以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体管理装置、遊技媒体管理方法及び遊技媒体管理プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、カード管理装置で持玉を管理するとともに、貯玉を会員管理装置で管理する場合を中心に説明することとする。
まず、本実施例1に係る遊技媒体管理システムの概念について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技媒体管理システムの概念を説明するための説明図である。同図に示す遊技媒体管理システムは、遊技店に会員登録された会員及び一般客の持玉数をカード管理装置40で管理するとともに、会員の貯玉数を会員管理装置50で管理するシステムである。
ここで、この持玉数とは、各台計数機の機能を有する台間カード処理機10で遊技客が獲得した獲得玉を意味し、遊技客は必要に応じて持玉数を遊技に再利用できるとともに、景品交換することもできる。この持玉数には有効期限が設定されており、通常は当日限りである。このため、もし遊技客が持玉数の景品交換処理等を行わないと、原則として持玉数は消失するが、遊技客が会員である場合には、遊技店の閉店処理が行われる際に持玉数が貯玉数に自動移行される。
また、この持玉数には、当日持玉数及び前日持玉数の2種類が存在する。当日持玉数は、遊技店が開店処理してから閉店処理するまでに遊技客が獲得した遊技に再利用できる持玉数である。一方、前日持玉数とは、閉店処理によって有効期限が途過した持玉数である。この前日持玉数は、原則として遊技への再利用、景品交換並びに貯玉への移行を行うことはできない。なお、以下の説明における「持玉数」との記載は、かかる当日持玉数を指し前日持玉数を含まない。
一方、貯玉数とは、会員が遊技店に預け入れた玉数を意味し、会員は必要に応じて貯玉数を遊技に再プレイできるとともに、景品交換することもできる。この貯玉数は、上記持玉数と異なり、有効期限は設定されない。このため、上記持玉数と異なり、会員がいつでも貯玉数を景品交換又は再プレイすることができる。ただし、貯玉数の再プレイには再プレイ手数料と呼ばれる手数料が発生する。通常、再プレイ手数料は玉数で徴収される。
図1に示すように、この遊技媒体管理システムは、遊技店の閉店処理操作がなされた場合に、カード管理装置40で管理する会員の持玉数を会員管理装置50で管理する貯玉数に自動移行する処理を行う。この閉店処理時における持玉数の貯玉数への自動移行は、特開2010−17348号公報に開示されるように従来技術である。
しかしながら、上記従来技術は、閉店処理時に持玉の貯玉移行を適正に実行できた場合を前提としているため、持玉の貯玉移行を失敗した場合には、会員であっても一般遊技客と同様に持玉を喪失する結果となる。具体的には、会員が貯玉できる貯玉数には、貯玉上限数が設けられるのが通常であるため、貯玉数に持玉数を加えた時に貯玉上限数を超える場合には、持玉数を貯玉数に移動移行できない。
例えば、図1に示すように、貯玉上限数が「20000玉」、現在の貯玉数が「18000玉」であり、当日持玉数が「5000玉」である場合は、当日持玉数と貯玉数を加算するとその合計値が貯玉上限数を超えてしまう。その結果、かかる当日持玉数の貯玉数への移行処理は失敗に終わり、当日持玉数は前日持玉数に移行される。この前日持玉数は、景品交換、再遊技及び貯玉移行に使用することができず、通常は翌日の開店処理によって「0玉」となる。
このように、貯玉上限数の存在によって貯玉数に自動移行できない持玉数を一律に無効にすると、持玉数が貯玉数に自動移行されるはずと認識している会員の期待感を損ねてしまう。このため、会員は、閉店時に持玉数を景品交換する等の処理をしなければならず、持玉数の自動貯玉移行と言う会員としての大きな特典を享受できない結果となる。
なお、持玉数を貯玉数に移行処理する場合に貯玉上限数を超える場合には、一時的に貯玉上限数を引き上げる案が考えられるが、かかる貯玉上限数は第三者保証のために設けられていることから、実際的には単純に貯玉上限数を引き上げる事は難しい。また、貯玉上限数を超えた超過分を他のカードに対応付ける案も考えられるが、結果的に貯玉上限数を超える第三者保証を行わねばならない結果となり、貯玉上限数を設けた趣旨との整合性を担保するのが難しい。
そこで、図1に示すように、本実施例1では、従前から存在する持玉及び貯玉とその概念が異なる「貯玉候補玉数」と言う新たな指標を採用し、貯玉数への移行処理を行えなかった前日持玉数を貯玉候補玉数へと移行させることとした。この貯玉候補玉数は、(1)景品交換が可能であり、(2)貯玉上限数の範囲内で貯玉移行が可能である反面で、(3)持玉数としての遊技への利用を不可としたものである。つまり、この貯玉候補玉数は、貯玉数のように第三者保証の対象とはせず、持玉数及び貯玉数のように遊技への再利用ができないという制約条件を課されつつも、従前行われていた閉店直前の景品交換の時期的要件を緩和するとともに、貯玉数の補填の役割を担うものである。
