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JP5769785B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に内燃機関の点火時期を制御する内燃機関の制御装置に関するものである。
内燃機関の燃費性能やエミッション性能を良好にしたり、ノッキングを防止したりする上では、点火時期の制御が重要である。そこで、従来では、内燃機関の構成部品の製造ばらつきや経時変化、あるいは運転環境の変化などにより、内燃機関の個体毎に異なる最適な点火時期を実現するために、所定のクランク角度における目標燃焼割合を運転状態に応じて設定し、所定のクランク角度における実際の燃焼割合がその目標燃焼割合となるように、点火時期をフィードバック制御する装置が開示されている。
しかしながら、内燃機関にはサイクル毎の燃焼変動が存在するものである。すなわち、内燃機関の運転状態が変化していなくても、気筒内での混合気の燃焼の様子は、サイクル毎に変化する。この主な原因は、気筒内の空燃比や、気筒内に残留している前サイクルの燃え残りのガス量、気筒内の混合気のかき混ざり具合(乱れ)などがサイクル毎にランダムに変化するためである。この燃焼変動の存在により、点火時期を含めた運転状態が同じであっても、実際の燃焼割合とクランク角度の関係はサイクル毎に変動する。従って、サイクル毎に算出される所定の燃焼割合となるクランク角度を目標値に収束させるために、フィードバック制御装置によって点火タイミングを補正すると、その補正後の点火タイミングは、サイクル毎に変動することとなる。
一方、特開2008−138596号公報(特許文献1)には、点火時期モデルを用いて点火タイミングを算出し、カルマンフィルタ理論を応用した計算手法によって点火時期モデルを更新する装置が開示されている。この装置では、サイクル毎の燃焼変動に起因して発生する燃焼割合とクランク角度の関係の変動が正規分布に一致するとの仮定の下でカルマンフィルタを利用してフィルタリングしている。
特開2008−138596号公報
上述したように、特許文献1に開示された技術は、カルマンフィルタを利用して点火時期モデルを修正しながら点火タイミングを設定するため、サイクル毎の燃焼変動が存在する条件下でも、所定の燃焼割合に対するクランク角度を目標のクランク角度となるように制御することが可能である。しかしながら、カルマンフィルタ理論を応用した点火時期の計算手法では、過去のサイクルで計算した結果を保管するための大規模なメモリ容量を必要とし、また、複雑かつ多大な計算量を各気筒での点火毎に実施する必要がある。このため、内燃機関の点火時期制御を実現するための制御装置に大きなデータ記憶領域を確保する必要や高速な演算処理が必要となり、この結果、内燃機関の制御装置のコストが高くなってしまうという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、データ記憶領域の使用量と計算量の増大を抑えつつ、所定の燃焼割合に対応するクランク角度が目標のクランク角度に迅速に収束するように点火タイミングを制御することにより、安価な内燃機関の制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結果を基に、運転状態に応じて点火タイミングの初期値を設定する基本点火タイミング設定手段と、前記運転状態検出手段の検出結果を基に、各燃焼サイクルにおいて燃焼開始から燃焼終了に至るまでに発生する総熱発生量と、燃焼開始から所定の時点に至るまでに発生する熱発生量と、前記総熱発生量に対する前記熱発生量の割合である燃焼割合とを算出する燃焼割合算出手段と、前記燃焼割合算出手段により算出される燃焼割合が、50%近傍の値に到達する時点のクランク角度を算出する燃焼割合クランク角度算出手段と、前記燃焼割合クランク角度算出手段で算出されたクランク角度をフィルタ処理する燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段と、内燃機関の運転状態を基に、その運転状態に適した燃焼割合の目標クランク角度を設定する目標燃焼割合クランク角度設定手段と、前記燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段でフィルタ処理されたクランク角度と、前記目標燃焼割合クランク角度設定手段で設定した目標クランク角度との偏差を算出するクランク角度偏差算出手段と、前記基本点火タイミング設定手段によって設定された点火タイミングの初期値に対して、前記燃焼割合クランク角度算出手段によって算出されたクランク角度が目標クランク角度に収束するように点火タイミングをフィードバック制御する点火タイミング補正手段と、前記燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段におけるフィルタ処理に用いるフィルタ定数を、前記クランク角度偏差算出手段が算出した偏差を基に算出するフィルタ定数算出手段と、を備えたものである。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、前記構成により、50%近傍の燃焼割合に対応するクランク角度が、サイクル毎の燃焼変動の影響を大きく受けて変動が大きくなる目標クランク角度近傍にある場合、すなわち目標クランク角度との偏差が小さい場合には、大きなフィルタ定数を適用することによりフィードバック制御による点火時期の制御性を安定させることができ、一方、50%近傍の燃焼割合に対応するクランク角度が、目標クランク角度から離れている場合、すなわち目標クランク角度との偏差が大きい場合には、燃焼変動の影響によるクランク角度の変動が小さいことから、フィルタ定数を小さくしてフィードバック制御による迅速な点火時期制御の応答性を得ることができる。
