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JP5624849B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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JP5624849B2
JP5624849B2 JP2010240993A JP2010240993A JP5624849B2 JP 5624849 B2 JP5624849 B2 JP 5624849B2 JP 2010240993 A JP2010240993 A JP 2010240993A JP 2010240993 A JP2010240993 A JP 2010240993A JP 5624849 B2 JP5624849 B2 JP 5624849B2
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Description

本発明は、インクジェットプリンタに関し、特に画像形成部において吸着して搬送された記録媒体にプリントヘッドからインクを吐出してプリントを行うインクジェットプリンタに関する。
低価格で高速カラー印刷が可能なインクジェットプリンタの普及が目覚ましい。インクジェットプリンタは、パーソナルコンピュータ等の端末に接続され、この端末において製作された文字、イラスト、記号等の画像データを取り込み、用紙に印刷を行う。また、スキャナやファクシミリと一体化された複合型のインクジェットプリンタにおいては、スキャナユニットから取り込んだ画像データの印刷を行うことができ、或いはファクシミリにより転送された画像データの印刷を行うことができる。
この種のインクジェットプリンタは、画像形成部のプリントヘッドと対向する位置のプラテンプレート上に記録用紙を吸着させて搬送する機構を備えている。記録用紙は、プラテンプレート上を摺動する搬送ベルトにより搬送され、この搬送ベルトを介してプラテンプレート上に吸引力を用いて吸着される。このような機構を備えることによって、画像形成部において、記録用紙の皺寄せや波打ち現象(コックリング)を防止することができ、又記録用紙のカールを防止することができるので、記録用紙の浮きを無くすことができる。結果的に、記録用紙とプリントヘッドとの干渉(例えば、記録用紙詰まり)を防止することができ、又プリントヘッドと記録用紙との距離(ヘッドギャップ)を安定して確保することができるので、安定したプリント並びにプリント画質を得ることができる。
更に安定したプリント並びにプリント画質を得るためには記録用紙の吸引力を高めればよい。ところが、プリントヘッド近傍の吸引力の増加に伴い空気の流れが速くなり、この空気の流れはプリントヘッドから吐出されるインク滴の軌道に影響を及ぼしプリント画質に劣化を生じさせる。また、空気の流れが速くなるとインク滴からミストを誘発し易く、このミストによって記録用紙に汚れが生じ、インクジェットプリンタ内に汚染(装置内汚染)が生じる。
下記特許文献1には、インクジェットヘッド直下近傍に発生する用紙搬送方向の空気流を減ずるように制御する空気流制御手段を備え、前述のインクミストの発生を抑制することができる、インクジェット方式のプリンタに用いられる用紙搬送機構が開示されている。この用紙搬送機構の空気流制御手段としては、プラテン上の空気流通孔を塞ぐ例、空気流通孔の形成密度を小さくする例、空気流通孔を小径にする例が開示されており、この空気流制御手段を備えることによって、用紙の先端部分に発生するインクミストによる用紙汚染を防止することができる。
特開2007−31007号公報
しかしながら、前述の特許文献1に開示された用紙搬送機構においては、インクジェットヘッド直下近傍に発生する用紙搬送方向の下流側の空気流を減ずることができるが、プリント画質に最も影響するインクジェットヘッドのインク吐出ノズルの直下に空気流通孔が配設されておらず、この領域に用紙の浮きが生じる点について配慮がなされていなかった。このインク吐出ノズルの直下において用紙の浮きが生じると、インク吐出ノズルとその直下に搬送される用紙との間のヘッドギャップを安定に確保することが難しく、又用紙がインク吐出ノズルに接触する場合がある。このため、プリント画質の劣化が懸念される。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明は、プリントヘッドのインク吐出ノズル直下並びにその近傍の、記録媒体の吸引に伴う空気の流れを減少し、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止しつつ、インク吐出ノズル直下の記録媒体の浮きを防止することができるインクジェットプリンタを提供することである。
更に、本発明は、プリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することである。
更に詳細には、本発明は、インク吐出ノズル直下の記録媒体の浮きを防止することによってプリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止し及びヘッドギャップを安定に確保してプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することである。
また、更に詳細には、本発明は、プリントヘッドの搬送方向の上流側直前の記録媒体の浮きを防止することによってプリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつかつミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止し、ヘッドギャップを安定に確保し及び搬送方向においてプリントヘッドを緻密に配列してプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することである。
また、更に詳細には、本発明は、記録媒体の特に縁部分の浮きを防止することによってプリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止してプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の実施例に係る第1の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔を有するプラテンプレートと、プラテンプレートの表面に対向する位置に配設されたノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、を備え、プラテンプレートの吸引孔の直上を除く凹部の第1の開口端と吸引孔の第2の開口端との間にプリントヘッドのインク吐出ノズルが配設され、吸引孔に対向する位置にプリントヘッドのノズル面の周縁の一部が配設されたことである。
また、第1の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、プリントヘッドのノズル面にインク吐出ノズルが複数列配列され、少なくともその1列のインク吐出ノズルがプラテンプレートの吸引孔の直上を除く凹部の第1の開口端と吸引孔の第2の開口端との間に配設されていることが好ましい。