このように、貯玉上限数を超える超過分を貯玉候補玉数に移行させることで、貯玉上限数以下の貯玉数を保護する第三者保証を設けた趣旨に沿いつつ、会員に対して従来よりも手厚い保護を与えることが可能となる。
次に、本実施例1に係る遊技媒体管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る遊技媒体管理システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、この遊技媒体管理システムでは、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、複数の島端計数機60と、精算機70と、景品管理装置80とが通信回線90を介して接続されている。なお、複数の遊技機20及び台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して通信回線90に接続されている。
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
この台間カード処理機10には、あらかじめ複数枚のカードが収納されており、遊技客が遊技を終えてカード返却ボタンを押下操作すると、該カード1にプリペイド価値並びに持玉数が関連付けた後に返却される。具体的には、このプリペイド価値及び持玉数がカード1に書き込まれるとともに、カード管理装置40で管理される一般カード管理テーブル40e又は会員カード管理テーブル40fの内容が更新される。また、カード1を受け入れたならば、このカード1のカードIDをカード管理装置40に送信し、このカードIDに対応する持玉数を受け付けたならば、該持玉数を用いた遊技を可能とする。
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。カード管理装置40は、カード1のプリペイド価値及び持玉数を管理する管理装置である。具体的には、一般カード管理テーブル40eを用いて一般客のプリペイド価値及び持玉数を管理するとともに、会員カード管理テーブル40fを用いて会員のプリペイド価値及び持玉数を管理する。
このカード管理装置40は、閉店処理操作に伴って会員の持玉数を貯玉数に自動移行処理するとともに、該自動移行処理ができない場合には、持玉数を会員カード管理テーブル40f内の貯玉候補玉数に移行処理する。この貯玉候補玉数は、景品管理装置80による景品交換時に持玉数及び貯玉数とともに利用することができるが、台間カード処理機10による持玉数又は貯玉数の再遊技時には利用できない。なお、会員管理装置50で管理される貯玉数が減少し、この貯玉候補玉数を貯玉数に加えたとしても貯玉上限数を超えない場合には、この貯玉候補玉数を持玉数の場合と同様にして貯玉数に移行処理することができる。
会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データ及び貯玉数等を管理する管理装置である。具体的には、会員管理テーブル50eを用いて会員の会員データを管理するとともに、貯玉管理テーブル50fを用いて会員の貯玉数を管理する。また、この会員管理装置50は、カード管理装置40から会員カードのカードIDと持玉数を受け付けたならば、この持玉数を該当するカードIDの貯玉数に加算する処理を行う。
島端計数機60は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、計数値をカード1に関連付けるか、レシートへ印字して発行する。精算機70は、紙幣挿入部に挿入された各種紙幣のプリペイド価値が関連付けられたカード1が挿入されると、このプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。景品管理装置80は、遊技店内の景品交換カウンターに併設された景品交換用の端末装置であり、貯玉数及び持玉数の景品交換処理を行う。
次に、図1に示した台間カード処理機10の外観構成について説明する。図3は、図2に示した台間カード処理機10の外観構成を示す図である。同図には、台間カード処理機10が併設される遊技機20が破線で図示されている。また、同図には紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、硬貨受け付け用のユニットを設けることもできる。