この発明の実施の形態1から5に係る内燃機関と内燃機関の制御装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置における点火時期制御の基本的概念構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1から5に係るクランク角度と燃焼割合の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1から5に係る内燃機関の制御装置における点火時期制御の概念構成の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1から5に係る燃焼割合クランク角度算出手段の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1から5に係る燃焼割合クランク角度算出手段で燃焼割合が50%となるクランク角度を算出する方法を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るフィルタ定数算出手段の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係わるフィルタ定数算出手段のフィルタ定数テーブルの特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1から5に係る点火タイミング補正手段の制御方法を説明するための点火タイミングと燃焼割合が50%となるクランク角度の関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態1から5に係る点火タイミング補正手段の構成を説明するためのブロック図である。 この発明の実施の形態2から5に係る内燃機関の制御装置における点火時期制御の基本的な概念構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るフィルタ定数算出手段の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るフィルタ定数算出手段のフィルタ定数マップの特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係るフィルタ定数算出手段の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係るフィルタ定数算出手段のフィルタ定数マップの特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態4に係るフィルタ定数算出手段の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るフィルタ定数算出手段のフィルタ定数マップの特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態5に係るフィルタ定数算出手段の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5に係るフィルタ定数算出手段のフィルタ定数マップの特性を示す説明図である。
以下、この発明に係る内燃機関の制御装置の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関と内燃機関の制御装置の構成を示す図である。図1において、内燃機関1の吸気側の上流に吸入空気量を検出するエアーフローセンサ2が設けられている。エアーフローセンサ2の下流となる内燃機関1側には、内燃機関1の燃焼室内へ燃料を供給するインジェクタ3が設けられ、内燃機関1の排気側には内燃機関1の排気ガスの空燃比を計測する空燃比センサ4が設けられている。内燃機関1の吸気側と排気側との間には、内燃機関1が排出した排気ガスを内燃機関1の吸気側に還流する量を調整するEGR(Exhaust Gas Recirculation)バルブ5が設けられている。
なお、吸入空気量の検出にはエアーフローセンサ2を用いる代わりに、図示しないサージタンク及びインテークマニホールド内を含む空間の圧力であるインマニ圧に基づいて吸入空気量を推定するなど、別の吸入空気量を測定する手段を用いるようにしても良い。
また、内燃機関1の燃焼室には、燃焼室内部に火花を点火する点火プラグ6と、燃焼室内部に吸入する空気を導入する吸気バルブ7と、燃焼室から燃焼ガスを排出させる排気バルブ8、および燃焼室の圧力を計測する気筒内圧センサ9が設けられている。吸気バルブ7は吸気VVT(Variable Valve Timing)10により開閉タイミングが調整され、排気バルブ8は排気VVT11により開閉タイミングが調整される。
更に、内燃機関1のクランクシャフトの角度位置を検出するクランク角センサ12と、制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)という。)13が設けられている。ECU13は、クランク角センサ12、気筒内圧センサ9、エアーフローセンサ2、空燃比センサ4などから内燃機関1の運転状態を検出して供給燃料量、EGR率、吸気バルブタイミング、排気バルブタイミングを制御しつつ、内燃機関1の運転状態に応じて点火タイミングを最適化する点火時期制御部13Aを備えている。
図2は、ECU13における点火時期制御部13Aの基本的概念構成を示すブロック図で、基本的な処理の流れを示している。
