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JP5570375B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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JP5570375B2 JP2010219967A JP2010219967A JP5570375B2 JP 5570375 B2 JP5570375 B2 JP 5570375B2 JP 2010219967 A JP2010219967 A JP 2010219967A JP 2010219967 A JP2010219967 A JP 2010219967A JP 5570375 B2 JP5570375 B2 JP 5570375B2
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Description

本発明は、運転席の上方にルーフを備える鞍乗型車両に関する。
従来より、雨天等にも対応できる全天候型の鞍乗型車両として、運転席の上方にルーフを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の鞍乗型車両は、ハンドルより前方に車体に固定された前部ブラケットと、シート後方にフレームから上方に延びるリヤピラーと、前部ブラケット及びリヤピラーに取り付けられウィンドスクリーンを兼ねるルーフと、を備える。
ルーフは、樹脂板からなり、車体の前部から後ろ上がりに延びて運転者の前方を覆うと共に、運転者の頭上を覆うように設けられる。ルーフにおける車幅方向の外縁部は、下方に向かって若干量延びており、これにより、ルーフに付着した雨水が運転席側に浸入することを抑制している。
実用新案登録第2529833号公報
しかし、上記特許文献1に記載の鞍乗型車両においては、運転席の上方に配置されるルーフ(外縁部)が、横風による影響(空気抵抗)を受け易く、乗り心地を損なう要因となっていた。
また、ルーフには、風圧や外力等に対する高い剛性が望まれていた。
本発明は、横風の影響を受けにくくすることができると共に剛性を高くすることができるルーフを備えた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、側面視で車体の前部から後ろ上がりに延び運転者の前方を透視可能に覆うウィンドスクリーンと、前記ウィンドスクリーンの上端部に前端部が接続され後方に延びて運転者の頭上を覆うルーフと、を備える鞍乗型車両であって、前記ルーフは、車幅方向の略中央部の上面に配置される上面中央部と、前記上面中央部の車幅方向外側にそれぞれ配置される上面外側部と、前記上面外側部の車幅方向内側の端部と前記上面中央部の車幅方向外側の端部とを接続し、該上面外側部から該上面中央部に向けて該上面外側部よりも急角度に立ち上がると共に前後方向に延びる立ち上がり部と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の構成に加えて、前記上面中央部は、車幅方向における断面視で、前記立ち上がり部の最も高い部分よりも高さが低くなるように配置されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明においては、請求項1又は2に記載の構成に加えて、前記ルーフの下面は、該ルーフの上面の形状を実質的にならった形状となっていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の構成に加えて、前記上面外側部は、前記上面中央部よりも低い位置に配置されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4のいずれか一つに記載の構成に加えて、前記ウィンドスクリーンと前記ルーフは、一体成形されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項5に記載の構成に加えて、前記ルーフと前記ウィンドスクリーンは、連続して繋がり、前記立ち上がり部の幅は、前方に行くほど減少し、前記立ち上がり部の前端部は、側面視で、車両を操舵するハンドルのグリップ部の上方近傍まで延びていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の構成に加えて、前記ウィンドスクリーンの外側縁部から前記ルーフの外側縁部にかけて該外側縁部を覆うモールが取り付けられることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、車両が横風を受けた場合に、その横風(空気)は、ルーフの上面外側部から立ち上がり部を経て上面中央部の側へと流れる。