本発明の実施例に係る第2の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面の第1の方向に配列された複数の第1の凹部、表面から裏面に向かって掘り下げ第1の凹部に対して第1の方向と交差する第2の方向に隣り合いかつ一定ピッチずらして第1の方向に配列された複数の第2の凹部、第1の凹部の底面の一部から裏面に貫通する第1の吸引孔及び第2の凹部の底面の一部から裏面に貫通する第2の吸引孔を有するプラテンプレートと、プラテンプレートの表面に対向する位置に配設されたノズル面において、第2の方向に配列された第1のインク吐出ノズル及びこの第1のインク吐出ノズルに対して第1の方向に隣り合い第2の方向に配列された第2のインク吐出ノズルを有するインクジェット型プリントヘッドと、を備え、プラテンプレートの第1の吸引孔の直上を除く第1の凹部の第1の開口端と第1の吸引孔の第2の開口端との間にプリントヘッドの第1のインク吐出ノズルが配設されるとともに、第2の吸引孔の直上を除く第2の凹部の第3の開口端と第2の吸引孔の第4の開口端との間に第2のインク吐出ノズルが配設されており、第1および第2の吸引孔のうち第1の方向である記録媒体の搬送方向の上流側にある吸引孔に対向する位置に、ノズル面の搬送方向の最も上流側の周縁の一部が配設されたことである。
本発明の実施例に係る第3の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、表面からそれと対向する裏面に貫通する第1の吸引経路及びそれに比べて吸引力が小さい第2の吸引経路を有するプラテンプレートと、プラテンプレートの表面に対向する位置に配設されたノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、を備え、プラテンプレートの第2の吸引経路に対向する位置にプリントヘッドのインク吐出ノズルが配設され、第1の吸引経路に対向する位置にプリントヘッドのノズル面の周縁の一部が配設されたことである。
第1の特徴、第2の特徴又は第3の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、プラテンプレートの表面上に記録媒体が搬送される方向に対して、プリントヘッドのインク吐出ノズルが交差する方向に複数配列されたラインプリンタ方式を採用することが好ましい。
本発明の実施例に係る第4の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔を有するプラテンプレートと、プラテンプレートの表面に対向する位置に配設されたノズル面に配列されたインク吐出ノズルをそれぞれ有し、第1の方向に配列された複数のインクジェット型プリントヘッドと、第1の方向に隣り合うプリントヘッド間においてプラテンプレートの表面上に配設され、プラテンプレートの表面との間において記録媒体の浮きを押さえ込みながら回転する押さえローラと、を備え、プラテンプレートの吸引孔の直上を除く凹部の第1の開口端と吸引孔の第2の開口端との間にプリントヘッドのインク吐出ノズルが配設されており、押さえローラ直下にプラテンプレートの吸引孔が配設されていないことである。
また、第4の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、吸引孔は、搬送される記録媒体を押さえローラを用いて押さえ込む直前の領域に配設されていることが好ましい。また、第4の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、押さえローラは、プラテンプレートの凹部に重複した領域に配設されていることが好ましい。また、第4の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、押さえローラの軸心からプラテンプレートの表面に鉛直に引いた中心線から、記録媒体の搬送方向の上流側にずれた位置に、吸引孔の搬送方向の最も下流側の開口端が配設されていることが好ましい。
更に、第4の特徴に係るインクジェットプリンタにおいて、押さえローラ直下にプラテンプレートの吸引孔とともに凹部が配設されていないことが好ましい。
本発明の実施例に係る第5の特徴は、インクジェットプリンタにおいて、ノズル面にインク吐出ノズルを有し、第2の方向に複数配列されたインクジェット型プリントヘッドと、プリントヘッドに重複する領域においてノズル面側の表面からそれと対向する裏面に向かって貫通する複数の吸引孔を有し、第2の方向に隣り合うプリントヘッド間において重複する領域に比べて吸引孔の配設密度が低い非吸引領域を有するプラテンプレートと、を備え、プラテンプレートのプリントヘッドと非吸引領域との間にプラテンプレートの表面から裏面に貫通する補助用吸引孔を備えたことである。
本発明によれば、プリントヘッドのインク吐出ノズル直下並びにその近傍の、記録媒体の吸引に伴う空気の流れを減少し、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止しつつ、インク吐出ノズル直下の記録媒体の浮きを防止することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
更に、本発明によれば、プリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
更に、本発明によれば、インク吐出ノズル直下の記録媒体の浮きを防止することによってプリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止し及びヘッドギャップを安定に確保してプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
更に、本発明によれば、プリントヘッドの搬送方向の上流側直前の記録媒体の浮きを防止することによってプリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止し、ヘッドギャップを安定に確保し及び搬送方向においてプリントヘッドを緻密に配列してプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
更に、本発明によれば、記録媒体の搬送方向先端の角部分の浮きを防止することによってプリントヘッドと記録媒体との干渉を防止することができ、かつミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止してプリント画質の劣化を抑制することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
本発明の実施例1に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図である。 図1に示すインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図である。 図1に示すインクジェットプリンタの画像形成部の平面図である。 図3に示す画像形成部の要部拡大平面図である。 (A)は図3に示す画像形成部の更に要部を拡大した平面図、(B)はその断面図、(C)は風量分布図である。 実施例1に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 本発明の実施例2に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図である。 本発明の実施例3に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図である。 図8に示すインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大平面図である。 図8に示すインクジェットプリンタの画像形成部の押さえローラ及びその駆動機構を示す要部拡大断面図である。 図8に示すインクジェットプリンタの画像形成部の更に詳細な要部拡大断面図である。 実施例3の変形例に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大断面図である。 本発明の実施例4に係るインクジェットプリンタの画像形成部の要部平面図である。 図13に示すインクジェットプリンタの画像形成部の要部拡大平面図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。
