以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成図である。
図1において、1000はプリンタであり、このプリンタ1000は、プリンタ本体1001と、プリンタ本体1001の上面に配されたスキャナ2000とを備えている。
ここで、原稿を読み取るスキャナ2000は、走査光学系光源201、プラテンガラス202、開閉する原稿圧板203を備えている。また、レンズ204、受光素子(光電変換素子)205、画像処理部206、画像処理部206にて処理された画像処理信号を記憶しておくためのメモリ部208等を備えた画像読取部2001を備えている。
そして、原稿を読み取る際には、プラテンガラス202の上に載置された不図示の原稿に走査光学系光源201によって光を照射することにより読み取るようにしている。そして、読み取った原稿像は画像処理部206により処理された後、電気的に符号化された電気信号207に変換されて作像手段たるレーザスキャナ111に伝送される。なお、画像処理部206にて処理され、符号化された画像情報を一旦メモリ部208に記憶させ、コントローラ120からの信号によって、必要に応じてレーザスキャナ111に伝送することもできる。
プリンタ本体1001は、シートSに画像を形成する画像形成部1003と、画像形成部1003にシートSを搬送するシート搬送装置1004と、プリンタ1000を制御するための制御手段たるコントローラ120等と、を備えている。
シート搬送装置1004は、シートSを給送するシート給送装置1002と、略垂直に配された縦パス108と、縦パス108のシート搬送方向下流側であって略水平に配されたシート搬送路としての水平パス110とを備えている。また、シート搬送装置1004は、縦パス108に配される縦パスローラ対105(105a,105b)と、水平パス110に配されるレジスト部1とを備えている。ここで、縦パス108は、一対のガイド板106,107によって構成される。また、水平パス110は、一対のガイド板109a,109bによって構成される。
シート給送装置1002は、カセット100と、ピックアップローラ101と、フィードローラ102及びリタードローラ103とから成る分離部を備えている。そして、カセット100内のシートSは所定のタイミングで昇降/回転するピックアップローラ101と、分離部との作用によって1枚ずつ分離給送されるようになっている。
シート給送装置1002から給送されたシートSは、縦パスローラ対105により縦パス108を通過した後、水平パス110に配されたレジスト部1に導かれ、画像形成部1003に搬送される。
そして、シート給送装置1002は、シートSを1枚ずつ連続して給送することができ、縦パス108及び水平パス110には、シートSを1枚ずつ連続して搬送することができる。このようにシートSを連続して搬送することで、スループットを向上させている。
レジスト部1は、水平パス110に配置され、オフセット部としての搬送ローラ対である、シートSを挟持しながらシート搬送方向と直交する方向に移動可能なアシストローラ対10を有している。また、レジスト部1は、水平パス110であってアシストローラ対10のシート搬送方向下流側に配置される斜行補正ローラ対21,22を有している。更に、レジスト部1は、水平パス110であって斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向下流側に配置されるシフト部としてのレジストローラ対30を有している。
画像形成部1003は、電子写真方式であり、像担持体である感光体ドラム112、画像書き込み手段であるレーザスキャナ111、現像器114、転写帯電器115、分離帯電器116等を備えている。
そして、画像形成の際には、まずレーザスキャナ111からのレーザ光がミラー113によって折り返されて時計方向に回転する感光体ドラム上の露光位置(レーザ光照射位置)112aに照射されることにより、感光体ドラム上に潜像が形成される。さらにこのようにして感光体ドラム上に形成された潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化されるようになっている。
次に、このようにして顕像化された感光体ドラム上のトナー像は、この後、転写部112bにおいて、転写帯電器115によりシートSに転写される。なお、感光体ドラム112の露光位置112aから転写部112bまでの距離はl0となっている。
さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、分離帯電器116により感光体ドラム112から静電分離された後、搬送ベルト117により定着装置118に搬送されてトナー像の定着が行われ、この後、排出ローラ119によって排出される。
なお、図1において、131はレジストローラ対30のシート搬送方向下流側に設けられた先端検知部としてのレジストセンサであり、このレジストセンサ131により、レジストローラ対30を通過したシートSの先端を検知する。なお、レジストセンサ131がレジストローラ対30を通過したシートSの先端を検知すると、この検知信号に基づき、コントローラ120は所定時間後にシート先端信号(画先信号)をレーザスキャナ111へ送る。これにより、レーザスキャナ111によるレーザ光の照射が開始される。
なお、本実施の形態においては、プリンタ本体1001とスキャナ2000とは別体であるが、プリンタ本体1001とスキャナ2000とが一体の場合もある。また、プリンタ本体1001はスキャナ2000と別体でも一体でも、レーザスキャナ111にスキャナ2000の処理信号を入力すれば複写機として機能し、ファクシミリの送信信号を入力すればファクシミリとして機能する。さらに、パソコンの出力信号を入力すれば、プリンタとしても機能する。
逆に、スキャナ2000の画像処理部206の処理信号を、他のファクシミリに送信すれば、ファクシミリとして機能する。また、スキャナ2000において、原稿圧板203に代わって2点鎖線で示すような原稿自動送り装置250を装着するようにすれば、原稿を自動的に読み取ることもできる。
次に、レジスト部1について説明する。図2は、水平パス110に設けられたレジスト部1の構成を説明する図であり、図3は、レジスト部1の制御ブロック図である。
シート搬送路としての水平パス110は、画像形成部1003(図1参照)のシート搬送方向上流側に配置されており、水平パス110に配される各ローラ対10,21,22,30は、不図示のフレームに回転自在に支持されている。つまり、ローラ対10,21,22,30を有するレジスト部1は、画像形成部1003のシート搬送方向上流側に配置されている。
ここで、レジストセンサ131によりシート先端の検知する際に、先行シートの後端と後続シートの先端との間隔が短いか或いはシート同士がオーバーラップしていると、連続して搬送されるシートの先端を検知できないことがある。つまりシートを連続して搬送する場合とは、シート同士の間隔が0若しくは0に近い状態で搬送する場合、又はシート同士をオーバーラップさせて搬送する場合など、レジストセンサ131によりシート先端が検知できないような間隔でシートを搬送する場合である。
本第1実施形態では、レジスト部1が、レジストセンサ131によりシート先端が検知できないような間隔でシートを搬送する場合でもレジストセンサ131によりシート先端を検知できるように構成されている。つまり、レジストセンサ131をオフセット配置し、レジスト部1においてシートを搬送する際にシートをオフセットさせ、レジストセンサ131によりシート先端が検知された後、レジスト部1においてシートSをオフセット方向と反対方向にシフトさせている。
以下、レジスト部1の具体的な構成について図2を参照しながら説明する。
アシストローラ対10は、図2に示すように、アシスト駆動ローラ10aと、アシスト駆動ローラ10aに不図示の加圧バネによって離間可能に圧接しているアシスト従動ローラ10bとにより構成されている。ここで、アシスト駆動ローラ10aは、アシストモータ11によりシート搬送方向に回転駆動されると共に、アシストシフトモータ12によりアシスト従動ローラ10bと一体にシート搬送方向と直交する幅方向にオフセット可能になっている。したがって、アシストローラ対10は、アシストモータ11の駆動により、シートSを挟持して搬送することができる。そして、アシストローラ対10は、シートSを搬送しながら、アシストシフトモータ12の駆動により、シートSをシート搬送方向と直交する幅方向と平行なオフセット方向にオフセットさせることができる。
また、アシスト従動ローラ10bは、アシスト解除モータ14によりアシスト駆動ローラ10aから離間する方向に移動するようになっており、シートSの挟持を解除することができる。
