JP5454914B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
このような給湯装置は、湯水が流れる熱交換器と、燃料が燃焼される燃焼装置を備えており、燃焼装置で生成された高温の燃焼ガスの熱エネルギで、熱交換器を流れる湯水が加熱される構成とされている。
従って、給湯装置では、一般的に出湯流量を減少させる際に燃焼量が減少されることを考慮すると、燃焼装置において燃焼量を減少させるために燃焼領域が変更される場合には、一時的ではあるが実際の燃焼による熱量が、湯水を設定温度まで加熱し得る熱量を大幅に超えてしまう場合がある。これにより、出湯温度が一時的に過剰に高くなる場合があり(所謂、オーバーシュート)、使用者に危険を及ぼす可能性があった。
従って、本発明によれば、燃焼エリアの変更を伴う燃焼量の減少を行う場合に、発生し得る高温出湯異常や低温出湯異常が防止されるため、高温の湯が出湯して使用者に危険が及んだり、低温の湯が出湯して使用者に不便を掛けることがない。
また、本発明によれば、要求される出湯量が燃焼装置を作動させる最低流量値以上であれば、ポストパージ後に燃焼装置を再着火するため、再着火が安全且つスムーズに行える。
給湯装置1は、燃料ガスを燃焼する燃焼装置2と、燃焼装置2で加熱された湯水を外部に供給するための配管等により構成された流水系統20と、燃焼装置2に燃料ガスの供給を行う燃料系統30と、燃焼装置2等の制御を行う制御手段40とを備えている。
本実施形態では、合計13本のバーナ5が配されており、9本のバーナ5で形成された大燃焼エリア7と、4本のバーナ5で形成された小燃焼エリア8に区分されている。この大燃焼エリア7と小燃焼エリア8には、燃焼ガスが、それぞれ独立して供給される。また、小燃焼エリア8の直上には、着火プラグたるイグナイタ9が配されており、このイグナイタ9に通電して火花を散らすことで、バーナ5から放出される燃料ガスに着火される。なお、イグナイタ9は、後述する制御手段40からの信号により作動される。
元ガス電磁弁34は、燃焼部3で燃焼されている間は、常に開成され、燃焼が停止すると閉止される。
ガス比例弁35は、開度を調整して、図示しないガス供給源からの燃料ガスの供給量を調整することができるものである。
電磁弁36,37は、ガス供給主管33と燃料供給支管31,32との接続部に配されており、2つの電磁弁36,37は互いに独立して制御されるものであって、燃料ガスが供給される燃焼領域を変更することができる。
通水路21は、湯水が流れる流路であり、給湯装置1内部に設けられた流入側配管22及び流出側配管23と、これらの配管22,23に接続された図示しない給水管及び給湯管によって構成されている。流入側配管22と流出側配管23とは、バイパス配管25によりバイパスされている。また、一次熱交換器11と二次熱交換器12は、接続配管26により接続されている。
流量センサ27は、熱交換器11,12で加熱される湯水の量を検知するものである。
入水温度センサ28は、給水源から供給される湯水の水温を検知するものである。
なお、流量センサ27及び入水温度センサ28は、流入側配管22におけるバイパス配管25が接続された箇所より湯水の流れ方向下流側に配置され、後述する制御手段40と電気的に接続されている。
流出側配管23の中途であって、バイパス配管25の接続箇所よりも湯水の流れ方向下流側の位置には、湯量調整弁51と出湯温度センサ52が設けられている。
湯量調整弁51は、出湯温度が設定温度に比べて低温である場合等に、開度を閉止方向に調整して給湯栓50から出湯される湯水の流量を調整するものである。
出湯温度センサ52は、出湯される湯水の温度を検知するものである。
給湯装置1は、流量センサ27によって図示しない給水源から二次熱交換器12に向けて一定量以上の湯水が供給されたことが検知されると、燃焼装置2が作動を開始する。燃焼装置2が作動すると、まず、送風機10による燃焼前の送風、所謂プレパージが行われる。プレパージが終了すると、元ガス電磁弁34が開成され、必要な燃焼量に応じて、燃焼領域の大小を決定し、その領域に燃料を供給する電磁弁36,37を開く。これによって、燃焼装置2の燃焼能力が決定される。そして、ガス比例弁35を制御して、燃焼領域に供給する燃焼ガスを増減する。また、必要燃焼量が大きく変動した場合は、電磁弁36,37を切り換えて燃焼領域を変更する(以下、能力切り換えとも言う)。そして、ガス比例弁35を制御して、新たな燃焼領域に供給する燃料ガスを増減する。
また、本実施形態では、燃焼装置2の作動の初期段階においては、入水側配管22における入水温度と流量によって必要燃焼量が決定されるが、湯水が出湯すると出湯温度が必要熱量の演算の条件として加えられる(FB制御:フィードバック制御)。