図2に示すECU13の点火時期制御部13Aは、基本点火タイミング設定手段1301、燃焼割合算出手段1302、燃焼割合クランク角度算出手段1303、燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段1304、目標燃焼割合クランク角度設定手段1305、クランク角度偏差算出手段1306、点火タイミング補正手段1307、フィルタ定数算出手段1308を備えて構成されている。なお、符号1309は運転状態検出手段を示している。
基本点火タイミング設定手段1301は、内燃機関1に設けられる各種センサ(例えば、図1で示すクランク角センサ12、エアーフローセンサ2)の出力から取得した運転状態(例えば、内燃機関1の回転速度や充填効率)より、その運転状態に適切な値として予め実験などにより設定された点火タイミングの初期値が設定されている。
燃焼割合算出手段1302は、気筒内圧センサ9の出力から、図3に示す各クランク角度(例えば、点火タイミングから圧縮上死点(TDC)の後180degの区間)に対応する燃焼割合を燃焼サイクル毎に算出する。
燃焼割合クランク角度算出手段1303は、燃焼割合算出手段1302が算出した各クランク角度に対応する燃焼割合を基に、所定の燃焼割合(例えば50%)に対応するクランク角度を算出する。
燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段1304は、燃焼割合クランク角度算出手段1303で、燃焼サイクル毎に算出されたクランク角度に対して、ディジタル1次遅れフィルタを適用する。
目標燃焼割合クランク角度設定手段1305は、内燃機関1の運転状態に応じて、燃費性能やエミッション性能が良好となるように、所定の燃焼割合に対応する目標のクランク角度を設定する。
クランク角度偏差算出手段1306は、燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段1304が算出したフィルタ処理後のクランク角度と目標燃焼割合クランク角度設定手段1305が設定したクランク角度の偏差を算出する。
点火タイミング補正手段1307は、クランク角度偏差算出手段1306が算出したクランク角度の偏差を基に、燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段1304が算出するクランク角度が目標燃焼割合クランク角度設定手段1305の設定するクランク角度に収束するように点火タイミングを補正する。
フィルタ定数算出手段1308は、クランク角度偏差算出手段1306が算出するクランク角度の偏差より、燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段1304に適用するフィルタ定数を算出する。
次に、前述したECU13における点火時期制御の概念構成の処理の流れを、図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。
ステップS401において、クランク角センサ12、エアーフローセンサ2など、内燃機関1に設けられた各種センサから内燃機関1の運転状態を読み込む。この例では、運転状態として内燃機関1の回転速度Neと充填効率Ecを読み込む。また、クランク角センサ12は、クランクシャフトが1deg回転する毎に、クランク角度信号を入力する。
次にステップS402において、基本点火タイミング設定手段1301で点火タイミングの初期値θbを、ステップS401にて読み込んだ回転速度Ne、充填効率Ecを用いて、θb=DV_BSE(Ne、Ec)として算出する。なお、DV_BSE(Ne、Ec)は、基本点火タイミングのマップであり、代表的な内燃機関を用いて、標準的な条件で、燃費あるいはエミッション性能が良好となるように予め実験的に設定されている。
次にステップS403において、目標燃焼割合クランク角度設定手段1305で燃焼割合が50%となるクランク角度の目標値θT_MFB50%を、目標マップであるθTRGT_MFB50(Ne、Ec)からステップS401にて読み込んだNe、Ecを用いて読み出す。θTRGT_MFB50(Ne、Ec)は、代表的な内燃機関を用いて、標準的な条件で、燃費あるいはエミッション性能が良好となるように予め実験的に設定されている。なお、一般的には、燃費あるいはエミッション性能に対して、燃焼割合が50%となるクランク角度をTDC後8deg近傍に設定することが望ましいとされている。
次にステップS404において、燃焼割合算出手段1302にて各クランク角度毎の燃焼割合を算出する。具体的には、点火タイミングθsprk直後に初めてクランク角度信号が入力されたタイミングから、気筒内圧センサ9を用いて内燃機関1の気筒内圧力Pc(n)をサンプリングする。また、初めてクランク角度信号が入力されたタイミングのサンプリング番号をn=1とする。次に気筒内圧力Pc(n)から熱発生率△Q(n)を算出する。
以降、1deg毎にクランク角度信号が入力されるタイミングをn=2、3、・・・として、燃焼終了時(例えば、TDC後180deg)まで、同様に気筒内圧力Pc(n)をサンプリングし、熱発生率△Q(n)を算出する。燃焼終了後に、総発熱量Q_Totlを、Q_Totl=Σ△Q(k)として算出する。ここで、Σはk=1から燃焼終了時までの総サンプリング回数Nの総和である。
次に、サンプリングしたクランク角度毎の燃焼割合MFB(n)を、MFB(n)=Σ△Q(k)/Q_Totl×100%として算出する。ここで、Σはk=1からサンプリング番号nまでの総和である。