このとき、ルーフの表面に沿う空気の流れは、立ち上がり部によってルーフの上面から剥離し易くなる。そのため、ルーフに作用する空気抵抗を低減することができ、横風の影響を受けにくくすることができる。また、立ち上がり部は、上面外側部から上面中央部に向けて、上面外側部よりも急角度に傾斜して上方に延びると共に前後方向に延びている。そのため、立ち上がり部をルーフのリブとして機能させることができ、ルーフの剛性を高くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、上面中央部は、車幅方向における断面視で、前記立ち上がり部の最も高い部分よりも高さが低くなるように配置される。そのため、上面中央部に降った雨水が、立ち上がり部の最も高い部分を越えて車幅方向外側に流出することを抑制することができ、上面外側部の外側縁部から落下する雨水を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ルーフの下面は、ルーフの上面の形状を実質的にならった形状となっている。そのため、ルーフの下面に沿って流れる横風を、この下面に対して剥離し易くすることができる。従って、ルーフに作用する空気抵抗を更に低減することができ、横風の影響を更に受けにくくすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、上面外側部は、上面中央部よりも低い位置に配置される。そのため、車両の前方(正面)投影面積を低減することができ、車両走行時に車両が前方から受ける空気抵抗を低減することができる。また、運転者の頭頂部とルーフ(上面中央部)との間に空間を確保し易くすることができ、開放感のある頭上空間を確保することができる。
請求項5に記載の発明によれば、ウィンドスクリーンとルーフは、一体成形される。そのため、部品点数を削減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ルーフとウィンドスクリーンは、連続して繋がり、立ち上がり部の幅は、前方に行くほど減少している。そのため、ルーフの前端部において、立ち上がり部の幅が実質的になくなるように構成することができ、上面中央部の高さと上面外側部の高さとを実質的に一致させることができる。これにより、ルーフの前端部とウィンドスクリーンの上端部(後端部)とを滑らかに繋げることができる。
また、立ち上がり部の前端部は、側面視で、車両を操舵するハンドルのグリップ部の上方近傍まで延びている。そのため、ルーフの上面中央部に降った雨水が車幅方向外側に流出してグリップ部の後方の運転者に落下することを、立ち上がり部によって抑制することが可能となる。これにより、運転者の腕や肩等が雨水で濡れることを抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ウィンドスクリーンの外側縁部からルーフの外側縁部にかけて外側縁部を覆うモールが取り付けられる。そのため、モールによって、ウィンドスクリーンの外側縁部及びルーフの外側縁部を外力等から保護することができる。
本発明の実施形態の鞍乗型車両を示す斜視図である。 本発明の実施形態の鞍乗型車両を示す左側面図である。 本発明の実施形態の鞍乗型車両を示す正面図である。 図2に示すA−A線で切断したルーフを示す断面図である。 ルーフ及びルーフ固定板を示す平面図である。 図2に示すB−B線で切断したルーフ及びルーフ固定板を示す断面図である。 図2に示すA−A線で切断したルーフの立ち上がり部において横風が剥離する様子を示す図である。 (a)から(d)は、ルーフの他の形態を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態の鞍乗型車両について図1から図6を参照しながら説明する。本実施形態においては、鞍乗型車両として、スクータ型の自動二輪車を例にして説明する。図1は、本発明の実施形態の鞍乗型車両を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態の鞍乗型車両を示す左側面図である。図3は、本発明の実施形態の鞍乗型車両を示す正面図である。なお、以下の説明における前後、左右及び上下の方向の記載は、特に明記がない限り、鞍乗型車両に乗車する運転者から見た方向に従う。また、図中、矢印FRは車両の前方を示し、矢印LHは車両の左方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