なお、図2において、アシスト駆動ローラ10a近傍には、アシスト駆動ローラ10aのホームポジション(HP)を検知するためのアシストシフトHPセンサ13が配置されている。また、アシスト従動ローラ10bの近傍には、アシスト従動ローラ10bのホームポジションを検知するためのアシスト解除HPセンサ15が配置されている。
斜行補正ローラ対21,22は、シートSを搬送しながらシートSの斜行を補正する斜行補正部を構成するものであり、幅方向両側に所定間隔Lをあけて配設されている。
斜行補正ローラ対21,22は、周面の一部が切り欠かれてC形状に形成された斜行補正駆動ローラ21a,22aを有している。更に、斜行補正ローラ対21,22は、斜行補正駆動ローラ21a,22aに不図示の加圧バネによって圧接している斜行補正従動ローラ21b,22bを有している。
斜行補正駆動ローラ21a,22aは、それぞれ斜行補正モータ23,24によりシート搬送方向に独立して駆動される。これにより、シートSは、斜行補正駆動ローラ21a,22aと斜行補正従動ローラ21b,22bとにより、挟持されながら搬送される。
斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流側には、斜行補正モータ23,24を起動するための起動センサ27が配置され、シートSの先端を検知に同期して、斜行補正モータ23,24が起動される。この起動センサ27は、感光体ドラム112上の画像(トナー像)の画像基準にシートSの搬送基準を一致させた状態でシートSが搬送される水平パス110の基準搬送領域から幅方向にオフセットされた位置に配置されている。つまり、シートSを幅方向にオフセットさせたときにシートSにおけるオフセット部分の先端が検知し得る位置に配置されている。
ここで、後述する図8に示すように、斜行補正駆動ローラ21a,22aが、その周面が切り欠かれている箇所が斜行補正従動ローラ21b,22bと対向する位置となるホームポジションとなると、シートSの挟持が解除される。そして、このようにシートSの挟持が解除されることにより、斜行補正ローラ対21,22が後述するレジストローラ対30によるシートSの搬送及びシートSの幅方向のシフトを妨げるのを防ぐことができる。
なお、図2において、25,26は、斜行補正駆動ローラ21a,22aの位相を検知するための斜行補正HPセンサであり、この斜行補正HPセンサ25,26により、斜行補正駆動ローラ21a,22aがホームポジションに移動したことを検知する。
斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向上流側には、シートSの幅方向の側端位置(横レジスト位置)を検出可能なラインセンサ28が配設されている。また、斜行補正ローラ対21,22のシート搬送方向下流側には、シートSの側端位置を検出可能なラインセンサ35が配設されている。そして、各ラインセンサ28,35は、シート搬送方向と直交する幅方向に延びる短冊状に形成され、シート搬送方向下流側に設けられている感光体ドラム112(図1参照)の不図示の軸線と平行となるように配置されている。
レジストローラ対30は、周面の一部が切り欠かれてC形状に形成されたレジスト駆動ローラ30aと、レジスト駆動ローラ30aに不図示の加圧バネによって圧接しているレジスト従動ローラ30bとにより構成されている。
このレジストローラ対30のレジスト駆動ローラ30aは、レジストモータ31によりシート搬送方向に駆動される。これにより、シートSはレジストローラ対30(レジスト駆動ローラ30a及びレジスト従動ローラ30b)により挟持されながら搬送される。
ここで、後述する図5に示すように、レジスト駆動ローラ30aが、その周面が切り欠かれている箇所がレジスト従動ローラ30bと対向する位置となるホームポジションとなると、シートSの挟持が解除される。そして、このようにシートSの挟持が解除されることにより、レジストローラ対30が、斜行補正ローラ対21,22によるシートSの斜行補正を妨げるのを防ぐことができる。