図3に示すように、台間カード処理機10は、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11と、パチンコ玉を貸し出す際の各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部12とを有する。また、台間カード処理機10は、ディスプレイなどの表示部並びにテンキーや各種ボタンを含む操作部からなる表示操作部13と、遊技機20の上皿21に遊技媒体を供給するノズル14と、カードID、プリペイド価値、貯玉データ及び持玉データが記憶されたカード1を受け付けるカードユニット部15と、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部16とが設けられている。
また、台間カード処理機10は、遊技客が獲得したパチンコ玉数を持玉数として計数する計数部17と、獲得玉を貯留する持玉貯留部18とを有する。遊技機20の下皿22から落下した遊技媒体は、持玉貯留部18を経て計数部17へと導かれる。この持玉貯留部18には、持玉数を表示する持玉数表示部18aが設けられている。この持玉数表示部18aは、7セグメント(7SEG)のLCD等で構成され、後述する台間カード処理機10の制御部10fにより表示制御される。
なお、遊技機20には、パチンコ玉を貯留する上皿21及び該上皿21の貯留量が増えたパチンコ玉を貯留する下皿22が設けられている。この上皿21には、カードを返却するカード返却ボタン21aが設けられている。
次に、図2に示した台間カード処理機10、カード管理装置40及び会員管理装置50の内部構成について説明する。図4は、図2に示した台間カード処理機10、カード管理装置40及び会員管理装置50の内部構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、台間カード処理機10は、R/W部10aと、通信I/F部10bと、記憶部10cと、制御部10fとを有する。この制御部10fには、表示操作部13、計数部17及び持玉数表示部18aが接続されている。
R/W部10aは、受け入れたカード1へのデータの読み書きを行う処理部である。具体的には、カード1が挿入された場合には、該カード1のカードID、プリペイド価値及び持玉数を読み込んで制御部10fに出力する。カード1を返却する場合には、このカード1にプリペイド価値及び持玉数を書き込む処理を行う。なお、カード1にプリペイド価値及び持玉数を書き込む理由は、カード管理装置40との通信が途絶した状況下でもオフライン運用を可能にするためである。
通信I/F部10bは、カード管理装置40とデータ通信を行うためのインタフェース部である。記憶部10cは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、遊技客の獲得玉を意味する持玉数10dを記憶する。
制御部10fは、台間カード処理機10の全体制御を行う制御部であり、持玉管理部10g、カード処理部10h及び払出処理部10iを有する。持玉管理部10gは、記憶部10cに記憶した持玉数10dを用いて遊技客の持玉数を管理する管理部である。具体的には、新たな持玉が計数された場合には計数値を持玉数10dに加算処理し、持玉の払い出しが行われた場合には払い出し数を持玉数10dから減算処理する。カード1を返却する場合には、カード管理装置40に対して持玉数10dを通知してカード管理装置40により管理される一般カード管理テーブル40e又は会員カード管理テーブル40fの更新指示を行う。
カード処理部10hは、カード1の受け入れ時の処理及びカード1の返却時の処理を行う処理部である。R/W部10aからカード1のカードID、持玉数及びプリペイド価値を受け付けたならば、このカードIDをカード管理装置40に対して送信する。そして、カード管理装置40から持玉数を受信したならば、この持玉数を記憶部10cの持玉数10dに記憶するとともに、持玉数表示部18aに持玉数10dを表示制御する。
払出処理部10iは、持玉払出ボタンが押下操作された場合に、ノズル14を介して持玉数のうちの所定数(例えば、125玉)を遊技機20の上皿21に投出するとともに、貸出ボタンが押下操作された場合には、カード1にプリペイド価値があることを条件に所定数のパチンコ玉を払い出すよう遊技機20に指示する処理部である。また、貯玉の再プレイを行う場合には、ノズル14を介して貯玉数のうちの所定数(例えば、125玉)のパチンコ玉を遊技機20の上皿21に投出することになる。
なお、この払出処理部10iは、持玉数及び貯玉数の払出処理を行う反面で、貯玉候補玉数については払出処理の対象とはしていない。したがって、持玉払出ボタンが押下操作されたとしても、貯玉候補玉数を含まない持玉数のみが通知されることになる。かかる貯玉候補玉数は、景品交換への利用や、貯玉数への移行処理は可能であるが、遊技への再利用を行うことのできないものだからである。