燃焼割合クランク角度算出手段1303は、燃焼割合算出手段1302で算出したクランク角度毎の燃焼割合MFB(n)(n=1〜N)より、燃焼割合が50%となるクランク角度θMFB50%を算出する。この処理の流れを図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS501でカウンタnを1にリセットする。次に、ステップS502でn番目に気筒内圧をサンプリングして算出した燃焼割合MFB(n)が50%以上か否かを判断する。ステップS502においてYESの場合は、点火タイミング後、n番目のサンプリングのタイミングで初めて燃焼割合が50%以上となったと判断し、ステップS503に進む。NOの場合は、燃焼割合が50%以上となるのは、n+1番目のサンプリング以降であると判断し、ステップS504でカウンタをインクリメントした後、ステップS502に戻る。
ステップS503では、点火タイミング後、初めて燃焼割合が50%以上となるクランク角度θtmpを、θtmp=INT(θsprk)+nとして算出する。ここで、INT( )は、カッコ内の引数の小数点以下を切り捨てて整数化する関数である。例えば、点火タイミングθsprkが3.9degの場合は、INT(θsprk)=3degとなる。
次に、ステップS505で、θR_MFB50%を、θR_MFB50%={50−MFB(n)}/{MFB(n)−MFB(n−1)}+θtmpとして算出する。この式は、図6に示すとおり、燃焼割合が50%以上となるクランク角度の前後にサンプリングした2つのクランク角度から、燃焼割合が50%となるクランク角度を線形補間で求めるための式である。
図4に戻り、ステップS405において、後述するステップS406で適用するディジタル1次フィルタのフィルタ定数KF_b(t)をフィルタ定数算出手段1308で算出する。ここで、tは燃焼サイクル毎に更新される時刻を示す。この処理の流れを図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS701でt≠0、すなわち初回の燃焼サイクルか否かを判断する。ステップS701でYESの場合、すなわち初回の燃焼サイクルでない場合は、ステップS702へ進み、NOの場合、すなわち初回の燃焼サイクルの場合は、ステップS703でKF_b(t)=0として処理を終了する。ステップS702では、後述するステップS407で算出されるクランク角度θFR_MFB50%とクランク角度の目標値θT_MFB50%の偏差θeを用いて、KF_b(t)=TFILTER_b(θe(t−1))として算出する。ここで、TFILTER_b(θe)は、フィルタ定数の2次元テーブルであり、その設定内容の詳細については後述する。
再び図4に戻り、ステップS406において、燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段1304で、ステップS404で算出したクランク角度θR_MFB50%(t)に対して、フィルタ処理を適用したクランク角度RF_MFB50%(t)を、RF_MFB50%(t)=KF_b(t)×RF_MFB50%(t−1)+(1−KF_b(t))×θR_MFB50%(t)として算出する。この式は、ディジタル1次遅れフィルタであり、サイクル毎の燃焼変動に起因して発生するθR_MFB50%の変動を抑制したθFR_MFB50%を用いて後述する点火タイミング補正手段1307で安定した点火時期制御を実現している。
次にステップS407において、クランク角度偏差算出手段1306にて、フィルタ処理後のクランク角度θFR_MFB50%とクランク角度の目標値θT_MFB50%の偏差θeを、θe=θFR_MFB50%−θT_MFB50%として算出する。
次にステップS408において、点火タイミング補正手段1307にて、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値となるように、クランク角度偏差算出手段1306で算出した偏差θeを基に点火タイミングのフィードバック制御を行う。図9は点火タイミングと燃焼割合が50%となるクランク角度の関係を示した図である。図9中に示した3種類の点火タイミングθsprk1、θsprk2、θsprk3はそれぞれ、θsprk1<θsprk2<θsprk3であり(θsprk3が最も遅角側)、点火タイミングを遅角させると燃焼割合が50%となるクランク角も遅角する。従って、燃焼割合が50%となるクランク角が目標値よりも遅角側にある場合は、点火タイミングを進角側に修正することで目標値へ収束させることが出来る。この処理を図10の制御ブロック図を用いて説明する。
図10は、図2から点火タイミング補正手段1307の説明に必要な部分を抜粋したものである。図10の点線部で囲まれた部分が点火タイミング補正手段1307であり、いわゆるPI制御部である。このPI制御部は、θFR_MFB50%とθT_MFB50%の偏差θeを入力とし、θeに比例ゲインKpを乗じたものと、θeの積算値に積分ゲインKiを乗じたものを合算して点火タイミングの補正量θcを算出する。ここで、Σは偏差θeを燃焼サイクル毎に積算する積分部を示している。前述した通り、点火タイミングの補正方向は、偏差θeの符号と逆の関係にあるため、内燃機関1の点火プラグ6への点火信号を与える最終的な点火タイミングθsprkは、基本点火タイミングθbから補正量θcを減算した値、すなわち、θsprk=θb−θcとなる。
次に、前述したステップS405のフィルタ定数の2次元テーブルTFILTER_b(θe)の設定内容について説明する。このテーブルには、図8(a)に示す特性となるように、その値が図8(b)で示すように設定されている。図8(a)に示す特性は、偏差θeが±0に近い場合にフィルタ定数が大きく、偏差θeの絶対値が大きくなるにつれてフィルタ定数が小さくなっている。この様な特性を2次元テーブルTFILTER_b(θe)に設定することにより、1燃焼サイクル前のθFR_MFB50%がクランク角度の目標値θT_MFB50%に近い場合には、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動に対して、次の燃焼サイクルのθFR_MFB50%の変動が抑制される。一方、θFR_MFB50%がクランク角度の目標値θT_MFB50%から離れている場合には、θR_MFB50%の変化に対して、速くθFR_MFB50%が追従する。