まず、図1から図3を参照しながら、本実施形態の鞍乗型車両1の全体構成について説明する。図1から図3に示すように、本実施形態の鞍乗型車両1は、車体フレーム5と、1つの前輪WF及び1つの後輪WRと、前輪WFを下端部で軸支するフロントフォーク3と、前輪WF(車両)を操舵するハンドル4と、車体フレーム5にリヤクッション9を介して懸架されるユニットスイング式のスイングアーム10と、スイングアーム10に取り付けられ後輪WRを駆動するパワーユニット12と、運転者2が着座するシート13と、車両の各部を覆うカバー部材15と、運転者2の前方を透視可能に覆うウィンドスクリーン30と、運転者2の頭上を覆うルーフ40と、ルーフ40の後部を車体フレーム5に固定するルーフ固定部材60と、ウィンドスクリーン30の外側縁部37及びルーフ40の外側縁部47を覆うモール80と、を主体として構成される。
車体フレーム5は、複数種の鋼材が溶接等により一体的に結合されて構成される。図1及び図2に示すように、車体フレーム5は、ヘッドパイプ6と、左右一対のメインフレーム7と、複数のクロスメンバ(図示せず)と、を主体として構成される。
ヘッドパイプ6は、車体フレーム5の前端部に配置され、前輪WFを軸支する一対のフロントフォーク3を支持する。メインフレーム7は、左右に一対設けられる(図1及び図2においては、一方のメインフレーム7のみを図示)。一対のメインフレーム7は、側面視で、ヘッドパイプ6から斜め下後方に延びた後、ほぼ水平に後方に延び、更に後ろ上がりに傾斜して延びている。クロスメンバは、左右一対のメインフレーム7の適宜箇所を車幅方向において連結する。
フロントフォーク3は、左右に一対設けられている。一対のフロントフォーク3の上端部は、ヘッドパイプ6等を介してハンドル4に連結されており、このハンドル4によって操舵されるようになっている。一対のフロントフォーク3の下端部は、前輪WFを回転自在に軸支する。
スイングアーム10は、車体フレーム5に上下に揺動自在に取り付けられ、パワーユニット12を支持する。
パワーユニット12は、図示しないエンジン及びその駆動力を後輪WRに伝達する駆動力伝達装置等からなる。
シート13は、車体フレーム5の前後方向における略中央部に配置される。このシート13とハンドル4との間の下方には、運転者2が足を載置するステップフロア14が設けられている。シート13とステップフロア14は、運転者2がいわゆるシットインの乗車姿勢をとることができるようになっている。
カバー部材15は、ハンドル4の前方及び前輪WFの上方を覆うフロントカバー16と、フロントフォーク3の側部やステップフロア14の側部等を覆うサイドカバー17と、車両の後部及び後輪WRの上方を覆うリヤカバー18と、シート13の下方において車体フレーム5を覆うセンターカバー21と、を主体として構成される。
ウィンドスクリーン30は、図2に示すように、側面視で車体の前部から後ろ上がりに弧状に延び、運転者2の前方を透視可能に覆う。ウィンドスクリーン30は、合成樹脂製の透明板からなり、図1及び図3に示すように、前面視で全体形状が上方に向かって幅広となる略矩形となっている。ウィンドスクリーン30の外側縁部37には、モール80(後述)が取り付けられる。
ルーフ40は、図1から図3に示すように、ウィンドスクリーン30の上端部31に前端部40aが接続され、後方に延びて運転者2(図2参照)の頭上を覆う部材である。
ルーフ固定部材60は、ルーフ40の後部を車体フレーム5(メインフレーム7)の後部に固定する部材である。ルーフ固定部材60は、ルーフ40の後部における上面40bに重ねて固定されるルーフ固定板64等を備える(図1参照)。ルーフ40及びルーフ固定部材60の構成の詳細については、後述する。
次に、ルーフ40の詳細について主に図4から図7を参照しながら説明する。図4は、図2に示すA−A線で切断したルーフを示す断面図である。図5は、ルーフ及びルーフ固定部材を示す平面図である。なお、図5においては、説明の便宜上、モール80の図示を省略している。図6は、図2に示すB−B線で切断したルーフ及びルーフ固定板を示す断面図である。図7は、図2に示すA−A線で切断したルーフの立ち上がり部において横風が剥離する様子を示す図である。
ルーフ40は、例えば、合成樹脂製の透明板からなり、図2に示すように、側面視でウィンドスクリーン30の上端部31から後ろ上がりに弧状に延びている。また、ルーフ40は、図5に示すように、平面視で全体形状が略矩形となっている。
図4及び図5に示すように、ルーフ40は、車幅方向の略中央部の上面40bに配置される上面中央部41と、上面中央部41の車幅方向外側にそれぞれ配置される上面外側部42と、上面外側部42の車幅方向内側の端部42aと上面中央部41の車幅方向外側の端部41aとを接続する立ち上がり部43と、外側縁部47と、を備える。
図4及び図7に示すように、上面中央部41は、略平坦となっている。上面中央部41の端部41aは、車幅方向外側に向かって緩やかな傾斜角度で上方に延びている。