次に、カード管理装置40は、入力部40aと、表示部40bと、通信I/F部40cと、記憶部40dと、制御部40gとを有する。入力部40aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部40bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部40cは、台間カード処理機10及び会員管理装置50とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部40dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
この記憶部40dには、一般カード管理テーブル40e及び会員カード管理テーブル40fが記憶されている。図5(a)は、一般カード管理テーブル40eの一例を示す図であり、図5(b)は、会員カード管理テーブル40fの一例を示す図である。図5(a)に示す一般カード管理テーブル40eには、カードID、プリペイド価値及び持玉数が格納されている。
ここでは、カードID「10001」についてはプリペイド価値「0」、持玉数「0」が関連付けられ、カードID「10002」についてはプリペイド価値「0」、持玉数「500」が関連付けられ、カードID「10003」についてはプリペイド価値「1000」、持玉数「3000」が関連付けられた状況を示している。なお、カードIDの最上位の数字が「1」のものは一般カードを意味し、「0」のものは会員カードを意味する。
図6(b)に示す会員カード管理テーブル40fには、カードID、プリペイド価値、持玉数及び貯玉候補玉数が格納されている。ここでは、カードID「00001」についてはプリペイド価値「0」、当日持玉数「5000」、前日持玉数「0」、貯玉候補玉数「0」が関連付けられ、カードID「00002」についてはプリペイド価値「1000」、当日持玉数「500」、前日持玉数「0」、貯玉候補玉数「1000」が関連付けられ、カードID「00003」についてはプリペイド価値「3000」、持玉数「1000」、前日持玉数「0」、貯玉候補玉数「2000」が関連付けられた状況を示している。
このため、カードID「00002」に関しては、貯玉候補玉数「1000」の景品交換が可能である。また、会員管理装置50により管理される貯玉数と貯玉上限数との差分が1000玉以上ある場合には、所定の貯玉移行操作が行われた場合に、この貯玉候補玉数「1000」を貯玉に移行することができる。ただし、この貯玉候補玉数「1000」は、持玉数のように遊技に再利用することはできない。同様に、カードID「00003」に関しては、貯玉候補玉数「2000」の景品交換が可能である。また、会員管理装置50により管理される貯玉数と貯玉上限数との差分が2000玉以上ある場合には、所定の貯玉移行操作が行われた場合に、この貯玉候補玉数「2000」を貯玉に移行することができる。ただし、この貯玉候補玉数「2000」は、持玉数のように遊技に再利用することはできない。
制御部40gは、カード管理装置40を全体制御する制御部であり、カード情報管理部40h及び貯玉移行処理部40iを有する。カード情報管理部40hは、記憶部40dに記憶した一般カード管理テーブル40e及び会員カード管理テーブル40fを用いて各カードのプリペイド価値、持玉数及び貯玉候補玉数を管理する。
貯玉移行処理部40iは、所定の閉店処理操作がなされた場合に、持玉数を貯玉数に自動移行する処理部である。具体的には、会員管理装置50から会員カードのカードIDに対応する貯玉数を取得し、この貯玉数と持玉数(当日持玉数)との和が貯玉上限数を超えるか否かを判定する。その結果、貯玉上限数を超えないと判定した場合には、会員カード管理テーブル40fのカードID及び持玉数(当日持玉数)を会員管理装置50に送信して貯玉数への移行を依頼する。
一方、貯玉上限数を超えると判定した場合には、持玉数(当日持玉数)を前日持玉数に移行する。例えば、図5(b)に示すカードID「00001」の当日持玉数「5000」と貯玉数との和が貯玉上限数を超えると判定した場合には、この当日持玉数「5000」を前日持玉数に移行する。その結果、カードID「00001」の当日持玉数は「0」となり、前日持玉数は「5000」となる。
次に、会員管理装置50は、入力部50aと、表示部50bと、通信I/F部50cと、記憶部50dと、制御部50gとを有する。入力部50aは、キーボードやマウス等の入力デバイスであり、表示部50bは、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。通信I/F部50cは、カード管理装置40とデータ通信するためのインタフェース部であり、記憶部50dは、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスである。
