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JP5589244B2 - インサート - Google Patents

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JP5589244B2 JP2010226874A JP2010226874A JP5589244B2 JP 5589244 B2 JP5589244 B2 JP 5589244B2 JP 2010226874 A JP2010226874 A JP 2010226874A JP 2010226874 A JP2010226874 A JP 2010226874A JP 5589244 B2 JP5589244 B2 JP 5589244B2
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Description

本発明は、多角形状をなし、前記多角形の少なくとも一辺に切刃部を設けたインサートに関する。
従来のインサートとしては、厚さ方向の両側の面が扁平な平板状に形成され、その扁平な面のうちの一方の面にすくい面が形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−71107号公報
従来のインサートは、すくい面がインサートの扁平な面と同一面に、或いは、溝状に形成されている。よって、例えば、被切削材料の硬さ等に応じたすくい角を得ようとすると、インサートの回転切削工具に対する固定姿勢そのものを適宜設定する必要がある。
また、すくい面がインサートの扁平な面で形成されているので、切刃部の強度を高めるためには、インサートの厚さを全体に厚くする必要があり、特にインサートを焼結金属などで形成する場合に材料コストが上昇するという欠点がある。
さらに、従来のインサートは、一つのインサートに対して一つの切刃部が形成されているため、加工作業に際してインサートの交換頻度が高いものとなっていた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、インサートの回転切削工具に対する固定姿勢を一定にしながら、被切削材料に応じたすくい角を設定することができ、しかも、インサートの使用効率を高め得るインサートを提供することを目的とする。
本発明によるインサートの第1特徴構成は、多角形状をなし、前記多角形の少なくとも一辺に切刃部を備え、
前記切刃部が、厚さ方向の一方側の面に設けた凸部を有するすくい面と、当該厚さ方向の一方側の面に対して交差する面に設けた凹部を有する逃げ面とで形成した凹状の切刃を備えた点にある。
本構成のごとく、凸部を有する形状にすくい面を形成することで、インサートを回転切削工具に対して傾斜させて固定せずとも所定のすくい角を得ることができる。
また、すくい面が形成される凸部は、インサートの厚さに対して当該凸部の厚みを加えた状態に形成されるから、ここに形成される切刃部の強度が高いものとなる。
さらに、多角形状を有するインサートの各辺に切刃部が形成できるから、一つのインサートを切刃部の数だけ繰り返し使用することができる。この結果、切削作業の加工効率が向上し、加工コストを低減化することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記すくい面を、各種寸法の切刃部が等高線状に積層した状態となるように形成した点にある。
本構成であれば、一つの凸部に対して異なる曲率を有する凹状の切刃を形成することができる。例えば、異なる曲率の研削工具等を用いて凸部を削り込むことで、すくい角の等しい各種の切刃を得ることが出来る。よって、多角形状の各辺に同じ曲率の切刃部を形成することもできるし、夫々別の曲率の切刃部を形成することもできる。このように本構成であれば、コストパフォーマンスに優れたインサートを得ることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記逃げ面が、前記切刃部から前記厚さ方向の他方側の面に向けて延出する凹状面であり、前記厚さ方向に垂直な前記凹状面の断面形状が、前記切刃部から前記他方側の面に向かう何れの位置においても等しく形成され、或いは、前記厚さ方向に垂直な前記凹状面の断面形状が、前記切刃部から前記他方側の面に近付くほど凹状の曲率が小さくなるように形成されている点にある。
