面視における左右方向)の中央部の前面に、その前面から前方に部分的に突出するブロック状の被係合部36が一体に設けられている。
この被係合部36には、その下面で開口する雌ねじ穴37が上下向きに設けられている。
ここで温調ハンドル38は、回転操作によって吐水の温度調節を行う。また切替ハンドル40は、回転操作によってカラン側の吐水口32からの吐水と、シャワーエルボ34からの吐水との切替えを行うとともに、カラン側の吐水口32及びシャワーエルボ34からの吐水の流量調節と吐止水とを行う。
ここで一対の側面カバー部52には、温調ハンドル38と切替ハンドル40とを突出させるための逆U字状の切欠部54が設けられている。
各筒形状部84は、上壁部と下壁部及び一対の側壁部とを有しており、その上壁部が、上面カバー部48との間に隙間を形成し、その隙間に後述の隙間カバー46の板状のスライド部86(図10及び図11参照)を挿入させて、これを前後方向にスライド可能に保持するスライド保持部150を構成している。
更に一対の側面カバー部52のそれぞれの内面からは、板状の突出片156が突き出している。
各突出片156の下部は、側面カバー部52の内面との間にスリット状の隙間を形成する係合片(係合部)158とされている。
上部56は、下方に進むにつれて前方に迫り出す湾曲形状とされており、また下部58は、下方に進むにつれて水栓本体14側に後向きに移行する傾斜形状とされている。
図12に示しているようにこの傾斜形状の下部58は、その下端が水栓本体14、詳しくは本体ボデー12の下端に近い位置まで下向きに延び出している。
尚下カバー44は、その前端部が斜め上向きに湾曲して延びており、その湾曲部62が上カバー42の前面カバー部50、詳しくはその下部58の下端に繋がっている。
下カバー44はまた、水栓本体12の前部の側面の一部を覆う左右一対の起立部64を有している。
尚この下カバー44の下面カバー部60には、図9にも示しているように水栓本体14の上記のカラン側の吐水口32を下向きに突出させるための円形且つ貫通の開口部68と、シャワーエルボ34を下向きに突出させるための左右に長円形状をなす貫通の開口部70とが左右方向の中央部に設けられている。
脚カバー部60Bは、図2に示しているように下向きに湾曲して突出した逆ブリッジ状をなしており、管体22に組み込まれた止水栓の回転式の操作部72、及びストレーナを脱着操作するための回転式の操作部74を操作するための開口部76をその前端位置に形成している。
ここで開口部76は、使用者側の前方に向けて開口した正面方向の開口部とされている。
ここで上面閉鎖部78の上面は上向きの突出し部を有しないフラットな面とされている。
具体的には、隙間カバー46は、上面閉鎖部78の左右両端部において前方に延出する板状のスライド部86を有していて、このスライド部86が、上カバー21の上記のスライド保持部150と上面カバー部48との間の隙間に挿入され、かかるスライド部86において隙間カバー46が上カバー42のスライド保持部150により前後方向にスライド可能に保持されている。
この被固定部154には、前後方向に延び且つ前端で開口する長穴状の挿通部88が設けられている。
隙間カバー46は、この被固定部154において上カバー42に固定される。
即ち隙間カバー46が、被固定部154において固定部152により上カバー42に固定される。
ここで上面カバー部48側とは、上面カバー部48からの距離が本体カバー21全高さの1/2以下の範囲内であることを意味する。
尚このとき、下カバー44もまた上カバー42,隙間カバー46とともに同時に固定される。
ここで爪170には傾斜形状のカム面172が設けられている。
これら爪170は、上カバー42の上記の筒形状部84の一方の側壁部を掛止部174としてそこに掛止し、水栓10の施工時等において隙間カバー46の上カバー42からの抜けを防止する。
これら被係合部160は、上カバー42の上記の係合片158と側面カバー部52との間に形成されるスリット状の隙間に挿入されて係合片158に係合される。
そして係合片158と被係合部160との係合により一対の側面カバー部52が左右方向に拘束される。