また、レジストローラ対30は、レジストシフトモータ33により、幅方向にシフトされるようになっている。これにより、画像形成部1003の感光体ドラム112上に形成されている画像(トナー像)の幅方向の画像基準に、シートSの幅方向の搬送基準を一致させるように、シートSをシフトすることができる。なお、図2において、32はレジスト駆動ローラ30aの位相を検知するためのレジストHPセンサであり、このレジストHPセンサ32により、レジスト駆動ローラ30aがホームポジションに移動したことを検知する。
34はレジストローラ対30の幅方向のホームポジションを検知するためのレジストシフトHPセンサであり、このレジストシフトHPセンサ34により、レジストローラ対30がホームポジションに移動したことを検知する。
また、レジストローラ対30のシート搬送方向下流側であって、レジストローラ対30の近傍には、シートSの先端を検知するための先端検知部としてのレジストセンサ131が配置されている。このレジストセンサ131は、感光体ドラム112上の画像(トナー像)の画像基準にシートSの搬送基準を一致させた状態でシートSが搬送される水平パス110の基準搬送領域から幅方向にオフセットされた位置に配置されている。つまり、シートSを幅方向にオフセットさせたときにシートSにおけるオフセット部分の先端が検知し得る位置に配置されている。そして、アシストローラ対10及び斜行補正ローラ対21,22により、先行シートに対して後続シートを幅方向にオフセットしたオフセット状態で搬送可能な搬送部が構成されている。つまり、アシストローラ対10でシートSを幅方向にオフセットさせ、斜行補正ローラ対21,22で斜行を補正しながら、アシストローラ対10及び斜行補正ローラ対21,22により、シートSをオフセット状態で搬送する。
なお、各センサからの検知信号(検知情報)はコントローラ120(図1参照)に設けられた図3に示すCPU121に入力され、CPU121は、この各センサからの検知信号に基づきモータ等の駆動を制御するようにしている。
ここで、シートSは、レジストセンサ131により先端が検知された後、ラインセンサ35により幅方向の側端位置(横レジスト位置)が検知される。そして、シートSは、ラインセンサ35の検知結果に基づいて、感光体ドラム112上の画像(トナー像)の画像基準にシートSの搬送基準が一致するようにレジストローラ対30により幅方向にシフトされる。そして、レジストセンサ131の検知結果に基づいて、シートSの先端と感光体ドラム112上の画像(余白部分も含む)の先端とを同期させる。
図4は、レジスト部1の動作の概略を示すフローチャートである。図5は、レジスト部1を正面視した場合の概略動作説明図である。図6は、レジスト部1を平面視した場合の概略動作説明図である。図7は、レジスト部1におけるモータ動作を説明する図である。図8は、レジスト部1を正面視した場合の概略動作説明図である。図9は、レジスト部1を平面視した場合の概略動作説明図である。図10は、レジスト部1におけるモータ動作を説明する図である。以下、レジスト部1における動作について、図4のフローチャートに沿って図5〜図10を参照しながら詳細に説明する。
カセット100から給紙されたシートSは、縦パスローラ対105によりアシストローラ対10に搬送される。そして、シートSがアシストローラ対10に達すると、CPU121は、まずシートSのサイズごとに必要に応じて縦パスローラ対105を不図示のローラ解除モータにより離間し、縦パスローラ対105のニップを解除する(step1)。
次に、図6(a),(b)に示すように、先行する先行シートS’の後端がラインセンサ28から抜けると、後続する後続シートSの位置S1におけるシートSの幅方向の側端位置(横レジスト位置)がラインセンサ28により検知される。更に、シートSを位置S1からシート搬送方向に距離ΔL1搬送したときのシートSの位置S2におけるシートSの側端位置がラインセンサ28により検知される。そして、CPU121は、シートSの位置S1及び位置S2におけるシートSの側端位置に基づいて、シートSを距離ΔL1搬送したときのシートSのずれ量ΔL2を算出することにより、シートSの斜行量を検知する(step2)。
そして、CPU121は、アシストシフトモータ12を起動し、アシストシフトモータ12によりアシストローラ対10を幅方向と平行なオフセット方向(図6(a)の矢印A方向)に移動させる(step3)。これにより、アシストローラ対10に挟持されている後続シートSは、先行シートS’に対してオフセット方向に図6(c)に示す位置S3までオフセット(先端位置検知位置までシフト)される。ここで図6(a)において、先行シートS’は、既にレジストローラ対30により幅方向にオフセット方向と反対方向にシフトされており、先行シートS’の搬送基準(中央)C2が感光体ドラム112上の画像(トナー像)の画像基準(中央)C1と一致している。