本構成であれば、逃げ面を形成するのに、例えば、形成する切刃の曲率を有する円筒状の回転研削工具等を用いることで、切刃の形成と同時に逃げ面を形成することができる。よって、インサートの製造効率が向上する。この逃げ面が、切刃部から前記他方側の面に近付くほど凹状の曲率が小さくなるものであれば、加工対象物と逃げ面とのクリアランスがより大きく確保できる。よって、インサートと加工対象物との干渉が確実に防止でき、高品質のアール部加工を行なうことができる。このように逃げ面の曲率が変化する場合でも、例えば円錐状の研削工具等を用いることで、切刃部と逃げ面とを同時に形成することができる。
インサート(スローアウエイチップ)の平面図で、(a)は四つの切刃部の夫々がアール加工寸法が同じ凹状の切刃を備えた場合の平面図であり、(b)は、四つの切刃部の夫々が、アール加工寸法が切刃部毎に異なる凹状の切刃を備えた場合の平面図である。 (a)は切刃部の拡大平面図、(b)は(a)におけるIIb−IIb線断面図である。 切刃部を形成する前のブランクを示す斜視図である。 ブランクの平面図である。 ブランクの側面図である。 図4におけるVI−VI線断面図である。 回転切削工具のヘッドに固定したインサートを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。 第2実施形態のインサートの平面図である。 図8におけるIX−IX線断面図である。 第2実施形態のインサートに切刃部を新たに形成した状態を示す平面図である。 図10におけるXI−XI線断面図である。 第2実施形態のインサートの切刃部を形成する前のブランクの平面図である。 第2実施形態のインサートの切刃部を形成する前のブランクの側面図である。 図12におけるXIV−XIV線断面図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1,図2に、本発明に係るインサートの一例を示す。インサートAは、図7に示すように被切削材料Dの角部をアール形状(曲面形状)に面取り加工するために回転切削工具Cに固定される。インサートAは、例えば、超硬合金等を用いて形成する。
インサートAは、平面視で略正四角形に形成された基体部1を備えている。基体部1の中央には、基体部1を回転切削工具Cに固定するための一つの固定用孔部2を設けてある。基体部1の各一辺には、四つの切刃部3を備えている。
図1(a)には、基体部1の各辺毎に同じアール加工寸法(曲面の曲率)の凹状の切刃4を備えた例を示す。一方、図1(b)には、各辺毎に異なるアール加工寸法を有する切刃4を形成した例を示す。
図3〜図6は、上記切刃部3を形成する前のブランクBを示す。四辺の夫々には、すくい面形成用の凸面部5をブランクBの厚み方向に突設してある。
基体部1は、厚み方向に沿った表と裏とに互いに平行な扁平状の表面6と裏面7とを備えている。これら表面6および裏面7の周縁には、平面状の四つの側面8を備えている。この側面8は、基体部1の厚み方向に対して僅かに傾斜しており、全体として裏面7の側ほど窄まった略円錐台形状となっている。
一対の表面6および裏面7のうち、表面6の夫々の辺に凸面部5を突設してある。この凸面部5が後述するすくい面12となる。一方の裏面7は、図7に示すように、回転切削工具Cの固定座9に形成した固定座面9aに当接し、チップ固定面として機能する。
凸面部5は、図3および図4に示すように略円錐状に形成してある。ただし、この凸面部5は正確な円錐状ではない。図4に示すように、凸面部5という限られた範囲の中で所定の曲率の切刃4を形成しなければならず、図4に示したように各切刃4の予想エッジを比較すると、基準線Xに沿う方向における各エッジどうしの幅は、基準線Xに垂直な方向に沿う各エッジどうしの幅よりも狭い。これは、各種サイズの切刃4を研削加工などする際に、基体部1に対する研削量を少なくして加工量そのものを低減化したり、基体部1のボリュームの減少を少なくして強度維持を図る必要があるからである。このように、凸面部5は上記各形状の切刃部が形成される予想エッジを重ね合わせた形状となる。