前述の通り、燃焼割合が50%となるクランク角度の目標値マップθTRGT_MFB50(Ne、Ec)は、燃費あるいはエミッション性能が良好となるように設定されている。燃費あるいはエミッション性能が良好になる燃焼の状態とは、公知の通り、その点火タイミングが、MBT(Minimum dvnce for Best Torque)に設定されている状態である。しかしながら、MBT近傍は、軽度のノッキングが高頻度で発生する運転領域であり、例えば気筒内の混合気のかき混ざり具合が変化して、燃焼速度が少しでも速くなると比較的強度の大きいノッキングが生じてしまうことがある。強度の大きなノッキングが発生すると、ノッキング発生後に直ちに燃焼が終了してしまう(燃焼が終了する時点で燃焼割合が100%となる)ため、この燃焼サイクルにおけるクランク角度に対する燃焼割合は、ノッキングが発生していない場合から変化する。この結果、燃焼割合が50%となるクランク角度も変化することとなる。これが、点火タイミングをMBT点に近づけるほど、燃焼割合が50%となるクランク角度の変動が大きくなる理由である。
そこで本実施の形態1では、点火タイミングがMBT近傍となるように、燃焼割合が50%となるクランク角度をTDC後8deg近傍に設定した場合に発生するθR_MFB50%の大きな変動に対して、大きなフィルタ定数を適用し、変動が抑制されたθFR_MFB50%を算出する。これにより、クランク角度偏差算出手段1306で算出される偏差θeの変動が抑制されるので、点火タイミング補正手段1307による点火時期のフィードバック制御で算出される点火タイミングの補正量も安定する。
一方、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値から離れている場合は、ノッキングが発生しないので燃焼変動は小さく、θR_MFB50%の変動も小さい。従って、小さいフィルタ定数を適用することにより、θFR_MFB50%の算出に対する燃焼割合が50%となるクランク角度の瞬時値、すなわちθR_MFB50%の反映率を高めて、偏差θeを点火タイミング補正手段1307に適用する。この結果、値の大きいθeに対応した大きなフィードバック制御量が算出されることになるため、燃焼割合が50%となるクランク角度を目標値近傍へ迅速に収束させることが出来る。
以上のように、実施の形態1によれば、燃焼割合が50%となるクランク角度と目標値との偏差を算出し、その偏差が小さいときには、点火タイミングのフィードバック制御への入力として適用するディジタル1次遅れフィルタのフィルタ定数を大きくすることにより、安定した点火時期制御を実現することができる。一方、偏差が大きいときには、このフィルタ定数を小さくすることにより、燃焼割合が50%となるクランク角度を目標値に迅速に収束させることができる。これらの方法は、簡単なディジタル1次遅れフィルタや2次元テーブルで実現することができるため、大きなデータ記憶領域や高速な演算装置を必要としない。このため、内燃機関の制御装置を安価な部品で構成することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る内燃機関の制御装置について説明する。実施の形態1において、EGRバルブ5の開度を大きくして、内燃機関1が排出した排気ガスを内燃機関1の吸気側に還流させる量を多くした場合、すなわちEGR率が増大した場合に、還流させる量が少ない場合と比較して燃焼変動が大きくなる。これは、還流された排気ガスにより、気筒内における燃焼時のガス温度が低下することと、火炎の伝播が遅くなることで燃焼が不安定になるためである。そのため、EGR率が多い場合にEGR率が少ない状態で設定したフィルタ定数Kf_bをディジタル1次遅れフィルタに適用しても、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されていないθFR_MFB50%を算出してしまい、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合に、点火時期の制御が安定しなくなる。
実施の形態2はこの問題を解決するものであり、以下その実施形態について説明する。なお、内燃機関と内燃機関の制御装置の構成、点火時期制御部の基本処理、燃焼割合クランク角度算出手段の処理は、それぞれ、実施の形態1で説明した図1、図4、図5、図10と同一であるため、説明は省略する。
図11は、実施の形態2に係る内燃機関の制御装置のECUにおける点火時期制御部の基本的な概念構成を示すブロック図で、基本的な処理の流れを示している。また、図12は、実施の形態2に係るフィルタ定数算出手段の処理を示している。これらは、それぞれ実施の形態1の図2、図7から処理の内容が変更されている。
図11のブロック図において、ECU13は点火時期制御部13Bを備えており、点火時期制御部13Bには、図2のブロック図に対して、運転状態検出手段1309からフィルタ定数算出手段1308に運転状態の情報を伝達する流れが追加されている。これは、運転状態検出手段1309からEGRバルブ5によるEGRの量、すなわちEGR率をフィルタ定数算出手段1308に伝達するためである。
実施の形態2に係る内燃機関の制御装置は上記のように構成されており、フィルタ定数算出手段1308の処理の流れが実施の形態1と異なるのみである。
