JP5609846B2 - 付加硬化型シリコーン接着剤組成物 - Google Patents
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Description
〔請求項1〕
(A)下記平均組成式
RaR’bSiO(4-a-b)/2
(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
で表される一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に、少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有し、かつ少なくとも1個のアルコキシシリル基を有し、芳香族基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.3〜30質量部、
(C)一分子中に、少なくとも1個のケイ素原子に結合した一価の芳香族基及び少なくとも1個のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜10質量部、
(D)一分子中に、少なくとも1個のケイ素原子に結合した二〜四価の芳香族基及び少なくとも1個のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有する有機ケイ素化合物 0.1〜30質量部、
(E)一分子中に、1個以上の(メタ)アクリル基を含有する有機化合物又は1個以上の(メタ)アクリル基を含有する有機ケイ素化合物(但し、ケイ素原子に結合する水素原子は含まない) 0.01〜10質量部、
(F)付加反応触媒 触媒量
を含有することを特徴とする付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
〔請求項2〕
(B)成分が下記式で示されるものから選ばれる請求項1記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
(式中、R8はアルキル基であり、mは0以上の整数、nは2以上の整数、pは1以上の整数、q、rは1〜10の整数である。)
〔請求項3〕
(C)成分が下記式(3)〜(5)から選ばれるものである請求項1又は2記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
(式中、Aはメチル基又は水素原子であり、少なくとも1つは水素原子である。vは1〜100の整数、wは0〜100の整数、uは0〜3の整数である。)
〔請求項4〕
(D)成分が下記式で示されるものから選ばれる請求項1〜3のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
(式中、Xは
であり、Yは下記
から選ばれる基であり、ZはR4又はR5である。
ここで、R4は下記
から選ばれる基であり、R5は下記
から選ばれる基であり、R6、R7は非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、eは1〜10、fは1〜4、gは1〜20、hは0〜50、iは0〜50である。)
〔請求項5〕
(E)成分が下記式(8)又は(9)で示されるものから選ばれる請求項1〜4のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
(式中、xは1〜10の整数である。)
〔請求項6〕
更に、チタニウム化合物及びジルコニウム化合物のいずれか一方又は両方から選ばれる有機金属化合物(G)を(A)成分100質量部に対し0.001〜5質量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
〔請求項7〕
更に、補強性シリカ微粉末(H)を(A)成分100質量部に対し5〜100質量部含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
〔請求項8〕
金属、ガラス又は有機樹脂との接着用である請求項1〜7のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
(A)下記平均組成式
RaR’bSiO(4-a-b)/2
(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
で表される一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有し、芳香族基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.3〜30質量部、
(C)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した一価の芳香族基及び水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜10質量部、
(D)一分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した二〜四価の芳香族基及び水素原子を含有する有機ケイ素化合物 0.1〜30質量部、
(E)一分子中に1個以上の(メタ)アクリル基を含有する有機化合物又は有機ケイ素化合物(但し、ケイ素原子に結合する水素原子は含まない) 0.01〜10質量部、
(F)付加反応触媒 触媒量
を含有する。
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で表され、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するものである。
RaR’bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
