JP5692271B2 - 回転子およびこれを備えた回転電機 - Google Patents
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Description
実用新案文献1に記載の小型モータは、鉄心のあるスロットに巻回された電機子巻線からのリード線が接続部の面取り形状に沿って巻かれ、別のスロットに巻回される電機子巻線に接続されることから、面取りをしないものに比べて、周方向に隣接するリード線間の隙間が拡がり、絶縁信頼性が向上するものである。
以下、本発明の実施の形態1について図1〜図11に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転子20を備えた回転電機であるブラシ付モータ100の断面図、図2は、図1中の回転子20の断面図、図3は、図2中の鉄心22の軸方向断面図、図4は、図2中の整流子片25(フック26)に係止される短絡線23bの結線図である。
図1に示すブラシ付モータ100は、有底筒形状のヨーク11と、ヨーク円管部11aの内周部にホルダ12を介して圧入等で固定された永久磁石13と、この永久磁石13の内周面と所定の空隙を介して配設された回転子20を備えている。なお、ヨーク11、ホルダ12及び永久磁石13で固定子10を構成している。
シャフト21は、ヨーク11に設けられたベアリングケース部11bに保持されたベアリング14及びハウジング40に設けられたベアリングケース部40aに保持されたベアリング41によって回転自在に支持されている。
鉄心22は、図3に示すように、シャフト21を中心として放射状に延びる複数(図3では22個)のスロットコア22aを有している。そして、スロットコア22a間のスロット22bには、例えばマグネットワイヤなどの絶縁被膜されたコイル23a(導線23)が巻回されている。また、図1に示すように、ブラシ43は、スプリングブラシ44によって整流子30側に付勢され、整流子片25の周面に摺接されている。
続いて、図5〜図7を参照しながら、整流子片25に形成されたフック26とこのフック26に係止される導線23(コイル23a、短絡線23b)の関係について説明する。図5、図6はともに、図2中の整流子片25付近の拡大断面図で、図5はフック26に導線23が係止されたときの図、図6はフック26と導線23とが電気的に接続されたときの図である。また、図7は、フック26にコイル23a、短絡線23bが係止されたときの巻き姿を示した説明図である。
図5、図6に示すように、フック26の根元側に短絡線23bを係止し、これより先端側にコイル23aを係止した後、フック26を折り返す如く反鉄心22側に時計方向に折曲して各導線23(コイル23a、短絡線23b)の上部に押し当て、例えばヒュージングによって絶縁被覆の溶融と機械的な塑性変形によって圧着し、電気的・機械的な接続が図られる。このとき、短絡線23bは、フック26の根元側に係止され、このフック26が折曲されるが、図6に示すように、フック26の根元側の形状は自然と丸くなり、この形状に沿って短絡線23bは、フック26に接続される。
それゆえ、整流子片25の機械的強度の信頼性を確保しつつ、隣接するコイル23a間の絶縁信頼性が向上した回転子20及びこれを備えたブラシ付モータ(回転電機)100を提供することができる。
その上、このフック36の全周にわたってコイル23aが巻き付けられると、面取り部36a2の面取り形状に沿うようにコイル23aが係止されることにより、フック36の全周にわたって、コイル23aとフック36とが隙間なく、より密接して係止されるので、周方向に隣接するコイル23a間の線間距離がさらに拡がり、隣接するコイル23a間の絶縁信頼性がより一層向上する。
そこで、2本のコイルのうち、フックの先端側に係止されたコイルが、コイル係止部において、フックの根元側に係止されたコイルの径方向外側に位置するようにすることで、隣接するコイル間の線間距離を拡げることが可能となる。以下では、図9〜図11を参照しながら、2本のコイル123a1、123a2をフック126に係止した場合について説明する。図9、図10はともに、整流子片45付近の拡大断面図で、図5はフック126に導線123が係止されたときの図、図10はフック126と導線123とが電気的に接続されたときの図である。また、図11は、フック126に2本のコイル123a1、123a2及び短絡線123bが係止されたときの巻き姿を示した説明図である。
また、2本のコイル123a1、123a2のうち、コイル123a1(第1のコイル)がフック126のコイル係止部126aに係止された後、コイル123a2(第2のコイル)がコイル係止部126aに係止される。コイル123a2は、コイル123a1よりもフック126の先端側に係止されるとともに、このコイル123a2を径方向外側に曲げながらフック126の周方向側面とコイル123a1の径方向外側との間に位置してスロット22bに巻回される。
その上、このコイル係止部126aにおいて、フック126の先端側に係止されたコイル係止部126aの角部126a1には、面取り部126a2が形成されているので、コイル123a2は、この面取り部126a2の面取り形状に沿って係止されることから、面取りを形成しない場合に比べて、コイル123a2がフック126により密接した状態で折り曲げることができ、コイル123a2(第2のコイル)をコイル123a1(第1のコイル)の径方向外側に位置させるようにできるので、周方向に隣接するコイル123a2間の線間距離がさらに拡がり、隣接するコイル123a2間の絶縁信頼性がより一層向上する。
なお、図9〜図11には、フック126の径方向内側であって、2本のコイル123a1、123a2が係止されるコイル係止部126a全体にわたって、その角部126a1に面取り部126a2が形成されている場合について示されているが、この場合に限定されるものではなく、上記と同様、フックの径方向内側、径方向外側それぞれについて、コイル係止部の角部に面取り部が形成されているようにしてもよい。
Claims (6)
- 複数のスロットを有し、シャフトに固定される鉄心と、前記シャフトに固定されるベース樹脂及びこのベース樹脂の外周面に周方向に複数個配列された整流子片を含む整流子と、前記スロットに巻回されるコイル及び同電位であるべき整流子片同士が接続される短絡線を含む導線とを備え、前記整流子片には、前記鉄心側に形成されたフックを有し、前記フックに前記導線が係止され、前記フックが折曲されて前記導線と電気的に接続されている回転子であって、前記フックの先端側に前記コイルが係止されて、前記フックの根元側に前記短絡線が係止されるとともに、前記フックの前記コイルが係止されるコイル係止部の角部には、面取りが形成されて、前記フックの前記短絡線が係止される短絡線係止部には、面取りが施されていない角部が形成されていることを特徴とする回転子。
- 短絡線は、整流子片のフックに係止され、整流子の鉄心側端面に沿って配設されて、前記整流子片と同電位であるべき整流子片に接続されているとともに、コイルの引き出し部分は、コイル係止部において、前記短絡線の引き出し部分の径方向外側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
- コイルは、フックの全周にわたって巻き付けられることにより前記フックに係止されていることを特徴とする請求項1または請求項2のうちいずれか1項に記載の回転子。
- 折曲されたフックの径方向内側であって、コイル係止部の角部には、面取りが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の回転子。
- コイルは、コイル係止部に係止される第1及び第2のコイルを含み、前記第1のコイルよりフックの先端側に係止された第2のコイルの引き出し部分は、コイル係止部において、前記第1のコイルの引き出し部分の径方向外側に位置していることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の回転子。
- 請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の回転子と、前記整流子の表面に摺接されるブラシと、固定子とを備えた回転電機。
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