図12は、フィルタ定数算出手段1308の処理の流れを示すフローチャートで、このフローチャートのステップS702Aのみが、図7のフローチャートから変更されているため、ここではステップS702Aの処理内容のみ説明する。
ステップS702Aでは、ステップS406(図4参照)で適用するディジタル1次フィルタのフィルタ定数KF_b(t)を、ステップS407で算出されるクランク角度θFR_MFB50%とクランク角度の目標値θT_MFB50%との偏差θeと、運転状態検出手段1309から検出されたEGR率r_EGRを用いて、KF_b(t)=MFILTER_2(θe(t−1),r_EGR(t−1))として算出する。ここで、MFILTER_2(θe,r_EGR)は、図13(b)に示すフィルタ定数の3次元マップであり、このマップには、図13(a)に示す特性となるように、その値が設定されている。
図13(a)に示す特性は、偏差θeが±0に近い場合にフィルタ定数が大きく、偏差θeの絶対値が大きくなるにつれてフィルタ定数が小さくなっている。更に、EGR率が大きくなるにつれてフィルタ定数が大きくなっている。この様な特性をMFILTER_2(θe,r_EGR)に設定することにより、EGR率が高く、非常に大きな燃焼変動が発生する場合においても、θR_MFB50%の大きな変動に対して、θFR_MFB50%の変動は適切に抑制される。
以上のように、実施の形態2によれば実施の形態1と同様の効果が得られ、更に、ディジタル1次遅れフィルタに適用するフィルタ定数をEGR率に応じてフィルタ定数の大きさを変更するので、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されたθFR_MFB50%を算出できる。この結果、内燃機関1が排出した排気ガスを内燃機関1の吸気側に還流させる量を多くした状態で、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合にも、安定した点火時期の制御を得ることができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る内燃機関の制御装置について説明する。実施の形態1において、内燃機関1の回転速度を低くした場合、回転速度が速い場合と比較して燃焼変動が大きくなる。これは、回転速度の低下により、気筒内の混合気の流動速度が低下して火炎の伝播が遅くなり、燃焼が不安定になるためである。そのため、回転速度が低い場合に回転速度が高い状態で設定したフィルタ定数Kf_bをディジタル1次遅れフィルタに適用しても、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されていないθFR_MFB50%を算出してしまい、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合に、点火時期の制御が安定しなくなる。
実施の形態3はこの問題を解決するものであり、以下その実施形態について説明する。なお、内燃機関と内燃機関の制御装置の構成、点火時期制御部の基本処理、燃焼割合クランク角度算出手段の処理は、それぞれ、実施の形態1で説明した図1、図4、図5、図10と同一であり、また、ECU13における点火時期制御部の基本的な概念構成を示すブロック図は、実施の形態2で説明した図11と同一であるため、説明を省略する。
図14は、実施の形態3に係るフィルタ定数算出手段1308の処理の流れを示すフローチャートで、実施の形態1の図7から処理の内容が変更されている。即ち、図14のフローチャートに示すように、ステップS702Bのみが、図7のフローチャートから変更されており、ここではステップS702Bの処理内容のみ説明する。
ステップS702Bでは、ステップS406(図4参照)で適用するディジタル1次フィルタのフィルタ定数KF_b(t)を、ステップS407で算出されるクランク角度θFR_MFB50%とクランク角度の目標値T_θMFB50%との偏差θeと、運転状態検出手段1309から検出された内燃機関1の回転速度Neを用いて、KF_b(t)=MFILTER_3(θe(t−1),Ne(t−1))として算出する。ここで、MFILTER_3(θe,Ne)は、図15(b)に示すフィルタ定数の3次元マップであり、このマップには、図15(a)に示す特性となるように、その値が設定されている。
図15(a)に示す特性は、偏差θeが±0に近い場合にフィルタ定数が大きく、偏差θeの絶対値が大きくなるにつれてフィルタ定数が小さくなっている。更に、内燃機関1の回転速度が低くなるにつれてフィルタ定数が大きくなっている。この様な特性をMFILTER_3(θe,Ne)に設定することにより、内燃機関1の回転速度が低く、非常に大きな燃焼変動が発生する場合においても、θR_MFB50%の大きな変動に対して、θFR_MFB50%の変動は適切に抑制される。
以上のように、実施の形態3によれば実施の形態1と同様の効果が得られ、更に、ディジタル1次遅れフィルタに適用するフィルタ定数を内燃機関1の回転速度に応じてフィルタ定数の大きさを変更するので、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されたθFR_MFB50%を算出できる。この結果、内燃機関1の回転速度が低い状態で、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合にも、安定した点火時期の制御を得ることができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係る内燃機関の制御装置について説明する。実施の形態1において、内燃機関1の充填効率を低くした場合、充填効率が高い場合と比較して燃焼変動が大きくなる。これは、充填効率の低下により火炎の伝播が遅くなり、燃焼が不安定になるためである。そのため、充填効率が低い場合に充填効率が高い状態で設定したフィルタ定数Kf_bをディジタル1次遅れフィルタに適用しても、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されていないθFR_MFB50%を算出してしまい、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合に、点火時期の制御が安定しなくなる。