その際、隙間カバー46を壁Wに向けて押圧操作し、壁W側に移動させるための被押圧部176が隙間カバー46に設けられている。
左右方向中央の被押圧部178を押圧操作することで、隙間カバー46を左右バランス良く全体的に後方移動させることができる。
その際、この実施形態では下カバー44に設けた長穴状の貫通の開口部70を、その押圧作業用の開口部として利用することができる。
これら曲げ部180,182は、隙間カバー46のスライド移動時に、下カバー44の下面カバー部60の内面上を前後方向に移動せしめられる。
係合部100は、水栓本体14の上記の被係合部36の直下に位置して、被係合部36に対し上向きに係合せしめられており、上カバー42の前部に上向きの力が加わった場合においても、それらの係合作用により、上カバー42の前部が浮上り防止されている。
この板状の係合部100は、左右の両端面が3角形状の補強リブ104にて前面カバー部50における下部58の内面に連結されており、この補強リブ104によって係合部100が強度補強されている。
但し係合部100の主たる働きは水栓本体14の被係合部36に上向きに係合して、上カバー42前部の浮上り防止することにあり、従ってビス108による固定は省くことが可能である。
一方水栓本体14、詳しくは本体ボデー12には、平面視において対応する左,右位置に、詳しくは組付状態で固定部112と上下に対向する位置に一対の鍔状の被固定部114が一体に設けられている。
これら被固定部114には貫通の挿通孔116が設けられている。
上カバー42は、一対の固定部112において水栓本体14の対応する一対の被固定部114に固定されている。
この実施形態では、下カバー44もまた、図7及び図9に示す固定部122において、水栓本体14の被固定部114に対し、上カバー42とともに固定されている。
即ち上カバー42と下カバー44とが、共通の1つのビス120によって水栓本体14に同時に固定されている。
尚下カバー44においても、水栓本体14の上記のフランジ部132に対して左右方向の両外側から係合し、下カバー44を水栓本体14に対して左右方向に位置決めするリブ138(図7,図9参照)が、下カバー44の内面から水栓本体14に向けて上向きに突出する状態に設けられている。
また下カバー44には、上カバー42の側面カバー部52の内面に嵌合して、下カバー44と上カバー42との組付けの左右方向位置を規定するリブ148が、起立部64とは段違い形状で設けられている。
これらストッパ部134は、図12(B)に示しているように水栓本体14における本体ボデー12の前面に当接して、上カバー42を水栓本体14に対して前後方向に位置決めする働きをなす。
これら一対のリブ128はまた、ストッパ部134の後側で前後方向に延び、水栓本体14に対して下向きに当接するガイド部136を有している。
これらリブ128におけるストッパ部134,ガイド部136の詳細な作用については後述する。
これら当接部140は、上カバー42の上面カバー部48に対して下向きの力が加わったとき、水栓本体14の被当接部142に当接して、上面カバー部48の更なる変形を抑制するように働く。
従って、ここでは当接部140と被当接部142との間の隙間は、上面カバー部48に下向きの力が加わって変形開始したときに、当接部140が被当接部142に当ることができるように微小な隙間に設定してある。
更に前後方向に延びるリブ128,130に続いて、前面カバー部50に沿って延びるリブ146が設けられている。
これら複数のリブ128,130,144,146は、樹脂製且つ板状の上カバー42の各部を補強する働きをなしている。
尚本実施形態のカバー付き水栓では、図14に示しているように上カバー42の上面カバー部48,前面カバー部50、更に下カバー44の下面カバー部60が、水栓本体14から離隔した状態で水栓本体14を囲い込んでおり、それら各カバー部と水栓本体14との間に空間を形成している。そしてその空間により断熱効果をもたせている。
