JP4966601B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
これら問題を解消し、簡単な冷媒回路構成で、なおかつ、除霜後の暖房の立ち上りを阻害しないために、複数の室外ユニットのうち、一の室外ユニットが凝縮器として機能するとともに、他の室外ユニットが蒸発器として機能するように各室外ユニットの四方弁を切り換え、複数の室外ユニットの間で冷媒を循環させることにより、当該一の室外ユニットの除霜を実行する除霜技術が考えられる。
図1は本発明の実施の形態に係る空気調和装置1の冷媒回路図である。この図に示すように、空気調和装置1は複数台(本実施形態では2台)の室内ユニット2A、2Bと、複数台(本実施形態では3台)の室外ユニット3A、3B、3Cとを備え、これら室内ユニット2A、2Bと、室外ユニット3A、3B、3Cとがユニット間配管4により接続されている。このユニット間配管4は、ガス管5と液管6とから構成され、上記室内ユニット2A、2Bの各々はユニット間配管4に互いに並列に接続されるとともに、上記室外ユニット3A、3B、3Cの各々もユニット間配管4に互いに並列に接続される。なお、以下の説明において、室内ユニット2A、2Bの各々を特に区別する必要のないときは、室内ユニット2と表記する。また、これと同様に、室外ユニット3A、3B、3Cの各々を特に区別する必要がないときは、室外ユニット3と表記する。
この圧縮機30Aは能力可変の可変圧縮機(インバータコンプレッサ)である。室外熱交換器32Aには温度センサ(不図示)が配置されており、室外熱交換器32Aの温度が制御装置100に出力される。この制御装置100は、冷房運転と暖房運転との切り換えに伴う四方弁31Aの切り換え、圧縮機30Aの運転周波数制御、または、室外膨張弁33Aの開度調整といった各種制御を実行するものであり、さらに本実施の形態では、室外熱交換器32Aの温度に基づいて除霜開始状態を判断し、除霜時には、後述する除霜処理を開始する。なお、本実施形態では、室外ユニット3B及び3Cは上記室外ユニット3Aと略同一の構成であるため、同様の符号を付して説明を省略する。
一方、暖房運転時には、図2に示すように、制御装置100は、圧縮機30A、30B、30Cから吐出された高温・高圧のガス冷媒が室内ユニット2A、2Bの各々に向かって流れるように、室外ユニット3A、3B、3Cのそれぞれの四方弁31A、31B、31Cを暖房運転時の位置に切り換える。これにより、冷房運転時とは逆に、室外ユニット3A、3B、3Cの各室外熱交換器32A、32B、32Cが蒸発器として機能するとともに、室内ユニット2の室内熱交換器20が凝縮器として機能し、室内の暖房が行われる。
本構成では、3台の室外ユニット3A、3B、3Cは、予め2台の室外ユニット3A、3Bと、1台の室外ユニット3Cとの2つのグループに区分けされており、そのグループに属する少なくとも1台の室外ユニット(例えば、室外ユニット3A)が除霜すべき状態となった場合に、当該グループに属するすべての室外ユニット(室外ユニット3A、3B)を除霜するようになっている。図3は除霜処理を示すフローチャートであり、また、図4乃至図6は除霜処理時の冷媒回路図である。
まず、制御装置100は、図3に示すように、暖房運転時において、各室外ユニット3A、3B、3Cの室外熱交換器32A、32B、32Cの温度を間欠的あるいは継続的に監視し(ステップS1)、この温度が所定温度以下まで低下している室外ユニット3(本実施形態では室外ユニット3A)が存在する場合(ステップS2;YES)には、除霜運転に先立って、当該室外ユニット3Aが属するグループの室外ユニット3A、3B(一の室外ユニット)の圧縮機30A、30Bの運転を所定時間(本実施形態では1分間)停止する(ステップS3)。この場合、室外ユニット3A、3Bの室外膨張弁33A、33B全開に開放し、配管内の高低圧をバランスさせている。
本構成では、制御装置100が、除霜運転に先立って室外ユニット3A、3Bの圧縮機30A,30Bの運転を所定時間停止する手段、この所定時間が経過した後、一の室外ユニット3A、3Bが凝縮器として機能するとともに、他の室外ユニット3Cが蒸発器として機能するように各室外ユニット3A乃至3Cの四方弁31A乃至31Cを切り換える手段、及び、複数の室外ユニット3A乃至3Cの間で冷媒を循環させる手段として機能する。
しかしながら、配管内の高低圧が完全にバランスされるわけではないため、四方弁31A、31Bの切り換えに伴い、室内熱交換器20内に溜まった液冷媒がガス管5を通じて圧縮機30A、30Bの吸込側に流入することがある。圧縮機30A、30Bの吸込側にはアキュムレータ(不図示)が設けられているものの、流入する液冷媒の量によっては、これらアキュムレータで回収できない液冷媒が当該圧縮機30A、30Bに吸い込まれて液圧縮(すなわち液バック)するおそれがある。本構成では、このような事態を回避するために、制御装置100は、ステップS3において、圧縮機30A、30Bの運転を1分間停止する一方で、室外ユニット3Cの圧縮機30Cの運転を継続している。
この構成によれば、室外ユニット3Cの圧縮機30Cから吐出された高温・高圧のガス冷媒が、ガス管5に導かれることにより、このガス管5を流れる液冷媒の温度が上昇して、この液冷媒のガス化が促進される。このため、四方弁31A、31Bの切り換えに伴う液バックを抑制することができる。