上面外側部42は、車幅方向外側から車幅方向内側(上面中央部41側)に向かって緩やかな傾斜角度で上方に延びている。この上面外側部42は、上面中央部よりも低い位置に配置される。上面中央部41及び上面外側部42は、図6に示すように、ルーフ40とルーフ固定部材60のルーフ固定板64(詳細は後述)とを締結する締結部材70(図4及び図5参照)を挿通する貫通穴49を有する。
図4及び図5に示すように、立ち上がり部43は、上面外側部42から上面中央部41に向けて上面外側部42よりも急角度に立ち上がると共に、前後方向に延びている。立ち上がり部43は、図4に示すように、車幅方向における断面視で、上方に突出する円弧状となっており、上面外側部42の端部42aと上面中央部41の端部41aとを滑らかに接続する。上面中央部41は、図4に示すように、車幅方向における断面視で、立ち上がり部43の最も高い部分よりも高さが低くなるように配置される。
また、立ち上がり部43の前端部44は、図2に示すように、側面視で、車両を操舵するハンドル4のグリップ部4aの上方又はその近傍まで延びている。立ち上がり部43の幅は、図5に示すように、前方に行くほど減少している。
また、図3に示すように、左右一対の立ち上がり部43,43は、運転者2の頭部よりも車幅方向外側に位置する。そのため、上面中央部41を広く確保することができ、頭部の上方の空間をより確保し易くすることができる。従って、運転席の居住性を良くすることができる。
また、図5に示すように、左右一対の立ち上がり部43,43の間隔は、前側において若干広く設定される。そして、図2に示すように、ルーフ40は、側面視で前下がりに延びている。そのため、これらの立ち上がり部43,43によれば、ルーフ40の前方から後方に流れる風を剥離することができる。従って、車体のロール時等において、風がルーフ40にまとわり付きにくく、車体のロールを低減することができる。
図4に示すように、外側縁部47は、上面外側部42の車幅方向外側の端部から下方に向かって延びている。この外側縁部47には、モール80(後述)が取り付けられる。
図4に示すように、車幅方向における断面視で、ルーフ40の下面40cは、ルーフ40の上面40bの形状を実質的にならった形状となっている。ここで、「実質的にならった形状」とは、ルーフ40における下面40cの形状が、上面40bの形状と略相似となっているという趣旨である。
以上のように構成されるルーフ40とウィンドスクリーン30は、一体成形され、連続して繋がっている。
図1から図3に示すように、モール80は、ウィンドスクリーン30の外側縁部37からルーフ40の外側縁部47にかけて、これらの外側縁部37,47を覆う部材である。モール80は、ゴム等の弾性部材からなり、図4に示すように、車幅方向における断面視で略U字状に構成される。モール80は、外側縁部37,47に係合する係合溝部81と、雨水を排水する排水溝部82と、を備える。係合溝部81は、抜け止め用の金属製のクリップ(図示せず)を内部に有し、このクリップを介して外側縁部37,47に固定される。排水溝部82は、ルーフ40及びウィンドスクリーン30から流れてきた雨水を車両前部に向けて排水する。
次に、ルーフ固定部材60について説明する。図1から図5に示すように、ルーフ固定部材60は、一対の支柱パイプ61と、連結パイプ62と、支柱カバー63と、ルーフ固定板64と、を備える。一対の支柱パイプ61は、左右一対のメインフレーム7の後部からそれぞれ上方に延びる金属製のパイプである。連結パイプ62は、一対の支柱パイプ61を車幅方向に連結する金属製のパイプである。支柱カバー63は、例えば樹脂製の角筒であり、支柱パイプ61を覆う。支柱カバー63の下端部は、リヤカバー18に取り付けられる。ルーフ固定板64は、支柱パイプ61の上端部に固定され、ルーフ40の後端部を支柱パイプ61に固定する。
ルーフ固定板64は、合成樹脂製の板からなり、図1から図5に示すように、ルーフ40の後端部から後ろ上がりに延びる。ルーフ固定板64は、図5に示すように、平面視で全体形状が略矩形となっている。ルーフ固定板64は、図4及び図6に示すように、車幅方向における断面視で、ルーフ40の形状を実質的にならった形状となっている。
具体的には、ルーフ固定板64は、車幅方向の略中央部に配置される上面中央部65と、上面中央部65の車幅方向外側にそれぞれ配置される上面外側部66と、上面外側部66の車幅方向内側の端部と上面中央部65の車幅方向外側の端部とを接続する立ち上がり部67と、外側縁部66aと、を備える。ルーフ固定板64の上面中央部65、上面外側部66、立ち上がり部67及び外側縁部66aは、ルーフ40の上面中央部41、上面外側部42、立ち上がり部43及び外側縁部47に対応している。ルーフ固定板64において、ルーフ40の対応部分と同様の構成については、詳細な説明を省略し、異なる部分について説明する。