本実施形態のカバー付き水栓を設置現場で設置施工する際には、先ず一対のクランク脚16,18を、雄ねじ管から成る管体22を壁W裏の元配管に対しねじ込むことでそれら元配管に接続し、壁Wに取り付ける。
その後、予め壁Wから前方に退避させていた椀座30を壁W側にねじ込んで(椀座30の内周面には雌ねじが設けてある)、椀座30を壁Wに当接させ、その椀座30によってクランク脚16,18と対応する元配管との接続部を隠蔽する。
その後、図6に示しているように水栓本体14を、一対の接続部28において一対のクランク脚16,18の管体24の端部に袋ナット26にて接続する。
ここにおいて水栓本体14が壁Wに取り付いた状態となる。
その際、先ず上カバー42を、隙間カバー46をスライド可能に保持した状態で水栓本体14に対して上側から下向きに被せ、水栓本体14に取り付ける。
このとき、上カバー42の係合部100が、図12(A)に示しているように水栓本体14よりも前方に位置するようにして、上カバー42を水栓本体14に下向きに被せる。
係合部100が水栓本体14よりも前方に位置していないと、上カバー42を水栓本体14に被せる際に、係合部100が水栓本体14と干渉してしまうため、良好に上カバー42を水栓本体14に被せることができない。
そしてリブ128に備えたガイド部136が、水栓本体14の上面に下向きに当接し、その当接作用によって上カバー42が隙間カバー46とともに水栓本体14にて支持された状態となる。
尚このとき、図12(A)に示しているように上カバー42の固定部112もまた、水栓本体14の対応する被固定部114に対し前方に離隔して位置した状態となる。
このとき、一対のリブ128のガイド部136が、水栓本体14の上面への当接状態を保ちつつ、水栓本体14に対して相対的に摺動し、そして一定量上カバー42を押し込むと、リブ128に設けた湾曲形状のストッパ部134が、水栓本体14の前面に当接してストッパ作用し、ここにおいて上カバー42の押込端が規定される。即ち上カバー42が、水栓本体14に対して前後方向に位置決めされる(図12(B))。
以上のようにして上カバー42を水栓本体14に下向きに被せ、仮固定したら、次に図13に示しているように下カバー44を水栓本体14に対して下側から上向きに被せ、水栓本体14に固定する。
即ち、下カバー44の円筒状の固定部122の下端の開口から、図14に示しているようにビス120を固定部122内に挿入し、更に続いてビス120を固定部122の挿通孔126,水栓本体14の被固定部114の挿通孔116を挿通して、上カバー42の円筒状の固定部112内の雌ねじ金具118にねじ込む。
ここにおいて上カバー42の固定部112と、下カバー44の固定部122とが、水栓本体14の被固定部114を上下両側から挟み込んだ状態に、それら3者がねじ締結され、固定される。
即ち上カバー42と、水栓本体14と、下カバー44との3者が同時固定される。
このとき、上カバー42と壁Wとの間には施工上隙間が生じる。
例えば、図15(B),(C)に示しているようにカバー付き水栓10を壁Wに取り付けるに際して、クランク脚16,18のねじ込み量のばらつきによって、上カバー42と壁Wとの間に隙間が生じ且つその隙間の大きさも様々となる。
その作業は次のようにして行う。
即ち、下カバー44の長穴状の開口部70から片方の手(指)を下カバー44の内部に挿入して、隙間カバー46の左右中央部の被押圧部178を壁Wに向けて後向きに押し、隙間カバー46を壁W側にスライド移動させて壁Wに当接させる。
尚、隙間カバー46の壁W側へのスライド移動を、左右両端位置のリブ状の被押圧部176を押圧して行うこともできるが、作業上開口部70から手を挿入して被押圧部178を押すことで、隙間カバー46を移動させる方が作業が行い易い。
この作業は次のようにして行う。
即ち下カバー44の円筒状の固定部96の下端の開口から図11に示すボルト90を挿入し、そしてボルト90を固定部96の上端の挿通孔98及び隙間カバー46の被固定部154の挿通部88、上カバー42の筒形状部84における固定部152の挿通孔94に上向きに挿通し、そして筒形状部84内部のナット92に対してねじ込むことで、隙間カバー46が上カバー42及び下カバー44に対してしっかりと固定された状態となる。