また、以下に示す実施例はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(実施例1)
本発明の実施例1は、シアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインクを用いてプリントを行うカラーインクジェットプリンタに本発明を適用した例を説明するものである。なお、本発明は、必ずしもカラーインクジェットプリンタにのみ適用されるのではなく、グレースケールを含むモノクロインクジェットプリンタにも適用可能である。
[インクジェットプリンタの装置構成]
図6に示すように、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、プリントする記録媒体100を供給し、この記録媒体100にプリントを行い、このプリントされた記録媒体100を排出する搬送機構を有する。インクジェットプリンタ10において、符号を付けていない筐体の左側側面にはこの筐体から外側に突出する着脱自在の給紙台101が配設され、筐体内部には複数の給紙トレイ102、103、104及び105が配設されている。これらの給紙台101及び給紙トレイ102〜105には未プリント(印刷前)の記録媒体100が格納されている。また、インクジェットプリンタ10の筐体の左側上部には排紙台110が配設されている。排紙台110にはプリント済み(印刷後)の記録媒体100が排出される。ここで、記録媒体100には記録用紙が使用される。また、記録媒体100は、この記録用紙に限定されるものではなく、記録フィルムがコーティングされた用紙、オーバーヘッドプロジェクタ(OHP)に使用されるOHPフィルム(OHPシート)、樹脂製ディスク等であってもよい。
インクジェットプリンタ10は、給紙台101等から供給される記録媒体100の搬送方向に対して交差する方向(ここでは直交する方向)に多数のインク吐出ノズル(図1、図2及び図4において符号21、22を付して示す。)が配列されたインクジェット型プリントヘッド2を複数備えている。これらのプリントヘッド2はインク供給系7に接続されている。インク供給系7は制御部6に接続され、インク供給系7及びプリントヘッド2の動作は制御部6によって制御を行っている。それぞれのプリントヘッド2は、ブラックインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクを吐出し、ライン単位においてプリントを行う。つまり、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、ラインプリント方式を採用するカラーインクジェットプリンタである。
インクジェットプリンタ10の画像形成部において、プリントヘッド2に対向する位置(図6中、下側)には搬送ベルト3を介在してプラテンプレート4が配設されている。搬送ベルト3は、終端のない巡回ベルトであり、プラテンプレート4上を摺動(走行)し、プラテンプレート4上に記録媒体100を搬送(供給)し、プリント後にプラテンプレート4上から記録媒体100を搬送(排出)する。なお、搬送ベルト3並びにプラテンプレート4の詳細な構成は後述する。
プラテンプレート4下つまりプリントヘッド2とは反対側(図6中、下側)には吸引装置5が配設されている。吸引装置5は、画像形成部に搬送されプリントされる記録媒体100を搬送ベルト3を介在してプラテンプレート4に吸着させる機能を有する。実施例1において、吸引装置5にはエア吸引ファンが使用される。また、実施例1において、吸引装置5は、インクジェットプリンタ10の筐体内部に内臓されているが、インクジェットプリンタ10の筐体外部に外付け装置として設置し、吸引ダクトを用いてプラテンプレート5に配管してもよい。吸引装置5は制御部6に接続され、この制御部6によって吸引装置5の動作が制御されている。
なお、実施例1に係るインクジェットプリンタ10は、ライン単位においてプリントを行う方式だけに限定されるものではなく、ライン方向に走査してプリントを行うシリアル方式に適用してもよい。
[インクジェットプリンタのプリント動作]
前述の図6に示すインクジェットプリンタ10のプリント動作は以下の通りである。まず最初に、給紙台101、給紙トレイ102〜105のいずれかから供給された未プリント状態の記録媒体100は、特に符号を付していないが、ローラ等により構築される駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路に沿って搬送され、レジスト部121に導かれる。レジスト部121は、搬送された記録媒体100の供給方向先端の位置合わせ、斜行修正等を行う機能を有し、給紙系搬送路に対して垂直方向に配設された一対のレジストローラを備えている。レジスト部121に搬送された記録媒体100はここで一旦停止され後、所定のタイミングにおいてプリントヘッド2が配列された画像形成部(印刷部)の方向に搬送される。
プリントヘッド2に給紙系搬送路を介して対向する領域には環状の搬送ベルト3が配設され、この搬送ベルト3はプリント条件により定められる速度において記録媒体100の搬送を行う。この搬送ベルト3を用いてプラテンプレート4上に搬送される記録媒体100に対してプリントヘッド2は各色インクを吐出し、カラープリント、モノクロプリント又はグレースケールプリントが行われる。
プリント済みの記録媒体100は、駆動機構によって排紙系搬送路に沿って搬送され、片面プリントの場合にはそのまま排紙台110に導かれて排紙される。また、両面プリントの場合には、片面プリント済みの記録媒体100が排紙系搬送路から切換機構122を通してスイッチバック経路111に導かれ、この記録媒体100はプリント面を反転させて再び給紙系搬送路に戻される。片面プリントの場合と同様に、給紙系搬送路に戻された記録媒体100は、レジスト部121から画像形成部に搬送され、ここでプリントを行った後、排紙系経路を通して排紙台110に排出される。
[画像形成部の構成]
実施例1に係るインクジェットプリンタ10の画像形成部において、プラテンプレート4は、図1、図2、図3、図4、図5(A)及び図5(B)に示すように、表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ表面に規則的に配列された複数の凹部41及びこの凹部41の底面の一部から裏面に貫通する吸引孔42を有する。ここで、プラテンプレート4の表面とは、図1及び図2中上側表面であって、プリントヘッド2側の表面である。プラテンプレート4の裏面とは、図1及び図2中下側表面であって、吸引装置5側の表面である。
プラテンプレート4は例えば金属製又は樹脂製のプレートである。図5(B)に示すプラテンプレート4の厚さ4T1は例えば2.5mm−7.0mmに設定される。
このプラテンプレート4の表面に配設された凹部41の平面形状(開口形状)はここでは記録媒体100の搬送方向に沿って細長い長方形形状により構成されている。図5(B)に示す凹部41の搬送方向の長さ41L1は例えば16mm−68mmに設定されている。この凹部41の長さ(溝長)41L1は、図3及び図4に示す搬送方向(同図中、左から右に向かう方向)に配列されたプリントヘッド2の間隔又はその倍数に設定されている。図5(A)に示す凹部41の搬送方向と交差する方向の長さ(溝幅)41L2は例えば4mm−10mmに設定されている。図5(B)に示す凹部41の深さ(溝の深さ)41Dは、プラテンプレート4の厚さ4T1に対して1/3.5−1/4程度小さい例えば0.5mm−2.0mmに設定されている。ここで、図3中及び図4中、プリントヘッド2を中心として搬送方向の左側は、未プリント状態の記録媒体100を供給する側であって、搬送方向の上流側である。プリントヘッド2を中心として搬送方向の右側は、プリント済み状態の記録媒体100を排出する側であって、搬送方向の下流側である。