ここで、設定温度と入水温度は変化しても変化量がごく小さいため、必要燃焼量は、流量センサ27で検知する流量値による影響が大であると言っても過言ではない。
ここで、一定流量の湯水が出湯された状態から、出湯流量を変更した場合、特に出湯流量を減少方向に変更した場合に、流量センサ27で検知される流量値が減少し上記関数演算による必要熱量が減少されるため、燃焼装置2における実際の燃焼量も減少する。即ち、このとき燃焼装置2においては、ガス比例弁35による燃料ガスの流量調整、又は、ガス比例弁35の流量調整に加えて電磁弁36,37の開閉制御による燃焼領域の変更が行われる。
また、上記したように、演算される必要熱量は、流量センサ27で検知される湯水の流量によってほぼ決定されるが、現在の流量値から半減以下の流量値になるタイミングと、能力切り換えのタイミングは必ずしも一致しない。また、多くの場合、能力切り換えのタイミングは遅れる。即ち、本実施形態では、流量値が半減以下(以下、大流量変化とも言う)になるタイミングと、能力切り換えのタイミングのいずれか一方が発生してから、一定時間内に他方が発生したことを条件に、一旦全部の燃焼エリア6,7における燃焼を停止し(高温出湯異常防止機能)、その後に所望の燃焼領域で必要燃焼量燃焼させる制御を行うこととした。
なお、以下の説明において、設定温度が摂氏40度、入水温度を摂氏15度とし、第一閾値のタイミングは流量センサ27の検知流量値がαL/minで、第二閾値のタイミングは流量センサ27の検知流量値がβL/minとし、第一流量値αを11L/min、第二流量値βを4L/minとする。
出湯流量を減少して、流量センサ27が検知する流量値が15L/min(最大流量値とする)から3L/min(目標流量値)に大幅に減少される場合を考える。
最大流量値で出湯している場合では、燃焼装置2においては全ての燃焼領域が燃焼している。そして、この状態から、図2のタイムチャートに示すように、カラン等を回すなどして手動で出湯流量を絞ると、流量センサ27の検知流量値が減少し、ガス比例弁35により燃料ガスの流量が減少される。すると、流量センサ27の検知流量が上記第一流量値αに達し、第一閾値のタイミングが到来する(能力切り換えのタイミング)。これにより、制御装置41から電磁弁37を閉止する信号が送られ、大燃焼エリア7のみで燃焼が維持される。またこのとき、タイマーによる計時が開始され、一定時間内(例えば、3〜5秒程度)に大流量変化があるか否かが監視される。
出湯流量を減少して、流量センサ27が検知する流量値が10L/minから3L/min(目標流量値)に大幅に減少される場合を考える。
10L/min(第二流量値β〜第一流量値α)で出湯している場合では、大燃焼エリア7が燃焼している。そして、この状態から、図3のタイムチャートに示すように、カラン等を回すなどして手動で出湯流量を絞ると、上記同様、流量センサ27の検知流量値が減少し、ガス比例弁35により燃料ガスの流量が減少される。すると、変更前の流量値から半減したタイミングが最初に到来する(大流量変化)。このとき、タイマーによる計時が開始され、一定時間内(例えば、3〜5秒程度)に能力切り換えがあるか否かが監視される。
2 燃焼装置
7 大燃焼エリア(燃焼エリア)
8 小燃焼エリア(燃焼エリア)
10 送風機
11 一次熱交換器
12 二次熱交換器
Claims (3)
- 燃焼装置と、熱交換器とを有し、燃焼熱で熱交換器内を流れる水を加熱し、設定温度の湯を出湯させ、
前記燃焼装置は、複数の燃焼エリアに区分され、必要とされる熱量の大小に応じて実際に燃焼させる燃焼エリアを変更する機能を備えた給湯装置であって、
燃焼エリアが燃焼能力の小さい燃焼エリアに変更される場合であって、且つ、要求される出湯量が一定量以上減少されると共に、その前後一定時間内に燃焼エリアを変更する信号が発信された場合に、一旦全燃焼エリアの燃焼を停止し、その後に燃焼装置を再着火して所定の燃焼エリアを燃焼させ、燃焼エリアを変更する場合であって、前記した条件を満足しない場合は、いずれかの燃焼エリアの燃焼を維持して所定の燃焼エリアを燃焼させることを特徴とする給湯装置。 - 燃焼装置に送風する送風機を有し、
全燃焼エリアの燃焼を停止した場合は、送風機によるポストパージが所定時間行われ、要求される出湯量が燃焼装置を作動させる最低流量値以上であれば、ポストパージ後に燃焼装置を再着火することを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。 - 燃焼エリアを変更する際には、変更前後の燃焼エリア及び/又は変更前後の燃焼エリア以外の燃焼エリアを一時的に燃焼させる場合があることを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
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