また、図4に示すごとく、各凸面部5の基準線Xは、基体部1の中心位置に設けた固定用孔部2に対して距離eだけオフセットしている。
こうすることで、切刃4を加工する場合に、切刃4と固定用孔部2との間隔が広がり、切刃4の加工可能なサイズ幅を拡大することができる。また、切刃4をオフセットして形成してあると、図7(a)に示すごとく、回転切削工具CにインサートAを装着したとき、回転切削工具Cの回転中心から切刃4までの回転半径が短くなる。この結果、加工時に切刃4が被切削材料Dから受ける加工反力が小さくなり、回転切削工具Cが備えるべき駆動トルクを低減化することができる。
基体部1の側面8には、凸面部5の頂点Qから裏面7に向けて広がった凹状面10を形成してある。
この凹状面10は、例えば所定の円錐面の一部で形成する。図5に示すように、裏面7における凹状面10の間隔Tは、表面6における凸面部5の間隔Uと比較してそれ以上に形成してある。前記凸面部5の裏側には切刃4のサイズに合わせた逃げ面11を形成するが、上記凹状面10は、逃げ面11の加工に先立って基体部1の側面8を肉抜きしたものである。
前記間隔Tを間隔Uのサイズ以上に形成したのは、例えば後に切刃4を加工する際に用いる研削工具の都合などによる。切刃4を加工するには、例えば切刃4の曲率を有する円筒状の砥石等を用い、これを所定の逃げ角に傾けた状態で側面8を削ってゆく。間隔Uの幅一杯の切刃4を加工する場合には、側面8を研削する量が最大となる。この場合、側面8の裏面側も当然に削られるので、当該部分を予め凹状に形成しておき、加工効率の向上を図っている。
図2(a)(b)に示すように、インサートAの凸面部5に切刃4が形成されると、凸面部5のうち残存した部分がすくい面12となり、その裏側が逃げ面11となる。この逃げ面11は、凹状面10の一部をさらに研削して形成される。例えば、回転砥石等を凹状面10の側から押し付けて逃げ面11を形成する。凸面部5のうち研削されなかった部分がすくい面12となり、図2(a)に示すように凹状の切刃4が形成される。
尚、図3に示すごとく、側面8の側から逃げ面11を見たとき、逃げ面11の中央部には、円筒状逃げ面11aを形成し、その両側に平面状逃げ面11bを形成する。円筒状逃げ面11aは、例えば上記回転砥石等を単に押し付けた部位である。この結果、図2(a),図3に示すごとく、当該円筒状逃げ面11aに対応する切刃4は円弧状切刃4aとなる。厳密には、当該円弧状切刃4aは完全な円弧状ではないが、以下においては便宜上円弧状と称する。
一方、図2(b),図3に示すごとく、円筒状逃げ面11aに隣接する状態に平面状逃げ面11bを設けてある。この結果、上記円弧状切刃4aの両外側には直線状切刃4bが形成される。尚、この直線状切刃4bも、曲面上の凸面部5の表面に形成されるから厳密には直線状ではない。ただし、以下においては便宜上、直線状切刃4bと称する。
これら平面状逃げ面11bおよび直線状切刃4bは、被切削材料Dの角部を面取り加工した際に、加工した曲面と未加工の平面とを滑らかに連続させるためのものである。このような平面状逃げ面11bおよび直線状切刃4bは、例えば、円筒状の回転砥石を側面8に一旦押し付け、所定の深さまで円弧状切刃4a及び円筒状逃げ面11aを形成した後、この位置を基準にして左右の所定方向に回転砥石を平行移動させることで形成する。
円筒状逃げ面11aを形成する工具の外径を種々設定することにより、寸法・形状が一定のブランクBを用いて、種々のアール加工寸法の切刃4を形成することができる。
図7は、回転切削工具Cのヘッド13に対するインサートAの固定構造を示す。
ヘッド13は図中の矢印aの方向に回転し、インサートAを固定する固定座9を備えている。この固定座9は、基体部1の裏面7を密着させる固定座面9aと、基体部1の隣り合う二辺の側面8を密着させて基体部1を回り止めするよう互いに交差した回止用座面9bとからなる。図7(a)では、回止用座面9bを、ヘッド13の回転軸芯Zに対して45度の角度で交差する姿勢に形成してある。また、固定座面9aはヘッド13の回転軸芯Zと平行に設けてある。