そして、後続シートSの先端が起動センサ27により検出されると(step4:Yes)、CPU121は、斜行補正モータ23,24のうち、シートSの先端の先行する側に対応するモータ23を起動する。次いで、時間Δt1後に遅れ側のモータ24を起動する(step5)。そして、CPU121は、各モータ23,24によるシートSの搬送速度VL,VRが速度V0となるように制御する。このようにstep1〜step5において斜行補正ローラ起動制御が実行される。
なお、時間Δt1は、次の関係式で求められる。
これにより、ホームポジションにてローラのニップが解除されていた斜行補正ローラ対21、22が図5中矢印B方向に回転し、シートSが挟持搬送され、斜行補正動作が始まる。
次に、斜行補正モータ23の搬送速度VLの減速量をΔV1、アシストモータ11の搬送速度VASXの減速量をΔV2、アシストシフトモータ12の移動速度VASYの加速量をΔV3とすると、各加減速量が次の関係式で求められる。なお、アシストシフトモータ12は、オフセット方向とは反対方向に移動させる。
ここで、上記関係式におけるLASは、アシストローラ対10と、斜行補正ローラ対21,22とのシート搬送方向の距離であり、LRPは、斜行補正ローラ対21と斜行補正ローラ対22とのシート搬送方向と直交する幅方向の距離である。
そして、CPU121は、各モータの制御量、具体的には、各モータ23,11の減速量及びモータ12の加速量(つまり、斜行補正を行うための各種制御パラメータ)を演算する(step6)。
CPU121は、図7に示すように、第1回目の斜行補正区間(T1)において、斜行補正モータ23の搬送速度VLを速度V0から加速度a1でΔV1減速させ、同時にアシストモータ11の搬送速度VASXを速度V0から加速度a2でΔV2減速させる。同時にCPU121は、アシストシフトモータ12の移動速度VASYを加速度a3でΔV3まで加速させる。なお、斜行補正モータ24の搬送速度VRは、速度V0であり、加減速量は0である。
次いで、CPU121は、斜行補正モータ23及びアシストモータ11の搬送速度VL,VASXを斜行補正区間(T1)終了時に速度V0まで再加速し、アシストシフトモータ12を斜行補正区間(T1)終了時に停止する(step7)。これにより、第1回目の斜行補正制御が行われる。このとき、斜行補正駆動ローラ21a,22aのローラ位相が同位相となっている。これにより、図6(d)のように、位置S4のように大斜行していたシートSは、位置S5のように斜行が補正される。
次に、シートSの第1回目の斜行補正制御が終了後、斜行補正モータ23,24、アシストモータ11による搬送速度VL,VR,VASXが速度V0から速度V0’に減速される。
そして、CPU121は、ラインセンサ28及びラインセンサ35により、図6(e)のように、シートSのずれ量ΔL4を検知させることで、ラインセンサ28,35間の距離ΔL3及びずれ量ΔL4に基づいてシートSの斜行量を検出する(Step8)。
次いで、第1回目の斜行補正制御と同様に、第2回目の斜行補正制御を行うため、各モータの制御量、具体的には、斜行補正モータ23の搬送速度VLの減速量ΔV1’、アシストモータ11の搬送速度VASXの減速量ΔV2’を演算する。更に、アシストシフトモータ12の移動速度VASYの加速量ΔV3’を演算する(step9)。
次に、CPU121は、第2回目の斜行補正区間(T2)において、斜行補正モータ23の搬送速度VLを速度V0’から加速度a1’でΔV1’減速し、同時にアシストモータ11の搬送速度VASXを速度V0’から加速度a2’でΔV2’減速する。同時にCPU121は、アシストシフトモータ12の移動速度VASYを加速度a3’でΔV3’まで加速する。次いで、CPU121は、斜行補正モータ23及びアシストモータ11を斜行補正区間(T2)終了時に速度V0’まで再加速し、アシストシフトモータ12を斜行補正区間(T2)終了時に停止する(step10)。これにより、第2回目の斜行補正制御が行われ、図6(d)に示すように、シートSが位置S6に完全に斜行が補正される。