ここで、室外ユニット3A、3Bのいずれか一方(例えば、室外ユニット3A)の除霜が先に完了した場合には、制御装置100は、この室外ユニット3Aの圧縮機30Aの運転を停止するとともに、室外膨張弁33Aを閉じる。そして、制御装置100は、図5に示すように、室外ユニット3Aの四方弁31Aを暖房運転時の位置に切り換える。
室外膨張弁33Aを全閉した後に、四方弁31Aを切り換えるのは、この四方弁31Aに切り換えに伴い、まだ除霜運転をしている室外ユニット3Bの圧縮機30Bの吐出された冷媒が室外ユニット3Aの室外膨張弁33A、室外熱交換器32A、四方弁31Aを介して、圧縮機30Aの吸込側に流入することを防止するためである。
そして、上述したように、制御装置100は、各室外ユニット3A、3B、3Cの圧縮機30A、30B、30Cを駆動させて、冷媒を室外ユニット3A、3Bと、室外ユニット3Cとの間で循環させることにより、室外ユニット3Cの室外熱交換器32Cの除霜を実施する(ステップS9)。この場合、除霜対象となる室外ユニットが1台であるため、上述した構成とは異なり、制御装置100は、すべての室外ユニット3A、3B、3Cの圧縮機30A、30B、30Cの各運転周波数α、β、γを略同一に(すなわちα=β=γ)調整する。具体的には、2段圧縮における低段側に相当する室外ユニット3A、3Bの圧縮機30A、30Bの運転周波数を60Hz、高段側に相当する室外ユニット3Cの圧縮機30Cの運転周波数を60Hzに設定している。
続いて、制御装置100は、室外ユニット3Cの温度に基づいて除霜が完了したか否かを判断し(ステップS10)、除霜が完了していなければ(ステップS10:NO)、処理ステップをステップS9に戻し、室外ユニット3Cに対する除霜を継続する。一方、除霜が完了していれば(ステップS10:YES)、この室外ユニット3Cの除霜処理を完了する。
また、本構成による除霜運転では、複数台接続された室外ユニットを凝縮器として機能する室外ユニットと、蒸発器として機能する室外ユニットとに区分けし、これら室外ユニット間に冷媒を流して上記凝縮器として機能する室外ユニットの除霜を実行している。この除霜を効率的に行うためには、蒸発器と凝縮器との能力が略等しいことが望ましい。このため、本構成では、室外ユニットを予め2つのグループに区分けしておき、各グループに属する室外ユニットの台数を略同一としている。
ここで、室外ユニットのうち1台でも除霜すべき状態に至った場合には、この1台が属するグループの室外ユニットをすべて凝縮器として機能させ、残りのグループの室外ユニットをすべて蒸発器として機能させるように、各室外ユニットの四方弁を切り換え、各室外ユニット間で冷媒を循環させることにより除霜運転を実行する。
2、2A、2B 室内ユニット
3、3A、3B、3C 室外ユニット
4 ユニット間配管
20 室内熱交換器
21 室内膨張弁
30A、30B、30C 圧縮機
31A、31B、31C 四方弁
32A、32B、32C 室外熱交換器
33A、33B、33C 室外膨張弁
100 制御装置
Claims (4)
- 圧縮機、四方弁、室外熱交換器および室外膨張弁を有する室外ユニットと、室内熱交換器および室内膨張弁を有する室内ユニットとを備え、前記室内ユニットから延びるユニット間配管に前記室外ユニットを複数並列に接続してなる空気調和装置において、
暖房運転中に一の室外ユニットが除霜すべき状態に至った場合には、除霜運転に先立って、除霜対象でない他の室外ユニットの圧縮機の運転を継続しつつ、除霜対象となる前記一の室外ユニットの圧縮機の運転を、所定時間、停止する手段と、この所定時間が経過した後、当該一の室外ユニットが凝縮器として機能するとともに、前記他の室外ユニットが蒸発器として機能するように各室外ユニットの前記四方弁を切り換える手段と、前記複数の室外ユニットの間で冷媒を循環させる手段と、を備えることを特徴とする空気調和装置。 - 前記一の室外ユニットの除霜が終了した場合、すべての室外ユニットの圧縮機を、所定時間、停止する手段と、この所定時間が経過した後、前記他の室外ユニットが凝縮器として機能するとともに、前記一の室外ユニットが蒸発器として機能するように各室外ユニットの前記四方弁を切り換える手段と、前記複数の室外ユニットの間で冷媒を循環させる手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 除霜運転時に、前記室内ユニットの前記室内膨張弁を全閉状態とすることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
- 前記複数の室外ユニットの間で冷媒を循環させる手段は、除霜対象となる一の室外ユニット数が除霜対象でない他の室外ユニット数よりも多い場合には、当該一の室外ユニットの圧縮機の運転周波数を前記他の室外ユニットの圧縮機の運転周波数よりも低く調整することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和装置。
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