この記憶部50dには、会員の個人情報を格納した会員管理テーブル50eと、会員が遊技店に預け入れた貯玉数を格納した貯玉管理テーブル50fが記憶されている。図6(a)は、図4に示した会員管理テーブル50eの一例を示す図である。同図に示すように、この会員管理テーブル50eは、電話番号、生年月日及びメールアドレスからなる属性情報と、貯玉数の再プレイを行う場合に必要となる暗証番号とがカードIDに対応付けて格納されている。ここでは、電話番号「090−111−1111」、生年月日「1969年1月1日」、メールアドレス「abc」、暗証番号「○○○○」がカードID「00001」に対応付けられ、電話番号「090−222−2222」、生年月日「1980年2月2日」、メールアドレス「bcd」、暗証番号「△△△△」がカードID「00002」に対応付けられ、電話番号「090−333−3333」、生年月日「1985年3月3日」、メールアドレス「def」、暗証番号「××××」がカードID「00003」に対応付けられた状況を示している。
また、図6(b)は、貯玉管理テーブル50fの一例を示す図であり、同図に示す貯玉管理テーブル50fには、貯玉数がカードIDに対応付けて格納されている。ここでは、貯玉数「18000」がカードID「00001」に対応付けられ、貯玉数「3000」がカードID「00002」に対応付けられ、貯玉数「20000」がカードID「00003」に対応付けられた状況を示している。貯玉上限数が「20000」である場合には、カードID「00001」には2000玉までしか貯玉することができず、カードID「00002」には17000玉が貯玉することができ、カードID「00003」には新たな貯玉はできないことになる。
制御部50gは、会員管理装置50を全体制御する制御部であり、貯玉管理部50hを有する。この貯玉管理部50hは、記憶部50dに記憶した貯玉管理テーブル50fを用いて各会員カードの貯玉数を管理する。この貯玉管理部50hは、カード管理装置40から持玉数を受信したならば、この持玉数を貯玉数に加算する処理を行う。なお、ここでは説明の便宜上その詳細な説明を省略するが、台間カード処理機10等からカードIDを含む貯玉の再プレイ要求を受け付けた場合には、このカードIDに対応する貯玉数から所定数(例えば125玉)を減算するとともに、台間カード処理機10に対して貯玉投出指示を行う。また、景品管理装置等からカードIDを含む貯玉の加算要求を受け付けた場合には、受け付けた玉数を該カードIDに対応する貯玉数に加算する。ただし、所定の貯玉上限数を超える場合には、貯玉の加算要求を棄却する。
次に、図4に示したカード管理装置40による閉店処理操作受付時の処理手順について説明する。図7は、図4に示したカード管理装置40による閉店処理操作受付時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、会員カードに持玉数(当日持玉数)が関連付けられているものとする。
図7に示すように、カード管理装置40が所定の閉店処理操作を受け付けたならば(ステップS101)、会員管理装置50に対して会員カードのカードIDに対応する貯玉数を要求する。そして、この貯玉数を受信したならば、当日持玉数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えるか否かを判定する(ステップS102)。
例えば、図5(b)に示したカードID「00001」の場合には、当日持玉数が「5000」であり、このカードIDに対応する貯玉数が「18000」であるため(図6(b)参照)、この「00001」に対応する当日持玉数と貯玉数の和が「23000」となる。ここで、貯玉上限数が「20000」であるとすると、当日持玉数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えていると判定される。一方、図5(b)に示したカードID「00002」の場合には、当日持玉数が「500」であり、このカードIDに対応する貯玉数が「3000」であるため(図6(b)参照)、この「00002」に対応する当日持玉数と貯玉数の和が「3500」となり、貯玉上限数「20000」以内であると判定される。
そして、当日持玉数と貯玉数の和が貯玉上限数以内であると判定された場合には(ステップS102:No)、当日持玉数を貯玉移行処理する(ステップS103)。具体的には、この当日持玉数がカードIDとともに会員管理装置50に対して送信され、会員管理装置50の貯玉管理テーブル50fの貯玉数に当日持玉数が加算処理される。例えば、図5(b)に示したカードID「00002」の場合には、貯玉管理テーブル50fのカードID「00002」に対応する貯玉数が「3500」となり、会員カード管理テーブル40fのカードID「00002」に対応する当日持玉数が「0」になる。
これに対して、当日持玉数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えると判定された場合には(ステップS102:Yes)、当日持玉数が前日持玉数へ移行処理される(ステップS104)。例えば、図5(b)に示したカードID「00001」の場合には、会員カード管理テーブル40fのカードID「00001」に対応する当日持玉数が「0」となり、前日持玉数が「5000」となる。