固定座面9aには、軸芯が固定座面9aに対して直交するように形成した固定用雌ネジ孔14が開口している。基体部1の固定用孔部2に固定ボルト15を挿通し、固定用雌ネジ孔14に螺合させてインサートAを固定する。固定状態では、二辺の側面8がヘッド13の径方向外方に突出する。これにより、ヘッド13の下側に向く切刃4および上側に向く切刃4の何れによっても被切削材料Dを面取り加工することができる。
固定ボルト15の頭部15aは円錐台形状を呈する。固定用雌ネジ孔14と固定用孔部2とは相互に偏芯させてあり、固定ボルト15を固定用雌ネジ孔14に締め込むと、頭部15aの円錐状の部分が固定用孔部2に形成した斜面に当接して、インサートAを回止用座面9bの側に押し付ける。
尚、本発明のインサート材を利用して被切削材料Dの角部を面取り加工する場合、被切削材料Dに対して切刃4の全ての部位のすくい角が同じになることはない。例えば、図7(a)をみると、切刃4の個々の位置とヘッド13の回転軸芯Zとの距離は連続的に変化することがわかる。一方、図7(b)のごとくインサートAの平面方向に沿って回転軸芯Zの位置をみると、切刃4の位置と回転軸芯Zの位置とがオフセットしていることがわかる。よって、当該切刃4によって被切削材料Dを加工するとき、切刃4の夫々の部位におけるすくい角は異なるものとなる。よって、凸面部5を形成する際に、予め切刃4が回転軸芯Zに対してどこに位置するかによって、凸面部5の形状を工夫しておいてもよい。
〔第2実施形態〕
図8乃至図11に、インサートAの別実施形態を示す。
ここでは、基体部1の各辺毎に、すくい面形成用の凸面部5を複数設ける。例えば、凸面部5として外側凸面部51と内側凸面部52とを設け、その間に段部16を設ける。図8及び図9は、外側凸面部51に切刃4を形成した例を示しており、図10及び図11は、内側凸面部52に切刃4を形成した例を示している。尚、凸面部は二つ以上設けるものであってもよい。
このように、予め、異なる切刃4の形成領域を区分けしておくと、使用者がブランクに切刃4を加工する際の目安となって便利である。例えば、切刃4の曲率の選択が容易となるばかりでなく、研削工具をインサートAに押し付ける際には、各等高線が目印となって適正な位置に切刃4を形成することができる。
〔第3実施形態〕
図12〜図14は、切刃4を形成する前のインサートAを示す。
ここでは外側凸面部51と内側凸面部52との間の段部16が、基体部1の表面6そのもので形成してある。よって、表面6に対して外側凸面部51の高さと内側凸面部52の高さとの差が小さい。
当該インサートAは、例えば鋳造や焼結により形成する。外側凸面部51と内側凸面部52との間の凹部は、鋳造時等に一度に形成するものであっても良いし、一旦インサートAのブランク材を形成した後、凹部の部分だけを研削等によって形成してもよい。
〔その他の実施形態〕
上記各実施形態においては、切刃形状として単一のアール(円の一部)形状を有するものを示した。しかし、当該形状に限られるものではなく、例えば、複数のアール形状を複合して形成した凹状の切刃等であっても良い。
1 基体部
2 固定用孔部
3 切刃部
4 切刃
4a 円弧状切刃
4b 直線状切刃
5 凸面部
6 表面
7 裏面
8 側面
10 切欠面
11 逃げ面
12 すくい面
17 外側凸面部
18 内側凸面部
A インサート
C 回転切削工具

Claims (3)

  1. 多角形状をなし、前記多角形の少なくとも一辺に切刃部を備え、
    前記切刃部が、厚さ方向の一方側の面に設けた凸部を有するすくい面と、当該厚さ方向の一方側の面に対して交差する面に設けた凹部を有する逃げ面とで形成した凹状の切刃を備えているインサート。
  2. 前記すくい面が、各種寸法の切刃部を等高線状に積層した状態に形成してある請求項1に記載のインサート。
  3. 前記逃げ面が、前記切刃部から前記厚さ方向の他方側の面に向けて延出する凹状面であり、前記厚さ方向に垂直な前記凹状面の断面形状が、前記切刃部から前記他方側の面に向かう何れの位置でも等しく形成され、或いは、前記厚さ方向に垂直な前記凹状面の断面形状が、前記切刃部から前記他方側の面に近付くほど凹状の曲率が小さくなるように形成されている請求項1又は2に記載のインサート。
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