実施の形態4はこの問題を解決するものであり、以下その実施形態について説明する。なお、内燃機関と内燃機関の制御装置の構成、点火時期制御部の基本処理、燃焼割合クランク角度算出手段の処理は、それぞれ、実施の形態1で説明した図1、図4、図5、図10と同一であるため、説明は省略する。また、ECU13における点火時期制御部の基本的な概念構成を示すブロック図は、実施の形態2で説明した図11と同一であるため、説明を省略する。
図16は、実施の形態4に係るフィルタ定数算出手段1308の処理の流れを示すフローチャートで、実施の形態1の図7から処理の内容が変更されている。即ち、図16のフローチャートに示すように、ステップS702Cのみが、図7のフローチャートから変更されており、ここではステップS702Cの処理内容のみ説明する。
ステップS702Cでは、ステップS406(図4参照)で適用するディジタル1次フィルタのフィルタ定数KF_b(t)を、ステップS407で算出されるクランク角度θFR_MFB50%とクランク角度の目標値θT_MFB50%との偏差θeと、運転状態検出手段1309から検出された充填効率Ecを用いて、KF_b(t)=MFILTER_4(θe(t−1),Ec(t−1))として算出する。ここで、MFILTER_4(θe,Ec)は、図17(b)に示すフィルタ定数の3次元マップであり、このマップには、図17(a)に示す特性となるように、その値が設定されている。
図17に示す特性は、偏差θeが±0に近い場合にフィルタ定数が大きく、偏差θeの絶対値が大きくなるにつれてフィルタ定数が小さくなっている。更に、充填効率が低くなるにつれてフィルタ定数が大きくなっている。この様な特性をMFILTER_4(θe,Ec)に設定することにより、充填効率が低く、非常に大きな燃焼変動が発生する場合においても、θR_MFB50%の大きな変動に対して、θFR_MFB50%の変動は適切に抑制される。
以上のように、実施の形態4によれば実施の形態1と同様の効果が得られ、更に、ディジタル1次遅れフィルタに適用するフィルタ定数を充填効率に応じてフィルタ定数の大きさを変更するので、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されたθFR_MFB50%を算出できる。この結果、充填効率が低い状態で、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合にも、安定した点火時期の制御を得ることができる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係る内燃機関の制御装置について説明する。実施の形態1において、混合気の空燃比を薄くした場合、空燃比が濃い場合と比較して燃焼変動が大きくなる。これは、混合気中の空燃比を薄くすることにより火炎の伝播が遅くなり、燃焼が不安定になるためである。そのため、空燃比が薄い場合に理論空燃比(=14.7)で設定したフィルタ定数Kf_bをディジタル1次遅れフィルタに適用しても、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されていないθFR_MFB50%を算出してしまい、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合に、点火時期の制御が安定しなくなる。
実施の形態5はこの問題を解決するものであり、以下その実施形態について説明する。なお、内燃機関と内燃機関の制御装置の構成、点火時期制御部の基本処理、燃焼割合クランク角度算出手段の処理は、それぞれ、実施の形態1で説明した図1、図4、図5、図10と同一であるため、説明は省略する。また、ECU13における点火時期制御部の基本的な概念構成を示すブロック図は、実施の形態2で説明した図11と同一であるため、説明を省略する。
図18は、実施の形態5に係るフィルタ定数算出手段1308の処理の流れを示すフローチャートで、実施の形態1の図7から処理の内容が変更されている。即ち、図18のフローチャートに示すように、ステップS702Dのみが、図7のフローチャートから変更されており、ここではステップS702Dの処理内容のみ説明する。
ステップS702Dでは、ステップS406(図4参照)で適用するディジタル1次フィルタのフィルタ定数KF_b(t)を、ステップS407で算出されるクランク角度θFR_MFB50%とクランク角度の目標値T_θMFB50%との偏差θeと、運転状態検出手段1309である空燃比センサ4から検出された空燃比Fを用いて、KF_b(t)=MFILTER_5(θe(t−1),F(t−1))として算出する。ここで、MFILTER_5(θe,F)は、図19(b)に示すフィルタ定数の3次元マップであり、このマップには、図19(a)に示す特性となるように、その値が設定されている。
図19(a)に示す特性は、偏差θeが±0に近い場合にフィルタ定数が大きく、偏差θeの絶対値が大きくなるにつれてフィルタ定数が小さくなっている。更に、空燃比が薄くなる(空燃比の値が大きくなる)につれてフィルタ定数が大きくなっている。この様な特性をMFILTER_5(θe,F)に設定することにより、空燃比が薄く、非常に大きな燃焼変動が発生する場合においても、θR_MFB50%の大きな変動に対して、θFR_MFB50%の変動は適切に抑制される。