またクランク脚16,18に汚れが付き易かったり、またその汚れの掃除がしにくいことでクランク脚16,18に汚れが付いたままとなり易く、そのことが水栓の美観を悪化させる問題を解決でき、クランク脚16,18付きのカバー付き水栓10の美観を高めることができる。
また湯側のクランク脚18をカバー20の内側に覆っておくことができるため、使用者が意図しない動きで湯側のクランク脚18に触れてしまって熱い思いをしたり、場合によって火傷をしてしまう恐れも無くすことができる。
そしてこれによりカバー付き水栓10設置状態の美観を良好に保持することができる。
従って片方の手(指)で開口部70を通じ被押圧部178を押して隙間カバー46を壁Wに押し当てた状態で、もう片方の手で固定作業を行う際の作業がし易くなり、固定作業中に隙間カバー46が壁Wから部分的に離れてしまって、壁Wとの間に隙間を生じてしまった状態で隙間カバー46を固定してしまうといったことを防ぐことができる。
この実施形態のカバー付き水栓10もまたクランク脚付きのもので、水側及び湯側の一対のクランク脚16,18と、クランク脚16,18を介して壁Wに固定される水栓本体14と、一対のクランク脚16,18ごと水栓本体14を囲い込むカバー20とを有し、またカバー20が、上カバー42と下カバー44とを有する本体カバー21と隙間カバー46とで構成され、更にクランク脚16,18,水栓本体14,本体カバー21とを含んで水栓主体15が構成されている点で上記実施形態と同様である。
また水栓本体14として、上記実施形態と同じものが共通に用いられている。
但しこの実施形態では、カバー20を水栓本体14に固定するための、補強部材を兼ねた金属製の剛性のブラケット200を有し、そのブラケット200を含んで水栓主体15が構成されている点で上記実施形態と異なる。
一対の固定機能部202のそれぞれは、水栓本体14の被固定部114に固定される水栓本体側の固定部204を有しており、更にこれから左右方向外方に離隔した位置において、上カバー42,下カバー44及び隙間カバー46を固定するためのカバー側の固定部206を有している。
そしてそれぞれに、固定具としてのボルト等を挿通する挿通孔210及び雌ねじ孔208,212が設けられている。
更に隙間カバー46側の後述の爪170を前後方向に移動可能に挿入させ、且つこれを掛止させる長穴状の掛止孔(掛止部)214と、更に同じく隙間カバー46側の後述のスライド部236を下側から支持してこれをスライド可能に保持するスライド保持部216が設けられている。
ブラケット200は、これら一対の固定機能部202を連結部213で左右方向に連結した形態の一体構造体をなしている。
カバー側の固定部206においては、上カバー42及び下カバー44が、即ち本体カバー21が次のようにして固定される。
詳しくは、図20に示しているように挿通孔210に対してボルト218が上向きに挿通され、そして上カバー42の固定部220の内側に保持されたナット222に対してボルト218がねじ込まれることで、上カバー42がブラケット200の固定部206に固定される。
また挿通孔210の後側位置において、ビス228が下カバー44の固定部224に設けられた挿通孔226を挿通して、固定部206の雌ねじ孔212にねじ込まれることで、下カバー44がブラケット200の固定部206に固定される。
そしてこの前面部230の左右両端部から、被固定部154が前方に突出せしめられている。
この被固定部154には、図19の部分拡大図で示すように前後方向に長穴形状をなす挿通孔232が設けられており、更に前方に突出する向きで弾性片168が設けられて、その先端部に爪170が設けられている。
更に上向きの立上り部234に、前後方向に延びるスライド部236が設けられている。
このスライド部236の下側には溝238が形成されている。