直鎖状オルガノポリシロキサンとレジン状オルガノポリシロキサンの好ましい配合割合は、質量比で好ましくは60:40〜100:0、特に好ましくは70:30〜90:10である。
本発明の組成物に用いるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、一分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば、3〜150個程度)、より好ましくは3〜100個程度のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、c及びdは、0<c<2、0.8≦d≦2かつ0.8<c+d≦3となる数であり、好ましくは0.05≦c≦1、1.5≦d≦2かつ1.8≦c+d≦2.7となる数である。また、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は、2〜300個、特に3〜200個、とりわけ4〜100個程度が好ましい。)
(式中、R3は前記と同じであり、s、tはそれぞれ0又は1以上の整数である。)
等で表されるものが挙げられる。
(式中、R8はメチル基、エチル基等のアルキル基であり、mは0以上の整数、nは2以上の整数、pは1以上の整数、q、rは1以上の整数である。)
なお、m、n、pの上限は特に制限されないが、上述したケイ素原子数を満足するように選定することが好ましい。また、q、rの好ましい上限は10であり、特に好ましくは6である。
(C)成分は、一分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した一価の芳香族基及びケイ素原子結合水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、その重合度は15以下のものであることが好ましい。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖状でも、分岐状であってもよい。
(式中、Aはメチル基又は水素原子であり、少なくとも1つは水素原子である。vは1〜100、好ましくは1〜30の整数、wは0〜100、好ましくは0〜30の整数、uは0〜3の整数である。)
(D)成分としては、一分子中に少なくとも1個、通常1〜20個、更に好ましくは2〜10個のケイ素原子に結合した水素原子を有し、更にグリシドキシ基等のエポキシ基、トリアルコキシシリル基、エステル基等の官能基を含んでもよい1種又は2種以上を含有するケイ素原子数1〜30、好ましくは2〜20、特に4〜10程度の直鎖状又は環状のオルガノシロキサンオリゴマーやオルガノアルコキシシランといった有機ケイ素化合物を使用することができる。
また、(D)成分は、フェニレン基等の二〜四価の芳香族基を1個以上、好ましくは1〜5個有する。なお、ケイ素原子に結合する上記以外の基としては、R3と同様のものが挙げられる。
(D)成分としては、下記のものが例示される。
(式中、Xは
であり、Yは下記
から選ばれる基であり、ZはR4又はR5である。
ここで、R4は下記
から選ばれる基であり、R5は下記
から選ばれる基であり、R6、R7は非置換又は置換の一価の炭化水素基であり、R3と同様のものが挙げられる。また、eは1〜10、fは1〜4、gは1〜20、hは0〜50、iは0〜50であり、より好ましくは、eは1〜10、fは1、gは1〜10、hは0〜20、iは0〜20である。)
(E)成分は、前述の(D)成分とともに被着体に対する接着性を高めるものであり、(C)成分と同様に、(A)、(B)成分と非相溶であるものが好ましい。なお、(E)成分は、ケイ素原子に結合する水素原子を含まない。(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。少なすぎると十分な接着性が得られなくなり、多すぎると硬化のスピードが大きく遅れ、硬化に必要な時間が多く必要となる。
(式中、xは1〜10の整数である。)
本発明に用いる付加(ヒドロシリル化)反応触媒は、前記の(A)成分のアルケニル基と(B)〜(D)成分のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として白金族金属系触媒等の周知の触媒が挙げられる。
本(G)成分は、特に金属への接着促進のためのアルコキシシリル基の加水分解及び縮合助触媒の働きを有する。このような(G)成分としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシ(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、テトラアセチルアセテートチタン等の有機チタンキレート化合物等のチタン系縮合助触媒;ジルコニウムテトラプロピレート、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウムエステル;ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等の有機ジルコニウムキレート;ジルコニウムビス(2−エチルヘキサノエート)オキサイド、ジルコニウムアセチルアセトネート(2−エチルヘキサノエート)オキサイド等のオキソジルコニウム化合物等のジルコニウム系縮合助触媒を例示することができる。