図2及び図4に示すように、上面外側部66は、その後端部に、下方に突出する支柱用ボス部68を一対備える。図4に示すように、支柱用ボス部68は、筒状に構成され、支柱パイプ61の上端がはめ込まれて固定されるようになっている。
また、図6に示すように、上面中央部65及び上面外側部66は、上面中央部41の貫通穴49及び上面外側部42の貫通穴49と対応する箇所において、下方に突出して延びるボス部69を備える。このボス部69は、ねじ等の締結部材70を挿通する貫通穴69aを有する。ルーフ40は、このように構成されたルーフ固定板64と締結部材70及びシール部材(図示せず)によって固定され、支柱パイプ61の上端に連結される。
以上に説明した本実施形態の鞍乗型車両1によれば、以下に示す各効果が奏される。
本実施形態の鞍乗型車両1は、ウィンドスクリーン30と、ウィンドスクリーン30の上端部からに前端部が接続され後方に延びて運転者の頭上を覆うルーフ40と、を備え、ルーフ40は、車幅方向の略中央部の上面40bに配置される上面中央部41と、上面中央部41の車幅方向外側にそれぞれ配置される上面外側部42と、上面外側部42の車幅方向内側の端部42aと上面中央部41の車幅方向外側の端部41aとを接続し、上面外側部42から上面中央部41に向けて上面外側部42よりも急角度に立ち上がると共に前後方向に延びる立ち上がり部43と、を備える。
本実施形態の鞍乗型車両1によれば、図7に示すように、車両が横風W1を受けた場合に、その横風(空気)W1は、ルーフ40の上面外側部42から立ち上がり部43を経て上面中央部41の側へと流れる。このとき、ルーフ40の表面に沿う空気の流れは、立ち上がり部43によってルーフ40の上面40bから剥離し易くなる。そのため、ルーフ40に作用する空気抵抗を低減することができ、横風の影響を受けにくくすることができる。また、立ち上がり部43は、上面外側部42から上面中央部41に向けて、上面外側部42よりも急角度に傾斜して上方に延びると共に前後方向に延びている。そのため、立ち上がり部43をルーフ40のリブとして機能させることができ、ルーフ40の剛性を高くすることができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、上面中央部41は、車幅方向における断面視で、立ち上がり部43の最も高い部分よりも高さが低くなるように配置される。そのため、上面中央部41に降った雨水が、立ち上がり部43の最も高い部分を越えて車幅方向外側に流出することを抑制することができ、上面外側部42の外側縁部47から落下する雨水を低減することができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、ルーフ40の下面40cは、ルーフ40の上面40bの形状を実質的にならった形状となっている。
そのため、図7に示すように、ルーフ40の下面40cに沿って流れる横風W1を、この下面40cに対して剥離し易くすることができる。従って、ルーフ40に作用する空気抵抗を更に低減することができ、横風の影響を更に受けにくくすることができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、上面外側部42は、上面中央部41よりも低い位置に配置される。そのため、車両の前方(正面)投影面積を低減することができ、車両走行時に車両が前方から受ける空気抵抗を低減することができる。また、運転者2の頭頂部とルーフ40(上面中央部41)との間に空間を確保し易くすることができ、開放感のある頭上空間を確保することができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、ウィンドスクリーン30とルーフ40は、一体成形される。そのため、部品点数を削減することができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、ルーフ40とウィンドスクリーン30は、連続して繋がり、立ち上がり部43の幅は、前方に行くほど減少している。そのため、ルーフ40の前端部40aにおいて、立ち上がり部43の幅が実質的になくなるように構成することができ、上面中央部41の高さと上面外側部42の高さとを実質的に一致させることができる。これにより、ルーフ40の前端部40aとウィンドスクリーン30の上端部(後端部)31とを滑らかに繋げることができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、立ち上がり部43の前端部44は、側面視で、車両を操舵するハンドル4のグリップ部4aの上方近傍まで延びている。そのため、ルーフ40の上面中央部41に降った雨水が車幅方向外側に流出してグリップ部4aの後方の運転者2に落下することを、立ち上がり部43によって抑制することができる。これにより、運転者2の腕や肩等が雨水で濡れることを抑制することができる。