図3及び図4に示すように、凹部41は搬送方向に一定のピッチにより規則的に配列され、搬送方向と交差する(直交する)方向に隣り合う次段の凹部41は前段ピッチに対して半ピッチずれて搬送方向に同一の一定ピッチにより規則的に配列されている。つまり、凹部41はプラテンプレート4の表面に千鳥模様に配列されている。
吸引孔42は凹部41の掘り下げた底面の中央部(一部)に配設され、吸引孔42はプラテンプレート4下に配設された吸引装置5に連接されるようになっている。吸引孔42の平面形状(開口形状)はここでは搬送方向に細長く搬送方向の両端に円弧形状を有する長円形状により構成されている。図5(B)に示す吸引孔42の搬送方向の長さ42L1は凹部41の長さ41L1に比べて短い例えば4mm−30mmに設定されている。図5(A)に示す吸引孔42の搬送方向と交差する方向の長さ42L2は凹部41の長さ41L2に比べて短い例えば3mm−8mmに設定されている。図5(B)に示す吸引孔42の深さ42Dは、プラテンプレート4の厚さ4T1の大半を占める例えば2mm−5mmに設定されている。
実施例1において、吸引孔42は、凹部41のすべてに配設されているのではなく、図3に示すように、画像形成部に搬送された記録媒体100がプリントヘッド2を複数配設したプリントヘッド群に入る直前並びに各プリントヘッド2下に集中的に配設されている。吸湿、温度上昇等に伴い記録媒体100例えば記録用紙の周辺長に膨張が生じると、記録用紙は局所的に浮きを生じる。このような記録用紙はその全域を無理に押さえようとしても必ず一部に浮きを生じる。プリントヘッド2と記録用紙との干渉を防止し、又安定なヘッドギャップを確保するためには、プリントヘッド群に入る直前や各プリントヘッド2下(プリントヘッド2に重複する領域)に吸引孔42を密に配設し吸引領域として機能させ、強制的に記録用紙をプラテンプレート4に吸引する必要がある。それ以外の領域は、記録用紙の浮きを意図的に許容した、浮きの逃げの領域として機能させた非吸引領域45である。この非吸引領域45は搬送方向と交差する方向に配列されたプリントヘッド2間に配設されている。非吸引領域45においては、上記の通り、記録用紙の浮きを許容し、又浮きの逃げとして機能すればよいので、記録用紙の吸引力を減少するために、プリントヘッド2に重複する領域における吸引孔42の配設密度に比べて吸引孔42の配設密度が低ければよい。つまり、プリントヘッド2に重複する領域の吸引孔42の単位面積当たりの配置数に比べて、非吸引領域45の単位面積当たりの配置数が少なければよい。実施例1においては、非吸引領域45の吸引孔42の配置数はゼロに設定されている。
また、プラテンプレート4の全域に渡って吸引孔42を確保する場合に比べて、特に必要のない領域(非吸引領域45)に吸引孔42を配設せず、必要な領域(プリントヘッド2下)にだけ吸引孔42を配設することにより、開放部分が減少し吸引効率を向上することができる。吸引効率を向上することによって、記録用紙の吸着力を高めることができ、又吸引装置5の小型化を図ることができる。
また、プラテンプレート4において、凹部41及び吸引孔42が千鳥模様に配列されているので、隙間無く吸引孔42を配設することができ、記録媒体100を全域において均等にかつ確実に吸引することができる。千鳥模様ではなく、記録媒体100の搬送方向並びにそれと直交する方向に吸引孔42を行列模様において配列した場合には搬送方向及びそれと交差する方向の隣り合う吸引孔42間に吸引しない領域が生じ、記録媒体100の吸引効果が薄れ、吸引しない領域に対応して記録媒体100に浮きが生じる。
搬送ベルト3は、可塑性を有し、記録媒体100と適度な摩擦力を発生させるゴム、樹脂等の材料により構成されている。搬送ベルト3には図1、図2、図3及び図5(B)に示すようにベルト穴31が配設され、このベルト穴31を通して吸引装置5に流れる負圧の空気の流れ(吸引力)によって搬送ベルト3の表面に記録媒体100を吸着することができる。搬送ベルト3のベルト穴31の平面形状は例えば円形状により構成され、図5(B)に示すベルト穴31の直径31Lは例えば1mm−3mmに設定されている。ベルト穴31の搬送方向のピッチ31Pは、プラテンプレート4の凹部41の同一方向のピッチに比べて小さく設定され、例えば6mm−18mmに設定されている。また、ベルト穴31の搬送方向と交差する方向のピッチは、図3に示すように、凹部41の同一方向のピッチと同一に設定されている。更に、ベルト穴31の搬送方向の配列ピッチに対して、搬送方向と交差する方向に隣り合う次段のベルト穴31の搬送方向の配列ピッチは前段に対して半ピッチずれている。つまり、ベルト穴31はプラテンプレート4の凹部41の配列と同様に千鳥模様に配列されている。
図1及び図2に示すように、プリントヘッド2はプラテンプレート4の表面に対向しヘッドギャップを生成するノズル面20を有し、このノズル面20にインク吐出ノズル21及び22が配設されている。実施例1において、1つのプリントヘッド2のノズル面20には搬送方向に2列のインク吐出ノズル21及び22が配列されおり、インク吐出ノズル21、22のそれぞれには搬送方向と交差する方向に各々複数個のノズルが一定間隔を持って配設されている。
図1、図2及び図4に示すように、このプリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22は、プラテンプレート4の吸引孔42の直上を除く凹部41の開口端(第1の開口端)41E2と吸引孔42の開口端(第2の開口端)42E2との間に配設されている。図1は、プラテンプレート4の吸引孔42の直上つまり吸引孔42と重複する領域に搬送ベルト3のベルト穴31が存在する状態を示している。このとき、吸引孔42とベルト穴31とが直結され、プラテンプレート4の表面から裏面に貫通する第1の吸引経路が生成され、この第1の吸引経路において吸引装置5からの吸引力は強くなるので、ベルト穴31及び吸引孔42を通して吸引装置5への空気A1の流れが速く流量が多くなる(風量が多くなる)。
図2は、プラテンプレート4の吸引孔42の直上を除く凹部41と重複する領域に搬送ベルト3のベルト穴31が存在する状態を示している。このとき、吸引孔42は凹部41と搬送ベルト3とにより生成させる流路を通して間接的にベルト穴31に接続され、プラテンプレート4の表面から凹部41により生成された流路及び吸引孔42を抜ける第2の吸引経路が生成される。この第2の吸引経路において吸引装置5からの吸引力は弱くなるので、ベルト穴31、凹部41及び吸引孔42を通した吸引装置5への空気A2の流れが遅く流量が少なくなる(風量が少なくなる)。
図5(C)は搬送ベルト3のベルト穴31において風量を測定した結果を示すものである。図5(C)の横軸は、長さmmであり、図5(A)及び図5(B)に示すプラテンプレート4の凹部41及び吸引孔42の配置位置に対応させてある。縦軸は風量である。同図5(C)から明らかなように、図1に示す状態つまり第1の吸引経路が機能する場合には空気の流速が速く吸引力が強くなる。図2に示す状態つまり第2の吸引経路が機能する場合には、空気の流速が遅く吸引力は弱くなるが、吸引力は確実に確保されている。