次に、CPU121は、斜行補正ローラ対21,22により斜行状態が補正されたシートSをレジストローラ対30に搬送し、レジストモータ31を起動する(step11、レジストローラ起動制御)。
これにより、ホームポジションにてローラのニップが解除されていたレジストローラ対30が、図8に示す矢印B方向に回転し、シートSが搬送される。そして、レジストローラ対30によりシートSが挟持されると、CPU121は、斜行補正HPセンサ25,26それぞれを基準に、図8のように斜行補正ローラ対21,22をローラニップが解除されるホームポジションで停止させる(step12)。このようにstep12において斜行補正ローラHP停止制御が実行される。
次に、CPU121は、オフセット方向にオフセットされて搬送されているシートSの先端がレジストセンサ131により検知されたか否かを判断する(step13)。すなわち、先行シートS’に対して後続シートSは、オフセット方向にオフセットして搬送されているので、シートSのオフセット部分Sa(図9中斜線部分)の先端Stをレジストセンサ131により検知させることができる。
そして、レジストセンサ131がON(シートSの先端を検知)すると(step13:Yes)、レジストセンサ131による検知と同時に、ラインセンサ35によりシートSの側端位置(横レジスト位置)が検知される(step14)。このようにstep13及びstep14において先レジスト横レジスト検知が実行される。
次に、CPU121は、図10に示すように、レジストセンサ131の検知タイミングと感光体ドラム112上にレーザ光が照射されたタイミング(ITOP)との時間差Δt3を演算する。ここで、感光体ドラム112の露光位置112aから転写部112bまでの距離をl0、レジストセンサ131から転写部112bまでの距離をl1とする(図1参照)。次にCPU121は、時間差Δt3に基づき、距離l0を回転移動する感光体ドラム112の画像の先端と、距離l1を搬送されるシートSの先端とを同期(一致)させるべく、各モータ31,11の減速量ΔV4及び変速時間T3を演算する(step15)。
また、CPU121は、ラインセンサ35の検知信号に基づき、各モータ33,12のシフト方向(オフセット方向と反対方向)の加速量ΔV5及び変速時間T4を演算する(step16)。
そして、CPU121は、レジストモータ31、レジストシフトモータ33、アシストモータ11及びアシストシフトモータ12を制御することで、感光体ドラム112上の画像(トナー像)とシートSとを同期(一致)させる(step17)。このようにstep15〜step17において先レジスト横レジスト補正制御が実行される。
また、CPU121は、ラインセンサ35により検知したシートSの側端位置に基づいて、感光体ドラム112上の画像(トナー像)の画像基準(中央)C1に、シートSの搬送基準(中央)C2が一致するように、シートSをシフト方向にシフトさせている。言い換えれば、CPU121がレジストローラ対30を制御してシートSを中央基準で搬送する位置にシフトさせている。このようにシートSをレジストローラ対30によりシフトさせることで、先行シートS’の側端と後続シートSの側端とが揃えられる。
更に、CPU121は、レジストセンサ131の検知結果に基づいて、感光体ドラム112上の画像(トナー像)の先端と、シートSの先端とが同期(一致)するように、レジストローラ対30の搬送速度を変更する制御をしている。
次に、シートSのシフト動作が終了すると、アシスト解除モータ14を正回転させて、アシストローラ対10のアシスト従動ローラ10bとアシスト駆動ローラ10aとの圧接を解除する(step18)。
そして、アシストローラ対10のニップ解除が、アシスト解除HPセンサ15により検出されると、アシストシフトモータ12を起動し、アシストローラ対10をホームポジションにシフト移動させる。この後、シフト移動したアシストローラ対10をアシストシフトHPセンサ13が検知(OFF)すると、アシストシフトモータ12を停止する(step19)。
このときアシストローラ対10は、先端検知シフト、第1回目、第2回目の斜行補正及び横レジスト補正分シフト方向に移動しているため、アシストシフトモータ12が駆動可能な最大移動速度で時間T5(図10)シフト移動する。
