JP5586820B2 - 高屈折率材料 - Google Patents
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Description
そこで、予め形成されている溝部や穴部等に、高屈折率材料を埋め込み、表面をエッチングやCMPにより加工することにより光導波路を形成することが検討されている。つまり、高屈折率材料には、溝部や穴部等への埋め込み性が要求されるようになってきている。上記特許文献1〜3は埋め込み性について考慮しているものではない。
また、本発明の高屈折率材料を用いることにより、高感度で高解像度のCCDセンサ、CMOSセンサ等のイメージセンサを提供することが可能となる。
本発明に係る高屈折率材料は、シロキサン化合物(A)を含有する。
ここで、本発明において、「高屈折率」とは屈折率が1.45より大きいことをいい、1.5以上であることが好ましく、1.6以上であることが更に好ましい。屈折率の上限は特に限定されないが、好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.8以下である。
シロキサン化合物(A)は、下記一般式(a−1)で示される構造単位を有し、ケイ素原子1個に対して炭素原子2個以上の割合のシロキサン化合物である。
上記のように、炭化水素基を有する樹脂を用いることにより、形成される部材の屈折率を向上させることができる。特に、芳香族炭化水素基を有する樹脂を用いることにより、より屈折率を向上させることができる。
また、高屈折率材料の微小空間への埋め込み性を向上させることができる。ここで、本発明において「微小空間」とは、2μm未満の幅の溝、2μm未満の直径を有する穴等をさす。特に、本発明の高屈折率材料は、上記微小空間のアスペクト比(深さ:幅又は直径)が8:1〜4:2である場合に特に、埋め込み性が向上する。
上記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。このように炭素数1〜5のアルキル基を有することにより、耐熱性の低下を防止することができる。
また、上記芳香族炭化水素基は、置換基として水酸基を有する基を含むことが好ましい。これにより、グレイン(grain)の小さい高密度化された高屈折率部材を生成出来る為、高屈折化と埋め込み性を効率よく向上させることができる。
このような芳香族炭化水素基としては、具体的には下記の構造を有するものが好ましく挙げられる。
上記シロキサン化合物としては、具体的には下記の構造式(A−1−1)〜(A−1−3)で表されるシロキサン化合物が挙げられる。
本発明に係る高屈折率材料は、有機溶剤(B)を含有していてよい。
有機溶剤(B)としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ブタノールを用いることが好ましい。
本発明に係る高屈折率材料は、界面活性剤(C)を含有していてもよい。界面活性剤(C)を含有することによって、本発明に係る高屈折率材料の埋め込み特性をより向上させることが可能となる。
界面活性剤(C)としては、特に制限はなく、公知の成分を用いることができる。
本発明の高屈折率材料は、微小空間を好適に埋め込むことができる。
本発明に係る高屈折部材としては、光ファイバや光配線基板等に設けられる導光路、イメージセンサ、カメラ、複写機等の各種機器の部品、光学レンズ等が挙げられる。
ここでは、導光路を形成する場合について、図1を参照して説明する。
まず、図1(a),(b)に示すように、溝101(微小空間)が形成された基板10に、本発明に係る高屈折率材料を塗布し、高屈折率材料膜20を形成する。この形成された高屈折率材料膜20を、所定の温度で焼成する。その後、(c)に示すように、CMPあるいはエッチング等で、溝101以外に形成された高屈折率材料膜20を除去する。これにより導光路(コア部)を形成する。次いで、任意工程として、(d)に示すように、上部に光閉じ込め部30を形成する。この光閉じ込め部30は、上記高屈折率材料から形成されるコア部よりも屈折率の低い材料(例えば、後述の比較例1に記載の樹脂組成物)を塗布し、焼成することにより容易に形成することができる。
下記の構造単位(a−1−1)を有する樹脂(質量平均分子量:6000)を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにPGMEAで調整し、樹脂組成物を得た。
[屈折率]
この樹脂組成物を、ガラス基板にスピンコート法にて塗布し、ホットプレートを用いて80℃、150℃、200℃で各1分間ベークした。次いで、400℃、窒素雰囲気下で30分間焼成することにより、膜厚1μmの部材を得た。
上記部材の633nmの波長における屈折率を、分光エリプソメーター(Woollam社製)にて測定した。その結果を表1に示す。
上記樹脂組成物を、直径が1μmで深さ4μmのホールが形成された基板に塗布し、ホットプレートを用いて80℃、150℃、200℃で各1分間ベークした後、400℃、窒素雰囲気下で30分間焼成し、埋め込み部材を得た。そして、この埋め込み部材について、断面をSEMで測定し、埋め込み性を評価した。形成された埋め込み部材において、ボイド、基板からの剥がれ等が発生していないものを○、発生したものを×とした。
下記の構造単位(a−1−2)を有する樹脂(質量平均分子量:2500)を用い、この樹脂の濃度が30質量%となるようにPGMEAで調整し、樹脂組成物を得た。
下記の構造単位(a−1−3)を有する樹脂(質量平均分子量:8500、p:q=7:3(モル比))を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにn−ブタノールで調整し、樹脂組成物を得た。
下記の構造単位(a−1−4)を有する樹脂(質量平均分子量:2800、p:q=7:3(モル比))を用い、この樹脂の濃度が20質量%となるようにn−ブタノールで調整し、樹脂組成物を得た。
下記の構造単位(a−1−5)を有する樹脂(質量平均分子量:3000、p:q=7:3(モル比))を用い、この樹脂の濃度が25質量%となるようにn−ブタノールで調整し、樹脂組成物を得た。
下記の構造単位(a−1−6)を有する樹脂(質量平均分子量:1500)を用い、この樹脂の濃度が30質量%となるようにPGMEAで調整し、樹脂組成物を得た。
101 溝
20 高屈折材料膜
30 光閉じ込め部
Claims (4)
- 2μm未満の幅の溝又は2μm未満の直径を有する穴である微小空間に充填され、屈折率が1.45より大きく2.0以下である高屈折率部材を形成するための高屈折率材料であって、
下記の構造式(A−1−1)又は(A−1−3)で表されるシロキサン化合物(A)を含む高屈折率材料。
- 前記シロキサン化合物(A)の質量平均分子量は、2000から30000である請求項1に記載の高屈折率材料。
- 請求項1又は2に記載の高屈折率材料から形成された高屈折率部材。
- 請求項3に記載の高屈折率部材を備えたイメージセンサ。
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