実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、吸引力が強く空気の流れが速い第1の吸引経路の直上を避け、吸引力が弱く空気の流れが遅いものの記録媒体100の吸引を確実に行うことができる第2の吸引経路の直上にプリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22が配設されている。この部分の吸引力は弱いものの、インク吐出ノズル21及び22の直下において記録媒体100を確実にプラテンプレート4側に吸着させることができるので、記録媒体100の浮きを防止し、安定したヘッドギャップを確保することができる。これに加えて(これと両立させて)、吸引力が弱く、空気の流れは遅くそして流量は少ないので、インク吐出ノズル21及び22から吐出されるインク滴の軌跡に影響を及ぼすことがなく、更にインク滴からのミストの発生を減少することができる。結果的に、プリントヘッド2の特にインク吐出ノズル21及び22と記録媒体100との干渉を防止することができる。また、安定したヘッドギャップを確保することができ、インク滴の軌跡に影響を及ぼすことがなくミストの発生を減少することができるので、プリント画質を向上することができる。
更に、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、第1の吸引経路の直上つまり吸引孔42と重複する領域には、吸引力が強い性質を有効に利用するために、プリントヘッド2のノズル面20の周辺の搬送方向の最も上流側の一部2Eが配設されている。この部分の吸引力が強いと、搬送ベルト3により搬送される記録媒体100をプリントヘッド2のノズル面20に引き込む直前に記録媒体100を確実にプラテンプレート4側に吸着させることができるので、記録媒体100の浮きを防止し、安定したヘッドギャップを確保することができる。
また、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、図4に示すように、プリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22は、プラテンプレート4の吸引孔42の直上を除く凹部41の開口端(第1の開口端)41E2と吸引孔42の開口端(第2の開口端)42E2との間に配設されているとともに、同一のインク吐出ノズル21及び22は、プラテンプレート4の搬送方向とは交差する方向に隣り合う次段の吸引孔42の直上を除く次段の凹部41の開口端(第3の開口端)41E1と次段の吸引孔42の開口端(第4の開口端)42E1との間に配設されている。プラテンプレート4の表面において凹部41及び吸引孔42は千鳥模様に配列されているので、搬送方向と交差する方向のどの位置においてもインク吐出ノズル21及び22は必ず第2の吸引経路に重複する領域に配設されている。
更に具体的には、図4に示す右上方の1つのプリントヘッド2の2列のうちの一方のインク吐出ノズル21とそれに重複する1つの凹部41及び吸引孔42との位置関係は、同一のプリントヘッド2の2列のうちの他方のインク吐出ノズル22とそれに重複する、搬送方向と交差する方向に隣り合う次段の半ピッチずれた1つの凹部41及び吸引孔42との位置関係と一致する。つまり、1つのプリントヘッド2のインク吐出ノズル21と22との中心であって搬送方向と交差する方向に隣り合い半ピッチずれた2つの凹部41の中心に便宜的に示した仮想点VPを中心として、一方のインク吐出ノズル21、それに重複する凹部41及び吸引孔42のレイアウトは、他方のインク吐出ノズル22、それに重複する次段の凹部41及び吸引孔42のレイアウトに対して、180度の回転対称形状になっている。
前述のように、実施例1に係るプラテンプレート4の凹部41及び吸引孔42は千鳥模様に配列され、記録媒体100の全域の吸引力を均一にかつ確実に確保し、記録媒体100の浮きを防止しているので、逆に吸引力の増加に伴う空気の流れが速くなり、インク滴のミストの発生が増加し易くなる。これを防止するためには、千鳥模様に配列された吸引孔42に対して、図4を用いて説明したようなレイアウトを採用すれば、千鳥模様に配列される吸引孔42間であってこの吸引孔42を除く凹部41に重複する領域にインク吐出ノズル21及び22を配設することができ、ミスト対策を確実に行うことができる。
[実施例1の特徴]
以上説明したように、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、画像形成部のプラテンプレート4に凹部41と吸引孔42とを備え、吸引孔42の直上を除き凹部41(第2の吸引経路)に重複させてプリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22を配設したので、プリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22直下並びにその近傍の、記録媒体100の吸引に伴う空気の流れを減少し、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体100や装置内の汚染を防止しつつ、インク吐出ノズル21及び22直下の記録媒体100の浮きを防止することができる。この記録媒体100の浮きを防止することができる結果、インク吐出ノズル21及び22直下において、記録媒体100のインク吐出ノズル21及び22の干渉を防止することができ、又安定なヘッドギャップを確保することができ、しかも空気の流れを減少することができるので、インク滴の軌跡に影響を与えることがなく、かつミストの発生も減少することができ、プリント画質を飛躍的に向上することができる。
更に、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、画像形成部のプラテンプレート4の吸引孔42(第1の吸引経路)に重複させてプリントヘッド2のノズル面20の搬送方向の最も上流側の周縁の一部2Eを配設したので、プリントヘッド2のノズル面20に搬送する直前の記録媒体100の浮きを強い吸引力によって防止することができるので、プリントヘッド2と記録媒体100との干渉を防止することができる。この結果、記録媒体100の搬送不良を飛躍的に改善することができる。また、記録媒体100を確実にプラテンプレート4に吸着することができる結果、安定なヘッドギャップを確保することができるので、プリント画質を向上することができる。
更に、実施例1に係るインクジェットプリンタ10においては、画像形成部のプラテンプレート4に凹部41及び吸引孔42を千鳥模様に配列し、千鳥模様に配列された隣り合う吸引孔42の間にインク吐出ノズル21及び22を配設したので、吸引孔42の千鳥模様の配列によって記録媒体100を均等にかつ確実に吸引してその浮きを防止しつつ、前述のように、インク吐出ノズル21及び22直下において、記録媒体100のインク吐出ノズル21及び22の干渉を防止することができ、又安定なヘッドギャップを確保することができ、しかも空気の流れを減少することができるので、インク滴の軌跡に影響を与えることがなく、かつミストの発生も減少することができ、プリント画質を飛躍的に向上することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10のプリントヘッド2の形状を変えた例を説明するものである。
実施例2に係るインクジェットプリンタ10の画像形成部に配設されたプリントヘッド2は、図7に示すように、ノズル面20と側面との間にカット部分(面取り)を備えている。実効的なノズル面20はプラテンプレート4の表面に平行に対向する部分であり、このノズル面20の搬送方向の最も上流側の周縁の一部2Eは前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10と同様に吸引孔42の直上(第1の吸引経路に重複する領域)に配設されている。