そして、シートSの後端がアシストローラ対10を抜ける位置で、アシスト解除モータ14によりアシストローラ対10は再びニップされる(step20)。このようにstep17〜step20においてレジスト前HP制御が実行される。
レジストローラ対30により搬送されたシートSは、感光体ドラム112によりトナー像が転写され、レジストHPセンサ32を基準に、レジストローラ対30のローラによるニップが解除された状態で、レジストモータ31が停止する(step21)。これと同時に、レジストシフトモータ33が起動され、ホームポジションにシフト移動し、レジストシフトHPセンサ34が検知されると停止する(step22)。このようにstep21及びstep22においてレジストローラHP停止制御が実行される。以上のstep1〜step22が繰り返される。
以上、本第1実施形態によれば、アシストローラ対10により先行シートS’に対して後続シートSが幅方向と平行なオフセット方向にオフセットされる。これにより、後続シートSのオフセット部分Saの先端Stがレジストセンサ131により検知可能となる。
従って、シートを連続して搬送する際に、レジストセンサ131により後続シートSの先端Stを高精度に検知することが可能となる。これにより、感光体ドラム112上の画像位置とシートSとの位置合せを高精度に連続して行うことが可能となる。また、オフセットされたシートは斜行補正ローラ対21,22により搬送されながら斜行が補正されるので、レジストセンサ131による先端Stの検知精度が更に向上する。
なお、本実施の形態では、シートをオフセットして先端を検知した後にシートを搬送基準にシフトさせているが、シフトさせずにオフセットさせた状態でシートを画像形成部に搬送してもよい。この場合、画像形成部では、各シートの位置に合わせて画像の形成位置を調整して画像形成を行えばよい。
すなわち、シートのオフセットをシート搬送方向と直交する方向で交互に異なる方向に行うことによって先行シートに対して後続シートをずらし、そのずれた位置で後続シートの先端を検知するようにする。また、シートのオフセットの仕方はこれに限らず、連続して搬送されるシートのうち、1つおきにシートをシート搬送方向と直交する方向にずらし、先行シートに対して後続シートをオフセットさせてもよい。さらにまた、連続するシートをシート搬送方向と直交する方向であって同一方向にオフセットさせる場合であっても、そのオフセット量を第1の値と第2の値に交互に変更することで先行シートに対して後続シートをオフセットさせてもよい。つまり、いずれの場合であっても、先行シートと後続シートとがシート搬送方向と直交する方向に互い違いとなるようにずらして搬送される。そして、これらの場合、シートの先端を検知するためのレジストセンサは、シート搬送方向と直交する方向で先行シートと後続シートとのずれた部分に対応させて複数箇所に設ける必要がある。また、オフセットされたシートの側端の位置を検知する側端位置検知手段を備え、検知したシートの側端の位置に合わせて感光体ドラム112上の主走査方向の画像書込み位置を調整する。つまり、感光体ドラム112上に形成する潜像の位置を各シートの位置に合わせて調整する。これにより、シートの幅方向におけるシートと画像との位置を合わせることができる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、所謂アクティブレジスト方式の画像形成装置に適用した場合について説明したが、本第2実施形態では、所謂斜送レジスト方式の画像形成装置に適用した場合について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図11は、本発明の第2実施形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の一例であるプリンタのレジスト部の構成の概略を示す説明図である。
本第2実施形態では、レジスト部1’は、アシストモータ11により回転駆動されるアシストローラ対10と、レジストモータ31により回転駆動され、レジストシフトモータ33により幅方向にシフトされるレジストローラ対30とを備えている。
そして、レジスト部1’は、アシストローラ対10とレジストローラ対30との間に配置され、斜送モータ402により回転駆動される複数の斜送ローラ401を備えている。更に、レジスト部1’は、斜送ローラ401の幅方向の側方に配置され、シートSの幅方向の側端をガイドする側端ガイド403を備えている。