即ち、隙間カバー46の被固定部154を、ブラケット200の固定部206と下カバー44の固定部224との間に挟み込んだ状態で、図20に示す上記のビス228を、固定部224の挿通孔226及び隙間カバー46の被固定部154の長穴状の挿通孔232に挿通して、ブラケット200の雌ねじ孔212にねじ込むことで、かかる隙間カバー46が被固定部154においてブラケット200の固定部206に固定される。
尚、ビス228を緩めた状態では隙間カバー46は前後方向にスライド可能である。
尚この実施形態では、隙間カバー46の前面部230が被押圧部として構成されている。
そして隙間カバー46を壁Wに押し当てた状態で、今一方の手を用いてビス228により隙間カバー46を被固定部154においてブラケット200の固定部206に固定作業することができる。
例えば本発明は下カバーを省略して上カバー単独で本体カバーを構成したり、或いは下カバーを設ける場合において、下カバーの側に前面カバー部,側面カバー部の一部を形成したり、或いは前面カバー部,側面カバー部の全体を下カバーに形成し、上カバーをその上面を閉じる蓋カバーとして構成するといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
14 水栓本体
15 水栓主体
16,18 クランク脚
20 カバー
21 本体カバー
46 隙間カバー
48 上面カバー部
52 側面カバー部
60 下面カバー部
68,70 開口部
84 筒形状部
86,236 スライド部
150,216 スライド保持部
152,206 固定部
154 被固定部
158 係合片(係合部)
160 被係合部
170 爪
174 掛止部
176,178 被押圧部
214 掛止孔(掛止部)
230 前面部(被押圧部)
Claims (5)
- 水栓本体と、該水栓本体を壁に固定する水側及び湯側の一対のクランク脚と、該水栓本体を覆うカバーと、を備えたクランク脚付きのカバー付き水栓であって、
前記カバーは、前記一対のクランク脚ごと前記水栓本体を覆う本体カバーと、該本体カバーの壁側の端と該壁との間に生ずる隙間を隠蔽する隙間カバーとを有していて、該隙間カバーが、前記クランク脚及び該クランク脚を介して前記壁に固定される前記水栓本体及び前記本体カバーを含んで構成される水栓主体に設けたスライド保持部により、該本体カバーの内側に、前記壁に向けて前後方向にスライド可能に保持させてあることを特徴とするカバー付き水栓。 - 請求項1において、前記隙間カバーが、前記隙間を隠蔽する状態に位置調節された状態で前記水栓主体に固定されるものとなしてあり、該隙間カバーには、前記本体カバーの、前記水栓本体及びクランク脚を上側から覆う上面カバー部側の位置に被固定部が設けてあり、該被固定部において該隙間カバーが前記水栓主体に設けた固定部に固定されるものとなしてあることを特徴とするカバー付き水栓。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記本体カバーには、前記一対のクランク脚ごと前記水栓本体を側方から覆う、前記壁に対する正面視において左右一対の側面カバー部が備えてあり、該側面カバー部のそれぞれの内面には係合部が、また前記隙間カバーには該係合部に対応する位置に、該係合部に対して前記左右方向に係合する被係合部が設けてあり、それら係合部と被係合部との係合により前記一対の側面カバー部が前記左右方向に拘束されていることを特徴とするカバー付き水栓。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記隙間カバーには、前記壁に沿った方向に延びる被押圧部が設けてあるとともに、前記本体カバーには、前記水栓本体及びクランク脚を下側から覆う下面カバー部に、前記被押圧部を前記壁に向けて押圧操作可能とする開口部が設けてあることを特徴とするカバー付き水栓。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記隙間カバーと前記水栓主体との一方には、該隙間カバーを抜け防止する爪が、他方には該爪を前記抜け方向に掛止させる掛止部が設けてあることを特徴とするカバー付き水栓。
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