上記ステップS102〜S104の処理を未処理のカードIDがなくなるまで繰り返し(ステップS105:Yes)、会員カード管理テーブル40f内の全てのカードIDに対する処理を終えたならば(ステップS105:No)、処理を終了する。
上記一連の処理を行うことにより、閉店処理操作に応答して、貯玉上限数との関係で貯玉数へ移行できるものは当日持玉数が貯玉数に貯玉移行され、貯玉数へ移行できないものは前日持玉数に移行されることになる。なお、この前日持玉数は、景品交換、遊技への再利用及び貯玉移行の全てが禁止される。
次に、図4に示したカード管理装置40による開店処理操作時の処理手順について説明する。図8は、図4に示したカード管理装置40による開店処理操作時の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは説明の便宜上、前日持玉数の取り扱いについてのみ説明している。
図8に示すように、カード管理装置40が所定の開店処理操作を受け付けたならば(ステップS201)、前日持玉数が「0」であるか否かを判定する(ステップS202)。そして、前日持玉数が「0」でない場合には(ステップS202:Yes)、前日持玉数を貯玉候補玉数に移行する(ステップS203)。なお、前日持玉数が「0」である場合には、そのままステップS204に移行する。
例えば、図5(b)に示したカードID「00001」の場合には、すでに説明したように会員カード管理テーブル40fのカードID「00001」に対応する前日持玉数が「5000」とされているので、この前日持玉数が「0」となり、貯玉候補玉数が「5000」とされる。
上記ステップS202〜S203の処理を未処理のカードIDがなくなるまで繰り返し(ステップS204:Yes)、会員カード管理テーブル40f内の全てのカードIDに対する処理を終えたならば(ステップS204:No)、処理を終了する。
上記一連の処理を行うことにより、開店処理操作に応答して、前日持玉数を貯玉候補玉数に移行することができる。本実施例1では、開店処理操作に応答して貯玉候補玉数への移行処理を行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の時刻(例えば、午前6時)に貯玉候補玉数への移行処理を行うこともできる。なお、当日持玉数を直接貯玉候補玉数に移行するのではなく、一旦前日持玉数に移行することとした理由は、ログ情報として保存するためである。
次に、図4に示したカード管理装置40による貯玉候補玉数の貯玉移行操作時の処理手順について説明する。図9は、図4に示したカード管理装置40による貯玉候補玉数の貯玉移行操作時の処理手順を示すフローチャートである。なお、かかる貯玉候補玉数の貯玉移行操作は、図2に示した景品管理装置80等で行われる。
図9に示すように、カード管理装置40が貯玉候補玉数の貯玉移行操作を受け付けたならば(ステップS301)、会員管理装置50に対して会員カードのカードIDに対応する貯玉数を要求する。そして、この貯玉数を受信したならば、貯玉候補玉数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えるか否かを判定する(ステップS302)。
例えば、図5(b)に示したカードID「00001」の場合には、すでに説明したように貯玉候補玉数が「5000」であり、このカードIDに対応する貯玉数が「18000」であるため(図6(b)参照)、この「00001」に対応する貯玉候補玉数と貯玉数の和が「23000」となるため、貯玉上限数「20000」を超えていると判定される。ただし、この貯玉数が会員によって利用され、貯玉数が「15000」以下となった場合には、この「00001」に対応する貯玉候補玉数と貯玉数の和が貯玉上限数「20000」以下であると判定される。
そして、貯玉候補玉数と貯玉数の和が貯玉上限数以下であると判定された場合には(ステップS302:No)、貯玉候補玉数を貯玉数に貯玉移行処理する(ステップS303)。具体的には、この貯玉候補玉数がカードIDとともに会員管理装置50に対して送信され、会員管理装置50の貯玉管理テーブル50fの貯玉数に貯玉候補玉数が加算処理される。
これに対して、貯玉候補玉数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えると判定された場合には(ステップS302:Yes)、貯玉上限数から貯玉数を差し引いて貯玉可能玉数を算定し(ステップS304)、この貯玉可能玉数を貯玉数に貯玉移行処理した後に(ステップS305)、貯玉候補玉数から貯玉可能玉数を減算する(ステップS306)。