実施例2に係るインクジェットプリンタ10においては、実施例1に係るインクジェットプリンタ10において得ることができる作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、プリントヘッド2に搬送される直前の記録媒体100の浮きをより一層減少することができる例を説明するものである。
[インクジェットプリンタの装置構成]
図8及び図9に示すように、実施例3に係るインクジェットプリンタ10は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10と同様の基本的構成を有し、記録媒体100の搬送方向(図8中及び図9中、左側から右側に向かう方向であって、第1の方向)に配列された複数のプリントヘッド2と、記録媒体100の搬送方向に隣り合うプリントヘッド2間においてプラテンプレート4の表面(プリントヘッド2側の表面)上に配設され、プラテンプレート4の表面との間において記録媒体100の浮きを押さえ込みながら回転する押さえローラ401とを備え、この押さえローラ401直下にプラテンプレート4の吸引孔42を配設していない。
押さえローラ401は、複数のプリントヘッド2のそれぞれの記録媒体100が搬送される直前、すなわちプリントヘッド2に比べて搬送方向の上流側に配設されている。押さえローラ401はプラテンプレート4の表面上に搬送ベルト3を介在して配設されている。図8及び図11に示すように、押さえローラ401の最もプラテンプレート4側の表面(ローラ面)は、搬送ベルト3の表面との間に一定のギャップgを持って配設されている。このギャップgを設定することにより、押さえローラ401と搬送ベルト3との間に記録媒体100を通過させることができ、又カール等によって記録媒体100に生じる浮きは押さえローラ401を用いて押さえ込み、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉を防止することができる。ここで、ギャップgは例えば0.3mm−0.7mm、好ましくは0.5mmに設定されている。
押さえローラ401は、図8に示すように真円形の断面形状を有し、図9に示すように搬送方向と交差する方向(第2の方向)に細長く同方向に渡って一定の直径を有する円柱形状により構成されている。押さえローラ401の直径は例えば3.5mm−5.0mmの範囲内に設定され、押さえローラ401は小径化されている。実施例3において、3.8mm又は4.8mmの直径を有する押さえローラ401が使用されている。ここでは、搬送方向に交差する方向に配列された複数のプリントヘッド2に沿って、つまりプラテンプレート4の幅方向(第2の方向)の一端から他端に渡って一本の押さえローラ401が配設され、この押さえローラ401は搬送方向に複数本配列されている。
図10に示すように、押さえローラ401の一端、他端の少なくとも一方には従属回転ローラ402が取り付けられ、押さえローラ401及び従属回転ローラ402は回転自在にインクジェットプリンタ10の筐体130に取り付けられている。押さえローラ401は例えば金属製円柱、樹脂製円柱等により製作されている。従属回転ローラ402は、例えばゴム製ローラ、樹脂製ローラ等により製作され、押さえローラ401にねじ等を用いて機械的に固定されるか、押さえローラ401に自身の弾力性を利用して締め付けて取り付けられている。従属回転ローラ402は、搬送ベルト3の幅方向の一端、他端の少なくとも一方において、搬送ベルト3の表面に適度な圧力(摩擦力)を持って接触し、搬送ベルト3の搬送方向の移動に従い回転する。この従属回転ローラ402の回転は押さえローラ401に伝達され、従属回転ローラ402の回転に従い押さえローラ401の回転が行われる。
図8、図9及び図11に示すように、搬送ベルト3の表面に記録媒体100を吸着するためのプラテンプレート4の吸引孔42は、前述のように押さえローラ401の直下には配設されておらず、搬送される記録媒体100を押さえローラ401を用いて押さえ込む直前の領域に配設されている。つまり、吸引孔42は押さえローラ401よりも搬送方向の上流側に配設されている。押さえローラ401の直下であってこの押さえローラ401に重複する領域には凹部41が配設されている。
ここで、押さえローラ401の直下とは、厳密には、押さえローラ401の軸心からプラテンプレート4の表面に鉛直に引いた中心線(説明上の仮想線)PL上という意味で使用されている。従って、この中心線PLに対して、吸引孔42の搬送方向の最も下流側の開口端(第2の開口端)42E2は、搬送方向の上流側にずれた位置に配設されている。また、中心線PLは、凹部41の搬送方向の最も下流側の開口端(第1の開口端)41E2と吸引孔42の搬送方向の最も下流側の開口端42E2(第2の開口端)との間に存在する。
また、吸引孔42は、図9に示すように、押さえローラ401に対してその搬送方向の上流側であってプリントヘッド2に重複した領域(プリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22を除く直下)に配設され、本来、非吸引領域45には配設されていない。実施例3においては、押さえローラ401の搬送方向の上流側であって非吸引領域45の一部、つまり非吸引領域45において押さえローラ401の直前であってこの押さえローラ401に沿って、吸引孔42と同様の機能を有する補助用吸引孔42Rが配設されている。この補助用吸引孔42Rは、ここでは吸引孔42と同一平面形状、同一断面構造及び同一サイズにより構成され、押さえローラ401の直前にそれに沿って一列だけ配列されている。
実施例3に係る押さえローラ401は、前述のように、記録媒体100の浮きを防止し、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉を防止する目的において配設されている。押さえローラ401と搬送ベルト3との間に設定したギャップgは微小な隙間となって、押さえローラ401の直下に吸引孔42が配設された場合には、記録媒体100の吸引に伴う空気の流れが速くなり、インク滴のミストの発生、記録媒体100の汚染や装置内の汚染の発生を招く。従って、押さえローラ401の直下に凹部41を配設し、吸引孔42を配設しないことによって、記録媒体100の吸引に伴う空気の流れを遅くし、インク滴のミストの発生、記録媒体100の汚染や装置内の汚染の発生を防止することができる。また、押さえローラ401の直下においては、記録媒体100の吸引に伴う空気の流れは遅くなるが、吸引はなされており、搬送ベルト3の表面に記録媒体100を確実に吸着させることができる。
吸引孔42は、押さえローラ401の直下ではなく、押さえローラ401の直下に記録媒体100を搬送する直前であって、搬送方向の上流側にずれた位置に配設されているので、押さえローラ401に搬送される直前において記録媒体100の搬送方向先端は、ベルト穴31及び吸引孔42(第1の吸引経路)を通して吸引装置5により吸引され、搬送ベルト3の表面に確実に吸着される。この状態において、記録媒体100は、更に押さえローラ401により浮きが生じている場合にはその浮きを押さえるとともに、ベルト穴31、凹部41及び吸引孔42(第2の吸引経路)を通して吸引装置5により吸引され、搬送ベルト3の表面に確実に吸着されたまま、プリントヘッド2との干渉もなく、プリントヘッド2下に搬送される。このプリントヘッド2下に搬送された記録媒体100にはプリントがなされる。