本実施形態の鞍乗型車両1においては、ウィンドスクリーン30の外側縁部37からルーフ40の外側縁部47にかけて外側縁部37,47を覆うモール80が取り付けられる。そのため、モール80によって、ウィンドスクリーン30の外側縁部37及びルーフ40の外側縁部47を外力等から保護することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、ルーフ40の車幅方向における断面形状を図4等に示して説明したが、これに制限されず、図8(a)から図8(d)に示すように、種々の形態のルーフ40A,40B,40C,40Dを採用することができる。ここで、図8(a)から(d)は、他の形態のルーフを示す断面図である。
前記実施形態においては、ルーフ40の上面中央部41の車幅方向における断面形状は、略平坦となっているものとして説明したが、これに制限されない。例えば、図8(a)に示すように、ルーフ40Aは、上方に凸となる弧状の上面中央部41を有してもよい。
また、前記実施形態においては、上面外側部42は、上面中央部41よりも低い位置に配置されるものとして説明したが、これに制限されない。例えば、図8(b)に示すように、ルーフ40Bは、上面中央部41よりも高い位置に配置される上面外側部42を有してもよい。
前記実施形態においては、ルーフ40の上面中央部41の車幅方向における断面形状は、略平坦となっているものとして説明したが、これに制限されない。例えば、図8(d)に示すように、ルーフ40Dは、波型の断面形状の上面中央部41を有してもよい。
前記実施形態においては、本発明を鞍乗型車両としてのスクータ型の自動二輪車に適用したが、これに制限されない。例えば、本発明を、ルーフを備えたスクータ型の自動三輪車に適用してもよく、スクータ型車両以外の自動二輪車等に適用してもよい。つまり、鞍乗型車両とは、車体にまたがって乗車する車両全般を含む。
1 鞍乗型車両
2 運転者
4 ハンドル
4a グリップ部
30 ウィンドスクリーン
31 上端部
37 外側縁部
40 ルーフ
40a 前端部
40b 上面
40c 下面
41 上面中央部
41a 端部
42 上面外側部
42a 端部
43 立ち上がり部
44 前端部
47 外側縁部
80 モール

Claims (6)

  1. 側面視で車体の前部から後ろ上がりに延び運転者(2)の前方を透視可能に覆うウィンドスクリーン(30)と、
    前記ウィンドスクリーン(30)の上端部(31)に前端部(40a)が接続され後方に延びて運転者(2)の頭上を覆うルーフ(40)と、
    を備える鞍乗型車両(1)であって、
    前記ルーフ(40)は、
    車幅方向の略中央部の上面(40b)に配置される上面中央部(41)と、
    前記上面中央部(41)の車幅方向外側にそれぞれ配置される上面外側部(42,42)と、
    前記上面外側部(42)の車幅方向内側の端部(42a)と前記上面中央部(41)の車幅方向外側の端部(41a)とを滑らかに接続し、該上面外側部(42)から該上面中央部(41)に向けて該上面外側部(42)よりも急角度に立ち上がると共に前後方向に延びる立ち上がり部(43)と、
    を備え
    前記上面中央部(41)は、車幅方向における断面視で、前記立ち上がり部(43)の最も高い部分よりも高さが低くなるように配置され、
    前記ルーフ(40)の両端には、U字状に湾曲するモール(80)が係合する鞍乗型車両。
  2. 前記ルーフ(40)の下面(40c)は、該ルーフ(40)の上面(40b)の形状を実質的にならった形状となっている請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記上面外側部(42)は、前記上面中央部(41)よりも低い位置に配置される請求項に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記ウィンドスクリーン(30)と前記ルーフ(40)は、一体成形される請求項1からのいずれか一つに記載の鞍乗型車両。
  5. 前記ルーフ(40)と前記ウィンドスクリーン(30)は、連続して繋がり、
    前記立ち上がり部(43)の幅は、前方に行くほど減少し、
    前記立ち上がり部(43)の前端部(44)は、側面視で、車両を操舵するハンドル(4)のグリップ部(4a)の上方近傍まで延びている請求項に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記モール(80)は、前記ウィンドスクリーン(30)の外側縁部(37)から前記ルーフ(40)の外側縁部(47)にかけて該外側縁部(37,47)を覆うように取り付けられる請求項又はに記載の鞍乗型車両。
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