上記一連の処理を行うことにより、貯玉候補玉数の一部を貯玉に移行処理することができる。貯玉上限数との関係で貯玉することができなかったが、その後に会員が貯玉を利用して貯玉数が減少した場合に有用である。
上述してきたように、本実施例1によれば、閉店処理操作時に貯玉上限数との関係で持玉数(当日持玉数)を貯玉数に移行処理できない場合に、景品交換可能であり、貯玉上限数の範囲内で貯玉移行可能であり、持玉数として遊技への利用ができない貯玉候補玉数に移行することとしたので、貯玉上限数を設けた趣旨を逸脱することなく、会員の持玉数を適正に保護することが可能となる。
ところで、上記実施例1及び2では、持玉数(当日持玉数)を貯玉数に移行する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、持玉数のうちの端数のみを貯玉数に移行する運用を行う場合に適用することもできる。そこで、本実施例3では、持玉数のうちの端数のみを貯玉数に移行する運用を行う場合について説明する。
図12は、実施例3に係る遊技媒体管理システムの概念を説明するための説明図である。同図に示す遊技媒体管理システムでは、貯玉上限数との関係で持玉数(当日持玉数)の端数を貯玉数に移行処理しつつ、残余の持玉数を前日持玉数に移行する処理を行っている。
ここで、端数とは、特殊景品に景品交換することができない玉数を意味する。例えば、遊技店が、持玉数「1250」で5000円相当の特殊景品Aに景品交換し、持玉数「250」で1000円相当の特殊景品Bに景品交換し、持玉数「50」で200円相当の特殊景品Cに景品交換する場合には、49玉以下の持玉数が端数として取り扱われることになる。このような場合に、通常はお菓子等の景品に景品交換されるわけであるが、かかるお菓子を望まない遊技客が多いため、遊技店が端数を貯玉移行させる運用を行う場合があるからである。
図12に示すように、持玉数が「5020」、貯玉数が「18000」、貯玉上限数が「20000」である場合には、持玉数「5020」のうちの端数「20」を貯玉数に移行処理し、残余の持玉数「5000」を前日持玉数に移行させている。なお、この前日持玉数「5000」は、実施例1と同様に翌日の開店処理によって貯玉候補玉数「5000」に移行処理されることになる。このように、持玉数の端数を貯玉するように構成することで、遊技店が端数を貯玉移行する運用を採用する場合であっても、会員にとって有利に取り扱うことができる。
次に、本実施例3に係る台間カード処理機10、カード管理装置100及び会員管理装置50の内部構成について説明する。図13は、本実施例3に係る台間カード処理機10、カード管理装置100及び会員管理装置50の内部構成を示す機能ブロック図である。なお、すでに説明した実施例1と同様の部位については、同一の符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
同図に示すように、カード管理装置100の制御部110には、カード情報管理部40hと、端数算出部111と、貯玉移行処理部112とが設けられている。端数算出部111は、持玉数の端数を算定する処理部である。具体的には、最も低額な特殊景品の景品交換に必要な玉数で持玉数を除算し、その剰余の玉数を端数とする。例えば、持玉数が「5020」であり、最も低額な特殊景品の景品交換に要する玉数が「50」である場合には、5020玉を50玉で除算した剰余の20玉が端数となる。
貯玉移行処理部112は、端数算出部111で算出された端数を貯玉に自動移行するとともに、持玉数(当日持玉数)から端数を除いた残余を前日持玉数に移行する処理部である。なお、この端数を貯玉数に移行処理すると貯玉上限数を超えてしまう場合には、端数を含めた持玉数(当日持玉数)の全てを前日持玉数に移行させることになる。
次に、図13に示したカード管理装置100による閉店処理操作受付時の処理手順について説明する。図14は、図13に示したカード管理装置100による閉店処理操作受付時の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、説明の便宜上、会員カードに持玉数(当日持玉数)が関連付けられているものとする。
図14に示すように、カード管理装置100が所定の閉店処理操作を受け付けたならば(ステップS501)、端数算出部111が持玉数の端数を算出する(ステップS502)。その後、会員管理装置50に対して会員カードのカードIDに対応する貯玉数を要求し、この貯玉数を受信したならば、端数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えるか否かを判定する(ステップS503)。