更に、押さえローラ401に搬送される直前において記録媒体100の搬送方向先端を搬送ベルト3の表面に確実に吸着することができるので、押さえローラ401の小径化を実現することができる。通常、押さえローラを設計する際には、記録媒体100に一般的な記録用紙を用いる場合、記録用紙の搬送方向先端の搬送ベルト3の表面からの浮きを最大3mmとし、この寸法から前述のギャップg(例えば、0.5mm)を差し引いた寸法(3.0mm−0.5mm)を押さえローラの半径(=2.5mm)としているので、押さえローラの直径は5.0mm以上になる。また、記録媒体100に一般的な封筒を用いる場合、封筒の搬送方向先端の搬送ベルト3の表面からの浮きを最大4mmとし、この寸法から前述のギャップg(例えば、0.5mm)を差し引いた寸法(4.0mm−0.5mm)を押さえローラの半径(=3.5mm)としているので、押さえローラの直径は7.0mm以上になる。このような一般の押さえローラの設計手法に対して、実施例3に係る押さえローラ401は、記録媒体100の搬送方向先端の浮きを殆ど配慮しなくてよいので、前述の通り5.0mmに満たない直径に設定可能である。
押さえローラ401の小径化を実現することができることから、この押さえローラ401を含む駆動機構の小型化を実現することができる。更に、プリントヘッド2の搬送方向の配列ピッチを縮小する(プリントヘッド2を緻密に配列する)ことができるので、プリント画質そのものを向上することができる。
[実施例3の特徴]
以上説明したように、実施例3に係るインクジェットプリンタ10においては、画像形成部に押さえローラ401を備えたので、プリントヘッド2の搬送方向の上流側直前の記録媒体100の浮きを防止することができ、プリントヘッド2と記録媒体100との干渉を防止することができる。更に、インクジェットプリンタ10においては、押さえローラ401の直下にプラテンプレート4の吸引孔42を配設しないので、押さえローラ401の直下における記録媒体100の吸引に伴う空気の流れを遅くし、プリントヘッド2のインク吐出ノズル21及び22から吐出されるインクのミストの発生を抑えて記録媒体100や装置内の汚染を防止することができる。
更に、インクジェットプリンタ10においては、押さえローラ401を備えるとともに、押さえローラ401の直下ではなく、その搬送方向の上流側にずれた位置に吸引孔42を備えたので、記録媒体100の搬送方向先端を搬送ベルト3の表面に確実に吸着させることができ、記録媒体100の表面とプリントヘッド2のノズル面20との間のヘッドギャップを安定に確保することができる。加えて、インクジェットプリンタ10においては、押さえローラ401の小径化を実現することができるので、搬送方向においてプリントヘッド2を緻密に配列することができる。従って、インクジェットプリンタ10においては、プリント画質を飛躍的に向上することができる。
[変形例]
実施例3の変形例に係るインクジェットプリンタ10は、前述の実施例3に係るインクジェットプリンタ10において、押さえローラ401の直下の空気の流れをより一層遅くした例を説明するものである。
図12に示すように、実施例3の変形例に係るインクジェットプリンタ10は、押さえローラ401の直下において、プラテンプレート4には吸引孔42及び凹部41を配設していない。押さえローラ401の直下から搬送方向の上流側にずれた位置には吸引孔42が配設され、押さえローラ401の直下において凹部41が実質的に排除され、プラテンプレート4の表面が搬送ベルト3の裏面に接触するようになっている。
このように構成される変形例に係るインクジェットプリンタ10においては、前述の実施例3に係るインクジェットプリンタ10と同様の作用効果を奏することができるとともに、押さえローラ401の直下に吸引経路そのものを備えていないので、押さえローラ401の直下に搬送ベルト3のベルト穴31が重複した場合にはこの領域の吸引に伴う空気の流れが実質的に無くなる。従って、インクのミストの発生要因を無くすことができるので、記録媒体100や装置内の汚染を防止することができる。
(実施例4)
本発明の実施例4は、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10において、特定の規格(サイズ)の記録媒体100のプリント動作に際し、この記録媒体100の特に搬送方向先端の角部分の浮きを防止し、記録媒体100とプリントヘッド2との干渉を防止することができる例を説明するものである。
[インクジェットプリンタの装置構成]
図13及び図14に示すように、実施例4に係るインクジェットプリンタ10は、ノズル面20にインク吐出ノズル21及び22を有し、搬送方向と交差する第2の方向に複数配列されたプリントヘッド2と、プリントヘッド2に重複する領域においてノズル面20側の表面からそれと対向する裏面に向かって貫通する複数の吸引孔42を有し、第2の方向に隣り合うプリントヘッド2間においてプリントヘッド2に重複する領域に比べて吸引孔42の配設密度が低い非吸引領域45を有するプラテンプレート4とを備え、プラテンプレート4のプリントヘッド2と非吸引領域45との間にプラテンプレート4の表面から裏面に貫通する補助用吸引孔420を備える。
インクジェットプリンタ10は、様々な規格サイズを有する記録媒体100、例えばA5版サイズ、A4版サイズ、A3版サイズ、B5版サイズ、B4版サイズ、B3版サイズ等を有する記録用紙のプリントを実行可能に製作されている。特定の規格サイズ有する記録用紙、例えばA4版サイズを有する記録用紙のプリント動作に際し、図13中、この記録用紙の上側端部は、左から右側に向かって2列目、4列目、6列目及び8列目のプリントヘッド2の上方外側を通過し、この記録用紙の下側端部は、左から右側に向かって1列目、3列目、5列目及び7列目のプリントヘッド2の下方外側を通過する。つまり、記録用紙の搬送方向と交差する第2の方向の両端部は、プリントヘッド2の外側であって吸引孔42が配設されていない領域を搬送されることになる。前述のように、吸湿、温度上昇等に伴い記録用紙の周辺長に膨張が生じると、記録用紙は局所的に浮きを生じ易く、特に記録用紙の搬送方向先端の角部分に浮きが生じると、記録用紙とプリントヘッド2とが干渉し、ジャムが発生する。実施例4に係るインクジェットプリンタ10においては、このような原因を無くすために、記録媒体100の搬送方向先端の角部分か通過する領域、すなわちプリントヘッド2と非吸引領域45(又は非吸引領域45内)に補助用吸引孔420が配設されている。
補助用吸引孔420は、基本的にはプリントヘッド2下に配設される吸引孔42と同一の平面形状、同一の断面形状及び同一のサイズにより構成されている。勿論、必要に応じて、補助用吸引孔420の形状やサイズは吸引孔42の形状やサイズに対して異なっていてもよい。また、ここでは、図14に示すように、プリントヘッド2と非吸引領域45との間に補助用吸引孔420を1個配設しているが、この個数に限定されるものではなく、吸引力を増加したい場合には補助用吸引孔420は2個以上配設してもよい。
[実施例4の特徴]
以上説明したように、実施例4に係るインクジェットプリンタ10においては、前述の実施例1に係るインクジェットプリンタ10により得られる作用効果に加えて、画像形成部の第2方向に配列される複数配列されるプリントヘッド2と、このプリントヘッド2間に配列される非吸引領域45とを備え、プリントヘッド2と非吸引領域45との間に補助用吸引孔420を備えたので、記録媒体100の搬送方向先端の角部分の浮きを防止することができ、プリントヘッド2と記録媒体100との干渉を防止することができる。
なお、実施例4に係るインクジェットプリンタ10は、前述の実施例2に係るインクジェットプリンタ10又は実施例3に係るインクジェットプリンタ10と組み合わせることができる。
(その他の実施例)