以上のように、実施の形態5によれば実施の形態1と同様の効果が得られ、更に、ディジタル1次遅れフィルタに適用するフィルタ定数を空燃比に応じてフィルタ定数の大きさを変更するので、燃焼変動に起因するθR_MFB50%の変動が十分に抑制されたθFR_MFB50%を算出できる。この結果、空燃比が薄い状態で、燃焼割合が50%となるクランク角度が目標値近傍になった場合にも、安定した点火時期の制御を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態1から実施の形態5について説明したが、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。例えば、前記各実施の形態においては、燃焼割合を算出するために、気筒内圧センサ4を使用しているが、気筒内圧センサ9の代わりに内燃機関1の運転状態の検出結果より、モデルを用いて推定した気筒内圧を利用しても良い。また、EGR率を推定するために、EGRバルブ5の開度から推定しているが、これ以外にも吸気VVT10、排気VVT11のタイミングから、吸気バルブ7と排気バルブ8のオーバーラップ期間から推定した内部EGR率からフィルタ定数を算出するマップを追加しても良い。更に、燃焼割合が50%となるクランク角度をフィルタリングするために、ディジタル1次遅れフィルタを使用しているが、荷重付き移動平均フィルタなど他の高周波成分を除去できるフィルタを利用しても良い。
1 内燃機関、2 エアーフローセンサ、3 インジェクタ、4 空燃比センサ、5 EGRバルブ、6 点火プラグ、7 吸気バルブ、8 排気バルブ、9 気筒内圧センサ、10 吸気VVT、11 排気VVT、12 クランク角センサ、13 制御装置(ECU)、13A、13B 点火時期制御部、1301 基本点火タイミング設定手段、1302 燃焼割合算出手段、1303 燃焼割合クランク角度算出手段、1304 燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段、1305 目標燃焼割合クランク角度設定手段、1306 クランク角度偏差算出手段、1307 点火タイミング補正手段、1308 フィルタ定数算出手段、1309 運転状態検出手段。

Claims (6)

  1. 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果を基に、運転状態に応じて点火タイミングの初期値を設定する基本点火タイミング設定手段と、
    前記運転状態検出手段の検出結果を基に、各燃焼サイクルにおいて燃焼開始から燃焼終了に至るまでに発生する総熱発生量と、燃焼開始から所定の時点に至るまでに発生する熱発生量と、前記総熱発生量に対する前記熱発生量の割合である燃焼割合とを算出する燃焼割合算出手段と、
    前記燃焼割合算出手段により算出される燃焼割合が、50%近傍の値に到達する時点のクランク角度を算出する燃焼割合クランク角度算出手段と、
    前記燃焼割合クランク角度算出手段で算出されたクランク角度をフィルタ処理する燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段と、
    内燃機関の運転状態を基に、その運転状態に適した燃焼割合の目標クランク角度を設定する目標燃焼割合クランク角度設定手段と、
    前記燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段でフィルタ処理されたクランク角度と、前記目標燃焼割合クランク角度設定手段で設定した目標クランク角度との偏差を算出するクランク角度偏差算出手段と、
    前記基本点火タイミング設定手段によって設定された点火タイミングの初期値に対して、前記燃焼割合クランク角度算出手段によって算出されたクランク角度が目標クランク角度に収束するように点火タイミングをフィードバック制御する点火タイミング補正手段と、
    前記燃焼割合クランク角度フィルタ処理手段におけるフィルタ処理に用いるフィルタ定数を、前記クランク角度偏差算出手段が算出した偏差を基に算出するフィルタ定数算出手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記フィルタ定数算出手段は、前記クランク角度偏差算出手段が算出した偏差が小さくなる方向に対してフィルタ定数を大きく設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記フィルタ定数算出手段は、前記運転状態検出手段によって検出されたEGR率に応じてフィルタ定数を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記フィルタ定数算出手段は、前記運転状態検出手段によって検出された内燃機関の回転速度に応じてフィルタ定数を補正することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記フィルタ定数算出手段は、前記運転状態検出手段によって検出された内燃機関の吸入空気量に関連するパラメータに応じてフィルタ定数を補正することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記フィルタ定数算出手段は、前記運転状態検出手段によって検出された内燃機関の空燃比に応じてフィルタ定数を補正することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
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