そして、端数と貯玉数の和が貯玉上限数以内であると判定された場合には(ステップS503:No)、端数を貯玉移行処理するとともに(ステップS504)、持玉数(当日持玉数)から端数を減算した玉数を前日持玉数に移行する(ステップS505)。一方、端数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えると判定された場合には(ステップS503:Yes)、当日持玉数の全てを前日持玉数に移行処理する(ステップS506)。
上記ステップS502〜S506の処理を未処理のカードIDがなくなるまで繰り返し(ステップS507:Yes)、会員カード管理テーブル40f内の全てのカードIDに対する処理を終えたならば(ステップS507:No)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例3では、持玉数(当日持玉数)の一部のみを貯玉移行させる運用を行う場合に、端数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えている場合には全ての持玉数を貯玉候補玉数に移行させ、端数と貯玉数の和が貯玉上限数以内である場合には端数を貯玉に移行処理するとともに端数を除いた持玉数を貯玉候補玉数に移行させるよう構成したので、持玉数の端数のみを貯玉に移行処理する運用を採用する場合にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施例3では、持玉数(当日持玉数)全体又は持玉数から端数を除いた玉数を前日持玉数に移行させる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、端数のみを貯玉移行させる場合に適用することもできる。図15は、端数のみを貯玉移行させる場合の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、カード管理装置100が所定の閉店処理操作を受け付けたならば(ステップS601)、端数算出部111が持玉数の端数を算出し(ステップS602)、端数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えるか否かを判定する(ステップS603)。そして、端数と貯玉数の和が貯玉上限数以内であると判定された場合には(ステップS603:Yes)、端数を貯玉移行処理する(ステップS604)。なお、端数と貯玉数の和が貯玉上限数を超えると判定された場合には(ステップS603:No)、そのままステップS605に移行する。上記ステップS602〜S604の処理を未処理のカードIDがなくなるまで繰り返し(ステップS605:Yes)、会員カード管理テーブル40f内の全てのカードIDに対する処理を終えたならば(ステップS605:No)、処理を終了することになる。
また、本実施例3では、持玉数全体又は持玉数から端数を除いた玉数を前日持玉数に移行する場合を示したが、この前日持玉数を貯玉候補玉に移行させる場合だけではなく、この前日持玉数を翌日に消滅させる運用を採用することもできる。
なお、上記実施例1〜3では、閉店処理時の貯玉移行処理を対象とする場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、閉店後日が跨がる時点での貯玉移行処理や、開店処理時の貯玉移行処理を対象とすることもできる。その他、貯玉への移行処理を行うのは会員カード返却時でもよく、特開2010−17348号公報に記載のタイミングであればいつでも良い。
また、上記実施例1〜3では、閉店処理時の貯玉移行処理を行えない場合に、会員カード管理テーブル40fの持玉数(当日持玉数)を前日持玉数に移行させた後に、この前日持玉数を貯玉候補玉数に移行させることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、持玉数(当日持玉数)を直接貯玉候補玉数に移行するよう構成することもできる。
また、上記実施例1〜3では、カード管理装置40と会員管理装置50を別装置とした場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード管理装置40と会員管理装置50を一体化した場合に適用することもできる。
また、上記実施例1〜3では、会員を証明する媒体として会員カードについて記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客が保有する携帯電話を会員カードとして扱うようにしても良い。携帯電話の場合の会員の種別は、「メールアドレス」、「電話番号」、「フェリカのIdm」等、携帯電話を一意に識別可能なものであれば何でも良い。
また、上記実施例では、貯玉候補玉を貯玉へ移行するのに手動による移行指示を行う旨の説明をしたが、自動処理にすることもできる。つまり、遊技客が貯玉を景品交換や再プレイ等で使うことにより、貯玉上限数と現在貯玉数との差が貯玉候補玉数より多くなった時点で貯玉候補玉が貯玉へ移行させる。これにより、煩わしい操作も必要なく容易に貯玉移行ができる。