上記のように、本発明を実施例1乃至実施例4によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。例えば、前述の実施例1乃至実施例4はプリントヘッド2に2列のインク吐出ノズル21及び22を備えたインクジェットプリンタ10について説明したが、本発明は、1列又は3列以上のインク吐出ノズルを有するプリントヘッドを備えたインクジェットプリンタに適用可能である。3列以上のインク吐出ノズルを有するプリントヘッドの場合、本発明においては、少なくとも1列のインク吐出ノズルが空気の流れの遅い第2の吸引経路に重複して配置される。
また、本発明は、順次吸引力が小さくなる第1の吸引経路、第2の吸引経路、第3の吸引経路等、3種類以上の空気の流れの速度が異なる吸引経路を配設してもよい。
更に、本発明は、プリンタ機能単独ではなく、スキャナ機能やファクシミリ機能を備えた複合型のインクジェットプリンタに適用可能である。
本発明は、プリントヘッドのインク吐出ノズル直下並びにその近傍の、記録媒体の吸引に伴う空気の流れを減少し、インク滴のミストの発生を抑えて記録媒体や装置内の汚染を防止しつつ、インク吐出ノズル直下の記録媒体の浮きを防止ことができるインクジェットプリンタに広く適用可能である。
2…プリントヘッド、20…ノズル面、21、22…インク吐出ノズル、3…搬送ベルト、31…ベルト穴、4…プラテンプレート、41…凹部、42…吸引孔、401…押さえローラ、42R,420…補助用吸引孔、41E1、41E2、42E1、42E2…開口端、5…吸引装置、6…制御部、7…インク供給系、10…インクジェットプリンタ。

Claims (10)

  1. 表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ前記表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から前記裏面に貫通する吸引孔を有するプラテンプレートと、
    前記プラテンプレートの前記表面に対向する位置に配設されたノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、を備え、
    前記プラテンプレートの前記吸引孔の直上を除く前記凹部の第1の開口端と前記吸引孔の第2の開口端との間に前記プリントヘッドの前記インク吐出ノズルが配設され、前記吸引孔に対向する位置に前記プリントヘッドの前記ノズル面の周縁の一部が配設されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記プリントヘッドの前記ノズル面に前記インク吐出ノズルが複数列配列され、その1列の前記インク吐出ノズルが前記プラテンプレートの前記吸引孔の直上を除く前記凹部の第1の開口端と前記吸引孔の第2の開口端との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ前記表面の第1の方向に配列された複数の第1の凹部、前記表面から前記裏面に向かって掘り下げ前記第1の凹部に対して前記第1の方向と交差する第2の方向に隣り合いかつ一定ピッチずらして前記第1の方向に配列された複数の第2の凹部、前記第1の凹部の底面の一部から前記裏面に貫通する第1の吸引孔及び前記第2の凹部の底面の一部から前記裏面に貫通する第2の吸引孔を有するプラテンプレートと、
    前記プラテンプレートの前記表面に対向する位置に配設されたノズル面において、前記第2の方向に配列された第1のインク吐出ノズル及びこの第1のインク吐出ノズルに対して前記第1の方向に隣り合い前記第2の方向に配列された第2のインク吐出ノズルを有するインクジェット型プリントヘッドと、を備え、
    前記プラテンプレートの前記第1の吸引孔の直上を除く前記第1の凹部の第1の開口端と前記第1の吸引孔の第2の開口端との間に前記プリントヘッドの前記第1のインク吐出ノズルが配設されるとともに、前記第2の吸引孔の直上を除く前記第2の凹部の第3の開口端と前記第2の吸引孔の第4の開口端との間に前記第2のインク吐出ノズルが配設されており、
    前記第1および第2の吸引孔のうち前記第1の方向である記録媒体の搬送方向の上流側にある吸引孔に対向する位置に、前記ノズル面の前記搬送方向の最も上流側の周縁の一部が配設されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 表面からそれと対向する裏面に貫通する第1の吸引経路及びそれに比べて吸引力が小さい第2の吸引経路を有するプラテンプレートと、
    前記プラテンプレートの前記表面に対向する位置に配設されたノズル面にインク吐出ノズルが配列されたインクジェット型プリントヘッドと、を備え、
    前記プラテンプレートの前記第2の吸引経路に対向する位置に前記プリントヘッドの前記インク吐出ノズルが配設され、前記第1の吸引経路に対向する位置に前記プリントヘッドの前記ノズル面の周縁の一部が配設されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 表面からそれと対向する裏面に向かって掘り下げ前記表面に規則的に配列された複数の凹部及びこの凹部の底面の一部から前記裏面に貫通する吸引孔を有するプラテンプレートと、
    前記プラテンプレートの前記表面に対向する位置に配設されたノズル面に配列されたインク吐出ノズルをそれぞれ有し、第1の方向に配列された複数のインクジェット型プリントヘッドと、
    前記第1の方向に隣り合う前記プリントヘッド間において前記プラテンプレートの前記表面上に配設され、前記プラテンプレートの前記表面との間において記録媒体の浮きを押さえ込みながら回転する押さえローラと、を備え、
    前記プラテンプレートの前記吸引孔の直上を除く前記凹部の第1の開口端と前記吸引孔の第2の開口端との間に前記プリントヘッドの前記インク吐出ノズルが配設されており、
    前記押さえローラ直下に前記プラテンプレートの前記吸引孔が配設されていないことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 前記吸引孔は、搬送される前記記録媒体を前記押さえローラを用いて押さえ込む直前の領域に配設されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記押さえローラは、前記プラテンプレートの前記凹部に重複した領域に配設されていることを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記押さえローラの軸心から前記プラテンプレートの前記表面に鉛直に引いた中心線から、前記記録媒体の搬送方向の上流側にずれた位置に、前記吸引孔の前記搬送方向の最も下流側の開口端が配設されていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記押さえローラ直下に前記プラテンプレートの前記吸引孔とともに凹部が配設されていないことを特徴とする請求項、請求項又は請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. ノズル面にインク吐出ノズルを有し、記録媒体の搬送方向に交差する方向に複数配列されたインクジェット型プリントヘッドと、
    前記プリントヘッドに重複する領域において前記ノズル面側の表面からそれと対向する裏面に向かって貫通する複数の吸引孔を有し、前記搬送方向に交差する方向に隣り合うプリントヘッド間において前記重複する領域に比べて前記吸引孔の配設密度が低い非吸引領域を有するプラテンプレートと、を備え、
    前記プラテンプレートの前記プリントヘッドと前記非吸引領域との間に、前記プラテンプレートの表面から裏面に貫通する補助用吸引孔を備えたことを特徴とするインクジェットプリンタ。
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