斜送ローラ401は、シート搬送方向に対して所定角度傾斜して配置され、側端ガイド403側にシートSをオフセットしながら搬送する。側端ガイド403は、シート搬送方向と平行に延びて形成され、斜送ローラ401に搬送されるシートSの側端が当接する。これにより、シートSの姿勢が矯正され、シートSの斜行が補正される。
つまり、斜送ローラ401及び側端ガイド403により、先行シートS’に対して後続シートSを幅方向と平行なオフセット方向にオフセット状態で搬送可能な搬送部が構成されている。
そして、後続シートSは、斜送ローラ401及び側端ガイド403により、オフセット方向にオフセットされながら搬送され、オフセット部分Saの先端Stがレジストセンサ131により検知される。次いで、後続シートSは、レジストローラ対30によりオフセット方向と反対方向にシフトされる。これにより、感光体ドラム上の画像(トナー像)の画像基準(中央)にシートSの搬送基準(中央)が一致される。そして、レジストセンサ131の検知結果に基づいて、感光体ドラム上の画像の先端とシートSの先端とが同期するように、シートSの搬送速度が制御される。
以上、本第2実施形態でも上記第1実施形態と同様に、レジストセンサ131により後続シートSの先端Stを高精度に検知することが可能となる。これにより、感光体ドラム112上の画像位置とシートSとの位置合せを高精度に連続して行うことが可能となる。
[第3実施形態]
上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、シートの搬送途中でシートを幅方向にオフセットさせる場合について説明したが、本第3実施形態では、予めシートをオフセットさせておき、そのオフセットされたシートを搬送する場合について説明する。なお、上記第1、第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、本発明の第3実施形態に係るシート搬送装置を備えた画像形成装置の一例であるプリンタの要部構成の概略を示す説明図である。
本第3実施形態では、シート収納部としてのカセット100を予め幅方向と平行なオフセット方向にオフセットして配置している。そして、搬送ローラ対等で構成される搬送部10’により予めカセット100でオフセットされたシートSが搬送される。
そして、先行シートに対してオフセットされているシートSのオフセット部分Saの先端Stがレジストセンサ131により検知され、レジストローラ対30によりオフセット方向と反対方向にシフトされる。
このように、本第3実施形態では、上記実施形態と同様の効果を奏すると共に、予めカセット100をオフセットさせておくことにより、シートSをオフセットするための制御が省略できる。また、シートSをオフセットさせるためにローラ対をオフセット方向に駆動するモータ等を省略できるので、装置を小型化することができる。
ここで、シートSの両面に画像形成をする画像形成装置に適用する場合には、画像形成されたシートSを画像形成部に戻す経路でオフセットさせる構成とすればよい。
以上、上記第1〜第3実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記実施形態では、シートの搬送速度を変更して感光体ドラム112上の画像の先端とシートの先端とを同期させているが、感光体ドラム112上に画像を形成するタイミングを変更して、画像の先端とシートの先端とを同期させてもよい。
また、上記実施形態では、感光体ドラム112上の画像の画像基準としての幅方向中央にシートの搬送基準としての幅方向中央を一致させる中央基準でシートを搬送する場合について説明したが、これに限定するものではない。すなわち、感光体ドラム112上の画像の幅方向片側にシートの幅方向片側を一致させる片側基準でシートを搬送する場合であってもよい。
また、シートの搬送基準に感光体ドラム112に形成される画像の画像基準を一致させる場合であってもよい。この場合、レジストローラ対30によりオフセット方向と反対方向にシフトさせるシフト量は、任意に設定することが可能である。すなわち、先行シートS’と後続シートSとを必ずしも揃える必要はなく、シートSの位置に合せて感光体ドラム112上に画像(トナー像)を形成すればよい。