(H)成分の補強性シリカ微粉末は、シリカの種類に特に限定はなく、通常ゴムの補強材として使用されるものであればよい。その補強性シリカ微粉末としては、従来のシリコーンゴム組成物に使用されているものを使用できるが、特にはBET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ微粉末を用いる。特にBET法による比表面積が50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカなどが好適に使用される。ゴム強度を向上するにはヒュームドシリカが好適である。また、上記補強性シリカ微粉末は、表面処理されたシリカ微粉末であってもよい。その場合、これらのシリカ微粉末は、予め粉体の状態で直接処理されたものでもよい。通常の処理法として一般的周知の技術により処理でき、例えば、常圧で密閉された機械混練装置又は流動層に上記未処理のシリカ微粉末と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温或いは熱処理にて混合処理する。場合により触媒を使用して処理を促進してもよい。混練後、乾燥することにより処理シリカ微粉末を製造し得る。処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよい。処理剤はヘキサメチルジシラザン等のシラザン類、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン及びクロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、ポリメチルシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合物が挙げられ、これらで表面処理し、疎水性シリカ微粉末として用いる。処理剤としては、特にシラン系カップリング剤又はシラザン類が好ましい。
また、本発明の付加硬化型シリコーン接着剤組成物は、10〜40℃といった加熱を必要としない室温条件下においても30分〜24時間で硬化及び接着を発現させることができる。
下記の原料を使用し、検討を行った。
(A−1)下記平均組成式で示される、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された25℃での粘度が10,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン
(A−2)SiO4/2単位、Me3SiO1/2単位及びViMe2SiO1/2単位で構成され、SiO4/2に対してMe3SiO1/2及びViMe2SiO1/2のモル比が0.8で、ビニル基量が0.085モル/100gであるシリコーンレジン
(E−2)式(9)で表される有機ケイ素化合物(x=2〜6の混合物)
(F)塩化白金酸から誘導した、テトラメチルジビニルジシロキサンを配位子として有する白金触媒(白金原子量:1質量%)
(G)チタンテトラアセチルアセトネート
(H)BET法による比表面積が300m2/gであり、表面がヘキサメチルジシラザンで処理された煙霧質シリカ
下記表1,2に示される組成物を2液に分割したシリコーン組成物を作製した。具体的には、上記(A−1)、(A−2)、(E−1)、(E−2)、(F)、(G)、(H)を十分に混合・脱泡したPart−Aと、上記(A−1)、(A−2)、(B−1)、(B−2)、(C−1)、(C−2)、(D)、(H)を十分に混合・脱泡したPart−Bを準備した。これらの2液タイプの材料を、MIX−PAC社製プラスチック2連カートリッジに充填した。スタティックノズル(21段)を2連カートリッジの先端に取り付け、カートリッジガンを使用して2液を混合しながら吐出させ、シリコーン組成物の被着体への接着性を評価した。被着体への接着性評価方法は、ポリカーボネート(PC)、ガラス、アルミニウム(Al)板の上に塗布して硬化させた硬化物を剃刀の刃で切れ込みを入れて90度方向に引っ張る試験を23±2℃、2時間後及び24時間後に行うことで評価した。結果を表1,2に併記する。
Claims (8)
- (A)下記平均組成式
RaR’bSiO(4-a-b)/2
(式中、Rはアルケニル基、R’は脂肪族不飽和結合を持たない非置換又は置換の炭素数1〜10の一価炭化水素基、a、bは、0<a≦2、0<b<3、0<a+b≦3を満たす数である。)
で表される一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に、少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有し、かつ少なくとも1個のアルコキシシリル基を有し、芳香族基を含有しないオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.3〜30質量部、
(C)一分子中に、少なくとも1個のケイ素原子に結合した一価の芳香族基及び少なくとも1個のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜10質量部、
(D)一分子中に、少なくとも1個のケイ素原子に結合した二〜四価の芳香族基及び少なくとも1個のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有する有機ケイ素化合物 0.1〜30質量部、
(E)一分子中に、1個以上の(メタ)アクリル基を含有する有機化合物又は1個以上の(メタ)アクリル基を含有する有機ケイ素化合物(但し、ケイ素原子に結合する水素原子は含まない) 0.01〜10質量部、
(F)付加反応触媒 触媒量
を含有することを特徴とする付加硬化型シリコーン接着剤組成物。 - 更に、チタニウム化合物及びジルコニウム化合物のいずれか一方又は両方から選ばれる有機金属化合物(G)を(A)成分100質量部に対し0.001〜5質量部含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
- 更に、補強性シリカ微粉末(H)を(A)成分100質量部に対し5〜100質量部含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
- 金属、ガラス又は有機樹脂との接着用である請求項1〜7のいずれか1項記載の付加硬化型シリコーン接着剤組成物。
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